JPH0524014A

JPH0524014A - 無機質板の製造方法

Info

Publication number: JPH0524014A
Application number: JP18135691A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Tomiuchi; 慎一富内
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1991-07-22
Filing date: 1991-07-22
Publication date: 1993-02-02

Abstract

(57)【要約】【目的】任意の表面模様を形成で、かつ素材感、自然
感、質感などのある平滑でない表面を形成しつつ、セメ
ント系無機質板を製造する。【構成】型枠１内に所望の表面模様を形成する模様型
２を配置し、この模様型２の表面に接着剤３を塗布した
後に表面材５を散布し、次いでセメントスラリー６を注
入して養生および脱型する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、無機質板の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、任
意の表面模様を形成でき、かつ素材感、自然感、質感な
どのある非平滑面を形成する事のできる、外装材等とし
て有用なセメント系無機質板の製造方法に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等の建物の外装材として
セメント系無機質板が広く用いられてきている。このセ
メント系無機質板については、断熱性、遮音性等の諸機
能に優れた各種のものがこれまでに開発されている他、
外観意匠性の向上も盛んに検討されてきており、多種多
様の表面模様の形成が行われている。たとえば図２に例
示したような浮き彫り調の無機質板（ア）や図３に示し
たような表面にタイル（イ）、石材などの表面材を打ち
込んだ無機質板（ウ）が知られてもいる。

【０００３】このような種々の表面模様を形成し、外観
意匠性の向上した無機質板を製造するための製造方法と
しては、注型法が、任意の表面模様に対応することがで
きる点で有利であることも知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
注型法により製造される無機質板については、たとえば
図２に示したように、無機質板（ア）表面の模様面が平
滑なセメントのスキン層が形成されるため、たとえば洗
い出しのような自然感のある表面とすることは困難であ
る。

【０００５】一方、図３に示したような、タイル（イ）
等の表面材を表面に打ち込む無機質板（ウ）の場合に
は、図２の無機質板（ア）に比べ素材感や質感があり、
外観意匠性に優れているとともに、表面耐久性を向上さ
せることができるものの、型枠内への表面材の配置、目
地処理などの工程が面倒であり、手間がかかるという欠
点がある。このため、表面材打ち込みのセメント系無機
質板の生産性は良好でなく、しかもコスト高なものとな
っていた。また、砕石等の細かな表面材の打ち込みは行
われていないのが現状である。

【０００６】この砕石等の打ち込みに代わって素材感や
自然感などを表現するために、洗い出し法等により表面
の意匠出しが行われてもいるが、この場合には、無機質
板表面への硬化遅延剤の塗布、洗いだし等が必要とな
り、工程が煩雑で、しかも脱型のタイミングが難しいな
どという種々の問題があった。この発明は、以上の通り
の事情に鑑みてなされたものであり、従来の無機質板の
製造方法の欠点を解消し、任意の表面模様を形成で、か
つ素材感、自然感、質感などのある非平滑表面を形成す
ることのできる新しい無機質板の製造方法を提供するこ
とを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、型枠内に所望の表面模様を形成
する模様型を配置し、この模様型の表面に接着剤を塗布
した後に表面材を散布し、次いでセメントスラリーを注
入して養生および脱型することを特徴とする無機質板の
製造方法を提供する。

【０００８】すなわち、この発明の無機質板の製造方法
は、たとえば図１に例示したように、次の工程に沿って
実施される。＜ａ＞まず、所定のサイズの型枠（１）をセットす
る。＜ｂ＞次いで、所望の表面模様を形成するための模様
型（２）を型枠（１）内に配置する。この図１において
は、無機質板の側面にも模様付けするために、模様型
（２）は、型枠（１）の内壁面まで配置している。こう
することで、無機質板の外観意匠性を更に向上させるこ
とができる。もちろん、模様型（２）の形状は、任意の
ものとすることができる。型枠（１）の底部のみの配置
としてもよい。

【０００９】＜ｃ＞この模様型（２）の表面全面に、
接着剤（３）をたとえばスプレー（４）等により塗布す
る。接着剤（３）の種類についても特に制限はなく、ポ
リビニルアルコール、酢酸ビニル等の任意のものとする
ことができる。＜ｄ＞この後に、ミカゲ石等の砕石、珪砂等の骨材、
あるいはビーズなどの表面材（５）を散布する。表面材
（５）は、接着剤（３）により模様型（２）の外表面全
面に付着する。

【００１０】＜ｅ＞模様型（２）の表面に付着しない
余分な表面材（５）を払い出した後、普通ポルトランド
セメント等のセメント成分に、珪砂等の骨材や添加剤な
ど混入し、所定の比重に調整したセメントスラリー
（６）を注入する。＜ｆ＞養生硬化させた後、脱型し、表面に砕石等の表
面材（５）を有し、パターン模様が形成したセメント系
無機質板（７）を得る。

【００１１】

【作用】この発明においては、填様型表面に接着剤によ
り表面材を配置するため、複雑なパターンを有し、かつ
洗い出しと同等の素材感、自然感、質感等を有する非平
滑表面が、簡便かつ容易に無機質板製造と同時に得られ
る。また、表面が砕石等の表面材で覆われることから、
タイル、石材等の表面材打ち込みと同等の表面耐久性が
得られる。さらには、３面以上の多面の模様付けも可能
となり、商品価値を向上させることができる。製造コス
トも低減される。

【００１２】

【実施例】以下、実施例を示し、この発明の無機質板の
製造方法についてさらに詳しく説明する。すなわち、前
記した通りの図１の工程に沿って、小たっき柄（テクス
チャー深さ：５〜７ｍ／ｍ）の模様型を型枠内全面に配
置し、この上からポバールおよび酢酸ビニル主成分とす
る接着剤をスプレーで塗布した。次いで、ミカゲ石の粉
砕品（サイズ：３〜５ｍ／ｍ）を散布し、余分な砕石を
払い出した後に、セメントスラリー（ポルトランドセメ
ント／珪砂＝１／３，混水比：２０％）を注入した。６
０℃で湿熱養生を１０時間行い、脱型した。

【００１３】得られた成形品は、表面がミカゲ石の砕石
で覆われた自然感のあるセメント系無機質板であった。
もちろんこの発明は、以上の例によって限定されるもの
ではない。表面材の種類、模様型の模様、また、セメン
トスラリーの成分や配合等の細部については様々な態様
が可能であることはいうまでもない。

【００１４】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、複雑なパターンで、かつ洗い出しと同等の素材
感、自然感、質感等を有する非平滑表面が、簡便かつ容
易に無機質板製造と同時に得られる。その表面は、タイ
ル、石材等の打ち込みと同等の耐久性を有する。また、
３面以上の多面の模様付けも可能となり、商品価値を向
上させることができる。製造コストも低減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の無機質板の製造方法の工程を例示し
た工程断面図である。

【図２】従来のセメント系無機質板を例示した斜視図で
ある。

【図３】従来のセメント系無機質板の別の例を示した斜
視図である。

【符号の説明】

１型枠２模様型３接着剤４スプレー５表面材６セメントスラリー７セメント系無機質板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】型枠内に所望の表面模様を形成する模様
型を配置し、この模様型の表面に接着剤を塗布した後に
表面材を散布し、次いでセメントスラリーを注入して養
生および脱型することを特徴とする無機質板の製造方
法。
【請求項２】型枠内側壁にも模様型を配置し、模様型
表面全面に接着剤を塗布して無機質板側面にも模様付け
する請求項１の製造方法。
【請求項３】砕石、骨材またはビーズを表面材として
散布する請求項１または２記載の製造方法。