JPH0647731A - 意匠先付けコンクリートパネルおよび意匠先付けコンクリートパネルの製造方法 - Google Patents

意匠先付けコンクリートパネルおよび意匠先付けコンクリートパネルの製造方法

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JPH0647731A
JPH0647731A JP20547292A JP20547292A JPH0647731A JP H0647731 A JPH0647731 A JP H0647731A JP 20547292 A JP20547292 A JP 20547292A JP 20547292 A JP20547292 A JP 20547292A JP H0647731 A JPH0647731 A JP H0647731A
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JP
Japan
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concrete panel
design
mortar
mold
panel
Prior art date
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Application number
JP20547292A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Tanaka
弘文 田中
Yoshitaka Koyama
義位 小山
Shinichi Hamahira
眞一 濱平
Satoshi Ozawa
聡 小澤
Shigefumi Hisatsune
成史 久恒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 板材表面が化粧板仕上げされたコンクリート
板の工場内製造に適した意匠先付けコンクリートパネル
および意匠先付けコンクリートパネルの製造方法に関
し、工場内で十分管理された方法により連続的に表面意
匠部材を取り付けたコンクリートパネルを生産すること
により、高強度で板厚が薄い、現場組付を容易にする。 【構成】 表面意匠部材2をフェロセメント製コンクリ
ートパネル1に固着させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板材表面が化粧板仕上げ
されたコンクリート板の工場内製造に適した意匠先付け
コンクリートパネルおよび意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高層および中低層建築物の外壁材
にプレキャストコンクリート製品が用いられてきてい
る。カーテンウォールなどのプレキャストコンクリート
製品は、強度、耐久性、形状の自由性および価格の低廉
さなどの特徴から土木建築関係の材料においては重要な
地位を占める様になっている。
【0003】しかし、PC(プレキャストコンクリー
ト)カーテンウォールも脆性材料であることから、角の
欠けやすさ、収縮ひび割れの発生、耐衝撃性に対する不
安などのため、安全性を確保させる目的で、必要以上の
大きな断面の製品を形成しがちであり、それが原因とな
って重量増加をきたし、輸送、施工面において不利にな
り、時には設計上の形状と合致しにくくなったりする場
合もある。
【0004】フェロセメントは、セメントモルタルを金
網、棒網で補強した、いわゆる無機質の複合材料である
が、金網等とセメントモルタルとの密接な結合により、
優れた水密性と高靱性を有する。また、ひび割れが生じ
にくく、たとえひび割れが生じても、それらの幅は狭
く、数多く分散して入る点などで、鉄筋コンクリートと
は大いに異なる性質をもっている。従って、このフェロ
セメントの特徴は、上記PCカーテンウォールの欠点を
補い、PCカーテンウォールのイメージを大幅に改善す
ることが期待される。
【0005】また、カーテンウォールの表面には、高い
意匠性を持たせるため、タイル張りにされたり、天然石
を散りばめたり、または模様付けされている。従来から
行われているコンクリートパネルへのタイル張り仕上げ
工法は、コンクリートパネルへの下地処理から始まり、
不陸補修、タイル左官工事、養生、清掃工程等が必要で
あり、多くの人手と長い工期が必要となる。
【0006】このような左官工事は現実には職人作業に
よるものであり、施工の質は作業に携わった作業者の技
量によるところが大きい。そして、左官モルタルは、強
度発現のために長い養生期間を要し、養生期間中の温度
あるいは湿度と言った気象条件によって、その物性は大
きく影響を受ける。この施工によって使用されるセメン
ト量も比較的多くなる。
【0007】表面仕上げとしてのタイル張り工事は、コ
ンクリート表面に左官モルタルを塗布した後、タイルを
圧着させていくことにより行われる。また、コンクリー
トパネル表面のデザインについては、NC加工機による
切削によって単純な模様付けがなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来におけ
るPCカーテンウォールでは、左官工事は職人の経験に
よるところが大きく、左官材料であるセメント系組成物
(モルタル)の品質管理(W/C、混練性状、養生温
度、湿度等)は困難であり、強度のばらつき、乾燥収縮
等による亀裂、剥離、剥脱が指摘されている。
【0009】工法的にタイルとモルタルとの間の界面付
着強度が十分得られるとは考えられず、界面における剥
離、剥脱の可能性があるため、現在においても、タイル
張り仕上げ工法は好ましい表面仕上げ方法としては認め
られていないのが現状である。さらに、表面のデザイン
は、NC加工機の切削加工による単純な模様付けであっ
て、意匠性に乏しく、昨今の社会的ニーズに対応できな
い。
【0010】そこで本発明は、これら従来における問題
点を解消するため、工場内で十分管理された方法により
連続的に表面意匠部材を取り付けたコンクリートパネル
を生産することにより、高強度で板厚が薄い、現場組付
を容易にした意匠先付けコンクリートパネルおよび意匠
先付けコンクリートパネルの製造方法を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の意匠先付けコン
クリートパネルを図1乃至図3により例示する。意匠先
付けコンクリートパネルは、表面意匠部材をフェロセメ
ント製コンクリートパネル1に固着させたことを特徴と
するものである。また、この意匠先付けコンクリートパ
ネルは、表面意匠部材2,5または6を固着させたフェ
ロセメント製コンクリートパネル1内に補強部材3を層
状に配設したことを特徴とするものである。
【0012】前記意匠先付けコンクリートパネルにおい
ては、図1および図2に例示するように、前記表面意匠
部材として(タイルまたは天然石材等の)化粧板2また
は5をフェロセメント製コンクリートパネル1に固着さ
せたことを特徴とするものである。前記意匠先付けコン
クリートパネルにおいては、図3に例示するように、前
記表面意匠部材としてセメントモルタル製エンボス6を
フェロセメント製コンクリートパネル表面に一体に形成
したことを特徴とするものである。
【0013】また、前記意匠先付けコンクリートパネル
においては、図1乃至図3に例示するように、前記補強
部材3として金網を配設したことを特徴とする。また、
前記意匠先付けコンクリートパネルにおいては、図1乃
至図3に例示するように、エンボス形成モルタル部1b
と該エンボス形成モルタル部1bを一体に形成させたコ
ンクリートパネル本体1aとの間に補強部材3aを延設
して、前記エンボス形成モルタル部1bと前記コンクリ
ートパネル本体1aとの間を強固に結合し、界面におけ
る剥離を機械的に抑止することを特徴とする。
【0014】これらの意匠先付けコンクリートパネルに
おいては、図1乃至図3に例示するように、前記コンク
リートパネル1内に埋込み型の取付金具4を配設させ
て、この取付金具4を用いて構造躯体への取付を行える
ようにしたことを特徴とする。これらの意匠先付け軽量
気泡コンクリートパネルにおいては、コンクリートパネ
ル1のコンクリート組成として、無機質セメント材料
と、骨材と、石灰質材料と、減水剤とを含むとともに、
軽量骨材を混入したことを特徴とする。
【0015】本発明による意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法においては、型枠の底部に特殊ゴム製底部
型枠を配置し、該特殊ゴム製底部型枠に表面意匠部材を
配設し、前記型枠内に補強部材3を層状に配設し、モル
タルを流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一に流
入させ、その後に水和硬化過程を行うことにより、表面
意匠部材を固着したフェロセメント製コンクリートパネ
ル1を成形させることを特徴とするものである。
【0016】また、意匠先付けコンクリートパネルの製
造方法においては、型枠の底部にあらかじめ設定した模
様付けを施して高い意匠性を付与した特殊ゴム製底部型
枠を配置し、前記型枠内に補強部材3を層状に配設し、
モルタルを流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一
に流入させ、その後に水和硬化過程を行うことにより、
パネル表面に高意匠性表面層1bを一体に形成させたフ
ェロセメント製コンクリートパネル1を形成することを
特徴とする。
【0017】そして、前記意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法においては、前記型枠内に補強部材3を層
状に配設し、取付金具4をセットし、モルタルを流し込
み、加振して型枠内にモルタルを均一に流入させ、その
後に水和硬化過程を行うことにより、パネル裏面に取付
金具4を配設して構造躯体への取付を容易にしたフェロ
セメント製コンクリートパネル1を形成することを特徴
とする。
【0018】
【作用】このように構成したことにより、本発明による
意匠先付けコンクリートパネルは、パネル表面に(タイ
ル、天然石板またはモルタル製エンボス等の)表面意匠
部材2,5または6を固着したフェロセメント製コンク
リートパネル1を形成したことによって、効率良く工場
内生産され、パネル強度が強く、美観に優れた建築用外
壁材が得られる。
【0019】また、本発明による意匠先付けコンクリー
トパネルにおいては、コンクリートパネル1内に補強部
材3を層状に配設したことにより、板厚の薄い、高強度
のコンクリートパネルが得られる。そして、意匠先付け
コンクリートパネルにおいては、表面意匠部材として化
粧板2または5を固着させたことによって、モルタルが
そのまま化粧板の接着剤となり、化粧板を接着した表面
強度が高強度であり、しかも美観に優れた建築用外壁材
が得られる。
【0020】そしてまた、意匠先付けコンクリートパネ
ルにおいては、高い意匠性を施したセメントモルタル製
のエンボス6をフェロセメント製コンクリートパネル表
面に一体に形成したことによって、高精度で設定された
模様を再現できるようになり、任意のデザインを表現し
うる建築用外壁材が得られる。これらの意匠先付けコン
クリートパネルにおいては、コンクリートパネル1内に
補強部材3として金網を層状に配設したことにより、コ
ンクリートパネル1を強固に形成させるとともに板厚を
薄くさせる。
【0021】また、意匠先付けコンクリートパネルにお
いては、エンボス形成モルタル部1bとコンクリートパ
ネル本体1aとの間に補強部材3を延設したことによ
り、エンボス形成モルタル部1bとコンクリートパネル
本体1aとの間を強固に結合させるとともに、エンボス
形成モルタル部1bとコンクリートパネル本体1aとの
境界における剥離を機械的に抑止させる。
【0022】これらの意匠先付けコンクリートパネルに
おいては、コンクリートパネル1内に取付金具4を配設
したことにより、この取付金具4を用いることで容易に
構造躯体への取付けが可能になる。これらの意匠先付け
軽量気泡コンクリートパネルにおいては、コンクリート
パネル1aのコンクリート組成として、無機質セメント
材料と、骨材と、石灰質材料と、減水剤とを含むととも
に、さらに軽量骨材を混入させることによって、軽い薄
板を形成させる。
【0023】本発明による意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法においては、型枠の底部に表面意匠部材を
形成させるための特殊ゴム製底部型枠を配置し、その特
殊ゴム製底部型枠に表面意匠部材として化粧板2,5等
の別部材がある場合にはその別部材を配設する、それか
ら前記型枠内に補強部材3を層状に配設して、モルタル
を流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一に流入さ
せ、その後に蒸気養生あるいはオートクレーブ養生など
により水和硬化過程を行うことによって、表面意匠部材
を強固に固着させた強靱なフェロセメント製コンクリー
トパネル1を成形させ、表面意匠部材を固着させたコン
クリートパネル1の工場内製造を可能にする。
【0024】また、意匠先付けコンクリートパネルの製
造方法においては、型枠の底部にあらかじめ設定した模
様付けを施して高い意匠性を付与した特殊ゴム製底部型
枠を配置し、型枠内に補強部材3を層状に配設して、モ
ルタルを流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一に
流入させ、その後に蒸気養生あるいはオートクレーブ養
生などにより水和硬化過程を行うことによって、パネル
表面に高い意匠性を付与した強靱なフェロセメント製コ
ンクリートパネル1を形成させ、表面に高い意匠性を有
するコンクリートパネル1の工場内製造を可能にする。
【0025】そして、前記意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法においては、型枠内に補強部材3を層状に
配設し、取付金具4をセットし、モルタルを流し込み、
加振して型枠内にモルタルを均一に流入させ、その後に
水和硬化過程を行うことにより、パネル裏面に取付金具
4を配設したフェロセメント製コンクリートパネル1が
形成され、このコンクリートパネル1の取付金具4を用
いることによって建築用外壁材の構造躯体への取付を容
易にさせる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図3により
具体的に説明する。まず、図1に示すタイル先付けコン
クリートパネルによって説明する。コンクリートパネル
1の本体1aはフェロセメントにより形成し、表面には
必要個数のタイル2を固着させ、パネル内部には金網か
らなる補強部材3を3層にして配設し、裏面には躯体に
ネジ止めするためのネジ孔などの締着部を形成した複数
個の取付金具4を配設する。
【0027】このコンクリートパネル1の本体1aを形
成するコンクリートの組成としては、例えば、無機質セ
メント材料と、骨材と、石灰質材料と、減水剤とを含
み、さらに軽量骨材(例えば、パーライト等)を混入さ
せて、比重の小さい(比重1.0〜2.0 以内の)薄板を形
成させる。フェロセメントを固める型枠は、底面(例え
ば、600×1500mmの底面)にシリコンゴム製の
デザインプレートを置くことができるようにし、そのデ
ザインプレートには所定個数のタイル2をモルタルを流
し込む前に予めセットできるように、タイル2の大きさ
を有する凹部を形成させておく。高意匠性を付与するた
めに、タイル2の各種の並べ方に応じたデザインプレー
トを、予め製作しておく。
【0028】コンクリートパネル1の形成には、まず、
型枠の底面にデザインプレートを置き、そのデザインプ
レートの凹部に必要個数のタイル2をセットする。この
プレート面とタイル表面との間に生じた段差が目地の厚
みとなる。このタイルをセットした後、タイル2の裏足
上に躯体との取り付けに必要な位置に必要な個数の取付
金具4を正確にセットし、その上に数枚(通常2〜5
枚)の金網を層状に置く。その後、セメントモルタルを
型枠内に流し込み、タイル2が動かぬ程度の振動をか
け、モルタルが均一にゆきわたるようにする。そして、
数時間経過後、キャッピングをし、蒸気養生またはオー
トクレーブ養生を行う。
【0029】実施例の第1別態様を図2の天然石先付け
コンクリートパネルで説明する。コンクリートパネル1
の本体1aはフェロセメントとし、表面に固着させる必
要個数の天然石5は、厚みを略同一に形成してセットす
る。パネル内部に配設する補強部材3と、裏面の躯体に
ネジ止めするために配設する取付金具4とは前記実施例
と同様とする。
【0030】パネル形成については、デザインプレート
の凹部に必要個数の天然石5をセットする点以外は同じ
とする。また、実施例の第2別態様を図3のエンボス模
様付けコンクリートパネルに基づき説明する。コンクリ
ートパネル1の本体1aはフェロセメントとし、表面に
エンボス模様を形成させる。パネル内部に配設する補強
部材3は、エンボス模様を形成するセメントモルタル部
1bの厚みが厚くなる場合または予め形成させるエンボ
ス模様付きセメントモルタル部の場合には、エンボス模
様形成側のセメントモルタル部に配設される補強部材3
aを他の補強部材3の配設側まで延設させる。裏面の躯
体にネジ止めするために配設する取付金具4は前記実施
例と同様とする。
【0031】このような実施例として形成されるフェロ
セメントパネルの例として、第1表に標準的な組成を、
その組成におけるフェロセメント試料の寸法例および曲
げ強度を第2表および第3表に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】この表に示すように、補強しない通常のセ
メントモルタルに比較して、金網を複数枚層状に添加し
た補強により、略4〜5倍の高強度が得られている。 〔実施例の効果〕このように実施例では、パネル内部に
数枚の金網を層状に配したことにより、高強度で薄い
(厚さ20mmから75mm程度)板厚のパネル本体1
aが形成でき、軽量骨材を混入することにより部材の軽
量化を一層進め、運搬効率の向上、施工機械の簡易化、
構造躯体の軽減が実現でき、さらに裏面には取付金具4
を配設したことにより取り付け施工の容易化による工期
の短縮を、また、型枠の形状を変化させることによる部
材形状の高い自由性が得られることなどが実現でき、高
い意匠性のあるパネル表面を形成した強靱なコンクリー
トパネルを形成させて、PCカーテンウォールの代替と
しての高層、および中低層建築物の外壁材が実現でき
る。
【0036】型枠は、その底面にシリコンゴム製のデザ
インプレートを置くようにしたことによって、モルタル
との付着がなく、型外しが容易にできる。また、実施例
の製造法では、型枠内にあらかじめ表面意匠部材を配置
するか、あるいは型枠の底面に置くデザインプレートに
あらかじめ意匠性の高い模様を型取り、その後、特殊配
合された高強度モルタルを流し込み、蒸気養生またはオ
ートクレーブ養生することにより意匠先付けコンクリー
トパネルを形成させたことにより、表面意匠部材を強固
に固着させた、化学的に安定で強靱なコンクリートパネ
ルが得られ、左官作業部分の工業化ができ、表面意匠部
材の配置からパネル形成までを、連続的な生産により製
品化を行うことができて、品質を十分に管理することが
でき、しかもタイル工事等の現場施工を不要にさせて、
大幅な工期短縮および人員削減ができ、経費を安価にす
ることができるという経済的効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明による意匠先付けコ
ンクリートパネルでは、パネル表面に表面意匠部材2,
5または6を固着したフェロセメント製コンクリートパ
ネル1を形成したことによって、効率良く工場内生産さ
れ、パネル強度が強く、美観に優れた建築用外壁材が得
られる。このため、表面意匠部材先付けによる現場での
省力化および安定した品質の確保ならびに高意匠性の付
与が実現できる。運搬効率の向上、施工機械の簡易化、
施工の容易性による工期の短縮、型枠の形状を変化させ
ることによる部材形状の高自由性などが実現できる。
【0038】また、本発明による意匠先付けコンクリー
トパネルにおいては、コンクリートパネル1内に補強部
材3を層状に配設したことにより、板厚の薄い、高強度
のコンクリートパネルを得ることができる。このため、
部材の軽量化、構造躯体の軽減が実現できる。そして、
前記意匠先付けコンクリートパネルにおいては、表面意
匠部材として化粧板2または5を固着させたことによっ
て、モルタルがそのまま化粧板の接着剤となり、化粧板
の接着には高強度で接着でき、しかも美観に優れた建築
用外壁材を得ることができる。
【0039】そしてまた、前記意匠先付けコンクリート
パネルにおいては、高い意匠性を施したセメントモルタ
ル製のエンボス6をフェロセメント製コンクリートパネ
ル表面に一体に形成したことによって、高精度で設定さ
れた模様を再現でき、任意のデザインを表現しうる建築
用外壁材を得ることができる。これらの意匠先付けコン
クリートパネルにおいては、コンクリートパネル1内に
補強部材3として金網を層状に配設したことにより、コ
ンクリートパネル1の板厚を薄くでき、しかも強固に形
成させることができる。
【0040】また、この意匠先付けコンクリートパネル
においては、エンボス形成モルタル部1bとコンクリー
トパネル本体1aとの間に補強部材3を延設したことに
より、エンボス形成モルタル部1bとコンクリートパネ
ル本体1aとの間を強固に結合させることができるとと
もに、エンボス形成モルタル部1bとコンクリートパネ
ル本体1aとの境界における剥離を強力に抑止できる。
【0041】これらの意匠先付けコンクリートパネルに
おいては、コンクリートパネル1内に取付金具4を配設
したことにより、この取付金具4を用いることで容易に
構造躯体への取付けができる。これらの意匠先付け軽量
気泡コンクリートパネルにおいては、コンクリートパネ
ル1のコンクリートの組成として、無機質セメント材料
と、骨材と、石灰質材料と、減水剤とを含むとともに、
軽量骨材を混入させたことによって、強靱で軽い薄板が
形成でき、軽量化、構造躯体の軽減、運搬効率の向上等
が実現できる。
【0042】本発明による意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法においては、型枠の底部に表面意匠部材を
形成させるための特殊ゴム製底部型枠を配置し、その特
殊ゴム製底部型枠に表面意匠部材として化粧板2,5等
の別部材がある場合にはその別部材を配設し、それから
前記型枠内に補強部材3を層状に配設して、モルタルを
流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一に流入さ
せ、その後に水和硬化過程を行うことによって、表面意
匠部材を強固に固着させた強靱なフェロセメント製コン
クリートパネル1が成形でき、表面意匠部材を固着させ
たコンクリートパネル1の工場内製造が実現できる。
【0043】また、意匠先付けコンクリートパネルの製
造方法においては、型枠の底部にあらかじめ設定した模
様付けを施して高い意匠性を付与した特殊ゴム製底部型
枠を配置し、型枠内に補強部材3を層状に配設して、モ
ルタルを流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一に
流入させ、その後に水和硬化過程を行うことによって、
パネル表面に高い意匠性を付与した強靱なフェロセメン
ト製コンクリートパネル1が成形でき、表面に高い意匠
性を有するコンクリートパネル1の工場内製造が実現で
きる。
【0044】そして、前記意匠先付けコンクリートパネ
ルの製造方法においては、型枠内に補強部材3を層状に
配設し、取付金具4をセットし、モルタルを流し込み、
加振して型枠内にモルタルを均一に流入させ、その後に
水和硬化過程を行うことにより、パネル裏面に取付金具
4を配設したフェロセメント製コンクリートパネル1が
成形でき、このコンクリートパネル1の取付金具4を用
いることによって建築用外壁材の構造躯体への取付が容
易にできる。
【0045】このように意匠先付けコンクリートパネル
を製造することができるようにしたことによって、表面
意匠部材の配置からコンクリートパネル一体化まで、あ
るいはモルタル層によりコンクリート表面に意匠性を付
与したコンクリートパネルの成形までを、工場内で十分
管理した状態で連続的に大量生産することができ、現場
施工を不要にすることができ、大幅な工期短縮、人員削
減ができて、経費削減が実現するといった経済的効果が
得られ、またデザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるタイル先付けコンクリー
トパネルを示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施例による天然石先付けコンクリー
トパネルを示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施例によるエンボス模様付けコンク
リートパネルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートパネル 1a パネル本体 1b エンボス形成モルタル部 2 タイル 3 補強部材 3a 延設部を有する補強部材 4 取付金具 5 天然石 6 エンボス模様
フロントページの続き (72)発明者 小澤 聡 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 セメント株式会社内 (72)発明者 久恒 成史 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 セメント株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面意匠部材(2,5または6)をフェ
    ロセメント製コンクリートパネル(1)に固着させたこ
    とを特徴とする意匠先付けコンクリートパネル。
  2. 【請求項2】 表面意匠部材(2,5または6)を固着
    させたフェロセメント製コンクリートパネル(1)内に
    補強部材(3)を層状に配設したことを特徴とする意匠
    先付けコンクリートパネル。
  3. 【請求項3】 前記表面意匠部材として化粧板(2また
    は5)をフェロセメント製コンクリートパネル(1)に
    固着させたことを特徴とする請求項1記載の意匠先付け
    コンクリートパネル。
  4. 【請求項4】 前記表面意匠部材としてセメントモルタ
    ル製エンボス(6)をフェロセメント製コンクリートパ
    ネル表面に一体に形成したことを特徴とする請求項1記
    載の意匠先付けコンクリートパネル。
  5. 【請求項5】 前記補強部材(3)として金網を配設し
    たことを特徴とする請求項2記載の意匠先付けコンクリ
    ートパネル。
  6. 【請求項6】 エンボス形成モルタル部(1b)と該エ
    ンボス形成モルタル部(1b)を一体に形成させたコン
    クリートパネル本体(1a)との間に補強部材(3a)
    を延設して、前記エンボス形成モルタル部(1b)と前
    記コンクリートパネル本体(1a)との間を強固に結合
    し、界面における剥離を機械的に抑止することを特徴と
    する請求項2記載の意匠先付けコンクリートパネル。
  7. 【請求項7】 前記コンクリートパネル(1)内に埋込
    み型の取付金具(4)を配設させて、この取付金具
    (4)を用いて構造躯体への取付を行えるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至6記載の意匠先付けコンク
    リートパネル。
  8. 【請求項8】 前記コンクリートパネル(1)を形成さ
    せるコンクリートの組成として、無機質セメント材料
    と、骨材と、石灰質材料と、減水剤とを含むとともに、
    軽量骨材を混入したことを特徴とする請求項1乃至7記
    載の意匠先付けコンクリートパネル。
  9. 【請求項9】 型枠の底部に特殊ゴム製底部型枠を配置
    し、該特殊ゴム製底部型枠に表面意匠部材を配設し、前
    記型枠内に補強部材(3)を層状に配設し、モルタルを
    流し込み、加振して型枠内にモルタルを均一に流入さ
    せ、その後に水和硬化過程を行うことにより、表面意匠
    部材を固着したフェロセメント製コンクリートパネル
    (1)を成形させることを特徴とする意匠先付けコンク
    リートパネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 型枠の底部にあらかじめ設定した模様
    付けを施して高い意匠性を付与した特殊ゴム製底部型枠
    を配置し、前記型枠内に補強部材(3)を層状に配設
    し、モルタルを流し込み、加振して型枠内にモルタルを
    均一に流入させ、その後に水和硬化過程を行うことによ
    り、パネル表面に高意匠性表面層(1b)を一体に形成
    させたフェロセメント製コンクリートパネル(1)を形
    成することを特徴とする意匠先付けコンクリートパネル
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 型枠の底部に特殊ゴム製底部型枠を配
    置し、前記型枠内に補強部材(3)を層状に配設し、取
    付金具(4)をセットし、モルタルを流し込み、加振し
    て型枠内にモルタルを均一に流入させ、その後に水和硬
    化過程を行うことにより、パネル裏面に取付金具(4)
    を配設して構造躯体への取付を容易にしたフェロセメン
    ト製コンクリートパネル(1)を形成することを特徴と
    する意匠先付けコンクリートパネルの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101997490B1 (ko) * 2019-02-12 2019-07-08 주식회사 한길 인공암 블록 및 이를 이용한 인공암 구조물 시공 방법

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KR101997490B1 (ko) * 2019-02-12 2019-07-08 주식회사 한길 인공암 블록 및 이를 이용한 인공암 구조물 시공 방법

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