JPH0523959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、下方に設置された燃料タンクの燃料
を汲み上げて各部屋の石油ストーブ等に送る液体
燃料供給装置の燃料流入部構造に関する。

（従来の技術） 一般に二階以上の建物では、下方に大型の燃料
タンクが設置され、該燃料タンク内の燃料を液体
燃料供給装置で一旦汲み上げてから各部屋の石油
ストーブ等の燃焼装置に送つている。

第２図はその従来の液体燃料供給装置の簡略断
面図、第３図は第２図の要部断面図である。

図において、１は装置本体で、燃料室２を構成
し、その底部にポンプ室３を形成している。４は
燃料汲み上げ用のポンプで、装置本体１に固定さ
れたポンプ固定用のゴム５に取付けられて、後記
するように、ポンプ室３中に固定されている。ポ
ンプ室３の下方にはフイルタ室６を形成し、該フ
イルタ室６には、逆止弁７と筒状フイルタ８が配
設されている。逆止弁７は、弁体９、弁棒１０、
弁座１１及びコイルばね１２から構成され、弁座
部分がポンプ４とともにポンプ固定用のゴム５に
ねじ１３によつて固着されている。１４はドレン
キヤツプで、フイルタ室６の下方の開口部にＯリ
ング１５を介在させてねじ込みより取付けられて
いて、ドレンを貯留させる。１６は流入口で、フ
イルタ室６の側部にねじ込みあるいは溶接などに
よつて取付けられ、開口部を下方に向けていて燃
料タンク（図示せず）からの燃料を受入れる。１
７は燃料室２中の油面レベルを検出するフロート
スイツチ、１８は燃料を燃焼装置（図示せず）に
流出させる流出口、１９は流出口１８を開閉操作
する流出弁レバーである。

上記の構成において、ポンプ４が作動すると、
燃料タンク（図示せず）からの燃料は、矢印で示
すように、流入口１６、フイルタ８を通り、弁体
９を押し上げてポンプ室３に流出して燃料室２に
貯蔵される。ポンプ４が停止しているときは弁体
９は弁座１１に押しつけられていて燃料の逆流が
阻止される。

フイルタ８を保守・点検する場合は、ドレンキ
ヤツプ１４を廻して本体１から取り外して、フイ
ルタ８を下方に引き抜く。また、逆止弁７を保
守・点検する場合は、ポンプ室３の蓋（図示せ
ず）を外し、ポンプ４とポンプ固定用のゴム５と
逆止弁７とを一体のままで上方に引き上げ、本体
１から取り出してから、ねじ１３をゆるめて逆止
弁７を取り外す。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記の液体燃料供給装置の流入
部構造においては、フイルタを容易に着脱可能に
するためのスペースを装置本体の下方に確保する
必要があるので、装置の設置場所の制約を受ける
という問題点があり、また、逆止弁を取り外す際
にはポンプも同時に取り外さなければならないの
で、その作業が厄介だつた。そしてフイルタ室の
フイルタ取り外しのための開口部と吸入口の開口
部とが同一方向を向いているので、フイルタ室と
吸入口とを一体成形できず、別体に成形してねじ
込みあるいは溶接などによつて取り付けることに
なり、コストアツプを招くとともにこの部分の油
もれの対策も必要であつた。

また、これらの対策として、実公昭56−23503
号においては、弁体が水平方向に移動して逆流を
阻止する逆止弁を備え、本体側面から該逆止弁と
フイルタとを取り外し出来るようにしているが、
弁体の自重により、弁体が弁座のシール面に対し
てわずかに傾いて当接することがあり、特に振動
や衝撃の多い場所では逆止機能が充分に得られな
いという問題点があつた。

本考案の目的は、逆止弁の逆止機能が確実であ
り、製造コストが低廉であつて、保守・点検の際
などに、該逆止弁とフイルタとを装置本体の横方
向から容易に取り外しできるようにした液体燃料
供給装置の流入部構造を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記問題点を解決するために、燃料を
濾過するフイルタと弁体が垂直方向に移動する逆
止弁とが装置本体における流入側のフイルタ室に
設けられ、該フイルタ室の上方に燃料汲み上げ用
ポンプを備え、該フイルタ室の側部から下方に向
けて開口した流入口を通じて燃料タンクからの燃
料を汲み上げて燃焼装置に送る液体燃料供給装置
の流入部構造において、前記逆止弁は下方へ移動
させることによる取り外しを可能にして装置本体
に取り付けられ、前記フイルタ室は前記フイルタ
の水平方向への引き出しを可能にし且つ前記逆止
弁の前記下方への移動と水平方向への引き出しを
可能にした大きさを有し、前記フイルタ室の前記
引き出し側に前記フイルタと逆止弁とを取り出し
可能な大きさの開口部を設け、該開口部を着脱可
能な蓋によつて閉鎖した流入部構造とした。

（作用） 本考案によれば、フイルタ室の開口部の蓋を取
り外し、逆止弁を下方に移動させて装置本体から
取り外し、水平方向に引き出すと該逆止弁は取り
出される。そしてフイルタは水平方向に引き出す
と取り出される。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示す液体燃料供給
装置の流入部構造正面断面図、第４図はその液体
燃料供給装置の簡略断面図、第５図は第４図のＡ
−Ａ線矢視方向の断面図である。

液体燃料供給装置は、装置本体２０の内部にロ
ータリ型の燃料汲み上げ用のポンプ２１、呼び液
フロート２２、フロートスイツチ２３、流出弁２
４及びオーバーフロー管２５が配置されて成る。
また、装置本体２０の下方にはフイルタ室２６が
形成され、該フイルタ室２６中に逆止弁２７及び
フイルタ２８が設置されている。フイルタ室２６
の側部には下方に向けて開口した燃料の流入口２
９を備え、そして装置本体２０の底部に燃料の流
出口３０を備えていて、流入口２９は下方の燃料
タンク（図示せず）にパイプ接続され、流出口３
０は下方の燃料装置（図示せず）にパイプ接続さ
れている。

ポンプ２１は、矢印で示すように流入口２９か
ら燃料室３１に燃料を吸入するもので、燃料室３
１の底部に形成されたポンプ室３２中において、
装置本体２０に固定されたポンプ固定用のゴム３
３に、ポンプ固定板３４とポンプ固定ねじ３５を
用いて固定されている。そしてその駆動軸３６が
上方のモータ３７から延びたモータ軸３７ａに連
結されている。

呼び液フロート２２は、燃料室３１内の呼び液
室３８に設置され、呼び液室３８には一定量の燃
料が受容され、フロートスイツチ２３が下降する
とこの燃料が連絡通路３９を通つてポンプ室３２
へと押し出される。この種のポンプ２１は、シー
ズンオフの後のようにポンプ室３２に呼び液とし
ての燃料が入つてないと充分に汲み上げができな
いが、予め呼び液室３８に燃料を入れて、ポンプ
２１の始動時に呼び液フロート２２を押し下げる
と呼び液が確保される。

フロートスイツチ２３は、燃料の浮力により上
下動し、内部の複数のリードスイツチ（図示せ
ず）が油面を検出する。流出弁２４は、流出口３
０を開閉するもので、レバー４０によつて開放あ
るいは閉鎖位置に操作される。オーバーフロー管
２５は、下端の開口４１が戻り管を介して下方の
燃料タンク（図示せず）に接続され、燃料室３１
内の燃料が上限を越えるとオーバーフローした分
が燃料タンクに戻される。

逆止弁２７は、弁体４２、弁棒４３、弁座４
４、カバー４５及びコイルばね４６から構成され
ている。カバー４５は弁棒４３の周囲を一定の隙
間をおいて覆つていて、上端の弁座４４と一体に
形成され、下端には燃料の吸入口４７が形成され
ている。そして弁座４４の周囲がポンプ固定用の
ゴム３３の切込部４８に嵌込まれて固定されてい
る。逆止弁２７は、こじる様にして下に移動させ
ると、ゴム３３から外れる。

フイルタ室２６は、流入口２９から流入した燃
料を、その流入路２９ａから受入れるようにして
いる。フイルタ２８は、流入路２９ａと逆止弁２
７との間に設けたフイルタガイド４９によつて第
４図の手前水平方向に引出し可能に取付けられて
いて、フイルタ室２６の燃料をその移動中に濾過
する。

フイルタ室２６には、第４図の手前方向に開口
する開口部５０を設け、該開口部５０は、パツキ
ング５１を介在させ、蓋５２を被せて、ねじ５３
によつて固定して閉鎖されている。そして該開口
部５０は、パツキング５１と蓋５２を取り外した
状態において、フイルタ２８を手前に引出して取
り出すことを可能にしているとともに、逆止弁２
７を下方に移動させてゴム３３から取り外した後
に、手前に引出して取り出すことを可能にしてい
る。

以上の構成において、逆止弁２７あるいはフイ
ルタ２８の保守・点検などの際には、パツキング
５１と蓋５２を取り外し、フイルタ２８は、第４
図の手前に引き出すと取り出される。そして逆止
弁２７は、こじる様にして下に移動させるとゴム
３３から外れ、更に手前に引き出すと取り出され
る。

第６図は、フイルタ２８の代りに筒状フイルタ
を用いた場合の第４図と同様な矢視方向の流入部
構造断面図であり、筒状フイルタ５４は、フイル
タ室２６中において、流入路２９ａと同心の位置
に配設されている。開口部５０は、パツキング５
５を介在させ、蓋５２を被せて、ねじ５３によつ
て固定して閉鎖され、この閉鎖状態で、パツキン
グ５５が筒状フイルタ５４を装置本体２０に押し
付けて固定させている。そしてパツキング５５と
蓋５２を外すと、筒状フイルタ５４を引出して取
り出すことができる。

第７図は開口部５０の蓋の部分の他の実施例を
示した第４図と同様な矢視方向の流入部構図断面
図であり、蓋５６は弾性部材よりなり、両端部に
フツク部５７を形成しいる。該蓋５０は、Ｏリン
グ５８を介在させて、該フツク部５７を開口部５
０のフランジ部５９に係止させて固定し、開口部
５０を閉鎖している。蓋５０を外すときは、フツ
ク部５７を外側に押し拡げるとフランジ部５９か
ら外れる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、弁体が垂
直方向に移動する構成であるから、逆止弁の逆止
機能が確実であり、逆止弁とフイルタとを開口部
からそれぞれ単一状態で水平方向に引き出して取
り出させるようにしたので、取り出し作業が容易
になる。また、取り出しのためのスペースを装置
本体の下方に設ける必要もないので設置場所をあ
まり選択することなしに設置することが可能にな
る。そして、フイルタ室の開口部は流入口と直交
方向をなしているので、装置本体と流入口との一
体成形が容易であり、比較的に低コストで製作す
ることができ、流入口とフイルタ室との間の油も
れの対策も不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す液体燃料供給装
置の流入部構造正面断面図、第２図は従来の液体
燃料供給装置の簡略断面図、第３図は第２図の要
部断面図、第４図は本考案の液体燃料供給装置の
簡略断面図、第５図は第４図のＡ−Ａ線矢視方向
の断面図、第６図は筒状フイルタを用いた流入部
構造断面図、第７図は開口部の蓋の他の構造例を
示す流入部構造断面図である。 ２０……装置本体、２１……ポンプ、２６……
フイルタ室、２７……逆止弁、２８……フイル
タ、２９……流入口、４２……弁体、５０……開
口部、５２，５６……蓋、５４……筒状フイル
タ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料を濾過するフイルタと弁体が垂直方向に移
   動する逆止弁とが装置本体における流入側のフイ
   ルタ室に設けられ、該フイルタ室の上方に燃料汲
   み上げ用ポンプを備え、該フイルタ室の側部から
   下方に向けて開口した流入口を通じて燃料タンク
   からの燃料を汲み上げて燃焼装置に送る液体燃料
   供給装置の流入部構造において、 前記逆止弁は下方へ移動させることによる取り
   外しを可能にして装置本体に取り付けられ、前記
   フイルタ室は前記フイルタの水平方向への引き出
   しを可能にし且つ前記逆止弁の前記下方への移動
   と水平方向への引き出しを可能にした大きさを有
   し、 前記フイルタ室の前記引き出し側に前記フイル
   タと逆止弁とを取り出し可能な大きさの開口部を
   設け、 該開口部を着脱可能な蓋によつて閉鎖した ことを特徴とする液体燃料供給装置の流入部構
   造。