JPH05239449A - ゲル体の製造方法 - Google Patents

ゲル体の製造方法

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JPH05239449A
JPH05239449A JP4075169A JP7516992A JPH05239449A JP H05239449 A JPH05239449 A JP H05239449A JP 4075169 A JP4075169 A JP 4075169A JP 7516992 A JP7516992 A JP 7516992A JP H05239449 A JPH05239449 A JP H05239449A
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water
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weight
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JP4075169A
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Hiroshi Nakamura
村 浩 中
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期的に保存されても、その吸水倍率が低下
することのない保存安定性に優れたゲル体を製造する。 【構成】 高吸水性樹脂、平均重合度1000未満及び
ケン化度90モル%以上のポリビニルアルコール、水と
を高吸水性樹脂分含量が10〜35重量%となる割合で
60℃以下の温度で混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲル体の製造方法ならび
に保冷用ゲル包装体の製造方法。さらに詳しくは、防露
剤、保冷剤、土壌保水剤などに好適に使用しうるゲル体
の製造方法ならびに保冷用ゲル包装体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりゲルとしては、たとえばポリア
クリルアミドのゲル、ポリビニルアルコール水溶液のゲ
ル、官能基を含む変性ポリビニルアルコールのゲルなど
の合成高分子化合物系のゲル、高吸水性樹脂とポリビニ
ルアルコール水溶液との混合物を薬剤処理または冷凍処
理を施すことによって得られたゲル、海藻を用いたゲ
ル、ゼラチン、コンニャクなどの天然高分子化合物系の
ゲルなどが用いられているが、これらのゲルは、ゲル化
後には含水しないかまたは該ゲルの5重量倍程度までし
か含水しないものであるため、そのゲル中における樹脂
成分の濃度がゲル強度をほぼ決定する。一般にゲル強度
はゲル中における樹脂成分の濃度が低くなるにしたがっ
て低下する傾向があるので、たとえば合成高分子化合物
系のゲルの場合、実用性を考慮して含水ゲルの樹脂成分
の濃度は5〜10重量%となるように調整されている。
【0003】従来の含水ゲルは一般にいわゆる腰が弱
く、冷凍処理時に著しい変形などが発生したり、時間が
経てば変形するなどの欠点を有するが、一部の天然高分
子化合物系のゲルのなかには樹脂成分の濃度が数重量%
でも固いものがある。しかしながら、かかる天然高分子
化合物系のゲルは価格が高く、しかも冷凍した後、解凍
したときには離水現象を発生するので、ほとんどのもの
が保冷剤などとしては繰り返して使用しえないものであ
った。
【0004】また、高吸水性樹脂とポリビニルアルコー
ル水溶液との混合物から得られたゲルは、該ゲルに対し
て水を5重量%以上吸収しないものであり、しかも、吸
水するとゲル強度が著しく低下し、形が崩れやすくなる
ため、その取り扱い性が悪いという欠点を有し、また吸
水による膨潤後、使用中に乾燥したばあいには、含水さ
せようとしてももとの含水率にまで回復しないので、再
び使用することができないという欠点があった。そこ
で、本発明者は前記従来技術に鑑みて従来のゲルよりも
ゲル強度及び吸水能力にすぐれ、しかも仮に乾燥した場
合であっても吸水させることにより再度使用しうるゲル
体をうることを目的として鋭意研究を重ね、前記目的を
達成しうるゲル体を見出し、先に特許出願をした。
【0005】即ち、該発明は高吸水性樹脂及び平均重
合度1000以上、ケン化度90モル%以上のポリビニ
ルアルコールを主体とするゲル体であって、高吸水性樹
脂とポリビニルアルコールの重量比が20/80〜80
/20であり、かつ樹脂分含量が10〜35重量%であ
るゲル体、高吸水性樹脂とポリビニルアルコールとの
重量比が20/80〜80/20、樹脂分含量が10〜
35重量%となるように高吸水性樹脂の粉末ないし粒状
物にポリビニルアルコール水溶液を添加し、ついで60
〜100℃で混練を行うことを特徴とする高吸水性樹脂
及びポリビニルアルコールを主体とするゲル体の製造
法、及び不透水性の熱可塑性樹脂よりなる包装基材に
前記ゲル体及び水を収納せしめてなる保冷用ゲル包装体
に関するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者が更
に検討したところ、かかるゲル体は放置安定性が必ずし
も充分でなく、比較的短期間の保存や貯蔵等には問題が
ないものの、長期間にわたってゲル体を放置すると吸水
倍率の低下がおこることがあり、その実用価値を低下さ
せる恐れがあることが判明した。即ち、製造後1日放置
したゲル体は充分な水に3日程度浸漬せしめて膨潤させ
ると約12倍程度に膨潤するが、1ケ月、3ケ月、6ケ
月放置したゲルの水膨潤倍率(3日間浸漬)はそれぞれ
8倍、5倍、4倍と低下するのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を続
けたところ、高吸水性樹脂、平均重合度1000未満及
びケン化度90モル%以上のポリビニルアルコール、水
とを高吸水性樹脂とポリビニルアルコールの重量比が2
0/80〜80/20であり、かつ樹脂分含量が10〜
35重量%となる割合で60℃以下の温度で混練する場
合、放置安定性にすぐれたゲル体が製造出来ることを見
出し本発明を完成した。つまり、かかる方法で製造した
ゲルは1ケ月程度放置しても水膨潤倍が11倍程度であ
り、実用に何等差し支えないのである。
【0008】本発明のゲル体は、高吸水性樹脂の粉末な
いし粒状物にポリビニルアルコール水溶液を添加し、つ
いで60℃以下で混練を行うことにより得られるもので
ある。本発明に用いられる高吸水性樹脂としては、通常
市販されているものであればいずれのものでも使用しう
る。かかる高吸水性樹脂の具体例としては、たとえば架
橋型ポリアクリル酸ナトリウムなどの架橋型ポリアクリ
ル酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリド
ン、スルホン化ポリエチレン、デンプン−(メタ)アク
リロニトリル共重合体のケン化物、デンプン−アクリル
酸共重合体、ポリアクリル酸アミド、ビニルエステル−
不飽和カルボン酸共重合体またはそのケン化物、ビニル
エステル−不飽和カルボン酸誘導体共重合体またはその
ケン化物、変性ポリビニルアルコール架橋体などがあげ
られ、これらの高吸水性樹脂は単独でまたは2種以上を
混合して用いられる。
【0009】前記ビニルエステル−不飽和カルボン酸共
重合体またはそのケン化物及びビニルエステル−不飽和
カルボン酸誘導体共重合体またはそのケン化物に用いら
れる不飽和カルボン酸などの代表例としては、たとえば
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モ
ノカルボン酸またはそのエステルや塩などマレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸または
その部分もしくは完全エステルや塩などがあげられる。
なお、本発明は前記高吸水性樹脂の例示のみによって限
定されるものではなく、本発明の範囲内であれば他の高
吸水性樹脂を使用してもよいことは勿論のことである。
これら高吸水性樹脂のなかでは、一定の水分を吸収して
保持し、ポリビニルアルコール濃度を高くしてゲル化を
促進せしめるために、吸水性にすぐれ、しかも安価で安
定性にすぐれた、たとえば架橋型ポリアクリル酸ナトリ
ウムなどの架橋型ポリアクリル酸塩などを用いるのが好
ましい。
【0010】本発明においては前記高吸水性樹脂は、粉
末ないし粒状物として用いられる。かかる高吸水性樹脂
の平均粒子径は、50〜2000μm、好ましくは10
0〜1000μmであることが望ましい。該平均粒子径
が前記範囲未満である場合には、混合時の取り扱い性が
わるくなってママコを生じやすくなり、また前記範囲を
こえる場合には、ゲル表面が平滑でなくなり、またゲル
の相分離がおこる傾向がある。
【0011】本発明においては、前記高吸水性樹脂の粉
末ないし粒状物にポリビニルアルコール水溶液を添加す
ればママコを生じ、撹拌混練を充分に行っても均質なゲ
ル体をうることが難しくなるため、前記高吸水性樹脂の
粉末ないし粒状物にはあらかじめ1価もしくは多価アル
コールまたはその水溶液を添加することが好ましい。な
お、前記1価または多価アルコール水溶液を用いる場合
には、その濃度は50重量%以上、好ましくは80〜9
0重量%に調整されることが好ましい。かかる濃度が5
0重量%未満であるばあいには、アルコール水溶液を添
加することによる効果が充分には発現されにくくなり、
またママコが生じやすくなる。
【0012】前記1価または多価アルコールの具体例と
しては、たとえばメタノール、エタノールなどの1価ア
ルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール
などの多価アルコールがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いられる。前記1価アルコール
もしくは多価アルコールまたはその水溶液の配合量は、
高吸水性樹脂に対して5〜300重量%、好ましくは1
0〜30重量%であることが望ましい。かかる配合量
が、前記範囲未満である場合には、高吸水性樹脂にポリ
ビニルアルコール水溶液を添加する際にママコを生じ、
撹拌混練を充分に行っても均質のゲルをうることが難し
くなる傾向があり、また前記範囲をこえるばあいには、
ゲルがべたついたり、膨潤度が低下する傾向がある。
【0013】前記高吸水性樹脂に1価もしくは多価アル
コールまたはその水溶液を添加した後にポリビニルアル
コール水溶液が加えられる。前記ポリビニルアルコール
としては、ケン化度が90モル%以上、好ましくは97
モル%以上であり、平均重合度が1000未満、好まし
くは300〜1000、特に好ましくは500〜900
であるものが用いられる。ケン化度が90モル%未満で
あるばあいには、放冷後にゲル化しなくなる傾向があ
り、また平均重合度が1000以上であるばあいには、
得られるゲル体の放置安定性が悪くなる。
【0014】ポリビニルアルコールは一種のみならず、
ケン化度や重合度の異なるものを2種以上併用すること
も可能であり、混合物の平均重合度及びケン化度が本願
規定内であれば、いずれも同等の効果が得られる。ま
た、前記ポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニ
ルアルコールの濃度は、ポリビニルアルコールの種類な
どにより異なるため一概には決定することができない
が、ポリビニルアルコール水溶液が流動性があることが
作業性及びポリビニルアルコール水溶液と高吸水性樹脂
との混和性の面で好ましいため、通常10〜25重量
%、なかんづく12〜20重量%程度とされる。
【0015】なお、前記ポリビニルアルコールには、必
要に応じて防腐剤、防黴剤などをはじめ、例えば海藻
類、植物性粘質物などの天然物;デンプン、セルロース
系の半合成高分子化合物などを適宜配合してもよい。ま
た、前記ポリビニルアルコール水溶液は、高吸水性樹脂
に加えられる際には、その温度は60℃以下、好ましく
は40〜50℃に調整される。かかる温度が60℃以上
である場合には、放冷後、充分なゲル化日数をかけても
水に浸漬した場合、ゲルが崩壊する傾向がある。本発明
に用いられるポリビニルアルコール水溶液を得る際に使
用される水の種類については特に限定はなく、通常ゲル
体を調製する際に用いられる蒸留水、純水があげられ
る。
【0016】前記高吸水性樹脂とポリビニルアルコール
水溶液との配合割合は、高吸水性樹脂/ポリビニルアル
コール水溶液中の樹脂分(重量比)が20/80〜80
/20、なかんづく40/60〜60/40であること
が好ましい。前記配合割合は20/80よりも小さい場
合には、得られるゲル体がほとんど吸水しなくなる傾向
があり、また80/20をこえる場合には、混練時の粘
度上昇が大きく、撹拌が困難となり、また得られるゲル
体が吸水したときに形くずれを生じる傾向がある。
【0017】本発明においては、前記1価又は多価アル
コールが添加された高吸水性樹脂とポリビニルアルコー
ル水溶液とを60℃以下、好ましくは40〜50℃の温
度で混合撹拌、混練を行うことにより、ママコを生じる
ことなく、均質な含水粘性物が得られ、該含水粘性物を
放冷または強制的に冷却することにより、とくに冷凍処
理や薬剤処理などの煩雑な手段を施すことなくゲル体が
得られる。なお、前記混練時における温度は60℃以上
である場合には、ゲル体を水に浸漬した時に崩壊がおこ
る。
【0018】前記含水粘性物における高吸水性樹脂とポ
リビニルアルコール水溶液の樹脂固形分の合計樹脂分含
量は、用いる高吸水性樹脂の量、アルコールの量、アル
コール水溶液の濃度およびその量などを調製することに
より、10〜35重量%、好ましくは20〜30重量%
となるように調製される。前記樹脂分含量が35重量%
をこえるばあいには、固くて弾性を有するゲル体が得ら
れるが、吸水速度が小さく、膨潤倍率が15倍以上にな
らなくなり、また10重量%未満である場合には、得ら
れた含水粘性物に冷却を施してもゲル体を形成しないば
かりか、水に可溶のものとなる。前記含水粘性物を冷却
することによりゲル体が得られる。
【0019】前記ゲル体をうる方法としては、たとえば
ロールへの付着を防ぐためにポリエチレンフイルムなど
を両面に設けた含水粘性物をロールに通した後、冷風で
冷却する方法、含水粘性物をそのまま室温下で放冷する
方法、含水粘性物を1軸または2軸押出機を用いて多孔
板より押出し、冷風で急冷後、巻き取りによって糸状に
するかまたはカッターで切断してペレット状とする方法
などがあげられる。放冷による場合、約7〜10日程度
の期間が必要である。また前記ゲル体の形状にはとくに
限定はなく、かかる形状としては、たとえばシート状、
板状、ペレット状、糸状、ブロック状、チップ状などが
あげられる。前記ゲル体を水に浸漬するか、袋の中に該
ゲル体を入れ、注水することによって吸水が行われ、含
水ゲル体が得られる。前記ゲル体の吸水に要する時間
は、その形状や大きさなどによって異なるため一概には
決定することができないが、通常1〜数十時間程度であ
る。
【0020】かくして得られる含水ゲル体は、通常該ゲ
ル体の重量の5〜25倍程度の膨潤倍率を有する上、経
時的に吸水倍率が低下することもない。また、本発明の
ゲル体は、その樹脂分含量が10〜35重量%と高いの
で吸水後にも強い弾力性を有し、また使用中に乾燥した
場合であっても再び水で膨潤させて使用することができ
るものである。従って、本発明のゲル体は、たとえば保
冷剤、防露剤、吸湿剤、土壌保水剤、徐放性薬剤用の担
体、玩具、衝撃吸収剤、止水剤などとして好適に使用し
うるものである。保冷剤として用いる場合には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ナイロン/ポリエチレン、ポ
リエステル/ポリエチレンなどの不透水性の包装材料の
袋体にゲルと水を封入して保冷用ゲル包装体として製品
化される。
【0021】
【作 用】本発明においては、高吸水性樹脂と平均重
合度が1000未満のポリビニルアルコールからなるゲ
ルは、長期にわたって放置しても、高度の吸水率を保持
することが可能である。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、部とあるのは重量部を意味する。 実施例1 架橋型ポリアクリル酸ナトリウム粉末(平均粒子径:1
00μm)10部にプロピレングリコール3部を散布し
て撹拌した後、これにポリビニルアルコール(ケン化
度:98.7モル%、平均重合度:500)の20%水
溶液に防黴剤(ビオサイド1800、(株)台商製、商品
名)を少量加えたもの50部を50℃に保ちながら加
え、ジャケット付ニーダーで50℃に保ちつつ、5分間
程度撹拌し、ポリエチレン製袋に投入した。その後、ロ
ール間を通して厚さ6mmの板状にして室温(20℃)下
で10日間放置して板状のゲル体を得た。かかるゲル体
の樹脂分含量は20重量%、また高吸水性樹脂/ポリビ
ニルアルコール(樹脂分の重量比)は50/50であっ
た。
【0023】得られたゲル体を50mm×100mmに切断
して30gのチップを得、多量の水中に浸漬し、重量の
変化を調べた。その結果を膨潤倍率として表1に示す。
更に該ゲル体を3ケ月、6ケ月放置した後、水中に浸漬
し、膨潤倍率を測定した。結果を表2、表3に示す。ま
たゲル体に上から荷重をかけ、圧縮度を以下に示す方法
に従って測定した。その結果を表4に示す。 (圧縮度)ゲル体を20mm×20mm×10mmの直方体を
3個作製し、これをアルミニウム板上に15cmの正三角
形の頂点の位置に置き、ついで試料上にアルミニウム板
をのせ、その上から荷重をかけて試料が壊れたときの2
枚のアルミニウム板の間隔(ゲルの高さ)を測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】 (注)*1:表1において10日経過後にえられた膨潤
倍率が16倍のものを用いた。 *2:形が崩れた。
【0028】対照例1〜2 実施例1においてポリビニルアルコールとして平均重合
度1800、平均ケン化度98.5モル%のものを使用
して実験を行った。但し、対照例2の場合、混練温度を
80℃、放冷時間を1日に短縮した。これらの例につい
て得られたゲル体について実施例と同一の吸水性テスト
をした。結果を表5,表6に示す。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】対照例3 実施例1において混練温度を80℃に変更した以外は同
じ実験を行った。製造直後のゲルの結果を表7に示す。
【表7】
【0032】実施例2 実施例1で用いたものと同じ高吸水性樹脂13.7部
に、エチレングリコール2部を水で倍量(重量)に希釈
した溶液を加え、充分に撹拌した後、濃度13重量%の
ポリビニルアルコール(ケン化度:98.5モル%、平
均重合度:800)水溶液82.3部を50℃に保って
加え、ジャケット付ニーダーで55℃に保ちながら混練
を行い、10日間室温(20℃)下で放置してゲル体を
得た。得られたゲル体に一定量の水を加えて種々の膨潤
倍率を有する含水ゲル体をつくり、その安定性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表8,表9,表10
に示す。
【0033】
【表8】
【0034】実施例3〜7 実施例1において、ゲル体中の樹脂分含量と該樹脂中の
高吸水性樹脂の含有量を表9に示すように変更し、20
℃の室温下に放冷して10日間放置をした後、ゲル体の
生成状況及び得られたゲル体の3ケ月放置後の膨潤倍率
を調べた。その結果を表9に示す。
【0035】(ゲル体の生成状況)目視によって以下の
判定基準に基づいてゲル体の生成状況の評価を行った。 (判定基準) 5:ゲル体が生成した。 4:ゲル体は生成するが、ゲル強度が小さくて指でおさ
えると崩れた。 3:ポリビニルアルコールの高濃度水溶液を用いた場合
であってもゲル体が生成しなかった。 2:放冷してもゲル化しなかった。 1:混練時に均質なペースト状にならなかった。
【0036】但し、実施例3はポリビニルアルコールと
して平均重合度1700、平均ケン化度99.2モル%
のものと、平均重合度500、平均ケン化度98.7モ
ル%のものとを25/75で併用した。又、実施例4は
ポリビニルアルコールとして平均重合度2600、平均
ケン化度98.7モル%のものと、平均重合度400、
平均ケン化度98.5モル%のものとを20/80で併
用した。
【0037】
【表9】
【0038】実施例8 高吸水性樹脂として三洋化成工業(株)製のサンウェット
IM−300を用いたほかは、実施例1と同様にしてゲ
ル体をつくり、得られたゲル体の10日放置後の膨潤倍
率(3日水中浸漬)を調べた。その結果、粒状及び粉末
状のいずれの高吸水性樹脂を用いた場合であっても実施
例1のものとほぼ同様の圧縮強度を有するゲル体が得ら
れ、それらの膨潤倍率はいずれも13倍であった。
【0039】実施例9 実施例1で得られた厚さ6mmの板状のゲル体を50mm×
65mmに切断して22gのチップをつくり、かかるチッ
プをナイロン−ポリエチレン製の袋(115mm×160
mm)に入れ、水180gを注入し、空気を入れずにヒー
トシールして保冷用ゲル包装体を得た。2日間後、前記
チップは水を完全に吸収して105mm×135mm×14
mmの固い含水ゲル体となった。かかる含水ゲル体の含有
水分は98重量%であり、得られたゲル包装体は、その
ままの状態で冷凍して保冷剤として使用しうるものであ
ることがわかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、経時変化の少
ない優れた膨潤倍率を有し、しかも吸水後のゲル強度に
優れたゲル体を製造することができる。また、本発明の
ゲル体は、所望の形状に適宜成形しうるものであるの
で、たとえば保冷用ゲル包装体などとして保水剤、防露
剤、吸湿剤、土壌保水剤などに好適に使用しうるもので
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水性樹脂、平均重合度1000未満
    及びケン化度90モル%以上のポリビニルアルコール、
    水とを高吸水性樹脂とポリビニルアルコールの重量比が
    20/80〜80/20であり、かつ樹脂分含量が10
    〜35重量%となる割合で、60℃以下の温度で混練す
    ることを特徴とするゲル体の製造方法
  2. 【請求項2】 樹脂分含量が20〜30重量%である請
    求項1記載のゲル体の製造方法
  3. 【請求項3】 1価または多価アルコールを高吸水性樹
    脂に対して5〜300重量%配合してなる請求項1また
    は2記載のゲル体の製造方法
  4. 【請求項4】 高吸水性樹脂とポリビニルアルコールと
    の重量比が20/80〜80/20、樹脂分含量が10
    〜35重量%となるように高吸水性樹脂の粉末ないし粒
    状物にポリビニルアルコール水溶液を添加し、ついで6
    0℃以下の温度で混練を行うことを特徴とする請求項1
    記載のゲル体の製造法
  5. 【請求項5】 高吸水性樹脂の粉末ないし粒状物に1価
    もしくは多価アルコールまたはその水溶液を該高吸水性
    樹脂に対して5〜300重量%添加した後、ポリビニル
    アルコール水溶液を加え、ついで温度60℃以下の温度
    で混練を行い、得られた含水粘性物を冷却する請求項3
    記載のゲル体の製造法
  6. 【請求項6】 不透水性の熱可塑性樹脂よりなる包装基
    材の袋体に請求項1記載のゲル体および水を収納せしめ
    てなる保冷用ゲル包装体の製造方法
  7. 【請求項7】 水の添加量がゲル体の5〜20重量倍で
    ある請求項6記載の保冷用ゲル包装体の製造方法
JP4075169A 1992-02-25 1992-02-25 ゲル体の製造方法 Pending JPH05239449A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000052112A1 (fr) * 1999-03-15 2000-09-08 Toyo Eizai Kabushiki Kaisha Materiau pour stockage a froid a grande stabilite de forme et son procede de fabrication

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000052112A1 (fr) * 1999-03-15 2000-09-08 Toyo Eizai Kabushiki Kaisha Materiau pour stockage a froid a grande stabilite de forme et son procede de fabrication

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