JPH052391U - 高周波用気密コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パッケージ内部に接続するための信号ピン部
分での、高周波信号の反射を少なくする、高周波用気密
コネクタを得る。 【構成】 気密コネクタの同軸フィードスルー１５から
出ている接続洋信号ピン６ｂを、誘電体８及び外部導体
９ｂで半円筒状に囲み、マイクロストリップ線路を形成
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、金属パッケージの、高周波信号の入出力を行う気密コネクタに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４は、例えば従来の高周波用気密コネクタ（以下単に気密コネクタと称する ）を、パッケージに取付け、高周波回路基板を実装した断面図である。気密コネ クタは、パッケージの気密を保つために、パッケージ４の壁面に、ハンダ付等に より埋め込まれた同軸フィードスルー１と、パッケージ壁面に取付られた、外部 同軸ケーブルを接続するためのコネクタフランジ２で構成されている。また、パ ッケージ内部には、マイクロストリップ線路３が形成された高周波回路基板５が 実装され、マイクロストリップ線路３と、気密コネクタの信号ピン６は、金属リ ボン７で接続されている。 尚、１０は信号ピン６と外部同軸ケーブルの心線の両者をかん合するための導 体筒、１１は導体筒１０を支持するための誘電体、１４はコネクタフランジ２を パッケージ４に固定するためのネジである。 また、図５は気密コネクタの同軸フィードスルー１の拡大斜視図で、８は気密 を保ちかつ信号ピン６を支持するための誘電体、９は同軸線路の外部導体を形成 し、かつパッケージにハンダ付するための金属導体である。

【０００３】 図４において、同軸ケーブル等で外部から入力された高周波信号は、同軸フィ ードスルー１の信号ピン６を経て、金属リボン７により高周波回路基板５に伝送 される。 一般に、高周波信号を伝達するために、誘電体８及び信号ピン６の直径等が、 ある適当な特性インピーダンスを持つように設計されている。また、コネクタフ ランジ２においても、同様に、フィードスルー１の信号ピン６に接する導体筒１ ０の外径と、誘電体１１の材料及びコネクタフランジ２の内径等が、ある適当な 特性インピーダンスとなる様に設計されている。更に、パッケージ４内部の高周 波回路基板においても、そのマイクロストリップ線路３は、ある適当な特性イン ピーダンスを持つ様に設計されている。 また、高周波信号を伝送するためには、これらの特性インピーダンスを同一の 値にし、各接合部における信号の反射を少なくする様設計されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の気密コネクタは、以上の様な構成となっているため、パッケージ内部へ 接続するための信号ピンが、空間に突出た形となり、その突出部分の特性インピ ーダンスを適当な値にする事ができなかった。このため、高い周波数になればな るほどこの部分の反射が無視できなくなり、信号の伝送品質が劣化するという課 題があった。

【０００５】 この考案は、上記の様な課題を解決するためになされたもので、高周波信号の 高品質な伝送を行える気密コネクタを得る事を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案による気密コネクタは、同軸フィードスルーのパッケージ内部側へ向 かう信号ピンに、誘電体と外周金属導体を半円状に延長し、マイクロストリップ 線路を形成したものである。

【０００７】

【作用】

この考案における気密コネクタは、パッケージの内側へ向かう信号ピンをマイ クロストリップ線路にする事により、高周波信号伝達時の信号の反射が少なくな り、より高い周波数においても、信号の劣化の少ない高品質な信号の伝送が可能 となる。

【０００８】

【実施例】

実施例１． 図１は、本考案による気密コネクタを取付けた、気密パッケージの断面図であ る。図２は、本考案による気密コネクタの同軸フィードスルー１５の拡大斜視図 である。この同軸フィードスルー１５は、図１のパッケージ４の壁面の貫通穴及 びその底面に、ハンダ付等によって取付けられており、信号ピン６ｂは、金属リ ボンにより、パッケージ内部の高周波回路基板５上のマイクロストリップ線路３ に接続されている。 また、図２におけるフィードスルー１５は、パッケージ内部側に向かって、そ の誘電体８と金属導体９が半円筒状に伸びており、信号ピン６ｂと共に、マイク ロストリップ線路を形成している。

【０００９】 図１において、同軸ケーブル等で外部から入力された高周波信号は、同軸フィ ードスルー１５の信号ピン６ｂを経て、金属リボン７により高周波回路基板５に 伝送される。気密コネクタの信号が通る各部は、ある同一の特性インピーダンス を持つように各部の寸法が決定されており、特に、図２の同軸フィードスルー１ ５部では、同軸部分１２と金属リボンを接続するためのマイクロストリップ部分 １３も、同一の特性インピーダンスとなるように、信号ピンの寸法等が決定され ている。 以上のように、本考案による気密コネクタは、信号を伝達するすべての部分の 特性インピーダンスを、ある特定の値にすることができ、それにより高周波信号 伝送時の反射が極めて少なくなり、高品質の信号伝送が可能となる。

【００１０】 実施例２． 前記実施例１では、同軸フィードスルー１５の同軸線路１２とマイクロストリ ップ線路１３を一体の物として示したが、これらを図３（ａ）に示す、同軸部分 １２と、図３（ｂ）のマイクロストリップ部分１３を、それぞれ別々の物として 形成し、あとで接合するとしても、同様の効果が得られる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の様に、この考案によれば気密コネクタの同軸フィードスルーの接続ピン の部分に、マイクロストリップ線路を形成することにより、気密コネクタの各部 をある特定の特性インピーダンスにすることができ、高周波信号を伝送するうえ で、反射の極めて少ない高品質な信号伝送が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例１による高周波回路の断面図
である。

【図２】この考案の実施例１による気密コネクタのフィ
ードスルー部の拡大斜視図である。

【図３】この考案の実施例２による気密コネクタのフィ
ードスルー部の拡大斜視図である。

【図４】従来の気密コネクタによる高周波回路の断面図
である。

【図５】従来の気密コネクタのフィードスルー部の拡大
斜視図である。

【符号の説明】

１ 同軸フィードスルー ２ コネクタフランジ ３ マイクロストリップ線路 ４ パッケージ ５ 高周波回路基板 ６ 信号ピン ７ 金属リボン ８ 誘電体 ９ 金属導体 １０ 導体筒 １１ 誘電体 １２ 同軸部分 １３ マイクロストリップ部分 １４ ネジ １５ 同軸フィードスルー

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 金属パッケージの内部と外部を電気的に
   接続し、かつパッケージ内部の気密を保つための気密コ
   ネクタにおいて、信号用線路を形成する同軸フィードス
   ルー部のパッケージ内部側に、マイクロストリップ線路
   を形成した事を特徴とする高周波気密コネクタ。