JPH0523845Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は操作力の伝達に用いられるコントロー
ルケーブルの係止構造に関する。

「従来の技術」 従来例えば車両用のブレーキ操作力の伝達に用
いられるコントロールケーブルの係止構造は、ア
ウターケーシングの両端に設けられた端部金具を
車体側に取り付けてある係止金具の取付孔に嵌挿
してクリツプどめするか、もしくは前記端部金具
をネジ止の係止金具に挟んで車体に取り付けてい
た。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような従来のコントロール
ケーブルの係止構造では、前記端部金具の係止が
不確実でガタが出来やすく、ブレーキ力解放時な
どには騒音の原因ともなつていた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、コントロールケーブルのアウタ
ーケーシングの端部金具をガタを生じさせること
なく確実に係止し、クリツプなどを必要とせず、
安価に製作可能なコントロールケーブルの係止構
造を提供することを目的としている。

「問題点を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 アウターケーシングにインナーケーブルを挿通
して成るコントロールケーブルの係止構造であつ
て、 押し当て用の鍔部と、該鍔部より先に係止用の
周溝とを備えた略円筒形の端部金具をアウターケ
ーシングの端部に固設し、 前記端部金具と嵌合する半円筒状の嵌合部を有
する取付部材を車体側に設け、 前記取付部材の半円筒状の嵌合部に、一辺に傾
斜面を持ち、前記端部金具の周溝に嵌合する切起
爪を設け、 取付部材に前記端部金具を嵌挿し、内方に折り
曲がつた前記切起爪が前記端部金具の前記周溝に
食い込んだとき、相対的に前記端部金具が変位
し、前記鍔部が取付部材の前縁端に圧接するよう
切起爪の前記傾斜面を形成したことを特徴とする
コントロールケーブルの係止構造に存する。

「作用」 操作力の作用する系にコントロールケーブルを
配索するのは先ず系の操作端と作用端との間にイ
ンナーケーブルを引き回し、次いでアウターケー
シングの端部にある端部金具を相手の取付部材の
嵌合部に挿入し、鍔部が前記取付部材の前縁端に
圧接するよう切起爪の先端を端部金具の周溝に嵌
合させて取付を完了する。

前記切起爪には内方に折曲がつて端部金具の周
溝に食い込み、端部金具の鍔部を取付部材の前縁
端に圧接するように傾斜面を設けてあるから、一
旦切起爪を前記端部金具の周溝に嵌合させればア
ウターケーシングは確実に端部金具の位置に於て
取付部材に係止され緩むことはない。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示してい
る。

第１図および第２図に示すようにコントロール
ケーブルの係止構造１０は、コントロールケーブ
ルＣのアウターケーシング２の端部に取り付けら
れている端部金具２０と、車体側に固設される取
付部材３０とから成つている。

車両用ブレーキの操作力伝達などに用いられる
コントロールケーブルＣは、第３図に示すよう
に、操作力を伝えるインナーケーブル１とこれを
挿通するアウターケーシング２と、アウターケー
シング２の端部に嵌着しカシメ部２４ａにてカシ
メ止めされている端部金具２０とから成つてい
る。

アウターケーシング２は金属帯線をコイル状に
巻いて成る基層２ａの外周に、単層あるいは複層
の樹脂製の外被２ｂ，２ｃを被覆して成つてい
る。端部金具２０はアウターケーシング２を挿入
してカシメ止めする柄部２４と、後に於て説明す
る取付部材３０に当接する鍔部２３と、取付部材
３０に嵌挿する円筒形の嵌入部２１とからなり、
適切な位置に周溝２２が設けられている。

一方、端部金具２０を挿入してこれを係止する
取付部材３０は、第１図などにみるように、中央
部に端部金具２０の嵌入部２１に対応する半円筒
状の嵌合部３２を形成し、両裾に車体などへの取
付フランジ３３を設けて成つている。

そして端部金具２０の嵌入部２１に設けられた
周溝２２に見あう位置に切起爪３１が設けられ、
取付フランジ３３には取付ねじの挿通孔３３ａ，
３３ａが穿設されている。

切起爪３１の一側面には、この切起爪３１が内
方に折り曲げつた状態で端部金具２０の周溝２２
に食い込ませたとき、該周溝２２の側面２２ａを
押して端部金具２０を相対的に変位させ、その鍔
部２３を取付部材３０の前縁端３４に圧接するよ
うに、傾斜面３１ａが形成されている。

次に作用を説明する。

コントロールケーブルＣを車両のブレーキなど
に用いる場合は、先ずインナーケーブル１をブレ
ーキの操作端と作用端に結合し、次いであらかじ
め車体側に取り付けておいた取付部材３０にアウ
ターケーシング２の端部金具２０の嵌入部２１を
挿入する。そして切起爪３１を先端を端部金具２
０の周溝２２に押し込む。

切起爪３１の傾斜面３１ａは、丁度周溝２２の
側面２２ａに沿つて食い込もうとするから第２図
に示すように端部金具２０は図において相対的に
右方に寄せられ、取付部材３０の前縁端３４は端
部金具２０の鍔部２３の後縁２３ａに緊密に当接
する。

コントロールケーブルＣのインナーケーブル１
を引いたとき、切起爪３１の形斜面３１ａと端部
金具２０の周溝２２の側面２２ａとの間に荷重は
加わらないから、斜めに当接していても外れるこ
とはなく、十分な係止力を得ることができる。

なお、前記実施例では、端部金具はあらかじめ
固定しておき、切起爪をあとで折り曲げて周溝に
食い込ませるものを示したが、切起爪は曲げてお
き、端部金具を固定するとき周溝に食い込むよう
にしてもよい。

「考案の効果」 本考案に係るコントロールケーブルの係止構造
によれば、取付部材の切起爪の一側面を傾斜面と
し端部金具の周溝に圧入するようにしたから、切
起爪を周溝に圧入すると、アウターケーシングの
端部金具は緊密に車体側の取付部材に係止されガ
タが生じることがない。

また、クリツプなどの別部品を必要とせず、組
立に当つて自動化を計ることも可能となるから、
コストの低減に寄与するところが大きい。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の一実施例を示しており、第１図
はコントロールケーブルの係止構造の斜視図、第
２図は同じく正面図、第３図はコントロールケー
ブルの端部の正面図である。 Ｃ……コントロールケーブル、１……インナー
ケーブル、２……アウターケーシング、１０……
コントロールケーブルの係止構造、２０……端部
金具、２１……嵌入部、２２……周溝、２３……
鍔部、３０……取付部材、３１……切起爪、３１
ａ……切起爪の傾斜面、３２……半円筒状の嵌合
部、３４……前縁端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 アウターケーシングにインナーケーブルを挿通
   して成るコントロールケーブルの係止構造であつ
   て、 押し当て用の鍔部と、該鍔部より先に係止用の
   周溝とを備えた略円筒形の端部金具をアウターケ
   ーシングの端部に固設し、 前記端部金具と嵌合する半円筒状の嵌合部を有
   する取付部材を車体側に設け、 前記取付部材の半円筒状の嵌合部に、一辺に傾
   斜面を持ち、前記端部金具の周溝に嵌合する切起
   爪を設け、 取付部材に前記端部金具を嵌挿し、内方に折り
   曲がつた前記切起爪が前記端部金具の前記周溝に
   食い込んだとき、相対的に前記端部金具が変位
   し、前記鍔部が取付部材の前縁端に圧接するよう
   切起爪の前記傾斜面を形成したことを特徴とする
   コントロールケーブルの係止構造。