JPH0523768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案、ブローバイガスのPCVシステムの
改良に係り、詳しくは、寒冷時におけるPCVシ
ステムの凍結対策に関するものである。

［従来の技術］ レシプロ内燃機関では、混合気や燃焼ガスが、
燃焼室からクランクケースに漏洩してくることは
避けがたい。このブローバイガスはHC等を含む
ので、再度、燃焼室に還元して燃焼処理するた
め、第３図、第４図に示すように、ブローバイガ
スをクランクケースから吸引し還元するシステム
が設けられている。

このシステムは、クランクケースからシリンダ
ヘツドカバー１内に上つてきたブローバイガス
が、ブローバイガスホース２から三方継手３に入
り、一方はブローバイガスホース４を経てエアク
リーナ５に吸入され、他方はブローバイガスホー
ス６を経てPCVバルブ７を介して吸気管８に吸
入されるようになつている。

PCVバルブ７は、吸気管８の負圧によつて作
動し、ブローバイガス通路面積を自動調整する。
符号１０は気化器である。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、ブローバイガス中には、燃料の燃焼
にともなつて初制する水蒸気も含まれており、こ
れが、寒冷時に、エンジンを停止した際には、ブ
ローバイガス還元通路が外気によつて冷却され、
凝縮する。

特に、三方継手の部分は、伝熱・放熱が大き
く、断面関が小さく、冷却されやすいので、この
水分が凝縮し凍結しやすく、管路を閉塞して、ブ
ローバイガスPCV機能を喪失することがある。

この対策として参考になる先行技術として、特
開昭59−158307があるが、三方継手の冷却防止対
策としては十分でない。

［考案の目的］ そこで、この考案の目的は、ブローバイガスの
凍結をなるべく防止し、凍結した場合も、迅速に
解凍させることによつて、ブローバイガス還元機
能を良好に保持させることにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、この考案は、シリ
ンダヘツドから分岐管継手に導設され分岐管継手
によつて、一方はエアクリーナに導設され、他方
はPCVバルブを介して吸気管に導設されるブロ
ーバイガス還元通路において、前記分岐管継手を
Ｙ字形状に形成するとともにこの分岐管継手が前
記PCVバルブと一体に形成され、前記一体部が
吸気管に接合されていることを特徴とする。

［作用］ この考案によるブローバイガス還元通路は、エ
アクリーナと吸気管とに分岐させて導設されてい
るが、その分岐手段として、吸気管に取付けられ
るPCVバルブと一体に形成された分岐管継手が
設けられている。吸気管はエンジン冷却水等によ
つて加温されるので、PCVバルブも加温され、
これと一体であるＹ字形状の分岐管継手も加温さ
れ、この部分に凍結があつても、エンジン始動後
早急に解凍される。また、エンジン停止後も温度
の低下が緩やかで、凍結し難い。PCVバルブの
部分がエンジン冷却水で加温されるようになつて
いれば、結氷防止と解凍促進の効果はさらに大き
い。

［実施例］ 以下この考案を図示の実施例について説明す
る。第１図は実施例の全体配置説明図、第２図は
分岐管継手を一体形成したPCVバルブの具体例
を示す。

クランクケースから上つてシリンダヘツドカバ
ー１内にあるブローバイガスは、ブローバイガス
ホース２によつて、吸気管８に設けられた分岐管
継手付PCVバルブ３７に導かれる。ここで、Ｙ
字形状に形成される分岐管継手によつてブローバ
イガスは二方に分れ、一方は、ブローバイガスホ
ース４に導かれてエアクリーナ５に入る。また他
方は、吸気管８の負圧によつて作動するPCVバ
ルブ３７内の自動調整された通路を通つて、吸気
管８に吸入される。

寒冷時にエンジンを停止すれば、ブローバイガ
スの還元通路の分岐管継手は、ホース部に比して
伝熱が大きく、断面積が小さいので、冷却され易
い。そのため、ブローバイガス中に含まれる水分
が凝縮して結氷しやすい。しかし、この実施例で
は、分岐管継手とPCVバルブとを一体形成した
もの３７を使用しているので、エンジンを始動す
れば、エンジンを冷却して暖かくなつた冷却水が
吸気管８を暖め、その熱が分岐管継手付PCVバ
ルブ３７に伝達するので、結氷があつても速やか
に解凍される。この実施例では、その空洞部に暖
い冷却水を流すようにしてあるので、特に大きな
解凍効果がある。また、分岐管継手を熱容量の大
きい部分、つまり吸気管８に接続しているので、
吸気管８からPCVバルブや分岐管継手への熱伝
達性にすぐれ、分岐管継手の結氷に対する解凍性
が良く、そしてエンジン停止後も冷え難く、結氷
が生じ難い。

更に、分岐管継手とPCVバルブとの一体部が
吸気管表面に、第２図から明らかな如く、ねじ止
め等の固定方策によつて固定されることにより、
一体部が吸気管表面に堅固に固定されることとな
り、防振効果が大となつて振動による騒音及び劣
化を確実に防止することができる。

更にまた、第２図から明らかな如く、前記一体
部が吸気管表面に位置することにより、ブローバ
イガスホースを吸気管近傍に沿うように配置する
ことができ、従来のものに比しブローバイガスホ
ースの全長を短くし得る。

また、第２図から明らかな如く、Ｙ字形状に形
成される分岐管継手とPCVバルブとの一体部を
吸気管にねじ止めによつて固定していることによ
り、ブローバイガスホースの配管構造が簡略整然
となり、ブローバイガスホースの取り付け及び取
り外し作業を容易に行うことができ、実用上有利
である。

更に、第２図から明らかな如く、分岐部をＹ字
形状とすることにより、吸気管周囲の配管構造に
合わせて無理な屈曲をさせることなくブローバイ
ガスホースを接続でき、しかも分岐管の球状集合
部位にセンサ等の機器の配置を容易としている。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案によれば、シリ
ンダヘツドから分岐管継手に導設され分岐継手に
よつて、一方はエアクリーナに導設され、他方は
PCVバルブを介して吸気管に導設されるブロー
バイガス還元通路の分岐管継手をＹ字形状に形成
するとともに、この分岐管継手がPCVバルブと
一体に形成され、一体部が吸気管に接合されてい
るので、PCVバルブを加温すれば、その熱は直
ちに分岐管継手に伝達され、分岐管継手が結氷し
難く、結氷しても速やかに解凍される。この凍結
対策によつて、寒冷時でも、ブローバイガス還元
機能がより良好に保持されるようになる。

このため、分岐管継手とPCVバルブの一体部
は吸気管表面に設けられ、熱伝達が良好となるも
のである。

また、接合部位の周囲にエンジン冷却水が循環
する空洞部を設ければ、分岐管継手とPCVバル
ブの一体部の解凍及び保温の性能を向上させるこ
とができる。

更に、分岐管継手とPCVバルブの一体部が吸
気管に接合されることにより、一体部が吸気管表
面に堅固に固定されることとなり、防振効果が大
となつて振動による騒音及び劣化を確実に防止す
ることができる。

更にまた、前記一体部が吸気管表面に位置する
ことにより、ブローバイガスホースを吸気管近傍
に沿うように配置させることができ、従来のもの
に比しブローバイガスホースの全長を短くし得
る。

また、前記一体部を吸気管に接合する際に、ね
じ止めによつて固定すれば、ブローバイガスホー
スの配管構造が簡略整然となり、ブローバイガス
ホースの取り付け及び取り外し作業を容易に行う
ことができ、実用上有利である。

更に、分岐部位をＹ字形状とすることにより、
吸気管周囲の配管構造に合わせて無理な屈曲をさ
せることなくブローバイガスホースを接続でき、
例えば分岐管の集合部位を球状とすれば、この球
状集合部位にセンサ等の機器を容易に配置するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は実施例を示し、第１図は全
体配置説明図、第２図は分岐管継手付PCVバル
ブの具体例の側面図である。第３図及び第４図は
従来例を示す図である。 図において、１はシリンダヘツドカバー、２，
４はブローバイガスホース、５はエアクリーナ、
８は吸気管、３７は分岐管継手付PCVバルブで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘツドから分岐管継手に導設され分岐
   管継手によつて、一方はエアクリーナに導設さ
   れ、他方はPCVバルブを介して吸気管に導設さ
   れるブローバイガス還元通路において、前記分岐
   管継手をＹ字形状に形成するとともにこの分岐管
   継手が前記PCVバルブと一体に形成され、前記
   一体部が吸気管に接合されていることを特徴とす
   るブローバイガス還元通路。