JPH0523696A - 写真廃液の処理方法 - Google Patents

写真廃液の処理方法

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JPH0523696A
JPH0523696A JP3204638A JP20463891A JPH0523696A JP H0523696 A JPH0523696 A JP H0523696A JP 3204638 A JP3204638 A JP 3204638A JP 20463891 A JP20463891 A JP 20463891A JP H0523696 A JPH0523696 A JP H0523696A
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JP
Japan
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treated water
waste liquid
treatment
oxygen
waste
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JP3204638A
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English (en)
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Hiroshi Ishizuka
弘 石塚
Atsuko Takahashi
敦子 高橋
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】環境汚染することなく、有効に写真廃液を無害
化する。 【構成】写真廃液を、100〜370℃、液相下で湿式
酸化処理後、生物酸化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の処理廃液の公害負荷を低減する処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】黒白およびカラーのハロゲン化銀写真感
光材料の処理によって生じる写真廃液は通常、有価金属
である銀の回収の目的から感光材料から溶出した銀イオ
ンを多く含むもの(含銀系)とそれ以外のもの(非含銀
系)とに分類して回収され、含銀系からは廃液処理業者
によって銀が回収される。一般に定着処理およびカラー
感光材料処理における漂白処理・一浴漂白定着処理から
の使用済処理廃液は含銀系に分類され、現像処理からの
使用済処理廃液は非含銀系に分類される。水洗処理およ
び安定処理からの使用済処理廃液は含まれる銀イオンの
濃度に応じて含銀系あるいは非含銀系のいずれかにそれ
ぞれ分類される。
【0003】従来、これらの写真廃液のCOD(化学的
酸素要求量)等の公害負荷を低減する処理方法として
は、化学的処理法(特開昭53−12152号、特公昭
57−37396号、特開昭61−241746号
等)、イオン交換法(特公昭51−37704号、特公
昭53−383号、特公昭53−43271号等)、逆
浸透法(特開昭50−22463号)、活性汚泥法(特
公昭55−49559号、特公昭51−12943号
等)、電解酸化法(特開昭48−84462号、特開昭
49−119458号等)等が知られている。しかし、
これらの方法はそれぞれ以下の様な欠点を持っている。
【0004】化学的処理法は、過酸化水素、過硫酸塩、
過ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸及び次亜ハロゲン酸添加
による処理法が知られているが、高いCOD値を有する
写真廃液に対してはどれも処理効率が極めて悪く、常に
必要以上に過剰の薬剤を使用することになり、運転経費
が高くなってしまう。また、イオン交換法や逆浸透法の
ように樹脂や膜を使う場合にも、現像主薬など高分子化
しやすい物質の吸着やよごれで頻繁に樹脂や膜の交換が
必要になり、運転経費が高くなりやすい。
【0005】活性汚泥法については、運転経費は安く済
むものの、生分解性の乏しい素材に対しての効果は薄
く、特に写真廃液中に多量に含まれるEDTA(エチレ
ンジアミン四酢酸)等のキレート剤はほとんど処理され
ない。
【0006】また電解酸化法については高いCODを有
する廃液を処理するには大量の電流を必要とし運転経費
が高いこと、現像主薬等の有機化合物が高分子化して電
極が汚染されること、チオ硫酸等の低級イオウ化合物を
処理すると硫化水素等の有害ガスを生成すること等の問
題点を有している。
【0007】一方、環境的に有害である鉄イオンは環境
基準で排出濃度が10ppm以下(河川、下水道共に)
と厳しく規制されており、鉄イオンの除去を厳密に行わ
ねばならない。写真廃液に含まれるようなキレート剤に
より可溶化された鉄イオンを除くには一般に大過剰のカ
ルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類
金属イオンを用い、キレート剤の配位金属をアルカリ土
類金属でおきかえて、アルカリ性として不溶性の水酸化
鉄として沈澱させるのが常法とされている。ところが写
真廃液にはアルカリ土類金属イオンと難溶性の塩を形成
する硫酸イオンや炭酸イオン等の陰イオンや空気酸化を
受けることによって硫酸イオンを生成する亜硫酸イオ
ン、チオ硫酸イオン等が含まれるため、これらとの間に
生じる塩がスラッジとして生成し、目的とする鉄の化合
物以外に大量の産業廃棄物を新たに生じることになって
しまうという問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を効果的に解決する新たな方法を提供することを目的
としている。すなわち本発明は第1に水質および大気の
両面にわたって環境汚染のない有効かつ安価な写真廃液
の無害化手段を確率することを目的とする。本発明は第
2にCOD値を有効に低下させる処理手段を提供するこ
とにある。本発明は第3にキレート剤によって可溶化さ
れた鉄イオンを含有する廃液から固体廃棄物の生成を最
小にしてかつ効率良く鉄イオンを除去する手段を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々の検討
を行なった結果、写真処理廃液について以下の手段を用
いることにより、本発明の目的が効果的に達成されるこ
とう見出した。即ち、写真廃液について、下記(A)、
(C)の順に処理を行なう処理方法である。 (A)100〜370℃の温度かつ該廃液が液相を保持
する圧力に保ちつつ酸素含有ガスの供給下に湿式酸化処
理を行なう(工程A)。 (C)工程Aを経た処理水について、生物酸化処理を行
なう(工程C)。 さらに、上記(A)、(C)の間に下記(B)を行なう
ことにより、処理水中の鉄イオン濃度を低下させること
ができる。 (B)工程Aを経た処理水をアルカリ性にすることによ
り鉄イオンを不溶化して除去する(工程B)。
【0010】本発明について、詳細に説明する。本発明
の方法に用いられる写真処理廃液としては、ハロゲン化
銀写真感光材料を現像処理したときに生じる処理液であ
る。ここでいうハロゲン化銀感光材料としてはカラー感
光材料と黒白感光材料がある。例えばカラー感光材料と
してはカラーペーパー、カラー反転ペーパー、撮影用カ
ラーネガフィルム、カラー反転フィルム、映画用ネガも
しくはポジフィルム、直接ポジカラー感光材料などを挙
げることができ、黒白感光材料としては、Xレイフィル
ム、印刷用感光材料、マイクロフィルム、撮影用黒白フ
ィルムなどを挙げることができる。
【0011】通常、これらの処理によって排出される使
用済処理廃液は、有価金属である銀の回収の目的からハ
ロゲン化銀写真感光材料から処理液中に溶出した銀イオ
ンを多く含むもの(含銀系)とそれ以外のもの(非含銀
系9)とに分類されて回収される。一般に黒白現像にお
ける定着処理やカラー現像における漂白処理、定着処理
及び漂白定着処理からの使用済処理廃液は含銀系に分類
され、カラー現像及び黒白現像における現像処理からの
使用済処理廃液は非含銀系に分類される。カラー現像及
び黒白現像における水洗処理および安定処理からの使用
済処理廃液は、含まれる銀イオンの濃度に応じて含銀系
あるいは非含銀系にそれぞれ分類され、含銀系の廃液に
銀回収処理を施したものは銀回収系廃液、非含銀系の廃
液は現像系廃液として扱われる。本発明においてはこれ
ら銀回収系廃液、現像系廃液あるいはこれらの混合廃液
のいずれについても適用することができる。
【0012】(A)工程A:湿式酸化処理は加熱・加圧
下で被処理水と酸素を接触させるものであり、これによ
って被処理水中の成分が液相下で酸化される。本工程で
は写真廃液について湿式酸化処理を行なうことにより、
有機性、無機性のCOD負荷を有する成分が酸化分解さ
れる。これによって、BOD、COD等廃液の公害負荷
の示標を安価に効率良く低下させることができる。反応
時の温度は通常100〜370℃好ましくは200〜3
00℃、特に好ましくは240〜270℃である。反応
時の圧力は被処理液が液相を保つ圧力すなわち0〜20
0kg/cm2 の圧力である必要があり、好ましくは100
kg/cm2 の圧力範囲で運転を行なう。また反応時間は3
分〜300分、好ましくは5分〜180分である。
【0013】本工程において送入される酸素含有ガス
は、廃液中に含まれる有機性および無機性物質を窒素、
炭酸ガスおよび水にまで分解するのに必要な理論酸素量
の1〜1.5倍量を使用する。使用できる酸素含有ガス
は、空気、酸素、富化空気、酸素等である。
【0014】本発明の湿式酸化処理に用いる反応器は反
応時の温度圧力に耐えるものであればオートクレーブ等
を用いた回分式、反応等を用いた流通式のいずれの方式
のものでも良い。写真廃液は一般に金属を侵す性質が強
いので反応器は耐食合金(SUS316等)やチタン材
等耐食性のすぐれた素材で構成することが好ましい。い
ずれの反応器においても、酸素と被処理水が十分に接触
する様攪拌翼や邪魔板等の攪拌手段を有することが好ま
しい。
【0015】銀回収系廃液など 鉄イオンを含有する廃液を処理した場合、酸化鉄等の沈
澱を生じるが、これを濾過分離することにより廃液から
の鉄除去を行なうことができる。この際沈降分離を促進
するために高分子凝集剤を用いても良い。この操作によ
る鉄除法においては常法とされるようにアルカリ土類金
属イオンを添加することがないのでこれらとの間に難溶
性の硫酸塩、炭酸塩等のスラッジを生成することがなく
固体廃棄物の量を減らすことができる。
【0016】(B) 鉄イオンを含有する廃液において
も、工程Aを経ることによりその濃度を大巾に減少させ
ることができるが、排出を行なう地域の水質規制や、被
処理廃液の鉄イオン含量により、より高度な鉄除去が要
求される場合がある。そのような場合、以下のような処
理(工程B)を行なうことによって鉄イオンの濃度をさ
らに低下させることができる。すなわち処理水にアルカ
リを添加し、pHを高めることによって鉄イオンを水酸
化鉄の形で沈澱させ、これを取り除くことによって廃液
中の鉄イオンを除去するものである。
【0017】工程B:工程Aを経た廃液のpHは、成分
の酸化にともない原廃液より低下し、多くの場合強酸性
となっている。本工程においては、工程Aを終えた処理
水にアルカリを添加してpHを7以上好ましくは8以上
とする。この操作により工程Aを経てなお残存した鉄イ
オンは水酸化鉄の沈澱となる。工程Aにおいて、鉄イオ
ンと錯体を形成していたキレート剤が分解されているの
で、添加するアルカリとしては、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物ば
かりでなく、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属
の水酸化物や炭酸塩、重炭酸塩を使用することができ
る。ここでアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩、重炭酸塩
を使用すると廃液中の陰イオンとの間に難溶性の塩を生
じることがなく、生成する固体廃棄物の量を減らすこと
ができ好ましい。攪拌後生じた沈澱を沈降させ、濾過分
離を行なう。この際沈降分離を促進するために、高分子
凝集剤を用いてもよい。また工程Aにおいて生じた沈澱
を本工程において生じる沈澱とともに濾過分離を行なっ
てもよい。
【0018】また本発明で用いることができる高分子凝
集剤としてはアニオン、ノニオン、カチオンの電荷をも
つものがある。これらは反対イオンに帯電する水中の懸
濁粒子の表面電荷を中和し個々の粒子を不安定化させて
凝結現象を促進する。次いで活性官能基により粒子への
吸着が起こり粒子間の架橋効果によって懸濁粒子の凝集
への進み、さらに巨大なフロックの形成を促進する。高
分子凝集剤の材質としてはアクリルアミドやアクリル酸
を共重合したものが汎用され、例えばDIC−A500
(商品名・大日本インキ社製)等を用いることができ
る。
【0019】(C)工程C:工程Aあるいは工程A、工
程Bの順で処理を行なった処理水について生物酸化処理
を行なう。これによって湿式酸化処理を経てもなお残存
していた成分を分解することができるので極めて環境負
荷を小さいものとすることができる。湿式酸化処理を経
た処理水において有機物は酢酸等の低分子量で生分解性
の良好な物質に分解されているので生物処理はすみやか
に効率良く行なわれる。EDTAを始めとするキレート
剤のように生分解性の乏しい素材は生物処理ではほとん
ど処理されないが湿式酸化処理を施すことによって生分
解可能となる。すなわち本発明の構成をとることにより
湿式酸化処理の欠点(生分解成分BDOが残存する)と
生物酸化処理の欠点(EDTA等分解不能な成分があ
る)が互いに捕われる。これは、それぞれの処理を単独
に行なったのでは得られない効果である。
【0020】生物相として下水処理場等で使用される例
えば、 Pseudomonos属、Zoogloea属等を含んだ一般的な
活性汚泥を使用する場合、処理する廃液中の無機塩類の
濃度が高いときには希釈により3%以下としてから処理
を行なうと生物相が安定し好ましい。生物相として Alc
aligenes、Flavobacterium、Micrococcus 等海洋細菌を
含む生物相を用いて処理を行なうと、塩濃度への耐性が
強まり、上記範囲を越える高塩濃度下においても安定し
て運転を行なうことができる。これら海洋細菌を含んだ
生物相は海泥、海砂、海水魚介類養殖水槽壁面やその浄
水装置等から採取することができる。
【0021】廃液中にリン分が不足する場合、リンとし
てCOD値の0.5%から3%含むようにリン酸塩(例
えば KH2PO4 、K2HPO4、 NaH2PO4、2H2O 、Na2HPO4
を添加してから処理を行なうと生物相が安定し、好まし
い。また処理中のpHは中性付近に保つことが生物相を
健全に保つために好ましく、好ましいpHの範囲は5.
5から8.5である。さらに海洋細菌を含む生物相を用
いる場合は6.5から8.0が特に好ましい。pHは使
用する際にpHコントローラー等で、できるかぎり一定
に保つことが好ましい。
【0022】また本発明における生物酸化処理の方法と
しては、活性汚泥法、ラグーン法、濾床法、回転円板法
等が挙げられるが、好気的に曝気あるいは空気や酸素に
接触させる方法ならば何でも使える。これらの生物処理
のより具体的方法については「活性汚泥法の維持管理技
術」桜井敏郎、須藤隆一著者(化学技術開発センター
刊)、「新しい活性汚泥法」橋本 奨、須藤隆一著者
(産業用水調査会刊)などに記載されている。また海洋
細菌を用いた処理法、生物相の馴養法については衛生工
学研究論文集第27巻 P183(1991)に記載さ
れている。
【0023】本発明に適用される写真処理廃液は、写真
処理液成分を主成分としているが、写真処理廃液には、
写真処理液に添加されている素材のほか写真処理過程で
生成した現像主薬の酸化体、硫酸塩、ハライドなどの反
応生成物や、感光材料から溶け出した微量のゼラチン、
界面活性剤などの成分が含まれている。
【0024】写真処理液にはカラー処理液、黒白処理
液、製版作業に伴う減力液、現像処理タンク洗浄液など
があり、黒白現像液、カラー現像液、定着液、漂白液、
漂白定着液、画像安定化液などが挙げられる。
【0025】カラー現像液は、通常、芳香族第一級アミ
ンカラー現像主薬を主成分として含有する。それは主に
p−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例はN,N
−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5
−ジエチルアミノトルエン、2−メチル−4−〔N−エ
チル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリ
ン、N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ
ル)−3−メチル−4−アミノアニリンである。また、
これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸
塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩であ
る。該芳香族第一級アミン現像主薬の含有量は現像液1
リットル当り約0.5g〜約10gの範囲である。
【0026】また黒白現像液中には、1−フェニル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル
−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−ア
ミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びその
スルホン酸塩などが含まれている。
【0027】カラー及び黒白現像液には保恒剤として、
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜
硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物
を含有するのが普通で、これらの含有量は現像液1リッ
トル当たり0g〜5gである。
【0028】カラー及び黒白現像液中には、保恒剤とし
て種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキ
シルアミン類は置換又は無置換いずれも用いられる。置
換体としてはヒドロキシアルミン類の窒素原子が低級ア
ルキル基によって置換されているもの、とくに2個のア
ルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換された
N,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン類が挙げら
れる。またN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン
とトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組
合せも用いられる。ヒドロキシルアミン類の含有量は現
像液1リットル当り0〜5gである。
【0029】カラー及び黒白現像液は、pH9〜12で
ある。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用い
られる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、
N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシ
ン塩、グアニン塩、3,5−ジヒドロキシフェニルアラ
ニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−
メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロ
リン塩、トリスヒドロシアミノメタン塩、リシン塩など
を用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ
酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH9.0以
上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても
写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であ
るといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられ
る。該緩衝剤の現像液への添加量は通常現像液1リット
ル当たり0.1モル〜1モルである。
【0030】その他、現像液中にはカルシウムやマグネ
シウムの沈澱防止剤として、或いは現像液の安定性向上
のために各種キレート剤が添加される。その代表例とし
てニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニト
リロ−N,N,N−トリメリメチレンホスホン酸、エチ
レンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホ
スホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢
酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−
ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,
2,4−トリカルボン酸、1−シドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸等を挙げることができる。これら
のキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることも
ある。
【0031】現像液は、各種の現像促進剤を含有する。
現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェ
ニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−
アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレン
オキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒド
ラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミ
ダゾール類等である。
【0032】多くのカラーペーパー用カラー現像液は、
上記のカラー現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン
塩、炭酸塩、硬水軟化剤などと共にアルキレングリコー
ル類やベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラー
ネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペー
パー用現像液は、これらのアルコール類を含んでいな
い。
【0033】また、現像液中には、カブリ防止の目的
で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀を主体
とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液
を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤として
NaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物を含
有していることがある。また各種有機カブリ防止剤を含
有していていることも多い。有機カブリ防止剤として
は、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベン
ズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していても
よい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リット
ル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止
剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積す
るものも含まれる。特に本発明において上記したような
臭素イオンや塩素イオン等の総ハロゲンイオン濃度が混
合液1リットル当たり1ミリモル以上であるような廃液
においても有効に処理することができる。特に臭素イオ
ン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上の場合
に有効である。
【0034】また、現像液中には、アルキルホスホン
酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香酸カ
ルボン酸等の各種界面活性剤を含有している。
【0035】黒白写真処理においては、現像処理の後に
定着処理が行なわれる。カラー写真処理においては、現
像処理と定着処理の間に通常漂白処理が行なわれ、漂白
処理は定着処理と同時に漂白定着(ブリックス)で行な
われることもある。漂白液には、酸化剤として鉄(III)
又はCo(III)のEDTA、ジエチレントリアミン五酢
酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四
酢酸塩、ホスホノカルボン酸塩そのほか過硫酸塩、キノ
ン類などが含まれている。そのほか、臭化アルカリ、臭
化アンモニウムなどの再ハロゲン化剤、硼酸塩類、炭酸
塩類、硝酸塩類を適宜含有する場合もある。定着液や漂
白定着液には通常チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニ
ウム塩)、酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム又はカリ明
ばん亜硫酸塩などを含有していている。
【0036】ハロゲン化銀写真感光材料の処理において
は、定着処理あるいは漂白定着処理を行なった後、水洗
及び/又は安定処理を行なうことが一般的である。水洗
処理においては、その処理槽にバクテリアが繁殖し、生
成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じるこ
とがある。このような問題の解決策として、水洗水に特
開昭61−131632号に記載のカルシウムイオン、
マグネシウムイオンを低減させる方法を用いることがで
きる。また、特開昭57−8542号に記載のイソチア
ゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシア
ヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾト
リアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛生技
術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌防
黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を用いるこ
ともある。
【0037】このような水洗水による水洗処理に続い
て、あるいは水洗処理の代わりに安定浴による安定化処
理が行なわれることもある。その例として、撮影用カラ
ー感光材料の最終浴として使用される、ホルマリンと界
面活性剤を含有する安定浴を挙げることができる。この
安定浴にも各種キレート剤や防黴剤を加えることもでき
る。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 〔用いた廃液の説明〕市販の撮影済み多層カラーネガフ
ィルム、フジカラーSUPER HG(以下、SHG−)10
0、SHG−200、SHG−400、SHG−160
0、REALA(以上商品名、富士写真フイルム社
製)、コダカラーGOLD(以下、GOLD−)100、G
OLD−200、GOLD−400、GOLD−160
0、エクター25、エクター125、エクター1000
(以上商品名、イーストマンコダック社製)、コニカカ
ラーGX(以下、GX−)100、GX−200、GX
−400、GX−3200、コニカカラーGXII(以
下、GXII−)100、GX−100M(以上商品名、
コニカ社製)をとくに区別することなく、各種取り混ぜ
て順次ミニラボ用のフィルムプロセッサーFP900A
L(商品名、富士写真フイルム社製)で処理液としてカ
ラーネガ用現像処理済CN−16Q(商品名、富士写真
フイルム社製)を用いて処理した。このときの現像浴お
よび水洗浴のオーバーフロー液をカラーネガ現像系廃液
とし、漂白浴および定着浴のオーバーフロー液をカラー
ネガ漂白・定着系廃液とした。また市販のカラーペーパ
ー(フジカラーペーパーSUPER、FA、富士写真フイル
ム社製)にカラーネガからプリント焼き付けを行って、
フジミニラボチャンピオンFA−170のプリンタープ
ロセサーPP1800B(商品名、富士写真フイルム社
製)で、処理液としてカラーペーパー用処理済CP−4
3FA(商品名、富士写真フイルム社製)を用いて処理
した。このときの現像浴のオーバーフロー液をカラーペ
ーパー現像系廃液とし、漂白定着浴および水洗浴のオー
バーフロー液をカラーペーパー漂白定着系廃液とした。
カラーネガ現像系廃液およびカラーペーパー現像系廃液
を1:1に混合したものをカラー現像系廃液とし、カラ
ーネガ漂白・定着系廃液およびカラーペーパー漂白・定
着系廃液を1:1に混合したものをカラー漂白・定着系
廃液とした。
【0039】市販の撮影済み黒白ネガフィルム ネオパ
ンSS、ネオパン400PRESTO、ネオパン1600SUPE
R PRESTO(以上商品名、富士写真フイルム社製)をとく
に区別することなく、各種取り混ぜて順次現像液フジド
ールと定着液フジフィックス(以上商品名、富士写真フ
イルム社製)を用いて処理した廃液をそれぞれ5リット
ルずつと、市販の黒白ペーパー(フジブロWP富士写真
フイルム社製)にネガからプリント焼き付けを行って現
像液コレクトールと定着液フジフィックス(以上商品
名、富士写真フイルム社製)を用いて処理した廃液をそ
れぞれ5リットルずつと医療用Xレイ感材、MI−SF
およびMI−SFII(以上商品名、富士写真フイルム社
製)を現像液RD−3と定着液Fuji-F(以上商品名、富
士写真フイルム社製)で処理したときの廃液をそれぞれ
10リットルずつおよび印刷用感材システム富士GRADEX
シリーズの現像液GR−D1と定着液GR−F1(以上
商品名、富士写真フイルム社製)の廃液をそれぞれ10
リットルずつを現像液、定着液に分けて混合し、それぞ
れ30リットルとしてこれを黒白現像系廃液および黒白
定着系廃液とした。
【0040】カラー現像系廃液および黒白現像系廃液を
1:1で混合し、現像系廃液とした。また、カラー漂白
・定着系廃液および黒白定着系廃液を1:1で混合し、
銀回収処理を施したものを銀回収系廃液とした。本実施
例においてはこの現像系廃液と銀回収系廃液を1:1で
混合した処理液を用いた。この混合液の分析結果を表1
に示す。またこの液中の無機塩類の濃度は、12%であ
った。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1 (イ)容量300mlの電磁誘導攪拌機付オートクレーブ
に廃液を100ml入れた。また純酸素4400ml(標準
状態)を圧送してオートクレーブを閉じ、10℃/mi
nで昇温して250℃とした。このときの圧は44kg・
cm-2であった。温度コントローラーで温度を保ち、60
分間反応を行なった。この間電磁誘導攪拌機を運転し、
反応機中の攪拌羽根を回転させて酸素と廃液とを十分に
接触させた。その後5℃/minで冷却して室温まで温
度を下げた後オートクレーブ中の処理水を取り出し、生
じた酸化鉄と思われる赤色の沈澱を濾過により分離し
た。以上の操作(工程A)によって得られた処理水を処
理水1とする。
【0043】(ロ)上記(イ)と同一の操作(工程A)
を行なった処理水(pH1.1)に水酸化ナトリウムを
加えてpH8とし、15分攪拌した後、凝集剤 DIC
A−500(商品名 大日本インキ社製)を加え、3
0分攪拌してから生じた水酸化鉄と思われる赤色の沈澱
の濾過を行なった。(以上工程B)得られた処理水を処
理水2とする。
【0044】(ハ)(イ)と同一の操作(工程A)を繰
り返し行なった処理水および(イ)(ロ)の順に同一の
操作(工程Aおよび工程B)を繰り返し行なった処理水
について、下記の操作(工程C)により生物酸化処理を
行なった。前工程を経た処理水をそれぞれ水道水にて1
0倍に希釈した。COD値はともに270ppmとなっ
た。これらにリンをリン酸水素二カリウムの形でCOD
値の1%に相当する量を添加した。更にカルシウムイオ
ンとマグネシウムイオンを各々10ppm、2ppmに
なるよう添加した。これらの液を下水処理場で使用され
る活性汚泥(MLSS 活性汚泥浮遊物4500pp
m)で平均滞留時間を1日として室温でそれぞれ連続処
理した。処理には2リットルの曝気部、0.7リットル
の沈降部を持つ塩化ビニル製の処理槽を用い、DO(溶
存酸素濃度)を0.1mg/リットル〜3mg/リットルに
保つようガラスボールフィルター(木下理化製)を通じ
てエアコンプレッサーから空気を送り込んだ。曝気槽に
はそれぞれpHコントローラー(東京理化製)を設けて
硫酸または水酸化ナトリウム添加により槽内のpHを7
±0.1に保った。これらの操作により得られた処理水
から遊離菌体など浮遊物を濾過により除去したものを処
理水3、処理水4とする。
【0045】上記(イ)、(ロ)、(ハ)により得られ
た処理水1から処理水4の分析結果と、工程Aおよび工
程Bにおける濾過操作にともなって濾別された沈澱の計
量結果を後掲の表2、No. 1からNo. 4に示す。
【0046】湿式酸化処理工程(工程A)を経ることに
よりEDTAが良好に分解され、COD値、鉄イオン濃
度を大巾に低下させることができた。さらに生物酸化処
理工程(工程C)まで行なうことにより、COD値が極
めて小さな処理水を得ることができた。また工程Aと工
程Cの間に工程Bを入れることにより、処理水中の鉄イ
オン濃度をさらに小さなものとすることができた。すな
わち排出を行なう地域の規制や、処理する廃液の種類に
応じて工程Bを行なうか行なわないかの選択をすればよ
い。また工程Aおよび工程Bにおいて、鉄除去のために
行なう濾過操作により生じるスラッジはわずかであり、
本法による鉄除去は環境保護の観点で有効なものである
ということができる。また工程Cまで処理を行なった処
理水3、処理水4は清澄であり、BOD値を測定したと
ころ、ともに10ppm未満と極めて良好な数値を示し
た。
【0047】比較例1 (ニ)実施例1(イ)と同一の反応容器を用い、反応温
度を50℃とする以外は同一の操作(工程A)で湿式酸
化処理を行なった。反応時の圧は27kg・cm-2であっ
た。以上の操作によって得られた処理水を処理水5とす
る。
【0048】(ホ)上記(ニ)と同一の条件・操作(工
程A)により得られた処理水(pH2.5)について、
実施例1(ロ)と同一の操作(工程B)で鉄除去処理を
行なった。得られた処理水う処理水6とする。
【0049】(ヘ)(ニ)と同一の操作(工程A)を行
なった処理水および(ニ)(ホ)の順に同一の操作(工
程Aおよび工程B)を行なった処理水について、実施例
1(ハ)と同一の操作(工程C)で生物酸化処理を行な
った。得られた処理水を処理水7、処理水8とする。
【0050】上記(ニ)、(ホ)、(ヘ)により得られ
た処理水5から処理水8の分析結果と、工程Aおよび工
程Bにおける濾過操作にともなって濾別された沈澱の計
量結果を表2のNo. 5からNo. 8に示す。
【0051】湿式酸化処理工程(工程A)におけるCO
D値の低下が十分でなく、EDTAの残留が認められ、
鉄イオン濃度の低下も不十分である。さらに生物酸化処
理工程(工程C)を経てもCOD値の低下はいまだ不十
分であり、工程Aで残留したEDTAは分解されないま
まである。また錯体を形成するキレート剤EDTAが工
程Aで分解しきれずに残るので、工程Bを行なっても鉄
を十分に除去することはできない。また工程Cまで処理
を行なった処理水7、処理水8においても黄色の着色が
認められた。
【0052】
【表2】
【0053】比較例2 (ト)廃液に水酸化カルシウムあるいは水酸化ナトリウ
ムを加え、15分攪拌した後、凝集剤 DIC A−5
00(商品名 大日本インキ社製)を加え30分攪拌し
てから濾過操作を行なった。使用したアルカリおよびそ
の量を変えて以上の操作を行なった処理水(処理水9か
ら処理水12)の分析結果および沈澱の計量結果を表3
のNo. 1からNo. 4に示す。
【0054】アルカリとして水酸化ナトリウムを加えた
場合、スラッジの生成はほとんど認められないが、鉄イ
オンの除去もほとんど起こらない(処理水11および処
理水12)。これは、写真廃液において鉄イオンがキレ
ート剤と錯体を強固に形成していることを示す。水酸化
カルシウムを使用した場合、その使用量を増すことによ
り鉄イオンを除去することができる。(処理水9および
処理水10)これはキレート剤の配位金属が鉄から過剰
に投入されたカルシウムに置き換わることにより、鉄イ
オンが水酸化鉄として沈澱するためである。しかし、添
加したカルシウムイオンが写真廃液中の硫酸イオンや炭
酸イオンと難溶性の沈澱を形成するため、十分な鉄除去
を行なうためには本発明と比べ極めて多量のスラッジを
生成してしまい、これらの産業廃棄物としての処理を考
えなければならない。また、使用アルカリを問わず、上
記の操作によるCOD値の低下はわずかであり、他にC
OD値を低減させるための手段を考えなければならな
い。
【0055】
【表3】
【0056】実施例2 実施例1(イ)と同一の操作(工程A)を繰り返し行な
った処理水および(イ)(ロ)の順に同一の操作(工程
Aおよび工程B)を繰り返し行なった処理水それぞれに
ついて、下記(チ)に示す順で馴養した活性汚泥を用い
希釈を行なわずに生物酸化処理(工程C)を行なった。
【0057】(チ)海水魚介類水槽の浄化装置内の浸漬
ろ床から剥離した生物膜を植種し、実施例1(ハ)と同
じ処理槽を用い平均滞留時間を10日毎に20日、10
日、3日、1日と順次短かくして、活性汚泥法により工
程A、工程Bを経た処理水を汚泥の馴養を行ないながら
連続処理を行なった。この間リンをリン酸水素二カリウ
ムの形でCOD値の1%に相当する量を添加し、更にカ
ルシウムイオンとマグネシウムイオンを各々10pp
m、2ppmになるよう添加した。曝気槽にはpHコン
トローラー(東京理化製)を設け、硫酸または水酸化ナ
トリウムの添加により槽内のpHを7.5±0.1に保
った。またDOを0.1mg/リットル〜3mg/リットル
に保つよう、ガラスボールフィルター(木下理化製)を
通じてエアコンプレッサーから空気を送り込んだ。平均
滞留時間1日での運転を開始してから1ケ月後の活性汚
泥はMLSS 800ppmであり、そのとき含有生物
を固定したところ、Alcaligenes が検出された。このと
きの処理水から遊離菌体など浮遊物を濾過により除去し
たものを処理水13、処理水14とする。処理水13、
処理水14の分析結果を表4に示す。実施例1同様の良
好な処理率を示し、海洋細菌の使用により高塩濃度下で
も安定に処理をつづけることができた。
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】本発明の処理方法を用いると、有機、無
機のCOD成分とEDTA等キレート剤で可溶化された
鉄イオンの両方を含む写真廃液についてCOD値の低下
と鉄イオンの除去を同時に高処理率で経済的に処理する
ことができ、しかも公知の鉄除去操作を行なう場合に比
べスラッジの排出が少ない。またpH調整による鉄除去
操作を組み合わせることにより、さらに良好な処理水を
得ることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 通常、これらの処理によって排出される
使用済処理廃液は、有価金属である銀の回収の目的から
ハロゲン化銀写真感光材料から処理液中に溶出した銀イ
オンを多く含むもの(含銀系)とそれ以外のもの(非含
銀系)とに分類されて回収される。一般に黒白現像にお
ける定着処理やカラー現像における漂白処理、定着処理
及び漂白定着処理からの使用済処理廃液は含銀系に分類
され、カラー現像及び黒白現像における現像処理からの
使用済処理廃液は非含銀系に分類される。カラー現像及
び黒白現像における水洗処理および安定処理からの使用
済処理廃液は、含まれる銀イオンの濃度に応じて含銀系
あるいは非含銀系にそれぞれ分類され、含銀系の廃液に
銀回収処理を施したものは銀回収系廃液、非含銀系の廃
液は現像系廃液として扱われる。本発明においてはこれ
ら銀回収系廃液、現像系廃液あるいはこれらの混合廃液
のいずれについても適用することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】(A)工程A:湿式酸化処理は加熱・加圧
下で被処理水と酸素を接触させるものであり、これによ
って被処理水中の成分が液相下で酸化される。本工程で
は写真廃液について湿式酸化処理を行なうことにより、
有機性、無機性のCOD負荷を有する成分が酸化分解さ
れる。これによって、BOD、COD等廃液の公害負荷
の示標を安価に効率良く低下させることができる。反応
時の温度は通常100〜370℃好ましくは200〜3
00℃、特に好ましくは240〜270℃である。反応
時の圧力は被処理液が液相を保つ圧力すなわち0〜20
0kg/cmの圧力である必要があり、好ましくは5
〜100kg/cmの圧力範囲で運転を行なう。また
反応時間は3分〜300分、好ましくは5分〜180分
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 本工程において送入される酸素含有ガス
は、廃液中に含まれる有機性および無機性物質を窒素、
炭酸ガスおよび水にまで分解するのに必要な理論酸素量
の1〜1.5倍量を使用する。使用できる酸素含有ガス
は、空気、酸素富化空気、酸素等である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 本発明の湿式酸化処理に用いる反応器は
反応時の温度圧力に耐えるものであればオートクレーブ
等を用いた回分式、反応塔等を用いた流通式のいずれの
方式のものでも良い。写真廃液は一般に金属を侵す性質
が強いので反応器は耐食合金(SUS316等)やチタ
ン材等耐食性のすぐれた素材で構成することが好まし
い。いずれの反応器においても、酸素と被処理水が十分
に接触する様撹拌翼や邪魔板等の撹拌手段を有すること
が好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】銀回収系廃液など 鉄イオンを含有する廃液を処理した場合、酸化鉄等の沈
澱を生じるが、これを濾過分離することにより廃液から
の鉄除去を行なうことができる。この際沈降分離を促進
するために高分子凝集剤を用いても良い。この操作によ
る鉄除去法においては常法とされるようにアルカリ土類
金属イオンを添加することがないのでこれらとの間に難
溶性の硫酸塩、炭酸塩等のスラッジを生成することがな
く固体廃棄物の量を減らすことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】(C)工程C:工程Aあるいは工程A、工
程Bの順で処理を行なった処理水について生物酸化処理
を行なう。これによって湿式酸化処理を経てもなお残存
していた成分を分解することができるので極めて環境負
荷を小さいものとすることができる。湿式酸化処理を経
た処理水において有機物は酢酸等の低分子量で生分解性
の良好な物質に分解されているので生物処理はすみやか
に効率良く行なわれる。EDTAを始めとするキレート
剤のように生分解性の乏しい素材は生物処理ではほとん
ど処理されないが湿式酸化処理を施すことによって生分
解可能となる。すなわち本発明の構成をとることにより
湿式酸化処理の欠点(生分解成分BDOが残存する)と
生物酸化処理の欠点(EDTA等分解不能な成分があ
る)が互いに補われる。これは、それぞれの処理を単独
に行なったのでは得られない効果である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 廃液中にリン分が不足する場合、リンと
してCOD値の0.5%から3%含むようにリン酸塩
(例えばKHPO、KHPO、NaHPO
・2HO、NaHPPO)を添加してから処理を
行なうと生物相が安定し、好ましい。また処理中のpH
は中性付近に保つことが生物相を健全に保つために好ま
しく、好ましいpHの範囲は5.5から8.5である。
さらに海洋細菌を含む生物相を用いる場合は6.5から
8.0が特に好ましい。pHは使用する際にpHコント
ローラー等で、できるかぎり一定に保つことが好まし
い。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 また本発明における生物酸化処理の方法
としては、活性汚泥法、ラグーン法、散水濾床法、回転
円板法等が挙げられるが、好気的に曝気あるいは空気や
酸素に接触させる方法ならば何でも使える。これらの生
物処理のより具体的方法については「活性汚泥法の維持
管理技術」桜井敏郎、須藤隆一著者(化学技術開発セン
ター刊)、「新しい活性汚泥法」橋本 奨、須藤隆一著
者(産業用水調査会刊)などに記載されている。また海
洋細菌を用いた処理法、生物相の馴養法については衛生
工学研究論文集第27巻 P183(1991)に記載
されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】(チ)海水魚介類水槽の浄化装置内の浸漬
ろ床から剥離した生物膜を植種し、実施例1(ハ)と同
じ処理槽を用い平均滞留時間を10日毎に20日、10
日、3日、1日と順次短かくして、活性汚泥法により工
程A、工程Bを経た処理水を汚泥の馴養を行ないながら
連続処理を行なった。この間リンをリン酸水素二カリウ
ムの形でCOD値の1%に相当する量を添加し、更にカ
ルシウムイオンとマグネシウムイオンを各々10pp
m、2ppmになるよう添加した。曝気槽にはpHコン
トローラー(東京理化製)を設け、硫酸または水酸化ナ
トリウムの添加により槽内のpHを7.5±0.1に保
った。またDOを0.1mg/リットル〜3mg/リッ
トルに保つよう、ガラスボールフィルター(木下理化
製)を通じてエアコンプレッサーから空気を送り込ん
だ。平均滞留時間1日での運転を開始してから1ケ月後
の活性汚泥はMLSS 8000ppmであり、そのと
きの含有生物を同定したところ、Alcaligene
sが検出された。このときの処理水から遊離菌体など浮
遊物を濾過により除去したものを処理水13、処理水1
4とする。処理水13、処理水14の分析結果を表4に
示す。実施例1同様の良好な処理率を示し、海洋細菌の
使用により高塩濃度下でも安定に処理をつづけることが
できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 3/34 Z 7158−4D G03C 5/00 A 8910−2H // C02F 1/56 K 7824−4D 3/12 V 9153−4D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真廃液について、下記(A)、(C)
    の順に処理を行なうことを特徴とする写真廃液の処理方
    法。 (A)100〜370℃の温度かつ該廃液が液相を保持
    する圧力に保ちつつ酸素含有ガスの供給下に湿式酸化処
    理行なう(工程A)。 (C)工程Aを経た処理水について、生物酸化処理を行
    なう(工程C)。
  2. 【請求項2】 上記工程Aを経た処理水について、工程
    Cに移る前に下記(B)の処理を行なうことを特徴とす
    る請求項1記載の廃液の処理方法。 (B)工程Aを経た処理水をアルカリ性にすることによ
    り鉄イオンを不溶化して除去する(工程B)。
  3. 【請求項3】 上記の工程Cにおける生物酸化処理を、
    海洋細菌を含む生物相を用いて行なうことを特徴とする
    請求項1記載の廃液の処理方法。
JP3204638A 1991-07-22 1991-07-22 写真廃液の処理方法 Pending JPH0523696A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003045850A1 (fr) * 2001-11-28 2003-06-05 Mitsubishi Chemical Corporation Procede d'elimination de metal contenu dans des eaux usees

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003045850A1 (fr) * 2001-11-28 2003-06-05 Mitsubishi Chemical Corporation Procede d'elimination de metal contenu dans des eaux usees
US6936177B2 (en) 2001-11-28 2005-08-30 Mitsubishi Chemical Corporation Method for removing metal from wastewater
CN1314603C (zh) * 2001-11-28 2007-05-09 三菱化学株式会社 从废水中除去金属的方法

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