JPH0523561U - 固体レーザ発振器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 共振器の励起レーザ光入射側である全反射鏡
のコーティングが焼損しにくい固体レーザ発振器を提供
する。 【構成】 励起レーザ光Ｒ１により励起されて出力レー
ザ光Ｒ２を発振する固体レーザ発振器において、共振器
の一方であるところの、励起レーザ光Ｒ１が入射する側
の全反射鏡２３は、該励起レーザ光Ｒ１が入射する側の
面Ａが該レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体でコー
ティングされ、他方該レーザ光Ｒ１が出射される側の面
Ｂが該レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体でコーテ
ィングされると共に、出力レーザ光Ｒ２に対して全反射
なる誘電体でコーティングされたメニスカスレンズであ
る構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、固体レーザ発振器に関わり、殊に光学系を改良した固体レーザ発振 器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の固体レーザ発振器は、図２で示すとおり、励起レーザ発振器１ と、集光レンズ２と、全反射鏡３と、レーザ媒質４と、出力鏡５とが順に配列さ れ、全反射鏡２と出力鏡５とで共振器をなす構成となっている。

【０００３】 殊に集光レンズ２と全反射鏡３とを説明すれば、集光レンズ２は励起レーザ光 Ｒ１がレーザ媒質４内で最良の焦点を結ぶことができるように、他方全反射鏡３ は出力鏡５と対となってファブリペロー共振器条件を満たすことができるように 、共に最適なる曲率面を備えると共に、各々の両面２Ａ、２Ｂ、３Ａ、３Ｂには 各種コーティングが施されている。先ず総ての面２Ａ、２Ｂ、３Ａ、３Ｂには励 起レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体がコーティングされている。殊に全反 射鏡３の出射面３Ｂにはさらに出力レーザ光Ｒ２に対して全反射なる誘電体がコ ーティングされている。

【０００４】 かかる構成において、励起レーザ装置１からの励起レーザ光Ｒ１は、集光レン ズ２と全反射鏡３とを透過してレーザ媒質４内に焦点を結び、該レーザ媒質４を 励起して誘導放出させる。そして共振器２、５内で増幅されて出力鏡５から出力 レーザ光Ｒ２が発振される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに上記従来の固体レーザ発振器は、上記コーティングが励起レーザ光Ｒ １、Ｒ２によって焼損するという不都合が生じている。殊に全反射鏡３の両面３ Ａ、３Ｂのコーティングは集光レンズ２で集光された励起レーザ光Ｒ１により、 焼損し易い状態となっている。

【０００６】 本考案は上記従来の問題点に着目し、共振器の励起レーザ光入射側である全反 射鏡のコーティングが焼損しにくい固体レーザ発振器を提供することを目的とす る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記不都合を解決するため、本考案に係わる固体レーザ発振器は、図１を参照 して説明すれば、励起レーザ光Ｒ１により励起されて出力レーザ光Ｒ２を発振す る固体レーザ発振器において、共振器の一方であるところの、励起レーザ光Ｒ１ が入射する側の全反射鏡２３は、該励起レーザ光Ｒ１が入射する側の面Ａが該レ ーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体でコーティングされ、他方該レーザ光Ｒ１ が出射される側の面Ｂが該レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体でコーティン グされると共に、出力レーザ光Ｒ２に対して全反射なる誘電体でコーティングさ れたメニスカスレンズである構成とした。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、励起レーザ装置１からの励起レーザ光Ｒ１は、メニスカス レンズ２３を透過し、該メニスカスレンズ２３によってレーザ媒質４内に焦点を 結び、該レーザ媒質４を励起する。即ち、従来技術における集光レンズ２と全反 射鏡３との作用を１つのメニスカスレンズ２３の作用で達成する。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施例を図１を参照して以下説明する。同図において、実施例は、励 起レーザ発振器１と、全反射鏡２３と、Ｔｉ：Ａｌ２０３、Ｃｏ：ＭｇＦ２等Ｔ ｉイオンドープ媒質、Ｃｏ、Ｃｒ、Ｎｄイオンをドープしたガーネット結晶媒質 でなるレーザ媒質４と、出力鏡５とを順に配列して構成してある。尚、全反射鏡 ２３と出力鏡５とで共振器をなしている。

【００１０】 前記全反射鏡２３は、励起レーザ光Ｒ１がレーザ媒質４内で最良の焦点が結ぶ ことができ、かつ、出力鏡５と対となってファブリペロー共振器条件を満たすこ とができる曲率面Ａ、Ｂを備えたメニスカスレンズである。このメニスカスレン ズ２３において、励起レーザ光Ｒ１の入射面である面Ａには該レーザ光Ｒ１に対 して無反射なる誘電体がコーティングされている。他方レーザ光Ｒ１の出射面で ある面Ｂには該レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体がコーティングされると 共に、出力レーザ光Ｒ２に対して全反射なる誘電体がコーティングされている。

【００１１】 上記実施例において、励起レーザ装置１からの励起レーザ光Ｒ１は、全反射鏡 ２３を透過してレーザ媒質４内に焦点を結び、該レーザ媒質４を励起する。そし て共振器２３、５内で増幅されて出力鏡５から出力レーザ光Ｒ２が発振される。

【００１２】 上記実施例の効果を説明する。従来技術の集光レンズ２と全反射鏡３とを１つ のメニスカスレンズ２３で構成したので（即ち、光学系を簡素化したので）、レ ンズ１個分のコーティング作業が不要となる。また従来技術における集光レンズ ２の光軸合わせ作業が省略でき、信頼性を向上させることができる。しかも、該 メニスカスレンズ２３内での集光度合いが小さいため、該メニスカスレンズ２３ のコーティングが励起レーザ光Ｒ１によって焼損することがなくなる。この結果 、より高出力の励起レーザ光Ｒ１を使用することができ、従ってより高出力なレ ーザ光Ｒ２を発振することができるようになる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係わる固体レーザ発振器によれば、共振器の励 起レーザ光入射側全反射鏡をメニスカスレンズとし、該メニスカスレンズの励起 レーザ光入射面を該励起レーザ光無反射誘電体でコーティングし、他方励起レー ザ光出射面を該励起レーザ光無反射誘電体でコーティングすると共に、出力レー ザ光全反射誘電体でコーティングした構成としたので、コーティングの焼損がな くなる。しかも本発明は、従来技術と比較し、光学系を省略した構成であるため 、レンズ１個分のコーティング作業が不要となり、従来技術の集光レンズの光軸 合わせ作業を省略でき、信頼性を向上でき、より高出力なる励起レーザ光を使用 でき、より高出力のレーザ光を出力することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例なる固体レーザ発振器の構成図
である。

【図２】従来の固体レーザ発振器の構成図である。

【符号の説明】

１ 励起レーザ発振器 ２３ 全反射鏡（メニスカスレンズ） ４ レーザ媒質 ５ 出力鏡 Ａ 励起レーザ入射面 Ｂ 励起レーザ出射面 Ｒ１ 励起レーザ光 Ｒ２ 出力レーザ光

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 励起レーザ光Ｒ１により励起されて出力
   レーザ光Ｒ２を発振する固体レーザ発振器において、共
   振器の一方であるところの、励起レーザ光Ｒ１が入射す
   る側の全反射鏡２３は、該励起レーザ光Ｒ１が入射する
   側の面Ａが該レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体で
   コーティングされ、他方該レーザ光Ｒ１が出射される側
   の面Ｂが該レーザ光Ｒ１に対して無反射なる誘電体でコ
   ーティングされると共に、出力レーザ光Ｒ２に対して全
   反射なる誘電体でコーティングされたメニスカスレンズ
   である構成を特徴とする固体レーザ発振器。