JPH05235387A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造方法

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JPH05235387A
JPH05235387A JP4036446A JP3644692A JPH05235387A JP H05235387 A JPH05235387 A JP H05235387A JP 4036446 A JP4036446 A JP 4036446A JP 3644692 A JP3644692 A JP 3644692A JP H05235387 A JPH05235387 A JP H05235387A
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尚 澁谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池に於て用いられる金属ペーストから
成る表面電極と、半導体基板との密着性を向上し得る太
陽電池の製造方法を提供することにある。 【構成】 半導体基板(2)の光入射面の表面に形成され
た反射防止膜(4)に開口部(5)を設け、斯る部分に金属ペ
ーストからなる表面電極(6)を形成し焼成した後、、メ
ッキを施すことによりその表面電極(6)に金属薄膜(9)を
付着せしめることにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池の製造方法、
特に反射防止膜を備えた太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は、光エネルギーを電気エネル
ギーに変換するものであることから、入射光をできる限
り有効に利用するための種々の工夫がなされている。
【0003】その工夫の一つに、反射防止膜の利用があ
る。これは、太陽電池の主材料である半導体基板の光入
射面に入射する光がその面で反射されることに因る入射
光の損失を低減するため、その光入射面の表面に形成さ
れるものである。
【0004】図2は、従来のその反射防止膜を用いた太
陽電池の製造工程別素子構造図である。この太陽電池は
以下のように製造される。
【0005】同図(a)に示す工程では、p形多結晶シ
リコン基板(21)の表面(21a)上に、熱拡散法よってn形
の不純物をドーピングしn形半導体層(22)を形成する。
一方、そのp形多結晶シリコン基板(21)の裏面にはアル
ミニューム・ペーストを印刷塗布し焼成することにより
+半導体層(23)を形成する。
【0006】次に、同図(b)に示す工程では、その表
面(21a)に反射防止膜(24)を形成する。具体的には、窒
化シリコン膜や、酸化チタン膜等の薄膜で、常圧CVD
法や、減圧CVD法等にて形成する。
【0007】そして、同図(c)に示す工程では、この
反射防止膜(24)に、後工程において電極が形成される位
置と対応する部分に開口部(25)(25)…を設ける。これに
より開口部(25)(25)…では、下部のn形半導体層(22)が
表面に露出することとなる。
【0008】次に、同図(d)に示す工程では、その開
口部(25)(25)…に銀ペーストをスクリーン印刷すること
により表面電極(26)(26)…を形成し、その電極上には半
田(28)(28)…を添着する。この時、同様の工程で基板(2
1)の裏面にも裏面電極(27)(27)…を銀ペーストにて形成
し、その電極上には半田(28)(28)…を被覆する。
【0009】特に、本工程では半田(28)(28)…を被覆す
るためにはまず表面及び裏面の銀ペーストから成る各電
極(26)(27)を形成した後、素子をフラックスにディップ
する。次に半田をディップし、その後洗浄、乾燥を行っ
ている。
【0010】この半田(28)(28)…は、次工程の半田で表
面がコートされたタブ(以下では半田被覆リボンと称す
る。)を熱圧着する際の電気的・物理的な結合を高める
ために必要なものである。
【0011】そして、最後に同図(e)に示す工程で
は、半田被覆リボン(29)(29)…をその半田(28)(28)…に
熱圧着し電気取り出し端子とする。
【0012】従って、この表面電極(26)(26)…は、太陽
電池としての光生成キャリアの収集機能を有するととも
に、この太陽電池の電気取り出し端子の取りつけ部とな
る。
【0013】斯様な太陽電池の製造方法に関しては、例
えば特開昭58−220477号などに記載されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来における
製造方法では、表面電極あるいは裏面電極として金属ペ
ーストが使用されている。斯る金属ペーストは、反射防
止膜に設けられた開口部にスクリーン印刷法などで簡単
に表面電極としてのパターンが形成できることから広く
利用されている。
【0015】ところが、通常金属ペーストはペースト状
態とするための種々の溶媒、例えばカルビトール等が含
まれており、このためスクリーン印刷後にはこれら溶媒
を蒸発させるための高温の焼成処理が必要である。その
結果、金属ペーストを用いた電極は、その内部にこれら
溶媒が蒸発する際に生じた微細なガス噴出跡が無数に有
り、所謂多孔質状態となるとともに、この焼成処理によ
りシリコン基板とペーストとの界面が酸化されてしま
う。
【0016】この様な多孔質状態で且つ酸化された状態
では、いきおい下地材料との密着性が悪くなり、特に前
述した太陽電池にあっては、下地の半導体基板との機械
的な密着不良及び電気的な接触不良に因り光入射によっ
て発生したキャリアをその半導体基板から効率よく収集
ができないこととなる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明太陽電池の製造方
法の特徴とするところは、光起電力機能を有する半導体
接合を備えた半導体基板の光入射面に反射防止膜を形成
する工程と、前記反射防止膜に開口部を形成する工程
と、前記開口部に金属ペーストから成る表面電極をパタ
ーン形成する工程と、前記表面電極を焼成処理する工程
と、該表面電極にメッキ法による金属薄膜を付着せしめ
る工程と、からなることにある。
【0018】
【作用】本発明製造方法によれば、多孔質状態にある金
属ペーストからなる表面電極に少なくともその電極と下
地の半導体基板との間隙にメッキ液を浸入せしめること
によって、その間隙にまでメッキによる金属薄膜を形成
することができることとなり、その電極と半導体基板と
で作られる界面の密着性が良好なものとなる。
【0019】更に、本発明では表面電極を多孔質化させ
ているガス噴出跡にまでメッキ液が浸入することからこ
のガス噴出跡をメッキによる金属薄膜が埋めることとな
り、結果としてこの表面電極自体を良好な導電性を有す
るものとすることができる。
【0020】
【実施例】図1は、本発明太陽電池の製造方法を説明す
るための工程別素子構造図である。本工程は以下のよう
に進行する。
【0021】同図(a)に示す第1工程では、p形多結
晶シリコン基板からなる半導体基板(1)の表面(1a)上
に、熱拡散法にてn形の不純物(例えばリン)をドーピ
ングすることによりn型半導体層(2)を形成し、その半
導体ウエハ(1)の裏面にはアルミニューム・ペースト
(膜厚数10μm)を印刷塗布後、焼成することによ
り、p +半導体層(3)を形成する。その焼成温度としては
700〜800℃とした。従って、本実施例では、p型
の半導体基板(1)とn型半導体層(2)とで光起電力機能を
有する半導体接合を構成する。
【0022】次に同図(b)に示す第2工程では、光入
射面に窒化シリコンや、酸化シリコンなどの反射防止膜
(4)を形成する。本例では、プラズマCVD法による窒
化シリコン膜を使用した。
【0023】そして、同図(c)に示す第3工程では、
反射防止膜(4)を後工程で表面電極を形成すべき部分が
開口部(5)…となるようにパターニングを行う。
【0024】次に、同図(d)に示す第4工程で、その
開口部(5)…に金属ペーストによる表面電極(6)…を形成
する。又、本工程では、裏面のp+半導体層(3)に対して
は、表面電極と同様の金属ペーストから成る裏面電極
(7)を形成した。本実施例で使用した金属ペーストとし
ては、従来周知の銀ペーストを用いた。
【0025】引き続く同図(e)の第5工程では、被着
された金属ペーストからなる表面電極(6)…を焼成処理
し、その金属ペーストに含まれる溶媒を蒸発せしめる。
この焼成処理温度の代表的な範囲としては、550〜6
50℃である。斯る工程の焼成処理により、金属ペース
トは堅固なものとなるが、一方この焼成処理による溶媒
の蒸発によってこの金属ペーストは多孔質なものとなっ
てしまう。
【0026】この結果、同図のごとくこの表面電極(6)
と半導体基板(2)との間には小さな間隙が発生するとと
もにこれらにより形成される界面も酸化され、この界面
の密着性の低下や電気的接触不良を招くこととなる。こ
のことは、太陽電池用の電極取り出し端子としてはとり
わけ信頼性の悪いものにしてしまう。
【0027】次に、同図(f)に示す第6工程では、次
工程でメッキによる金属薄膜の付着を行うことから、メ
ッキレジスト(8)によるパターニングを行う。
【0028】そして、同図(g)に示す第7工程では、
本発明製造方法の特徴であるメッキ法により金属薄膜
(9)…を表面電極(6)…に付着せしめた後、メッキレジス
ト(8)を除去する。
【0029】本実施例における具体的なメッキ方法とし
ては、まず無電解銀メッキ液200mlを水1リットルで
希釈しこれにシアン化銀カリ2〜5g/lを溶解する。
そして、その中に液温60℃の条件下素子を浸漬せしめ
ることによりこの素子に銀薄膜によるメッキを施す。こ
れにより各々の表面電極(6)…全体に亘って銀メッキが
できることとなる。
【0030】本発明は、メッキという液体を用いて金属
薄膜(9)…を付着させることから、表面電極(6)…と半導
体基板(2)との界面にまでよく浸入し、本来密着状態の
悪いこれら界面を良好な密着界面とすることができ、斯
る部分でのオーミック特性も向上する。
【0031】更に、多孔質な金属ペーストからなる表面
電極(6)…ではその電極内部にまでメッキ液が浸入する
結果、金属ペースト自体をも良好な導電性金属とするこ
とが可能となる。
【0032】本実施例では、メッキ法により各々の表面
電極(6)…の表面全体に亘って金属薄膜(9)を付着させた
が、本発明はこの様な表面電極(6)…全体に亘ってメッ
キすることが必ずしも必要ではなく、少なくとも表面電
極(6)…と半導体基板(2)との間隙にメッキが施されたな
らば十分な密着度の向上が達成し得るものである。
【0033】又、使用できる金属ペーストとしては、銀
の他に銅、鉛、ニッケルなどが使用可能で、特に金属ペ
ーストとこれに施すメッキによる金属薄膜との組み合わ
せで良好なものとしては、実施例におけるような共に銀
とする場合の他に、銀ペーストとニッケル薄膜、アルミ
ニュームペーストとニッケル薄膜などがある。
【0034】更に、本実施例では、無電解メッキによる
方法で説明したが、本発明製造方法はこれに限るもので
はなく電解メッキによる方法を採用してもよいことは言
うまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明製造方法によれば、金属ペースト
からなる表面電極にメッキにより金属薄膜を付着させる
ことから、本来密着状態の悪い半導体とその電極との間
隙にメッキ液が深く浸入し得、斯る間隙に良好な金属薄
膜を形成することが可能となる。
【0036】その結果、その間隙を良好な密着状態とす
ることができ、さらにはその半導体とその電極との界面
におけるオーミック特性の向上も成し得る。
【0037】加えて、金属ペーストによって形成された
表面電極は、通常多孔質であることからメッキ液に浸漬
させると、そのメッキ液がその電極自体の内部にまで浸
入しこの電極を良好な導電性金属とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明太陽電池製造方法を説明するための工程
別素子構造断面図である。
【図2】従来の太陽電池製造方法を説明するための工程
別素子構造断面図である。
【符号の説明】
(2)…半導体基板 (4)…反射防
止膜 (5)…開口部 (6)…表面電
極 (9)…金属薄膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光起電力機能を有する半導体接合を備え
    た半導体基板の光入射面に反射防止膜を形成する工程
    と、 前記反射防止膜に開口部を形成する工程と、 前記開口部に金属ペーストから成る表面電極をパターン
    形成する工程と、 前記表面電極を焼成処理する工程と、 該表面電極にメッキ法による金属薄膜を付着せしめる工
    程と、からなることを特徴とする太陽電池の製造方法。
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