JPH05235386A - 太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池及びその製造方法

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JPH05235386A
JPH05235386A JP4072521A JP7252192A JPH05235386A JP H05235386 A JPH05235386 A JP H05235386A JP 4072521 A JP4072521 A JP 4072521A JP 7252192 A JP7252192 A JP 7252192A JP H05235386 A JPH05235386 A JP H05235386A
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JP
Japan
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layer
semiconductor layer
solar cell
single crystal
polycrystalline silicon
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JP4072521A
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English (en)
Inventor
Akiyuki Nishida
彰志 西田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属基板上に大粒径の多結晶半導体層を成長
させることにより安価で高性能な太陽電池とその製造方
法をを提供することを目的とする。 【構成】 金属基体101上に、金属ー半導体の中間体
層102と、第一の半導体層103と、複数の開口部1
10を有する絶縁層104と、光電流を発生する第二の
半導体層105とを積層してなる多結晶半導体の太陽電
池であって、前記第二の半導体層は前記第一の半導体層
より大きな結晶粒を有し、且つ前記開口部直下の前記第
一の半導体層中に前記第一の半導体層の粒径よりは大き
く前記第二の半導体層の粒径よりは小さい単一の結晶粒
109を設け、前記開口部直下の単一の結晶粒109と
前記第二の半導体層中の単一の結晶粒とが実質単結晶と
して繋がっていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池およびその製造
方法に係わり、特にエネルギー変換効率が良好な太陽電
池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種機器において、駆動エネルギー源と
して太陽電池が利用されている。
【0003】太陽電池は機能部分にpn接合を用いてお
り、該pn接合を構成する半導体としては一般にシリコ
ンが用いられている。光エネルギーを起電力に変換する
効率の点からは、単結晶シリコンを用いるのが好ましい
が、大面積化および低コスト化の点からはアモルファス
シリコンが有利とされている。
【0004】近年、アモルファスシリコンなみの低コス
トと単結晶シリコンなみの高エネルギー変換効率とを得
る目的で多結晶シリコンの使用が検討されている。とこ
ろが、従来提案されている方法では塊状の多結晶をスラ
イスし板状体として用いるため、厚さを0.3mm以下
にすることは困難である。従って光量を吸収するのに必
要な厚さ以上となり、材料の有効利用が十分ではなかっ
た。逆にいうとコストを下げるためには十分な薄型化が
必要である。
【0005】そこで、化学的気相成長法(CVD)等の
薄膜形成技術を用いて多結晶シリコンの薄膜を形成する
試みがなされている。しかし、結晶粒径はせいぜい百分
の数ミクロン程度にしかならず、塊状多結晶シリコンス
ライス法の場合に比べてもエネルギー変換効率が低いと
いう問題がある。
【0006】一般に、多結晶半導体では、様々な結晶方
位をもった多数の単結晶粒子同士が多数の結晶粒界を形
成しており、結晶粒界には未結合手を持つ原子が存在す
るために禁制帯中に欠陥準位を形成される。半導体デバ
イスの特性は半導体層の欠陥密度と密接に関係する。結
晶粒界には欠陥準位が形成されるとともに不純物等が析
出しやすく、これらがデバイス特性の低下をもたらすの
で、多結晶半導体では結晶粒界(以下粒界と略記)の制
御によりデバイス特性が大きく左右されると考えられて
いる。即ち、多結晶を半導体層に用いた半導体デバイス
の特性を向上させるには半導体層中に存在する粒界の量
を低減させることが効果的である。その方法の一つとし
て、粒径拡大がある。
【0007】例えば、上記CVD法により形成した多結
晶シリコン薄膜にPなどの不純物原子をイオン打ち込み
により導入して過飽和状態にした後高温でアニールする
ことにより、結晶粒径を膜厚の10倍以上にも拡大させ
るいわゆる異常粒成長技術が報告されている(Yasuo Wa
da and Shigeru Nishimatsu, Journal of Electrochem
ical Society,Solid‐State Science and Technology,l
25(l978)l499)。しかしながら、この様にして得た結晶
は、不純物濃度が高すぎて光電流を発生させる活性層に
用いることが出来ない。
【0008】さらに、多結晶シリコン薄膜にレーザ光を
照射し溶融再結晶化させて結晶粒径を大きくするという
試みもなされているが、コスト面で問題が残り、また安
定した製造も困難である。
【0009】このような事情はシリコンのみならず、化
合物半導体においても共通な問題となっている。
【0010】以上の問題を解決する方法として、特開昭
63−182872号公報に開示されている太陽電池の
製造方法がある。この方法は、基体表面上に該基体表面
の材料よりも核形成密度が十分に大きく、且つ単一の核
だけが成長する程度に十分微細な異種材料を設け、次い
で堆積により異種材料に核を形成させ、この核によって
結晶を成長させる方法である。従って、基体表面上に第
一の導電型の半導体の実質的単結晶層を形成し、該単結
晶層の上方に第二の導電型の半導体の実質的単結晶層を
形成することが可能となる。この製造方法により薄型で
結晶粒径の十分大きい、良好なエネルギー変換効率を有
する太陽電池が得られることが示されている。
【0011】上述の方法において核形成面となる複数の
微細な異種材料の各々に形成される単一核によって成長
した単結晶体が互いに接する時に粒界が形成される。こ
の方法は粒径を拡大させることで粒界の量を減らすこと
を目的としている。しかしながら、上述の方法ではコス
トの低減を目的として基体に金属を用いた場合、微細な
異種材料としては、それが光電流の取り出し口となるた
め、金属の基体となるが、この上に結晶を直接成長させ
ると基体金属原子が成長中に結晶の中や粒界に取り込ま
れてしまい、デバイス特性および再現性を劣化させると
いう問題が判明した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の持つ課題を解決し、粒径が大きくかつ良質な多結晶太
陽電池およびその製造方法を提供するものである。
【0013】本発明の目的は金属基板上に大粒径の多結
晶半導体層を成長させることにより安価な太陽電池を提
供することにある。
【0014】また本発明の他の目的は小粒径単結晶粒を
種結晶としてその上に大粒径多結晶半導体層を形成する
ことにより、粒界での界面準位を減らすとともに基板か
らの不純物の混入をなくすことで高品質な太陽電池を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の従来技
術における問題を解決し、上記の目的を達成すべく本発
明者による鋭意研究の結果完成に至ったものであり、特
性の良好な薄型多結晶太陽電池およびその製造方法に係
わるものである。
【0016】すなわち、本発明の太陽電池は、金属基体
上に、金属ー半導体の中間体層と、第一の半導体層と、
複数の開口部を有する絶縁層と、光電流を発生する第二
の半導体層とを積層してなる多結晶半導体の太陽電池で
あって、前記第二の半導体層は前記第一の半導体層より
大きな結晶粒を有し、且つ前記開口部直下の前記第一の
半導体層中に前記第一の半導体層の粒径よりは大きく前
記第二の半導体層の粒径よりは小さい単一の結晶粒を設
け、前記開口部直下の単一の結晶粒と前記第二の半導体
層中の単一の結晶粒とが実質単結晶として繋がっている
ことを特徴とする。
【0017】また、本発明の太陽電池は、金属基体上
に、複数の開口部を有する絶縁層を設け、該開口部に金
属ー半導体の中間体層を介して前記金属基体と電気的接
触を保つように小粒径の単一の結晶からなる第一の半導
体層を配し、該第一の半導体層及び前記絶縁層上に光電
流を発生層する第二の半導体層を配した太陽電池であっ
て、前記第二の半導体層の結晶粒は前記第一の半導体層
の結晶粒よりも大きく、前記第一の半導体層の単一の結
晶粒と前記第二の半導体層中の単一の結晶粒とが実質単
結晶として繋がっていることを特徴とする。
【0018】一方、本発明の太陽電池の製造方法は、多
結晶半導体からなる太陽電池の製造方法において、金属
基体上に多結晶半導体層を堆積させる工程と、該多結晶
半導体層の表面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層
に周期的に微小の開口部を設けて前記多結晶半導体表面
を露出させる工程と、前記多結晶半導体層に前記微小開
口部を通して高濃度の不純物原子を導入する工程と、ア
ニール処理を施して前記多結晶半導体層内に前記絶縁層
の微小開口部の直下のみに異常粒成長により単結晶領域
を形成し、かつ前記金属基板と多結晶半導体層との間に
金属ー半導体の中間体層を形成する工程と、選択的エピ
タキシャル成長および横方向成長により前記微小開口部
から結晶成長を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】さらに、本発明の太陽電池の製造方法は、
多結晶シリコン太陽電池の製造方法において、金属基
体上に多結晶シリコン層を堆積させる工程と、前記多結
晶シリコン層表面に高濃度の不純物原子を導入する工程
と、前記多結晶シリコン層表面に周期的に微小なSi3
4領域を形成する工程と、熱酸化処理を施して前記多
結晶シリコン層において前記微小のSi34領域以外の
部分をSiO2とし前記微小のSi34領域内のシリコ
ン層を単結晶粒とし、かつ前記金属基板と単結晶粒との
間には金属ーシリコンの中間体層を形成する工程と、前
記微小のSi34領域をエッチングにより除去する工程
と、選択的エピタキシャル成長および横方向成長により
前記微単結晶粒を種結晶として結晶成長を行う行程とを
含むことを特徴とする。
【0020】
【作用】以下に本発明の作用を図を用いて詳細に説明す
る。
【0021】なお、以下の説明において本発明に用いる
半導体材料として、シリコンを取り上げて説明するが、
本発明はシリコンに限定されるものではない。
【0022】以下に、本発明の主要な技術は以下に示
す。先ず、本発明の太陽電池の第一の例について詳述す
る。
【0023】図2に示されるように金属基板201上
に堆積された第一の多結晶シリコン層203の表面に酸
化膜(SiO2)などの絶縁層204を形成し、絶縁層
の表面に周期的に微小の開口部を設けてシリコン表面を
露出させイオン打ち込みまたは熱拡散等によりこの開口
部からPなどの不純物原子を多量に導入する。続いて、
アニールすることで開口部直下の多結晶シリコン層を異
常粒成長(0.5〜4μm)させて単結晶領域209を
得るとともにオーミックコンタクト層となる金属―シリ
コンの中間体層202を形成する。
【0024】次に図3に示すように得られた単結晶領
域309と絶縁層304とをそれぞれシリコン種部(シ
ード部)と非核形成面の領域とし、これらに対して選択
的エピタキシャル成長および横方向成長を行い、大きさ
(粒径)の揃った単結晶体を成長し大粒径である第二の
多結晶シリコン薄膜層305を形成することである。次
に、本発明の第二の例について詳述する。
【0025】図5に示されるように金属基板501上
に堆積された第一の多結晶シリコン層502’の表面に
窒化膜(Si)などの絶縁層503’を形成し、
絶縁層をパターニングにより周期的に微小の領域をシリ
コン層上に残し、露出したシリコン表面を熱酸化してシ
リコン層全体を完全にSiO層504とし、微小のS
領域503’を除去してその下に残った多結晶
領域にイオン打ち込みまたは熱拡散等によりPなどの不
純物原子を多量に導入する。続いて、アニールすること
で残った多結晶シリコン領域を異常粒成長(0.5〜4
μm)させて単結晶領域503を得るとともにオーミッ
クコンタクト層となる金属―シリコンの中間体層502
を基板/シリコン界面に形成する。
【0026】次に図6に示すように得られた単結晶領
域603とSiO層604とをそれぞれシリコン種部
(シード部)と非核形成面の領域とし、これらに対して
選択的エピタキシャル成長および横方向成長を行い、大
きさ(粒径)の揃った単結晶体を成長し大粒径である第
二の多結晶シリコン薄膜層605を形成することであ
る。
【0027】ここで選択的エピタキシャル成長法の一般
的な原理について簡単に説明する。選択的エピタキシャ
ル成長法とは、気相成長法を用いてエピタキシャル成長
を行う場合に、図4(a),(b)に示されるように、
シリコンウエハ上に形成された酸化膜などの絶縁層上で
は核形成が起きないような条件で、絶縁層に設けられた
開口部内の露出したシリコン表面を種結晶としてこの開
口部内のみでエピタキシャル成長を行う選択的結晶成長
法である。開口部を埋めたエピタキシャル層がさらに成
長を続けた場合には結晶層は縦方向の成長を続けながら
絶縁層の表面に沿って横方向にも成長していく。これが
横方向成長法(Epitaxial Lateral Overgrowth)と呼ば
れるもので、この時の縦方向対横方向の成長比やファセ
ットの出現は一般に形成条件や絶縁層の厚さに依存す
る。 本発明者は幾多の実験を重ねることにより、開口
部の大きさを数μm以下の微小な領域とすることによ
り、絶縁層の厚さに関係なく縦方向対横方向の成長比が
ほぼ1で、三次元的に絶縁層上で結晶成長していくこ
と、明瞭なファセットが現れて山型の単結晶体が得られ
ることを見い出した(図4(c),(d))。
【0028】また本発明者はさらに実験を重ねることに
より、シリコンウエハの代わりに多結晶シリコンを用い
ても、結晶粒径(平均結晶粒径)がある大きさ以上であ
れば上述と同様な方法により山型の単結晶体が得られる
ことを見い出した。
【0029】また本発明者はさらに実験を行い、金属基
板上に堆積した多結晶シリコンの膜厚を適当に選ぶこと
で、多結晶シリコン上に成長させた結晶層に基板から
の金属原子が混入することが阻止できること、多結晶
シリコン層中に局所的に高濃度に不純物が導入された領
域に対してアニールにより異常粒成長を行う過程で同時
に金属基板−多結晶シリコン界面でシリサイド等の中間
体層が形成され良好なオーミック接触が得られること、
および、多結晶シリコンとその上に成長させた結晶と
の間に絶縁層が介在することにより多結晶シリコン中に
局所的に高濃度に導入された不純物原子の成長結晶層中
ヘの拡散が抑えられることを見い出し、本発明の完成に
至った。
【0030】以下に本発明者が、発明を完成させる過程
で行った実験を説明する。 (実験1)選択的結晶成長 図4(a)に示すように、500μm厚の(100)シ
リコンウエハ401の表面に絶縁層404として熱酸化
膜を1000Å形成し、フォトリソグラフィーを用いて
エッチングを行い、図7(a)に示すような配置で一辺
がaであるような正方形の開口部をb=50μmの間隔
で設けた。ここでaの値として1.2μm、2μm、4
μmの3種類の開口部を設けた。次に図9に示すような
通常の減圧CVD装置(LPCVD装置)を用いて選択
的結晶成長を行った。原料ガスにはSiH2Cl2を用
い、キャリアガスとしてH2をさらに絶縁層404の酸
化膜上での核の発生を抑制するためにHClを添加し
た。この時の成長条件を表1に示す。
【0031】
【表l】
成長終了後、ウエハ表面の様子を光学顕微鏡で観察した
ところ、図4(c)あるいは図7(b)に示すように、
どのaの値に対しても粒径が約20μmの山型ファセッ
トを有する単結晶体405(705)が50μm間隔で
格子点上に規則正しく配列しており、図7(a)で決め
られた開口部710のパターンに従って選択結晶成長が
行われていることが確かめられた。このとき、開口部に
対して成長した結晶が占める割合はどのaの値に対して
も100%であった。また、成長した単結晶体の中で表
面のファセットがくずれないで明確に出ているものの割
合はaの値に依存し、表2に示すようにaが小さい程く
ずれている割合は少ない。
【0032】
【表2】 得られた単結晶体は全て互いに方位が揃っており、基板
であるシリコンウエハから結晶方位を正確に受け継いで
いることがわかった。
【0033】(実験2) 金属基板上の多結晶シリコン
中の局所的異常粒成長(1) 厚さ0.8mmのクロム基板上にWを1000Å真空蒸
着しその上に通常のLPCVD装置によりSiH4を6
30℃で熱分解して0.4μm多結晶シリコンを堆積さ
せた。このときの多結晶シリコンの結晶粒径はX線回折
で調ベたところ約80Åの微小粒径であった。
【0034】次に通常の常圧CVD装置によりSi02
(NSG:Non-doped Silicate Glass)を多結晶シリコ
ンの表面に1000Å堆積し、実験1と同様にして図7
(a)に示すような配置で一辺がa=1.2μmである
ような正方形の開口部をb=5μmの間隔で設けた。こ
のようにSiO2でマスクされた多結晶シリコンの表面
に対してイオン打ち込みにより加速電圧50KV一定と
し、ドーズ量を変化させてPの打ち込みを行った。
【0035】このような金属基板上の多結晶シリコン膜
に対して1000℃、3時間でアニールしたときの結晶
粒径の変化を調ベた。アニール後に高分解能走査型電子
顕微鏡およびECC(Electron Channeling Contrast)
法により多結晶シリコン膜中の結晶粒径を調ベたとろ、
ドーズ量が1.0×1016cm-2以下ではSiO2中に
設けられた開口部の直下の多結晶シリコン層は複数の結
晶粒を有し単一ドメインにはならなかった。これに対
し、ドーズ量が3×1016cmー2以上では、開口部の直
下の多結晶シリコン層は異常粒成長を生じ、単結晶領域
が得られた。すなわちこの場合に開口部a=1.2μm
の内側に相当する単結晶領域が多結晶シリコン層内に周
期的に形成される。
【0036】X線回折で得られた単結晶領域の結晶方位
を調ベたところ、主に(110)方向に配向しているこ
とが分かった。
【0037】さらに上述においてイオン打ち込みの代わ
りに表3に示す条件でリンガラスを堆積させて不純物拡
散を行い、リンガラス除去後に1000℃、3時間のア
ニール処理することでも同様に多結晶層内に局所的に単
結晶領域が形成できた。
【0038】
【表3】 また、アニール後の金属基板/多結晶シリコン界面付近
の組成分析を行なったところ、界面ではWとSiが反応
してシリサイドが形成されていることが分かった。この
ときのシリサイドの組成は大部分がWSi2であった。
【0039】(実験3) 金属基板上のSiO2層中の
多結晶シリコンの異常粒成長(2) 厚さ0.8mmのクロム基板上にWを1000Å真空蒸
着し、その上に通常のLPCVD装置によりSiH4
630℃で熱分解して0.1μm多結晶シリコンを堆積
させた。このときの多結晶シリコンの結晶粒径はX線回
折で調ベたところ約80Åの微小粒径であった。
【0040】次に通常のLPCVD装置によりSi34
を多結晶シリコンの表面に1000Å堆積し、図7
(a)に示すように一辺がa=1.2μmであるような
正方形の形でb=5μmの間隔でパターニングした。こ
のようにSi34で微小領域をマスクされた多結晶シリ
コンを通常の酸化炉に投入してシリコン層の酸化を行
い、図5に示すようにSi34でマスクされていないシ
リコン層をSiO2層にした。熱燐酸でSi34を除去
した後に表面に対してイオン打ち込みにより加速電圧5
0KV一定とし、ドーズ量を変化させてPの打ち込みを
行った。
【0041】このような金属基板上のSiO2層中の多
結晶シリコンに対して1000℃、3時間でアニールし
たときの結晶粒径の変化を調ベた。アニール後に高分解
能透過型電子顕微鏡により多結晶シリコン領域中の結晶
粒径を調ベたとろ、ドーズ量が1.0×1016cm-2
下ではSiO2中の多結晶シリコンは複数の結晶粒を有
し単一ドメインにはならなかった。これに対し、ドーズ
量が3×1016cmー2以上では多結晶シリコンは異常粒
成長を起こし単結晶領域が得られた。すなわちこの場合
に図7と同じ配置でa=1.2μmの正方形の単結晶領
域がSiO2層内に周期的に形成される。
【0042】また先に多結晶シリコン表面にイオン打ち
込みを行ってからSi34を堆積してパターニングを行
い、続いて熱酸化をすることによっても上と同じように
単結晶領域を得ることができる。この場合、SiO2
と単結晶領域とが同時に形成される。
【0043】さらに上述においてイオン打ち込みの代わ
りに表3に示す条件でリンガラスを堆積させて不純物拡
散を行い、リンガラス除去後に1000℃、3時間のア
ニール処理することでも同様にSiO2層内に局所的に
単結晶領域が形成できた。
【0044】また、アニール後の金属基板/多結晶シリ
コン界面付近の組成分析を行なったところ、界面ではW
とSiが反応してシリサイドが形成されていることが分
かった。このときのシリサイドの組成は大部分がWSi
2であった。
【0045】(実験4) 金属基板/多結晶シリコン上
への選択的結晶成長 金属基板上に、実験2と同様な方法で多結晶シリコン層
を形成し、その多結晶シリコン層を用いて選択的結晶成
長の実験を行なった。
【0046】形成した多結晶シリコン層の表面に絶縁層
として常圧CVD装置によりSiO2を約1000Å形
成し、フォトリソグラフィーを用いてエッチングを行
い、一辺がa=1.2μmであるような正方形の開口部
をb=50μmの間隔で格子点状に設け、多結晶シリコ
ンの表面を露出させた。
【0047】次いで、実験2と同様にしてイオン打ち込
みにより加速電圧50KV、ドーズ量3.2×lO16
-2でPの打ち込みを行い、1000℃、3時間のアニ
ール処理で開口部内の多結晶シリコン層を単結晶化し
た。
【0048】図9に示す通常のLPCVD装置を用いて
表1に示す成長条件で選択的結晶成長を行なった。
【0049】成長終了後、SiO2層/多結晶シリコン
層表面の様子を光学顕微鏡で観察したところ、実験1と
同様に粒径が約20μmの山型ファセットを有する単結
晶体が50μm間隔でSiO2上に格子点状に規則正し
く配列している様子が見られ、選択的結晶成長が行なわ
れていることが確認された。このとき、開口部に対して
成長した結晶が占める割合は100%であった。また、
成長で得られた全結晶中に対して単結晶が占める割合は
約96%であり、多結晶シリコン層を全部異常粒成長さ
せてこれを用いて選択的結晶成長を行った場合(すなわ
ち、多結晶シリコン層表面全面に不純物を導入して異常
粒成長させた後にSiO2を堆積して開口部を設けた場
合であり、この場合、開口部内にはある確率で結晶粒界
が露出するためこのような部分には選択的結晶成長を行
っても単結晶体が得られない)に比ベて約18%も改善
されることが明らかとなった。
【0050】得られた単結晶体について微小X線回折に
より配向の様子を調べたところ、ほとんど(110)方
向に配向していた。これは各単結晶体は開口部を通して
それぞれの種結晶である多結晶シリコン中の異常粒成長
した結晶粒の方位を正確に受け継いでおり、これらの結
晶粒の方位は実験2で示したように主に(110)であ
るためである。
【0051】(実験5) 金属基板/SiO2層中の単
結晶シリコン上への選択的結晶成長 金属基板上に、実験3と同様な方法でSiO2層中の単
結晶シリコン領域を形成し、これを用いて選択的結晶成
長の実験を行なった。
【0052】クロム基板上にWを1000Å真空蒸着
し、その上にSiH4を630℃で熱分解して0.1μ
m多結晶シリコンを堆積させ、Si34を多結晶シリコ
ンの表面に0.1μm堆積し、a=1.2μm、b=5
μmでパターニングして熱酸化後にSi34を除去しイ
オン打ち込みにより加速電圧50KV、ドーズ量3.2
×l016cm-2でPの打ち込みを行い、1000℃、3
時間のアニール処理でSiO2層内に単結晶シリコン領
域を形成した。
【0053】図9に示す通常のLPCVD装置を用いて
表1に示す成長条件で選択的結晶成長を行なった。
【0054】成長終了後、SiO2層/成長シリコン層
表面の様子を光学顕微鏡で観察したところ、実験3と同
様に粒径が約20μmの山型ファセットを有する単結晶
体が50μm間隔でSiO2上に格子点状に規則正しく
配列している様子が見られ、選択的結晶成長が行なわれ
ていることが確認された。このとき、開口部に対して成
長した結晶が占める割合は100%であった。
【0055】また、成長で得られた全結晶中に対して単
結晶が占める割合は約96%であり、多結晶シリコン層
表面前面に不純物を導入して異常粒成長させた後にSi
2を堆積して開口部を設け選択的結晶成長を行った場
合に比ベて約18%も改善されることが明らかとなっ
た。
【0056】(実験6) 連続膜の形成(1) 実験4に引き続いて、さらに成長時間を90minと長
くして選択的結晶成長を行なった。成長終了後、実験4
と同様にSiO2層/多結晶シリコン層表面を光学顕微
鏡で観察したところ、結晶体は隣接するもの同士が完全
に接触しており、基板上方から見てほぼマス目状に整然
と並んだ単結晶体の集合からなる、第一の微小粒径多結
晶シリコン層(約80Å)に比べて遥かに大粒径(約5
0μm)の第二の多結晶薄膜(連続膜)が得られている
ことが確かめられた。このときの連続膜の高さはSiO
2層上から約40μmであった。
【0057】また、連続膜形成後に膜の表面を研磨によ
りSiO2層から数μmのところまで削り、その後2次
イオン質量分析により表面からSiO2層までのPの濃
度プロファイルを測定し、高濃度で局所的にドープされ
た第一の多結晶シリコン層からの不純物原子の成長結晶
層への拡散の様子を調ベた。その結果、SiO2層が介
在するためにPは成長層である第二の多結晶シリコン層
へはほとんど拡散しておらず、遷移領域はわずか200
0Å程度であった。さらに、基板側からの金属原子の成
長層への混入についても第一の多結晶シリコン層が間に
有り、なおかつ基板界面でシリサイド層を形成している
ために成長層である第二の多結晶シリコン層内では金属
原子は検出されなかった。
【0058】(実験7) 連続膜の形成(2) 実験5に引き続いて、さらに成長時間を90minと長
くして選択的結晶成長を行なった。成長終了後実験5と
同様にSiO2層/成長シリコン層表面を光学顕微鏡で
観察したところ、結晶体は隣接するもの同士が完全に接
触しており、基板上方から見てほぼマス目状に整然と並
んだ単結晶体の集合からなる、第一の小粒径結晶シリコ
ン層(約1μm)に比べて遥かに大粒径(約50μm)
の第二の結晶シリコン(連続膜)が得られていることが
確かめられた。このときの連続膜の高さはSiO2層上
から約40μmであった。
【0059】また、連続膜形成後に膜の表面を研磨によ
りSiO2層から数μmのところまで削り、その後2次
イオン質量分析により表面からSiO2層までのPの濃
度プロファイルを測定し、高濃度にドープされた第一の
多結晶シリコンからの不純物原子の成長結晶層への拡散
の様子を調ベた。その結果、第一の結晶シリコンはSi
2層中に局所的に存在するためにPは成長層である第
二の結晶シリコン層へはほとんど拡散しておらず、遷移
領域は平均的にみてわずか2000Å程度であった。さ
らに、基板側からの金属原子の成長層への混入について
もSiO2層や第一の多結晶シリコン層が間に有り、な
おかつ基板界面でシリサイド層を形成しているために成
長層である第二の多結晶シリコン層内では金属原子は検
出されなかった。
【0060】(実験8) 太陽電池の形成(1) 実験6で得られたクロム基板上の大粒径多結晶シリコン
の表面にイオン打ち込みによりBを20KeV,1×l
15cmー2の条件で打ち込み、800℃30minでア
ニールしてp+層を形成した。このようにして作製した
+/大粒径多結晶シリコン/SiO2/微小粒径多結晶
シリコン(局所的に小粒径(n+)含む)/Cr構造の
太陽電池についてAMl.5(100mW/cm2)光
照射下でのI−V特性について測定を行ったところ、セ
ル面積0.16cm2で開放電圧0.43V、短絡電流
28mA/cm2、曲線因子0.66となり、変換効率
7.9%を得た。このように、金属基板上に形成した大
粒径多結晶シリコン薄膜を用いて良好な太陽電池が形成
可能であることが示された。
【0061】(実験9) 太陽電池の形成(2) 実験7で得られたクロム基板上の大粒径多結晶シリコン
の表面にイオン打ち込みにより20KeV,1×l015
cm-2の条件でBを打ち込み、800℃ 30minで
アニールしてp+層を形成した。このようにして作製し
たp+層/大粒径多結晶シリコン/SiO2層(局所的に
小粒径結晶シリコン(n+)含む)/Cr構造の太陽電
池についてAMl.5(100mW/cm2)光照射下
でのI−V特性について測定を行ったところ、セル面積
0.16cm2で開放電圧0.44V、短絡電流28.
5mA/cm2、曲線因子0.67となり、変換効率
8.4%を得た。このように、金属基板上に形成した大
粒径多結晶シリコン薄膜を用いて良好な太陽電池が形成
可能であることが示された。
【0062】以上述べた実験結果に基づいて完成に至っ
た本発明は、前述したように、金属基体上に、金属ー半
導体の中間体層と、第一の半導体層と、複数の開口部を
有する絶縁層と、光電流を発生する第二の半導体層とを
積層してなる多結晶半導体の太陽電池であって、前記第
二の半導体層は前記第一の半導体層より大きな結晶粒を
有し、且つ前記開口部直下の前記第一の半導体層中に前
記第一の半導体層の粒径よりは大きく前記第二の半導体
層の粒径よりは小さい単一の結晶粒を設け、前記開口部
直下の単一の結晶粒と前記第二の半導体層中の単一の結
晶粒とが実質単結晶として繋がっていることを特徴とす
る多結晶太陽電池およびその製造方法に係わるものであ
る。
【0063】また、金属基体上に、複数の開口部を有す
る絶縁層を設け、該開口部に金属ー半導体の中間体層を
介して前記金属基体と電気的接触を保つように小粒径の
単一の結晶からなる第一の半導体層を配し、該第一の半
導体層及び前記絶縁層上に光電流を発生層する第二の半
導体層を配した太陽電池であって、前記第二の半導体層
の結晶粒は前記第一の半導体層の結晶粒よりも大きく、
前記第一の半導体層の単一の結晶粒と前記第二の半導体
層中の単一の結晶粒とが実質単結晶として繋がっている
ことを特徴とする太陽電池およびその製造方法に係わる
ものである。
【0064】図1(a)に本発明の太陽電池の第一の構
成例を示す。金属基板101上に金属―シリコン中間体
層102、微小粒径多結晶シリコン層103、絶縁層1
04、大粒径多結晶シリコン層105が積層されてお
り、小粒径多結晶シリコン層中には局所的に高濃度にド
ープされた単結晶領域(n+またはp+)109があり開
口部110を通じて大粒径多結晶シリコン層105と繋
がっている。大粒径多結晶シリコン層105の表面には
+またはn+層106が形成され、その上には反射防止
膜を兼ねた透明電極107と集電電極108が備えられ
ている。
【0065】本発明の太陽電池に使用される金属基板材
料としては導電性が良好でシリコンとシリサイド等の化
合物を形成する任意の金属が用いられ、代表的なものと
してW,Mo,Cr,Ni,Ti等が挙げられる。もち
ろん、それ以外であっても表面に上述の性質を有する金
属が付着しているものであれば何でもよく、従って金属
以外の安価な基板も使用可能である。
【0066】絶縁層104の厚さについては特に規定は
ないが、200Å〜1μmの範囲とするのが適当であ
る。第一の多結晶シリコン層103中に局所的に形成さ
れる単結晶領域(n+またはp+)109の粒径として
は、絶縁層104に設けられる開口部の寸法(a=0.
5〜4μm)と同程度である。また大粒径多結晶シリコ
ン層105の粒径および膜厚については太陽電池の特性
上の要求とプロセスの制約から、それぞれ20〜500
μmが適当であり、それぞれ30〜500μmがより望
ましい。尚、本発明でいう微小粒径、大粒径、小粒径と
は、第一の多結晶層と第二の多結晶層及び第一の多結晶
層に形成した単結晶領域の大きさを比較したものであ
る。
【0067】p+またはn+層106の厚さとしては導入
される不純物の量にもよるが0.01〜1μmの範囲と
するのが適当であり、好ましくは0.01〜0.5μm
とするのが望ましい。
【0068】次ぎに図1(a)に示す本発明の太陽電池
の製造方法について図10のプロセスに従って述べる。
まず、金属基板1001上にLPCVD装置等で第一の
多結晶シリコン層1003を堆積させる(図10
(a))。次ぎに第一の多結晶シリコン層1003の表
面に絶縁層1004を形成し(例えば常圧CVD法によ
る酸化膜)、絶縁層1004に周期的に微小の開口部1
010を設けて多結晶シリコン層1003の表面を露出
させる(同図(b))。イオン打ち込みあるいは熱拡散
により高濃度の不純物原子(例えばn型ならばP、p型
ならばB)を開口部1010より導入して開口部直下の
多結晶シリコン層のみにドープし、800〜1100℃
でアニールして多結晶シリコン層1003内に局所的に
異常粒成長を生じさせ単結晶領域(n+またはp+)10
09を得るとともに、金属基板1001と多結晶シリコ
ン層1003との間に金属―シリコンの中間体層(シリ
サイドあるいは化合物)1002を形成する(同図
(c))。次に、選択的エピタキシャル成長法および横
方向成長法により微小開口部1010から結晶成長を行
って連続膜1005を得る(同図(d))。イオン打ち
込みあるいは不純物拡散等により成長結晶表面にp+
たはn+層1006を形成し(同図(e))、最後に透
明導電膜1007/集電電極1008を設ける(同図
(f))。
【0069】金属基板上に多結晶シリコンを堆積させる
方法としてはLPCVD法、プラズマCVD法、蒸着
法、スパッタ法等何れでもよいが一般的にはLPCVD
法が用いられる。第一の多結晶シリコン層103の厚さ
は、局所的に成長させる異常粒の大きさや基板からの金
属原子の拡散の抑制等の要因によって決められるが、概
ね0.1〜1μmの範囲が適当である。
【0070】また、基板上に形成する多結晶シリコンは
これに替えてアモルファスシリコン(a−Si)、微結
晶シリコン(μc−Si)等の非晶質層を含むシリコン
層を用いてもよく、この層に局所的に不純物を導入して
飽和状態とすることにより同様に異常粒を成長させ単結
晶領域を得ることができる。
【0071】また上記の多結晶シリコンまたはa−S
i、μc−Si等のシリコンに対して異常粒成長を行な
わせる目的で導入される不純物としてはn型ではP,A
s,Sn等がまたp型ではB,Al等が選ばれる。導入
される不純物量としては所望の異常粒の大きさおよびア
ニール処理条件によって適宜決められるが、概ね4×1
20cm-3以上である。
【0072】金属基板と多結晶シリコン層との間のオー
ミックコンタクトを形成する金属一シリコンの中間体層
を形成するためのアニール温度は、異常粒を形成するた
めのアニール温度よりも低いため、前述したように異常
粒を形成するためのアニールのときに同時に形成するこ
とによって工程の簡略化が図れるが、別の工程として行
ってもよいことは言うまでもない。
【0073】本発明の太陽電池において多結晶シリコン
またはa−Si、μc−Si等のシリコン層の上に形成
される絶縁層としては、選択結晶成長中に核発生を抑制
するからその表面での核形成密度がシリコンのそれに比
べてかなり小さいような材質が用いられる。例えば、S
iO2、Si34等が代表的なものとして使用される。
【0074】本発明において上述の異常粒成長させた多
結晶シリコンを種結晶として大粒径シリコン層を成長さ
せる目的で用いられる選択的結晶成長を行なう手法とし
てはLPCVD法、プラズマCVD法、光CVD法、液
相成長法等があるが一般的にはLPCVD法が用いられ
る。本発明に使用される選択的結晶成長用の原料ガスと
してはSiH2Cl2,SiCl4,SiHCl3,SiH
4,Si26,SiH22,Si26等のシラン類およ
びハロゲン化シラン類が代表的なものとして挙げられ
る。
【0075】またキャリアガスとしてあるいは結晶成長
を促進させる還元雰囲気を得る目的で前記の原料ガスに
加えてH2が添加される。前記原料ガスと水素との量の
割合は形成方法および原料ガスの種類や絶縁層の材質、
さらに形成条件により適宜所望に従って決められるが、
好ましくは1:10以上1:1000以下(導入流量
比)が適当であり、より好ましくは1:20以上1:8
00以下である。
【0076】本発明において、絶縁層上での核の発生を
抑制する目的でHClが用いられるが、原料ガスに対す
るHClの添加量は形成方法および原料ガスの種類や絶
縁層の材質、さらに形成条件により適宜所望に従って決
められるが、概ね1:0.1以上1:100以下が適当
であり、1:0.2以上1:80以下とされるのがより
好ましい。
【0077】本発明において選択的結晶成長が行われる
温度および圧力としては、形成方法および使用する原料
ガスの種類、原料ガスとH2およびHClとの流量比等
の形成条件によって異なるが、温度については例えば通
常のLPCVD法では概ね600℃以上1250℃以下
が適当であり、650℃以上1200℃以下に制御され
るのがより好ましい。液相成長法の場合には溶媒の種類
にもよるがSnを用いる場合には850℃以上1050
℃以下に制御されるのが望ましい。またプラズマCVD
法等の低温プロセスでは概ね200℃以上600℃以下
が適当であり、より好ましくは200℃以上500℃以
下である。
【0078】同様に圧力については概ね10-2Torr
〜760Torrが適当であり、10-1Torr〜76
0Torrの範囲がより好ましい。
【0079】選択的結晶成長法としてプラズマCVD法
等の低温プロセスを用いる場合には基板に付与される熱
エネルギー以外に原料ガスの分解または基板表面での結
晶成長促進の目的で補助エネルギーが付与される。例え
ばプラズマCVD法の場合には一般に高周波エネルギー
が用いられ、光CVD法の場合には紫外光エネルギーが
用いられる。補助エネルギーの強度としては形成方法お
よび形成条件によって異なるが、高周波エネルギーにつ
いては高周波放電パワー20〜100W、紫外光エネル
ギーにおいてはエネルギー密度20〜500mW/cm
2といった値が適当であり、より好ましくは高周波放電
パワー30〜100W、紫外光エネルギー密度20〜4
00mW/cm2とするのが望ましい。
【0080】次に、図1(b)に本発明の太陽電池の第
二の構成例を示す。金属基板101上に金属―シリコン
中間体層102、小粒径多結晶シリコン層103、絶縁
層104、大粒径多結晶シリコン層105が積層されて
おり、小粒径多結晶シリコン領域103は絶縁層104
中に設けられており高濃度にドープ(n+またはp+)さ
れている。また、小粒径単結晶シリコン領域103の各
々は大粒径多結晶シリコン層105中の単一の単結晶体
と一対一で繋がっている。大粒径多結晶シリコン層10
5の表面にはp+またはn+層106が形成され、その上
には反射防止膜を兼ねた透明電極107と集電電極10
8が備えられている。
【0081】本例の太陽電池に使用される金属基板材料
は、第一の構成例と同様な基板を用いることが出きる。
【0082】絶縁層104の厚さについては特に規定は
ないが、200Å〜1μmの範囲とするのが適当であ
る。第一の結晶シリコン領域(n+またはp+)103の
粒径としては一辺がaの正方形の場合a=0.5〜20
μm程度である。また大粒径多結晶シリコン層105の
粒径および膜厚については太陽電池の特性上の要求とプ
ロセスの制約から、それぞれ20〜500μmが適当で
あり、より好ましくはそれぞれ30〜500μmであ
る。尚、本発明でいう小粒径、大粒径、とは第一の結晶
領域と第二の結晶層とを比較した結晶粒の大きさのこと
を示している。
【0083】p+またはn+層106の厚さとしては導入
される不純物の量にもよるが0.01〜1μmの範囲と
するのが適当であり、好ましくは0.01〜0.5μm
とするのが望ましい。
【0084】次ぎに図1(b)に示す本発明の太陽電池
の製造方法を、図12のプロセスに従って述べる。ま
ず、金属基板1201上にLPCVD装置等で多結晶シ
リコン層1202’を堆積させる(図12(a))。次
に多結晶シリコン層1202’の表面にイオン打ち込み
あるいは熱拡散により高濃度の不純物原子(例えばn型
ならばP、p型ならばB)を導入し、絶縁層(Si
34)1203’をその上に形成し、絶縁層1203’
をパターニングして微小領域を周期的に残し多結晶シリ
コン層1202’の表面を露出させる(同図(b))。
酸素雰囲気中で熱酸化を行い、露出した多結晶シリコン
層1202’をSiO2層にすると同時にSi34層1
203’でマスクされた多結晶シリコン領域を異常粒成
長させて単結晶領域(n+またはp+)1203を得る。
このとき金属基板1201と成長した単結晶領域120
3との間に金属−シリコンの中間体層(シリサイドある
いは化合物)1202が形成される(同図(c))。熱
燐酸溶液で残ったSi341203’を除去した後に選
択的エピタキシャル成長法および横方向成長法により単
結晶領域1203から結晶成長を行って連続膜1205
を得る(同図(d))。イオン打ち込みあるいは不純物
拡散等により成長結晶表面にp+またはn+層1206を
形成し(同図(e))、最後に透明導電膜1207/集
電電極1208を設ける(同図(f))。
【0085】多結晶シリコンを堆積させる方法、金属基
板と第一の結晶シリコン層との間のオーミックコンタク
トを形成法、金属−シリコンの中間体層の形成法等は、
第一の構成例と同様な方法を用いることが出きる。
【0086】本例の太陽電池において多結晶シリコンま
たはa−Si、μc−Si等のシリコン層の上に周期的
に微小領域形成される絶縁層としては、選択酸化を行う
点からSi34等が代表的なものとして使用される。
【0087】また、異常粒成長させた単結晶シリコン領
域をを種結晶として大粒径シリコン層を成長させる目的
で用いられる選択的結晶成長法も、第一の構成例と同様
である。
【0088】
【実施例】以下、本発明の方法を実施して所望の太陽電
池を形成するところをより詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0089】(実施例1)前述したように、実験2、
4、6、8と同様にして図1(a)に示したような金属
基板上の大粒径多結晶シリコンpin型太陽電池を作製
した。図10(a)〜(f)にその作製プロセスを示
す。金属基板には厚さ0.9mmのMo板を用いた。こ
の上に図9に示すLPCVD装置を用いてSiH4を6
30℃で熱分解して0.4μm多結晶シリコンを堆積さ
せた。熱酸化により多結晶シリコンの表面にSiO2
を3000Å形成し、SiO2層に開口部をa=2μ
m、b=50μmの間隔で周期的に設けた。
【0090】次にこのSiO2層/多結晶シリコンの表
面にリンガラスを堆積させて不純物拡散を行なった。リ
ンガラスの堆積条件を表3に示す。リンガラス堆積直後
に温度を950℃のままにしてN2雰囲気中で5分間ド
ライブした。
【0091】不純物拡散が終了した後にHF:H2O=
1:10のHF水溶液でリンガラスを除去し、次に10
00℃4時間の条件でアニール処理を行い、異常粒成長
をさせた。このとき異常粒成長により得られた単結晶領
域のの粒径は約2.8μmであった。また金属/多結晶
シリコン層の界面ではMoSi2が形成されていること
が同一条件で作製した別のサンプルから確認された。
【0092】図9のLPCVD装置により表4の連続条
件で選択結晶成長を行い大粒径多結晶シリコンからなる
連続薄膜を得た。このとき得られたシリコン薄膜の粒径
と膜厚はともに約50μmであった。
【0093】
【表4】 大粒径多結晶シリコン層の表面にイオン打ち込みにより
Bを20KeV,1×1015cm-2の条件で打ち込み、
800℃ 30minでアニールしてp+層を形成し
た。最後にEB(E1ectron Beam)蒸着によりITO透
明導電膜/集電電極(Cr/Ag/Cr)をp+層上に
形成した。
【0094】このようにして得られたp+/大粒径多結
晶シリコン/SiO2/微小粒径多結晶シリコン(局所
的に小粒径(n+)含む)/Mo構造の太陽電池につい
てAM1.5(100mW/cm2)光照射下でのI−
V特性について測定したところ、セル面積0.25cm
2で開放電圧0.44V、短絡光電流28mA/cm2
曲線因子0.67となり、エネルギー変換効率8.2%
を得た。このような特性は再現性良く得られ、実験2で
比較した場合と同様に第一の多結晶シリコン層を全部一
様に異常粒成長させてこれを用いて表4の条件で選択的
結晶成長を行った場合(すなわち、多結晶シリコン層表
面全面に不純物を導入して異常粒成長させた後にSiO
2を堆積して開口部を設けた場合であり、この場合開口
部内にはある確率で結晶粒界が露出するため、このよう
な部分には選択的結晶成長を行っても単結晶体が得られ
ない)に比べて約16%特性が改善された。
【0095】以上のように金属基板上に成長させた大粒
径シリコン層を用いて良好な特性を示す多結晶太陽電池
が作製出来た。
【0096】(実施例2)実施例1と同様にしてアモル
ファスシリコンカーバイト/多結晶シリコンヘテロ型太
陽電池を作製した。金属基板にはCrを用い、その上に
プラズマCVD法でSiH4の分解により微結晶を含む
第一のシリコン層を0.4μm堆積した。
【0097】常圧CVD法によりシリコン層の上にSi
2膜を2000Å堆積させ、開口部は大きさをa=
1.2μm、b=50μmの間隔で設けた。イオン打ち
込みによりAsを50KeV,3×l016cm-2の条件
でSi02/シリコンの表面に打ち込み、1000℃,
3時間アニールして開口部内のシリコン層を異常粒成長
させて単結晶化させた。
【0098】LPCVD法により表4の条件で選択結晶
成長を行い、大粒径である第二の多結晶シリコン層を形
成した。図8(a)〜(f)に作製したへテロ型太陽電
池のプロセスを示す。実施例1で示した図10の場合と
ほとんど同じであるが、(e)においてp+層1006
の代わりにp型アモルファスシリコンカーバイト806
が多結晶シリコン上に形成される。
【0099】p型アモルファスシリコンカーバイト層8
06は通常のプラズマCVD装置により、表5に示す条
件で多結晶シリコン表面上に100Å堆積させた。この
時のアモルファスシリコンカーバイト膜の暗導電率は〜
10-2S・cm-1であり、CとSiの膜中の組成比は
2:3であった。
【0100】
【表5】 また、透明導電膜807としてはITOを約1000Å
電子ビーム蒸着して形成し、さらにその上に集電電極
(Cr(200Å)/Ag(1μm)/Cr(400
Å))を真空蒸着により形成した。
【0101】このようにして得られたアモルファスシリ
コンカーバイト/多結晶シリコンヘテロ型太陽電池のA
Ml.5光照射下でのI−V特性の測定を行ったところ
(セル面積0.16cm2)、開放電圧0.52V、短
絡光電流24.5mA/cm2、曲線因子0.63とな
り、変換効率8.0%という値が得られた。
【0102】(実施例3)実施例1と同様にして図1
(a)に示すようなpin型多結晶太陽電池を作製し
た。前述したようにMo基板上に第一の多結晶シリコン
を堆積させ、通常のLPCVD装置で多結晶シリコンの
表面にSi34を1000Å堆積し、Si34層に開口
部をa=1.2μm、b=100μmの間隔で周期的に
設けた。次に表3の条件で表面にリンガラスを析出させ
て不純物拡散を行なった。HF水溶液でリンガラスを除
去した後に1050℃,3時間の条件でアニール処理を
行い、異常粒成長をさせた。
【0103】
【表6】 図9のLPCVD装置により表6の連続成長条件で選択
的結晶成長を行い大粒径である第二の多結晶シリコンか
らなる連続薄膜を得た。このとき表6の条件において、
選択的結晶成長中に微量の不純物を混入させてドーピン
グを行なった。不純物としてPH3を用い、原料ガスS
iH2Cl2に対してPH3/SiH2Cl2=2×10-6
とした。また得られたシリコン薄膜の粒径と膜厚はとも
に約90μmであった。
【0104】p+層を形成するためにBSG(Boro-Sili
cate Glass)を大粒径シリコンの表面に常圧CVD装置
で堆積しRTA(Rapid Thermal Annealing)処理を行
なった。堆積したBSGの膜厚は約6000Åであり、
RTA処理の条件は1000℃、60秒で行なった。
【0105】BSGをHF水溶液で除去した後に最後に
反射防止膜を兼ねた透明導電膜IT0を約1000Å電
子ビーム蒸着して形成し、さらにその上に集電電極とし
てCrを1μm真空蒸着した。
【0106】このようにして作製したpin型多結晶太
陽電池のAMl.5光照射下でのI−V特性を調ベたと
ころ、セル面積0.16cm2で開放電圧0.48V、
短絡光電流28mA/cm2、曲線因子0.69とな
り、9.3%という変換効率が得られた。
【0107】(実施例4)実施例1〜3と同様にして図
1(a)に示すようなnip型多結晶太陽電池を作製し
た。Cr基板上に図9に示すLPCVD装置を用いてS
iH4を630℃で熱分解して0.3μm厚の第一の多
結晶シリコンを堆積させた。この上に常圧CVD装置に
よりSiO2層を2000Å堆積させ、SiO2層に開口
部をa=1.2μm、b=50μmの間隔で周期的に設
けた。SiO2層/多結晶シリコンの表面に打ち込みエ
ネルギー20KeV、ドーズ量2×1016cm-2の条件
でBのイオン打ち込みを行い、1000℃、4時間のア
ニール条件で多結晶シリコン中に局所的に異常粒成長さ
せ単結晶領域を得た。
【0108】LPCVD法により表4の条件で選択結晶
成長を行い、大粒径の第二の多結晶シリコンからなる薄
膜層を得た。大粒径多結晶シリコン層の表面にイオン打
ち込みでPを50KV、1×1015cm-2の条件で打ち
込み、800℃ 30minでアニールしてn+層を形
成した。最後に実施例3と同様にしてITO/集電電極
を形成して太陽電池の作製を完了した。
【0109】このようにして作製したnip型多結晶太
陽電池のAMl.5光照射下でのI−V特性を調べたと
ころ、セル面積0.16cm2で開放電圧0.47V、
短絡光電流30mA/cm2、曲線因子0.7となり、
変換効率9.9%を得た。
【0110】(実施例5)実験3,5,7,9と同様に
して図1(b)に示したような金属基板上の大粒径多結
晶シリコンpin型太陽電池を作製した。図12(a)
〜(f)にその作製プロセスを示す。金属基板には厚さ
0.9mmのMo板を用いた。この上に図9に示すLP
CVD装置を用いてSiH4を630℃で熱分解して
0.4μm多結晶シリコンを堆積させた。
【0111】多結晶シリコンの表面にリンガラスを堆積
させて不純物拡散を行なった。リンガラスの堆積条件を
表3に示す。リンガラス堆積直後に温度を950℃のま
まにしてN2雰囲気中で5分間ドライブした。
【0112】不純物拡散が終了した後にHF:H2O=
1:10のHF水溶液でリンガラスを除去し、LPCV
D装置により多結晶シリコンの表面にSi34層を30
00Å形成した。Si34層をパターニングしてa=2
μmの微小領域をb=50μm間隔で周期的に配置し
た。
【0113】次に1000℃で熱酸化を行い、Si34
でマスクされていない多結晶シリコン層をSiO2に、
また、Si34でマスクされた多結晶シリコン領域を異
常粒成長させて単結晶領域とした。このとき異常粒成長
により得られた単結晶領域のの粒径は約2μmであっ
た。また金属/単結晶領域の界面ではMoSi2が形成
されていることが同一条件で作製した別のサンプルから
確認された。
【0114】熱燐酸溶液で残ったSi34をエッチング
した後に図9のLPCVD装置により表4の連続条件で
選択結晶成長を行い大粒径多結晶シリコンからなる連続
薄膜を得た。このとき得られたシリコン薄膜の粒径と膜
厚はともに約50μmであった。
【0115】得られた大粒径多結晶シリコン層の表面に
イオン打ち込みによりBを20KeV,1×1015cm
-2の条件で打ち込み、800℃ 30minでアニール
してp+層を形成した。最後にEB(E1ectron
Beam)蒸着によりITO透明導電膜/集電電極
(Cr/Ag/Cr)をp+層上に形成した。
【0116】このようにして得られたp+/大粒径多結
晶シリコン/Si02(局所的に小粒径単結晶領域
(n+)含む)/Mo構造の太陽電池についてAM1.
5(100mW/cm2)光照射下でのI−V特性につ
いて測定したところ、セル面積0.25cm2で開放電
圧0.45V、短絡光電流28mA/cm2、曲線因子
0.68となり、エネルギー変換効率8.6%を得た。
このような特性は再現性良く得られ、実験3で比較した
場合と同様に多結晶シリコン層を全部一様に異常粒成長
させてこれを用いて表4の条件で選択的結晶成長を行っ
た場合(すなわち多結晶シリコン層表面全面に不純物を
導入して異常粒成長させた後にSiO2を堆積して開口
部を設けた場合。この場合開口部内にはある確率で結晶
粒界が露出し、従ってこのような部分では選択的結晶成
長を行っても単結晶体が得られない。)に比べて約16
%特性が改善された。
【0117】このように金属基板上に成長させた大粒径
シリコン層を用いて良好な特性を示す多結晶太陽電池が
作製出来た。
【0118】(実施例6)実施例5と同様にしてアモル
ファスシリコンカーバイト/多結晶シリコンヘテロ型太
陽電池を作製した。金属基板にはCrを用い、その上に
プラズマCVD法でSiH4の分解により微結晶を含む
第一のシリコン層を0.4μm堆積した。
【0119】イオン打ち込みによりAsを50KeV,
3×l016cm-2の条件でシリコン層の表面に打ち込
み、LPCVD法によりシリコン層の上にSi34層を
2000Å堆積させ、パターニングによりa=1.2μ
mの大きさ、b=50μmの間隔で微小領域を残した。
つづいて1000℃,酸素雰囲気中でアニールしてシリ
コン層をSiO2層と単結晶領域とに変えた。
【0120】LPCVD法により表4の条件で選択結晶
成長を行い、大粒径である第二の多結晶シリコン層を形
成した。図11(a)〜(f)に作製したへテロ型太陽
電池のプロセスを示す。実施例5で示した図12の場合
とほとんど同じであるが、(e)においてp+層120
6の代わりにp型アモルファスシリコンカーバイト11
06が多結晶シリコン上に形成される。
【0121】p型アモルファスシリコンカーバイト層1
106は通常のプラズマCVD装置により、表5に示す
条件で多結晶シリコン表面上に100Å堆積させた。こ
の時のアモルファスシリコンカーバイト膜の暗導電率は
〜10-2S・cm-1であり、CとSiの膜中の組成比は
2:3であった。
【0122】また、透明導電膜1107としてはITO
を約1000Å電子ビーム蒸着して形成し、さらにその
上に集電電極(Cr(200Å)/Ag(1μm)/C
r(400Å))を真空蒸着により形成した。
【0123】このようにして得られたアモルファスシリ
コンカーバイト/多結晶シリコンヘテロ型太陽電池のA
Ml.5光照射下でのI−V特性の測定を行ったところ
(セル面積0.16cm2)、開放電圧0.53V、短
絡光電流25mA/cm2、曲線因子0.64となり、
変換効率8.5%という値が得られた。
【0124】(実施例7)実施例5と同様にして図1
(b)に示すようなpin型多結晶太陽電池を作製し
た。前述したようにMo基板上に多結晶シリコンを堆積
させ、通常のLPCVD装置で多結晶シリコンの表面に
Si34を1000Å堆積し、Si34層をパターニン
グして微小領域をa=1.2μm、b=100μmの間
隔で周期的に設けた。次に950℃で熱酸化を行いSi
34でマスクされていない多結晶シリコン層をSiO2
にした。
【0125】Si34をエッチングした後表3の条件で
表面にリンガラスを析出させて不純物拡散を行なった。
HF水溶液でリンガラスを除去した後に1050℃,3
時間の条件でアニール処理を行い、異常粒成長をさせて
第一の結晶シリコンを得た。図9のLPCVD装置によ
り表6の連続成長条件で選択的結晶成長を行い大粒径で
ある第二の結晶シリコン(連続薄膜)を得た。
【0126】このとき表6の条件において選択的結晶成
長中に微量の不純物を混入させてドーピングを行なっ
た。不純物としてPH3を用い、原料ガスSiH2Cl2
に対してPH3/SiH2Cl2=2×10-6とした。ま
た得られたシリコン薄膜の粒径と膜厚はともに約100
μmであった。p+層を形成するためにBSGを大粒径
シリコンの表面に常圧CVD装置で堆積しRTA処理を
行なった。堆積したBSGの膜厚は約6000Åであ
り、RTA処理の条件は1000℃、60秒で行なっ
た。
【0127】BSGをHF水溶液で除去した後に最後に
反射防止膜を兼ねた透明導電膜IT0を約1000Å電
子ビーム蒸着して形成し、さらにその上に集電電極とし
てCrを1μm真空蒸着した。
【0128】このようにして作製したpin型多結晶太
陽電池のAMl.5光照射下でのI−V特性を調ベたと
ころ、セル面積0.16cm2で開放電圧0.48V、
短絡光電流29mA/cm2、曲線因子0.71とな
り、9.9%という変換効率が得られた。
【0129】(実施例8)実施例5〜7と同様にして図
1(b)に示すようなnip型多結晶太陽電池を作製し
た。Cr基板上に図9に示すLPCVD装置を用いてS
iH4を630℃で熱分解して0.3μm厚の多結晶シ
リコンを堆積させた。
【0130】多結晶シリコンの表面にBを打ち込みエネ
ルギー20KeV、ドーズ量2×1016cm-2の条件で
イオン打ち込みを行い、この上にLPCVD装置により
Si34層を2000Å堆積させ、Si34層にパター
ニングを行い、微小領域をa=1.2μm、b=50μ
mで周期的に残した。1000℃で熱酸化を行い多結晶
シリコンを局所的に異常粒成長させた単結晶領域を含む
SiO2層に変えた。
【0131】微小領域のSi34を除去した後LPCV
D法により表4の条件で選択結晶成長を行い、大粒径の
第二の多結晶シリコンからなる薄膜層を得た。大粒径多
結晶シリコン層の表面にイオン打ち込みでPを50K
V、1×1015cm-2の条件で打ち込み、800℃ 3
0minでアニールしてn+層を形成した。最後に実施
例7と同様にしてITO/集電電極を形成して太陽電池
の作製を完了した。
【0132】このようにして作製したnip型多結晶太
陽電池のAMl.5光照射下でのI−V特性を調べたと
ころ、セル面積0.16cm2で開放電圧0.47V、
短絡光電流30mA/cm2、曲線因子0.72とな
り、変換効率10.2%を得た。
【0133】以上述べたように、本発明により、金属基
板上に高品質な多結晶シリコン層が形成できることか
ら、量産性のある安価な太陽電池が製造されることが示
された。
【0134】
【発明の効果】以上述ベてきたように、本発明により、
特性の良好な多結晶薄膜太陽電池を金属基板上に形成す
ることが可能となる。これにより、量産性のある安価で
良質の薄型太陽電池を市場に提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のpin型太陽電池の断面を示す概念図
である。
【図2】多結晶シリコン中に局所的に単結晶領域を得る
方法を説明する図である。
【図3】選択的結晶成長法により大粒径多結晶シリコン
の成長過程を示す図である。
【図4】選択的結晶成長法を説明する図である。
【図5】局所的に単結晶領域を含むSiO2層を形成す
る方法を説明する図である。
【図6】選択的結晶成長法による大粒径多結晶シリコン
の成長過程を示す図である。
【図7】選択的結晶成長法において山型結晶の三次元的
成長過程を説明する図である。
【図8】本発明のへテロ型太陽電池の製造工程の一例を
示す概念図である。
【図9】本発明の太陽電池の製造に使用したLPCVD
装置の概略図である。
【図10】pin型太陽電池の製造工程の一例を説明す
る図である。
【図11】へテロ型太陽電池の製造工程の他の例を示す
概念図である。
【図12】pin型太陽電池の製造工程の他の例を説明
する図である。
【符号の説明】
101,201,301,501,601,801,1
001,1101,1201 金属基板、 102,202,302,502,602,802,1
002,1102,1202 金属―シリコン中間体
層、 103,203,303,803,1003 多結晶シ
リコン層、 104,204,304,404,704,804,1
004 絶縁層、 105,305,405,705,805,1005
シリコン結晶体、 106,1006,1206 p+層またはn+層、 107,807,1007,1107,1207 透明
導電層、 108,808,1008,1108,1208 集電
電極、 109,209,309,909,1009 単結晶領
域、 110,710,810,1010 開口部、 502’,1102’,1202’ 多結晶シリコン
層、 503’,1103’,1203’ Si34層 503,603,1103,1203 単結晶領域、 504,604,404,704 SiO2層、 605,405,705,1105,1205 成長シ
リコン結晶層、 806,1106 p型アモルファスシリコンカーバイ
ト、 901 ガス供給系、 902 ヒーター、 903 石英反応管、 904 基板、 905 サセプタ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基体上に、金属ー半導体の中間体層
    と、第一の半導体層と、複数の開口部を有する絶縁層
    と、光電流を発生する第二の半導体層とを積層してなる
    多結晶半導体の太陽電池であって、前記第二の半導体層
    は前記第一の半導体層より大きな結晶粒を有し、且つ前
    記開口部直下の前記第一の半導体層中に前記第一の半導
    体層の粒径よりは大きく前記第二の半導体層の粒径より
    は小さい単一の結晶粒を設け、前記開口部直下の単一の
    結晶粒と前記第二の半導体層中の単一の結晶粒とが実質
    単結晶として繋がっていることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記第一の半導体層は平均粒径が0.5
    μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽
    電池。
  3. 【請求項3】 金属基体上に、複数の開口部を有する絶
    縁層を設け、該開口部に金属ー半導体の中間体層を介し
    て前記金属基体と電気的接触を保つように小粒径の単一
    の結晶からなる第一の半導体層を配し、該第一の半導体
    層及び前記絶縁層上に光電流を発生層する第二の半導体
    層を配した太陽電池であって、前記第二の半導体層の結
    晶粒は前記第一の半導体層の結晶粒よりも大きく、前記
    第一の半導体層の単一の結晶粒と前記第二の半導体層中
    の単一の結晶粒とが実質単結晶として繋がっていること
    を特徴とする太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記半導体が多結晶シリコンであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽
    電池。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層がSiO2であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記第二の半導体層は平均粒径が20μ
    m以上500μm以下であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれ1項に記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 前記第一の半導体層中に設けられた単一
    の結晶粒の粒径は0.5μm以上4μm以下であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽
    電池。
  8. 【請求項8】 前記第一の半導体層中に設けられた単一
    の結晶粒は4×10 20cm-3以上の不純物原子を含むこ
    とを特徴とする請求項1及至7のいずれか1項に記載の
    太陽電池。
  9. 【請求項9】 前記不純物原子はP,As,Sn,B,
    Alのいずれか1つであることを特徴とする請求項8に
    記載の太陽電池。
  10. 【請求項10】 多結晶半導体からなる太陽電池の製造
    方法において、 金属基体上に多結晶半導体層を堆積させる工程と、該多
    結晶半導体層の表面に絶縁層を形成する工程と、前記絶
    縁層に周期的に微小の開口部を設けて前記多結晶半導体
    表面を露出させる工程と、前記多結晶半導体層に前記微
    小開口部を通して高濃度の不純物原子を導入する工程
    と、アニール処理を施して前記多結晶半導体層内に前記
    絶縁層の微小開口部の直下のみに異常粒成長により単結
    晶領域を形成し、かつ前記金属基板と多結晶半導体層と
    の間に金属ー半導体の中間体層を形成する工程と、選択
    的エピタキシャル成長および横方向成長により前記微小
    開口部から結晶成長を行う工程と、を含むことを特徴と
    する太陽電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 多結晶シリコン太陽電池の製造方法に
    おいて、 金属基体上に多結晶シリコン層を堆積させる工程と、前
    記多結晶シリコン層表面に高濃度の不純物原子を導入す
    る工程と、前記多結晶シリコン層表面に周期的に微小な
    Si34領域を形成する工程と、前記多結晶シリコン層
    において前記微小のSi34領域以外の部分をSiO2
    とし、前記微小のSi34領域内のシリコン層を単結晶
    粒とし、及び前記金属基板と単結晶粒との間に金属ーシ
    リコンの中間体層を形成するための熱処理工程と、前記
    微小のSi34領域をエッチングにより除去する工程
    と、選択的エピタキシャル成長および横方向成長により
    前記微単結晶粒を種結晶として結晶成長を行う行程とを
    含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記多結晶半導体は多結晶シリコンで
    あって、前記不純物原子はP,As,Sn,B,Alの
    中から一つ選ばれる請求項10または11に記載の太陽
    電池の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011014892A (ja) * 2009-06-05 2011-01-20 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置
US11204034B2 (en) 2017-08-18 2021-12-21 Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems, Ltd. Scroll fluid machine with decreasing inter-facing surface and arc shape end plate central portion

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