JPH05234737A - マンガン−亜鉛系フェライト - Google Patents
マンガン−亜鉛系フェライトInfo
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- JPH05234737A JPH05234737A JP4033470A JP3347092A JPH05234737A JP H05234737 A JPH05234737 A JP H05234737A JP 4033470 A JP4033470 A JP 4033470A JP 3347092 A JP3347092 A JP 3347092A JP H05234737 A JPH05234737 A JP H05234737A
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Abstract
波数における鉄損が改善されたマンガン−亜鉛系フェラ
イトを提供する。 【構成】Fe2 O3 51.5〜54.5mol%、M
nO 33〜40mol%及びZnO 6〜13mol
%を基本成分とし、この基本成分中にSi、Ca、V、
Ti及びSnの酸化物を、それぞれSiO2 、CaO、
V2O5、TiO2及びSnO2 換算で、それぞれ0.0
05〜0.035wt%、0.02〜0.20wt%、
0.001〜0.08wt%、0.05〜0.65wt
%及び0.005〜0.50wt%含有する。
Description
ランス等の磁心として好適な電力損失の少ないマンガン
−亜鉛(Mn−Zn)系フェライトに関するものであ
る。
電源等のコイル、トランス材料として広く用いられてお
り、100〜200kHzの周波数帯域で動作するスイ
ッチング電源のトランス用材料としても利用価値が高
い。かかるトランス材料として使用されるMn−Zn系
フェライトに要求される特性としては高飽和磁束密度、
高透磁率及び低損失等種々の特性があげられるが、特に
スイッチング電源用トランスについては高磁場下におい
て低損失であることが重要である。
は、従来から種々の微量成分を添加することによって損
失の低減が試みられている。例えば、特開昭58−15
037号公報に記載された発明においてはNb2 O 5 の
添加により、また特開昭60−132301号公報に記
載された発明においてはNb2 O5 、CaO、SiO
2 、V2 O5 、ZrO2 、Al2 O3 、CuO及びCo
O等の添加により、現在、スイッチング周波数として標
準的な100kHzにおける損失の改善を図っており、
100kHz、200mTにおけるコアロスとして35
0〜400mW/cm3 のレベルが実現されている。
の一層の小型化のために、使用周波数が高周波化(50
0kHz〜1MHz)する傾向にあり、その目的にかな
うMn−Zn系フェライトの開発も進められているが、
これまでは十分な性能を備えたMn−Zn系フェライト
は開発されていない。例えば市販の電源用低損失フェラ
イトでは、500kHz、100mTで、せいぜい10
00mW/cm3 程度であり、高周波用電源材料として
は損失が高すぎる。
ング電源周波数として標準的な100kHzよりもさら
に高周波である、例えば500kHz程度もしくはそれ
以上の周波数におけるコアロスが改善されたMn−Zn
系フェライトを提供することを目的とする。
明のMn−Zn系フェライトは、Fe2 O3 51.5
〜54.5mol%、MnO 33〜40mol%及び
ZnO 6〜13mol%を基本成分とし、この基本成
分中にSi、Ca、V、Ti及びSnの酸化物を、それ
ぞれSiO2 、CaO、V2 O5 、TiO2 及びSnO
2 換算で、それぞれ0.005〜0.035wt%、
0.02〜0.20wt%、0.001〜0.08wt
%、0.05〜0.65wt%及び0.005〜0.5
0wt%含有することを特徴とする。
減策として、比抵抗を高めるためにSnO2 を添加する
試みは従来から実施されているが、例えば特開昭61−
252609号公報では、SiO2 ,CaOに加え多量
のSnO2 (0.5〜0.9wt%)を含有させること
で低損失化が図られている。また、特公昭51−482
76号公報や特開昭60−262404号公報のよう
に、SnO2 の添加量は比較的少ないがSiO2 を添加
しない場合にも低損失が実現された例がある。
O5 ,TiO2 ,SnO2 を含有させ、しかもSnO2
の添加量が比較的少ない場合に損失の低減が図られた例
はなく、本発明者はこの範囲においてもMn−Zn系フ
ェライトの磁気特性に関して鋭意研究を重ねた結果、優
れた磁気特性が得られることを見出した。すなわち、本
発明では、SiO2 、CaO、V2 O5 、TiO2 及び
SnO2を同時に含有させ、各成分を粒界あるいは粒内
に分散させることにより比抵抗を高め、上記高周波領域
における損失の低減化が可能となった。さらに、SnO
2の含有量が極微量であって、比抵抗の上昇効果がほと
んど認められない場合にも磁気特性が改善されることが
明らかになった。
割合を前記の範囲に限定した理由について説明する。ス
イッチング電源用トランスは、通常の動作温度が60〜
70℃なので、この温度範囲で電力損失が低く、かつ室
温から動作温度を超える80〜120℃程度の温度域ま
で電力損失が負の温度依存性をもつことが望ましい。こ
こでトランス・コアに使用されるMn−Zn系フェライ
トの電力損失の温度依存性は、主成分であるFe2 O
3 、MnO及びZnOの配合比によってほぼ決まる一定
温度(T s )で極小値を示す、下に凸の曲線で表わされ
る。上記の理由からTs を80〜120℃に設定するこ
とが好ましいが、Fe2 O3 が51.5mol%未満で
且つMnOが40mol%を超える場合はTs が高くな
り過ぎ、トランスの動作温度での電力損失が増大する。
一方、Fe2 O3 が54.5mol%を超え且つMnO
が33mol%未満の場合はTs が80℃を下回り、室
温から動作温度までの範囲で損失の負の温度依存性が得
られなくなる。この観点からFe2 O3 、MnO、Zn
Oの配合割合を検討した結果、上記の範囲、即ち、 Fe2 O3 :51.5〜54.5mol% MnO:33〜40mol% ZnO:6〜13mol% が得られた。
2 、CaO,V2 O5 、TiO2 及びSnO2 を含有さ
せたところに特徴がある。以下にこれらの微量添加成分
の配合割合の限定理由を説明する。 (1) SiO2 を0.005〜0.035wt%に限
定した理由 SiO2 はCaOとの共存によって粒界の比抵抗を高
め、渦電流損の低減に有効に寄与するが、含有量が0.
005wt%未満では比抵抗が低下してその効果に乏し
く、一方、0.035wt%を超えると異常粒組織とな
って電力損失が上昇し不適当なので、0.005〜0.
035wt%の範囲に限定した。なおSiO2 が原料中
に不純物として数10ppm含まれる場合には、全体で
0.005〜0.035wt%の範囲に入るように添加
量を調整する。
%に限定した理由 CaOは、SiO2 との共存下で効果的に粒界抵抗を高
め、低損失をもたらす有用成分であるが、含有量が0.
02wt%未満の場合は粒界抵抗の上昇効果に乏しく渦
電流損失が増大する。一方、0.20wt%を超えると
電力損失が非常に大きくなるので0.02〜0.20w
t%の範囲とした。
wt%に限定した理由 V2 O5 は、粒界抵抗を高め、損失の低減に有効であ
る。また、この効果はSiO2 やCaO、さらにはTi
O2 及びSnO2 の共存下で一層顕著なものとなる。し
かし、0.001wt%未満ではこの効果が乏しく、一
方、0.08wt%を超えると異常粒成長を起こし電力
損失が大幅に上昇するので0.001〜0.08wt%
の範囲に限定した。
t%に限定した理由 TiO2 は、フェライトコア焼成時の冷却過程での粒界
の再酸化を促進し、更に粒内にも固溶してフェライトコ
アの比抵抗を高める効果がある。また焼結密度を高める
効果があり、その結果、残留磁束密度、保磁力が小さく
なる。しかし、0.05wt%未満ではその効果が低
く、一方、0.65wt%を超えると逆に電力損失の上
昇を招く。そこで0.05〜0.65wt%に限定し
た。
wt%に限定した理由 SnO2 は、TiO2 と同様にフェライトコアの比抵抗
を高め、渦電流損失を低下させる効果があるが、SnO
2 含有量が0.1wt%未満ではその効果に乏しく、一
方、0.50wt%を越えると逆に電力損失が大きくな
る。また、本効果に乏しい0.1wt%未満であって
も、0.005wt%以上添加すると電力損失が著しく
低下することが判明した。この場合の損失低減機構を明
確に示すことはできないが、多成分系の異質な相が結晶
粒界に存在することによる磁気的な悪影響をSnO2 が
緩和するためと考えられる。以上の理由によってこの範
囲に限定した。
トを製造するには、各粉末原料を所定の組成になるよう
に混合、仮焼、粉砕した後、常法に従い圧縮成形し次い
で焼結を施せばよい。その際、前記の微量成分の添加
は、混合時及び/又は粉砕時に行なわれる。また、これ
らの微量成分は酸化物に限定されず、例えば炭酸塩やし
ゅう酸塩のように上記フェライトの製造過程において最
終的に酸化物へ変化する化合物であればよい。
e2 O3 :52.5mol%、MnO:35.7mol
%、ZnO:11.8mol%から成る基本組成の原料
を混合後、仮焼し、粉砕したフェライト粉体に表1及び
表2に示す割合で、SiO2 、CaO(CaCO3 を使
用)、V2 O 5 、TiO2 、SnO2 を複合添加配合し
た。その後、リング型に成形し、本焼成した。こうして
得られた試料の、500kHz,100mT,80℃に
おけるコアロスを表1、表2に併記した。
表2は本発明添加物組成の限定範囲外の比較例を示す表
である。本発明によれば、500kHzという高い周波
数において低いコアロスが得られる。
来の電源用フェライト(「従来材」と記す)の周波数5
00kHz、磁束密度100mTの条件下で測定したコ
アロスの温度特性を示したグラフである。この図より、
本発明材は20℃から120℃までの全ての温度範囲に
おいて、コアロスが従来材よりも著しく改善されている
ことがわかる。
の場合のコアロスの周波数特性を、上記と同じ表1の試
料番号2の本発明材と従来材について示したグラフであ
る。この図より、周波数が200kHz以上ならば、コ
アロスは従来材よりも改善されることがわかる。
1.5〜54.5mol%、MnOが33〜40mol
%、ZnOが6〜13mol%を基本成分とし、この基
本成分中にSiO2 を0.005〜0.035wt%、
CaOを0.02〜0.20wt%、V2 O5 を0.0
01〜0.08wt%、TiO2 を0.05〜0.65
wt%、SnO2 を0.005〜0.50wt%含有す
るようにしたので、高周波領域でのコアロスが著しく低
いMn−Zn系フェライトが得られた。これにより、高
周波電源の磁心等に使用でき電源の効率化、小型化に有
効となる。
たグラフである。
したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 Fe2 O3 51.5〜54.5mol
%、MnO 33〜40mol%及びZnO 6〜13
mol%を基本成分とし、この基本成分中にSi、C
a、V、Ti及びSnの酸化物を、それぞれSiO2 、
CaO、V2 O 5 、TiO2 及びSnO2 換算で、それ
ぞれ0.005〜0.035wt%、0.02〜0.2
0wt%、0.001〜0.08wt%、0.05〜
0.65wt%及び0.005〜0.50wt%含有す
ることを特徴とするマンガン−亜鉛系フェライト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03347092A JP3245206B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | マンガン−亜鉛系フェライト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03347092A JP3245206B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | マンガン−亜鉛系フェライト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05234737A true JPH05234737A (ja) | 1993-09-10 |
JP3245206B2 JP3245206B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=12387436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03347092A Expired - Fee Related JP3245206B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | マンガン−亜鉛系フェライト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3245206B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107162580A (zh) * | 2017-05-08 | 2017-09-15 | 中国计量大学 | 高机械强度MnZn铁氧体材料 |
CN113185275A (zh) * | 2021-04-23 | 2021-07-30 | 麦格磁电科技(珠海)有限公司 | 云计算用超高Bs低损耗锰锌铁氧体材料的制备方法 |
-
1992
- 1992-02-20 JP JP03347092A patent/JP3245206B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN113185275A (zh) * | 2021-04-23 | 2021-07-30 | 麦格磁电科技(珠海)有限公司 | 云计算用超高Bs低损耗锰锌铁氧体材料的制备方法 |
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---|---|
JP3245206B2 (ja) | 2002-01-07 |
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