JPH0523465A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH0523465A
JPH0523465A JP15823791A JP15823791A JPH0523465A JP H0523465 A JPH0523465 A JP H0523465A JP 15823791 A JP15823791 A JP 15823791A JP 15823791 A JP15823791 A JP 15823791A JP H0523465 A JPH0523465 A JP H0523465A
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Kyozo Dowaki
恭三 堂脇
Jiro Fujita
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、縫製途中で厚い段部縫いを要す
る時、ミシンを停止して上下量変換又は無理な縫製作業
をすることなく、簡単な操作で段部縫いに適した押え上
下量の高さ変換を可能とするとともに、その上下量を任
意に設定できる装置を得ることを目的とする。 【構成】 通常縫いの押え足上下量設定カム70及びダ
イヤル71とは別に、縫製途中の押え上下量変換ストッ
パー兼用の設定カム73及びダイヤル74を設け、外部
操作と連動してエアーシリンダー88,レバー83,腕
81等を介して変換軸77のピン78が前記カム73迄
回動し、押え上下量が変換出来る構成とした。 【効果】 以上の如く本考案は、内押えと外押えの上下
量瞬時に変更出来る様にしたので段差のある縫製物の縫
製等が能率よく容易に行える効果がある。又その押え上
下量も布厚に応じて任意に調節出来る効果も有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はミシンに係わり、更に詳
しくはミシンにおける押え昇降量調節装置と布送り量調
節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は従来のミシンの全体の運動部分
を線図により表した斜視図、図14は図13における押
え昇降量調節装置の動作を表した線図、図15は図13
における押え昇降量調節装置の別の動作を表した線図で
ある。図13において、主軸1は一端にプーリ2を、他
端にクランク5を固着し、その中間にベルト車3、偏心
輪4が固着されている。主軸1はモータ(図示せず)に
より、プーリ2を介して駆動される。その結果、回転す
るクランク5は、針棒クランクロッド6および針棒抱き
7を介して、針8を装着した針棒9に上下運動を与え
る。10は揺動端に上糸を懸張する天秤で、クランク5
により俯仰運動が与えられる。
【0003】11はリンク部材Lで構成された布押え変
換機構である。12はクランクロッド、13は布押え変
換機構11の軸でクランクロッド12により偏心輪4に
連結されている。軸13には2個のリンク14a,14
bが装入され、リンク14bの他端は揺動軸15に取付
けられたレバー16に固定されたピン17が遊嵌されて
いる。また、軸13の両端には2個のリンク18a,1
8bが遊嵌され、他端は同軸上の軸19,20の腕部2
1,22のピン23,24に遊嵌されている。軸20は
制御軸を構成し、右端部には先端を球状に形成したピン
26からなる従節体25が固定されている。従節体25
はカム27を原節とするカム機構を構成し、バネ29に
より従節体25はカム27のカム面28に当接してい
る。カム27はミシン機枠に回動自在の軸部30と、ダ
イヤル31とを備える。32は制御軸20の回動を規制
するストッパネジである。そして、布押え変換機構11
は制御軸20と主軸1に連結されて、主軸1の回転を揺
動軸15の揺動運動に変換する。
【0004】34は押え昇降機構である。35は内押
え、36は外押えで、共にミシン機枠に上下に摺動可能
に設けられた2個のリンク37a,37bの下端に取り
付けられている。38は三角リンク、39,40,41
は三角リンク38上に三角状に設けられたピンである。
ピン39と40にはリンク37a,37bが係止され、
ピン41は駆動リンク42と駆動レバー44を介して駆
動軸15に連結されている。43は補助レバーで、ピン
39をミシン機枠70に連結している。また、45は押
えリンク、46は押えバネ、47は調節ネジである。押
えバネ46は押えリンク45を介して内押え35と外押
え36を常時下方に付勢し、押えバネ46の付勢力は調
節ネジ47の捩じ込み加減で調節される。
【0005】48はカマ、52はカマ軸で、カマ軸52
は主軸1によりベルト49を介して駆動される中間軸5
0に歯車列51により連結されている。中間軸50には
上下送り円板53が固着されており、中間軸50の回転
により連接杆54、レバー56を介し上下送り軸55を
一定角範囲往復動させ、上下送り軸55に接続された上
下送り腕57を上下に揺動させる。
【0006】58は布送り変換機構で、上記布押え変換
機構11と同様なリンク部材Lを主要部として構成され
ている。即ち、中間軸50に固着された水平送り円板5
9により連接杆60と水平送り軸61を介して送り腕6
2を揺動させ、送り腕62に連結された送り台63上の
送り歯64に水平方向の往復動を与える。送り歯64の
先端には二股部65が装着され、二股部65内に送り腕
57が嵌挿して連結されている。
【0007】このような構成の従来のミシンの縫製動作
について、図13を用いて次に説明する。モータ(図示
せず)により主軸1が回転すると、クランク5により針
棒9と天秤10にそれぞれ上下運動と俯仰運動が与えら
れる。同時に、ベルト49を介して中間軸50が回転
し、歯車列51を介してカマ軸52が回転する。一方、
中間軸50に固着された上下送り円板53により、連接
桿54とレバー56及び上下送り軸55を介して送り腕
57を揺動させて送り台63を上下動させる。また、中
間軸50上の水平送り円板59と布送り変換機構58に
より、水平送り軸61を介して送り腕62を揺動させて
送り台63に水平方向の往復運動を与える。この送り台
63に両方向から与えられた上下動と水平動により送り
歯64に、針8が下降した時と上昇した時にそれぞれ垂
直方向と水平方向に合成された送り運動が与えられる。
この結果、被縫製物が送り歯64により布送りされなが
ら、前記針棒9とカマ48との連携動作により被縫製物
に縫目が形成されるようになっている。
【0008】被縫製物が皮革などのような比較的厚い場
合や、縫製途中で被縫製物の厚さに段差がある場合に備
えて、次のような押え昇降量の調節機能が備えられてい
る。押え昇降量の調節動作は布押え変換機構11を中心
にして行われ、図14と図15にその動作が示されてい
る。一般に、被縫製物が布地等のような薄物の場合は、
図13に示すダイヤル31の目盛りが“0”の基準位置
に設定される。“0”の基準位置に設定されると、制御
軸20の先端に固着された従節体25は、バネ29に付
勢されてカム27の最小径のカム面28に当接する。こ
の状態では、制御軸20の腕部21,22のピン23,
24の位置が、軸17と同一軸線上に一致する。このた
め、主軸1の回転により偏心輪4及びロッド12を介し
てリンク14a,14bには軸17を支点として揺動運
動が与えられるが、図14に示すようにレバー16には
往復動作は与えられず揺動軸15は揺動しない。この結
果、三角リンク38は駆動されず、内押え35と外押え
36には昇降運動が発生しない。即ち、内押え35と外
押え36には昇降運動が与えられず、被縫製物は押えバ
ネ46によって下方に付勢されている内押え35と外押
え36に押圧されながら、そのまま前述の送り歯64の
送り動作により布送りされる。
【0009】被縫製物が皮革などのように厚い場合は、
縫製を中断してダイヤル31によりカム27を回転させ
て、ばね29に逆らってカム面28により従節体25を
押して制御軸20を回動させる。このため、腕部21,
22が回動してピン23,24の位置が軸17の中心か
ら遠ざかりαの角変位が生じるため、偏心輪4でクラン
ク運動するロッド12とリンク14a,bを介してレバ
ー16を角αに応じて揺動させる。この結果、図15に
示されているように、駆動レバー44及び駆動リンク4
2を介して三角リンク38にストロークδ1 ,δ2の上
下動が与えられて、内押え35と外押え36に交互の昇
降運動が発生する。図15の実線は内押え35が上昇し
て針8が上方にある状態を示し、この状態から更に主軸
1が回転すると外押え36が上昇し針8は下降して点線
で示す状態になる。この場合、ピン23と24の位置が
軸17から遠ざかるほど、内押え35と外押え36の押
え昇降量は大きくなる。即ち、内押え35と外押え36
の押え昇降量は、制御軸20の回転角度の大きさ、即ち
カム27のカム径に対応する。
【0010】このほか、従来のミシンで被縫製物の厚さ
を検知して、上送り歯の上下位置を自動的に変更するよ
うに構成したミシンもある。特開昭62−176485
号公報に開示されたミシンはその一例で、図16に示さ
れている。図16は、従来のミシンの別の押え昇降量調
節装置の構成を表した側面図である。なお、図16では
上記と同じ名称のものに、異なる符号が使われているも
のもある。図16において、70はミシン機枠、71は
主軸、72は支持軸で、支持軸72には押え腕73が固
定され支持軸72と共に回動する。押え腕73の先端に
は、布押え足74が装着されている。主軸71と平行に
配置された上下送り軸75に、上下送り腕76とリンク
77を介してピン79を支点に回動する上送り台78が
取付けられている。上送り台78の一端には上送り歯8
0が装着され、他端はソレノイド82のアーマチュア8
2aに係合している。また、上送り台78の上送り歯8
0側の途中には押圧棒83が配置され、ばね83aによ
り上送り台78に時計方向の回動力を加えている。84
は布厚検出器で、押え腕73に取付けられた磁石84a
とホール素子84bからなる。86は押え棒でバネによ
り、押え腕73を介して布押え足74に上からの押え圧
力を付与する。この構成のミシンは布厚検出器84によ
って布押え足74で押圧された被縫製物の厚さが検出さ
れる。被縫製物の布厚が厚いときは布厚検出器84の検
出信号によって、ソレノイド82を駆動して上送り台7
8の作動片81を押圧して上送り歯80を上昇させるよ
うになっている。
【0011】次に、従来のミシンの布送り量調節装置を
説明する。図17は従来の別のミシンの全体の運動部分
を線図により表した斜視図、図18乃至図20は図17
に示された布送り量調節装置の動作を説明するための線
図である。図17のミシンでは図13における布押え変
換機構11と押え昇降機構34が簡略化され、布送り変
換機構58に一部構造の異なるものが図示されている。
図17において、117はミシンベッドに軸支されて回
動する変換軸で、左端には変換軸117を中心に連結し
た長溝部112が設けられている。110は中間軸50
に固着された偏心輪、111は偏心輪110に一端を固
着したロッドで、ロッド111の他端に軸着されたコロ
113が長溝部112に摺動可能に挿嵌されている。1
18は機枠に螺着された送り調節つまみ、119はその
先端の球状部である。また、122は前進カム面120
と後進カム面121を備えた送り調節レバーで、機枠7
0に軸支された制御軸123に回転自在に装着されてい
る。制御軸123にはレバー126が装着され、レバー
126の先端のばね127により常に一定方向の回転力
が加えられている。そして、送り調節レバー122の前
進カム面120と後進カム面121が送り調節つまみ1
18の球状部119に当接し、他端はリンク124を介
して変換腕125に連結されている。また、リンク11
5の一端はコロ113のピン114に連結され、他端は
ミシンベッドに軸支されて揺動する水平送り軸61に送
り腕116を介して連結されている。水平送り軸61に
は図示のように送り腕62により送り台63が連結さ
れ、他方この送り台63は二股部65を経て送り腕57
が嵌挿されている。128は返し縫いレバーで、制御軸
123に取付けられている。
【0012】図17に示されたミシンにおいて、図示さ
れていないモータにより主軸1が回転されると、針棒9
が上下動し中間軸50を介してカマ軸52も回転する。
同時に、中間軸50の回転に伴う送り腕57の垂直方向
と送り腕62の水平方向との同期的な揺動運動によっ
て、送り歯64がF方向及びB方向に往復動して針板の
上面から露出ているときに前進または後進の布送り動作
が与えられて被縫製物に縫目が形成されることは前述の
通りである。
【0013】ここで、図18〜20を併用して、返し縫
いと前後進量の布送り量調節動作を説明する。図18は
実際の縫製では行われないが、前後進の布送り量がゼロ
の状態を示す。図示のように送り調節つまみ118の球
状部119が前進送りカム面120と後進送りカム面1
21の境界部に当接しているときは、ロッド111とリ
ンク115及びリンク115と送り腕116とが互いに
ほぼ直交した状態になる。この状態では偏心輪110に
連結したロッド111がほぼ直線運動し、先端に軸着さ
れたコロ113が長溝部112内を摺動するだけで送り
量は0で水平送り軸61に揺動運動が与えられない。次
に、送り調節つまみ118を反対方向に回転させると、
図19に示すように送り調節つまみ118の球状部11
9が前進カム面120に当接し、変換軸117の長溝部
112は左下がりに傾斜する。そして、コロ113が傾
斜した長溝部112内を摺動して、ロッド111の往復
運動に角変位θが発生する。このため、リンク115と
送り腕116を介して水平送り軸61を水平方向に揺動
させて、送り歯64に前進送りが与えられる。続いて、
図17の右端に示された返し縫いレバー128をばね1
27に反抗して押し下げると、送り調節レバー122が
制御軸123を中心に回転する。この送り調節レバー1
22の回転で送り調節つまみ118の球状部119が、
図20に示すように後進カム面121に当接する。同時
に、この操作でリンク124等を介して変換軸117が
回動し、長溝部112が図19の左傾斜から図20の右
傾斜に逆転する。この結果、送り腕116の位置も逆転
して、送り歯64に後進送りの動作が与えられることに
なる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
各ミシンのうち図13〜15においては、被縫製物の厚
さに段差があって縫製途中で薄い部分から厚い部分を乗
り越えて縫製する場合は、段差に対し内押え35と外押
え36の押え昇降量を大きくするように構成されてい
る。しかしながら、このミシンでは縫製途中でミシンの
縫製動作を一旦停止して、ダイヤル31を回して制御軸
20を回転させなければならない。このため、段差に対
する調節操作が面倒であるばかりか、縫製を停止させる
ので縫製能率を低下させるという不都合がある。また、
図16で説明した従来のミシンの場合は上送り歯と下送
り歯が共に四運動送りをする構造であって、布厚の変化
に対応して上送り歯のモーションを崩さずに上送り歯の
上下方向の位置を変化させようとするものである。しか
しながら、この従来のミシンの場合は上下位置の変更パ
ターンは一定、即ち上,下の2点を切換えるだけで布厚
の変化に微妙に対応する構成のものではない。また、図
17以降の図面で説明した布送り量調節装置を備えた従
来のミシンは、前進及び後進縫いの布送り量が送り調節
レバー122の前進カム面120と後進カム面121の
寸法や精度によって決定されて前進および後進の布送り
量を同一にすることは困難であった。また、布送り歯6
4の返し縫い動作は垂直送りと水平送りを合成した運動
を逆転して行うため、返し縫いのときに同一に送って同
じ縫い目にすることは困難であった。更に、布の止め縫
いを強固にして“ほつれ”をなくすために、後進布送り
量を前進布送り量より小さくすることが不可能である等
の問題点があった。本発明は、従来のミシンの押え昇降
量調節装置と布送り量調節装置における上記のような問
題点を解消するためになされたもので、第1に布厚の変
化に対応して縫製途中であっても任意微細に押え昇降量
を調節することのできる押え昇降量調節装置を備えたミ
シンを提供することを目的とするものである。また、前
進と後進の布送り量を完全に同一にすることができ、か
つ前進に対する後進の布送り量を任意に変化させること
の可能な布送り量調節装置を備えたミシンを提供するこ
とを第2の目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイヤルによ
り従動体にカム面を押圧させたカムが回転するカム機構
と、カム機構の従動体を固着しダイヤルにより回動して
カム径に応じた角変位が与えられる制御軸と、制御軸及
び主軸に連結されて主軸の回転を揺動軸の揺動運動に変
換する布押え変換機構と、揺動軸に連結されカム機構に
より昇降量が制御される布押えとよりなる布押え量調節
装置を備えたミシンにおいて、カム機構を同一平面に設
けられた内外のカム面を単一の従動体に対向させて同軸
的に配置されたダイヤルにより独立的に制御量が設定さ
れる第1カムと第2カムとからなる複合形のカム機構で
構成して、第1カムと第2カムに被縫製物の布厚の変化
に対応する昇降量を設定して切換手段によって第1カム
と第2カムを切換えて布押えの昇降量を変化させる布押
え量調節装置を備えたミシンを構成したものである。ま
た、制御軸に回動力を付勢して従動体を第1カムと第2
カムのカム面に切換えて押圧させる切換手段が、バネ又
はソレノイド又はエアシリンダである布押え量調節装置
を備えたミシンを構成したものである。また、カム機構
を各別に設けられたカム面をそれぞれの従動体に対向さ
せてダイヤルにより独立的に制御量が設定される第1カ
ムと第2カムとからなる対構造のカム機構で構成してな
り、第1カムと第2カムに被縫製物の布厚の変化に対応
する昇降量を設定して切換手段によって第1カムと第2
カムを切換えて布押えの昇降量を変化させる布押え量調
節装置を備えたミシンを構成したものである。また、制
御軸に回動力を付勢してそれぞれの従動体を第1カムと
第2カムのカム面に切換えて押圧させる切換手段が、バ
ネ又はソレノイド又はエアシリンダである布押え量調節
装置を備えたミシンを構成したものである。
【0016】また、本発明は、ダイヤルにより従動体に
カム面を押圧させたカムが回転するカム機構と、カム機
構の従動体を固着しダイヤルを回動してカム径に応じた
角変位が与えられる制御軸と、制御軸にリンクを介して
連結された変換軸と、主軸に連結された中間軸と、中間
軸と変換軸に連結されて中間軸の回転を水平送り軸の揺
動運動に変換すると共に変換軸を変換して送り方向を反
転させる布送り変換機構と、中間軸に上下送り円板によ
り連結されて上下方向に揺動する上下送り軸と、上下送
り軸と水平送り軸に連結されて上下方向と水平方向の合
成力を受けてカム機構により制御された布送り量で被縫
製物を前行進させる送り歯とよりなる布送り量調節装置
を備えたミシンにおいて、カム機構を同一平面に設けら
れた内外のカム面を単一の従動体に対向させて同軸的に
配置されたダイヤルにより独立的に制御量が設定される
第1カムと第2カムとからなる複合形のカム機構で構成
して、第1カムと第2カムに被縫製物の前進と後進の送
り量を設定して切換手段によって第1カムと第2カムを
切換えて送り歯による布送り量を変化させる布送り量調
節装置を備えたミシンを構成したものである。また、制
御軸に回動力を付勢して従動体を第1カムと第2カムの
カム面に切換えて押圧させる切換手段が、バネ又はソレ
ノイド又はエアシリンダである布送り量調節装置を備え
たミシンを構成したものである。また、カム機構を各別
に設けられたカム面をそれぞれの従動体に対向させてダ
イヤルにより独立的に制御量が設定される第1カムと第
2カムとからなる対構造のカム機構で構成してなり、第
1カムと第2カムに被縫製物の前進と後進の送り量を設
定して切換手段によって第1カムと第2カムを切換えて
送り歯による布送り量を変化させる布送り量調節装置を
備えたミシンを構成したものである。さらに、制御軸に
回動力を付勢してそれぞれの従動体を第1カムと第2カ
ムのカム面に切換えて押圧させる切換手段が、バネ又は
ソレノイド又はエアシリンダである布送り量調節装置を
備えたミシンを構成したものである。
【0017】
【作用】押え昇降量調節装置の第1カムのダイヤルを回
して目盛りを設定すると、第1カムが回転してカム面に
接触した従節体を介して制御軸が被縫製物の布厚に応じ
た角度だけ回動する。ミシンが駆動されると、設定した
目盛りに従って三角リンクが揺動して、内押えと外押え
が設定量に対応して交互に昇降しながら送り歯によって
布送りが行われる。また、ほぼ均一な厚さの被縫製物の
縫製経路に段差があるときは、第1カムのダイヤルの目
盛りを均一な厚さの部分の布厚に対応させ、第2ダイヤ
ルの目盛りは段差の厚さに合わせて設定して置く。ミシ
ン運転を開始すると、被縫製物の平らな部分は第1カム
の設定されたカム径に応じて縫製が行われる。縫製が進
んで布押えのところに段差が到達すると、切換スイッチ
が押されてエアシリンダが作動して第2カム側に切換え
られる。そこで、布押えが予め設定された段差の厚さに
対応して上昇し、段差を乗り越えてそのまま継続して縫
製が行われる。
【0018】布送り量調整装置においても、第1カムと
第2カムからなるカム機構が設けられる。そして、例え
ば前進送りには第2カムで前進の送り量が第2ダイヤル
上に設定され、後進のときの後進送り量が第1カムのダ
イヤルの目盛りで設定される。第2カムに設定した送り
量で、被縫製物が前進送りされながら縫製される。縫い
目が布の端に到達したときに返し縫いレバーを操作する
と、送り方向が変換して第1カムで設定した送り量に切
換えられて返し縫いが行われる。第1と第2のカムは各
別に独立して設定され、前進と後進の布の送り量、即ち
針目の粗密度を任意に設定して縫製作業が進められる。
【0019】
【実施例】図1は本発明の第1実施例におけるミシン全
体の運動部分を線図により表した斜視図、図2は押え昇
降量調節装置のカム機構の分解斜視図である。以下に説
明する本発明の実施例図面で従来例と同様の機能を果た
す部分には同一の符号を付し、主に異なる構成と機能部
分について説明する。
【0020】図1と2において、91は第1カムであ
る。第1カム91は、カム面91aを備えた板状のカム
91bと軸91cとよりなる。91dは第1ダイヤル、
91eはネジ、91fは回り止め板、91gは回り止め
板91fに設けられた指標である。回り止め板91fの
基部はミシン機枠70にネジ91hで固着され、先端9
1iを第1ダイヤル91dの下面に放射状に設けられた
複数の溝に弾性的に係合させる。
【0021】92は円筒状の第2カムである。92aは
第2カム92の内面に形成されたカム面、92cは中空
軸、92dは第2ダイヤル、92eはネジ、92fはミ
シン機枠70の孔に挿着される回り止めピン、92gは
ミシン機枠70に埋め込まれたピンからなる指標、92
hはバネである。第2カム92はミシン機枠70に中空
軸92cを遊嵌して取り付けられ、露出した中空軸92
cの上部の回りに第2ダイヤル92dが嵌め合されてネ
ジ92eにより固定される。更に、中空軸92cの孔9
2jには第1カム91の軸91cが下から遊嵌されて露
出した上端に第1ダイヤル91dがネジ91eによって
固定される。第1カム91が第2カム92に挿嵌される
と、カム面91aとカム面92aが隙間を介して同一平
面上で内外に対向する。カム面91aとカム面92aで
形成された隙間には、制御軸20にピン26を圧入して
固定した従節体25が介装される。また、第1ダイヤル
91dと第2ダイヤル91dは回り止め板91fと回り
止めピン92fにより、目盛り間隔を等分割に回り止め
されてクリック回転するようになっている。而して、第
1カム91と第2カム92は内外に対向させた各カム面
91aと92aを単一の従節体25に交互に接触させる
ことにより、同軸的に設けられたダイヤル91dと92
dを回転して制御軸20の角偏位量を独立的に制御する
複合的なカム機構Cを構成している。
【0022】93はエアシリンダ、94はレバーであ
る。レバー94は、エアシリンダ93を制御軸20に連
結する。図1の中央左寄りの95は切換スイッチで、1
点鎖線で示されたミシン機枠70に取付けられている。
切換スイッチ95を操作すると、エアシリンダ93に切
換用のエアが供給されて切換弁を介して制御軸20が一
定角範囲回転して正方向から逆方向に切換えられる。こ
の結果、従節体25が制御軸20と一体に回動して、第
1カム91から第2カム92に接触して制御軸20がカ
ム面92aによる制御に切換えられる。
【0023】次に、動作について述べる。被縫製物が薄
物の場合は、第1ダイヤル91dを回して目盛の“0”
を指標91gに合わせる。この状態では、エアシリンダ
93が正動作側で制御軸20をA側に付勢していて、従
節体25が第1カム91のカム面91aの最小径の部分
に当接して基準位置にある。このときは、従来装置で説
明したときと同様に布押え変換機構11の制御軸20
(19)の腕21,22のピン23,24の位置が軸1
7と同一軸線上にあるため、内押え35及び外押え36
の押え昇降量はゼロとなる。そして、押えバネ46の圧
力により内押え35及び外押え36に押圧力が加わり、
図14で示されたように内押え35、外押え36と送り
歯64との間で被縫製物は挟持され、天秤10,針棒
9,カマ48及び送り歯64とにより縫製が行われる。
【0024】被縫製物が厚い場合は、上記の目盛が
“0”では布押え35,36と送り歯64との間で被縫
製物が滑りやすいので、第1ダイヤル91dを回して目
盛りの“1”または“2”に設定する。この設定操作
で、第1カム91のカム面91aがエアシリンダ93に
よってA側に付勢されて接触している従節体25を押圧
して、目盛りの“1”または“2”に相当するカム径の
位置まで回される。この第1カム91の回動に連れて変
換軸20がA方向に回転し、ピン23,24が軸17の
軸心から離れることになる。その結果、図15で説明し
たときと同様に三角リンク38が駆動され、内押え35
と外押え36との間に昇降運動が発生して厚い被縫製物
の布送りができるようになる。
【0025】縫製経路の途中に布を折返して重ねた繋ぎ
目等で厚さに段差がある被縫製物の場合は、第1ダイヤ
ル91側の目盛りを例えば“0”や“1”に設定する。
また、第2ダイヤル92の目盛を、予め段差の厚さに応
じて例えば“4”に設定して置く。目盛り“1”による
薄い部分の縫製が進んで段差に差し掛ったときに切換ス
イッチ95をONにすると、空気弁が開いてエアシリン
ダ93のエアが抜けて逆方向のB側に作動して制御軸2
0が逆方向に付勢される。この切換えで従節体25が、
予め設定された第2ダイヤル92の目盛りの“4”に対
応するカム径のカム面92aの位置に当接する。即ち、
制御軸20が逆方向に回転して内押え35と外押え36
の昇降量が大きくなって、被縫製物が薄い部分のときと
同様にそのまま厚い段差の部分を送り出して縫製が行わ
れる。この場合、内押え35と外押え36の昇降量の大
きさは、段差の大きさよりも若干大きく設定しておくこ
とが望ましい。このようにして、被縫製物が厚い場合や
段差のある場合でも、一様に薄い被縫製物のときと同様
に円滑に縫製を行うことができる。段差を過ぎて平らな
布地に戻ったときに切換スイッチ95をOFFにすれ
ば、エアシリンダ93が逆方向に駆動されて再び第1カ
ム91による布厚“1”に対応する昇降動作に復帰す
る。この第1実施例によれば、押え昇降量調節装置のカ
ム機構Cが複合型で一体に構成されているので、小型で
コンパクトになるばかりか、操作し易く取扱が極めて便
利な利点がある。
【0026】図3は本発明の第2実施例におけるミシン
全体の運動部分を線図により表した斜視図、図4は押え
昇降量調節装置の構成を表した斜視図、図5は押え昇降
量調節装置の構成を表した平面図、図6は押え昇降量調
節装置の構成を表した側断面図、図7は押え昇降量調節
装置の動作を表した側断面図である。第2実施例におい
ては図3〜7に示すように、第1実施例の複合形のカム
が一対の構造に分割された分離形のカム機構Cを構成し
ている。図3において、91と92は第1カムと第2カ
ムで、共にカム面91a,92aと軸91c,92cか
らなる。91dと92dは第1と第2のダイヤルで、こ
の実施例ではそれぞれ軸91cと92cの上部にネジ9
1eと92eで固定されている。25aと25bは図1
3で説明した従節体25と同様な第1と第2の従節体
で、制御軸20の周面で一直線上に設けられている。2
9は前記のバネと同じ機能の螺旋バネで螺旋部が制御軸
20に巻き回され、一端が第1従節体25aに引っ掛け
られ他端がミシン機枠70の孔に係止されている。93
と94はエアシリンダーとレバーで、図4〜6に実物に
近い構造で表されている。
【0027】96はリンク、97は接手である。94a
はレバー94を制御軸20に固定する平ネジ、94bと
97bは段付ボルト、97cと97dはナットである。
リンク96の一端は段付ボルト94bによりレバー94
に連結され、他端は段付ボルト97bとナット97cに
より接手97に連結されている。また、エアーシリンダ
ー93の軸部93aは、ナット97dによって継手97
に接続されている。図5〜7の70aはトップカバー
で、ミシン機枠70にネジ止めされている。第1カム9
1とダイヤル91d及び第2のカム92とダイヤル92
dは、ブッシュ70b等を介してトップカバー70a上
に取り付けられている。図4と5の91gと92gは指
標で、第1ダイヤル91と第2ダイヤル92の周面に近
接して設けられている。
【0028】続いて、第2実施例の動作を説明する。先
ず、第1ダイヤル91dの目盛の、例えば“0”を指標
91gに一致させる。第1ダイヤル91dが“0”に設
定されると、図13のときと同様に押えバネ46の力を
受けている内押え35と外押え36が静止状態を保っ
て、送り歯64により被縫製物を送って縫製が行なわれ
る。被縫製物が厚い布地のときは、“0”の状態では布
押えと送り歯との間で布が滑り易い。したがって、厚地
のときは、第1ダイヤル91を回して目盛の“2”又は
“3”を指標91gに合わせる。第1ダイヤル91に連
動して第1カム91が回動し、第1従節体25aとのカ
ム面91aの接触位置が大きいカム径側に移動する。こ
のため、制御軸20が回動して図15のときと同様に布
押え変換機構11の腕21,22の位置が変化し、三角
リンク38に範囲δ′、δ″の昇降運動が発生する。第
1ダイヤル91dの目盛“2”,“3”では、内押さえ
35と外押さえ36の昇降量は2〜3mmに相当する。な
お、通常の縫い方では螺旋バネ29の作用で、第1従節
体25aは常に第1カム91のカム面91aに当接して
第1ダイヤル91dで設定した目盛りに応じた昇降量で
縫製が行われる。
【0029】このようして第1ダイヤル91の目盛り
“2”,“3”で縫製している途中に布の重なり合った
段部に直面したときは、内押え35と外押さえ36が段
部に引っかかって縫製に不都合が生じる。このとき、第
1実施例と同様に操作スイッチ95をONにすると、制
御装置(図示せず)を介してエアーシリンダー93が下
方に作動する。即ち、縫製途中の操作スイッチ95の操
作により、 (1)エアーシリンダー93の軸部93aの降下 (2)接手97を経由したリンク96の連動降下 (3)レバー94の回動=制御軸20の回動 (4)第2従節体25bと第2カム92のカム面92a
との接触 という一連の動作が行なわれる。一方、第2ダイヤル9
2dの目盛りは予め縫製物の途中の段差の高さに合せて
設定されており、第2従節体25bが第2カム92の段
差の高さに対応するカム径のカム面92aに対向してい
る。この結果、エアーシリンダー93の切換え操作で、
縫製途中の段部の縫製を容易に行うことができる。図5
と6は第1従節体25aが第1カム91の最小のカム径
のカム面91aに当接し、昇降量が0の状態を示す。ま
た、図7は縫製途中で外部操作によりエアーシリンダー
93を作動させて制御軸20が回動して、第2従節体2
5bが第2カム92の最大径のカム面92aに当接した
状態を示す。第2実施例によれば、押え昇降量調節装置
のカム機構Cが同一構造の第1と第2の2つのカムで構
成されているので、多量生産的で製作費が安価になるば
かりか、部品が共通に利用でき組立てや故障時の部品交
換に都合が良い。
【0030】図8は本発明の第3実施例におけるミシン
全体の運動部分を線図により表した斜視図、図9は布送
り量調節装置の要部を表した斜視図、図10は布送り量
調節装置の調節ツマミの平面図、図11は図9のカム機
構CのX−X断面図、図12は布送り量調節装置を表し
た斜視図である。第3実施例では、図1と2で説明した
第1実施例とほぼ同一の複合形のカム機構Cが布送り量
調節装置に適用されている。
【0031】26は同じ符号を付けた図17の送り調節
レバー122と同機能の調節テコで、制御軸123に固
定されている。調節テコ26の一端はリンク124に連
結され、他端は回転可能な従節体25が設けられてい
る。そして、この実施例では図4等の螺旋バネ29に相
当し同じ符号のバネ29により、従節体25が常時は第
2カム92のカム面92aに当接している。外側の第2
カム92は布送りを前進させ、内側の第1カム91は返
し縫い等のときの布送りの後進の機能を果たす。第1カ
ム91と第2カム92よりなるカム機構Cの構造は第1
実施例と同一なので、同じ符号を付して再説明を省略す
る。
【0032】このような構成の本発明の第3実施例にお
いて、第2ダイヤル92を回して指標92gに例えばカ
ム径が最大の目盛りの“5”に合わせる。このとき、調
節テコ26は図9の実線の位置になり、布送り変換機構
58のリンク等の各連結部は図19の状態となって水平
送り軸61を介して布送り歯64に最大の前進送りが与
えられる。次に、図10に示すように、第1ダイヤル9
1dを回して指標91gに目盛りの“5”を合わせる。
そして、返し縫いレバー128をバネ29に逆らって押
し下げると、制御軸123が回動して調節テコ26の位
置が図9及び図11の点線の位置に移動して従節体25
は第1カム91のカム面91aに当接する。この結果、
図20のときと同様に変換軸117が反転して送り腕1
16の位置が逆転し、水平送り軸61の運動も同様に逆
転して送り歯64が後進送りに切り換えられる。この場
合、前進と後進は第1ダイヤル91dと第2ダイヤル9
2dの両方の目盛りを合わせたが、実際の縫製で布送り
に差が生じた場合には両ダイヤル91d,92dの一方
を回して調節することができる。第1ダイヤル91d又
は第2ダイヤル92dを回せば、従節体25が接触して
いるカム面91a又は92aのカム径が変化して布送り
量及び縫い目粗密を調節することができる。図12は図
8に示されたバネ29の位置にソレノイド(又はエアシ
リンダ)93を取り付け、手動により返し縫いレバー1
28を押し下げる代りにスイッチ操作で機械的かつ瞬間
的な切換えを可能に構成したものである。同様にして、
同一構造の第1と第2の2つのカムよりなる第2実施例
のカム機構Cを、布送り量調節装置に適用することもで
きる。対構造のカム機構Cを利用する第2実施例によれ
ば、前述のように多量生産的で安価、かつ部品の共通化
等の特徴を備えた布送り量調節装置が実現される。
【0033】なお、上述の実施例ではダイヤル91dと
92dの目盛が“0”〜“5”の場合を例示して説明し
たが、目盛りの数は適宜増減してもよく、回り止めの構
造等もこれらの実施例に限定するものではない。また、
第3実施例では前進縫いに外側の第2カム92を用い
て、内側の第1カム91を返し縫いに利用したが、逆構
成にすることもできる。また、各実施例ではミシン機枠
に設けた切換スイッチでエアシリンダを作動した場合を
挙げて説明したが、ミシンテーブル下の側面に設けたニ
ースイッチ(Knee Swich)等で切換えてもよく、図16
のように段差を検出するセンサを設けて自動的に切換え
るように構成してもよい。さらに、第2実施例では通常
縫いの第1ダイヤル91d及び第1カム91と別個に第
2ダイヤル92d及び第2カム92を設けたが、さらに
カムとダイヤルを増設して各々に昇降量変換駆動手段を
設ければきめ細かな縫製途中の上下量変換効果を奏す
る。
【0034】
【発明の効果】本発明は、ダイヤルにより従動体にカム
面を押圧させたカムが回転するカム機構と、カム機構の
従動体を固着しダイヤルにより回動してカム径に応じた
角変位が与えられる制御軸と、制御軸及び主軸に連結さ
れて主軸の回転を揺動軸の揺動運動に変換する布押え変
換機構と、揺動軸に連結されカム機構により昇降量が制
御される布押えとよりなる布押え量調節装置を備えたミ
シンにおいて、カム機構を同一平面に設けられた内外の
カム面を単一の従動体に対向させて同軸的に配置された
ダイヤルにより独立的に制御量が設定される第1カムと
第2カムとからなる複合形のカム機構で構成して、第1
カムと第2カムに被縫製物の布厚の変化に対応する昇降
量を設定して切換手段によって第1カムと第2カムを切
換えて布押えの昇降量を変化させる布押え量調節装置を
備えたミシンを構成した。 また、制御軸に回動力を付
勢して従動体を第1カムと第2カムのカム面に切換えて
押圧させる切換手段が、バネ又はソレノイド又はエアシ
リンダである布押え量調節装置を備えたミシンを構成し
た。また、カム機構を各別に設けられたカム面をそれぞ
れの従動体に対向させてダイヤルにより独立的に制御量
が設定される第1カムと第2カムとからなる対構造のカ
ム機構で構成してなり、第1カムと第2カムに被縫製物
の布厚の変化に対応する昇降量を設定して切換手段によ
って第1カムと第2カムを切換えて布押えの昇降量を変
化させる布押え量調節装置を備えたミシンを構成した。
また、制御軸に回動力を付勢してそれぞれの従動体を第
1カムと第2カムのカム面に切換えて押圧させる切換手
段が、バネ又はソレノイド又はエアシリンダである布押
え量調節装置を備えたミシンを構成した。
【0035】また、本発明は、ダイヤルにより従動体に
カム面を押圧させたカムが回転するカム機構と、カム機
構の従動体を固着しダイヤルを回動してカム径に応じた
角変位が与えられる制御軸と、制御軸にリンクを介して
連結された変換軸と、主軸に連結された中間軸と、中間
軸と変換軸に連結されて中間軸の回転を水平送り軸の揺
動運動に変換すると共に変換軸を反転して送り方向を逆
転させる布送り変換機構と、中間軸に上下送り円板によ
り連結されて上下方向に揺動する上下送り軸と、上下送
り軸と水平送り軸に連結されて上下方向と水平方向の合
成力を受けてカム機構により制御された布送り量で被縫
製物を前行進させる送り歯とよりなる布送り量調節装置
を備えたミシンにおいて、カム機構を同一平面に設けら
れた内外のカム面を単一の従動体に対向させて同軸的に
配置されたダイヤルにより独立的に制御量が設定される
第1カムと第2カムとからなる複合形のカム機構で構成
して、第1カムと第2カムに被縫製物の前進と後進の送
り量を設定して切換手段によって第1カムと第2カムを
切換えて送り歯による布送り量を変化させる布送り量調
節装置を備えたミシンを構成した。また、制御軸に回動
力を付勢して従動体を第1カムと第2カムのカム面に切
換えて押圧させる切換手段が、バネ又はソレノイド又は
エアシリンダである布送り量調節装置を備えたミシンを
構成した。また、カム機構を各別に設けられたカム面を
それぞれの従動体に対向させてダイヤルにより独立的に
制御量が設定される第1カムと第2カムとからなる対構
造のカム機構で構成してなり、第1カムと第2カムに被
縫製物の前進と後進の送り量を設定して切換手段によっ
て第1カムと第2カムを切換えて送り歯による布送り量
を変化させる布送り量調節装置を備えたミシンを構成し
た。さらに、制御軸に回動力を付勢してそれぞれの従動
体を第1カムと第2カムのカム面に切換えて押圧させる
切換手段が、バネ又はソレノイド又はエアシリンダであ
る布送り量調節装置を備えたミシンを構成した。
【0036】この結果、縫製に当たって被縫製物の厚さ
に応じて押えの昇降量を微細に調節することが可能とな
り、縫製効率を大きく向上させることができる。また被
縫製物に段差のある場合は、縫製途中で押え昇降量を瞬
時に変更することができるので、縫製中ミシンを停止さ
せる必要がなくなり縫製効率を著しく向上させることが
できる。さらに前進と後進の布送り量の調節を同軸上に
設けた2つのダイヤルで各カムを回転して設定するよう
にしたので、実縫製上の前進と後進の布送り量を簡単に
微調節することができる。さらに、後進縫いの布送り量
を前進縫いの布送り量より小さく設定して縫製できるの
で、縫製物の縫い上がりの針目を細かくして“ほつれ”
などを防止できる利点もある。したがって、本発明によ
れば簡単な構成で縫製精度が高く、しかも取扱が便利な
押え昇降量調節装置と布送り量調節装置を備えたミシン
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるミシン全体の運動
部分を、線図により表した斜視図である。
【図2】図1における押え昇降量調節装置のカム機構C
の分解斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例におけるミシン全体の運動
部分を線図により表した斜視図である。
【図4】図3における押え昇降量調節装置の構成を表し
た斜視図である。
【図5】図3における押え昇降量調節装置の構成を表し
た平面図である。
【図6】図3における押え昇降量調節装置の構成を表し
た側断面図である。
【図7】図3における押え昇降量調節装置の動作を表し
た側断面図である。
【図8】本発明の第3実施例におけるミシン全体の運動
部分を線図により表した斜視図である。
【図9】図8における前後進布送り量調節装置の要部を
表した斜視図である。
【図10】図8における前後進布送り量調節装置の調節
ツマミの平面図である。
【図11】図9におけるカム機構CのX−X断面図であ
る。
【図12】図8における前後進布送り量調節装置を表し
た斜視図である。
【図13】従来のミシンの全体の運動部分を、線図によ
り表した斜視図である。
【図14】図13における押え昇降量調節装置の動作を
表した線図である。
【図15】図13における押え昇降量調節装置の別の動
作を表した線図である。
【図16】従来のミシンの別の押え昇降量調節装置の構
成を表した側面図である。
【図17】従来の別のミシンの全体の運動部分を、線図
により表した斜視図である。
【図18】図17における前後進布送り量調節装置の動
作を表した線図である。
【図19】図17における前後進布送り量調節装置の別
の動作を表した線図である。
【図20】図17における前後進布送り量調節装置の更
に別の動作を表した線図である。
【符号の説明】
1 主軸、 4 偏心輪、 9 針棒、 0 天秤、 11 布押え変換機構、 12 クランクロッド、 15 揺動軸、 20 制御軸、 25a 第1従節体、 25b 第2従節体、 34 押え昇降機構、 35 内押え、 36 外押え、 38 三角リンク、 50 中間軸、 55 上下送り軸、 58 布送り変換機構、 61 水平送り軸、 64 送り歯、 91 第1カム、 91a カム面、 91d 第1ダイヤル、 92 第2カム、 92a カム面、 92d 第2ダイヤル、 93 エアシリンダ、 95 切換スイッチ、 112 長溝部、 113 コロ、 117 変換軸、 123 制御軸、 125 変換腕、 128 返し縫いレバー、 C カム機構、 L リンク機構、

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤルにより従動体にカム面を押圧さ
    せたカムが回動するカム機構と、該カム機構の従動体を
    固着し前記ダイヤルにより回動してカム径に応じた角変
    位が与えられる制御軸と、該制御軸及び主軸に連結され
    て該主軸の回転を揺動軸の揺動運動に変換する布押え変
    換機構と、前記揺動軸に連結され前記カム機構により昇
    降量が制御される布押えとよりなる布押え量調節装置を
    備えたミシンにおいて、 前記カム機構を同一平面に設けられた内外のカム面を単
    一の従動体に対向させて同軸的に配置されたダイヤルに
    より独立的に制御量が設定される第1カムと第2カムと
    からなる複合形のカム機構で構成してなり、前記第1カ
    ムと第2カムに被縫製物の布厚の変化に対応する昇降量
    を設定して切換手段によって第1カムと第2カムを切換
    えて前記布押えの昇降量を変化させる布押え量調節装置
    を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 前記制御軸に回動力を付勢して従動体を
    第1カムと第2カムのカム面に切換えて押圧させる切換
    手段が、バネ又はソレノイド又はエアシリンダである布
    押え量調節装置を備えたことを特徴とする請求項1記載
    のミシン。
  3. 【請求項3】 前記カム機構を各別に設けられたカム面
    をそれぞれの従動体に対向させてダイヤルにより独立的
    に制御量が設定される第1カムと第2カムとからなる対
    構造のカム機構で構成してなり、前記第1カムと第2カ
    ムに被縫製物の布厚の変化に対応する昇降量を設定して
    切換手段によって第1カムと第2カムを切換えて前記布
    押えの昇降量を変化させる布押え量調節装置を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載のミシン。
  4. 【請求項4】 前記制御軸に回動力を付勢してそれぞれ
    の従動体を第1カムと第2カムのカム面に切換えて押圧
    させる切換手段が、バネ又はソレノイド又はエアシリン
    ダである布押え量調節装置を備えたことを特徴とする請
    求項3記載のミシン。
  5. 【請求項5】 ダイヤルにより従動体にカム面を押圧さ
    せたカムが回動するカム機構と、該カム機構の従動体を
    固着し前記ダイヤルを回動してカム径に応じた角変位が
    与えられる制御軸と、該制御軸にリンクを介して連結さ
    れた変換軸と、前記主軸に連結された中間軸と、該中間
    軸と変換軸に連結されて中間軸の回転を水平送り軸の揺
    動運動に変換すると共に変換軸を変換して送り方向を反
    転させる布送り変換機構と、前記中間軸に上下送り円板
    により連結されて上下方向に揺動する上下送り軸と、該
    上下送り軸と前記水平送り軸に連結されて上下方向と水
    平方向の合成力を受けて前記カム機構により制御された
    布送り量で被縫製物を前行進させる送り歯とよりなる布
    送り量調節装置を備えたミシンにおいて、 前記カム機構を同一平面に設けられた内外のカム面を単
    一の従動体に対向させて同軸的に配置されたダイヤルに
    より独立的に制御量が設定される第1カムと第2カムと
    からなる複合形のカム機構で構成してなり、前記第1カ
    ムと第2カムに被縫製物の前進と後進の送り量を設定し
    て切換手段によって第1カムと第2カムを切換えて前記
    送り歯による布送り量を変化させる布送り量調節装置を
    備えたことを特徴とするミシン。
  6. 【請求項6】 前記制御軸に回動力を付勢して従動体を
    第1カムと第2カムのカム面に切換えて押圧させる切換
    手段が、バネ又はソレノイド又はエアシリンダである布
    送り量調節装置を備えたことを特徴とする請求項5記載
    のミシン。
  7. 【請求項7】 前記カム機構を各別に設けられたカム面
    をそれぞれの従動体に対向させてダイヤルにより独立的
    に制御量が設定される第1カムと第2カムとからなる対
    構造のカム機構で構成してなり、前記第1カムと第2カ
    ムに被縫製物の前進と後進の送り量を設定して切換手段
    によって第1カムと第2カムを切換えて前記送り歯によ
    る布送り量を変化させる布送り量調節装置を備えたこと
    を特徴とする請求項5記載のミシン。
  8. 【請求項8】 前記制御軸に回動力を付勢してそれぞれ
    の従動体を第1カムと第2カムのカム面に切換えて押圧
    させる切換手段が、バネ又はソレノイド又はエアシリン
    ダである布送り量調節装置を備えたことを特徴とする請
    求項7記載のミシン。
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