JPH0523401U - 偏向ヨーク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローテーションコイルを備えた偏向ヨーク装
置において、梱包輸送の際に、ローテーションコイルの
ボビン６に輸送による振動等の外力が加わっても、ロー
テーションコイルのボビン６が偏向ヨーク５から外れる
心配のない偏向ヨーク装置を提供する。 【構成】 偏向ヨーク５のボビンの頭部外周面16にひれ
板10を設け、ローテーションコイルボビン６にひれ板嵌
合溝14を設ける。ひれ板10には係合爪11を形成し、ひれ
板嵌合溝14に係合爪11が係合する係合受面15を設ける。
また、ローテーションコイルボビン６に突き当て板部13
を設けて、偏向ヨーク５の頭部前端面12と当接し、ロー
テーションコイルボビン６と偏向ヨーク５のボビンを嵌
合装着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リング状のボビンに収容されたコイルを備えた偏向ヨーク装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般的に、テレビジョン受像機等の函体にブラウン管を取り付ける際にはその 取り付け位置に僅かなずれを生ずる場合がある。この僅かな機械的なずれに伴っ てテレビ画面のラスターパターンのずれが発生する。このテレビ画面のずれを、 偏向ヨークにローテーションコイルを装着し、このローテーションコイルに電流 を流して磁界を発生し、この磁界によってテレビ画面のラスターパターンのずれ を電気的に修正するような工夫が施されている。この種のローテーションコイル はリング状をしたボビンの内部にリング状のコイルを収容してなるもので、図５ には偏向ヨークにローテーションコイルのボビンを嵌合装着する状態の説明図が 示されている。偏向ヨーク５の頭部側には拡大径部７が形成されており、リング 状のローテーションコイルのボビン６は偏向ヨーク５のネック側から挿入して頭 部側の拡大径部７と嵌合装着され、この嵌合の摩擦力によって、あるいは接着剤 による接着力によって、ローテーションコイルのボビン６は拡大径部７に固定さ れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このローテーションコイルボビン６を装着した偏向ヨーク５を 梱包輸送する際には、偏向ヨーク５は頭部側を下に向けてダンボールに梱包され るので、輸送による振動が頭部側からネック側に外力として加わり、その外力に よって、前記ローテーションコイルボビン６の偏向ヨーク５への摩擦固定力や接 着力が不十分のときにはローテーションコイルのボビン６が偏向ヨーク５の拡大 径部７からネック側に外れる等の問題があった。

【０００４】 本考案は上記従来の課題を解決するためのものであり、その目的は、リング状 のボビンに収容されたコイルを備えた偏向ヨーク装置において、梱包輸送の際に 、ボビンに輸送による振動等の外力が加わっても、ボビンが偏向ヨークから外れ る心配のない偏向ヨーク装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、 本考案の偏向ヨーク装置は、偏向ヨークのボビンの頭部にリング状のボビンに収 容されたコイルが嵌合装着されてなる偏向ヨーク装置において、前記偏向ヨーク のボビンの頭部外周面には１個以上のひれ板が突設され、このひれ板には係合爪 が設けられており、コイルのボビンには、前記偏向ヨークのボビンの頭部側から 嵌合したときに該偏向ヨークのボビンの頭部前端面が当接する突き当て板部と、 前記ひれ板が嵌まるひれ板嵌合溝とが設けられ、このひれ板嵌合溝にはひれ板の 係合爪が係合する係合受面が形成されていることを特徴として構成されている。

【０００６】

【作用】

上記構成の本考案において、偏向ヨークのボビンにコイルのボビンを嵌合装着 するときに、ばね性を有するひれ板はひれ板嵌合溝の壁面によって押し拡げられ ながら嵌合溝内に挿入し、ひれ板の係合爪が係合受面に到達したとき、ひれ板は 弾性復元力によって元の位置に復帰し、係合爪は係合受面と係合装着する。

【０００７】 このとき、偏向ヨークのボビンの頭部前端面はコイルのボビンの突き当て板部 に当接し、コイルボビンの偏向ヨークへの嵌合装着が完了する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例の説明にお いて、従来例と同一の名称部分には同一符号を付し、その詳細な重複説明は省略 する。本実施例は従来例と同様に、リング状のローテーションコイルのボビンを 備えた偏向ヨーク装置に係わるもので、本実施例において特徴的なことは、偏向 ヨークのボビンとローテーションコイルのボビンとの装着構造を特有な構造とし たものであり、それ以外の構成は前記従来例と同様である。図１には偏向ヨーク ５とローテーションコイルのボビン６との特有な取り付け構造の一例が示されて いる。図２には同実施例のローテーションコイルのボビン６と偏向ヨーク５との 嵌合装着状態の詳細説明図が示されている。図３には同実施例のローテーション コイルのボビン６と偏向ヨーク５との嵌合装着状態を示す要部構成の断面図が示 されている。これらの図において、偏向ヨーク５の頭部側拡大径部７の外周面16 には、少なくとも１個以上の、この実施例では４個のひれ板10が外周面16に対し て対称位置に突設され、このひれ板10には図３に示すように係合爪11が設けられ ている。ローテーションコイルのボビン６には、ひれ板10が嵌まるひれ板嵌合溝 14が設けられ、このひれ板嵌合溝14にはひれ板10の係合爪11が係合する係合受面 15が形成されており、ひれ板嵌合溝14の入口側端縁部には前記ひれ板10がこのひ れ板嵌合溝14と嵌合し易いようにテーパ９が設けられている。また、ローテーシ ョンコイルのボビン６には、偏向ヨーク５のボビン１の頭部側から嵌合したとき に、偏向ヨークのボビンすなわち頭部側拡大径部７の頭部前端面12が当接する突 き当て板部13が設けられている。

【０００９】 また、偏向ヨーク５の頭部側拡大径部７の外周面16には位置決め片18が複数個 （本実施例では４個）、外周面16に対して対称位置に突設されており、この位置 決め片18に嵌め合う位置決め嵌合溝19がローテーションコイルのボビン６の外周 面22に設けられ、図４に示すように、前記位置決め片18と位置決め嵌合溝19が嵌 め合って、偏向ヨーク５とローテーションコイルのボビン６とが装着されている 。位置決め嵌合溝19の入口側の端縁部には前記位置決め片18がこの位置決め嵌合 溝19と嵌合し易いようにテーパ21が設けられている。そして、位置決め片18と位 置決め嵌合溝19は両者間のがたつきが生じないようにその形状の寸法が設定され ている。

【００１０】 本実施例では偏向ヨーク５のボビンの頭部側からローテーションコイルボビン ６を頭部拡大径部７に嵌合装着するときに、ばね性を有するひれ板10はひれ板嵌 合溝14の入口側端縁部20のテーパ９に沿って導かれ、嵌合溝14の壁面によって押 し拡げられながら嵌合溝14内に挿入し、偏向ヨーク５のボビンの頭部前端面12が 突き当て板部13の位置に到達して当接したときに、ひれ板10は弾性復元力によっ て押し拡げられる前の位置に復帰し、係合爪11と係合受面15とは係合装着される 。

【００１１】 また、前記係合爪11の挿入時に、位置決め片18は位置決め嵌合溝19のテーパ21 に沿って嵌合溝19内に挿入し、偏向ヨーク５のボビンの頭部前端面12が突き当て 板部13に当接したときに位置決め片18と位置決め嵌合溝19とががたつきなく嵌合 され、ローテーションコイルボビン６の偏向ヨーク５への嵌合装着が完了する。 また、本実施例では図２に示されるように、ローテーションコイルボビン６の内 周面17と偏向ヨーク５のボビンの外周面16との間に隙間23を介してローテーショ ンコイルのボビン６が偏向ヨーク５の頭部に嵌合するが、前記したように、位置 決め片18はその嵌合溝19とがたつきなく嵌合するので、ローテーションコイルの ボビン６の位置規制が達成され、前記隙間23に影響されず、ボビン６は偏向ヨー ク５に対して上下（図１の矢印Ａ方向）、左右（図１の紙面に直交する方向）、 回転方向のいずれにもずれることがなく、偏向ヨーク５に対して定位置に安定に 保持されることになる。

【００１２】 上記構成により本実施例の偏向ヨーク装置を梱包輸送したときに、その輸送に よる振動等の外力がこの偏向ヨーク装置に加わっても、前記係合爪11と係合受面 15とは係合装着されており、偏向ヨーク５のボビンの頭部前端面12がローテーシ ョンコイルのボビン６の突き当て板部13に当接しているので、ローテーションコ イルボビン６は突き当て板部13によって偏向ヨーク５のネック側に抜け止めされ 、また、係合爪11によってローテーションコイルボビン６は偏向ヨーク５の頭部 側に抜け止めされるので、ローテーションコイルのボビン６が偏向ヨーク５から 外れることがない。

【００１３】 また、ひれ板10やひれ板嵌合溝14を有する本実施例の偏向ヨークやローテーシ ョンコイルのボビン６を作製する金型は、従来の金型を抜き方向に簡易な加工を 施すだけで形成できるので、その製作が容易であり、従来品から本実施例の製品 への転換を円滑に行うことができる。

【００１４】 なお、本考案は上記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り 得る。例えば、上記実施例では、偏向ヨークのボビン頭部にローテーションコイ ルが嵌合装着される例を示したが、嵌合装着されるコイルがローテーションコイ ルに限定されることはない。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、リング状のボビンに収容されたローテーションコイルを備えた偏向 ヨーク装置において、偏向ヨークとコイルボビンの嵌合部を偏向ヨーク側のひれ 板とコイルボビン側のひれ板嵌合溝との嵌め合い構造とし、また、コイルボビン の突き当て板部と偏向ヨークのボビンの頭部前端面とを当接させる構造としたの で、コイルボビンを偏向ヨークの頭部側から嵌合装着する際に、ひれ板の係合爪 とひれ板嵌合溝の係合受面とが係合装着し、同時に突き当て板部と頭部前端面と が当接して嵌合装着が完了され、これにより、この偏向ヨーク装置を梱包輸送し たときに従来のように振動等の外力を受けてコイルボビンが偏向ヨークのボビン から外れる心配はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る偏向ヨーク装置の一実施例の要部
構成を示す説明図である。

【図２】同偏向ヨーク装置の偏向ヨークとローテーショ
ンコイルボビンとの係合部分の要部構成を示す説明図で
ある。

【図３】図２の係合部分の詳細を示す断面図である。

【図４】同実施例における偏向ヨークとローテーション
コイルの位置決め係合部分の断面図である。

【図５】従来のローテーションコイルを備えた偏向ヨー
クの装着状態を示す説明図である。

【符号の説明】

５ 偏向ヨーク ６ ローテーションコイルのボビン ７ 頭部側拡大径部 10 ひれ板 11 係合爪 13 突き当て板部 14 ひれ板嵌合溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 偏向ヨークのボビンの頭部にリング状の
   ボビンに収容されたコイルが嵌合装着されてなる偏向ヨ
   ーク装置において、前記偏向ヨークのボビンの頭部外周
   面には１個以上のひれ板が突設され、このひれ板には係
   合爪が設けられており、リング状のボビンには、前記偏
   向ヨークのボビンの頭部側から嵌合したときに該偏向ヨ
   ークのボビンの頭部前端面が当接する突き当て板部と、
   前記ひれ板が嵌まるひれ板嵌合溝とが設けられ、このひ
   れ板嵌合溝にはひれ板の係合爪が係合する係合受面が形
   成されていることを特徴とする偏向ヨーク装置。