JPH0523353U - グロメツト - Google Patents
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- JPH0523353U JPH0523353U JP7035691U JP7035691U JPH0523353U JP H0523353 U JPH0523353 U JP H0523353U JP 7035691 U JP7035691 U JP 7035691U JP 7035691 U JP7035691 U JP 7035691U JP H0523353 U JPH0523353 U JP H0523353U
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Abstract
(57)【要約】
グロメット
【目的】グロメットの防水性の向上を図る。
【構成】グロメット本体は、ワイヤハーネスの挿通方向
に折り返した折り返し部を介して接続したテーパ筒状部
と拡径部を備える。テーパ筒状部は、パネル側の大径開
口から小径開口へ向けて先細りとなる第1孔部を備え、
該第1孔部の大径開口側に設けた突起部と小径開口がワ
イヤハーネスの外周部に密着する。拡径部は、第1孔部
と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部を備え
る。上記折り返し部と拡径部の端面、側面部及び縮径部
により囲まれる部分をリング状空間として水膨潤性弾性
体からなるリング部材を配置する。水膨潤性弾性体は、
エラストマー等に高吸水性樹脂を配合してなり、弾性を
有すると共に、水分を吸収して膨張する。
に折り返した折り返し部を介して接続したテーパ筒状部
と拡径部を備える。テーパ筒状部は、パネル側の大径開
口から小径開口へ向けて先細りとなる第1孔部を備え、
該第1孔部の大径開口側に設けた突起部と小径開口がワ
イヤハーネスの外周部に密着する。拡径部は、第1孔部
と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部を備え
る。上記折り返し部と拡径部の端面、側面部及び縮径部
により囲まれる部分をリング状空間として水膨潤性弾性
体からなるリング部材を配置する。水膨潤性弾性体は、
エラストマー等に高吸水性樹脂を配合してなり、弾性を
有すると共に、水分を吸収して膨張する。
Description
【0001】
本考案は、グロメットに関し、特に、エラストマー等の弾性材料に高吸水性樹 脂を配合した水膨潤性弾性体からなる部材をグロメット本体に組込むことにより 、グロメットの防水性及び防音性の向上を図るものである。
【0002】
従来より、車両のパネル等に設けた挿入孔にワイヤハーネスを貫通させて取付 ける際に使用する種々のグロメットが提供されている。 図7は、従来のグロメットの一例を示している。
【0003】 グロメット本体1は、ワイヤハーネス2を挿入保持する小径円筒状部1aと、 この小径円筒状部1aと連通してワイヤハーネス2を遊挿する拡径部1bを備えて いる。 また、拡径部1bの端縁には、フランジ状部1cを設け、このフランジ状部1c に設けた環状溝1dに、パネル3に設けた挿通孔3aの縁部を嵌め込んで、よって 、グロメット本体1をパネル3に取付保持する構成としている。
【0004】 更に、上記拡径部1b内には、液状硬化材等からなる充填材4を配置して防水 性、防音性の向上を図っている。
【0005】
上記充填材4は、グロメット本体1をパネルに取付けた後に剥離しないように 、外周部4aに接着剤を塗布してグロメット本体1に接着固定している。 しかしながら、接着剤が劣化すると、充填材4はグロメット本体1の拡径部1 bから剥離して脱落してしまうおそれがあり、例えば、雨等により接着剤により 接着した部分に水分が侵入すると、この水分により接着剤が劣化して、接着力が 低下し、よって、充填材4が剥離するおそれが生じる。
【0006】 特に、自動車のエンジンルームやトランクルーム等では、パネル3の図中左側 Aと右側Bのいずれを外部側とした場合にも、雨等の水分が充填材を接着剤によ り接着した部分に侵入し易く、上記した水分による上記接着剤の劣化により充填 材料4が拡径部1bから剥離し、グロメットの防水性、防音性が著しく低下して しまう。
【0007】 本考案は、上記した従来のグロメットにおける問題を解決するためになされた ものであって、水分が侵入した場合にも防音性、防水性を維持することができる ようにすることを目的としてなされたものである。
【0008】
従って、本考案は、パネル等に設けた挿通孔と、該挿通孔に挿通させるワイヤ ハーネスとの間に取付けて上記パネル等の内部側を外部側からシールするグロメ ットであって、弾性を有するグロメット本体に水膨潤性弾性体からなる部材を取 付け、該部材の弾性力により上記ワイヤハーネスの外周部をシールすると共に、 上記グロメット本体の係合部を上記挿通孔の縁部に押圧してシールすることを特 徴とするグロメットを提供するものである。
【0009】 具体的には、上記水膨潤性弾性体からなる部材は、グロメット本体に形成した リング状空間に収容したリング部材であって、該リング部材は、ワイヤハーネス を貫通させるグロメット本体の孔部の内周面をワイヤハーネスの外周部に弾性的 に密着させると共に、グロメット本体の係合部を挿通孔の縁部に弾性的に押圧し 、水分吸収時には膨張して、グロメット本体を一層強固に上記ワイヤハーネスの 外周部及び貫通孔の縁部に密着又は押圧する構成とすることが好ましい。
【0010】 更に具体的には、上記グロメット本体は、パネル側の大径開口から小径開口へ 向けて先細りとなる第1孔部を備え、該第1孔部の大径開口側に設けた突起部と 小径開口がワイヤハーネスの外周部に密着するテーパ筒状部と、上記第1孔部と 連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部を設けた拡径部とを備え、テーパ筒 状部の大径開口側の端部を、ワイヤハーネスの挿通方向に折り返して拡径部の端 面と接続する折り返し部を形成し、上記第2孔部の開口端付近で拡径部の側面部 を径方向内側に突出させて係合部を構成する縮径部を形成し、該縮径部に挿通孔 の縁部を嵌め込む環状溝を設け、上記折り返し部と拡径部の端面、側面部及び縮 径部により囲まれる部分をリング状空間としてリング部材を配置する構成が好ま しい。
【0011】 あるいは、上記グロメット本体は、ワイヤハーネスの外周部に密着する第1孔 部を備える小径筒状部と、該第1孔部と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2 孔部を備える拡径部とを備え、上記第2孔部内に、ワイヤハーネスの外周部と密 着する第3貫通孔を備えた筒状部を設け、該筒状部の小径筒状部側の開口端の外 周部から径方向外側に延在する接続部を第2孔部の内周面と接続し、上記筒状部 の外周部、接続部及び第2孔部の内周面で囲まれる部分をリング状空間としてリ ング部材を配置する構成が好ましい。
【0012】 また、上記グロメット本体は、ワイヤハーネスの外周部に密着する第1孔部を 備える小径筒状部と、該第1孔部と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部 を備える拡径部とを備え、該拡径部の外周部の開口端側に係合部を設け、上記水 膨潤性弾性体からなる部材は上記第2孔部に配置したリング状部材であって、リ ング部材の内周面がワイヤハーネスの外周部に弾性的に直接密着すると共に、リ ング部材の外周面が上記グロメット本体の係合部を挿通孔の縁部に弾性的に押圧 する構成としてもよい。
【0013】 上記水膨潤性弾性体は、例えば、エラストマー等、即ち、天然ゴム、スチレン ブタジエン(SBR)、ブチルゴム、EPDM、クロロプレン、NBR、IIR、 SIS、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーンゴム、EVA、塩化ビニル樹 脂等に対して酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化合物、イソブチレ ン・マレイン酸共重合体架橋物、ポリエチレンオキシド系等の高吸水性樹脂を配 合したものである。
【0014】 また、上記リング状部材は、周方向の一部分を切り欠いてスリット部を設けて もよい。
【0015】
本考案に係るグロメットでは、上記のような構成としているため、通常時には 、グロメット本体に取付けて水膨潤性弾性体からなる部材の弾性力によりグロメ ット本体の孔部又は上記水膨潤性弾性体からなる部材自体を上記ワイヤハーネス の外周部に密着させてシールすると共に、上記グロメット本体の係合部を挿通孔 の縁部に弾性的に押圧してシールする。 また、本考案に係るグロメットに水分が侵入した場合には、その水分を水膨潤 性弾性体からなる部材が吸収して膨張し、よって、ワイヤハーネスの外周部に対 するシール及び係合部を挿入孔に押圧する押圧力が一層強くなる。
【0016】 例えば、上記したようにグロメット本体をテーパ筒状部と、該テーパ筒状部と 連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部を設けた拡径部を備え、テーパ筒状 部の大径開口側の端部を、ワイヤハーネスの挿通方向に折り返して拡径部の端面 と接続する折り返し部を形成する構成とした場合には、通常時には、折り返し部 と拡径部の端面、側面部及び縮径部により囲まれる部分から形成されるリング状 空間に配置した水膨潤性弾性体からなるリング部材の弾性力により、上記テーパ 筒状部の小径開口の部分と大径開口側の内周面に設けた突起部がワイヤハーネス の外周部に弾性的に密着すると共に、パネルに設けた挿通孔の縁部を嵌め込んだ 環状溝を設けた縮径部を該縁部に弾性的に押圧している。
【0017】 パネルのグロメットを取付けた部分に水分が侵入すると、該水分を水膨潤性弾 性体からなるリング部材が吸収して膨張し、この膨張により、折り返し部を介し て上記突起部及び小径開口の部分を一層強くワイヤハーネスの外周部に密着させ ると共に、上記縮径部を一層強く挿通孔の縁部に押圧する。
【0018】 更に、上記のように、リング状部材にスリット部を設けた場合には、該スリッ ト部からワイヤハーネスを容易に内周部側に配置することができる。
【0019】
次に、図面に示す実施例に基づき、本考案の実施例について、詳細に説明する 。 図1に示す本考案の第1実施例において、グロメット本体11はEPDMから なり、パネル3側からパネル3の内部側Aに向かって、先細りとなるテーパ筒状 部12と、この小径筒部12とパネル3側で接続する拡径部13を備えている。 上記テーパ筒状部12は、ワイヤハーネス2を挿通するテーパ状の第1孔部 12aを備え、この第1孔部12aの小径開口12b及び大径開口12c側に設けた 突起部12dがワイヤハーネス2の外周部に密着している。
【0020】 拡径部13は、パネル3の内部側Aで、テーパ筒状部12の第1孔部12aと 連通し、ワイヤハーネス2を遊挿する第2孔部13aを備えている。 上記テーパ筒状部12の大径開口12cは、拡径部13の厚さ方向中央付近に 位置し、この大径開口12c側の端部をワイヤハーネス2の挿通方向に折り返し て、折り返し部12eを形成し、この折り返し部12eを拡径部13の端面13b と接続している。そのため、折り返し部12eとテーパ筒状部12の外周部が所 定角度のV字状部を形成している。
【0021】 拡径部13の第2孔部13aの開口端では、この拡径部13の側面部13cを径 方向内側に突出させて縮径部13dを形成し、この縮径部13dに断面略コ字状の 環状溝13eを設けている。また、環状溝13eのパネル3の内部側Aの面と接触 する壁面13fを蛇腹状に形成している。
【0022】 第1実施例のグロメット本体11では、上記のような構成とすることにより、 折り返し部12e、端面13b、側面部13c及び縮径部13dにより断面略長方形 状のリング状空間13gを形成している。
【0023】 リング状空間13gには、図2に詳細に示すような形状であって、リング状空 間13gに適合する幅、厚さ及び外径に形成した水膨潤性弾性体からなるリング 部材14を配置している。 水膨潤性弾性体は、水分を吸収して膨張する弾性材料であり、第1実施例では 、リング部材14を形成する水膨潤性弾性体としてEVA樹脂に酢酸ビニル・ア クリル酸エステル共重合体ケン化物を配合したものを使用している。 また、リング部材14は、周方向の一画を切り欠いてスリット部14aを形成 している。
【0024】 上記第1実施例に係るグロメットにより、ワイヤハーネス2をパネル3に挿通 配置する場合には、下記のようにして行う。 まず、リング部材14のスリット部14aを介してワイヤハーネス2を外周面 14bから内周面14c側に配置する。次に、グロメット本体11を弾性的に押し 広げて、ワイヤハーネス2を第1孔部12a及び第2孔部13aに挿通させる。そ の後、リング部材14を弾性的に押し広げて第2孔部13aの開口端側からグロ メット本体11のリング状空間13gに配置し、その後、パネル3の挿入孔3aの 縁部を縮径部13dに設けた環状溝13eに嵌め込む。
【0025】 第1実施例では、リング部材14の弾性力によりテーパ状筒部12の小径開口 12bの部分及び突起部12dがワイヤハーネス2の外周部に密着すると共に、パ ネル3の挿入孔3aの縁部がグロメット本体1の嵌合溝13eに嵌合し、上記リン グ部材14の弾性力により壁面13fがパネル3に押圧されると共に、嵌合溝 13eの底面が挿通孔3aの縁部に押圧される。そのため、ワイヤハーネス2の 外周部とグロメット本体1及びパネル3の挿入孔3aとグロメット本体1との間 をそれぞれシールし、防水及び防音効果を得ることができる。
【0026】 また、第1実施例において、仮にパネル3の外部側Bから水分が内部側Aに侵 入しようとすると、リング部材14がその水分を吸収して膨張する。 そのため、図3に示すように、リング状部材14は、折り返し部13bがテー パ筒状部12の外周部に密接し、折り返し部13bを介して第1孔部12aの小 径開口12aの部分及び突起部12dをワイヤハーネス2の外周部に、一層強固に 密着させる。
【0027】 また、上記リング部材14の膨張により、上記環状溝13eの壁面13fは、パ ネル3の内部側Aの面に一層強固に押圧されると共に、環状溝13eの底部が挿 通孔3aの縁部に一層強固に押圧される。
【0028】 上記のように第1実施例では、水膨潤性弾性体からなるリング部材14をグロ メット本体11に取付けているため、通常時にはリング部材14の弾性力により ワイヤハーネス2及びパネル3にグロメット本体11を押圧し、よって、防水及 び防音効果を得ることができる。 また、パネル3の外部側Bから内部側Aに水分が侵入しようとすると、上記通 常時のリング部材14の弾性力によるシール力に加え、上記水分をリング部材 14が吸収して膨張することによりワイヤハーネス2とグロメット本体11及び グロメット本体11とパネル3の間を一層強固に押圧し、よって、防水効果を向 上することができる。
【0029】 更に、第1実施例では、上記したようにグロメット本体11をEPDMから形 成する一方、リング部材14をEVA樹脂に酢酸ビニル・アクリル酸エステル共 重合体ケン化物を配合したものを使用している。従って、グロメット本体11と リング部材14では密度が異なり、グロメット本体11とリング部材14との接 触面では、音が伝達されにくく、このことによっても防音効果を得ることができ る。
【0030】 図4に示す本考案の第2実施例では、グロメット本体21は、ワイヤハーネス 2の外周部に密着する第1孔部21aを備えた小径筒部21bと、上記第1孔部 21aと連通し、ワイヤハーネス2を遊挿する第2孔部21cを備える拡径部21 dを連続して設けている。
【0031】 上記第2孔部21cの開口端側では、外周部を径方向外側に突出させて係合部 を形成するフランジ状部21eを形成し、該フランジ状部21eにパネル3の挿入 孔3aの縁部を嵌め混む嵌合溝21fを周方向全体に形成している。 また、第2孔部21c内には、筒状部22を設けている。この筒状部22に設 けた第3孔部22aはワイヤハーネス2の外周部と密着し、小径筒部21b側の開 口端22bの外周部を周方向に延在する接続部22cを介して第2孔部21cの周 面と接続している。
【0032】 第2実施例では、上記のような構成としているため、ワイヤハーネス2は、第 1孔部21a、第2孔部21c及び第3孔部22aを通って、グロメット本体21 を貫通している。
【0033】 上記筒状部22の外周部、接続部22c及び第2孔部21cの周面で囲まれる部 分はリング状空間23を形成し、このリング状空間23の部分で第2孔部21c の周面に係合用の環状突起21gを設けている。 上記リング状空間23には、上記した第1実施例と同様に水膨潤性弾性体から なるリング部材24を配置している。このリング部材24の外周部には、上記し た環状突起21gを嵌合する環状溝24aを設け、よって、リング部材24の脱落 を防止している。
【0034】 第2実施例では、上記のような構成としているため、通常時には、リング部材 24の内周面24bが弾性的に縮まろうとする力により第3孔部22aをワイヤハ ーネスの外周部に密着させる一方、外周面24cが弾性的に広がろうとする力に よりフランジ部21eを外側に押し広げ、よって、環状溝21fをパネル3の挿通 孔3aの縁部に弾性的に押圧している。
【0035】 パネル3の外部側Bから水分が内部側Aに侵入しようとすると、この水分はリ ング部材24に吸収され、リング部材24が膨張する。このリング部材24の膨 張により、第3孔部22aをより強固にワイヤハーネス2の外周部に密着させる と共に、パネル3の挿通孔3aの縁部は一層強固に環状溝21f内に保持され、防 水効果を向上することができる。
【0036】 図5に示す本考案の第3実施例では、グロメット本体26は、ワイヤハーネス 2の外周部と密着する第1孔部26aを設けた小径筒状部26bと、第1孔部26 aと連通して、ワイヤハーネス2を遊挿する第2孔部26cを設けた拡径部26d を備えている。 また、拡径部26dの端縁には、係合部を構成するフランジ状部26eを設
け、 このフランジ状部26eに設けた環状溝26fに、パネル3に設けた挿通孔3aの 縁部を嵌め込んで、よって、グロメット本体1をパネル3に保持する構成として いる。
け、 このフランジ状部26eに設けた環状溝26fに、パネル3に設けた挿通孔3aの 縁部を嵌め込んで、よって、グロメット本体1をパネル3に保持する構成として いる。
【0037】 上記第2孔部26cの開口端付近には、水膨潤性弾性体からなるリング部材 27を配置している。 リング部材27は、内周面27aがワイヤハーネス2の外周部に密着すると共 に、外周部27bが上記第2孔部26cに密着している。 また、上記外周部27bには環状突起27cを設け、この環状突起27cを第2 孔部26cの開口端付近に設けた環状溝26gに嵌合して、リング部材27が第2 孔部26cから剥離脱落するのを防止している。
【0038】 第3実施例では、上記第1及び第2実施例と同様に、通常時には、リング部材 27は、第1孔部がワイヤハーネス2の外周部に弾性的に密着すると共に、グロ メット本体26のフランジ状部26eの部分を弾性的に押し広げて環状溝26fを 挿通孔3aの縁部に押圧している。
【0039】 また、水分がパネル3の外部側Bから内部側Aに侵入すると、その水分をリン グ部材27が吸収して膨張し、よって、上記リング部材27の内周面27aとワ イヤハーネス2の外周部及びグロメット本体26の環状溝26fと挿通孔3aの縁 部を一層密着させて防水性を向上することができる。
【0040】 尚、本考案は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であ る。 例えば、上記リング部材を形成する水膨潤性弾性体は、上記したEVA樹脂に 酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化物を配合したものに限定される ものではなく、エラストマー等、即ち、天然ゴム、スチレンブタジエン(SB
R) 、ブチルゴム、EPDM、クロロプレン、NBR、IIR、SIS、ウレタン樹 脂、アクリル樹脂、シリコーンゴム、EVA、塩化ビニル樹脂等に対してイソブ レチレン・マレイン酸共重合体架橋物、ポリエチレンオキシド系等の高吸水性樹 脂を配合したものを使用してもよい。
R) 、ブチルゴム、EPDM、クロロプレン、NBR、IIR、SIS、ウレタン樹 脂、アクリル樹脂、シリコーンゴム、EVA、塩化ビニル樹脂等に対してイソブ レチレン・マレイン酸共重合体架橋物、ポリエチレンオキシド系等の高吸水性樹 脂を配合したものを使用してもよい。
【0041】 また、上記グロメット本体の材質も上記EPDMに限定されるものではなく、 その他の適切な弾性材料を使用してもよい。
【0042】 更に、グロメット本体及びリング部材の形状も上記実施例のものに限定される ものではなく、リング部材の弾性によりワイヤハーネスの外周部をシールすると 共に、グロメット本体とパネルの挿通孔等との係合を強める構成としたものであ れば適宜変更することが可能である。 例えば、図6に示すように、第3実施例において、リング部材27’が拡径部 26dの第2孔部26cの全体を充填する構成としてもよい。 また、リング部材にスリット部を設けない構成としてもよい。更に、リング状 部材は周方向に複数個に分割した構成としてよく、リング部材がパネルの内部側 と外部側のいずれに位置する構成してもよい。
【0043】
以上の説明から明らかなように、本考案に係るグロメットでは、水膨潤性弾性 体からなるリング部材の弾性力によりグロメット本体の一部分や、あるいは、リ ング部材自体の内周面をワイヤハーネスの外周部に弾性的に密着してシールする と共に、パネルに設けた挿通孔と係合する係合部を挿通孔の縁部に押圧してシー ルする構成としているため、通常時には、上記リング部材自体の弾性力により防 水効果及び防音効果を得ることができる。また、パネルの外部側から内部側に水 分が侵入しようとすると、上記リング部材がその水分を吸収して膨張し、一層強 固にワイヤハーネス外周部に一層強固にグロメット本体の一部又はリング部材自 体の内周面を密着させることができると共に、係合部を一層強固に挿入孔の縁部 に押圧することができる。 そのため、本考案に係るグロメットは、自動車のトランクルーム、エンジンル ーム等の雨等の水分を被りやすい箇所で使用する場合でも、良好な防水性、防音 性を得ることができる。
【0044】 また、本考案に係るグロメットでは、グロメット本体を形成する材料と上記リ ング部材を構成する水膨潤性弾性体の密度を異ならせた場合には、この部分で音 が伝達されにくくなり、よって、防音性を一層向上することができる。
【0045】 更に、本考案に係るグロメットでは、リング部材のみに水膨潤性弾性体から形 成し、グロメット本体そのものは、比較的安価なEPDM等から形成することが できるため、コストを低減することができる等の種々の利点を有するものである 。
【図1】 本考案の第1実施例を示す断面図である。
【図2】 水膨潤性エラストマを示す斜視図である。
【図3】 水分がパネルの内部に侵入した場合を示す断
面図である。
面図である。
【図4】 本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図5】 本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図6】 第3実施例の変形例を示す断面図である。
【図7】 従来のグロメットの一例を示す断面図であ
る。
る。
2 ワイヤハーネス 3 パネル 3a 挿通孔 11,21,26, グロメット本体 12 テーパ筒状部 14,24,27 リング部材 14a スリット部 12a,21a,26a 第1孔部 13a,21c,26c 第2孔部 22 筒状部 22a 第3孔部 22c 接続部
Claims (5)
- 【請求項1】 パネル等に設けた挿通孔と、該挿通孔に
挿通させるワイヤハーネスとの間に取付けて上記パネル
等の内部側を外部側からシールするグロメットであっ
て、 弾性を有するグロメット本体に水膨潤性弾性体からなる
部材を取付け、該部材の弾性力により上記ワイヤハーネ
スの外周部をシールすると共に、上記グロメット本体の
係合部を上記挿通孔の縁部に押圧してシールすることを
特徴とするグロメット。 - 【請求項2】 上記水膨潤性弾性体からなる部材は、グ
ロメット本体に形成したリング状空間に収容したリング
部材であって、 該リング部材は、ワイヤハーネスを貫通させるグロメッ
ト本体の孔部の内周面をワイヤハーネスの外周部に弾性
的に密着させると共に、グロメット本体の係合部を挿通
孔の縁部に弾性的に押圧し、水分吸収時には膨張して、
グロメット本体を一層強固に上記ワイヤハーネスの外周
部及び貫通孔の縁部に密着又は押圧することを特徴とす
る請求項1記載のグロメット。 - 【請求項3】 上記グロメット本体は、パネル側の大径
開口から小径開口へ向けて先細りとなる第1孔部を備
え、該第1孔部の大径開口側に設けた突起部と小径開口
がワイヤハーネスの外周部に密着するテーパ筒状部と、
上記第1孔部と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2
孔部を設けた拡径部とを備え、 テーパ筒状部の大径開口側の端部を、ワイヤハーネスの
挿通方向に折り返して拡径部の端面と接続する折り返し
部を形成し、 上記第2孔部の開口端付近で拡径部の側面部を径方向内
側に突出させて係合部を構成する縮径部を形成し、該縮
径部に挿通孔の縁部を嵌め込む環状溝を設け、 上記折り返し部と拡径部の端面、側面部及び縮径部によ
り囲まれる部分をリング状空間としてリング部材を配置
していることを特徴とする請求項2記載のグロメット。 - 【請求項4】 上記グロメット本体は、ワイヤハーネス
の外周部に密着する第1孔部を備える小径筒状部と、該
第1孔部と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部
を備える拡径部とを備え、 上記第2孔部内に、ワイヤハーネスの外周部と密着する
第3貫通孔を備えた筒状部を設け、該筒状部の小径筒状
部側の開口端の外周部から径方向外側に延在する接続部
を第2孔部の内周面と接続し、 上記筒状部の外周部、接続部及び第2孔部の内周面で囲
まれる部分をリング状空間としてリング部材を配置して
いることを特徴とする請求項2記載のグロメット。 - 【請求項5】 上記グロメット本体は、ワイヤハーネス
の外周部に密着する第1孔部を備える小径筒状部と、該
第1孔部と連通してワイヤハーネスを遊挿する第2孔部
を備える拡径部とを備え、該拡径部の外周部の開口端側
に係合部を設け、 上記水膨潤性弾性体からなる部材は上記第2孔部に配置
したリング状部材であって、リング部材の内周面がワイ
ヤハーネスの外周部に弾性的に直接密着すると共に、リ
ング部材の外周面が上記グロメット本体の係合部を挿通
孔の縁部に弾性的に押圧する構成としていることを特徴
とする請求項1記載のグロメット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991070356U JP2545301Y2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | グロメット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991070356U JP2545301Y2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | グロメット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0523353U true JPH0523353U (ja) | 1993-03-26 |
JP2545301Y2 JP2545301Y2 (ja) | 1997-08-25 |
Family
ID=13429075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991070356U Expired - Fee Related JP2545301Y2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | グロメット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545301Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017158276A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 住友電装株式会社 | グロメット及びグロメット付ワイヤーハーネス |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6438720U (ja) * | 1987-05-14 | 1989-03-08 | ||
JPH0291046U (ja) * | 1988-12-29 | 1990-07-19 | ||
JPH0297729U (ja) * | 1989-01-19 | 1990-08-03 |
-
1991
- 1991-09-03 JP JP1991070356U patent/JP2545301Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6438720U (ja) * | 1987-05-14 | 1989-03-08 | ||
JPH0291046U (ja) * | 1988-12-29 | 1990-07-19 | ||
JPH0297729U (ja) * | 1989-01-19 | 1990-08-03 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017158276A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 住友電装株式会社 | グロメット及びグロメット付ワイヤーハーネス |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2545301Y2 (ja) | 1997-08-25 |
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