JPH052321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等のタイヤホイールに装着さ
れるホイールキヤツプの取付装置に係り、詳しく
は、ホイールデイスクに穿設された放熱孔と、ホ
イールリムの立上り傾斜面を利用して、ワンタツ
チ操作で確実に取付けることができるプラスチツ
ク製ホイールキヤツプの取付装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

自動車等のタイヤホイールに装着されるホイー
ルキヤツプは、デザインの自由度、低コスト、ア
ルミ調外観の要求から、着色、塗装、メツキ等に
より金属調外観をもたせたプラスチツク製ホイー
ルキヤツプが広く採用されているが、この種プラ
スチツク製ホイールキヤツプのタイヤホイールへ
の取付方法としては、ホイールキヤツプ本体の裏
面側外周縁に沿つて複数のクリツプを取付け、こ
のクリツプの先端湾曲部をホイールリムに係止す
る手段が採られていた。

〔本考案が解決しようとする問題点〕

ことろが、裏面側外周縁に沿つて取り付けたク
リツプをホイールリムに係止させるようにしたも
のでは、ホイールキヤツプをホイールリムに装着
固定するためのクリツプのバネ力の影響や車輪内
部に発生するブレーキ熱に起因するプラスチツク
の熱膨張等のため、クリツプとその取付部との間
にガタが発生したりホイールキヤツプが変形して
走行中に外れる欠点があつた。

本考案は上記の如き実状に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、ホイー
ルデイスクに穿設された放熱孔とホイールリムの
立上り傾斜面を利用してワンタツチ操作で確実に
装着することができ、車輪が高速で回輪するとき
でもホイールキヤツプが変形して外れたり、周縁
部にビビリが発生することのないプラスチツク製
ホイールキヤツプの取付装置を提供することを目
的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案が講じた技
術的手段は、ホイールキヤツプの裏面側に、同一
円周上に間隔を存して複数個の保持体を固着して
あり、上記保持体に保持される取付爪を介して、
プラスチツク製ホイールキヤツプをホイールデイ
スクの外面から装着させる取付装置において、上
記保持体のホイールデイスクの外面側には弾性板
からなる取付爪が長手方向を円周方向に沿わせて
半径方向に摺動可能に取り付けられており、該取
付爪をホイールデイスクに穿設した隣り合う放熱
孔同士間に跨がつて弾圧係止させると共に、上記
保持体よりも外周側の円周上には、上記保持体の
中間位置に、ホイールリムの内周面に圧接される
支持体を設けてあり、上記取付爪による弾着する
側の支持と、支持体の移動側への支持とによつ
て、ホイールキヤツプをホイールデイスクに圧着
して取付固定することを特徴とするものである。

〔考案の作用〕

次に上記の如く構成した本考案の作用について
説明する。ホイールキヤツプをホイルデイスクに
向つて押圧すれば、ホイールキヤツプの裏面側に
設けた保持体に保持された取付爪をホイールデイ
スクに穿設した放熱孔間に跨つて弾圧係止させる
ことができる。そして上記保持体よりも外周側の
円周上に設けた支持体が、ホイールリムの立上り
傾斜部に圧接されるので、保持体に保持された取
付爪と保持体よりも外周側に設けた支持体との協
働により、ホイールキヤツプをワンタツチでタイ
ヤホイールに圧着状に装着することができる。

〔実施例〕

本考案の構成を図面に示された実施例について
説明すれば、１はアクスルシヤフトであつて、該
アクスルシヤフト１に固定されたハブ２には、ア
クスルシヤフト１の周りに適間隔を存してボルト
３が植設されており、このボルト３にボルト孔４
を挿通してナツト５を螺合緊締することにより、
ホイールデイスク６が取付固定されている。７は
上記ホイールデイスク６の外周縁に固定されたホ
イールリムであつて該ホイールリム７の凹部にタ
イヤ８を嵌着して、車輪部分が構成されている。

上記ホイールデイスク６は、アクスルシヤフト
１の挿通孔９の周りに穿設された上記ボルト孔４
よりも外周側が外面側に膨出してして曲成され、
さらにその外周側には傾斜部１０が内向きに折返
して形成されており、該傾斜部１０には複数の放
熱孔１１が挿通孔９を中心とする円周上に等間隔
に穿設されている。

各図に示す１２はプラスチツク製のホイールキ
ヤツプであつて、表面側では第１図のように意匠
が施され、裏面側（第２図）には内方に向かつて
突出する保持体１４が複数個装着されている。保
持体１４は、ホイールデイスク６に多数穿設され
ている放熱孔１１の間隔に対応して同一円周上に
固着されており、板バネ等の弾性体からなる取付
爪１３を係着して保持している。保持体１４に
は、ホイールデイスク６の前記傾斜部１０に対向
する取付面１５が形成され、該取付面１５の円周
方向の両側面には係止段部１６が形成されてい
る。

つぎに、取付爪１３は、前記取付面１５に対応
する本体部の取付板１８と、その円周方向の両端
側に折曲形成され、係止段部１６に係合する係止
溝１７と、さらに取付板１８を保持体１４の側方
に突出して延長し、先端部を係止溝１７の反対側
に開脚状に曲成した爪体１９，１９とからなり、
取付面１５上を摺動させるだけで簡単に係止段部
１６に保持させることによつて保持体１４に係着
されると共に、爪体１９，１９の間隔で定まる取
付爪１３の長さを相隣る２個の放熱孔１１の孔縁
に跨つて係着することができるように設定してあ
る。２２は取付板１８に設けた位置決め孔であ
る。

上記の如き構成において、いまホイールキヤツ
プ１２をホイールデイスク６に取付けるには、保
持体１４に保持させた取付爪１３を隣接する放熱
孔１１に跨がる位置に臨ませてホイールデイスク
６に向つて押圧するだけで弾性体からなる爪体１
９が放熱孔１１に係止してホイールキヤツプ１２
を確実に固定するので、プラスチツクの熱膨張等
のため、取付け部にガタが発生して走行中に外れ
るようなことはない。そして保持体１４よりも外
周側に設けた支持体２１が、爪体１９の弾圧力に
よりホイールリム７の立上り傾斜面２０に圧接す
るので、車輪の回転速度が速くなつてホイールキ
ヤツプ１２に大きな遠心力が作用しても、周縁部
にビビリが発生するのを確実に防止することがで
きる。そのうえ、ホイールデイスク６を弾圧係止
する取付爪１３は、該ホイールデイスク６の傾斜
部１０に対向して形成した保持体１４の取付面１
５の両側に設けた係止段部１６に沿つてスライド
させるのみで簡単に取付けることができ、作業性
を著しく向上させることができる。

〔考案の効果〕

これを要するに本考案は、ホイールキヤツプの
裏面側に、同一円周上に間隔を存して複数個の保
持体を固着してあり、上記保持体に保持される取
付爪を介して、プラスチツク製ホイールキヤツプ
をホイールデイスクの外面から装着させる取付装
置において、上記保持体のホイールデイスクの外
面側には弾性板からなる取付爪が長手方向を円周
方向に沿わせて半径方向に摺動可能に取り付けら
れており、該取付爪をホイールデイスクに穿設し
た隣り合う放熱孔同士間に跨がつて弾圧係止させ
ると共に、上記保持体よりも外周側の円周上に
は、上記保持体の中間位置に、ホイールリムの内
周面に圧接される支持体を設けてあり、上記取付
爪による弾着する側の支持と、支持体の移動側へ
の支持とによつて、ホイールキヤツプをホイール
デイスクに圧着して取付固定するものであるか
ら、取付爪の保持具への装着は、ホイールキヤツ
プの半径方向に外方から摺動させるだけのもので
ありながら、取付爪が放熱孔に係着したのちは、
確実に遠心力に対する抵抗がえられ脱落が防止さ
れる。しかも、弾性を有する開脚状の爪体の係着
は常に吸着側に作用し、一層外方においてホイー
ルリムの内周面に圧接される支持体は、面内の移
動を阻止するように支持し、これらの協働には特
別の相互関連の構造を必要とすることなく、ホイ
ールキヤツプをホイールデイスクに圧着して取付
け、固定することができ、従つて、取付装置の部
品点数を減少させることができると共に、取付爪
の取付の作業性を向上させて連かに提供すること
ができる。さらに、従来のプラスチツク製ホイー
ルキヤツプのように、熱膨張等のため、走行中外
れるようなことはなく、しかも高速走行の際、ホ
イールキヤツプに大きな遠心力が作用しても、周
縁部にビビリが発生するのを確実に防止すること
ができる等、極めて有用な実用的効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るプラスチツク製ホイールキ
ヤツプの取付装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図はホイールキヤツプの正面図、第２図
は同上背面図、第３図は車輪部分の断面図、第４
図はホイールデイスクの正面図、第５図は同上断
面図、第６図は要部の一部切欠拡大斜視図であ
る。 図中、１……アクスルシヤフト、２……ハブ、
３……ボルト、４……ボルト孔、５……ナツト、
６……ホイールデイスク、７……ホイールリム、
８……タイヤ、９……挿通孔、１０……傾斜部、
１１……放熱孔、１２……ホイールキヤツプ、１
３……取付爪、１４……保持体、１５……取付
面、１６……係止段部、１７……係止溝、１８…
…取付板、１９……爪体、２０……傾斜面、２１
……支持体、２２……位置決め孔である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ホイールキヤツプの裏面側に、同一円周上に
   間隔を存して複数個の保持体を固着してあり、
   上記保持体に保持される取付爪を介して、プラ
   スチツク製ホイールキヤツプをホイールデイス
   クの外面から装着させる取付装置において、上
   記保持体のホイールデイスクの外面側には弾性
   板からなる取付爪が長手方向を円周方向に沿わ
   せて半径方向に摺動可能に取り付けられてお
   り、該取付爪をホイールデイスクに穿設した隣
   り合う放熱孔同士間に跨がつて弾圧係止させる
   と共に、上記保持体よりも外周側の円周上に
   は、上記保持体の中間位置に、ホイールリムの
   内周面に圧接される支持体を設けてあり、上記
   取付爪による弾着する側の支持と、支持体の移
   動側への支持とによつて、ホイールキヤツプを
   ホイールデイスクに圧着して取付固定すること
   を特徴とするプラスチツク製ホイールキヤツプ
   の取付装置。 (2) 取付爪は、保持体に対向する取付板と、保持
   体への係止溝と、取付板を円周方向の外方に延
   長して両端に曲成した爪体とからなり、爪体の
   曲成部を放熱孔の孔縁に係着し、取付板の内面
   をホイールデイスクの外面に当接することを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   プラスチツク製ホイールキヤツプの取付装置。