JPH05231538A - 内燃機関用セラミックスコーティングピストン - Google Patents

内燃機関用セラミックスコーティングピストン

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JPH05231538A
JPH05231538A JP2935192A JP2935192A JPH05231538A JP H05231538 A JPH05231538 A JP H05231538A JP 2935192 A JP2935192 A JP 2935192A JP 2935192 A JP2935192 A JP 2935192A JP H05231538 A JPH05231538 A JP H05231538A
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JP
Japan
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piston
sol
ceramic
liquid composition
ceramics
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JP2935192A
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English (en)
Inventor
Shoichi Nomura
彰一 野村
Akira Kitagawa
章 北川
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PARKER KAKO KK
SHIMA BOEKI KK
Original Assignee
PARKER KAKO KK
SHIMA BOEKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、ピストン上にゾル−ゲル法によるセ
ラミック属を設けてなるセラミックコーティング内燃機
関用ピストンを提供するものである。 【効果】本発明の内燃機関用ピストンは、耐熱性、高温
潤滑性等に優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用セラミック
スコーティングピストンに関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】内燃機関用ピストンは、
従来、鉄、銅合金等を材料として作製されてきたが、近
年エネルギー効率上昇の観点より、低比重のアルミニウ
ム合金やマグネシウム合金の使用が試みられている。ま
た、ピストンとシリンダーとの摩擦を低減させる目的
で、有機系耐熱塗料に二硫化モリブデン、グラファイ
ト、窒化珪素等を混合した高潤滑性塗料をピストンの表
面に塗布して潤滑コーティングを形成することも行われ
ている。
【0003】一方、自動車の燃料効率の上昇の要求が高
まり、エンジンの燃焼温度を従来の800℃ぐらいから
1000℃ぐらいまで上昇させる必要性が生じている
が、現状のアルミニウム合金からなるピストンでは、ヘ
ッド部分が高温に曝されると部分溶融を起すという問題
が発生している。また、ピストンの潤滑コーティング部
分についても、従来の有機系潤滑材では被膜が熱によっ
て侵され、分解又は剥離を生じて機能を発揮しなくなる
という欠点を有している。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記した
如き問題点に鑑みて、内燃機関用ピストンの表面に耐熱
性、高温潤滑性等に優れた皮膜を形成し得る方法を見出
すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ピストンを形
成する金属材料上にゾルゲル法によるセラミック層を設
けることによって、非常に簡単な方法で、ピストン上に
耐熱性、高温潤滑性等に優れた密着性の良い皮膜を形成
できることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0005】即ち、本発明は、ピストン上にゾル−ゲル
法によるセラミック属を設けてなる内燃機関用セラミッ
クコーティングピストンに係る。
【0006】本発明における内燃機関用ピストンとは、
ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の各種の内燃
機関に用いられるピストンをいう。ピストンを形成する
材料は特に限定的ではなく、例えば鉄、アルミニウム、
マグネシウム、銅、又はこれらの合金、ステンレス等の
従来より使用されている一般的な金属材料でよい。
【0007】本発明では内燃機関用ピストンを形成する
金属の表面にゾル−ゲル法によるセラミックス層を設け
る。ゾル−ゲル法によるセラミックス層は、緻密な皮膜
であり、密着性に優れ、耐熱性が良好であり、また高温
潤滑性にも優れたものである。セラミックス層を形成す
る部分は、ピストンの全面である必要はなく、目的に応
じて、ピストンヘッド部、摺動部等に形成すればよい。
【0008】ゾル−ゲル法によるセラミックス層の形成
法としては、各種の方法が公知であり、また、原料とし
ても各種のものが知られているが、本発明では特に限定
的ではなく、いずれも採用できる。
【0009】ゾル−ゲル法によるセラミックスは、通
常、セラミックス原料の液状組成物を塗布し、重合、ゲ
ル化させることによって形成することができる。該液状
組成物は、各種の金属アルコキシドや金属ヒドロキシド
をセラミックス原料として含有するものであり、この様
なセラミックス原料の好ましい例として、 イ)式(R1 m1 (OR2 n (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基又はビニル
基、R2 は水素、メチル、エチル、イソプロピル又はt
−ブチル、M1 はCa又はBa、mは0又は1、nは1
又は2を示す)で表わされる化合物、 ロ)式(R3 k2 (OR4 l (式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基又はビニル
基、R4 は水素、メチル、エチル、イソプロピル又はt
−ブチル、M2 はAl、Y又はLa、kは0又は1、l
は2又は3を示す)で表わされる化合物、 ハ)式(R5 i3 (OR6 j (式中、R5 は炭素数1〜3のアルキル基又はビニル
基、R6 は水素、メチル、エチル、イソプロピル又はt
−ブチル、M3 はTi、Zr、Mn、Sn、Si又はS
r、iは0又は1、jは3又は4を示す)で表わされる
化合物、等を挙げることができる。これらの化合物は1
種又は2種以上組み合わせて用いることができ、また2
種以上が縮合しているものを用いてもよい。
【0010】上記セラミックス原料の具体例としては、
Ca(OCH3 2 、Ca(OC2 5 2 、Ca(O
3 7 2 、Ca(OC4 9 2 、Ba(OC
3 2 、Ba(OC2 5 2 、Ba(OC3 7
2 、Ba(OC4 9 2 、Al(OCH3 3 、Al
(OC2 5 3 、Al(OC3 7 3 、Al(OC
4 9 3 、CH3 Al(OCH3 2 、CH3 Al
(OC2 5 2 、CH3 Al(OC3 7 2 、CH
3 Al(OC4 9 2 、Ti(OCH3 4 、Ti
(OC2 5 4 、Ti(OC3 7 4 、Ti(OC
4 9 4 、CH3 Ti(OCH3 3 、CH3 Ti
(OC2 5 3 、CH3 Ti(OC3 7 3 、CH
3 Ti(OC4 9 3 、C2 5 Ti(OC
3 3 、C2 5 Ti(OC2 5 3 、C2 5
i(OC3 7 3 、C2 5 Ti(OC4 9 3
Si(OCH3 4 、Si(OC2 5 4 、Si(O
3 7 4 、Si(OC4 9 4 、CH3 Si(O
CH3 3 、CH3 Si(OC2 5 3 、CH3 Si
(OC3 7 3 、CH3 Si(OC4 9 3 、C2
5 Si(OCH3 3 、C2 5 Si(OC2 5
3 、C2 5 Si(OC3 7 3 、C2 5 Si(O
4 9 3 、Zr(OCH3 4 、Zr(OC
2 5 4 、Zr(OC3 7 4 、Zr(OC
4 9 4 、CH3 Zr(OCH3 3 、CH3 Zr
(OC2 5 3 、CH3 Zr(OC3 7 3 、CH
3 Zr(OC4 9 3 、C2 5 Zr(OC
3 3 、C2 5 Zr(OC2 5 3 、C2 5
r(OC3 7 3 、C2 5 Zr(OC4 9 3
Y(OCH3 3 、Y(OC2 5 3 、Y(OC3
7 3 、Y(OC4 9 3 、La(OCH3 3 、L
a(OC2 5 3 、La(OC3 7 3 、La(O
4 9 3 、Mn(OCH3 4 、Mn(OC
2 5 4 、Mn(OC3 7 4 、Mn(OC
4 9 4 、Sn(OCH3 4 、Sn(OC2 5
4 、Sn(OC3 7 4 、Sn(OC4 9 4 、S
r(OCH3 4 、Sr(OC2 5 4 、Sr(OC
3 7 4 、Sr(OC4 9 4 、Ca(OH)2
Ba(OH)2 、Al(OH)3 、CH3 Al(OH)
2 、Ti(OH)4 、CH3 Ti(OH)3 、C2 5
Ti(OH)3 、Si(OH)4 、CH3 Si(OH)
3 、C2 5 Si(OH)3 、Zr(OH)4 、CH3
Zr(OH)3 、C2 5 Zr(OH)3 、Y(OH)
3 、La(OH)3 、Mn(OH)4 、Sn(O
H)4 、Sr(OH)4等を挙げることができる。ま
た、これらの縮合物は、上記化合物の任意の組み合わせ
により自由に作製でき、分子量も適宜選択できる。縮合
物の一例としては、ZrOSi(OC2 5 6 、Al
OSi(OC2 5 5 、TiOSi(OC
2 5 6 、(C3 7 O)3 ZrOSi(OC
2 5 3 、(C4 9 O)3 ZrOSi(OC
2 5 3 、(C3 7 O)3 TiOSi(OC
2 5 3 、(C4 9 O)3 TiOSi(OC
2 5 3 、(C3 7 O)2 AlOSi(OC
2 5 3 、(C4 9 O)2 AlOSi(OC
2 5 3 、等を示すことができる。
【0011】これらのセラミックス原料は、通常、有機
溶剤、水、これらの混合溶媒等に溶解又は分散して用い
られるが、セラミックス原料自体で液状のものは、その
まま用いることも可能である。有機溶剤は、公知のゾル
−ゲル法の液状組成物において用いられるものをいずれ
も使用でき、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等の低級アルコール類、エチレング
リコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール
モノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアル
キルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエ
ーテル等のアルキル基としてメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等を有する炭化水素エーテルアルコール類、
エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルア
セテート等の上記炭化水素エーテルアルコール類の酢酸
エステル類、エトキシエチルアセテート等のアルコール
類の酢酸エステル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、アセトン、キ
シレン、トルエン等を用いることができる。
【0012】液状組成物中のセラミックス原料の濃度
は、通常10〜100重量%程度とすればよく、使用す
る原料の性質に応じて適宜決定すればよい。
【0013】また、上記セラミックス原料の液状組成物
には、必要に応じてコロイド状物質及び/又は無機微粉
末を添加することができる。コロイド状物質及び/又は
無機微粉末の添加によって、ゾル−ゲル法により形成さ
れるセラミックス層がより緻密化される。
【0014】本発明で用いられるコロイド状物質とは、
10〜10000オングストローム程度の液状又は固体
の粒子が分散媒中に分散しているものをいい、各種の公
知のものが使用できる。分散媒としては、通常、上記し
た低級アルコール類、炭化水素エーテルアルコール類、
これらの酢酸エステル類等の有機溶剤や水が単独又は混
合して用いられており、分散粒子の濃度は10〜60重
量%程度のものが一般的である。本発明では、このよう
なコロイド状物質をいずれも用いることができる。コロ
イド状物質の具体例としては、コロイド状シリカ、コロ
イド状アルミナ、コロイド状酸化チタン、コロイド状酸
化ジルコニウム、コロイド状硅酸ジルコン、コロイド状
水酸化アルミニウム、コロイド状水酸化ジルコニウム等
を挙げることができる。
【0015】無機微粉末は、粒子径5〜150mμ程度
のものが適当であり、例えばアルミナ微粉末、酸化チタ
ン微粉末、シリカ微粉末等を用いることができる。
【0016】コロイド状物質及び/又は無機微粉末は、
セラミックス原料の液状組成物中に70重量%程度まで
添加することができ、好ましくは、3〜40重量%程度
添加すればよい。
【0017】上記セラミックス原料の液状組成物には、
更に必要に応じて、充填剤、顔料、被覆補強材等を添加
してもよい。顔料及び/又は充填剤としては、通常の無
機系のものを用いることができ、例えば、酸化マグネシ
ウム、窒化硅素、窒化硼素、黒鉛、二硫化モリブデン、
窒化チタン、酸化ニッケル、石英、シリカ、硅酸ジルコ
ン、アルミナ、酸化チタン、チタンイエロー、炭酸マグ
ネシウム、ドロマイト、炭化硅素、炭化タングステン、
酸化鉄(赤、黒)、バリウムイエロー、アンチモンイエ
ロー、コバルトブルー、コバルトバイオレット、コバル
トグリーン、マンガンブラック、マンガンブルー、マン
ガンバイオレット、ストロンチウムクロメート、タル
ク、クロムオキサイドハイドレートグリーン、クロムオ
キサイドグリーン、亜鉛グリーン、炭酸バリウム、チョ
ーク、沈澱炭酸カルシウム、アルミナハイドレート、酸
化亜鉛、ホタル石、モリブデン赤、モリブデンオレン
ジ、クロムイエロー、鉛クロメート、ウルトラマリー
ン、朱、塩基性炭酸鉛等を用いることができる。顔料及
び充填剤は、常法に従って、顔料用充填剤、増粘剤等と
ともに用いることができる。
【0018】被覆補強材は、無機質で繊維状のものをい
い、この代表例としてチタン酸カリウム、炭化硅素、窒
化硅素、酸化アルミニウム、ベリリア、炭化硼素、硅酸
塩ガラス、石英などがある。
【0019】顔料及び/又は充填剤は、液状組成物中に
70重量%程度まで、好ましくは0.1〜40重量%程
度添加することができる。また被覆補強材は、液状組成
物中に70重量%程度まで、好ましくは1〜65重量%
程度添加することができる。
【0020】上記した液状組成物は、急速なゲル化を防
止するためにpH2.5〜6.0程度に調整することが
好ましい。pH調整には、例えば、塩酸、酢酸、クロロ
酢酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、トルエンスル
ホン酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、安息香酸等の
無機酸又は有機酸を用いることができる。
【0021】また、上記液状組成物には、更に、室温で
は該液状組成物をゲル化させることがなく、加熱によっ
て解離して該液状組成物の重合を加速することのできる
緩衝化潜触媒として、カルボン酸金属塩、アミンカルボ
キシレート、四級アンモニウムカルボキシレート、硝酸
塩等を液状組成物中に1.5重量%程度まで添加するこ
とができる。このような緩衝化潜触媒としては、ジメチ
ルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート、ジ
メチルアニリンホルメート、酢酸ナトリウム、プロピオ
ン酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ベン
ジルトリメチルアンモニウムアセテート、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム等を例示できる。本発明では、上
記したセラミックス原料の液状組成物をピストン上のセ
ラミックス層を形成すべき部分に、スプレー法、デップ
法、ロールコート法、ハケ塗り法、印刷法等の各種の塗
布法によって塗布し、重合ゲル化させることによってセ
ラミックス層を形成させる。
【0022】セラミックス原料の液状組成物の重合ゲル
化は、常温でも進行するが、加熱することによって、ゲ
ル化時間が短縮され、また、重合密度が上がって、セラ
ミックス層がより緻密化する。加熱温度は特に限定はな
く、高温で加熱するほどセラミックス層をより緻密化す
ることができ、50〜200℃程度で10〜30分程度
加熱することが適当である。
【0023】尚、ゾル−ゲル法によるセラミックス層で
は、ピンホールの発生を完全に防止するために、セラミ
ックス原料の液状組成物の塗布、乾燥後、又は加熱硬化
後に、更に、該液状組成物を一層又は二層以上重ね塗り
し、硬化させて二層以上のセラミックス層を形成させる
ことが好ましい。
【0024】ゾル−ゲル法によるセラミックス層は、合
計厚さ3〜150μm程度とすればよい。
【0025】
【発明の効果】本発明の内燃機関用セラミックスコーテ
ィングピストンは、密着性に優れた緻密なセラミックス
層を有するものであり、耐熱性に優れ、シリンダー内の
高温からピストンを形成する金属材料を保護することが
できる。また、高温においても良好な潤滑性を保持で
き、従来の燃焼温度より高い温度にも耐えて内燃機関の
エネルギー効率を向上させることができ、また、燃費の
向上にも大きな効果を示すものである。
【0026】
【実施例】以下実施例を示して、本発明を更に詳細に説
明する。
【0027】
【実施例1】イソプロピルアルコール15g及び水15
gからなる混合溶媒に粒径20mμの微粉末アルミナ5
gを加え、更に充填剤として硅酸ジルコン15g、酸化
マンガン10g、シリカ15g及び窒化硼素10g、被
覆補強剤としてチタン酸カリウム繊維9gを加え、これ
に更に塩酸0.1gを添加した溶液にメチルトリメトキ
シシラン30gを加えて混合し、セラミックス原料の液
状組成物を調製した。一方アルミニウム合金で作ったピ
ストンの表面に上記液状組成物をスプレー法により塗布
し、150℃で30分間加熱し、厚さ30μmのセラミ
ックス層を形成した。得られたセラミックスコーティン
グピストンについて、物性試験を行なった結果を表1に
示す。
【0028】 表1 試験項目 試験結果 密着性 JIS K−5400 100/100 硬度 鉛筆硬度 6H 耐熱性 450℃5時間 塗膜に異常なし 摩擦係数 JIS K−7125 0.226 上記ピストンをエンジンに装着し、実装試験を5時間行
なったが全く異常が認められなかった。この時のシリン
ダー内の燃焼温度を測定すると800℃であった。次に
シリンダー内への酸素量を多くして燃焼温度を950℃
まで上昇させて連続5時間運転を行ない、その後ピスト
ンを取り外し、ピストンの表面状態を調べたが全く変化
がみられなかった。また、該ピストンの摩擦係数を測定
すると0.164まで下がっていた。
【0029】以上の結果から判るように、アルミニウム
合金上に形成したセラミックス層によりアルミニウム合
金を熱より保護することができ、シリンダー内の燃焼温
度を高くすることが可能となり、また高温における潤滑
性を向上させることもできる。
【0030】
【実施例2】Ti(OC4 9 4 とSi(OCH3
4 の部分縮合物(C4 9 O)3 Ti−O−Si(OC
3 3 35gにイソプロピルアルコール30g及びブ
チルセルソルブ3gを添加混合し、これに粒径20mμ
の微粉末シリカを3g添加し、更に充填剤としてタルク
10g、酸化アルミニウム10g及び窒化硼素5g、被
覆補強剤としてチタン酸カリウム繊維5gを加え、断熱
材としてアルミナ−シリカ繊維を10g添加し、更に、
酢酸0.5gを加えて、セラミックス原料の液状組成物
を調製した。
【0031】これをアルミニウム合金製ピストンにスプ
レー法にて塗布し、200℃で20分間加熱して、厚さ
20μmのゾル−ゲル法によるセラミックス層を形成し
た。得られたセラミックスコーティングピストンをエン
ジンに取り付けて実施例1と同様のテストを行なった。
結果を下記表2に示す。
【0032】 表2 試験項目 試験結果 密着性 JIS K−5400 100/100 硬度 鉛筆硬度 4H 耐熱性 450℃5Hr 塗膜に異常なし 摩擦係数 JIS K−7125 0.178
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月9日
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】即ち、本発明は、ピストン上にゾル−ゲル
法によるセラミックス層を設けてなる内燃機関用セラミ
ックコーティングピストンに係る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン上にゾル−ゲル法によるセラミッ
    ク属を設けてなる内燃機関用セラミックコーティングピ
    ストン。
JP2935192A 1992-02-17 1992-02-17 内燃機関用セラミックスコーティングピストン Pending JPH05231538A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008533349A (ja) * 2005-02-15 2008-08-21 カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 内燃機関の燃焼室内の、排ガス腐食に対する保護層

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