JPH05230210A - 導電性高分子の製法 - Google Patents

導電性高分子の製法

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JPH05230210A
JPH05230210A JP1145892A JP1145892A JPH05230210A JP H05230210 A JPH05230210 A JP H05230210A JP 1145892 A JP1145892 A JP 1145892A JP 1145892 A JP1145892 A JP 1145892A JP H05230210 A JPH05230210 A JP H05230210A
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JP
Japan
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aniline
mmol
polyaniline
reaction
ferric chloride
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Pending
Application number
JP1145892A
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English (en)
Inventor
Ayumi Yasuda
歩 安田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアニリンを含む導電性高分子を高収率で
製造することのできるポリアニリンからなる導電性高分
子の製法を提供するものである。 【構成】 ポリアニリンからなる導電性高分子の製法
は、アニリン、またはアニリン誘導体を含むアニリン化
合物を塩化第2鉄の存在下で、かつ30℃以上45℃未
満の温度で酸化重合するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリアニリンからな
る導電性高分子の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアニリンは芳香族系の導電性高分子
として知られている。このポリアニリンは、直鎖共役系
のポリアセチレンと比較すると、空気酸化に対する安定
性が極めて優れており、例えば二次電池のリチュウムア
ルミニュウムを対極とする正極材料として実用に供され
ている。他の用途としては、エレクトロクロミック材
料、固定化酵素の担体、半導体の光溶解を抑制する表面
被覆材料、トランジスター、電子移動触媒作用を利用し
た半導体電極の被覆材料、二酸化炭素の光電気化学還元
触媒、さらには光電応答を示す電極材料としての利用な
ど、色々な応用が検討されている。
【0003】このような用途に供されるポリアニリンの
製法としては、これまでは塩酸中でアニリン化合物を二
硫酸アンモニュウムで酸化重合する製法と塩酸中でアニ
リン化合物を塩化第二鉄を用いて−4乃至0℃の温度範
囲で酸化重合する製法が知られている。しかしながら、
前者の製法を採用する場合、モノマーであるアニリン化
合物、とりわけアニリン誘導体は水に不溶性で有機溶媒
には可溶性であること、一方の二硫酸アンモニュウムは
有機溶媒には溶解性が低いことから、このような反応系
ではポリアニリンの収率が低い。後者の製法でも前者の
製法に比較すると、収率の点で満足できるものでないば
かりでなく、高分子量のポリアニリンは得られず、いづ
れの製法も工業的に実施するレベルには至っていないの
が実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の課題は、高分子量のポリアニリンから成る導電性高分
子を高収率で製造することのできるポリアニリンからな
る導電性高分子の製法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の特徴は、アニ
リン、またはアニリン誘導体を含むアニリン化合物を塩
化第2鉄の存在下で、かつ30℃乃至45℃未満の温度
で酸化重合する点にある。
【0006】以下、この発明を説明する。この発明にお
いて、アニリン、またはアニリン誘導体を含むアニリン
化合物としては、たとえば下記の構造式を有するアニリ
ン化合物を用いることができる。
【0007】
【化1】
【0008】ここでRは水素、アルキル基、又はアリル
基である。これらのアニリン化合物を塩化第2鉄の水溶
液中で酸化重合するに際しては、30℃以上45℃未満
の温度領域で行う点に特徴がある。すなわち、30℃以
上で酸化重合して初めて高収率でポリアニリンを得るこ
とができ、30℃よりも低温域では、従前の収率にとど
まる。そして45℃以上の高温域では副反応が生じ、重
合物は得られるものの副反応による生成物はポリアニリ
ンではない。溶媒は有機溶媒、または水溶媒いづれでも
よく、アニリン化合物と塩化第2鉄を十分に溶解する性
質を有する溶媒が最適である。有機溶媒としては、アセ
トニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベ
ンゼン、又はクロロホルムの1種または2種以上を混合
した有機溶媒が用いられる。酸化重合した結果、生成し
たポリアニリンからなる導電性ポリマーは、たとえば濾
過して溶媒と分離する。分離されたポリマーは第1鉄イ
オン、または第2鉄イオンと錯体を構成しているので、
この錯体中の鉄イオンを除去するために、たとえば塩酸
等の酸で洗浄し、さらにアンモニア水等の弱アルカリで
中和し、さらにメタノール、エーテル等の揮発性の高い
有機化合物で洗浄して精製する。
【0009】以下、実施例、比較例を挙げる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)アニリン75mmolを50mlの水とと
もにフラスコに仕込み、35℃に保った。そこに水50
mlに溶解した187.5mmolの塩化第2鉄を滴下
し反応液とした。反応は発熱的であるため、滴下には1
時間を要した。24時間35℃に保持しながら反応させ
た後、分散、沈澱したポリマーをフィルターを用いて回
収し、1N塩酸で洗浄した。これは、生成したポリマー
と錯体を構成する第1鉄イオン、第2鉄イオンを除去す
るためである。この操作はフィルターでポリマーを回収
しながら洗浄液が透明になるまで繰り返した。その後、
同様に1NのNH3 水溶液で洗浄した。これは生成した
ポリマーの塩を塩基に変えるためである。この後、同様
にメタノール中で洗浄した。最後にジエチルエーテル中
で洗浄し、真空乾燥した。これにより、収率を求めた結
果、51%で、GPCによる数平均分子量を求めた結
果、21,000であった。 (実施例2)アニリン75mmolを50mlの水とと
もにフラスコに仕込み、31℃に保った。そこに水50
mlに溶解した187.5mmolの塩化第2鉄を滴下
し反応液とした。その後の操作は実施例1と同一の条件
と手順でポリアニリンを得た。その結果、収率42%で
GPCによる数平均分子量を求めた結果12,000で
あった。 (実施例3)塩酸アニリン75mmolを50mlの水
に溶解してフラスコに仕込み、35℃に保った。そこ
に、水50mlに溶解した187.5mmolの塩化第
2鉄を滴下し反応液とした。その後の操作は、実施例1
と同一の条件と手順で反応と処理を施した。その結果、
収率は42%で、GPCによる数平均分子量は13,0
00であった。 (実施例4)アニリン50mmolを0.1Nの塩酸5
0mlに溶解してフラスコに仕込み、35℃に保った。
そこに水50mlに溶解した187.5mmolの塩化
第2鉄を滴下し反応液とした。その後の操作は実施例1
と同一の条件と手順で反応と処理を施した。その結果、
収率は46%で、GPCによる数平均分子量は16,0
00であった。 (実施例5)O−トルイジン50mmolを50mlの
アセトニトリルとともにフラスコに仕込み、35℃に保
った。そこに、さらにアセトニトリル50mlに溶解し
た187.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応液とし
た。その後の操作は実施例1と同一の条件と手順で反応
と処理を施した。その結果、ポリアニリンの収率は41
%で、GPCによる数平均分子量は12,000であっ
た。 (実施例6)O−トルイジン50mmolを50mlの
アセトニトリルとともにフラスコに仕込み、35℃に保
った。そこに、さらにアセトニトリル50mlに溶解し
た187.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応液とし
た。その後の操作は実施例1と同一の条件と手順で反応
と処理を施した。その結果、ポリアニリンの収率は4
0.1%で、GPCによる数平均分子量は14,000
であった。 (実施例7)アニリン50mmolを50mlのアセト
ニトリルとともにフラスコに仕込み、35℃に保った。
そこに、さらにアセトニトリル50mlに溶解した18
7.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応液とした。そ
の後の操作は実施例1と同一の条件と手順で反応と処理
を施した。その結果、ポリアニリンの収率は26.8%
で、GPCによる数平均分子量は7,800であった。 (実施例8)アニリン50mmolを50mlのベンゾ
ニトリルとともにフラスコに仕込み、35℃に保った。
そこに、さらにベンゾニトリル50mlに溶解した18
7.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応液とした。そ
の後の操作は実施例1と同一の条件と手順で反応と処理
を施した。その結果、ポリアニリンの収率は18.6%
で、GPCによる数平均分子量は9,600であった。 (実施例9)アニリン50mmolを50mlのクロロ
ホルムとともにフラスコに仕込み、35℃に保った。そ
こに、さらにクロロホルム50mlに溶解した187.
5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応液とした。その後
の操作は実施例1と同一の条件と手順で反応と処理を施
した。その結果、ポリアニリンの収率は35.4%で、
GPCによる数平均分子量は11,000であった。
【0011】
【比較例】
(比較例1)アニリン75mmolを50mlの水とと
もにフラスコに仕込み、0℃に保った。そこに水50m
lに溶解した187.5mmolの塩化第2鉄を滴下
し、反応液とした。反応は発熱的であるため、滴下には
1時間を要した。24時間かけて0℃において反応させ
たが、反応液の性状は変化がなく、酸化重合反応は起き
なかった。 (比較例2)アニリン75mmolを50mlの水とと
もにフラスコに仕込み、45℃に保った。そこに水50
mlに溶解した187.5mmolの塩化第2鉄を滴下
し、反応液とした。45℃に保持しながら24時間反応
させた結果、分散、沈澱したポリマーをフィルターを用
いて回収し、1N塩酸で洗浄した。この操作はフィルタ
ーでポリマーを回収しながら、洗浄液が透明になるまで
繰り返した。その後、同様に1NのNH3 水溶液で洗浄
した。さらにメタノール中で洗浄した後、ジエチルエー
テル中で洗浄し、真空乾燥した。これにより、収率を求
めた結果、38%でGPCによる数平均分子量は6,2
00であった。 (比較例3)比較例1と同一の反応液を20℃に保ちな
がら24時間かけて反応させたが、反応液の性状はほと
んど変化がなく、目的とする高分子量のポリアニリンを
得ることはできなかった。 (比較例4)比較例1と同一の反応液を25℃に保ちな
がら24時間かけて反応させ、分散、沈澱した生成物を
フィルターを用いて回収した後、1N塩酸で洗浄した。
この洗浄は洗浄液が透明になるまで繰り返した。その
後、同様に1NのNH3 水溶液で洗浄した。この後、同
様にメタノール中で洗浄した。最後にジエチルエーテル
中で洗浄し、真空乾燥した。これにより、収率を求めた
結果、8.7%で、GPCによる数平均分子量を求めた
結果、6,400であった。 (比較例5)アニリン50mmolを50mlのエチル
アルコールとともにフラスコに仕込み、35℃に保っ
た。そこに、さらにエチルアルコール50mlに溶解し
た187.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応液とし
た。その後の操作は実施例1と同一の条件と手順で反応
と処理を施した。その結果、ポリアニリンの収率は4.
2%で、GPCによる数平均分子量は4,200であっ
た。 (比較例6)アニリン50mmolを50mlのジメチ
ルホルムアミドとともにフラスコに仕込み、35℃に保
った。そこに、さらにジメチルホルムアミド50mlに
溶解した187.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反応
液とした。その後の操作は実施例1と同一の条件と手順
で反応と処理を施した。その結果、ポリトルイジンの収
率は1.5%で、GPCによる数平均分子量は6,70
0であった。 (比較例7)O−トルイジン50mmolを50mlの
テトラヒドロフランとともにフラスコに仕込み、35℃
に保った。そこに、さらにテトラヒドロフラン50ml
に溶解した187.5mmolの塩化第2鉄を滴下し反
応液とした。その後の操作は実施例1と同一の条件と手
順で反応と処理を施した。その結果、ポリトルイジンの
収率は1.5%で、GPCによる数平均分子量は5,4
00であった。
【0012】以上の実施例と比較例を対比すると、水溶
媒または有機溶媒を問わず、30℃よりも低温側でも、
又45℃以上の高温側でもアニリン化合物を塩化第2鉄
で酸化重合反応をさせると、高分子量のポリアニリンを
高収率で得ることができず、30℃以上乃至45℃未満
で初めて高分子量のポリアニリンを高収率で得ることが
できるのである。
【0013】
【発明の効果】この発明によると、高分子量のポリアニ
リンからなる導電性高分子を高収率で製造することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニリン、またはアニリン誘導体を含む
    アニリン化合物を塩化第2鉄の存在下で、かつ30℃乃
    至45℃未満の温度で酸化重合することを特徴とするポ
    リアニリンからなる導電性高分子の製法。
  2. 【請求項2】 水溶液中で酸化重合する請求項1記載の
    導電性高分子の製法。
  3. 【請求項3】 アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニト
    ロメタン、ニトロベンゼン、クロロホルムから成る群の
    1又は2種以上を混合した有機溶媒中で酸化重合する請
    求項1記載の導電性高分子の製法。
JP1145892A 1991-12-27 1992-01-27 導電性高分子の製法 Pending JPH05230210A (ja)

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JP1145892A JPH05230210A (ja) 1991-12-27 1992-01-27 導電性高分子の製法

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JP3-346418 1991-12-27
JP34641891 1991-12-27
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144189A1 (ja) * 2011-04-21 2012-10-26 パナソニック株式会社 二酸化炭素の吸着及び放出デバイス

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144189A1 (ja) * 2011-04-21 2012-10-26 パナソニック株式会社 二酸化炭素の吸着及び放出デバイス
JP5604588B2 (ja) * 2011-04-21 2014-10-08 パナソニック株式会社 二酸化炭素の吸着及び放出デバイス
US9205369B2 (en) 2011-04-21 2015-12-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Adsorption and release device of carbon dioxide

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