JPH0725869B2 - ポリ−p−フェニレンビニレンの製造方法 - Google Patents

ポリ−p−フェニレンビニレンの製造方法

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JPH0725869B2
JPH0725869B2 JP63179254A JP17925488A JPH0725869B2 JP H0725869 B2 JPH0725869 B2 JP H0725869B2 JP 63179254 A JP63179254 A JP 63179254A JP 17925488 A JP17925488 A JP 17925488A JP H0725869 B2 JPH0725869 B2 JP H0725869B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は高導電性を有するポリ−p−フェニレンビニレ
ンの製造方法に関する。この重合体は導電性高分子とし
て有用である。
〈従来の技術〉 ポリ−p−フェニレンビニレンは導電性の直鎖状共役系
高分子として知られている。例えば特開昭59−199746号
公報に記載されているように、p−キシリレンビス(ジ
アルキルスルホニウムハライド)から塩基触媒を用いて
得られるスルホニウム塩を側鎖に有する可溶性高分子中
間体を得た後、熱処理により側鎖のスルホニウム塩を脱
離させることによりポリ−p−フェニレンビニレンが得
られる。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、p−キシリレンビス(ジアルキルスルホ
ニウムハライド)を原料とする合成においては、熱処理
による脱スルホニウム塩化で、充分に共役化したポリ−
p−フェニレンビニレン構造を生成させるには350℃以
上の高温処理が必要である。例えば、p−キシリレンビ
ス(ジエチルスルホニウムブロミド)を原料として用い
るポリ−p−フェニレンビニレンの合成においては、20
0℃位までの熱処理では完全なポリ−p−フェニレンビ
ニレン構造にはならず、脱スルホニウム塩化時に副反応
により生じたチオエーテル基が側鎖に置換した構造単位
が生成し、完全な共役系生成にまで至らないことが報告
されている(ポリマーコニュミケーション、25巻327
頁)。また、熱分析の結果より、ここで生成する側鎖の
チオエーテル基を脱離して完全なポリ−p−フェニレン
ビニレン構造にするためには、300℃以上の高温熱処理
が必要であった。この様な高温での熱処理は脱離生成物
との反応など副反応が起こり、非共役結合生成の原因と
なることが予想され、高導電性のポリ−p−フェニレン
ビニレンが得られ難いと考えられていた。また、完全な
ポリ−p−フェニレンビニレン構造を得るためには高温
熱処理が必要であることから工業的に不利であり、用途
が限定される。このように比較的低温で充分な共役系高
分子となり、他の樹脂との混合や基板上へ塗布を行う場
合でも広い素材を選択できる共役系高分子が求められて
いた。本発明者らは上記の実情に鑑み、鋭意検討した結
果、従来のポリ−p−フェニレンビニレンの合成方法で
副次的に生じるチオエーテル基の生成を防止し、より低
温で充分に共役系構造を有するポリ−p−フェニレンビ
ニレンを得る方法を見出した。
本発明の目的は従来よりも低い熱処理温度で共役系とな
り、しかもより高い導電性を示すポリ−p−フェニレン
ビニレンを製造する方法を提供することである。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち、本発明は一般式(1) n:10以上の整数 X-:対イオン Y:炭素を3以上含む2価の基 で示される環状スルホニウム塩を側鎖とするポリ−p−
フェニレンビニレン中間体を熱処理して、環状スルホニ
ウム塩側鎖を脱離することを特徴とするポリ−p−フェ
ニレンビニレンの製造方法を提供することにある。
以下、本発明について詳述する。
本発明において一般式(1)の高分子スルホニウム塩の
合成方法としては一般式(2) X-:対イオン Y:炭素を3以上含む2価の基 で表されるp−キシリレンビススルホニウム塩モノマー
をアルカリで縮合重合することにより合成することがで
きる。
上記一般式(2)で示されるp−キシリレンビススルホ
ニウム塩はp−キシリレンジハライドと環状スルフィド から合成することができる。
上記の環状スルフィドのYとしては炭素を3以上含む2
価の基、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜6含む
2価の基である。また、Yの環を形成する炭素−炭素結
合の間に−O−(エーテル)または=C=O(ケトン)
結合を有したものであってもよく、 の具体例としては、例えば 等が挙げられる。
スルホニウム塩の対イオンX-は特に限定されず任意のも
のを用いることができる。例えば、ハロゲン、水酸基、
4弗化ホウ素、過塩素酸、カルボン酸、スルホン酸イオ
ン等を使用することができ、なかでも塩素、臭素、ヨウ
素などのハロゲンおよび水酸基イオンが好ましい。
高分子中間体はp−キシリレンビススルホニウム塩を水
単独でもしくは水に可溶な有機溶媒、例えばアルコール
類との混合溶媒中で、アルカリを用いて縮合重合して得
ることができる。好ましくは水単独もしくは水とこれに
可溶な有機溶媒との混合溶媒中で、さらにより好ましく
は水単独もしくは水とアルコール類の混合溶媒中で重合
するのが効果的である。
縮合重合に用いるアルカリ溶液は、水もしくはスルホニ
ウム塩と反応しない有機溶媒、例えばアルコール類と水
の混合溶媒中でpH11以上の強い塩基性溶媒であることが
好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、第4級アンモニウム塩水酸化物、スルホニ
ウム塩水酸化物、強塩基性イオン交換樹脂(OH型)等を
用いることできるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、強塩基性イオン交換樹脂が好適に使用できる。成形
性に富んだ高分子中間体を得るためには分子量が充分大
きいことが好ましく、少なくとも高分子中間体の重合度
が10以上、好ましくは30ないし50000で、例えば分画分
子量3500の透析膜による透析処理で透析されない分子量
を有するようなものが効果的に用いられる。
本発明の方法によれば、高分子中間体はスルホニウム塩
を側鎖に有する高分子量の高分子電解質(高分子スルホ
ニウム塩)として得ることができるが、後述するごと
く、熱、光、紫外線、強い塩基性条件等に敏感であり、
徐々に脱スルホニウム塩化が起こり、部分的に共役構造
を有する高分子スルホニウム塩と成り易く、不均質とな
ることがある。したがって、縮合重合反応は比較的低
温、すなわち、少なくとも50℃以下で重合溶媒が固化し
ない温度以上で、特に25℃以下の温度で反応を実施する
ことが好ましい。反応時間は特に限定はしないが、通常
1分〜50時間の範囲である。
本発明の特徴は、高分子中間体が水単独もしくは水とこ
れに可溶な有機溶媒との混合溶媒、さらにはメタノール
などの有機溶媒にも可溶であり、特にその溶液から任意
の形状の成形物を作ることができ、比較的低温での処理
で共役系高分子となることである。高分子成形物を得る
には任意の方法が用いられる。またその形態に関しては
例えばフィルム、繊維、塗布膜、その他任意の成形物や
他の高分子との混合物を選ぶことができる。特に有用な
成形方法は高分子スルホニウム塩水溶液あるいはアルコ
ールとの混合溶液、あるいはアルコール単独溶液を用い
る方法であり、これからのキャストによるフィルム化ま
たは溶液紡糸にる繊維化、基質への溶液塗布を行う方法
である。このとき予め透析処理、再沈処理などにより脱
塩もしくは未反応物を除いた高分子スルホニウム塩溶液
を用いることが好ましい。
高分子中間体の脱スルホニウム塩処理によりポリ−p−
フェニレンビニレンを製造することができる。脱スルホ
ニウム塩処理は熱、光、紫外線、強い塩基処理などの条
件を適用することにより行うことできるが、充分に共役
の程度の高い高分子を得るには加熱処理が好ましい。ま
た、高分子スルホニウム塩の脱スルホニウム塩処理は不
活性雰囲気で行うことが好ましい。
ここでいう不活性雰囲気とは処理中に高分子の変質を起
こさない雰囲気をいい、一般には窒素、アルゴン、ヘリ
ウムなどの不活性ガスを用いて行われるが、真空下ある
いは不活性媒体中でこれを行っても良い。
熱により脱スルホニウム塩処理を行う場合、余りの高熱
での熱処理は生成するポリ−p−フェニレンビニレンの
分解をもたらし、低温では生成反応が遅く実際的でない
ので、通常処理温度は0℃〜400℃、好ましくは80℃〜3
50℃が適する。また、処理時間は処理温度とのかねあい
で適宜時間を選ぶことができるが、1分〜10時間の範囲
が工業上実際的である。
このようにして製造されるポリ−p−フェニレンビニレ
ンは側鎖にエチエーテルを持つ構造単位を生成しない。
すなわち、従来のp−キシリレンビス(ジエチルスルホ
ニウムブロミド)を原料として得たポリ−p−フェニレ
ンエチレンスルホニウム塩においては、100℃付近で脱
スルホニウム塩化し、共役系が生成するが、250℃位ま
での熱処理では、硫黄原子を1〜3重量%含有した高分
子が生成する。この硫黄原子は側鎖のチオエーテル基で
あると考えられ、完全な共役系は生成していない。さら
に、350℃以上の熱処理で硫黄原子は殆ど無くなり、側
鎖のチオエーテル基が脱離して、完全なポリ−p−フェ
ニレンビニレン構造となる。一方、本発明の製造方法に
よれば、例えば、p−キシリレンビス(テトラメチレン
スルホニウムブロミド)を原料とするポリ−p−フェニ
レンビニレンの合成においては、120℃付近で脱スルホ
ニウム塩化が起こるが、200℃位での熱処理で、硫黄原
子は1重量%以下となり、充分に脱スルホニウム塩化が
起こっており、エチエーテル基が側鎖に置換した構造単
位が実質的に生成していないことが、熱分析の結果より
明らかになった。従って、本発明方法によれば、従来よ
りも低い熱処理温度で容易により完全な共役系を持った
ポリ−p−フェニレンビニレンを得ることができる。
また、高分子スルホニウム塩中間体の成形物を延伸配向
させて熱処理することもできる。これらの延伸配向処理
は成形体単独、または膨潤溶媒中で脱スルホニウム塩処
理を行う前に、あるいは成形体単独では脱スルホニウム
塩化と同時に行うことができる。配向は成形方法を工夫
することで、例えば高い剪断力による押し出しなどでも
できるが、高分子スルホニウム塩溶液から高分子中間体
成形物を延伸加熱処理することにより高い配向性を付与
することができる。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明の製造方法によれば、従来
よりも低い熱処理温度で容易に、チオエーテル基が側鎖
に置換した構造単位を殆ど有しないより完全な共役系を
有し、かつドーピングにより高導電性を与えるポリ−p
−フェニレンビニレンを得ることができる。また本発明
により電気、電子材料の応用が可能な種々の形状を有す
るポリ−p−フェニレンビニレンを得ることができる。
〈実施例〉 以上本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが本
発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い 実施例1 p−キシリレンビス(テトラメチレンスルホニウムブロ
ミド)44.0gをイオン交換水500mlに溶解した液を0〜5
℃に氷冷した後、窒素バブリングにより系内を窒素置換
した。この溶液に、同じように冷却、窒素置換を行った
0.25規定の水酸化ナトリウム溶液400mlを約30分かけて
滴下した。滴下後0〜5℃で引き続き6時間重合を行っ
たところ白色の沈澱物が生成した。重合液を中和し、ろ
過により沈澱物を回収した。この沈澱物はメタノールに
可溶であった。そこで、この沈澱物をメタノールに溶解
した後、アセトンを加える方法で再沈処理を行ったとこ
ろ、少量の不溶物が生成した。このものはメタノールに
溶けにくかった。一方、ろ液をさらに濃縮したところ沈
澱が生じた。この沈澱物はメタノールに可溶であった。
この溶液からキャストし、窒素気流中で乾燥したとこ
ろ、淡黄色の中間体フィルムが得られた。高分子中間体
の熱分解特性を見るために発生ガス分析を四重極質量分
析計(日本真空技術MSQ300)で行った結果、スルフィド
(テトラヒドロチオフェンm/e=88)に相当するフラグ
メントピークのほかには脱離時の副反応として生成する
エチルブロミドなどのアルキルブロミド類のフラグメン
トピークは認められなかった。
中間体フィルムを窒素雰囲気中200℃で熱処理したとこ
ろ黄褐色のフィルムが得られた。このフィルムは、赤外
吸収スペクトル測定の結果ポリ−p−フェニレンビニレ
ンであることが確認された。また、200℃で熱処理した
ものは、元素分析の結果、S(イオウ)の含有量が0.2
%であり、スルホニウム塩が殆ど脱離していることが判
った。さらにこのフィルムに電子受容体化合物であるSO
3を使用し、常法により室温で気相からのドーピングを
行ったところ、18.6S/cmの電導度を示した。なお電導度
の測定は四端子法で行った。
実施例2 p−キシリレンビス(テトラメチレンスルホニウムクロ
リド)17.5gをイオン交換水250mlに溶解した液を0〜5
℃に氷冷した後、窒素バブリングにより系内を窒素置換
した。この溶液に、同じように冷却、窒素置換を行った
0.25規定の水酸化ナトリウム溶液200mlを約30分かけて
滴下した。滴下途中で激しく増粘した。0〜5℃で引き
続き6時間重合を行い、弾力のあるゲル状物を得た。重
合液にアセトンを加えたところ沈澱が生成した。中和
後、ろ過により沈澱物を回収した。この沈澱物はメタノ
ールに可溶であった。そこで、この沈澱物をメタノール
に溶解させ、実施例1と同様にアセトンを加える方法で
再沈処理を行い、白色の沈澱物を得た。この沈澱物はメ
タノールに可溶であった。この溶液をキャストし、窒素
気流中で乾燥したところ、淡黄色の中間体フィルムが得
られた。高分子中間体の熱分解特性を見るために熱分析
を行った結果、テトラヒドロチオフェンに相当するm/e
=88の分子イオンピークの他には脱離時の副反応として
生成するハロゲン化アルキルのフラグメントピークは認
められなかった。中間体フィルムを窒素雰囲気中200℃
で熱処理したところ黄褐色のフィルムが得られた。この
フィルムは、赤外吸収スペクトル測定の結果ポリ−p−
フェニレンビニレンであることが確認された。また、20
0℃で熱処理したものは、元素分析の結果、S(イオ
ウ)の含有量が0.8%であり、スルホニウム塩が殆ど脱
離していることがわかった。さらにこのフィルムに電子
受容体化合物であるSO3を使用し、常法により室温で気
相からのドーピングを行ったところ、19.3S/cmの電導度
を示した。なお電導度の測定は四端子法で行った。
実施例3 実施例1で得た中間体フィルム(長さ2cm、幅2cm)を窒
素雰囲気下で、横型管状炉を用いて8倍まで延伸し、20
0℃、60分間加熱処理を行い、延伸ポリ−p−フェニレ
ンビニレンフィルムを得た。このフィルムの偏光赤外吸
収スペクトルを測定し、フェニレン基の環振動(1520cm
-1)の二色性よりPPVの配向性を調べた。この場合、二
色性が大きい方が高配向である。二色性は33.3であっ
た。さらにこのフィルムに電子受容体化合物であるH2SO
4を使用し、常法により室温で液相からのドーピングを
行ったところ、5時間で7.5×103S/cmの電導度を示し
た。
実施例4 p−キシリレンビス(ペンタメチレンスルホニウムブロ
ミド)14.0gをイオン交換水150mlに溶解した液を0〜5
℃に氷冷した後、窒素バブリングにより系内を窒素置換
した。この溶液に、同じように冷却、窒素置換を行った
0.4規定の水酸化ナトリウム溶液75mlを約30分かけて滴
下した。滴下後0〜5℃で引き続き4時間重合を行った
ところ白色の沈澱物が生成した。重合液を中和し、ろ過
により沈澱物を回収した。この沈澱物はメタノールに可
溶であった。そこで、この沈澱物をメタノールに溶解し
た後、アセトンを加える方法で再沈処理を行った。得ら
れた沈澱物はメタノールに可溶であった。この溶液から
キャストし、窒素気流中で乾燥したところ、淡黄色の中
間体フィルムが得られた。中間体フィルム(長さ3cm、
幅3cm)を窒素雰囲気下で、横型管状炉を用いて8倍ま
で延伸し、200℃で60分間加熱処理を行い、延伸ポリ−
p−フェニレンビニレンフィルムを得た。このフィルム
の偏光赤外吸収スペクトルの二色性は33.2であった。
さらにこのフィルムに電子受容体化合物であるH2SO4
使用し、常法により室温で液相からのドーピングを行っ
たところ、6時間で8.1×103S/cmの電導度を示した。
比較例1 p−キシリレンビス(ジエチルスルホニウムブロミド)
8.9gをイオン交換水100mlに溶解した液を0〜5℃に氷
冷した後、窒素バブリングにより系内を窒素置換した。
この溶液に、同じように冷却、窒素置換を行った0.4規
定の水酸化ナトリウム溶液50mlを約30分かけて滴下し
た。滴下後0.5℃で引き続き2時間重合を行った。重合
液を中和した後、透析膜を用いて透析処理し、中間体水
溶液を得た。この溶液からキャストし、窒素気流中で乾
燥したところ、淡黄色の中間体フィルムが得られた。高
分子中間体の熱分解特性を見るために発生ガス分析を行
った結果、スルフィドに相当するフラグメントピークの
ほかにm/e=108および110にエチルブロミドと考えられ
るフラグメントピークが認められた。中間体フィルムを
窒素雰囲気中200℃で熱処理したところ黄褐色のフィル
ムが得られた。このフィルムは、赤外吸収スペクトル測
定の結果ポリ−p−フェニレンビニレンであることが確
認された。また、200℃で熱処理したものは、元素分析
の結果、S(イオウ)の含有量は1.9%であった。次
に、得られた高分子フィルムを用いて、さらに発生ガス
分析を行った。350℃付近でエチルメルカプタンに相当
するm/e=62にフラグメントピークが認められた。200℃
で得られた高分子フィルムに電子受容体化合物であるSO
3を使用し、常法により室温で気相からのドーピングを
行ったところ、0.06S/cmの電導度を示した。なお電導度
の測定は四端子法で行った。なお、400℃熱処理フィル
ムに電子受容体化合物であるSO3を使用し、常法により
室温で気相からのドーピングを行ったところ、14.5S/cm
の電導度を示した。
比較例2 比較例1で得た中間体フィルム(長さ2cm、幅2cm)を窒
素雰囲気下で、横型管状炉を用いて10倍まで延伸し、37
0℃、60分間加熱処理を行い、延伸ポリ−p−フェニレ
ンビニレンフィルムを得た。このフィルムの偏光赤外吸
収スペクトルを測定し、フェニレン基の環振動(1520cm
-1)の二色性は48.3であった。さらにこのフィルムに電
子受容体化合物であるH2SO4を使用し、常法により室温
で液相からのドーピングを行ったところ、5時間で5.9
×103S/cmの電導度を示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 n:10以上の整数 X-:対イオン Y:炭素を3以上含む2価の基 で示される環状スルホニウム塩を側鎖とするポリ−p−
    フェニレンビニレン中間体を熱処理して、環状スルホニ
    ウム塩側鎖を脱離することを特徴とするポリ−p−フェ
    ニレンビニレンの製造方法。
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