JPH05230063A - 置換ピロリジニルチオカルバペネム誘導体 - Google Patents

置換ピロリジニルチオカルバペネム誘導体

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JPH05230063A
JPH05230063A JP4072633A JP7263392A JPH05230063A JP H05230063 A JPH05230063 A JP H05230063A JP 4072633 A JP4072633 A JP 4072633A JP 7263392 A JP7263392 A JP 7263392A JP H05230063 A JPH05230063 A JP H05230063A
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JP
Japan
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group
formula
lower alkyl
same meaning
coor
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Application number
JP4072633A
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English (en)
Inventor
Susumu Nakagawa
晋 中川
Kenichi Otake
憲一 大嶽
Fumio Nakano
文雄 中野
Koji Yamada
耕司 山田
Ryosuke Ushijima
良輔 牛嶋
Satoshi Murase
聡 村瀬
Hiroshi Fukatsu
弘 深津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Banyu Phamaceutical Co Ltd filed Critical Banyu Phamaceutical Co Ltd
Priority to JP4072633A priority Critical patent/JPH05230063A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式[I]、具体的には例えば式[I−
a]で表される化合物またはその医薬として許容される
塩またはエステル、その製造法および抗菌剤としてのそ
の用途。 PNB:p−ニトロベンジル基 PNZ:p−ニトロベンジルオキシカルボニル基 【効果】 本発明の化合物は、文献未記載の新規化合物
であり、感受性・耐性のグラム陽性菌およびグラム陰性
菌に対する強い抗菌力、β−ラクタマーゼおよびDHP
−Iに対する優れた安定性を有するので、抗菌剤として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカルバペネム
(7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]へプタ
−2−エン−2−カルボン酸)化合物、該化合物を有効
成分として含有する抗菌剤および該化合物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ペニシリン類およびセファロスポ
リン類と同じβ−ラクタム環を持ちながら、これらと基
本骨格の異なった新規なβ−ラクタム抗生物質が次々と
天然から発見されている。
【0003】例えば、ストレプトミセス カトレア(S
treptomyces cattleya)の醗酵よ
り単離されたチエナマイシン(thienamyci
n)[ジャ−ナル オブ ジ アメリカン ケミカル
ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第10
0巻、6491頁(1978年)]のような天然由来の
カルバペネム化合物が挙げられる。チエナマイシンは、
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して、広範囲にわ
たり優れた抗菌スペクトルと強い抗菌力を有し、有用性
の高いβ−ラクタム剤としての開発が期待された。しか
しながら、チエナマイシンそのものが化学的に不安定で
あり、またある種の生体内酵素、例えば腎デヒドロペプ
チダーゼI(以下、DHP−Iと略す)により分解され
て、その抗菌活性の効力を減じ、尿中回収率が低いこと
が報告されている[アンチミクロビアル アジェンツ
アンド ケモテラピィ(Antimicrob.Age
nts Chemother.)、第22巻、62頁
(1982年);同、第23巻、300頁(1983
年)]。
【0004】メルク(Merck)社では、チエナマイ
シンの優れた抗菌活性を維持し、かつ、その化学的安定
性の確保を狙って、数多くのチエナマイシン類縁体を合
成した。その結果、チエナマイシンのアミノ基をホルム
イミドイル化したイミペネム[Imipenem:(5
R,6S,8R)−3−[[2−(ホルムイミドイルア
ミノ)エチル]チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)
−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ
−2−エン−2−カルボン酸・1水和物;ジャーナル
オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Ch
em.)、第22巻、1435頁(1979年)]が医
薬品としての実用化に至った。
【0005】イミペネムは、種々の菌種に対してチエナ
マイシンと同程度以上の抗菌活性およびβ−ラクタマー
ゼ抵抗性を保持し、特に緑膿菌に対しては、その抗菌作
用が2〜4倍優れている。また、イミペネムの水溶液お
よび固体としての安定性は、チエナマイシンに較べ著し
く改善された。
【0006】しかしながら、イミペネムはチエナマイシ
ン同様、人の腎臓でDHP−Iにより分解されるため、
尿路感染症に使用できないだけでなく、分解産物による
腎毒性を示す。そのためにイミペネムは、単独で投与す
ることができず、シラスタチン(cilastati
n)のようなDHP−I阻害剤と併用しなければならな
い[ジャーナル オブ アンチミクロビアル ケモテラ
ピィ(J.Antimicrob.Chemothe
r.)、第12巻(Suppl D)、1頁(1983
年)]。また、近年、イミペネムは感染症の治療および
予防に頻繁に使用され、イミペネムに耐性なメチシリン
高度耐性黄色ブドウ球菌やイミペネム耐性緑膿菌が臨床
の場で増加しつつあり、これら耐性菌にイミペネムは充
分な治療効果を示していない。
【0007】本発明に最も類似する先行技術としては、
特公昭63−55514号公報が挙げられる。該公報に
は、メロペネム[meropenem;SM−733
8:(4R,5S,6S,8R,2’S,4’S)−6
−(1−ヒドロキシエチル)−4−メチル−3−[2−
(N,N−ジメチルアミノカルボニル)ピロリジン−4
−イルチオ]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.
2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸]を代表化
合物とする、カルバペネム骨格の2位に、2−(アミノ
カルボニルまたはN−モノもしくはN,N−ジ低級アル
キルアミノカルボニル)ピロリジン−4−イルチオ基を
有するカルバペネム化合物が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】β−ラクタム抗生物質
は、細菌にのみ選択毒性を示し、動物細胞に対しては影
響を与えないことから、副作用の少ない抗生物質として
細菌による感染症の治療に広く使用され、有用性の高い
薬剤である。
【0009】しかしながら、近年、メチシリン高度耐性
黄色ブドウ球菌および耐性緑膿菌が免疫力の低下した患
者から難治性の感染症の起炎菌として、しばしば分離さ
れ、臨床上大きな問題になりつつある。従って、これら
の耐性菌に対する改善された抗菌力を有する抗菌剤の開
発、特にカルバペネム化合物においては、抗菌力の改
善、DHP−Iに対する安定性の改善、中枢神経系に対
する副作用の軽減等が強く望まれている。
【0010】また特公昭63−55514号公報に記載
された化合物、特にメロペネムはDHP−Iに対する安
定性が大幅に改善された。しかしながら、前記のメチシ
リン高度耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性は充分で
はなく、より優れた抗菌活性を有するカルバペネム化合
物が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、優れた抗
菌力を有し、かつDHP−Iに耐性の新規なカルバペネ
ム化合物を提供することを目的とし、鋭意研究した。そ
の結果、カルバペネム骨格の2位に、一般式
【0012】
【化10】 [式中、Xは−N(R3)−{式中、R3は水素原子、低
級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミドイル
基、低級アルキルスルホニル基、−COOR4(式中、
4は水素原子または低級アルキル基を示す)、−CO
N(R5)R6(式中、R5およびR6は同一または異なっ
て、水素原子、低級アルキル基または該低級アルキル基
が互いに結合して隣接する窒素原子と共に、アジリジニ
ル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジノ
基、ピペラジニル基、4−低級アルキルピペラジニル基
およびモルホリノ基からなる群より選ばれる複素環基を
示す)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキル
アミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチルア
ミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルスル
ホニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR7(式
中、R7はR4の定義と同じ意味を有する)および−CO
N(R8)R9(式中、R8およびR9はR5およびR6の定
義と同じ意味を有する)からなる群より選ばれる置換基
を有する低級アルキル基を示す}または−N+(R10
(R11)−{式中、R10およびR11は同一または異なっ
て、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミ
ドイル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR
12(式中、R12はR4の定義と同じ意味を有する)、−
CON(R13)R14(式中、R13およびR14はR5およ
びR6の定義と同じ意味を有する)、またはヒドロキシ
基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルア
ンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチル
アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファ
モイル基、−COOR15(式中、R15はR4の定義と同
じ意味を有する)および−CON(R16)R17(式中、
16およびR17はR5およびR6の定義と同じ意味を有す
る)からなる群より選ばれる置換基を有する低級アルキ
ル基を示す}、Yは−N(R18)−{式中、R18は水素
原子、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイ
ミドイル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR29
(式中、R29は水素原子または低級アルキル基を示
す)、−CON(R30)R31(式中、R30およびR31
同一または異なって、水素原子、低級アルキル基または
該低級アルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と
共に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル
基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、4−低級アルキル
ピペラジニル基およびモルホリノ基からなる群より選ば
れる複素環基を示す)、またはヒドロキシ基、アミノ
基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ
基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチルアミノ
基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル
基、−COOR32(式中、R32はR29の定義と同じ意味
を有する)および−CON(R33)R34(式中、R33
よびR34はR30およびR31の定義と同じ意味を有する)
からなる群より選ばれる置換基を有する低級アルキル基
を示す}、−N+(R19)(R20)−(式中、R19およ
びR20はR10およびR11の定義と同じ意味を有する)、
−N(R21)CO−(式中、R21はR4の定義と同じ意
味を有する)または−N(R22)CS−(式中、R22
4の定義と同じ意味を有する)、Zは硫黄原子、酸素
原子、スルフィニル基またはスルホニル基、Wは水素原
子、低級アルキル基、−COOR23(式中、R23はR29
の定義と同じ意味を有する)、−CON(R24)R
25(式中、R24およびR25はR5およびR6の定義と同じ
意味を有する)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級
アルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノ
メチルアミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アル
キルスルホニルアミノ基、スルファモイル基、−COO
26(式中、R26はR4の定義と同じ意味を有する)お
よび−CON(R27)R28(式中、R27およびR28はR
5およびR6の定義と同じ意味を有する)からなる群より
選ばれる置換基を有する低級アルキル基、p、q、rお
よびtは同一または異なって、0ないし3の整数を示
す]で表される基を有する本発明のカルバペネム化合物
は文献未記載の新規な化合物であり、黄色ブドウ球菌等
のグラム陽性菌および緑膿菌を含むグラム陰性菌に対し
て、強い抗菌力を有し、更にDHP−Iに対しても優れ
た安定性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0013】本発明は、一般式
【0014】
【化11】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
または陰電荷を示し、X、Y、Z、W、p、q、rおよ
びtは前記の定義と同じ意味を有する]で表される化合
物またはその医薬として許容される塩またはエステル、
その製造法および抗菌剤としてのその用途に関する。
【0015】本明細書に記載された記号および用語につ
いて説明する。
【0016】本発明の化合物は基本構造
【0017】
【化12】 を有し、系統的に7−オキソ−1−アザビシクロ[3.
2.0]へプタ−2−エン−2−カルボン酸と呼ばれ
る。本明細書では、簡易化のために慣用的に広く使用さ
れているカルバペネムに基づく番号を付し、その基本構
造を1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸と記載
する。
【0018】
【化13】 本発明は、カルバペネム骨格の1位、5位、6位および
8位の不斉炭素原子に基づく光学異性体および立体異性
体を包含するが、これら異性体で好適な化合物は、チエ
ナマイシンのような立体配置を有する5R,6S配置
(5,6−トランス)で、かつ8位の炭素原子がR配置
の化合物である(5R,6S,8R)配置の化合物、ま
たは1位にメチル基を有する場合は(1R,5S,6
S,8R)配置の化合物を挙げることができる。
【0019】本発明は、2位側鎖のピロリジン核につい
ても、該ピロリジン核の2位、4位および2位側鎖の不
斉炭素に基づく異性体を包含するが、これら異性体で好
適な化合物は、pが0の場合には、(2’S,4’S)
配置および(2’R,4’R)配置の化合物を挙げるこ
とができ、pが1ないし3の整数の場合には、(2’
R,4’S)配置および(2’S,4’R)配置の化合
物を挙げることができる。
【0020】更には、ピロリジン核の2位の脂環式複素
環基についても不斉炭素に基づく異性体が存在するが、
本発明は両異性体とも包含する。
【0021】低級アルキル基とは、炭素数1ないし6個
の直鎖状または分岐状のアルキル基を意味し、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチ
ル基、tert−ブチル基等が好ましい。
【0022】低級アルキルスルホニル基とは、前記低級
アルキル基が置換したアルキルスルホニル基を意味し、
例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロ
ピルスルホニル基等が挙げられ、中でもメチルスルホニ
ル基等が好ましい。
【0023】低級アルキルアミノ基とは、前記低級アル
キル基がモノ置換またはジ置換したアルキルアミノ基を
意味し、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
イソプロピルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ
基等が挙げられ、中でもメチルアミノ基、エチルアミノ
基、ジメチルアミノ基等が好ましい。
【0024】低級アルキルアンモニオ基とは、前記低級
アルキル基がトリ置換したトリアルキルアンモニオ基を
意味し、例えばトリメチルアンモニオ基、トリエチルア
ンモニオ基、N,N−ジメチル−N−エチルアンモニオ
基、N,N−ジエチル−N−メチルアンモニオ基等が挙
げられ、中でもトリメチルアンモニオ基等が好ましい。
【0025】低級アルキルスルホニルアミノ基とは、前
記低級アルキルスルホニル基がモノ置換またはジ置換し
たアルキルスルホニルアミノ基を意味し、例えばメチル
スルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基等が挙
げられ、中でもメチルスルホニルアミノ基等が好まし
い。
【0026】置換基を有する低級アルキル基とは、前記
低級アルキル基の置換可能な任意の位置に1または複数
の同一または異なってもよい該置換基を有し、例えばヒ
ドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒド
ロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等のヒドロ
キシ低級アルキル基;アミノメチル基、1−アミノエチ
ル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基等の
アミノ低級アルキル基;(メチルアミノ)メチル基、1
−(メチルアミノ)エチル基、2−(メチルアミノ)エ
チル基、3−(メチルアミノ)プロピル基、(エチルア
ミノ)メチル基、(ジメチルアミノ)メチル基、2−
(ジメチルアミノ)エチル基、3−(ジメチルアミノ)
プロピル基等の前記低級アルキルアミノ基が置換した
(低級アルキルアミノ)低級アルキル基;(トリメチル
アンモニオ)メチル基、1−(トリメチルアンモニオ)
エチル基、2−(トリメチルアンモニオ)エチル基、3
−(トリメチルアンモニオ)プロピル基等の前記低級ア
ルキルアンモニオ基が置換した(低級アルキルアンモニ
オ)低級アルキル基;(イミノメチルアミノ)メチル
基、1−(イミノメチルアミノ)エチル基、2−(イミ
ノメチルアミノ)エチル基、3−(イミノメチルアミ
ノ)プロピル基等の(イミノメチルアミノ)低級アルキ
ル基;(1−イミノエチルアミノ)メチル基、1−(1
−イミノエチルアミノ)エチル基、2−(1−イミノエ
チルアミノ)エチル基、3−(1−イミノエチルアミ
ノ)プロピル基等の(1−イミノエチルアミノ)低級ア
ルキル基;(メチルスルホニルアミノ)メチル基、1−
(メチルスルホニルアミノ)エチル基、2−(メチルス
ルホニルアミノ)エチル基、3−(メチルスルホニルア
ミノ)プロピル基等の前記低級アルキルスルホニルアミ
ノ基が置換した(低級アルキルスルホニルアミノ)低級
アルキル基;スルファモイルメチル基、1−スルファモ
イルエチル基、2−スルファモイルエチル基、3−スル
ファモイルプロピル基等のスルファモイル低級アルキル
基;カルボキシメチル基、1−カルボキシエチル基、2
−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、エ
トキシカルボニルメチル基、1−(エトキシカルボニ
ル)エチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、
3−(エトキシカルボニル)プロピル基等の−COOR
b(式中、Rbは水素原子または低級アルキル基を示す)
に置換された低級アルキル基;カルバモイルメチル基、
1−カルバモイルエチル基、2−カルバモイルエチル
基、3−カルバモイルプロピル基、(メチルカルバモイ
ル)メチル基、1−(メチルカルバモイル)エチル基、
2−(メチルカルバモイル)エチル基、3−(メチルカ
ルバモイル)プロピル基、(ジメチルカルバモイル)メ
チル基、1−(ジメチルカルバモイル)エチル基、2−
(ジメチルカルバモイル)エチル基、3−(ジメチルカ
ルバモイル)プロピル基、1−ピペラジニルカルボニル
メチル基、2−(1−ピペラジニルカルボニル)エチル
基、3−(1−ピペラジニルカルボニル)プロピル基、
4−メチル−1−ピペラジニルカルボニルメチル基、2
−(4−メチル−1−ピペラジニルカルボニル)エチル
基、3−(4−メチル−1−ピペラジニルカルボニル)
プロピル基等の−CON(Rc)Rd(式中、Rcおよび
dは同一または異なって、水素原子、低級アルキル基
または該低級アルキル基が互いに結合して隣接する窒素
原子と共に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリ
ジニル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、4−低級ア
ルキルピペラジニル基およびモルホリノ基からなる群よ
り選ばれる複素環基を示す)に置換された低級アルキル
基等が挙げられる。
【0027】カルボキシル基の保護基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t
ert−ブチル基等の低級アルキル基;例えば2,2,
2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエ
チル基等のハロ置換低級アルキル基;例えばアセトキシ
メチル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオ
ニルオキシエチル基等の低級アルカノイルオキシアルキ
ル基;例えば1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル
基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−
(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル基等の低級
アルコキシカルボニルオキシアルキル基;例えば2−プ
ロペニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3−メト
キシカルボニル−2−プロペニル基、2−メチル−2−
プロペニル基、2−ブテニル基、シンナミル基等の低級
アルケニル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビ
ス(p−メトキシフェニル)メチル基等のアラルキル
基;例えば(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソール−4−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基;例え
ばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリ
ル基等の低級アルキルシリル基;インダニル基、フタリ
ジル基、メトキシメチル基等が挙げられ、特に2−プロ
ペニル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、ベンズヒドリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基等が好ましい。
【0028】ヒドロキシ基の保護基としては、例えばト
リメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基
等の低級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、
2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチ
ル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばベンジル
基、p−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベン
ジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル
基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、
アセチル基等のアシル基;例えばtert−ブトキシカ
ルボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の低級アル
コキシカルボニル基;例えば2−プロペニルオキシカル
ボニル基、2−クロロ−2−プロペニルオキシカルボニ
ル基、3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシ
カルボニル基、2−メチル−2−プロペニルオキシカル
ボニル基、2−ブテニルオキシカルボニル基、シンナミ
ルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル
基;例えばベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキ
シカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基等のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、特
に2−プロペニルオキシカルボニル基、p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基等が好ましい。
【0029】アミノ基またはイミノ基の保護基として
は、例えばベンジリデン基、p−クロロベンジリデン
基、p−ニトロベンジリデン基、サリチリデン基、α−
ナフチリデン基、β−ナフチリデン基等のアラルキリデ
ン基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル
基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビス
(p−メトキシフェニル)メチル基、トリチル基等のア
ラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、オキサリル基、スクシニル基、ピ
バロイル基等の低級アルカノイル基;例えばクロロアセ
チル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、
トリフルオロアセチル基等のハロ置換低級アルカノイル
基;例えばフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基
等のアリールアルカノイル基;例えばメトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル
基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキ
シカルボニル基;例えば2−ヨードエトキシカルボニル
基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の
ハロ置換低級アルコキシカルボニル基;例えば2−プロ
ペニルオキシカルボニル基、2−クロロ−2−プロペニ
ルオキシカルボニル基、3−メトキシカルボニル−2−
プロペニルオキシカルボニル基、2−メチル−2−プロ
ペニルオキシカルボニル基、2−ブテニルオキシカルボ
ニル基、シンナミルオキシカルボニル基等のアルケニル
オキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカルボニル
基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカル
ボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;例えばト
リメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基
等の低級アルキルシリル基等が挙げられ、特に、2−プ
ロペニルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカル
ボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基等が
好ましい。
【0030】カルバペネム骨格の2位側鎖であるピロリ
ジン核上のXは−N(R3)−[式中、R3は水素原子、
低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミドイ
ル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR4(式
中、R4は水素原子または低級アルキル基を示す)、−
CON(R5)R6(式中、R5およびR6は同一または異
なって、水素原子、低級アルキル基または該低級アルキ
ル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共に、アジリ
ジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジ
ノ基、ピペラジニル基、4−低級アルキルピペラジニル
基およびモルホリノ基からなる群より選ばれる複素環基
を示す)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチル
アミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルス
ルホニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR
7(式中、R7はR4の定義と同じ意味を有する)および
−CON(R8)R9(式中、R8およびR9はR5および
6の定義と同じ意味を有する)からなる群より選ばれ
る置換基を有する低級アルキル基を示す]または−N+
(R10)(R11)−[式中、R10およびR11は同一また
は異なって、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、ア
セトイミドイル基、低級アルキルスルホニル基、−CO
OR12(式中、R12はR4の定義と同じ意味を有す
る)、−CON(R13)R14(式中、R13およびR14
5およびR6の定義と同じ意味を有する)、またはヒド
ロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アル
キルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミノ
エチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ス
ルファモイル基、−COOR15(式中、R15はR4の定
義と同じ意味を有する)および−CON(R16)R
17(式中、R16およびR17はR5およびR6の定義と同じ
意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
低級アルキル基を示す]を意味する。
【0031】Xとしては、例えば−NH−、−N(CH
3)−、−N(CH2CH3)−、−N(SO2CH3
−、−N(CH2CONH2)−、−N(CH2CH2
H)−、−N(CH =NH )−、−N(CH2SO2NH
2)−、−N(CONH2)−、−N(CH2CH2
2)−、−N(CH2CH2+(CH33)−、
【0032】
【化14】 −N+(CH3)(CH3)−、−N+(CH3)(CH2
2OH)−、−N+(CH3)(CH2CH2NH2)−、
−N+(CH3)(CH2CONH2)−、−N+(CH3
(CH2CH2CONH2)−、
【0033】
【化15】 −N+(CH3)(CH2CON(CH32)− 等が挙
げられ、特に−NH−等が好ましい。
【0034】カルバペネム骨格の2位側鎖であるピロリ
ジン核上の脂環式複素環基は、該ピロリジン核の2位に
置換しており、式
【0035】
【化16】 [式中、Yは−N(R18)−{式中、R18は水素原子、
低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミドイ
ル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR29(式
中、R29は水素原子または低級アルキル基を示す)、−
CON(R30)R31(式中、R30およびR31は同一また
は異なって、水素原子、低級アルキル基または該低級ア
ルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共に、ア
ジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペ
リジノ基、ピペラジニル基、4−低級アルキルピペラジ
ニル基およびモルホリノ基からなる群より選ばれる複素
環基を示す)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級ア
ルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメ
チルアミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキ
ルスルホニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR
32(式中、R32はR29の定義と同じ意味を有する)およ
び−CON(R33)R34(式中、R33およびR34はR30
およびR31の定義と同じ意味を有する)からなる群より
選ばれる置換基を有する低級アルキル基を示す}、−N
+(R19)(R20)−{式中、R19およびR20は同一ま
たは異なって、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、
アセトイミドイル基、低級アルキルスルホニル基、−C
OOR35(式中、R35はR29の定義と同じ意味を有す
る)、−CON(R36)R37(式中、R36およびR37
30およびR31の定義と同じ意味を有する)、またはヒ
ドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ア
ルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミ
ノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
スルファモイル基、−COOR38(式中、R38はR29
定義と同じ意味を有する)および−CON(R39)R40
(式中、R39およびR40はR30およびR31の定義と同じ
意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
低級アルキル基を示す}、−N(R21)CO−(式中、
21はR29の定義と同じ意味を有する)または−N(R
22)CS−(式中、R22はR29の定義と同じ意味を有す
る)、Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基または
スルホニル基、Wは水素原子、低級アルキル基、−CO
OR23(式中、R23はR29の定義と同じ意味を有す
る)、−CON(R24)R25(式中、R24およびR25
30およびR31の定義と同じ意味を有する)、またはヒ
ドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ア
ルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミ
ノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
スルファモイル基、−COOR26(式中、R26はR29
定義と同じ意味を有する)および−CON(R27)R28
(式中、R27およびR28はR30およびR31の定義と同じ
意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
低級アルキル基、p、q、rおよびtは同一または異な
って、0ないし3の整数を示す]で表される構造を有す
る。
【0036】Yは−N(R18)−(式中、R18は前記の
定義と同じ意味を有する)、−N+(R19)(R20)−
(式中、R19およびR20は前記の定義と同じ意味を有す
る)、−N(R21)CO−(式中、R21は前記の定義と
同じ意味を有する)または−N(R22)CS−(式中、
22は前記の定義と同じ意味を有する)を意味する。
【0037】Yとしては、例えば−NH−、−N(CH
3)−、−N(CH2CH3)−、−N(CONH2)−、
−N(CH2CONH2)−、−N(CH2CH2OH)
−、−N(SO2NH2)−、−N(C(CH3)=N
H)−、−N(CH2CH2NH2)−、−N+(CH3
(CH3)−、−N+(CH3)(CH2CH2OH)−、
−NHCO−、−N(CH3)CO−、−N(CH2CH
3)CO−、−NHCS−、−N(CH3)CS−、−N
(CH2CH3)CS−等が挙げられ、中でも−NH−、
−NHCO−等が好ましい。
【0038】Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基
またはスルホニル基を意味する。
【0039】Zとしては、特に硫黄原子等が好ましい。
【0040】Wは水素原子、低級アルキル基、−COO
23(式中、R23は前記の定義と同じ意味を有する)、
−CON(R24)R25(式中、R24およびR25は前記の
定義と同じ意味を有する)、またはヒドロキシ基、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ
基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチルアミノ
基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル
基、−COOR26(式中、R26は前記の定義と同じ意味
を有する)および−CON(R27)R28(式中、R27
よびR28は前記の定義と同じ意味を有する)からなる群
より選ばれる置換基を有する低級アルキル基を意味す
る。
【0041】Wとしては、水素原子、ヒドロキシメチル
基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル
基、3−ヒドロキシプロピル基、アミノメチル基、1−
アミノエチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロ
ピル基、(メチルアミノ)メチル基、1−(メチルアミ
ノ)エチル基、2−(メチルアミノ)エチル基、3−
(メチルアミノ)プロピル基、(エチルアミノ)メチル
基、(ジメチルアミノ)メチル基、2−(ジメチルアミ
ノ)エチル基、3−(ジメチルアミノ)プロピル基、
(トリメチルアンモニオ)メチル基、1−(トリメチル
アンモニオ)エチル基、2−(トリメチルアンモニオ)
エチル基、3−(トリメチルアンモニオ)プロピル基、
(イミノメチルアミノ)メチル基、1−(イミノメチル
アミノ)エチル基、2−(イミノメチルアミノ)エチル
基、3−(イミノメチルアミノ)プロピル基、(1−イ
ミノエチルアミノ)メチル基、1−(1−イミノエチル
アミノ)エチル基、2−(1−イミノエチルアミノ)エ
チル基、3−(1−イミノエチルアミノ)プロピル基、
(メチルスルホニルアミノ)メチル基、1−(メチルス
ルホニルアミノ)エチル基、2−(メチルスルホニルア
ミノ)エチル基、3−(メチルスルホニルアミノ)プロ
ピル基、スルファモイルメチル基、1−スルファモイル
エチル基、2−スルファモイルエチル基、3−スルファ
モイルプロピル基、カルボキシメチル基、1−カルボキ
シエチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシ
プロピル基、エトキシカルボニルメチル基、1−(エト
キシカルボニル)エチル基、2−(エトキシカルボニ
ル)エチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル
基、カルバモイルメチル基、1−カルバモイルエチル
基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロ
ピル基、(メチルカルバモイル)メチル基、1−(メチ
ルカルバモイル)エチル基、2−(メチルカルバモイ
ル)エチル基、3−(メチルカルバモイル)プロピル
基、(ジメチルカルバモイル)メチル基、1−(ジメチ
ルカルバモイル)エチル基、2−(ジメチルカルバモイ
ル)エチル基、3−(ジメチルカルバモイル)プロピル
基、1−ピペラジニルカルボニルメチル基、2−(1−
ピペラジニルカルボニル)エチル基、3−(1−ピペラ
ジニルカルボニル)プロピル基、4−メチル−1−ピペ
ラジニルカルボニルメチル基、2−(4−メチル−1−
ピペラジニルカルボニル)エチル基、3−(4−メチル
−1−ピペラジニルカルボニル)プロピル基等が挙げら
れ、特に水素原子が好ましい。
【0042】pは0ないし3の整数を示し、0または1
の場合が好適で、特に0の場合が好ましい。
【0043】qは0ないし3の整数を示し、2の場合が
好ましい。
【0044】rは0ないし3の整数を示し、0の場合が
好ましい。
【0045】tは0ないし3の整数を示し、2または3
の場合が好ましい。
【0046】R2は水素原子または陰電荷を示す。カル
バペネム骨格の2位に置換するピロリジン核または該ピ
ロリジン核の2位に置換する脂環式複素環基が四級アン
モニウム構造を有するとき、R2は陰電荷を示し、該ア
ンモニウムイオンと対をなすことにより、一般式[I]
の化合物は分子内塩を形成する。
【0047】該脂環式複素環基としては、例えば1−チ
ア−4−アザシクロヘプタン−7−イル基、1−チア−
4−アザシクロヘプタン−7−イル(S,S−ジオキシ
ド)基、1−チア−4−アザシクロヘプタン−2−イル
基、1−チア−5−アザシクロオクタン−2−イル基、
1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル基、1−
チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル(S−オキシ
ド)基、5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサ
ン−2−イル基、モルホリン−2−イル基、1−オキサ
−4−アザシクロヘプタン−7−イル基等が好ましい。
【0048】一般式[I]の塩としては、医薬上許容さ
れる慣用的なものを意味し、カルバペネム骨格の3位の
カルボキシル基または2位側鎖のピロリジン塩基もしく
は脂環式複素環基の塩基における塩類を挙げることがで
きる。
【0049】該カルボキシル基における塩基性付加塩と
しては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメ
チルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシル
アミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩等の脂肪族
アミン塩;例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミ
ン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリ
ン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族ア
ミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエ
チルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム
塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリ
ブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウ
ム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニ
ウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩
等が挙げられる。
【0050】ピロリジン塩基または脂環式複素環基の塩
基における酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、りん酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等
の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、
マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、りんご酸塩、
くえん酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメ
タンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;例
えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ
酸塩等が挙げられる。
【0051】一般式[I]の無毒性エステルとしては、
カルバペネム骨格の3位のカルボキシル基における医薬
上許容される慣用的なものを意味する。例えばアセトキ
シメチル基、ピバロイルオキシメチル基等のアルカノイ
ルオキシメチル基とのエステル、1−(エトキシカルボ
ニルオキシ)エチル基等のアルコキシカルボニルオキシ
アルキル基とのエステル、フタリジル基とのエステル、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4
−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキソ−1,3
−ジオキソール−4−イル)メチル基とのエステル等が
挙げられる。
【0052】一般式[I]の化合物の好適な化合物例と
しては、例えば次の化合物が挙げられる(表中、Meは
メチル基を意味する)。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】 上記化合物中、特に好適な化合物としては、例えば、
(1)(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1−チア−
4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロリジン−4−
イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸、(3)(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1−チ
ア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロリジン−
4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カル
ボン酸、(4)(5R,6S)−2−[(2S,4S)
−2−(3−カルバモイル−1−チア−4−アザシクロ
ヘプタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボン酸、(5)(5R,6S)
−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
[(2R,4S)−2−[(1−チア−4−アザシクロ
ヘプタン−7−イル)メチル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(6)(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1−オキサ
−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロリジン−4
−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸、(10)(5R,6S)−6−[(1R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1
−チア−5−アザシクロオクタン−2−イル)ピロリジ
ン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−
カルボン酸、(12)(5R,6S)−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2
−[5−[2−(メチルスルホニルアミノ)エチル]−
1−チア−4−アザシクロヘプタン−2−イル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸、(13)(5R,6S)−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)
−2−(5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサ
ン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カル
バペン−2−エム−3−カルボン酸、(15)(5R,
6S)−2−[(2S,4S)−2−[3−(2−ヒド
ロキシエチル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−
7−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン−2−
エム−3−カルボン酸、(17)(5R,6S)−2−
[(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロヘ
プタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸 S’,S’−ジオキシ
ド、(18)(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1−
チア−4−アザシクロヘプタン−2−イル)ピロリジン
−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸、(19)(5R,6S)−6−[(1R)−
1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸 S’−オキシド、(20)(5R,6
S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
[(2S,4S)−2−(モルホリン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸、(21)(1R,5S,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロ
ヘキサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(22)
(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(モルホリン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(2
3)(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−
2−(5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン
−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボン酸、(25)(1R,5
S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−(1−チア
−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロリジン−4
−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸 S’−オキシド、(27)(1R,5S,6S)
−2−[(2S,4S)−2−(5−カルバモイル−1
−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロリジ
ン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸、(29)(1R,5S,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2R,4S)−2−[(1−チア−4−アザシク
ロヘキサン−2−イル)メチル]ピロリジン−4−イル
チオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(32)(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
S)−2−(5−チオキソ−1−チア−4−アザシクロ
ヘキサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(35)
(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸、(36)(1R,5S,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロ
ヘプタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 S’−オキ
シド、(37)(1R,5S,6S)−2−[(2S,
4S)−2−(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7
−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボン酸 S’,S’−ジオキシ
ド、(38)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4
S)−2−(3−カルバモイル−1−チア−4−アザシ
クロヘプタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]
−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチ
ル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(3
9)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2
−(5−カルバモイル−1−チア−4−アザシクロヘプ
タン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(40)
(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[3−(2−ヒドロキシエチル)−1−チア−4−アザ
シクロヘプタン−7−イル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(41)(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
S)−2−[3−[2−(メチルアミノ)エチル]−1
−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル]ピロリジ
ン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−
カルボン酸、(46)(1R,5S,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−2−[3−[2−(メチルスルホ
ニルアミノ)エチル]−1−チア−4−アザシクロヘプ
タン−7−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カ
ルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(47)(1
R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエ
チル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−[3
−(2−スルファモイルエチル)−1−チア−4−アザ
シクロヘプタン−7−イル]ピロリジン−4−イルチ
オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(48)(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
S)−2−(3−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘ
プタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(49)(1
R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエ
チル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−(5
−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イ
ル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸、(52)(1R,5S,6
S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−2−[(2S,4S)−2−(N−カルバモイ
ルメチル−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イ
ル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
−エム−3−カルボン酸、(53)(1R,5S,6
S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−2−[(2S,4S)−2−[N−(2−ヒド
ロキシエチル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−
7−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボン酸、(57)(1R,5
S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−(3−チオ
キソ−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)
ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸、(59)(1R,5S,6S)−
6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
−2−[(2S,4S)−2−(N−メチル−1−チア
−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロリジン−4
−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸、(62)(1R,5S,6S)−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2
S,4S)−2−(1−オキサ−4−アザシクロヘプタ
ン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カル
バペン−2−エム−3−カルボン酸、(65)(1R,
5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−(1−
チア−4−アザシクロヘプタン−2−イル)ピロリジン
−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸、(71)(1R,5S,6S)−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−2−(1−チア−5−アザシクロオ
クタン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(74)(1
R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−(5−
カルバモイル−1−チア−4−アザシクロヘキサン−2
−イル)−N−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6
−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(76)
(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−N−
メチル−2−(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7
−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸、(77)(1R,5S,
6S)−2−[(2S,4S)−2−(3−カルバモイ
ル−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)−
N−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カル
バペン−2−エム−3−カルボン酸、(81)(1R,
5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−N−メチル
スルホニル−2−(1−チア−4−アザシクロヘプタン
−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボン酸、(82)(1R,5
S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−2−[(2S,4S)−N−(カルバモ
イルメチル)−2−(1−チア−4−アザシクロヘプタ
ン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カル
バペン−2−エム−3−カルボン酸、(83)(1R,
5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−N−(2−
ヒドロキシエチル)−2−(1−チア−4−アザシクロ
ヘプタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(85)
(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−N−
スルファモイルメチル−2−(1−チア−4−アザシク
ロヘプタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(92)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−N,N
−ジメチル−2−(1−チア−4−アザシクロヘプタン
−7−イル)−4−ピロリジニオチオ]−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カル
バペン−2−エム−3−カルボキシラート、(93)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
(3−カルバモイル−1−チア−4−アザシクロヘプタ
ン−7−イル)−N,N−ジメチル−4−ピロリジニオ
チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシ
ラート、(94)(1R,5S,6S)−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
[(2S,4S)−N,N−ジメチル−2−(3−オキ
ソ−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)−
4−ピロリジニオチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボキシラート、(98)(1R,5S,6S)
−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチ
ル−2−[(2S,4S)−N−(2−ヒドロキシエチ
ル)−N−メチル−2−(1−チア−4−アザシクロヘ
プタン−7−イル)−4−ピロリジニオチオ]−1−カ
ルバペン−2−エム−3−カルボキシラート、(10
0)(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−N
−(カルバモイルメチル)−N−メチル−2−(1−チ
ア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)−4−ピロリ
ジニオチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシラートまたは(110)(1R,5S,6S)
−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチ
ル−2−[(2R,4S)−N−(2−ヒドロキシエチ
ル)−N−メチル−2−(1−チア−4−アザシクロヘ
プタン−7−イル)メチル−4−ピロリジニオチオ]−
1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート等が
挙げられ、更には(1)、(3)、(4)、(6)、
(10)、(12)、(13)、(15)、(17)、
(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、
(23)、(25)、(35)、(37)、(38)、
(39)、(40)、(46)、(47)、(48)、
(49)、(52)、(53)、(57)、(62)、
(65)、(71)、(76)、(77)、(81)、
(82)、(83)、(85)または(100)等がよ
り好適である。
【0059】次に本発明化合物の製造法について説明す
る。 一般式
【0060】
【化17】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、Raは水素原子
またはヒドロキシ基の保護基、R2aは水素原子またはカ
ルボキシル基の保護基を示す]で表される化合物に、不
活性有機溶媒中、塩基の存在下で活性化試薬を反応させ
て、一般式
【0061】
【化18】 [式中、R1、RaおよびR2aは前記の意味を有し、Yは
脱離基を示す]で表される反応性誘導体[II’]に誘
導する。
【0062】上記反応で使用される不活性有機溶媒とし
ては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、アセトン、酢酸エチル、アセ
トニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルりん酸トリアミドまたは上記溶媒の混合物が挙げら
れ、特にアセトニトリル、ベンゼンが好ましい。
【0063】反応で使用される塩基としては、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチ
ルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)等の第3級脂
肪族アミン;例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリ
ジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン等
の芳香族アミンが挙げられ、特にN,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0064】反応で使用される活性化試薬としては、例
えばトリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸無水
物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエ
ンスルホン酸無水物等の酸無水物;例えばメタンスルホ
ニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、ジフ
ェニルクロロホスファート等の酸クロリドが挙げられ、
特にジフェニルクロロホスファートが好ましい。
【0065】一般式[II’]の基Yは脱離基を意味
し、例えばトリフルオロアセトキシ基、メタンスルホニ
ルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基、ジフェノキシホスホ
リルオキシ基等が挙げられ、特にジフェノキシホスホリ
ルオキシ基が好ましい。
【0066】反応は一般式[II]の化合物1モルに対
して、塩基1〜3モル、好ましくは1〜1.5モル、活
性化試薬1〜1.2モルが使用される。
【0067】反応は−40〜50℃、好ましくは−20
〜20℃の温度範囲で行い、通常0.5〜3時間で定量
的に完結する。
【0068】反応終了後、常法に従って処理して、一般
式[II]の反応性誘導体[II’]が定量的に得られ
る。
【0069】反応性誘導体[II’]と一般式
【0070】
【化19】 [式中、X1は−N(R3a)−{式中、R3aは水素原
子、低級アルキル基、保護されていてもよいホルムイミ
ドイル基もしくはアセトイミドイル基、低級アルキルス
ルホニル基、イミノ基の保護基、−COOR4a(式中、
4aは水素原子、低級アルキル基またはカルボキシル基
の保護基を示す)、−CON(R5a)R6a(式中、R5a
およびR6aは同一または異なって、水素原子、アミノ基
もしくはイミノ基の保護基、低級アルキル基または該低
級アルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共
に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル
基、ピペリジノ基、保護されていてもよいピペラジニル
基、4−低級アルキルピペラジニル基およびモルホリノ
基からなる群より選ばれる複素環基を示す)、またはヒ
ドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ア
ルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミ
ノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
スルファモイル基、−COOR7a(式中、R7aはR4a
定義と同じ意味を有する)および−CON(R8a)R9a
(式中、R8aおよびR9aはR5aおよびR6aの定義と同じ
意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
低級アルキル基(但し、該置換基のヒドロキシ基、アミ
ノ基またはイミノ基は保護されていてもよい)を示す}
または−N+(R10a)(R11a)−{式中、R10aおよび
11aは同一または異なって、低級アルキル基、ホルム
イミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキルスル
ホニル基、−COOR12a(式中、R12aはR4aの定義と
同じ意味を有する)、−CON(R13a)R14a(式中、
13aおよびR14aはR5aおよびR6aの定義と同じ意味を
有する)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチル
アミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルス
ルホニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR15a
(式中、R15aはR4aの定義と同じ意味を有する)およ
び−CON(R16a)R17a(式中、R16aおよびR17a
5aおよびR6aの定義と同じ意味を有する)からなる群
より選ばれる置換基を有する低級アルキル基(但し、該
置換基のヒドロキシ基、アミノ基またはイミノ基は保護
されていてもよい)を示す}、Y1は−N(R18a)−
(式中、R18aはR3aの定義と同じ意味を有する)、−
+(R19a)(R20a)−(式中、R19aおよびR20a
10aおよびR11aの定義と同じ意味を有する)、−N
(R21a)CO−(式中、R21aは水素原子、低級アルキ
ル基またはイミノ基の保護基を示す)または−N(R
22a)CS−(式中、R22aはR21aの定義と同じ意味を
有する)、Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基ま
たはスルホニル基、W1は水素原子、低級アルキル基、
−COOR23a(式中、R23aはR4aの定義と同じ意味を
有する)、−CON(R24a)R25a(式中、R24aおよ
びR25aはR5aおよびR6aの定義と同じ意味を有す
る)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルア
ミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミ
ノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホ
ニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR26a(式
中、R26aはR4aの定義と同じ意味を有する)および−
CON(R27a)R28a(式中、R27aおよびR28aはR5a
およびR6aの定義と同じ意味を有する)からなる群より
選ばれる置換基を有する低級アルキル基(但し、該置換
基のヒドロキシ基、アミノ基またはイミノ基は保護され
ていてもよい)、p、q、rおよびtは同一または異な
って、0ないし3の整数を示す]で表される化合物との
反応は、前記記載の不活性有機溶媒および塩基を用いて
行われ、一般式
【0071】
【化20】 [式中、R1、Ra、R2a、X1、Y1、Z、W1、p、
q、rおよびtは前記の定義と同じ意味を有する]で表
される化合物とする。
【0072】反応は、反応性誘導体[II’]1モルに
対して、塩基1〜2モル、好ましくは1〜1.5モル、
一般式[III]の化合物1〜1.2モルが使用され、
−40〜50℃、好ましくは−20〜20℃の温度範囲
で行われ、通常0.5〜3時間で完結する。
【0073】また、一般式[IV]の化合物は、一般式
[II]の化合物から、一段階で製造することもでき
る。即ち、一般式[II]の化合物から誘導した反応性
誘導体[II’]を単離することなく、同一反応系で一
般式[III]の化合物を反応させて、一般式[IV]
の化合物を効率よく製造することができる。一段階で行
う場合には、一般式[II]の化合物1モルに対して、
塩基2〜4モル、好ましくは2.5〜3.5モルを用い
る。
【0074】反応終了後、通常の処理を行い、一般式
[IV]で表される化合物の粗生成物を得、精製するこ
となく脱保護反応に付すことができるが、該粗生成物は
結晶化またはシリカゲル等によるカラムクロマトグラフ
ィーに付し、精製することが好ましい。
【0075】このようにして得られた一般式[IV]の
化合物から、必要に応じて、ヒドロキシ基、イミノ基お
よびカルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合せ
て行うことにより、一般式[I]の化合物を製造するこ
とができる。
【0076】保護基の除去はその種類により異なるが、
常法に従って、例えば加溶媒分解、化学的還元または水
素化により行われる。
【0077】前記一般式[IV]において、ヒドロキシ
基および/またはアミノ基もしくはイミノ基の保護基
が、例えばベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボ
ニル基であり、カルボキシル基の保護基が、例えばベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基等の
アラルキル基である場合には、例えば酸化白金、白金
線、白金黒等の白金触媒;例えばパラジウム黒、酸化パ
ラジウム、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素
等のパラジウム触媒を用いる接触水素化により保護基を
除去することができる。
【0078】接触水素化反応に用いる溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、酢酸等またはこれらの有機溶媒と水あるいは
りん酸塩等の緩衝液との混合溶媒が挙げられる。
【0079】反応は、1〜4気圧の水素ガス気流下に0
〜50℃の温度範囲で、0.5〜4時間で完結する。
【0080】前記一般式[IV]において、ヒドロキシ
基および/またはアミノ基もしくはイミノ基の保護基
が、例えばアリルオキシカルボニル基であり、カルボキ
シル基の保護基が、例えばアリル基である場合には、ア
リル基の捕捉剤を含有する不活性有機溶媒中、有機可溶
性のパラジウム錯体触媒を反応させて保護基を除去する
ことができる[W.マッコムビ(McCombie)等
の方法、ザ ジャーナルオブ オーガニック ケミスト
リー(J.Org.Chem.)、第47巻、587〜
590頁(1982年)およびF.グイベ(Guib▲
e▼)等の方法、同一文献、第52巻、4984〜49
93(1987年)参照]。
【0081】反応に用いる溶媒としては、例えば水、ア
セトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、
クロロホルム等あるいはこれらの混合溶媒が挙げられ
る。
【0082】この反応に使用される好適なパラジウム化
合物錯体としては、例えばパラジウム−炭素、水酸化パ
ラジウム−炭素、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジ
ウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)、テトラキス(トリフェノキシホスフ
ィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリエトキシホ
スフィン)パラジウム(0)、ビス[エチレンビス(ジ
フェニルホスフィン)]パラジウム(0)、テトラキス
[トリ(2−フリル)ホスフィン]パラジウム(0)、
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II) アセタート等が挙げられる。
【0083】アリル基の捕捉剤としては、例えばジメド
ン、ぎ酸、酢酸、ぎ酸アンモニウム、ぎ酸ナトリウム、
2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン
酸カリウム、ピロリジン、ピペリジン、水素化トリブチ
ルすず等を挙げることができる。
【0084】反応は、一般式[IV]の化合物1モルに
対して、触媒0.01〜0.5モル、求核剤1〜6モル
を使用し、−10〜50℃の温度範囲、好ましくは0〜
30℃の温度範囲で行われ、通常0.5〜3時間で完結
する。
【0085】また、前記一般式[IV]において、ヒド
ロキシ基および/またはアミノ基もしくはイミノ基の保
護基がo−ニトロベンジルオキシカルボニル基で、カル
ボキシル基の保護基がo−ニトロベンジル基である場合
には、光反応によって保護基を除去することができる
[アミット(Amit)等の方法、ザ ジャーナル オ
ブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Che
m.)、第39巻、192〜196(1974年)参
照]。
【0086】保護基の除去反応の終了後、通常の処理法
により、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカ
ラムクロマトグラフィーに付し、または凍結乾燥または
結晶化等の操作により、一般式[I]の化合物を単離す
ることができる。
【0087】尚、一般式[IV]の化合物の3位のカル
ボキシル基の保護基が、例えばアセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基等の低級アルカノイルオキシア
ルキル基;例えばメトキシメチル基、インダニル基、フ
タリジル基等である場合、このようなエステルは生体内
で生理的に加水分解されるので、保護基を除去すること
なく、直接、ヒトまたは動物に投与することができる。
【0088】一般式[I]の化合物は、常法により医薬
として許容される塩またはエステルとすることができ
る。
【0089】一般式[II]で表される出発原料は、例
えばR1が水素原子である場合、ザルツマン(Salz
mann)等の方法[ジャーナル オブ ジ アメリカ
ンケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.So
c.)、第102巻、6161〜6163頁(1981
年)参照];R1がメチル基である場合、シー(Shi
h)等の方法[ヘテロサイクルズ(Heterocyc
les)、第21巻、29〜40頁(1984年)参
照]またはそれらに準ずる方法に従い製造することがで
きる。
【0090】一般式[III]で表される出発原料は、
例えば以下の方法により合成することができる。
【0091】化合物のヒドロキシ基を常法により活性
化した後、チオ酢酸カリウム等のチオ酢酸塩を反応させ
て、アセチルチオ誘導体とし、次いでアルカリ加水分
解または酸加水分解により一般式[III]で表される
チオール誘導体を得ることができる。
【0092】
【化21】 [式中、Reは水素原子またはヒドロキシ基の保護基、
Lは塩素原子、臭素原子、よう素原子、トリフルオロア
セトキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロ
メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオ
キシ基からなる群より選ばれる脱離基、Acはアセチル
基を示し、X1、Y1、Z、W1、p、q、rおよびtは
前記の定義と同じ意味を有する] 化合物の構造式を有する化合物群は、参考例に示した
製造法に準じて各々製造することができる。
【0093】本発明の化合物は、各種のグラム陽性菌お
よびグラム陰性菌に対して強い抗菌活性を示す。
【0094】本発明の化合物の有用性を具体的に示すた
めに、細菌に対する試験管内抗菌活性を下記の寒天平板
希釈法により測定した[日本化学療法学会標準法:ケモ
テラピー(Chemotherapy)、第29巻、7
6〜79頁(1981年)]。ミューラー ヒントン
ブロス(Mueller Hinton broth)
中で一夜培養した各試験菌株の一白金耳(接種菌量:1
6CFU/ml)をミューラー ヒントン アガー
(MH agar)に接種した。この培地には抗菌剤が
各濃度で含まれており、37℃で16時間培養した後、
最小発育阻止濃度(MIC:μg/ml)を測定した。
【0095】また、DHP−I感受性は、クロップ(K
ropp)等の方法[アンチミクロビアル アジェント
アンド ケモテラピィ(Antimicrob. A
gents Chemother.)、第22巻、62
〜70頁(1982年)]によって定量し、イミペネム
(=1.0)との割合で示されるが、数字が小さいほど
安定性が高い。
【0096】本発明化合物の最小発育阻止濃度およびD
HP−I感受性を、比較化合物としてメロペネム(me
ropenem)およびイミペネム(imipene
m)の化合物を用いて測定した。その結果を表1に示
す。
【0097】
【表7】 本発明の化合物は、種々のグラム陽性菌およびグラム陰
性菌に対して優れた抗菌活性を有し、これら病原菌を起
炎菌とするヒトの細菌感染症の治療および予防のための
抗菌剤として有用な化合物である。本発明の抗菌剤に感
受性のある代表的な病原体としては、例えばスタフィロ
コッカス(Staphylococcus)属、エンテ
ロコッカス(Enterococcus)属、エシェリ
キア(Escherichia)属、エンテロバクター
(Enterobacter)属、クレブシェラ(Kl
ebsiella)属、セラチア(Serratia)
属、プロテウス(Proteus)属、シュードモナス
(Pseudomonas)属等の菌種を挙げることが
でき、特にメチシリン耐性スタフィロコッカス アウレ
ウス(Methicillin resistant
Staphylococcus aureus)および
チエナマイシン耐性シュードモナス アエルギノーサ
(thienamycin resistant Ps
eudomonas aeruginosa)に対して
優れた抗菌活性を示した。
【0098】本発明の化合物は、各々の化合物によって
異なるが、DHP−Iに対して極めて安定であり、かつ
物理化学的安定性および水に対する溶解性にも優れてい
る。
【0099】本発明化合物は、当分野で公知の固体また
は液体の賦形剤の担体と混合し、非経口投与、経口投
与、外部投与に適した医薬製剤の形で使用することがで
きる。主なものは、局所的または注射による非経口的
(静注または筋注)な投与である。医薬製剤としては、
例えば注射剤、シロップ剤、乳剤等の液剤;錠剤、カプ
セル剤、粒剤等の固形剤;軟膏、坐剤等の外用剤が挙げ
られる。これらの製剤には、必要に応じて塩基、助剤、
安定化剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤等
の通常使用される添加剤が含まれていてもよい。
【0100】添加剤としては、例えば注射用蒸留水、リ
ンゲル液、グルコース、しょ糖シロップ、ゼラチン、食
用油、カカオ脂、エチレングリコール、しょ糖、とうも
ろこし澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙
げられる。
【0101】投与量は、患者の症状、体重、年齢、性
別、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常、成
人に対する好ましい日用量は有効成分約5〜50mg/
kg、子供に対する好ましい日用量は約5〜25mg/
kgの範囲にあり、1日当り1回または数回に分けて投
与するのが好ましい。
【0102】本発明の化合物は、必要に応じてシラスタ
チン[(Z)−7−(L−アミノ−2−カルボキシエチ
ルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボキサミド)−2−ヘプテノイン酸ナトリウム]等のD
HP−I阻害剤[特開昭56−81518号公報、欧州
特許出願第28,778号、ジャーナル オブ メディ
シナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第
30巻、1074頁(1987年)]と組合せて投与す
ることもできる。
【0103】
【実施例】実施例および参考例を挙げて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定さ
れるものではない。
【0104】特に断らない限り、実施例および参考例で
用いたカラム用シリカゲルは、WakogelTM C−
300(和光純薬)を、逆相カラム用シリカゲルは、L
C−SORBTM SP−B−ODS(Chemco)を
用いた。高速液体クロマトグラフは、JASCO 80
0シリーズ(日本分光)を用いた。NMRスペクトル
は、重ジメチルスルホキシドまたは重クロロホルム溶液
で測定する場合には、内部基準としてテトラメチルシラ
ン(TMS)を用い、重水溶液で測定する場合には、内
部基準として2,2−ジメチル−2−シラペンタン−5
−スルホナート(DSS)を用い、XL−200(20
0MHz;Varian)型スペクトロメータを用いて
測定し、全δ値をppmで示した。
【0105】NMR測定における略号の意味を以下に示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:クワルテット ABq:AB型クワルテット dd:ダブル ダブレット m:マルチプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツ CDCl3:重クロロホルム D2O:重水 実施例および参考例における略号の意味を以下に示す。 Ac:アセチル基 Alloc:アリルオキシカルボニル基 Boc:tert−ブトキシカルボニル基 Ms:メタンスルホニル基 Me:メチル基 MOPS:3−モルホリノプロパンスルホナート PNB:p−ニトロベンジル基 PNZ:p−ニトロベンジルオキシカルボニル基 TBS:tert−ブチルジメチルシリル基 実施例1(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸 1)
【0106】
【化22】 窒素気流中、(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−[N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−チア−
4−アザシクロヘプタン−7−イル]ピロリジン(5.
00g,8.08mmol,参考例1の化合物)をメタ
ノール(130ml)およびテトラヒドロフラン(50
ml)を用いて溶解し、この溶液に1N水酸化ナトリウ
ム水溶液(8.08ml,8.08mmol)を加え、
室温にて15分間撹拌した。反応溶液に1N塩酸(8.
10ml,8.10mmol)を加え、減圧下濃縮し
た。残渣を酢酸エチル(100ml)で抽出し、有機層
を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムに
て乾燥後、減圧下濃縮し、(2S,4S)−4−メルカ
プト−N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
2−[N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル]ピロリ
ジンの粗生成物を得た。
【0107】窒素気流中、氷冷下、p−ニトロベンジル
(1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホスホリル
オキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシ
ラート(4.81g,8.08mmol)のアセトニト
リル溶液(170ml)に、前記粗生成物のアセトニト
リル溶液(70ml)を滴下し、次いでN,N−ジイソ
プロピルエチルアミン(1.61ml,9.23mmo
l)を滴下した。同温度で一夜撹拌後、反応溶液を減圧
下に濃縮し、残渣を酢酸エチル(200ml)で抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム−
メタノール(100:1)]に付し、p−ニトロベンジ
ル (1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−
N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−
[N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−
チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル]ピロリジン
−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシラート(4.61g,収率:62%)を得た。
【0108】IR(KBr)cm-1:3420,177
0,1700,1520,1350,1200,111
0,850,740 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=7
Hz),1.38(3H,d,J=7Hz),1.5〜
1.9(3H,br m),2.1〜2.7(4H,
m),3.2〜3.8(9H,br m),4.10
(2H,m),4.25(2H,m),5.18(2
H,s),5.19(1H,d,J=14Hz),5.
23(2H,s),7.47(2H,d,J=8H
z),7.49(2H,d,J=8Hz),7.66
(2H,d,J=9Hz),8.20(2H,d,J=
9Hz),8.21(4H,d,J=8Hz) 2)
【0109】
【化23】 前記反応で得られた化合物(4.61g,5.01mm
ol)のテトラヒドロフラン(115ml)および0.
2M酢酸緩衝液(115ml,pH5.8)の混合液に
10%パラジウム−炭素触媒[3.0g,あらかじめ水
素気流下、テトラヒドロフラン(30ml)および水
(30ml)の混合液で1時間撹拌して活性化した]を
加え、この混合物を水素気流中、室温で3時間撹拌し
た。反応混合物から触媒を濾別し、濾液を減圧下濃縮
し、水溶液を得た。この水溶液を酢酸エチル(100m
l)で洗浄し、水層の不溶物を濾去した。得られた濾液
を減圧下濃縮し、60mlとした後、希水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いてpHを8.5とした。この溶液を、非
イオン吸着樹脂(ダイヤイオンTMHP−20−SS)を
用いたカラムクロマトグラフィー(15%メタノール−
水)に付し、目的画分を濃縮、凍結乾燥することによ
り、標記化合物(689mg,収率:32%)を得た。
【0110】IR(KBr)cm-1:3450,175
0,1620,1400 NMR(D2O)δ:1.18(3H,d,J=7H
z),1.26(3H,d,J=7Hz),1.48
(1H,m),1.85(1H,m),2.50(2
H,m),2.9〜3.5(12H,m),3.74
(1H,m),4.15〜4.25(2H,m) 実施例2(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロ
キシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸S’,S’−ジオキシド 1)
【0111】
【化24】 (2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘプタン−7−イル]ピロリジン S’,S’−ジオ
キシド[98mg,0.15mmol,参考例2−3)
の化合物]およびp−ニトロベンジル(1R,5S,6
S)−2−ジフェノキシホスホリルオキシ−6−[(1
R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カル
バペン−2−エム−3−カルボキシラート(89mg,
0.15mmol)を用いて、実施例1−1)と同様の
反応を行い、p−ニトロベンジル (1R,5S,6
S)−2−[(2S,4S)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘプタン−7−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−
6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
S’,S’−ジオキシド(131mg,収率:91%)
を得た。
【0112】IR(KBr)cm-1:3450,293
0,1770,1700,1600,1520,134
0,1280,1120,850,740 NMR(CDCl3)δ:1.30(3H,d,J=7
Hz),1.37(3H,d,J=6Hz),1.99
(2H,m),2.58(2H,m),3.11(2
H,m),3.2〜3.6(6H,m),3.8〜4.
3(7H,m),5.18(2H,s),5.19(1
H,d,J=14Hz),5.20(2H,s),5.
56(1H,d,J=14Hz),7.66(4H,
d,J=8Hz),7.69(2H,d,J=8H
z),8.26(6H,d,J=8Hz) 2)
【0113】
【化25】 前記反応で得られた化合物(131mg,0.13mm
ol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行い、
標記化合物(23mg,収率:38.8%)を得た。
【0114】IR(KBr)cm-1:3420,174
5,1600,1400,1280,1105 NMR(D2O)δ:1.19(3H,d,J=7H
z),1.27(3H,d,J=7Hz),1.55
(2H,m),2.02(2H,m),2.20(2
H,m),2.90(2H,m),3.18(3H,
m),3.41(2H,m),3.52(2H,m),
3.70(2H,m),4.20(2H,m) 実施例3(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘプタン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸 1)
【0115】
【化26】 参考例3−6)で得られた化合物(203mg,0.3
16mmol)を用い、実施例1−1)と同様の方法
で、p−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−2
−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボキシラート(167mg,収
率:57.4%)を得た。
【0116】IR(KBr)cm-1:3400,177
0,1700,1520 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=7
Hz),1.38(3H,d,J=7Hz),1.8〜
2.5(7H,br m),2.9(2H,m),3.
2〜3.8(9H,m),4.2〜4.6(4H,
m),5.2〜5.6(6H,m),7.58(4H,
br d,J=8Hz),7.65(2H,d,J=8
Hz),8.23(6H,d,J=8Hz) 2)
【0117】
【化27】 前記反応で得られた化合物(167mg,0.181m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の方法で、標
記化合物(19.4mg,収率:25.1%)を得た。
【0118】IR(KBr)cm-1:3450,175
0,1600,1390 NMR(D2O)δ:1.22(3H,d,J=7H
z),1.32(3H,d,J=7Hz),1.48
(1H,m),2.05(1H,m),2.3(2H,
m),2.6〜3.05(4H,m),3.01〜3.
8(10H,m),4.2〜4.3(2H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):301nm 実施例4(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−5−アザシクロオクタン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸ジアステレオマーA 1)
【0119】
【化28】 (2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−5−アザシク
ロオクタン−2−イル]ピロリジン ジアステレオマー
A[750mg,1.19mmol,参考例4の化合
物]およびp−ニトロベンジル (1R,5S,6S)
−2−ジフェノキシホスホリルオキシ−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボキシラート(720mg,
1.21mmol)を用いて、実施例1−1)と同様の
反応を行い、p−ニトロベンジル (1R,5S,6
S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−2−[(2S,4S)−N−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)−1−チア−5−アザシクロオ
クタン−2−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート ジアス
テレオマーA(250mg,収率:23%)を得た。
【0120】IR(KBr)cm-1:3430,293
0,1770,1700,1605,1520,140
0,1345,1205,1110,850,740 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=6
Hz),1.37(3H,d,J=6Hz),1.5〜
2.3(7H,m),2.4〜3.0(3H,m),
3.0〜4.0(9H,m),4.0〜4.4(3H,
m),5.0〜5.6(6H,m),7.4〜7.6
(4H,m),7.67(2H,d,J=9Hz),
8.23(6H,d,J=9Hz) 2)
【0121】
【化29】 前記反応で得られた化合物(250mg,0.267m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行
い、標記化合物(23mg,収率:19%)を得た。
【0122】IR(KBr)cm-1:3420,175
0,1585,1395,1285NMR(D2O)
δ:1.16(3H,d,J=7Hz),1.24(3
H,d,J=6Hz),1.3〜1.6(1H,m),
1.9〜2.3(4H,m),2.4〜2.6(1H,
m),2.7〜3.1(4H,m),3.15〜3.6
(8H,m),3.7〜3.85(1H,m),4.1
〜4.25(2H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):298nm(ε=7600) 実施例5(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−5−アザシクロオクタン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸ジアステレオマーB 1)
【0123】
【化30】 (2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−5−アザシク
ロオクタン−2−イル]ピロリジン ジアステレオマー
B[720mg,1.14mmol,参考例4の化合
物]およびp−ニトロベンジル (1R,5S,6S)
−2−ジフェノキシホスホリルオキシ−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボキシラート(680mg,
1.14mmol)を用いて、実施例1−1)と同様の
反応を行い、p−ニトロベンジル (1R,5S,6
S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−2−[(2S,4S)−N−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)−1−チア−5−アザシクロオ
クタン−2−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシラート ジアス
テレオマーB(860mg,収率:81%)を得た。
【0124】IR(KBr)cm-1:3440,293
0,1770,1700,1605,1520,140
5,1345,1200,1105,850,735 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,d,J=7
Hz),1.37(3H,d,J=7Hz),1.5〜
2.2(7H,m),2.25〜2.8(3H,m),
3.2〜3.6(6H,m),3.6〜3.9(2H,
m),3.9〜4.15(2H,m),4.15〜4.
35(2H,m),5.1〜5.6(6H,m),7.
53(4H,d,J=9Hz),7.67(2H,d,
J=9Hz),8.23(6H,d,J=9Hz) 2)
【0125】
【化31】 前記反応で得られた化合物(810mg,0.866m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行
い、標記化合物(109mg,収率:28%)を得た。
【0126】IR(KBr)cm-1:3400,296
0,1750,1590,1385,1280 NMR(CDCl3)δ:1.16(3H,d,J=7
Hz),1.24(3H,d,J=7Hz),1.3〜
1.5(1H,m),1.8〜2.4(4H,m),
2.4〜2.6(1H,m),2.7〜3.6(12
H,m),3.6〜3.85(1H,m),4.1〜
4.3(2H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):299nm(ε=7400) 実施例6(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸 1)
【0127】
【化32】 参考例5の化合物(121mg,0.2mmol)を用
い、実施例1−1)と同様に反応を行い、p−ニトロベ
ンジル (1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4
S)−N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
2−[N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル]ピロリ
ジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボキシラート(167mg,収率:92.5%)
を得た。
【0128】IR(KBr)cm-1:3450,177
0,1700,1520 NMR(CDCl3)δ:1.3(3H,d,J=7H
z),1.4(3H,d,J=7Hz),1.95〜
2.3(3H,br m),2.32〜2.9(4H,
m),3.2〜4.0(7H,br m),4.1〜
4.8(4H,m),5.2〜5.6(6H,m),
7.2〜7.7(6H,m),8.24(6H,d,J
=8Hz) 2)
【0129】
【化33】 前記反応で得られた化合物(167mg,0.185m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様にして標記化
合物(10.1mg,収率:13.2%)を得た。
【0130】IR(KBr)cm-1:3450,174
0,1600,1490,1400NMR(D2O)
δ:1.20(3H,d,J=7Hz),1.29(3
H,d,J=7Hz),1.52(1H,m),1.9
8(1H,m),2.62(2H,m),2.9〜3.
5(10H,m),3.8(1H,m),4.2(2
H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):301nm 実施例7(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロ
リジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−
3−カルボン酸S’−オキシド 1)
【0131】
【化34】 参考例6で得られた粗化合物(125mg,0.2mm
ol)を用いて、実施例1−1)と同様に反応を行い、
p−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−1−チア−4−アザシクロヘキサン−2
−イル]ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボキシラートS’−オキシド(1
18mg,収率:64.8%)を得た。
【0132】NMR(CDCl3)δ:1.24(3
H,d,J=7Hz),1.32(3H,d,J=8H
z),2.1〜2.2(2H,m),2.3〜2.4
(2H,m),3.0〜3.15(1H,m),3.2
〜3.9(9H,m),4.2〜4.3(2H,m),
5.1〜5.3(6H,m),7.3〜7.5(6H,
m),8.2〜8.3(6H,m) 2)
【0133】
【化35】 前記反応で得られた化合物(110mg,0.12mm
ol)を用いて、実施例1−2)と同様にして、標記化
合物(4.1mg,収率:8%)を得た。
【0134】IR(KBr)cm-1:3450,174
5,1600,1400 NMR(D2O)δ:1.20(3H,d,J=7H
z),1.3(3H,d,J=7Hz),1.52(1
H,m),1.98(1H,m),2.7(2H,
m),2.9〜3.5(10H,m),3.8(1H,
m),4.2(2H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):301nm 実施例8(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン−2
−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0135】
【化36】 参考例7で得られた化合物(343mg,0.782m
mol)を用いて、実施例1−1)と同様に反応を行
い、p−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−2−(5−オキソ−1−チア−4−アザ
シクロヘキサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチ
オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラー
ト(440mg,収率:76%)を得た。
【0136】IR(KBr)cm-1:3450,176
0,1700,1520 NMR(CDCl3)δ:1.3(3H,d,J=7H
z),1.34(3H,d,J=7Hz),1.9〜
2.1(2H,m),2.8(2H,m),3.2〜
3.8(8H,m),4.3(1H,m),5.28〜
5.6(4H,m),5.9(1H,br s),7.
2(1H,br s),7.58(2H,d,J=8H
z),7.7(2H,d,J=8Hz),8.24(4
H,d,J=8Hz) 2)
【0137】
【化37】 前記反応で得られた化合物(440mg,0.594m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様に反応を行
い、標記化合物(119mg,収率:46.9%)を得
た。
【0138】IR(KBr)cm-1:3400,295
0,1750,1600,1450,1390 NMR(D2O)δ:1.2(3H,d,J=7H
z),1.28(3H,d,J=7Hz),1.8〜
2.0(1H,m),2.5〜2.8(2H,m),
2.9〜3.6(8H,m),3.7〜4.1(2H,
m),4.18〜4.25(1H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):299nm 実施例9(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン−2
−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0139】
【化38】 参考例8で得られた化合物(163mg,0.372m
mol)を用いて、実施例1−1)と同様に反応を行
い、p−ニトロベンジル (1R,5S,6S)−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−[(2S,4S)−N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−2−(5−オキソ−1−チア−4−アザ
シクロヘキサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチ
オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシラー
ト(178mg,収率:65%)を得た。
【0140】NMR(CDCl3)δ:1.3(3H,
d,J=8Hz),1.38(3H,d,J=8H
z),1.9〜2.1(2H,m),2.8(2H,
m),3.2〜3.8(8H,m),4.3(1H,
m),5.28〜5.6(4H,m),5.9(1H,
br s),7.2(1H,br s),7.58(2
H,d,J=8Hz),7.7(2H,d,J=8H
z),8.24(4H,d,J=8Hz) 2)
【0141】
【化39】 前記反応で得られた化合物(178mg,0.241m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様に反応を行
い、標記化合物(44mg,収率:42.7%)を得
た。
【0142】IR(KBr)cm-1:3400,295
0,1750,1600,1450NMR(D2O)
δ:1.2(3H,d,J=7Hz),1.28(3
H,d,J=7Hz),1.8〜2.0(1H,m),
2.5〜2.8(2H,m),2.9〜3.6(8H,
m),3.7〜4.0(2H,m),4.18〜4.2
5(1H,m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):300nm 実施例10(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(モルホリン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]
−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 1)
【0143】
【化40】 参考例9の化合物(160mg,0.40mmol)と
アリル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシホス
ホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシラート(180mg,0.36mmol)を用
いて、実施例1と同様にして、アリル(1R,5S,6
S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−2−[(2S,4S)−N−(アリルオキシカ
ルボニル)−2−(4−アリルオキシカルボニルモルホ
リン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カ
ルバペン−2−エム−3−カルボキシラート(256m
g,収率:105%)を得た。
【0144】NMR(CDCl3)δ:1.28(3
H,d,J=6Hz),1.38(3H,d,J=6H
z),2.22(2H,m),2.70(1H,m),
2.96(1H,m),3.10〜3.60(2H,
m),3.56(2H,m),4.0(7H,m),
4.22(2H,m),4.60(6H,m),5.3
0(6H,m),5.98(3H,m) 2)
【0145】
【化41】 上記反応で得た化合物(250mg,0.41mmo
l)、塩化メチレン(5.0ml)、水(50μl)お
よびビストリフェニルホスフィン塩化パラジウム(5.
8mg,8.26μmol)の混合物に、窒素気流下、
0℃にて水素化トリブチルスズ(0.67ml,2.4
6mmol)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液
にクロロホルムを加え、水で抽出し、減圧下濃縮し、O
DSカラムクロマトグラフィー(YMC−GELTM
7.8ml)に付し、UV300nmの吸収を示すフラ
クションを集め濃縮、凍結乾燥を行い、標記化合物(2
4mg,収率:15%)を得た。
【0146】NMR(D2O)δ:1.22(3H,
d,J=6Hz),1.30(3H,d,J=6H
z),1.74(1H,m),2.48(1H,m),
2.7〜3.6(7H,m),3.84(4H,m),
4.20(4H,m) 実施例11(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
(1−オキサ−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピ
ロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸 1)
【0147】
【化42】 (2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−オキサ−4−アザシ
クロヘプタン−7−イル]ピロリジン(226mg,
0.375mmol,参考例10の化合物)およびp−
ニトロベンジル (1R,5S,6S)−2−ジフェノ
キシホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキ
シラート(222mg,0.375mmol)を用い
て、実施例1−1)と同様の反応を行い、p−ニトロベ
ンジル(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)
−N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−
[N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−
オキサ−4−アザシクロヘプタン−7−イル]ピロリジ
ン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−
カルボキシラート(226mg,収率:66.7%)を
得た。
【0148】IR(KBr)cm-1:3400,293
0,2860,1770,1700,1600,152
0,1340,1100 NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,d,J=6
Hz),1.34(3H,d,J=6Hz),1.50
〜1.64(2H,m),2.12(1H,m),2.
60(1H,m),2.90〜3.70(10H,
m),3.80〜4.34(5H,m),5.10〜
5.40(4H,m),5.24(1H,d,J=14
Hz),5.52(1H,d,J=14Hz),7.4
2〜7.60(4H,m),7.66(2H,d,J=
9Hz),8.12〜8.28(6H,m) 2)
【0149】
【化43】 前記反応で得られた化合物(225mg,0.249m
mol)を用いて、実施例1−2)と同様の反応を行
い、標記化合物(8.5mg,収率:8%)を得た。
【0150】IR(KBr)cm-1:3450,175
0,1600,1400 NMR(D2O)δ:1.29(3H,d,J=7H
z),1.36(3H,d,J=7Hz),1.50〜
2.00(4H,m),2.80〜3.20(5H,
m),3.22〜3.44(4H,m),3.44〜
3.90(4H,m),4.08〜4.30(2H,
m) UVλmax(0.1M MOPS緩衝液,pH7.
0):299nm 参考例1(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘプタン−7−イル]ピロリジン 1)
【0151】
【化44】 窒素気流下、(E)−3−[(2S,4R)−N−te
rt−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメ
チルシロキシピロリジン−2−イル]アクリル酸メチル
エステル(38.55g,100mmol)および2−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エタン
−1−チオール(25.63g,100mmol)のメ
タノール溶液(400ml)に、トリエチルアミン(1
3.9ml,100mmol)を加え、室温にて2時間
撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル
(700ml)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−N−te
rt−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメ
チルシロキシ−2−[2−メトキシカルボニル−1−
[2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)
エチルチオ]エチル]ピロリジン(50.0g,収率:
77.9%)を得た。
【0152】IR(KBr)cm-1:3380,295
0,1730,1690,1520,1250,116
0,840 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
84(9H,s),1.48(9H,br s),1.
7〜2.0(2H,br m),2.2〜2.6(2
H,br m),2.70(2H,m),3.2〜3.
6(4H,m),3.70(3H,s),4.0〜4.
4(3H,br m),5.20(2H,s),5.6
〜5.8(1H,br),7.52(2H,d,J=8
Hz),8.23(2H,d,J=8Hz) 2)
【0153】
【化45】 前記反応で得られた化合物(50.0g,77.9mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(500ml)に、窒
素気流中、塩化リチウム(6.6g,156mmo
l)、次いで水素化ほう素ナトリウム(5.89g,1
56mmol)を加えた。この混合物にエタノール(5
00ml)を加え、反応溶液を室温で一夜撹拌した。酢
酸(8.83ml,156mmol)をこの反応溶液に
加えて過剰の還元剤を分解後、この混合物を減圧下に濃
縮した。残渣を酢酸エチル(500ml)で抽出し、有
機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル)に付
し、(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニ
ル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[3
−ヒドロキシ−1−[2−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニルアミノ)エチルチオ]プロピル]ピロリジン
(25.8g,収率:53.9%)を得た。
【0154】IR(KBr)cm-1:3400,292
0,1690,1520,1400,1345,125
0,1160,835,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
85(9H,s),1.43(9H,s),1.68
(2H,s),1.7〜1.9(3H,br m),
2.12(1H,m),2.68(2H,m),3.3
〜3.6(3H,m),4.12(1H,br m),
4.40(1H,s),5.22(2H,s),5.6
2(1H,br m),7.53(2H,d,J=8H
z),8.23(2H,d,J=8Hz) 3)
【0155】
【化46】 窒素気流中、前記反応で得られた化合物(25.8g,
42mmol)のテトラヒドロフラン溶液(300m
l)に、氷冷下、トリエチルアミン(6.45ml,4
6.2mmol)および塩化メタンスルホニル(3.5
8ml,46.2mmol)を加え、同温度で30分間
撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣を酢
酸エチル(500ml)を用いて抽出した。有機層を
水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用
いて乾燥し、減圧下に濃縮し、(2S,4R)−N−t
ert−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジ
メチルシロキシ−2−[3−メタンスルホニルオキシ−
1−[2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)エチルチオ]プロピル]ピロリジンを油状残渣とし
て得た。
【0156】前記反応で得られた化合物のエタノール溶
液(290ml)に10%パラジウム−炭素触媒(10
g)を加え、水素気流中、室温で4時間撹拌した。反応
混合物から触媒を濾別し、濾液を減圧下に濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メ
タノール−クロロホルム)に付し、(2S,4R)−N
−tert−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチ
ルジメチルシロキシ−2−[1−(2−アミノエチルチ
オ)−3−メタンスルホニルオキシプロピル]ピロリジ
ンを主として含む油状残渣(9.8g)を得た。
【0157】この残渣をジメチルホルムアミド(550
ml)に溶解し、トリエチルアミン(2.56ml,1
8.3mmol)を加え、この溶液を70℃で1.5時
間撹拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、オイル状残渣
を得た。このオイル状残渣をジオキサン(100ml)
に溶解し、トリエチルアミン(3.33ml,23.8
mmol)および4,6−ジメチル−2−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニルチオ)ピリミジン(5.86
g)を加えた。この反応溶液を室温で一夜撹拌した。反
応溶液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチル(300m
l)にて抽出した。有機層を1N硫酸水素カリウム水溶
液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル)に付し、
(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−チア−
4−アザシクロヘプタン−7−イル]ピロリジン(5.
83g,収率:23.3%)を得た。
【0158】IR(KBr)cm-1:2920,170
0,1520,1405,1345,1250,116
0,1100,840,775 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.45(9H,s),1.56
(1H,br m),1.85(2H,br m),
2.29(1H,br m),2.76(2H,m),
3.1〜3.6(6H,m),3.9〜4.4(3H,
m),5.31(2H,s),7.55(2H,d,J
=8Hz),8.29(2H,t,J=8Hz) 4)
【0159】
【化47】 前記反応で得られた化合物(5.83g,9.78mm
ol)に、2N塩化水素のメタノール溶液(50ml)
を加え、室温で3時間撹拌した。反応溶液を減圧下に濃
縮し、残渣をジオキサン(80ml)および水(80m
l)の混合液に溶解し、トリエチルアミン(1.77m
l,12.7mmol)および4,6−ジメチル−2−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニルチオ)ピリミジ
ン(3.12g,9.78mmol)を加え、室温で1
時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エ
チル(100ml)で抽出した。有機層を1N硫酸水素
カリウム、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(メタノール−クロロホルム)に付し、(2S,4R)
−4−ヒドロキシ−N−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−
イル]ピロリジン(4.83g,収率:88.1%)を
得た。
【0160】IR(KBr)cm-1:3440,170
0,1520,1340,1105 NMR(CDCl3)δ:1.60(1H,m),1.
78(1H,m),1.99(1H,m),2.25
(1H,m),2.72(2H,m),3.1〜3.8
(7H,br m),4.0〜4.3(2H,m),
4.46(1H,br s),5.25(4H,m),
7.52(4H,m),8.24(4H,m) 5)
【0161】
【化48】 前記反応により得られた化合物(4.83g,8.62
mmol)のテトラヒドロフラン溶液(50ml)に、
窒素気流中、氷冷下、トリエチルアミン(1.56m
l,11.2mmol)および塩化メタンスルホニル
(0.70ml,9.05mmol)を加え、同温度で
30分間撹拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、残渣を
酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を、水、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノー
ル−クロロホルム)に付し、(2S,4R)−4−メタ
ンスルホニルオキシ−N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−7
−イル]ピロリジン(5.56g,収率:96.2%)
を得た。
【0162】IR(KBr)cm-1:3450,170
0,1520,1345,1170,1110 NMR(CDCl3)δ:1.55(1H,m),2.
09(1H,m),2.35(2H,m),2.73
(2H,m),3.05(3H,s),3.1〜3.7
5(6H,br m),4.0〜4.3(3H,m),
5.30(4H,m),7.52(4H,m),8.2
4(4H,m) 6)
【0163】
【化49】 窒素気流中、前記反応により得られた化合物(5.56
g,8.70mmol)のジメチルホルムアミド溶液
(90ml)にチオ酢酸カリウム(1.99g,17.
4mmol)およびヨウ化ナトリウム(1.30g,
8.70mmol)を加え、65℃で4時間撹拌した。
反応溶液を減圧下濃縮して、残渣を酢酸エチル(150
ml)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム)に付し、標記化合物(5.01g,収率:93.0
%)を得た。
【0164】IR(KBr)cm-1:1700,152
0,1345,1105 NMR(CDCl3)δ:1.60(1H,m),2.
1〜2.5(3H,br m),2.36(3H,
s),2.73(2H,m),2.1〜2.3(2H,
m),2.5〜2.8(4H,m),4.0〜4.15
(3H,m),5.28(4H,s),7.25(2
H,d,J=8Hz),7.26(2H,d,J=8H
z),8.22(2H,d,J=8Hz),8.24
(2H,d,J=8Hz) 参考例2(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘプタン−7−イル]ピロリジン S’,S’−ジオ
キシド 1)
【0165】
【化50】 参考例1−3)で得られた化合物(0.20g,0.3
4mmol)の塩化メチレン溶液(5ml)に、氷冷
下、m−クロロ過安息香酸(185mg,1.07mm
ol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液を10
%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)に付し、(2
S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[N−(p−
ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−ア
ザシクロヘプタン−7−イル]ピロリジン S’,S’
−ジオキシド(161mg,収率:76.5%)を得
た。
【0166】IR(KBr)cm-1:2950,170
0,1605,1510,1410,1350,129
0,1250,1160,1130,1010,84
0,770 NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.
85(9H,s),1.46(9H,s),2.0〜
2.2(3H,m),2.52(1H,m),3.0〜
3.8(5H,m),3.42(2H,d,J=13H
z),4.02(1H,m),4.21(2H,m),
4.43(1H,m),5.29(2H,s),7.5
6(2H,d,J=8Hz),8.30(2H,d,J
=8Hz) 2)
【0167】
【化51】 前記反応で得られた化合物(160mg,0.26mm
ol)を用いて、参考例1−4)と同様の反応を行い、
(2S,4R)−4−ヒドロキシ−N−(p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシクロ
ヘプタン−7−イル]ピロリジン S,S−ジオキシド
(147mg,収率:96%)を得た。
【0168】IR(KBr)cm-1:3450,170
0,1605,1520,1430,1350,112
0,850,740 NMR(CDCl3)δ:1.8〜2.3(3H,
m),2.63(1H,m),3.01(1H,m),
3.2〜4.1(5H,m),3.31(2H,d,J
=11Hz),4.21(2H,m),4.55(1
H,m),5.30(4H,s),7.55(4H,
d,J=8Hz),8.25(4H,d,J=8Hz) 3)
【0169】
【化52】 前記反応で得られた化合物(147mg,0.25mm
ol)を用いて、参考例1−5),1−6)と同様の反
応を行い、標記化合物(101mg,収率:63%)を
得た。
【0170】IR(KBr)cm-1:1700,160
5,1520,1430,1405,1350,112
0,850,740 NMR(CDCl3)δ:2.12(2H,m),2.
36(3H,s),2.4〜2.7(2H,m),3.
08(2H,m),3.2〜3.6(4H,m),3.
8〜4.0(2H,m),4.1〜4.3(3H,
m),5.30(4H,s),7.56(4H,d,J
=8Hz),8.26(4H,m) 参考例3(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘプタン−2−イル]ピロリジン 1)
【0171】
【化53】 (2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−(2−ニ
トロビニル)ピロリジン(2.89g,7.76mmo
l)およびトリエチルアミン(2.16ml,15.5
2mmol)のエタノール溶液(60ml)に1−メル
カプト−3−プロパノール(1.43g,15.52m
mol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液を減
圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下
に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−
N−tert−ブトキシカルボニル−4−tert−ブ
チルジメチルシロキシ−2−[1−(3−ヒドロキシプ
ロピルチオ)−2−ニトロエチル]ピロリジン(2.0
2g,収率:56.5%)を得た。
【0172】IR(KBr)cm-1:3400,292
0,2850,1690,1560,1400 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),0.
86(9H,s),1.28(2H,br s),1.
48(9H,s),1.92(2H,m),2.78
(4H,m),3.25〜3.4(2H,m),3.7
8(2H,m),4.2〜4.6(4H,m) 2)
【0173】
【化54】 前記反応で得られた化合物(2.02g,4.35mm
ol)の乾燥ジエチルエーテル溶液(40ml)に、氷
冷下、水素化リチウムアルミニウム(414mg,1
0.9mmol)を加え、同温で30分間、更に、室温
で1時間撹拌した後、再び氷冷した反応液に、水(1.
7ml)、20%水酸化ナトリウム水溶液(0.6m
l)、次いで水(6.2ml)を加えた。15分間撹拌
し、生じた不溶物を濾別し、エーテル層を水、飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に
濃縮した。得られた残渣をクロロホルム(40ml)に
溶解し、4,6−ジメチル−2−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニルチオ)ピリミジン(1.25g,3.
9mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を
飽和重曹水、次いで水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホル
ム)に付し、(2S,4R)−N−tert−ブトキシ
カルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−
2−[1−(3−ヒドロキシプロピルチオ)−2−(p
−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エチル]ピ
ロリジン(2.46g,収率:92%)を得た。
【0174】NMR(CDCl3)δ:0.06(6
H,s),0.8(9H,s),1.4(9H,s),
1.6〜2.0(4H,m),2.6(2H,m),
3.0〜3.7(6H,br m),4.3(1H,b
r m),5.2(2H,s),7.6(2H,d,J
=8Hz),8.2(2H,d,J=8Hz) 3)
【0175】
【化55】 前記反応で得られた化合物をテトラヒドロフラン(20
ml)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(0.61
ml,4.37mmol)、次いでメタンスルホニルク
ロリド(0.34ml,4.37mmol)を滴下し、
同温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(40m
l)に注ぎ、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン)に
付し、(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボ
ニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−
[1−(3−メタンスルホニルオキシプロピルチオ)−
2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エ
チル]ピロリジン(1.45g,ニトロ体からの収率:
54.3%)を得た。
【0176】NMR(CDCl3)δ:0.08(6
H,s),1.8(9H,s),1.4(9H,s),
1.95(4H,m),2.6(2H,m),3.0
(3H,s),3.2〜3.42(2H,m),4.0
〜4.25(3H,m),5.2(2H,s),7.5
(2H,d,J=8Hz),8.2(2H,d,J=8
Hz) 4)
【0177】
【化56】 前記反応で得られたメシル体(1.45g,2.36m
mol)のエタノール溶液(30ml)に10%パラジ
ウム−炭素触媒を懸濁させ、水素雰囲気下に2時間激し
く撹拌した。触媒を濾別後、減圧下に濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロ
ロホルム)に付し、アミン体を含む画分を濃縮し、残渣
をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、トリエ
チルアミン(0.1ml)を加え、2時間撹拌した。反
応液を酢酸エチル−飽和重曹水中に注ぎ、有機層を水、
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下に濃縮した。得られた油状物をクロロホルム(1
0ml)に溶解し、4,6−ジメチル−2−(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニルチオ)ピリミジン(220
mg,0.69mmol)を加え、15時間撹拌した。
反応液を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−
クロロホルム)に付し、(2S,4R)−N−tert
−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチル
シロキシ−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−2−イ
ル]ピロリジン(223mg,収率:15.9%)を得
た。
【0178】IR(KBr)cm-1:2920,170
0,1520,1405 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.48(9H,s),1.96
(2H,m),2.4〜2.9(2H,m),3.1〜
3.8(6H,m),4.38(1H,br s),
5.3(2H,s),7.5(2H,d,J=8H
z),8.29(2H,d,J=8Hz) 5)
【0179】
【化57】 前記反応で得られた化合物(223mg,0.375m
mol)に2N−塩化水素のメタノール溶液(5ml)
を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮
し、残渣をジオキサン(10ml)および水(10m
l)の混合液に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液で
pH9とし、4,6−ジメチル−2−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニルチオ)ピリミジン(119.5m
g,0.375mmol)を加え、1N水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH9を保ちながら、2時間撹拌した。反応
液を酢酸エチル(30ml)中に注ぎ、水、飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃
縮する。得られた油状物をテトラヒドロフラン(10m
l)に溶解し、冷却下にトリエチルアミン(0.078
ml,0.56mmol)、次いで塩化メタンスルホニ
ル(0.043ml,0.56mmol)を滴下し、室
温まで昇温した後、1時間撹拌した。反応液を酢酸エチ
ル(30ml)中に注ぎ、水、飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−
クロロホルム)に付し、(2S,4R)−4−メタンス
ルホニルオキシ−N−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−1−チア−4−アザシクロヘプタン−2−イ
ル]ピロリジン(241.2mg,収率:100%)を
得た。
【0180】IR(KBr)cm-1:3450,171
0,1520 NMR(CDCl3)δ:1.95(2H,m),2.
0〜2.5(5H,m),2.9(2H,m),3.1
(3H,s),3.2〜3.8(6H,brm),4.
0〜4.3(3H,m),5.32(4H,m),7.
6(4H,m),8.24(4H,m) 6)
【0181】
【化58】 前記反応で得られた化合物(240mg,0.375m
mol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解
し、窒素雰囲気下でチオ酢酸カリウム(86mg,0.
75mmol)およびヨウ化ナトリウム(85mg,
0.56mmol)を加え、70℃で5時間撹拌した。
反応液を酢酸エチル(40ml)中に注ぎ、水で2回、
次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧下に濃縮して得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム)に付し、標記
化合物(203mg,収率:84%)を得た。
【0182】IR(KBr)cm-1:3400,170
0,1520 NMR(CDCl3)δ:1.95(2H,m),2.
05〜2.3(2H,m),2.4(3H,s),2.
4〜2.65(2H,m),4.2〜4.9(6H,
m),4.0〜4.15(2H,m),5.32(4
H,s),7.6(4H,d,J=8Hz),8.3
(4H,d,J=8Hz) 参考例4(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−5−アザシク
ロオクタン−2−イル]ピロリジン ジアステレオマー
A,B 1)
【0183】
【化59】 窒素気流下、室温で、1−アセチルチオ−3−(N−t
ert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン(2.3
3g,9.99mmol)のメタノール溶液(400m
l)に、1N水酸化ナトリウム水溶液(10ml,10
mmol)を滴下し、同温度で15分間撹拌した。反応
液に1N塩酸(10ml,10mmol)を滴下した
後、減圧下でメタノールを留去した。残渣に酢酸エチル
(150ml)を加え、水、飽和食塩水の順に洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去し
て、粗チオールを得た。
【0184】この粗チオールおよび(E)−3−[(2
S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
tert−ブチルジメチルシロキシピロリジン−2−イ
ル]アクリル酸 メチルエステル(9.25g,24.
0mmol)を用いて、参考例1−1)と同様の反応を
行い、(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボ
ニル−2−[1−[3−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ)プロピルチオ]−2−メトキシカルボニルエ
チル]−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリ
ジン(5.61g,収率:97%)を得た。
【0185】IR(KBr)cm-1:3370,296
0,2940,1740,1700,1520,139
5,1370,1255,1170,1120,102
0,840,780 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.44(9H,s),1.46
(9H,s),1.6〜2.1(4H,m),2.2〜
2.8(4H,m),3.1〜3.4(4H,m),
3.4〜3.9(1H,m),3.70および3.72
(3H,s),3.95〜4.45(2H,m),4.
6〜4.9(1H,br s) 2)
【0186】
【化60】 窒素気流下、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(3
10mg,8.17mmol)のエーテル懸濁液(25
ml)に、前記反応で得られた化合物(4.74g,
8.22mmol)のエーテル溶液(15ml)をゆっ
くり滴下し、同温度で1時間撹拌した。氷冷下、激しく
撹拌しながら水(0.33ml)、20%水酸化ナトリ
ウム水溶液(0.25ml)、水(1.15ml)を順
に加え、しばらく撹拌した。反応液にエーテル(100
ml)を加え、不溶物を除去し、この不溶物をエーテル
で洗浄した(100ml×2)。エーテル溶液を合わせ
て、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル)
に付し、(2S,4R)−N−tert−ブトキシカル
ボニル−2−[1−[3−(tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ)プロピルチオ]−3−ヒドロキシプロピ
ル]−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリジ
ン(3.30g,収率:73%)を得た。
【0187】IR(KBr)cm-1:3380,294
0,1700,1680,1520,1460,140
0,1370,1255,1170,1120,84
0,780 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86および0.87(9H,s),1.44(9H,
s),1.45(9H,s),1.6〜2.1(7H,
m),2.45〜2.8(2H,m),3.0〜3.7
5(5H,m),3.75〜3.95(2H,m),
4.0〜4.5(2H,m),4.6〜5.0(1H,
br s) 3)
【0188】
【化61】 前記反応で得られた化合物(3.63g,6.61mm
ol)を用いて、参考例3−3)と同様の反応を行い、
(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
2−[1−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)プロピルチオ]−3−メタンスルホニルオキシプロ
ピル]−4−tert−ブチルジメチルシロキシピロリ
ジン(4.21g,収率:定量的)を得た。
【0189】IR(KBr)cm-1:3400,293
0,1690,1580,1510,1460,140
0,1365,1250,1170,1120,84
0,780 NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.
85(9H,s),1.43(9H,s),1.45
(9H,s),1.55〜2.15(6H,s),2.
45〜2.7(2H,m),3.0〜3.1(3H,
m),3.1〜3.4(3H,m),3.4〜3.75
(2H,m),4.0〜4.2(1H,m),4.2〜
4.6(3H,m),4.6〜4.85(1H,m) 4)
【0190】
【化62】 窒素気流下、室温で60%油性水素化ナトリウム(54
0mg,13.5mmol)のN,N−ジメチルホルム
アミド懸濁液(600ml)に、前記反応で得られた化
合物(4.00g,6.72mmol)のN,N−ジメ
チルホルムアミド溶液(100ml)をゆっくり滴下
し、同温度で3日間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮し
た後、1N硫酸水素カリウム水溶液(100ml)に注
ぎ、酢酸エチルで抽出した(100ml×1,50ml
×2)。有機層を合わせて、水、飽和食塩水の順に洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去
した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−N
−tert−ブトキシカルボニル−2−(N−tert
−ブトキシカルボニル−1−チア−5−アザシクロオク
タン−2−イル)−4−ヒドロキシピロリジン(1.8
5g,収率:66%)を得た。
【0191】IR(KBr)cm-1:3450,298
0,1695,1680,1480,1410,137
0,1255,1170,1120,775 NMR(CDCl3)δ:1.46(18H,s),
1.6〜2.2(7H,m),2.5〜2.9(2H,
m),3.0〜3.95(7H,m),4.0〜4.1
5(1H,m),4.2〜4.45(1H,m) 5)
【0192】
【化63】 前記反応で得られた化合物(1.46g,3.50mm
ol)の塩化メチレン溶液(5ml)に、トリフルオロ
酢酸(5ml)を加え、室温で30分間撹拌した。反応
液を減圧下で溶媒留去した後、数回、ベンゼンを加えて
溶媒留去して粗アミノアルコールを得た。
【0193】この粗アミノアルコールのジオキサン(1
2ml)−水(4ml)混合溶液に、炭酸水素ナトリウ
ム(2.94g,35.0mmol)、次いで4,6−
ジメチル−2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル
チオ)ピリミジン(2.40g,7.52mmol)を
加え、室温で一夜撹拌した。反応液に酢酸エチル(20
0ml)を加え、水、1N硫酸水素カリウム水溶液、
水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下で溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−酢酸エチル)
に付し、アルコールを得た。
【0194】このアルコールを用いて、参考例1−5)
と同様の反応を行い、(2S,4R)−4−メタンスル
ホニルオキシ−N−(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)−2−[N−(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)−1−チア−5−アザシクロオクタン−2−イ
ル]ピロリジン(1.81g,収率:79%)を得た。
【0195】IR(KBr)cm-1:3430,295
0,1705,1525,1410,1355,118
0,1115 NMR(CDCl3)δ:1.6〜2.1(4H,
m),2.1〜3.1(5H,m),2.73(3H,
s),3.2〜4.4(8H,m),5.1〜5.4
(4H,m),7.45〜7.65(4H,m),8.
15〜8.35(4H,m) 6)
【0196】
【化64】 前記反応で得られた化合物(1.81g,2.77mm
ol)を用いて、参考例1−6)と同様の反応を行い、
標記化合物ジアステレオマーA(800mg,収率:4
6%;極性の低い化合物)およびジアステレオマーB
(760mg,収率:43%)を得た。 ジアステレオマーA: IR(KBr)cm-1:3440,2930,170
0,1605,1520,1400,1345,110
5,855 NMR(CDCl3)δ:1.5〜2.3(5H,
m),2.3〜2.35(3H,m),2.4〜2.9
(3H,m),2.9〜4.05(8H,m),4.0
5〜4.3(1H,m),5.1〜5.4(4H,
m),7.4〜7.6(4H,m),8.22(4H,
d,J=9Hz) ジアステレオマーB: IR(KBr)cm-1:3430,2920,170
0,1605,1520,1405,1345,120
0,1105,855 NMR(CDCl3)δ:1.5〜2.2(5H,
m),2.3〜2.4(3H,m),2.4〜2.8
(3H,m),3.15〜3.5(3H,m),3.5
〜3.9(4H,m),3.9〜4.1(1H,m),
4.1〜4.3(1H,m),5.1〜5.4(4H,
m),7.54(4H,d,J=8Hz),8.24
(4H,d,J=8Hz) 参考例5(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘキサン−2−イル]ピロリジン 1)
【0197】
【化65】 (2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−(2−ニ
トロビニル)ピロリジン(3.3g,8.879mmo
l)、1−メルカプト−2−エタノール(0.78m
l,11.12mmol)およびトリエチルアミン
(1.48ml,10.65mmol)を用い、参考例
3−1)と同様にして、(2S,4R)−N−tert
−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチル
シロキシ−2−[1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−
2−ニトロエチル]ピロリジン(4.09g,収率:1
00%)を得た。
【0198】IR(KBr)cm-1:3400,292
0,2850,1690 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),0.
88(9H,s),1.47(9H,s),1.92
(2H,br s),2.7〜2.82(3H,m),
3.2〜3.6(2H,m),3.7〜3.82(2
H,m),4.1〜4.7(4H,m) 2)
【0199】
【化66】 前記反応で得られた化合物(4.09g,8.88mm
ol)を用い、参考例3−2)と同様の操作を行い、
(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[1−
(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−(p−ニトロベン
ジルオキシカルボニルアミノ)エチル]ピロリジン
(3.35g,収率:72.1%)を得た。
【0200】IR(KBr)cm-1:3400,295
0,2850,1700,1520 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),0.
87(9H,s),1.47(9H,s),1.9(2
H,m),2.6〜2.8(3H,m),3.2〜3.
9(6H,m),4.0〜4.4(2H,m),5.2
(2H,s),7.56(2H,d,J=8Hz),
8.22(2H,d,J=8Hz) 3)
【0201】
【化67】 前記反応で得られた化合物(1.6g,3.06mmo
l)を用いて、参考例3−3)と同様の操作を行い、
(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブトキシメチルシロキシ−2−[1−
(2−メタンスルホニルオキシエチルチオ)−2−(p
−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)エチル]ピ
ロリジン(1.84g,収率:100%)を得た。
【0202】IR(KBr)cm-1:3450,290
0,1730,1690,1520,1350 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),0.
84(9H,s),1.5(9H,s),1.85〜
2.1(2H,m),2.9(2H,m),3.04
(3H,s),2.2〜2.85(5H,m),4.0
5〜4.38(4H,m),5.16(2H,s),
7.6(2H,d,J=8Hz),8.25(2H,
d,J=8Hz) 4)
【0203】
【化68】 前記反応で得られた化合物(1.84g,3.06mm
ol)を用いて、参考例3−4)と同様の反応を行い、
(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−チア−
4−アザシクロヘキサン−2−イル]ピロリジン(57
6.9mg,収率:27.5%)を得た。
【0204】IR(KBr)cm-1:3400,295
0,1695,1550,1520 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),1.
84(9H,s),1.8〜1.9(2H,m),2.
5〜3.1(5H,m),3.1〜3.4(2H,
m),3.4〜3.6(4H,m),4.1〜4.4
(2H,m),5.2(2H,m),7.56(2H,
d,J=8Hz),8.2(2H,d,J=8Hz) 5)
【0205】
【化69】 前記反応で得られた化合物(570mg,0.98mm
ol)を用いて、参考例3−5)と同様に反応を行い、
(2S,4R)−4−メタンスルホニルオキシ−N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−[N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−チア−
4−アザシクロヘキサン−2−イル]ピロリジン(39
2.6mg,収率:64.3%)を得た。
【0206】IR(KBr)cm-1:3400,294
0,1700,1550 NMR(CDCl3)δ:1.8〜1.95(2H,
m),2.5〜3.0(5H,m),3.05(3H,
s),3.1〜3.4(2H,m),3.4〜3.6
(4H,m),5.2(4H,br s),7.56
(4H,d,J=8Hz),8.25(4H,d,J=
8Hz) 6)
【0207】
【化70】 前記反応で得られた化合物(392.6mg,0.63
mmol)を用いて、参考例3−6)と同様の反応を行
い、標記化合物(367mg,収率:100%)を得
た。
【0208】IR(KBr)cm-1:1700,152
0,1345,1105 NMR(CDCl3)δ:1.9〜2.1(2H,
m),2.3(3H,s),2.73(2H,m),
2.5〜2.8(4H,m),4.0〜4.15(3
H,m),5.26(4H,s),7.25(2H,
d,J=8Hz),7.27(2H,d,J=8H
z),8.24(4H,d,J=8Hz) 参考例6(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−チア−4−アザシク
ロヘキサン−2−イル]ピロリジン S’−オキシド
【0209】
【化71】 参考例5−6)で得られた化合物(140mg,0.2
3mmol)をメチレンクロリド(3ml)に溶解し、
m−クロロ過安息香酸(43mg,0.25mmol)
を氷冷下に加え、同温で1時間撹拌し、反応液を飽和重
曹水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下に濃縮することにより、標記化合物
(125mg)を粗生成物として得た。本化合物は、こ
れ以上、精製することなく、次の反応に用いた。 参考例7(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−(5−オキソ−1−
チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロリジン 1)
【0210】
【化72】 (2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−(1−ヒ
ドロキシ−2−ニトロエチル)ピロリジン(4.12
g,10.54mmol)をエタノール(60ml)に
溶解し、10%パラジウム−炭素触媒を加え、水素雰囲
気下に2時間、激しく撹拌した。触媒を濾別後、減圧下
に濃縮し、得られた油状物を塩化メチレン(30ml)
に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(1.47ml,
10.54mmol)を加え、次いでクロロアセチルク
ロリド(0.84ml,10.54mmol)を滴下し
た。反応液を同温で1時間撹拌した後、水、飽和食塩水
で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)に付し、(2
S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[2−(クロ
ロアセチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]ピロリジ
ン(2.8g,収率:60.9%)を得た。
【0211】IR(KBr)cm-1:3450,170
0,1650 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),0.
88(9H,s),1.48(9H,s),1.8〜
2.08(2H,m),2.98(1H,m),2.2
〜2.7(3H,m),3.92〜4.3(2H,
m),4.06(2H,s),5.0(1H,br
s),7.4(1H,br s) 2)
【0212】
【化73】 前記反応で得られた化合物(2.8g,6.42mmo
l)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶
解し、窒素雰囲気下、チオ酢酸カリウム(731mg,
6.4mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反
応液を酢酸エチル(60ml)中に注ぎ、水で2回、飽
和重曹水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた粗(2
S,4R)−2−[2−(アセチルチオアセチルアミ
ノ)−1−ヒドロキシエチル]−N−tert−ブトキ
シカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ
ピロリジン(2.52g,収率:82.5%)の油状物
を得た。本化合物はそれ以上、精製する事なく、次の反
応に用いた。
【0213】NMR(CDCl3)δ:0.08(6
H,s),0.88(9H,s),1.46(9H,
s),1.9〜2.04(2H,m),2.2(3H,
s),2.9(1H,m),2.2〜2.7(3H,
m),3.4〜4.3(2H,m),3.6(2H,
s),4.28(1H,br s),7.08(1H,
brs) 3)
【0214】
【化74】 前記反応で得られた化合物(330mg,0.693m
mol)をテトラヒドロフラン(7ml)に溶解し、氷
冷下、トリエチルアミン(0.145ml,1.04m
mol)を加え、次いでメタンスルホニルクロリド
(0.08ml,1.04mmol)を滴下した。同温
で20分間、室温で1時間撹拌した後、反応液を酢酸エ
チル(30ml)中に注ぎ、水、飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−
2−[2−(アセチルチオアセチルアミノ)−1−(メ
タンスルホニルオキシ)エチル]−N−tert−ブト
キシカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シピロリジン(352.9mg,収率:91.9%)を
得た。
【0215】NMR(CDCl3)δ:0.08(6
H,s),0.88(9H,s),1.44(9H,
s),2.0(2H,m),2.2(3H,s),3.
04(3H,s),2.98〜3.3(2H,m),
3.6(2H,s),3.9〜4.3(3H,m),
7.3(1H,br s) 4)
【0216】
【化75】 前記反応で得られた化合物(1.96g,3.537m
mol)をメタノール(40ml)に溶解し、氷冷下に
1N水酸化ナトリウム水溶液(3.6ml,3.6mm
ol)を滴下し、同温で1時間撹拌した。反応液に1N
の塩酸水溶液(3.6ml,3.6mmol)を加え、
中和した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣を酢
酸エチル(40ml)に溶解し、水、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し
た。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)
に溶解し、ヨウ化メチル(1.056g,7mmol)
を加え、20分間撹拌した後、60%油状の水素化ナト
リウム(174mg,4.35mmol)を加え、窒素
気流下、70℃で5時間撹拌した。反応液を酢酸エチル
(40ml)中に注ぎ、水で2回、次いで飽和食塩水で
洗浄後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホル
ム)に付し、(2S,4R)−N−tert−ブトキシ
カルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−
2−(5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン
−2−イル)ピロリジン(1.2g,収率:81.4
%)を白色の結晶性化合物として得た。
【0217】IR(KBr)cm-1:3400,295
0,2930,2850,1700,1395 NMR(CDCl3)δ:0.08(6H,s),0.
88(9H,s),2.46(9H,s),1.9〜
2.05(2H,m),3.16〜3.65(5H,
m),3.58(2H,br s),4.32(2H,
m),6.95(1H,br s) 5)
【0218】
【化76】 前記反応で得られた化合物(1.33g,3.19mm
ol)を2N塩酸−メタノール(20ml)に溶解し、
室温で17時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、残渣
をジオキサン(20ml)と水(20ml)の混液に溶
解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整し、
4,6−ジメチル−2−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルチオ)ピリミジン(1.02g,3.19mm
ol)を加え、pH8.5〜pH9に調整しながら、2
時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(40ml)中に注
ぎ、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮した後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロ
ホルム)に付し、低極性の(2S,4R)−4−ヒドロ
キシ−N−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
2−(5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン
−2−イル)ピロリジン(420mg,収率:35%)
および高極性の異性体(166.5mg,収率13.4
%)を得た。
【0219】NMR(CDCl3)δ:2.1〜2.2
(2H,m),3.1〜3.6(5H,m),3.7〜
3.9(2H,m),4.21(1H,m),4.22
(2H,br s),5.22(2H,s),6.96
(1H,br s),7.5(2H,d,J=8H
z),8.2(2H,d,J=8Hz) 6)
【0220】
【化77】 前記反応で得られた二種の異性体のうち、低極性化合物
(420mg,1.102mmol)を用いて、参考例
1−5)と同様の反応を行い、(2S,4R)−4−メ
タンスルホニルオキシ−N−(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)−2−(5−オキソ−1−チア−4−ア
ザシクロヘキサン−2−イル)ピロリジン(419m
g,収率:90.6%)を得た。
【0221】NMR(CDCl3)δ:2.0〜2.4
(2H,m),2.94(1H,m),3.12(3
H,s),3.2〜3.8(4H,m),3.96(2
H,br s),3.9〜4.1(1H,m),5.3
(2H,s),5.92(1H,br s),7.6
(2H,d,J=8Hz),8.3(2H,d,J=8
Hz) 7)
【0222】
【化78】 前記反応で得られた化合物(419.7mg,0.91
mmol)を用いて、参考例1−6)と同様の反応を行
い、標記化合物(343mg,収率:85.6%)を得
た。
【0223】NMR(CDCl3)δ:1.8(1H,
m),2.34(3H,s),2.78(1H,m),
3.1〜3.6(6H,m),3.64〜4.08(3
H,m),5.23(2H,s),5.99(1H,b
r s),7.52(2H,d,J=8Hz),8.2
2(2H,d,J=8Hz) 参考例8(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−(5−オキソ−1−
チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピロリジン 1)
【0224】
【化79】 参考例7−5)で得られた二種の異性体のうち、高極性
化合物を用いて、参考例1−5)と同様の反応を行い、
(2S,4R)−4−メタンスルホニルオキシ−N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−(5−
オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イ
ル)ピロリジン(200mg,収率:100%)を得
た。
【0225】NMR(CDCl3)δ:2.0〜2.4
(2H,m),2.94(1H,m),3.12(2
H,s),3.2〜3.8(4H,m),3.96(2
H,br s),7.6(2H,d,J=8Hz),
8.3(2H,d,J=8Hz) 2)
【0226】
【化80】 前記反応で得られた化合物(229mg,0.499m
mol)を用いて、参考例1−6)と同様の反応を行
い、標記化合物(163mg,収率:74.6%)を得
た。
【0227】NMR(CDCl3)δ:1.8(1H,
m),2.34(3H,s),2.78(1H,m),
3.1〜3.6(6H,m),3.64〜4.08(3
H,m),5.23(2H,s),5.99(1H,b
r s),7.52(2H,d,J=8Hz),8.2
2(2H,d,J=8Hz) 参考例9(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(アリルオキ
シカルボニル)−2−[N−(アリルオキシカルボニ
ル)モルホリン−2−イル]ピロリジン 1)
【0228】
【化81】 (2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−
4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−ホルミル
ピロリジン(13g,39.5mmol)のニトロメタ
ン溶液(65ml)に、室温にてトリエチルアミン
(0.82ml,5.93mmol)を加え、24時間
撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1:5)に
付し、(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボ
ニル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−
(1−ヒドロキシ−2−ニトロエチル)ピロリジン(1
1.9g,収率:77%)を得た。 NMR(CDCl3)δ:0.06(6H,s),0.
86(9H,s),1.48(9H,s),1.80
(1H,m),2.04(1H,m),3.26(1
H,dd,J=4,12Hz),3.56(1H,
m),4.1〜4.6(5H,m),5.96(1H,
br d) 2)
【0229】
【化82】 前記反応で得た化合物(12.1g,31.0mmo
l)のエタノール溶液(240ml)をラネーニッケル
触媒(川研製,NDT−65,約12.5g)を用い
て、3気圧の水素圧下、18時間振とうした。反応液か
ら触媒を濾別し、減圧濃縮し、(2S,4R)−2−
(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)−N−tert
−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメチル
シロキシピロリジン(10.1g)を得た。このうち
8.76g(24.3mmol)を用い、塩化メチレン
(160ml)中、氷冷下、トリエチルアミン(3.3
8ml,24.2mmol)、次いでクロロアセチルク
ロリド(1.55ml,19.4mmol)で処理し
た。1時間後、反応液を飽和重曹水で洗浄後、乾燥(M
gSO4)、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル/ヘキサン=1:1)に付し、(2
S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
tert−ブチルジメチルシロキシ−2−[2−(α−
クロロアセトアミド)−1−ヒドロキシエチル]ピロリ
ジン(5.51g,収率:52%)を得た。
【0230】NMR(CDCl3)δ:0.08(6
H,s),0.88(9H,s),1.50(9H,
s),2.00(2H,m),2.98(1H,m),
3.28(1H,dd,J=4,12Hz),3.70
(2H,m),4.10(2H,s),4.20(1
H,m),4.32(1H,m),5.00(1H,b
rd) 3)
【0231】
【化83】 上記反応で得られた化合物(2.90g,6.64mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(14.5ml)に、
氷冷下、60%油性水素化ナトリウム(0.26g,
6.5mmol)を加え、30分間撹拌した後、室温に
て30分間、更に60℃にて30分間撹拌した。反応液
を食塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥(MgSO
4)、濃縮して、(2S,4R)−N−tert−ブト
キシカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シ−2−(5−オキソモルホリン−2−イル)ピロリジ
ン(3.07g)を得た。
【0232】NMR(CDCl3)δ:0.08(6
H,s),0.88(9H,s),1.48(9H,
s),1.90(1H,m),2.10(1H,m),
3.3(4H,m),3.8〜4.5(5H,m) 4)
【0233】
【化84】 上記反応で得られた化合物(3.0g,7.5mmo
l)の塩化メチレン溶液(60ml)に、ジ−tert
−ブチル ジカルボナート(1.96g,9.0mmo
l)、トリエチルアミン(1.25ml,9.0mmo
l)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(20m
g)を加え、室温にて1時間撹拌した。減圧下、溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル/ヘキサン=1:2)に付し、(2S,4
R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ter
t−ブチルジメチルシロキシ−2−[N−tert−ブ
トキシカルボニル−5−オキソモルホリン−2−イル]
ピロリジン(1.48g,収率:39.5%)を得た。
【0234】NMR(CDCl3)δ:0.06(6
H,s),0.86(9H,s),1.48(9H,b
r s),1.54(9H,br s),1.90(1
H,m),2.10(1H,m),3.40(3H,
m),3.7〜4.5(6H,m) 5)
【0235】
【化85】 上記反応で得た化合物(410mg,0.82mmo
l)のテトラヒドロフラン溶液(8.0ml)に、室温
にてボランジメチルスルフィド錯体(0.20ml,B
3として1.6mmol)を加え、70℃に昇温後、
1時間撹拌した。放冷後、反応液にメタノールをガスが
発生しなくなるまで加えてから減圧濃縮し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=
1:5)に付し、(2S,4R)−N−tert−ブト
キシカルボニル−4−tert−ブチルジメチルシロキ
シ−2−(N−tert−ブトキシカルボニルモルホリ
ン−2−イル)ピロリジン(336mg,収率:68
%)を得た。
【0236】NMR(CDCl3)δ:0.06(6
H,s),0.96(9H,s),1.54(18H,
br s),1.80(1H,m),2.10(1H,
m),2.60(1H,m),2.90(1H,m),
3.3〜3.7(4H,m),3.7〜4.1(4H,
m),4.40(1H,m) 6)
【0237】
【化86】 上記反応で得た化合物(330mg,0.68mmo
l)に、塩化メチレン(3.3ml)およびトリフルオ
ロ酢酸(3.3ml)を加え、室温で30分間撹拌し
た。減圧下に濃縮後、塩化メチレン(6.0ml)に溶
解し、氷冷下、トリエチルアミン(0.72ml,5.
1mmol)およびアリルクロロホルマート(0.22
ml,2.0mmol)を加え、1時間撹拌した。反応
液を飽和重曹水で洗浄し、乾燥(MgSO4)、濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、(2
S,4R)−N−(アリルオキシカルボニル)−4−t
ert−ブチルジメチルシロキシ−2−[N−(アリル
オキシカルボニル)モルホリン−2−イル]ピロリジン
(238mg,収率:77%)を得た。
【0238】NMR(CDCl3)δ:0.06(6
H,s),0.88(9H,s),1.80(1H,
m),2.12(1H,m),2.68(1H,m),
2.90(1H,m),3.3〜3.6(4H,m),
3.7〜4.1(4H,m),4.40(1H,m),
4.58(4H,m),5.30(4H,m),5.9
8(2H,m) 7)
【0239】
【化87】 上記反応で得た化合物(230mg,0.51mmo
l)のテトラヒドロフラン溶液(4.6ml)に1Mテ
トラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド−テトラヒド
ロフラン溶液(1.0ml,1.0mmol)を加え、
室温で1時間撹拌した。反応液を食塩水に注ぎ、酢酸エ
チルで抽出し、乾燥(MgSO4)、濃縮した。得られ
た残渣の塩化メチレン溶液(4.0ml)を、氷冷下、
トリエチルアミン(0.21ml,1.5mmol)、
次いでメタンスルホニルクロリド(0.13ml,1.
27mmol)で処理した。30分後、反応液を重曹水
に注ぎ、塩化メチレンで抽出し、乾燥(MgSO4)、
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル/ヘキサン=2:1)に付し、(2S,4R)−N
−(アリルオキシカルボニル)−4−メタンスルホニル
オキシ−2−[N−(アリルオキシカルボニル)モルホ
リン−2−イル]ピロリジン(210mg,収率:99
%)を得た。
【0240】NMR(CDCl3)δ:2.1〜2.7
(3H,m),2.90(1H,m),3.04(3
H,s),3.3〜4.1(8H,m),4.62(5
H,m),5.30(4H,m),5.94(2H,
m) 8)
【0241】
【化88】 上記反応で得た化合物(210mg,0.50mmo
l)、N,N−ジメチルホルムアミド(4.0ml)お
よびチオ酢酸カリウム(172mg,1.5mmol)
の混合物を70℃にて2時間撹拌した。反応液を食塩水
に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥(MgSO4)、濃
縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル/ヘキサン=1:1)に付し、(2S,4S)−4−
アセチルチオ−N−(アリルオキシカルボニル)−2−
[N−(アリルオキシカルボニル)モルホリン−2−イ
ル]ピロリジン(168mg,収率:84%)を得た。
【0242】NMR(CDCl3)δ:2.10(1
H,m),2.30(1H,m),2.32(3H,
s),2.64(1H,m),2.94(1H,m),
3.08(1H,m),3.58(1H,m),3.9
0(4H,m),4.96(1H,m),4.60(4
H,m),5.28(4H,m),5.92(2H,
m) 参考例10(2S,4S)−4−アセチルチオ−N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−[N−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−1−オキサ−4−アザシ
クロヘプタン−7−イル]ピロリジン 1)
【0243】
【化89】 (2S,4R)−2−(3−アジド−1−ヒドロキシプ
ロピル)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−
(tert−ブチルジメチルシロキシ)ピロリジン(7
83mg,1.95mmol)の塩化メチレン溶液(2
ml)に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(2ml)を滴下
し、同温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮
し、トルエン共沸を2回行った。得られた残渣の塩化メ
チレン溶液(20ml)に、氷冷下、トリエチルアミン
(1.35ml,9.75mmol)、クロロアセチル
クロリド(0.19ml,2.34mmol)を加え、
同温にて15分間撹拌した。反応混合物に塩化メチレン
(40ml)を加え、10%クエン酸水溶液、水、飽和
食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下にて溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル)に
付し、(2S,4R)−2−(3−アジド−1−ヒドロ
キシプロピル)−N−クロロアセチル−4−(tert
−ブチルジメチルシロキシ)ピロリジン(556mg,
収率:76%)を得た。
【0244】IR(KBr)cm-1:3400,295
0,2100,1740,1640,1440,136
0,1250,1100 NMR(CDCl3)δ:0.04(6H,s),0.
82(9H,s),1.38〜1.60(2H,m),
1.74〜2.04(2H,m),3.30〜3.60
(4H,m),3.96(1H,m),4.02(2
H,m),4.22〜4.44(2H,m) 2)
【0245】
【化90】 前記反応で得られた化合物(556mg,1.47mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)を、氷冷
下、60%油性水素化ナトリウム(62mg,1.55
mmol)のテトラヒドロフラン溶液(7ml)に加
え、室温にて1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(6S,8R)−5
−(2−アジドエチル)−8−(tert−ブチルジメ
チルシロキシ)−2−オキソ−1−アザ−4−オキサビ
シクロ[4.3.0]ノナン(491mg,収率:9
8.2%)を得た。
【0246】IR(KBr)cm-1:3420,295
0,2100,1660,1640,1470,144
0,1260,1100 NMR(CDCl3)δ:0.04(6H,s),0.
82(9H,s),1.40〜2.00(4H,m),
3.22〜3.50(3H,m),3.74〜4.22
(5H,m),4.40(1H,m) 3)
【0247】
【化91】 前記反応で得られた化合物(491mg,1.44mm
ol)のメタノール溶液(15ml)に10%パラジウ
ム−炭素触媒(50mg)を加え、水素雰囲気下、室温
にて1時間撹拌した。触媒を濾別し、減圧濃縮した。得
られた残渣に6N塩酸(15ml)を加え、一晩加熱還
流した。反応溶液を減圧乾固し、得られた残渣のメタノ
ール溶液(15ml)に、氷冷下、トリエチルアミン
(1.21ml,8.66mmol)、ジ−tert−
ブチル ジカルボナート(944mg,4.33mmo
l)を加え、室温にて1時間撹拌した。この反応溶液に
ジアゾメタンのエーテル溶液を反応が完結するまで加え
た。得られた反応混合物に10%クエン酸水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で
順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)
−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ
−2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)
−1−(メトキシカルボニルメチルオキシ)プロピル]
ピロリジン(417mg,収率:66.9%)を得た。
【0248】IR(KBr)cm-1:3430,297
0,1750,1690,1520,1410,136
0,1170 NMR(CDCl3)δ:1.42(9H,s),1.
44(9H,s),1.32〜1.62(2H,m),
1.90(1H,m),2.18(1H,m),3.0
8〜3.42(3H,m),3.50(1H,m),
3.74(3H,s),3.90(1H,m),4.0
6〜4.28(3H,m),4.40(1H,m) 4)
【0249】
【化92】 前記反応で得られた化合物(507mg,1.17mm
ol)およびイミダゾール(88mg,1.29mmo
l)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.2m
l)に、氷冷下、tert−ブチルジメチルシリルクロ
リド(194mg,1.29mmol)を加え、室温に
て一晩撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(30ml)を
加え、10%クエン酸水溶液で洗浄した。水層を酢酸エ
チルで抽出し、有機層を合わせ水、飽和食塩水で順次洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプ
タン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−N−te
rt−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジメ
チルシロキシ−2−[3−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ−1−(メトキシカルボニルメチルオキシ)プ
ロピル]ピロリジン(473mg,収率:73.9%)
を得た。
【0250】IR(KBr)cm-1:3400,293
0,1760,1700,1510,1390,136
0,1250,1170 NMR(CDCl3)δ:0.04(6H,s),0.
72(9H,s),1.33(9H,s),1.35
(9H,s),1.2〜1.5(2H,m),1.6〜
2.1(2H,m),3.0〜3.5(5H,m),
3.62(3H,s),3.70(1H,m),4.0
8(2H,s),4.24(1H,m) 5)
【0251】
【化93】 前記反応で得られた化合物(472mg,0.863m
mol)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)に水素化
ほう素ナトリウム(65mg,1.73mmol)を加
え、加熱還流下、メタノール(1ml)を15分間かけ
て滴下した。反応混合物を1時間加熱還流した後、室温
に冷却し、水(0.5ml)、10%クエン酸水溶液
(5ml)を順次加えた。得られた混合溶液を酢酸エチ
ルで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた
残渣の塩化メチレン溶液(9ml)にトリエチルアミン
(0.18ml,1.29mmol)、塩化メタンスル
ホニル(0.09ml,1.12mmol)を氷冷下加
え、同温にて30分間撹拌した。反応溶液を塩化メチレ
ンで希釈し、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
プタン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−N−t
ert−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチルジ
メチルシロキシ−2−[3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−1−(2−メタンスルホニルオキシエチル
オキシ)プロピル]ピロリジン(455mg,収率:8
8.3%)を得た。
【0252】IR(KBr)cm-1:3400,293
0,2850,1690,1510,1390,136
0,1250,1180 NMR(CDCl3)δ:0.04(6H,s),0.
76(9H,s),1.28(9H,s),1.30
(9H,s),1.20〜1.50(2H,m),1.
68(1H,m),1.98(1H,m),2.98
(3H,s),3.04〜3.54(4H,m),3.
62〜4.10(4H,m),4.10〜4.30(3
H,m) 6)
【0253】
【化94】 前記反応で得られた化合物(454mg,0.760m
mol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5m
l)を、氷冷下、60%油性水素化ナトリウム(46m
g,1.14mmol)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド溶液(33ml)に滴下し、50℃にて2日間撹拌し
た。反応溶液を減圧下、濃縮し、残渣に酢酸エチルを加
え、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘプタン−酢酸エチル)に付し、(2S,4R)−N
−tert−ブトキシカルボニル−4−tert−ブチ
ルジメチルシロキシ−2−(N−tert−ブトキシカ
ルボニル−1−オキサ−4−アザシクロヘプテン−7−
イル)ピロリジン(373mg,収率:97.9%)を
得た。
【0254】IR(KBr)cm-1:3360,293
0,2850,1700,1510,1400,136
0,1250,1170,1110 NMR(CDCl3)δ:0.04(6H,s),0.
78(9H,s),1.36(9H,s),1.38
(9H,s),1.20〜1.50(2H,m),1.
68(1H,m),2.00(1H,m),3.00〜
3.35(4H,m),3.35〜3.52(2H,
m),3.54〜4.02(4H,m),4.31(1
H,m) 7)
【0255】
【化95】 前記反応で得られた化合物(369mg,0.737m
mol)のメタノール溶液(3ml)に3M塩酸−メタ
ノール溶液(15ml)を加え、室温にて3日間撹拌し
た。反応溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣のメタノー
ル溶液(7ml)に、トリエチルアミン(1.03m
l,7.37mmol)、4,6−ジメチル−2−(p
−ニトロベンジルオキシカルボニルチオ)ピリミジン
(470mg,1.47mmol)の塩化メチレン溶液
(2ml)を氷冷下加え、室温にて一晩撹拌した。反応
溶液を減圧下濃縮し、酢酸エチル(50ml)を加え、
1N塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチ
ル)に付し、(2S,4R)−4−ヒドロキシ−N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−[N−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−1−オキサ
−4−アザシクロヘプテン−7−イル]ピロリジン(2
47mg,収率:61.8%)を得た。
【0256】IR(KBr)cm-1:3410,295
0,1700,1600,1520,1430,140
0,1340,1250,1110 NMR(CDCl3)δ:1.60(1H,m),1.
90(1H,m),2.12〜2.50(2H,m),
3.10〜3.82(8H,m),3.84〜4.20
(2H,m),4.52(1H,m),5.18(2
H,s),5.24(2H,s),7.50(2H,
d,J=5Hz),7.51(2H,d,J=5H
z),8.19(2H,d,J=5Hz),8.20
(2H,d,J=5Hz) 8)
【0257】
【化96】 前記反応で得られた化合物(247mg,0.455m
mol)の塩化メチレン溶液(5ml)にトリエチルア
ミン(0.08ml,0.59mmol)、塩化メタン
スルホニル(0.04ml,0.55mmol)を氷冷
下加え、同温にて30分間撹拌した。反応溶液を塩化メ
チレンで希釈し、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(5
ml)に溶かし、チオ酢酸カリウム(103mg,0.
91mmol)、ヨウ化ナトリウム(82mg,0.5
5mmol)を加え、60℃にて4時間撹拌した。反応
混合物を水(50ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸
エチル)に付し、標記化合物(226mg,収率:8
2.5%)を得た。
【0258】IR(KBr)cm-1:3400,294
0,2870,1700,1600,1520,142
0,1400,1340,1250,1110 NMR(CDCl3)δ:1.48〜1.78(2H,
m),1.92〜2.40(2H,m),2.36(3
H,m),2.90〜3.62(7H,m),3.66
〜3.94(2H,m),4.00〜4.28(2H,
m),5.06〜5.36(4H,m),7.51(2
H,d,J=5Hz),7.52(2H,d,J=5H
z),8.23(2H,d,J=5Hz),8.24
(2H,d,J=5Hz)
【0259】
【発明の効果】本発明の化合物は、文献未記載の新規化
合物であり、感受性・耐性のグラム陽性菌およびグラム
陰性菌に対する強い抗菌力、β−ラクタマーゼおよびD
HP−Iに対する優れた安定性を有するので、抗菌剤と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 耕司 愛知県岡崎市上六名3丁目9番地1 萬有 製薬株式会社岡崎研究所内 (72)発明者 牛嶋 良輔 愛知県岡崎市上六名3丁目9番地1 萬有 製薬株式会社岡崎研究所内 (72)発明者 村瀬 聡 愛知県岡崎市上六名3丁目9番地1 萬有 製薬株式会社岡崎研究所内 (72)発明者 深津 弘 愛知県岡崎市上六名3丁目9番地1 萬有 製薬株式会社岡崎研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、Xは−N(R3)−{式中、R3は水素原
    子、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミ
    ドイル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR
    4(式中、R4は水素原子または低級アルキル基を示
    す)、−CON(R5)R6(式中、R5およびR6は同一
    または異なって、水素原子、低級アルキル基または該低
    級アルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共
    に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル
    基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、4−低級アルキル
    ピペラジニル基およびモルホリノ基からなる群より選ば
    れる複素環基を示す)、またはヒドロキシ基、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ
    基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチルアミノ
    基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル
    基、−COOR7(式中、R7はR4の定義と同じ意味を
    有する)および−CON(R8)R9(式中、R8および
    9はR5およびR6の定義と同じ意味を有する)からな
    る群より選ばれる置換基を有する低級アルキル基を示
    す}または−N+(R10)(R11)−{式中、R10およ
    びR11は同一または異なって、低級アルキル基、ホルム
    イミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキルスル
    ホニル基、−COOR12(式中、R12はR4の定義と同
    じ意味を有する)、−CON(R13)R14(式中、R13
    およびR14はR5およびR6の定義と同じ意味を有す
    る)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルア
    ミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミ
    ノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホ
    ニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR15(式
    中、R15はR4の定義と同じ意味を有する)および−C
    ON(R16)R17(式中、R16およびR17はR5および
    6の定義と同じ意味を有する)からなる群より選ばれ
    る置換基を有する低級アルキル基を示す}、Yは−N
    (R18)−{式中、R18は水素原子、低級アルキル基、
    ホルムイミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキ
    ルスルホニル基、−COOR29(式中、R29は水素原子
    または低級アルキル基を示す)、−CON(R30)R31
    (式中、R30およびR31は同一または異なって、水素原
    子、低級アルキル基または該低級アルキル基が互いに結
    合して隣接する窒素原子と共に、アジリジニル基、アゼ
    チジニル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジ
    ニル基、4−低級アルキルピペラジニル基およびモルホ
    リノ基からなる群より選ばれる複素環基を示す)、また
    はヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低
    級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−
    イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ
    基、スルファモイル基、−COOR32(式中、R32はR
    29の定義と同じ意味を有する)および−CON(R33
    34(式中、R33およびR34はR30およびR31の定義と
    同じ意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有
    する低級アルキル基を示す}、−N+(R19)(R20
    −(式中、R19およびR20はR10およびR11の定義と同
    じ意味を有する)、−N(R21)CO−(式中、R21
    4の定義と同じ意味を有する)または−N(R22)C
    S−(式中、R22はR4の定義と同じ意味を有する)、
    Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基またはスルホ
    ニル基、Wは水素原子、低級アルキル基、−COOR23
    (式中、R23はR29の定義と同じ意味を有する)、−C
    ON(R24)R25(式中、R24およびR25はR5および
    6の定義と同じ意味を有する)、またはヒドロキシ
    基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルア
    ンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチル
    アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファ
    モイル基、−COOR26(式中、R26はR4の定義と同
    じ意味を有する)および−CON(R27)R28(式中、
    27およびR28はR5およびR6の定義と同じ意味を有す
    る)からなる群より選ばれる置換基を有する低級アルキ
    ル基、p、q、rおよびtは同一または異なって、0な
    いし3の整数を示す]で表される化合物またはその医薬
    として許容される塩またはエステル。
  2. 【請求項2】一般式[I]で表される化合物の立体配置
    が、(5R,6S,8R)または(1R,5S,6S,
    8R)である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1がメチル基である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】Xが−NH−、−N(CH3)−、−N
    (CH2CH3)−、−N(SO2CH3)−、−N(CH
    2CONH2)−、−N(CH2CH2OH)−、−N(C
    =NH )−、−N(CH2SO2NH2)−、−N(C
    ONH2)−、−N(CH2CH2NH2)−、−N(CH
    2CH2+(CH33)−、 【化2】 −N+(CH3)(CH3)−、−N+(CH3)(CH2
    2OH)−、−N+(CH3)(CH2CH2NH2)−、
    −N+(CH3)(CH2CONH2)−、−N+(CH3
    (CH2CH2CONH2)−、 【化3】 または−N+(CH3)(CH2CON(CH32)−
    である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】Xが−NH −である請求項1記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】pが0である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】Yが−NH−、−N(CH3)−、−N
    (CH2CH3)−、−N(CONH2)−、−N(CH2
    CONH2)−、−N(CH2CH2OH)−、−N(S
    2NH2)−、−N(C(CH3)=NH)−、−N
    (CH2CH2NH2)−、−N+(CH3)(CH3)−、
    −N+(CH3)(CH2CH2OH)−、−NHCO−、
    −N(CH3)CO−、−N(CH2CH3)CO−、−
    NHCS−、−N(CH3)CS−または−N(CH2
    3)CS−である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】Yが−NH −または−NH CO−である請
    求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】 【化4】 [式中、Yは−N(R18)−{式中、R18は水素原子、
    低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミドイ
    ル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR29(式
    中、R29は水素原子または低級アルキル基を示す)、−
    CON(R30)R31(式中、R30およびR31は同一また
    は異なって、水素原子、低級アルキル基または該低級ア
    ルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共に、ア
    ジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペ
    リジノ基、ピペラジニル基、4−低級アルキルピペラジ
    ニル基およびモルホリノ基からなる群より選ばれる複素
    環基を示す)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメ
    チルアミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキ
    ルスルホニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR
    32(式中、R32はR29の定義と同じ意味を有する)およ
    び−CON(R33)R34(式中、R33およびR34はR30
    およびR31の定義と同じ意味を有する)からなる群より
    選ばれる置換基を有する低級アルキル基を示す}、−N
    +(R19)(R20)−{式中、R19およびR20は同一ま
    たは異なって、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、
    アセトイミドイル基、低級アルキルスルホニル基、−C
    OOR35(式中、R35はR29の定義と同じ意味を有す
    る)、−CON(R36)R37(式中、R36およびR37
    30およびR31の定義と同じ意味を有する)、またはヒ
    ドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ア
    ルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミ
    ノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
    スルファモイル基、−COOR38(式中、R38はR29
    定義と同じ意味を有する)および−CON(R39)R40
    (式中、R39およびR40はR30およびR31の定義と同じ
    意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
    低級アルキル基を示す}、−N(R21)CO−(式中、
    21はR29の定義と同じ意味を有する)または−N(R
    22)CS−(式中、R22はR29の定義と同じ意味を有す
    る)、Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基または
    スルホニル基、Wは水素原子、低級アルキル基、−CO
    OR23(式中、R23はR29の定義と同じ意味を有す
    る)、−CON(R24)R25(式中、R24およびR25
    30およびR31の定義と同じ意味を有する)、またはヒ
    ドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ア
    ルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミ
    ノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
    スルファモイル基、−COOR26(式中、R26はR29
    定義と同じ意味を有する)および−CON(R27)R28
    (式中、R27およびR28はR30およびR31の定義と同じ
    意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
    低級アルキル基、p、q、rおよびtは同一または異な
    って、0ないし3の整数を示す]で表される基が1−チ
    ア−4−アザシクロヘプタン−7−イル基、1−チア−
    4−アザシクロヘプタン−7−イル(S,S−ジオキシ
    ド)基、1−チア−4−アザシクロヘプタン−2−イル
    基、1−チア−5−アザシクロオクタン−2−イル基、
    1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル基、1−
    チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル(S−オキシ
    ド)基、5−オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサ
    ン−2−イル基、モルホリン−2−イル基または1−オ
    キサ−4−アザシクロヘプタン−7−イル基である請求
    項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】(5R,6S)−6−[(1R)−1−
    ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1
    −チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピロリジ
    ン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−
    カルボン酸、(1R,5S,6S)−6−[(1R)−
    1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,
    4S)−2−(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7
    −イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン
    −2−エム−3−カルボン酸、(5R,6S)−2−
    [(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロヘ
    プタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−6−
    [(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−カルバペン
    −2−エム−3−カルボン酸 S’,S’−ジオキシ
    ド、(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2
    −(1−チア−4−アザシクロヘプタン−7−イル)ピ
    ロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒド
    ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
    ム−3−カルボン酸S’,S’−ジオキシド、(5R,
    6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2
    −[(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロ
    ヘプタン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1
    −カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(1R,5
    S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]
    −1−メチル−2−[(2S,4S)−2−(1−チア
    −4−アザシクロヘプタン−2−イル)ピロリジン−4
    −イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボ
    ン酸、(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
    シエチル]−2−[(2S,4S)−2−(1−チア−
    5−アザシクロオクタン−2−イル)ピロリジン−4−
    イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
    酸、(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒド
    ロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−
    2−(1−チア−5−アザシクロオクタン−2−イル)
    ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エ
    ム−3−カルボン酸、(5R,6S)−6−[(1R)
    −1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)−2
    −(1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)ピ
    ロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム
    −3−カルボン酸、(1R,5S,6S)−6−[(1
    R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2−
    [(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロヘ
    キサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−
    カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5R,6
    S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−
    [(2S,4S)−2−(1−チア−4−アザシクロヘ
    キサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−
    カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 S’−オキシ
    ド、(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒド
    ロキシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−
    2−(1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イル)
    ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エ
    ム−3−カルボン酸S’−オキシド、(5R,6S)−
    6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2
    S,4S)−2−(5−オキソ−1−チア−4−アザシ
    クロヘキサン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]
    −1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(1
    R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエ
    チル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−(5
    −オキソ−1−チア−4−アザシクロヘキサン−2−イ
    ル)ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2
    −エム−3−カルボン酸、(5R,6S)−6−[(1
    R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[(2S,4S)
    −2−(モルホリン−2−イル)ピロリジン−4−イル
    チオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
    (1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
    シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
    (モルホリン−2−イル)ピロリジン−4−イルチオ]
    −1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、(5
    R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]
    −2−[(2S,4S)−2−(1−オキサ−4−アザ
    シクロヘプタン−7−イル)ピロリジン−4−イルチ
    オ]−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸また
    は(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロ
    キシエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2
    −(1−オキサ−4−アザシクロヘプタン−7−イル)
    ピロリジン−4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エ
    ム−3−カルボン酸である請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】一般式 【化5】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、Raは水素原子
    またはヒドロキシ基の保護基、R2aは水素原子またはカ
    ルボキシル基の保護基を示す]で表される化合物または
    その反応性誘導体と一般式 【化6】 [式中、X1は−N(R3a)−{式中、R3aは水素原
    子、低級アルキル基、保護されていてもよいホルムイミ
    ドイル基もしくはアセトイミドイル基、低級アルキルス
    ルホニル基、イミノ基の保護基、−COOR4a(式中、
    4aは水素原子、低級アルキル基またはカルボキシル基
    の保護基を示す)、−CON(R5a)R6a(式中、R5a
    およびR6aは同一または異なって、水素原子、アミノ基
    もしくはイミノ基の保護基、低級アルキル基または該低
    級アルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共
    に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル
    基、ピペリジノ基、保護されていてもよいピペラジニル
    基、4−低級アルキルピペラジニル基およびモルホリノ
    基からなる群より選ばれる複素環基を示す)、またはヒ
    ドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ア
    ルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミ
    ノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、
    スルファモイル基、−COOR7a(式中、R7aはR4a
    定義と同じ意味を有する)および−CON(R8a)R9a
    (式中、R8aおよびR9aはR5aおよびR6aの定義と同じ
    意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有する
    低級アルキル基(但し、該置換基のヒドロキシ基、アミ
    ノ基またはイミノ基は保護されていてもよい)を示す}
    または−N+(R10a)(R11a)−{式中、R10aおよび
    11aは同一または異なって、低級アルキル基、ホルム
    イミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキルスル
    ホニル基、−COOR12a(式中、R12aはR4aの定義と
    同じ意味を有する)、−CON(R13a)R14a(式中、
    13aおよびR14aはR5aおよびR6aの定義と同じ意味を
    有する)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキ
    ルアミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチル
    アミノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルス
    ルホニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR15a
    (式中、R15aはR4aの定義と同じ意味を有する)およ
    び−CON(R 16a)R17a(式中、R16aおよびR17a
    5aおよびR6aの定義と同じ意味を有する)からなる群
    より選ばれる置換基を有する低級アルキル基(但し、該
    置換基のヒドロキシ基、アミノ基またはイミノ基は保護
    されていてもよい)を示す}、Y1は−N(R18a)−
    (式中、R18aはR3aの定義と同じ意味を有する)、−
    +(R19a)(R20a)−(式中、R19aおよびR20a
    10aおよびR11aの定義と同じ意味を有する)、−N
    (R21a)CO−(式中、R21aは水素原子、低級アルキ
    ル基またはイミノ基の保護基を示す)または−N(R
    22a)CS−(式中、R22aはR21aの定義と同じ意味を
    有する)、Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基ま
    たはスルホニル基、W1は水素原子、低級アルキル基、
    −COOR23a(式中、R23aはR4aの定義と同じ意味を
    有する)、−CON(R24a)R25a(式中、R24aおよ
    びR25aはR5aおよびR6aの定義と同じ意味を有す
    る)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルア
    ミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミ
    ノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホ
    ニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR26a(式
    中、R26aはR4aの定義と同じ意味を有する)および−
    CON(R27a)R28a(式中、R27aおよびR28aはR5a
    およびR6aの定義と同じ意味を有する)からなる群より
    選ばれる置換基を有する低級アルキル基(但し、該置換
    基のヒドロキシ基、アミノ基またはイミノ基は保護され
    ていてもよい)、p、q、rおよびtは同一または異な
    って、0ないし3の整数を示す]で表される化合物とを
    反応させて、一般式 【化7】 [式中、R1、Ra、R2a、X1、Y1、Z、W1、p、
    q、rおよびtは前記の定義と同じ意味を有する]で表
    される化合物とし、要すれば、一般式[IV]の化合物
    の保護基を除去することを特徴とする、一般式 【化8】 [式中、R2は水素原子または陰電荷、Xは−N(R3
    −{式中、R3は水素原子、低級アルキル基、ホルムイ
    ミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキルスルホ
    ニル基、−COOR4(式中、R4は水素原子または低級
    アルキル基を示す)、−CON(R5)R6(式中、R5
    およびR6は同一または異なって、水素原子、低級アル
    キル基または該低級アルキル基が互いに結合して隣接す
    る窒素原子と共に、アジリジニル基、アゼチジニル基、
    ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、4−
    低級アルキルピペラジニル基およびモルホリノ基からな
    る群より選ばれる複素環基を示す)、またはヒドロキシ
    基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルア
    ンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチル
    アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファ
    モイル基、−COOR7(式中、R7はR4の定義と同じ
    意味を有する)および−CON(R8)R9(式中、R8
    およびR9はR5およびR6の定義と同じ意味を有する)
    からなる群より選ばれる置換基を有する低級アルキル基
    を示す}または−N+(R10)(R11)−{式中、R10
    およびR11は同一または異なって、低級アルキル基、ホ
    ルムイミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキル
    スルホニル基、−COOR12(式中、R12はR4の定義
    と同じ意味を有する)、−CON(R13)R14(式中、
    13およびR14はR5およびR6の定義と同じ意味を有す
    る)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルア
    ミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミ
    ノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホ
    ニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR15(式
    中、R15はR4の定義と同じ意味を有する)および−C
    ON(R16)R17(式中、R16およびR17はR5および
    6の定義と同じ意味を有する)からなる群より選ばれ
    る置換基を有する低級アルキル基を示す}、Yは−N
    (R18)−{式中、R18は水素原子、低級アルキル基、
    ホルムイミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキ
    ルスルホニル基、−COOR29(式中、R 29は水素原子
    または低級アルキル基を示す)、−CON(R30)R31
    (式中、R30およびR31は同一または異なって、水素原
    子、低級アルキル基または該低級アルキル基が互いに結
    合して隣接する窒素原子と共に、アジリジニル基、アゼ
    チジニル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジ
    ニル基、4−低級アルキルピペラジニル基およびモルホ
    リノ基からなる群より選ばれる複素環基を示す)、また
    はヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低
    級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−
    イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ
    基、スルファモイル基、−COOR32(式中、R32はR
    29の定義と同じ意味を有する)および−CON(R33
    34(式中、R33およびR34はR30およびR31の定義と
    同じ意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有
    する低級アルキル基を示す}、−N+(R19)(R20
    −(式中、R19およびR20はR10およびR11の定義と同
    じ意味を有する)、−N(R21)CO−(式中、R21
    4の定義と同じ意味を有する)または−N(R22)C
    S−(式中、R22はR4の定義と同じ意味を有する)、
    Wは水素原子、低級アルキル基、−COOR23(式中、
    23はR29の定義と同じ意味を有する)、−CON(R
    24)R25(式中、R24およびR25はR5およびR6の定義
    と同じ意味を有する)、またはヒドロキシ基、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ
    基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチルアミノ
    基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル
    基、−COOR26(式中、R26はR4の定義と同じ意味
    を有する)および−CON(R27)R28(式中、R27
    よびR28はR5およびR6の定義と同じ意味を有する)か
    らなる群より選ばれる置換基を有する低級アルキル基を
    示し、R1、Z、p、q、rおよびtは前記の定義と同
    じ意味を有する]で表される化合物またはその医薬とし
    て許容される塩またはエステルの製造法。
  12. 【請求項12】一般式 【化9】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子
    または陰電荷、Xは−N(R3)−{式中、R3は水素原
    子、低級アルキル基、ホルムイミドイル基、アセトイミ
    ドイル基、低級アルキルスルホニル基、−COOR
    4(式中、R4は水素原子または低級アルキル基を示
    す)、−CON(R5)R6(式中、R5およびR6は同一
    または異なって、水素原子、低級アルキル基または該低
    級アルキル基が互いに結合して隣接する窒素原子と共
    に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル
    基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、4−低級アルキル
    ピペラジニル基およびモルホリノ基からなる群より選ば
    れる複素環基を示す)、またはヒドロキシ基、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルアンモニオ
    基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチルアミノ
    基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル
    基、−COOR7(式中、R7はR4の定義と同じ意味を
    有する)および−CON(R8)R9(式中、R8および
    9はR5およびR6の定義と同じ意味を有する)からな
    る群より選ばれる置換基を有する低級アルキル基を示
    す}または−N+(R10)(R11)−{式中、R10およ
    びR11は同一または異なって、低級アルキル基、ホルム
    イミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキルスル
    ホニル基、−COOR12(式中、R12はR4の定義と同
    じ意味を有する)、−CON(R13)R14(式中、R13
    およびR14はR5およびR6の定義と同じ意味を有す
    る)、またはヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルア
    ミノ基、低級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミ
    ノ基、1−イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホ
    ニルアミノ基、スルファモイル基、−COOR15(式
    中、R15はR4の定義と同じ意味を有する)および−C
    ON(R16)R17(式中、R16およびR17はR5および
    6の定義と同じ意味を有する)からなる群より選ばれ
    る置換基を有する低級アルキル基を示す}、Yは−N
    (R18)−{式中、R18は水素原子、低級アルキル基、
    ホルムイミドイル基、アセトイミドイル基、低級アルキ
    ルスルホニル基、−COOR29(式中、R29は水素原子
    または低級アルキル基を示す)、−CON(R30)R31
    (式中、R30およびR31は同一または異なって、水素原
    子、低級アルキル基または該低級アルキル基が互いに結
    合して隣接する窒素原子と共に、アジリジニル基、アゼ
    チジニル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジ
    ニル基、4−低級アルキルピペラジニル基およびモルホ
    リノ基からなる群より選ばれる複素環基を示す)、また
    はヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低
    級アルキルアンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−
    イミノエチルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ
    基、スルファモイル基、−COOR32(式中、R32はR
    29の定義と同じ意味を有する)および−CON(R33
    34(式中、R33およびR34はR30およびR31の定義と
    同じ意味を有する)からなる群より選ばれる置換基を有
    する低級アルキル基を示す}、−N+(R19)(R20
    −(式中、R19およびR20はR10およびR11の定義と同
    じ意味を有する)、−N(R21)CO−(式中、R21
    4の定義と同じ意味を有する)または−N(R22)C
    S−(式中、R22はR4の定義と同じ意味を有する)、
    Zは硫黄原子、酸素原子、スルフィニル基またはスルホ
    ニル基、Wは水素原子、低級アルキル基、−COOR23
    (式中、R23はR29の定義と同じ意味を有する)、−C
    ON(R24)R25(式中、R24およびR25はR5および
    6の定義と同じ意味を有する)、またはヒドロキシ
    基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルア
    ンモニオ基、イミノメチルアミノ基、1−イミノエチル
    アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファ
    モイル基、−COOR26(式中、R26はR4の定義と同
    じ意味を有する)および−CON(R27)R28(式中、
    27およびR28はR5およびR6の定義と同じ意味を有す
    る)からなる群より選ばれる置換基を有する低級アルキ
    ル基、p、q、rおよびtは同一または異なって、0な
    いし3の整数を示す]で表される化合物またはその医薬
    として許容される塩またはエステルを有効成分とする抗
    菌剤。
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