JPH05230012A - 4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸又はその塩の製造法 - Google Patents
4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸又はその塩の製造法Info
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- JPH05230012A JPH05230012A JP6999092A JP6999092A JPH05230012A JP H05230012 A JPH05230012 A JP H05230012A JP 6999092 A JP6999092 A JP 6999092A JP 6999092 A JP6999092 A JP 6999092A JP H05230012 A JPH05230012 A JP H05230012A
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- C09B23/14—Styryl dyes
- C09B23/148—Stilbene dyes containing the moiety -C6H5-CH=CH-C6H5
Abstract
(57)【要約】
【目的】 4,4´−ジニトロスチルベン−2,2´−
ジスルホン酸を高収率で製造すること。 【構成】4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又はその
アルカリ金属塩を可溶化剤としての環状尿素(アルキル
−2−イミダゾリジノン)又は尿素の存在下、アルカリ
金属水酸化物またはアルコキシドを加え、酸素を飽和さ
せながら酸化縮合させ、4,4´−ジニトロスチルベン
−2,2´−ジスルホン酸を高収率で得る。
ジスルホン酸を高収率で製造すること。 【構成】4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又はその
アルカリ金属塩を可溶化剤としての環状尿素(アルキル
−2−イミダゾリジノン)又は尿素の存在下、アルカリ
金属水酸化物またはアルコキシドを加え、酸素を飽和さ
せながら酸化縮合させ、4,4´−ジニトロスチルベン
−2,2´−ジスルホン酸を高収率で得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中間体の製造法に関す
る。更に詳しくは、蛍光増白剤をはじめとする染顔料の
中間体として有用な4,4′−ジニトロスチルベン−
2,2′ジスルホン酸または、その塩の製造法に関す
る。
る。更に詳しくは、蛍光増白剤をはじめとする染顔料の
中間体として有用な4,4′−ジニトロスチルベン−
2,2′ジスルホン酸または、その塩の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】4,4´−ジニトロスチルベン−2,2
´−ジスルホン酸またはその塩の工業的製法としては、
2モルの4−ニトロトルエン−2−スルホン酸を水性ア
ルカリの条件下で酸化縮合する方法が知られている。
(例えば東独特許第240200号、特開昭57−38
64) しかし、このような水性アルカリ条件下では多くの欠点
を有する。すなわち、2モルの4−ニトロトルエン−2
−スルホン酸を酸化縮合して目的物である4,4´−ジ
ニトロスチルベン−2,2´−ジスルホン酸を得るに際
し、反応中間体として4,4′−ジニトロジベンジル−
2,2′−ジスルホン酸を経由するが、このジベンジル
中間体の水への難溶性のために極めて希釈された状態で
反応せねばならない。また、かなりの量の過剰酸化物や
色素性化合物等が副生するため、収率はせいぜい80%
台に過ぎず、生産性が低い上に廃水処理に多大な経費が
必要である。
´−ジスルホン酸またはその塩の工業的製法としては、
2モルの4−ニトロトルエン−2−スルホン酸を水性ア
ルカリの条件下で酸化縮合する方法が知られている。
(例えば東独特許第240200号、特開昭57−38
64) しかし、このような水性アルカリ条件下では多くの欠点
を有する。すなわち、2モルの4−ニトロトルエン−2
−スルホン酸を酸化縮合して目的物である4,4´−ジ
ニトロスチルベン−2,2´−ジスルホン酸を得るに際
し、反応中間体として4,4′−ジニトロジベンジル−
2,2′−ジスルホン酸を経由するが、このジベンジル
中間体の水への難溶性のために極めて希釈された状態で
反応せねばならない。また、かなりの量の過剰酸化物や
色素性化合物等が副生するため、収率はせいぜい80%
台に過ぎず、生産性が低い上に廃水処理に多大な経費が
必要である。
【0003】これらを解決する方法として液体アンモニ
アやジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド
等の溶媒を用いた方法が特開昭64−50854、特公
平2−5741、特開平2−4764により開示されて
いる。しかし、これらの方法も工業化する上で大きな欠
点が指摘される。すなわち、液体アンモニアを用いる方
法は、作業者や工場周辺の環境への配慮とコスト面から
液体アンモニアをほぼ完全に回収する必要があり、その
装置は非常に高価なものとなる。また反応中は酸素を連
続的に通気するが、液体アンモニアは14.8%〜7
9.0%の広い爆発範囲をもつことが知られており、安
全管理上、重要な問題がある。
アやジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド
等の溶媒を用いた方法が特開昭64−50854、特公
平2−5741、特開平2−4764により開示されて
いる。しかし、これらの方法も工業化する上で大きな欠
点が指摘される。すなわち、液体アンモニアを用いる方
法は、作業者や工場周辺の環境への配慮とコスト面から
液体アンモニアをほぼ完全に回収する必要があり、その
装置は非常に高価なものとなる。また反応中は酸素を連
続的に通気するが、液体アンモニアは14.8%〜7
9.0%の広い爆発範囲をもつことが知られており、安
全管理上、重要な問題がある。
【0004】又ジメチルホルムアミドを用いる方法は、
これ自体毒性があり酸化用空気に同伴されるなど取扱に
注意が必要で安全衛生上あまり好ましくない。また、工
業化するには、コスト面から溶媒は回収再使用が必要と
なるが、反応中アルカリ性の条件下でギ酸塩とジメチル
アミンに分解し、回収量が減少し結果ととしてコスト高
となってしまう。また、ジメチルアミン臭を取り除く除
害設備も必要である。
これ自体毒性があり酸化用空気に同伴されるなど取扱に
注意が必要で安全衛生上あまり好ましくない。また、工
業化するには、コスト面から溶媒は回収再使用が必要と
なるが、反応中アルカリ性の条件下でギ酸塩とジメチル
アミンに分解し、回収量が減少し結果ととしてコスト高
となってしまう。また、ジメチルアミン臭を取り除く除
害設備も必要である。
【0005】更に、ジメチルスルホキサイドを用いる方
法もコスト面から回収再使用が必要となるが、反応中ア
ルカリ性の条件下、酸化を受け二酸化硫黄と炭酸ガスに
一部分解され、更に回収工程では熱分解により硫化メチ
ルやメチルメルカプタン等の悪臭物質が生成し、回収量
が減少しコスト高は免れない。また悪臭物質の除害設備
も必要である。
法もコスト面から回収再使用が必要となるが、反応中ア
ルカリ性の条件下、酸化を受け二酸化硫黄と炭酸ガスに
一部分解され、更に回収工程では熱分解により硫化メチ
ルやメチルメルカプタン等の悪臭物質が生成し、回収量
が減少しコスト高は免れない。また悪臭物質の除害設備
も必要である。
【0006】また、ジメチルホルムアミドやジメチルス
ルホキサイドを用いる方法は原料として、4−ニトロト
ルエン−2−スルホン酸のアルカリ金属塩を無水物とし
て単離し、反応に供している。しかし4−ニトロトルエ
ン−2−スルホン酸は、工業的には4−ニトロトルエン
のスルホン化によりフリーの酸(含水)として得られア
ルカリ金属塩の無水物として取り出すには結晶化、濾
過、乾燥等煩雑な工程を経ねばならなず、(特開平2−
4764の実施例1、実施例2参照)工業化する上で大
きなデメリットとなる。
ルホキサイドを用いる方法は原料として、4−ニトロト
ルエン−2−スルホン酸のアルカリ金属塩を無水物とし
て単離し、反応に供している。しかし4−ニトロトルエ
ン−2−スルホン酸は、工業的には4−ニトロトルエン
のスルホン化によりフリーの酸(含水)として得られア
ルカリ金属塩の無水物として取り出すには結晶化、濾
過、乾燥等煩雑な工程を経ねばならなず、(特開平2−
4764の実施例1、実施例2参照)工業化する上で大
きなデメリットとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来法では、多
額の設備費用を要したり、溶剤の回収率が低くコスト高
となってしまったり、溶剤そのものの毒性や、安全性に
問題があった為、これらの欠点を持たない製造法の確立
が望まれていた。また、原料である4−ニトロトルエン
−2−スルホン酸をアルカリ金属塩の無水物として取り
出すことなくそのまま反応に供せられる方法が望まれて
いた。
額の設備費用を要したり、溶剤の回収率が低くコスト高
となってしまったり、溶剤そのものの毒性や、安全性に
問題があった為、これらの欠点を持たない製造法の確立
が望まれていた。また、原料である4−ニトロトルエン
−2−スルホン酸をアルカリ金属塩の無水物として取り
出すことなくそのまま反応に供せられる方法が望まれて
いた。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者らは前述したよ
うな問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明
に至った。即ち本発明は、4−ニトロトルエン−2−ス
ルホン酸又はそのアルカリ金属塩を水の存在下、式
(1)
うな問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明
に至った。即ち本発明は、4−ニトロトルエン−2−ス
ルホン酸又はそのアルカリ金属塩を水の存在下、式
(1)
【0009】
【0010】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ同一また
は相異なる炭素数1ないし3のアルキル基であり、R3
は水素原子又はメチル基である)で示される環状尿素化
合物若しくは尿素又はそれらの混合物並びにアルカリ金
属水酸化物若しくはアルコキシド又はそれらの混合物を
加えて、本質的に酸化が終了するまで反応せしめること
を特徴とする4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′
−ジスルホン酸又はその塩の製造法を提供する。
は相異なる炭素数1ないし3のアルキル基であり、R3
は水素原子又はメチル基である)で示される環状尿素化
合物若しくは尿素又はそれらの混合物並びにアルカリ金
属水酸化物若しくはアルコキシド又はそれらの混合物を
加えて、本質的に酸化が終了するまで反応せしめること
を特徴とする4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′
−ジスルホン酸又はその塩の製造法を提供する。
【0011】本発明を詳細に説明する。本発明におい
て、原料として用いられる、4−ニトロトルエン−2−
スルホン酸またはそのアルカリ金属塩としては4−ニト
ロトルエン−2−スルホン酸、4−ニトロトルエン−2
−スルホン酸ナトリウム塩、4−ニトロトルエン−2−
スルホン酸カリウム塩、4−ニトロトルエン−2−スル
ホン酸リチウム塩、及びこれらの混合物が用いられる。
4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又はそのアルカリ
金属塩は乾燥品、含水物のいずれでも仕込可能である。
又4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又はそのアルカ
リ金属塩はそれらの水溶液のままでも反応に供すること
ができる。
て、原料として用いられる、4−ニトロトルエン−2−
スルホン酸またはそのアルカリ金属塩としては4−ニト
ロトルエン−2−スルホン酸、4−ニトロトルエン−2
−スルホン酸ナトリウム塩、4−ニトロトルエン−2−
スルホン酸カリウム塩、4−ニトロトルエン−2−スル
ホン酸リチウム塩、及びこれらの混合物が用いられる。
4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又はそのアルカリ
金属塩は乾燥品、含水物のいずれでも仕込可能である。
又4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又はそのアルカ
リ金属塩はそれらの水溶液のままでも反応に供すること
ができる。
【0012】本発明に用いられる環状尿素とは、アルキ
ル−2−イミダゾリジノン化合物を意味し、例えば1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3ジエチル
−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2
−イミダゾリジノン、1,3,4−トリメチル−2−イ
ミダゾリジノン等がその具体例としてあげられ、好まし
いものは、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノンであ
る。本発明における環状尿素または尿素は可溶化剤とし
て働き、その使用量は、仕込んだ4−ニトロトルエン−
2−スルホン酸100重量部に対し、通常19重量部以
上であり、好ましくは、38〜380重量部の範囲であ
る。
ル−2−イミダゾリジノン化合物を意味し、例えば1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3ジエチル
−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2
−イミダゾリジノン、1,3,4−トリメチル−2−イ
ミダゾリジノン等がその具体例としてあげられ、好まし
いものは、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノンであ
る。本発明における環状尿素または尿素は可溶化剤とし
て働き、その使用量は、仕込んだ4−ニトロトルエン−
2−スルホン酸100重量部に対し、通常19重量部以
上であり、好ましくは、38〜380重量部の範囲であ
る。
【0013】アルカリ金属水酸化物またはアルコキシド
は塩基として作用するが、コスト面や廃液負荷の軽減か
ら、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの使用が有利で
ある。それらは、固形はもちろんのこと、液体(例えば
10%〜50%水溶液)でも仕込むことが出来、液体の
場合自動化に適した方法である。塩基の量としては、4
−ニトロトルエン−2−スルホン酸を中和する分を除
き、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸100重量部
に対し、通常28〜112重量部、好ましくは38〜7
5重量部である。
は塩基として作用するが、コスト面や廃液負荷の軽減か
ら、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの使用が有利で
ある。それらは、固形はもちろんのこと、液体(例えば
10%〜50%水溶液)でも仕込むことが出来、液体の
場合自動化に適した方法である。塩基の量としては、4
−ニトロトルエン−2−スルホン酸を中和する分を除
き、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸100重量部
に対し、通常28〜112重量部、好ましくは38〜7
5重量部である。
【0014】酸化反応の途中の過程で生成する反応中間
体(4,4′−ジニトロジベンジル−2,2′−ジスル
ホン酸)から目的物への反応は、塩基濃度が高すぎると
反応がかえって遅くなるので、反応中間体4,4′−ジ
ニトロジベンジル−2,2′−ジスルホン酸の生成と共
に、徐々にまたは反応開始2〜6時間後に過剰塩基を中
和または希釈により濃度を下げることが好ましい。その
方法としては、水を加える方法、中和剤として、例えば
硫酸、塩酸等を加える方法がある。又、環状尿素化合物
または尿素のいずれか1種またはそれらの混合物を添加
する方法としては、最初に所要量のすべてを加える方法
の他、反応中徐々に、または反応開始2〜6時間後添加
する方法も採用される。酸化剤としては空気中の酸素を
利用するのが経済的な面からも好都合である。
体(4,4′−ジニトロジベンジル−2,2′−ジスル
ホン酸)から目的物への反応は、塩基濃度が高すぎると
反応がかえって遅くなるので、反応中間体4,4′−ジ
ニトロジベンジル−2,2′−ジスルホン酸の生成と共
に、徐々にまたは反応開始2〜6時間後に過剰塩基を中
和または希釈により濃度を下げることが好ましい。その
方法としては、水を加える方法、中和剤として、例えば
硫酸、塩酸等を加える方法がある。又、環状尿素化合物
または尿素のいずれか1種またはそれらの混合物を添加
する方法としては、最初に所要量のすべてを加える方法
の他、反応中徐々に、または反応開始2〜6時間後添加
する方法も採用される。酸化剤としては空気中の酸素を
利用するのが経済的な面からも好都合である。
【0015】本発明における酸化反応は無触媒でも進行
するがより効率よく反応を進めるために触媒を用いるこ
とも可能である。触媒としてはマンガン化合物が最も適
しているが他にもCo、Fe、Ni、Pd、Pt、C
r、Ce、Ru、Rh、Ti、V、Zr、Pb、Th、
Cu、Ag、Mo、W等の遷移金属化合物も単独、また
は併用して用いられる。その使用量は4−ニトロトルエ
ン−2−スルホン酸100重量部に対し、通常0.05
〜5.0重量部の範囲である。
するがより効率よく反応を進めるために触媒を用いるこ
とも可能である。触媒としてはマンガン化合物が最も適
しているが他にもCo、Fe、Ni、Pd、Pt、C
r、Ce、Ru、Rh、Ti、V、Zr、Pb、Th、
Cu、Ag、Mo、W等の遷移金属化合物も単独、また
は併用して用いられる。その使用量は4−ニトロトルエ
ン−2−スルホン酸100重量部に対し、通常0.05
〜5.0重量部の範囲である。
【0016】反応温度は好ましくは30〜90℃、より
好ましくは40〜80℃である。反応は常圧下、加圧下
で又連続法、バッチ法のいずれにても実施可能である。
反応時間は条件により異なるが通常は4〜8時間であ
る。
好ましくは40〜80℃である。反応は常圧下、加圧下
で又連続法、バッチ法のいずれにても実施可能である。
反応時間は条件により異なるが通常は4〜8時間であ
る。
【0017】本発明においては、4−ニトロトルエン−
2−スルホン酸又はそのアルカリ金属塩を可溶化するに
有効な環状尿素または尿素を少量添加するだけで収率を
高めることが出来る。この環状尿素はアルカリ性酸化雰
囲気下においても安定で高収率で回収することができ、
経済的に有利である。環状尿素の回収は酸化反応終了
後、中和した後真空蒸留で回収するか、中和後目的物を
濾過し、その濾液から真空蒸留回収することができる。
また、ポリエーテル合成膜等を用いた逆浸透法により環
状尿素を濃縮することも可能である。本発明の方法は、
目的とする、4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′
−ジスルホン酸およびその塩を高収率でしかも、効率よ
く得ることができるので工業的に極めて有利である。
2−スルホン酸又はそのアルカリ金属塩を可溶化するに
有効な環状尿素または尿素を少量添加するだけで収率を
高めることが出来る。この環状尿素はアルカリ性酸化雰
囲気下においても安定で高収率で回収することができ、
経済的に有利である。環状尿素の回収は酸化反応終了
後、中和した後真空蒸留で回収するか、中和後目的物を
濾過し、その濾液から真空蒸留回収することができる。
また、ポリエーテル合成膜等を用いた逆浸透法により環
状尿素を濃縮することも可能である。本発明の方法は、
目的とする、4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′
−ジスルホン酸およびその塩を高収率でしかも、効率よ
く得ることができるので工業的に極めて有利である。
【0018】
【実施例】実施例によって本発明を具体的に説明する
が、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
が、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0019】実施例1 四つ口のガラスフラスコに4−ニトロトルエン−2−ス
ルホン酸37.5%水溶液271.9g、硫酸マンガン
四水和物0.5g、水500gを加え空気を2l/mi
nで吹き込みつつタービン羽根で高速攪拌した。これに
水酸化ナトリウム48%水溶液120gを50〜60℃
で30〜60分かけて加えた。60℃で4時間反応した
後、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン70gを
加え70℃で2〜4時間反応する。HPLC(高速液体
クロマトグラフィー)により反応を追跡し原料及び反応
中間体が消失したことを確認し、反応を終了させた。こ
の反応液に硫酸を加えて中和しPH=7とした。液量の
15%の食塩を加え塩析、濾過し4,4′−ジニトロス
チルベン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウムのウエ
ットケーキ139gを得た。これをTiCl3 を用いる
還元分析法で純度を求めたところ72.3%であった。
収率は仕込んだ4−ニトロトルエン−2−スルホン酸に
対し90.2%であった。得られた4,4´−ジニトロ
スチルベン−2,2´−ジスルホン酸ジナトリウムは、
鉄粉または水素等で還元し4,4´−ジアミノスチルベ
ン−2,2´−ジスルホン酸が得られるが、このものは
精製することなく蛍光増白剤に使用できうる品質を有し
ていた。
ルホン酸37.5%水溶液271.9g、硫酸マンガン
四水和物0.5g、水500gを加え空気を2l/mi
nで吹き込みつつタービン羽根で高速攪拌した。これに
水酸化ナトリウム48%水溶液120gを50〜60℃
で30〜60分かけて加えた。60℃で4時間反応した
後、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン70gを
加え70℃で2〜4時間反応する。HPLC(高速液体
クロマトグラフィー)により反応を追跡し原料及び反応
中間体が消失したことを確認し、反応を終了させた。こ
の反応液に硫酸を加えて中和しPH=7とした。液量の
15%の食塩を加え塩析、濾過し4,4′−ジニトロス
チルベン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウムのウエ
ットケーキ139gを得た。これをTiCl3 を用いる
還元分析法で純度を求めたところ72.3%であった。
収率は仕込んだ4−ニトロトルエン−2−スルホン酸に
対し90.2%であった。得られた4,4´−ジニトロ
スチルベン−2,2´−ジスルホン酸ジナトリウムは、
鉄粉または水素等で還元し4,4´−ジアミノスチルベ
ン−2,2´−ジスルホン酸が得られるが、このものは
精製することなく蛍光増白剤に使用できうる品質を有し
ていた。
【0020】実施例2 水酸化ナトリウムを加えた後1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン70gを4時間かけて添加する。その間
温度を60から70℃に徐々に昇温する以外は実施例1
と同様の操作を繰り返した。収率は88.5%であっ
た。
ミダゾリジノン70gを4時間かけて添加する。その間
温度を60から70℃に徐々に昇温する以外は実施例1
と同様の操作を繰り返した。収率は88.5%であっ
た。
【0021】実施例3 水400g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンノ
ンを150gとした以外は実施例1と同様の操作を繰り
返した。収率は90.8%であった。
ンを150gとした以外は実施例1と同様の操作を繰り
返した。収率は90.8%であった。
【0022】実施例4 水400g、水酸化ナトリウム48%水溶液を186g
に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを150
gに変更し、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
の添加時に45%硫酸102gを加え、アルカリ濃度を
下げた以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。収率
は93.8%であった。
に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを150
gに変更し、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
の添加時に45%硫酸102gを加え、アルカリ濃度を
下げた以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。収率
は93.8%であった。
【0023】実施例5 四つ口のガラスフラスコに4−ニトロトルエン−2−ス
ルホン酸37.5%水溶液271.9g、硫酸マンガン
四水和物0.5g、水300g、尿素99gを加え空気
を2.5l/minで吹き込みつつタービン羽根で高速
攪拌した。これに水酸化ナトリウム48%水溶液120
gを40〜50℃で30〜60分かけて加えた。50℃
で6時間反応した後、熱水200mlを加え75℃で2
〜4時間反応する。HPLC(高速液体クロマトグラフ
ィー)により反応を追跡し原料及び反応中間体が消失し
たことを確認し、反応を終了させた。以下実施例と同様
に中和、塩析、濾過した。収率は90.0%であった。
ルホン酸37.5%水溶液271.9g、硫酸マンガン
四水和物0.5g、水300g、尿素99gを加え空気
を2.5l/minで吹き込みつつタービン羽根で高速
攪拌した。これに水酸化ナトリウム48%水溶液120
gを40〜50℃で30〜60分かけて加えた。50℃
で6時間反応した後、熱水200mlを加え75℃で2
〜4時間反応する。HPLC(高速液体クロマトグラフ
ィー)により反応を追跡し原料及び反応中間体が消失し
たことを確認し、反応を終了させた。以下実施例と同様
に中和、塩析、濾過した。収率は90.0%であった。
【0024】実施例6 実施例3で得たウエットケーキを15%食塩水500m
lで洗浄し、その洗浄濾液と実施例3の濾過母液を合わ
せ常圧蒸留にて水を留去する。次に真空蒸留(約10m
mHg、110℃)にて1,1−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンを回収する。初留分100g(1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジンノン10.5gを含有)と1
35.5gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンノ
ン(純度96.4%)をえた。蒸留残渣は有機物を含ん
だ食塩と硫酸ナトリウムそれに未回収の1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジンノンを6g含んでいた。この蒸
留残渣を飽和食塩水で洗浄し、その濾液と初留分を次回
の蒸留時に一緒に回収することができる。1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジンノンの回収率は初留分、蒸留
残渣分を含め98%であった。ここで得られた回収1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジンノンに不足分を足し
て実施例3を繰り返した。収率は90.3%であった。
lで洗浄し、その洗浄濾液と実施例3の濾過母液を合わ
せ常圧蒸留にて水を留去する。次に真空蒸留(約10m
mHg、110℃)にて1,1−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンを回収する。初留分100g(1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジンノン10.5gを含有)と1
35.5gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンノ
ン(純度96.4%)をえた。蒸留残渣は有機物を含ん
だ食塩と硫酸ナトリウムそれに未回収の1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジンノンを6g含んでいた。この蒸
留残渣を飽和食塩水で洗浄し、その濾液と初留分を次回
の蒸留時に一緒に回収することができる。1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジンノンの回収率は初留分、蒸留
残渣分を含め98%であった。ここで得られた回収1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジンノンに不足分を足し
て実施例3を繰り返した。収率は90.3%であった。
【0025】
比較例1 ジメチルホルムアミドの代わりにN−メチル−2−ピロ
リドンを用いた以外は特公平2−5741の実施例1を
繰り返した。反応終了時の目的物のHPLCによる面積
百分率は78.0%であった。収率は74.0%であっ
た。
リドンを用いた以外は特公平2−5741の実施例1を
繰り返した。反応終了時の目的物のHPLCによる面積
百分率は78.0%であった。収率は74.0%であっ
た。
【0026】
【発明の効果】4−ニトロトルエン−2−スルホン酸又
はそのアルカリ塩から好収率で且つ効率よく4,4′−
ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸およびそ
の塩を製造する方法が確立された。
はそのアルカリ塩から好収率で且つ効率よく4,4′−
ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸およびそ
の塩を製造する方法が確立された。
Claims (1)
- 【請求項1】4−ニトロトルエン−2−スルホン酸また
はそのアルカリ金属塩を水の存在下、式(1) (式中、R1 及びR2 はそれぞれ同一又は相異なる炭素
数1ないし3のアルキル基であり、R3 は水素原子又は
メチル基である)で示される環状尿素化合物若しくは尿
素又はそれらの混合物並びにアルカリ金属水酸化物若し
くはアルコキシド又はそれらの混合物を加えて、本質的
に酸化が終了するまで反応せしめることを特徴とする
4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン
酸又はその塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4069990A JP2993796B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸又はその塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4069990A JP2993796B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸又はその塩の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230012A true JPH05230012A (ja) | 1993-09-07 |
JP2993796B2 JP2993796B2 (ja) | 1999-12-27 |
Family
ID=13418622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4069990A Expired - Lifetime JP2993796B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 4,4′−ジニトロスチルベン−2,2′−ジスルホン酸又はその塩の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2993796B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2374346B (en) * | 2001-04-10 | 2003-04-23 | Mon-Sheng Lin | Liquid bubble solution for producing luminous bubbles |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP4069990A patent/JP2993796B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2993796B2 (ja) | 1999-12-27 |
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