JPH052297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば、断面が四角形をなす角棒や
角柱、角筒及び断面が円形の丸棒や円筒体のよう
なワークの面取り加工する際のワークを固定する
のに使用するバイスに関する。

（従来の技術） 従来、この種のバイスは、被加工物としてのワ
ークの把持のみが重要視され、ワークの角度出し
には何ら配慮されていなかつた。

このために、面取り加工時、砥石を成形して使
用するか、あるいは、角度ブロツク、サインバ
ー、マグネツトテーブル等でワークを傾斜させ
て、研削による面取り加工する手段が採用されて
いる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述した砥石を成形して使用し
たり、又は、角度ブロツク、サインバー、マグネ
ツトテーブル等でワークを傾斜させて面取り加工
する手段は、取付段取りの手数と時間を費やすば
かりでなく、作業能率を低下し、生産性の向上を
図ることが困難である。

本考案は、上述した問題を解消するために、面
取り加工時において、ワークの角度出し（面取り
位置決め）がワンタツチ（一工程）で完了できる
ようにしたバイスを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、バイス本体にこのバイス本体の長手
方向に対して直交して断面がＶ字状のＶ溝部を形
成し、上記バイス本体の一端部に固定位置決め部
材を設け、上記バイス本体の他端部に螺合部材を
設け、この螺合部材に駆動螺軸を螺装し、この駆
動螺軸にクランプ体を付設すると共に上記Ｖ溝部
を摺動してワークを上記固定位置決め部材と共同
して緊締固定するものである。

（作用） 本考案は、ワークの面取り加工時、Ｖ溝部にワ
ークを載置して一工程で正確な角度を規制し、し
かる後、上記駆動螺軸を回転することにより、こ
の駆動螺軸に付設されたクランプ体を上記Ｖ溝部
に沿つて摺動してワークをクランプ体の端面と上
記固定位置決め部材と共同して緊締固定するもの
である。

（実施例） 以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

第１図乃至第３図において、符号１は、細長く
形成されたバイス本体であつて、このバイス本体
１には、断面がＶ字状のＶ溝部２がバイス本体１
の長手方向に対して直交して形成されており、上
記バイス本体１の一端部１ａには、固定位置決め
部材９が設けられている。又、上記バイス本体１
の他端部１ｂには、螺合部材１０が設けられてお
り、この螺合部材１０の略中央部には、ねじ孔１
０ａが刻設されている。さらに、このねじ孔１０
ａには、駆動螺軸４が回転自在に螺装されてお
り、この駆動螺軸４の外端部には、ハンドル５が
形成されている。さらに又、駆動螺軸４の内端部
には、断面がＶ字状をなすクランプ体３が抜け出
ないように付設されており、このクランプ体３は
上記Ｖ溝部２を摺動して、例えば、断面が四角形
をなすワーク６を上記固定位置決め部材９と共同
して緊締固定するように設けられている（第２図
参照）。

即ち、上記四角形をなすワーク６は上記固定位
置決め部材９の内側面９ａと上記クランプ体３の
前面３ａとで締付固定するように設けられてい
る。又、上記バイス本体１の底面１ｃには、取付
孔１１が穿設されており、この取付孔１１は、例
えば、研削加工機のテーブルに取付ボルトで固定
するようにしている。

以下、本考案の作用について説明する。

従つて、今、例えば、断面が四角形をなすワー
ク６の面取り加工時、予め、上記Ｖ溝部２に断面
が四角形をなすワーク６を載置する。これによつ
てワーク６の正確な角度を一工程で規制する。し
かる後、上記駆動螺軸４のハンドル５を回転する
ことにより、この駆動螺軸４に付設されたクラン
プ体３が上記Ｖ溝部２に沿つて摺動してワーク６
をクランプ体３の端面３ａと上記固定位置決め部
材９の内側面９ａと共同して締付固定する。

このような状態において、第２図に示されるよ
うに、上記ワーク６の角隅部７をバイト又は研削
砥石で面取りする。

又一方、第３図に示されるように、上記ワーク
６が比較的に小さい場合、ブロツク定規体として
のブロツクストツパー８をＶ溝部２の角隅部に載
置し、この上に上記ワーク６を載置して後、ワー
ク６をクランプ体３の前面３ａと上記固定位置決
め部材９の内側面９ａと共同して緊締固定する。

このようにして本考案は、一工程で一挙に所望
の角度が得られるから、作業能率や生産性の向上
を図ることができる。

なお、本考案は、断面が四角形をなすワーク６
を使用したものについて説明したけれども、本考
案の要旨を変更しない範囲内で、例えば、断面が
円形の丸棒や円筒体のようなワークの二面取り加
工することは自由である。又、上記Ｖ溝部２の角
度は90°のものについて説明したけれども、多角
形の場合、これに追随して角度を変えることも自
由である。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案は、バイス本体にこの
バイス本体の長手方向に対して直交して断面がＶ
字状のＶ溝部を形成し、上記バイス本体の一端部
に固定位置決め部材を設け、上記バイス本体の他
端部に螺合部材を設け、この螺合部材に駆動螺軸
を螺装し、この駆動螺軸にクランプ体を付設する
と共に上記Ｖ溝部を摺動してワークを上記固定位
置決め部材と共同して緊締固定するので、ワーク
を上記Ｖ溝部に載置するだけの一工程で正確な角
度に位置決めできるばかりでなく、ワークの両端
部を固定位置決め部材とクランプ体との両者で強
固に把持できると共に一挙に所望の角度が得られ
るから、作業能率や生産性の向上を図ることがで
きる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のバイスによる斜視図、第２
図及び第３図は、本考案の作用を説明するための
各図である。 １……バイス本体、２……Ｖ溝部、３……クラ
ンプ体、４……駆動螺軸、９……固定位置決め部
材、１０……螺合部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バイス本体にこのバイス本体の長手方向に対し
   て直交して形成された断面がＶ字状のＶ溝部と、
   上記バイス本体の一端部に設けられた固定位置決
   め部材と、上記バイス本体の他端部に設けられた
   螺合部材と、この螺合部材に螺装された駆動螺軸
   と、この駆動螺軸に付設されると共に上記Ｖ溝部
   を摺動してワークを上記固定位置決め部材と共同
   して締付固定するクランプ体とを具備したことを
   特徴とするバイス。