JPH05228423A - 非粘着性コーティング層 - Google Patents

非粘着性コーティング層

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JPH05228423A
JPH05228423A JP3301692A JP3301692A JPH05228423A JP H05228423 A JPH05228423 A JP H05228423A JP 3301692 A JP3301692 A JP 3301692A JP 3301692 A JP3301692 A JP 3301692A JP H05228423 A JPH05228423 A JP H05228423A
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JP
Japan
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coating layer
adhesive
resin
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JP3301692A
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Inventor
Taketoshi Hayashida
武敏 林田
Tomoaki Nakanishi
智昭 中西
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Nippon Fusso Co Ltd
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Nippon Fusso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた非粘着性を長期間メンテナンスフリー
で維持できる非粘着性コーティング層を提供する。 【構成】 中心線表面粗さが5〜30μmでロックウェル
硬度Rc:30以上の無機材料層に非粘着性樹脂の皮膜を
形成してなる非粘着性コーティング層。 【効果】 粘着物の取扱い設備の維持管理を容易にし、
生産性を向上させ、さらに作業環境・安全性を改善でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非粘着性コーティング
層、たとえば粘着物を取扱う設備や装置、特に粘着テー
プの製造および粘着テープを利用する設備に好適な非粘
着性コーティング層に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープなどの粘着物を取扱う設備に
おいては、粘着物の付着をいかに防止するかが重要な問
題である。たとえば、粘着テープ用ロールのばあい、ロ
ール面への粘着テープの粘着によりテープの蛇行、絡み
つき、テープ切れが頻繁に発生したり、ロール表面に付
着した粘着物が粘着テープに再付着したりするため、生
産性の低下や粘着テープの品質の悪化に悩まされてい
る。これらのトラブルが生ずると製造ラインを止め、手
作業で付着した粘着物を有機溶剤で取除かなければなら
ず、作業員の健康上の問題も生じている。
【0003】こうした問題の改善を図る手段としてつぎ
のものが提案され、一部実施されている。
【0004】(1) ロール表面などの粘着テープと接触す
る面に硬質クロムメッキし、鏡面に磨き上げる。
【0005】(2) シリコーンオイルを接触面に塗布す
る。
【0006】(3) シリコーン樹脂で接触面をコーティン
グする。
【0007】(4) シリコーンゴムを接触面にライニング
する。
【0008】(1) の鏡面仕上げでは、鏡面を維持するの
が困難であり、また非粘着性の点からも不充分なもので
ある。(2) のシリコーンオイル塗布法では、オイルが短
時間に粘着テープに移行するため常時塗布しなければな
らず、また移行したシリコーンオイルにより粘着テープ
の粘着性が低下するという問題がある。シリコーン樹脂
でコーティングする(3) の方法では、粘着テープへの影
響は少ないが非粘着性が満足しうるレベルではないう
え、層厚を厚くすることができないため短期間にコーテ
ィング層が摩耗消滅してしまう。その点、(4) のシリコ
ーンゴムライニングは非粘着性に優れかつ膜厚も厚くす
ることができるが、機械的強度が小さく傷や摩耗が生
じ、長期間の使用に問題がある。しかも、電気絶縁性の
ため、粘着テープとの摩擦によって静電気が発生し、そ
れが爆発火災に結びつく危険も大きい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の非
粘着性付与手段にはメンテナンスフリーで長期間使用で
きる安全なものはなかった。本発明は、こうした問題を
一挙に解決しえた非粘着性コーティング層を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の非粘着性コーテ
ィング層は、中心線表面粗さ(Ra)が5〜30μmでロ
ックウェル硬度Rc:30以上の無機材料層に非粘着性樹
脂を含浸または塗装してなるものである。
【0011】本発明における非粘着性は、接触面積を減
らすこと、すなわち接触面に凹凸を形成してなること、
および非粘着性樹脂を使用することにより達成されてい
る。すなわち、接触面積を減らすために中心線表面粗さ
(Ra)を5〜30μm、好ましくは7〜20μmとする。
Raが5μm未満のばあい粘着物が凹凸に埋まり込んで
しまうため接触面積の減少につながらず、非粘着性はさ
ほど向上しない。一方、30μmを超えるばあいは凹凸に
より粘着テープなどの粘着物を損傷することがある。
【0012】このような表面粗さを長期間保つためには
ある程度の硬度が必要であり、本発明においては無機材
料層をロックウェル硬度Rcが30以上のものとする。
【0013】無機材料層の層厚は10〜300 μm、好まし
くは50〜250 μmとする。10μmよりも薄いときは充分
な粗面がえられず、300 μmを超えるときは形成される
無機材料層の残留内部応力のために無機材料層が剥離し
てしまう。
【0014】本発明において無機材料層は非粘着性樹脂
の長期間保持の点から多孔質であるものが好ましい。
【0015】本発明における非粘着性は、非粘着性樹脂
を無機材料層に含浸または塗装することによって生ず
る。非粘着性樹脂としては種々あるが、特にシリコーン
樹脂とフッ素樹脂が好ましい。
【0016】非粘着性樹脂は多孔質な無機材料層内に含
浸されると共に無機材料層表面の凹凸に従ってごく薄い
柔軟な硬化皮膜を形成し、非粘着性能を発揮する。この
ように非粘着性膜は無機材料の凹凸、さらには微細な多
孔質層に沿って形成され、それらによりしっかりと保持
されるので、長期間剥離せず非粘着性を保つことができ
る。さらに非粘着性を向上させるために、シリコーン樹
脂のばあいはシリコーンオイルを配合して、海島状にシ
リコーンオイルを皮膜中に相溶させ、徐々に皮膜表面に
シリコーンオイルを浸出させるようにしてもよい。配合
するシリコーンオイルは10万〜500 万センチポイズの粘
度(25℃)をもつものが好ましい。粘度が低すぎると移
行性が大きくなり、短時間で消費されるうえ粘着物の粘
着性も悪化する。配合量はシリコーン樹脂の0.1 〜10重
量%が好ましく、少なくなると添加効果が不充分とな
り、多すぎるとシリコーン樹脂皮膜表面に多量に溜ま
り、それに接触する粘着物の粘着性が損われる。
【0017】フッ素樹脂を用いるばあいは、フッ素樹脂
が耐磨耗性および耐熱性に優れた硬化皮膜を形成するの
で、100 ℃を超える温度での使用に特に有効である。
【0018】つぎに本発明の非粘着性コーティング層の
形成法を説明する。
【0019】まず基材表面に前記無機材料層を形成す
る。基材は粘着テープ用ロールやスリット刃、フローテ
ィングノズル、カバー、その他粘着物用ホッパー、貯槽
など粘着物を取扱う設備の部品や部材であり、通常、軟
鉄、鋳鉄などの鉄系、SUS-304、SUS-316 などのステン
レス鋼系などの金属で作製されているが、無機材料層や
非粘着性樹脂層の加工温度で溶融、劣化しないものであ
れば特に制限されず、たとえばチタン、タンタルなどの
高耐食性金属、ハステロイ、カーペンター、インコネ
ル、他のNi- Cr鋼、アルミニウムまたはその合金な
どで作製されていてもよい。形状は特に制限されず、ピ
ンなどの部品、パネル、シートなどの板状、ロールなど
の円筒状、容器状などでもよい。
【0020】無機材料層の形成に先立ち、基材表面を高
温空焼きや溶剤洗浄により脱脂し、サンドブラスト法な
どにより表面の酸化膜を除去すると共に接着力を高める
ためにRmax が3〜100 μm程度に粗面化するのが好ま
しい。
【0021】無機材料層の形成法は前記の性質をもつ層
が形成できる方法であれば特に制限されないが、溶射法
が溶射材料の種類が広範囲で選定できる点、形成される
皮膜が多孔質となる点、さらに基材の種類、形状、寸法
に制限されない点などから好ましく採用できる。溶射の
方式は特に制限されず、アーク式、ガス式、プラズマ式
など適宜条件に合わせて選べばよいが、基材面と無機材
料層との接合強度、耐久性の信頼性、形成される粗面の
均一性などの点からプラズマ溶射法が好ましく、溶射材
料も粉末が好ましい。
【0022】無機材料としては、たとえば軟鉄、鋼鉄な
どの鉄系金属;SUS-304 、SUS-316などのステンレス
鋼;ニッケル系やコバルト系、モリブデン系の単体また
は合金;Ni- Cr系合金などの1種または2種以上が
用いられる。これらの金属にタングステンカーバイド、
酸化クロム、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、イッ
トリアなどのセラミックを混合してもよい。
【0023】溶射法で無機材料層を形成するばあい、前
記の材料は10〜150 μmの粒径の粉末で溶射する。粒径
が10μmよりも小さいときは形成される無機材料の表面
粗さ(Ra)が5μmよりも小さくなってしまい、一方
粒径が150 μmよりも大きいときはRaが30μmを超え
るため、いずれも好ましくない。また、セラミック粒子
を混合使用するばあいセラミック粒子は溶射で溶融しな
いため、粒径は50μm以下であるのが好ましい。50μm
を超える粒子は表面粗さ(Ra)を30μmよりも粗くす
るため、好ましくない。溶射法においてはNi- Cr系
自溶性合金が粒子が硬く耐摩耗性の点で優れているので
特に好ましい。また、タングステンカーバイドなどのセ
ラミック粉末を5〜50重量%含んでいるNi- Cr系自
溶性合金も好ましく使用できる。
【0024】かくして形成される無機材料層は層厚が10
〜300 μmで中心線表面粗さ(Ra)が5〜30μmでロ
ックウェル硬度(Rc)30以上のものであり、表面に多
数の微細な孔または穴をもつものである。
【0025】つぎにこの無機材料層に非粘着性樹脂の皮
膜を形成する。皮膜の形成法は樹脂の種類、状態、粘度
などによって種々の方法が採用されるが、溶液や分散液
のばあいはディップコーティング法、スプレー塗装法、
刷毛塗り法などが、粉体塗料のばあいは静電粉体塗装、
流動浸漬法などが適当である。
【0026】シリコーン樹脂のばあいは、塗料用シンナ
ーなどの希釈剤で適度に希釈し、通常のエアスプレーガ
ンなどで塗布含浸させて放置することにより、常温硬化
させればよい。シリコーンオイルを配合するばあいは単
に混合すればよい。シリコーン樹脂としてはたとえば純
シリコーン樹脂、エポキシ変性やアクリル変性などの変
性シリコーン樹脂があるが、特にゴム状硬化するシリコ
ーン樹脂が非粘着性の上で優れている。また、作業性か
らは常温硬化型のものが好ましい。。
【0027】フッ素樹脂を用いるばあい、水性分散液の
ときはエアスプレーガンで塗布し焼成(300 〜430 ℃)
すればよく、また粉体のばあいは静電粉体塗装後、焼成
することにより、フッ素樹脂の非粘着性皮膜が無機材料
層に形成される。フッ素樹脂としては、たとえばヘキサ
フルオロプロピレン- テトラフルオロエチレン共重合体
(FEP)、アルキルビニルエーテル- テトラフルオロ
エチレン共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、エチレン- テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン(PCTFE)、エチレン- クロロトリフルオロエチ
レン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVdF)などがあげられる。
【0028】非粘着性樹脂の皮膜の膜厚は適宜選定すれ
ばよいが、できるだけ無機材料層の表面粗さ(Ra)を
あまり低下させないようにする。通常、膜厚が1〜20μ
mになる量塗布含浸させるのが好ましい。
【0029】本発明の非粘着性コーティング層は粘着テ
ープの製造設備や使用設備のほか、粘着剤や接着剤、そ
の他粘接着性を有する材料を取り扱う設備、装置、部品
などのコーティングとして有用である。
【0030】
【実施例】つぎに本発明の非粘着性コーティング層を実
施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はかか
る実施例のみに限定されるものではない。
【0031】実施例1 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr自溶性合金をプラズマ溶射機にて膜厚100 μm程度
に溶射し、Rc:50でRa:14.2μmの無機材料層をえ
た。
【0032】ゴム状常温硬化型シリコーン樹脂をトルエ
ンにて2倍容量に希釈したものを無機材料層にエアスプ
レーガンにて塗装含浸し、48時間常温放置にて乾燥硬化
させ、非粘着性コーティングをえた。
【0033】実施例2 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr自溶性合金をプラズマ溶射機にて溶射し、実施例1
と同様の無機材料層(Rc:50、Ra:14.2μm)をえ
た。
【0034】ゴム状常温硬化型シリコーン樹脂に粘度20
0 万センチポイズ(25℃)のシリコーンオイルを樹脂固
形分100 重量部に対して2重量部添加混合し、トルエン
にて2倍容量に希釈した。無機材料層にこの樹脂混合物
をエアスプレーガンにて塗装含浸し、48時間常温放置に
て乾燥硬化させ、非粘着性コーティングをえた。
【0035】実施例3 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr自溶性合金をプラズマ溶射機にて溶射し、実施例1
と同様の無機材料層(Rc:50、Ra:14.2μm)をえ
た。
【0036】フッ素樹脂塗料(FEPディスパージョ
ン)をエアスプレーガンにて無機材料層に塗装含浸し、
380 ℃/2hrの条件で溶融焼き付けした。塗装含浸と溶
融焼き付けを2回くり返して、非粘着性コーティングを
えた。
【0037】実施例4 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr自溶性合金をプラズマ溶射機にて溶射し、実施例1
と同様の無機材料層(Rc:50、Ra:14.2μm)をえ
た。
【0038】フッ素樹脂塗料(PFAディスパージョ
ン)をエアスプレーガンにて無機材料層に塗装含浸し、
380 ℃/2hrの条件で溶融焼き付けした。塗装含浸と溶
融焼き付けを2回くり返して、非粘着性コーティングを
えた。
【0039】実施例5 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板に、平均
粒径5μmのタングステンカーバイト微粉末入りNi-
Cr自溶性合金をプラズマ溶射機にて膜厚100 μm程度
に溶射し、Rc:57でRa:10.3μmの無機材料層をえ
た。
【0040】ゴム状常温硬化型シリコーン樹脂をトルエ
ンにて2倍容量に希釈したものを無機材料層にエアスプ
レーガンにて塗装含浸し、48時間常温放置にて乾燥硬化
させ、非粘着性コーティングをえた。
【0041】比較例1 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )上に、硬質
クロムメッキを施こしバフ仕上げ(#2000)を行なった
もの(Rc:35)を準備した。
【0042】比較例2 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。
【0043】この上に、粘度200 万センチポイズ(25
℃)のシリコーンオイルをトルエンにて10倍容量に希釈
したものをエアスプレーガンにて塗装し、48時間常温放
置にて乾燥させ、非粘着性コーティングをえた。
【0044】比較例3 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。
【0045】この上に、ゴム状常温硬化型シリコーン樹
脂をトルエンにて2倍容量に希釈したものをエアスプレ
ーガンにて膜厚20μm程度に塗装し、48時間常温放置に
て乾燥硬化させ、非粘着性コーティングをえた。
【0046】比較例4 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )上に、膜厚
1.2mm のシリコーンゴムライニングを行なったものを準
備した。
【0047】比較例5 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にステン
レス合金をプラズマ溶射機にて膜厚100 μm程度に溶射
し、ロックウェル硬度RB :80(≒Rc:0)でRa:
3.7 μmの無機材料層をえた。
【0048】無機材料層に実施例2の樹脂混合物をエア
スプレーガンにて塗装含浸し、48時間常温放置にて乾燥
硬化させ、非粘着性コーティングをえた。
【0049】比較例6 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr合金ワイヤーをアーク溶射機にて膜厚150 μm程度
に溶射し、RB :90(≒Rc:10)でRa:54.6μmの
無機材料層をえた。
【0050】無機材料層に実施例2の樹脂混合物をエア
スプレーガンにて塗装含浸し、48時間常温放置にて乾燥
硬化させ、非粘着性コーティングをえた。
【0051】比較例7 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr合金をプラズマ溶射機にて膜厚100 μm程度に溶射
し、RB :90(≒Rc:10)でRa:13.4μmの無機材
料層をえた。
【0052】無機材料層に実施例2の樹脂混合物をエア
スプレーガンにて塗装含浸し、48時間常温放置にて乾燥
硬化させ、非粘着性コーティングをえた。
【0053】比較例8 軟鉄板(SS41)(t1.6mm ×50mm×100mm )を熱風循環
式ガス炉を使用して、420 ℃/2hrの条件で高温空焼き
によって脱脂した。その後、スチールグリッドでブラス
トを行ない、酸化皮膜を除去した。この軟鉄板にNi-
Cr自溶性合金をプラズマ溶射機にて膜厚100 μm程度
に溶射し、Rc:50でRa:14.2μmの無機材料層を形
成したものを準備した。
【0054】試験例 実施例1〜5および比較例1〜8でえたサンプルプレー
トを用い、非粘着性試験法によって初期非粘着性を測定
した。また、耐摩耗耐久性、耐熱耐久性および導電性を
評価した。
【0055】結果を表1に示す。なお、各性質の測定法
はつぎのとおりである。
【0056】(非粘着性試験)試験片のコーティング面
に長さ80mm、幅25mmの布粘着テープ((株)ニチバン
製)を圧着ロール(圧力2kgf /cm2 )で充分貼合わせ
たのち、コーティング面を下にし、布粘着テープの一端
に20gの重錘を吊し、布粘着テープが完全に剥れるのに
要する時間(秒)を調べる。評価はつぎの段階で行な
う。
【0057】A:2秒以内に剥離 B:2〜5秒間で剥離 C:5〜20秒間で剥離 D:20秒以上剥離しない。
【0058】なお、サンプルプレートをそのまま試験に
供してえられる値を初期非粘着性とする。
【0059】(耐摩耗耐久性)テーバー式摩耗試験(摩
耗輪:CS-17 、荷重:250 g、摩耗回数:5万回)を行
なったのち、非粘着性試験を行ない、初期非粘着性から
の非粘着性の低下を調べる。
【0060】(耐熱耐久性)200 ℃で10時間熱処理した
のち非粘着性試験を行ない、初期非粘着性からの非粘着
性の低下を調べる。
【0061】(導電性)体積抵抗を測定する。102 Ω未
満を導電性ありと、それ以上を導電性なしとする。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明によるときは、優れた非粘着性を
長期間メンテナンスフリーで維持できる非粘着性コーテ
ィング層を提供することができ、したがって粘着物を取
扱う設備の維持管理を容易にし、生産性を向上させ、さ
らに作業環境・安全性も改善できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心線表面粗さが5〜30μmでロックウ
    ェル硬度Rc:30以上の無機材料層に非粘着性樹脂の皮
    膜を形成してなる非粘着性コーティング層。
  2. 【請求項2】 無機材料層の層厚が10〜300 μmである
    請求項1記載の非粘着性コーティング層。
  3. 【請求項3】 無機材料が自溶性合金である請求項1ま
    たは2記載の非粘着性コーティング層。
  4. 【請求項4】 無機材料層中に粒径50μm以下のセラミ
    ック粒子が含まれている請求項1、2または3記載の非
    粘着性コーティング層。
  5. 【請求項5】 非粘着性樹脂がシリコーン系樹脂である
    請求項1記載の非粘着性コーティング層。
  6. 【請求項6】 シリコーン系樹脂が、粘度(25℃)が10
    万センチポイズ以上の高粘度シリコーンオイルを0.1 〜
    10重量%含んでいる請求項5記載の非粘着性コーティン
    グ層。
  7. 【請求項7】 非粘着性樹脂がフッ素樹脂である請求項
    1記載の非粘着性コーティング層。
  8. 【請求項8】 基材表面に、中心線表面粗さが5〜30μ
    mでロックウェル硬度Rc:30以上となるように無機材
    料層を形成し、この無機材料層にシリコーン樹脂を含浸
    硬化させることを特徴とする非粘着性コーティング層の
    形成法。
  9. 【請求項9】 基材表面に、中心線表面粗さが5〜30μ
    mでロックウェル硬度Rc:30以上となるように無機材
    料層を形成し、この無機材料層をフッ素樹脂で前記表面
    粗さを実質的に変更しない程度に被覆することを特徴と
    する非粘着性コーティング層の形成法。
JP3301692A 1992-02-20 1992-02-20 非粘着性コーティング層 Pending JPH05228423A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536310A (ja) 2006-05-09 2009-10-08 アイエムエイ ライフ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 凍結乾燥機の棚

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009536310A (ja) 2006-05-09 2009-10-08 アイエムエイ ライフ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 凍結乾燥機の棚

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