JPH05228133A - Ｘ線画像診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 関心領域における像表示を明確にでき、その
部分における診断を容易にする。 【構成】 Ｘ線画像を表示装置に表示するＸ線画像診断
装置において、前記表示装置に表示されたＸ線画像の全
画像領域よりも小さい面積の領域を指定する領域指定手
段と、この領域指定手段により指定された指定領域の各
画素の明度値の差を大きくするように階調を設定変更す
る階調変更手段と、この階調変更手段によって変更され
た階調に基づいて少なくとも前記指定領域内の各画素の
明度値を変更する明度値変更手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、Ｘ線画像診断装置に係
り、特に、Ｘ線画像を表示装置に表示するＸ線画像診断
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】Ｘ線画像診断装置は、一般的には、Ｘ線
画像を診断に適した状態で表示するために、階調変換手
段が備えられ、たとえば、具体的には、ＣＲＴモニタの
輝度特性の補正、ＣＲＴモニタの表示画像をフィルムに
移す場合に用いられるガンマ変更、コントラストを強調
する変換等を行うようになっている。

【０００３】そして、このような構成からなるＸ線画像
診断装置は、通常、映像領域全体の観察に対して最良の
映像を得るための階調を施すようにしたものである。

【０００４】このため、画像の全体像を観察する場合に
は、明るい部分と暗い部分との明度差は大きく像の輪郭
も明瞭なものとなっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、明るい
部分あるいは暗い部分を関心領域として局所的に注視し
たい場合が往々にしてある。

【０００６】従来では、その関心領域のみを取りだし、
その部分を拡大表示するような手段を用いて、該関心領
域における診断を便ならしめるようにしていた。

【０００７】しかし、明るい部分あるいは暗い部分にし
てもその領域における明度差は充分なものではなく、こ
のため像の輪郭が明瞭でなく像表示が明確でないという
問題点が残されていた。

【０００８】それ故、本発明は、このような事情に基づ
いてなされたものであり、その目的とするところのもの
は、関心領域における像表示を明確にでき、その部分に
おける診断を容易にできるＸ線画像診断装置を提供する
ことにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基本的には、Ｘ線画像を表示装置
に表示するＸ線画像診断装置において、前記表示装置に
表示されたＸ線画像の全画像領域よりも小さい面積の領
域を指定する領域指定手段と、この領域指定手段により
指定された指定領域の各画素の明度値の差を大きくする
ように階調を設定変更する階調変更手段と、この階調変
更手段によって変更された階調に基づいて少なくとも前
記指定領域内の各画素の明度値を変更する明度値変更手
段とを備えたことを特徴とするものである。

【００１０】

【作用】このように構成されたＸ線画像診断装置の表示
装置に表示されるＸ線画像において、明かるい部分と暗
い部分とが混在して表示されている場合、その明るい部
分と暗い部分との境界部等は明確に表示される。このこ
とから該Ｘ線画像全体は明確な像として鮮明表示される
ことになる。

【００１１】しかし、たとえば、明るい部分あるいは暗
い部分のいずれかを局所的に観察した場合、その部分に
おいてさらに暗い部分と明るい部分との明度差が小さい
ことから、それら明るい部分と暗い部分との境界部等が
明確に表示されていないことになり臓器等の鮮明表示に
欠けることになる。

【００１２】このため、本発明では、前記領域指定手段
により明確に観察したいと要望する局所部分を特定し、
前記階調変更手段により該局所部分の範囲内において暗
い部分と明るい部分との濃度差を大きくするように階調
を変更するようにしている。

【００１３】そして、この階調変更に基づき、前記明度
値変更手段により指定領域内の各画素の輝度値を変更す
るようにしている。

【００１４】したがって、このようにした場合、少なく
とも該指定領域である局所部分においては暗い部分と明
るい部分とが明瞭に表示されることから、臓器等の輪郭
等が明確になり、この局所部分における診断がやり易く
なる。

【００１５】

【実施例】まず、図１は、本発明によるＸ線画像診断装
置の一実施例を示す概略ブロック構成図である。

【００１６】同図において、テーブル１の被検体２の背
面側にＸ線管３が配置され、このＸ線管３からのＸ線が
被検体２を透過し、検出器４に照射されるようになって
いる。この検出器４はイメージインテンシファイア
（Ｉ．Ｉ．）から構成され、照射されたＸ線から光学像
を形成するようになっている。

【００１７】検出器４で形成された光学像はディストリ
ビュータ５を介してＴＶカメラ６に入射され、該光学像
情報は電気情報として出力されるようになっている。

【００１８】該電気情報はＡ／Ｄ変換器７によってディ
ジタル化され、画像メモリ８に格納されるようになって
いる。この画像メモリ８は、後述するモニタ１２の表示
面に対応して画像情報が格納されるようになっている。

【００１９】次に、画像メモリ８からの画像情報（各画
素に対応する情報）はヒストグラム形成回路９に入力さ
れるようになっている。ヒストグラムとは画像データデ
ィジタル値の出現頻度分布であり、たとえば、図２
（ａ）に示すような分布図が得られるようになる。そし
て、このヒストグラム形成回路９においては、頻度分布
を加味した画像データのディジタル値をも算出するよう
にしている。

【００２０】そして、前記ヒストグラム形成回路９で形
成したヒストグラムデータはルックアップテーブル
（Ａ）１０に出力され、このルックアップテーブル
（Ａ）１０では階調処理を行うための変換データがたと
えば図２（ｂ）に示すようなものとして形成されるよう
になっている。ここで、図２（ｂ）に示す変換データ
は、画像ディジタル値の最小値および最大値をモニタ輝
度最小値および最大値にそれぞれ対応させ、また、頻度
の高い部分のコントラストを向上させるために画像ディ
ジタル値の平均値を輝度の中央値に対応させたものとな
っている。

【００２１】そして、前記画像メモリ８からの各画素に
対応する情報をルックアップテーブル（Ａ）１０に入力
させ、前記変換データを介して、各画素の輝度信号をＤ
／Ａ変換器１１によってアナログ化し、このアナログ化
した映像信号をモニタ１２に出力させている。

【００２２】これにより、モニタ１２の表示面には、被
検体２のＸ線による撮影像が映像されることになるが、
この場合、該撮影像の一部を関心領域として明確に認識
したい場合が生じる。しかし、その関心領域がたとえば
暗い部分であった場合（明るい部分でも同様）、前記ル
ックアップテーブル（Ａ）１０における変換データによ
り、その部分の輝度差が大きなものとして設定されてい
ないことから、その部分の像の輪郭等が明瞭でないとい
うことがある。

【００２３】このような場合において、まず、操作卓１
３によって前記関心領域を設定することができるように
なっている。このような場合の設定としては、モニタ１
２の表示面上のカーソルを前記操作卓１３によって移動
し該関心領域の中央に位置付けるようにしてもよいし、
また、該カーソルで囲んだ領域を関心領域として設定し
てもよい。ここで、前者の場合は、カーソルを位置付け
た個所を中心にして縦横予め設定された長さで関心領域
が設定されるようになっている。

【００２４】そして、このように関心領域を設定した情
報に基づいて制御部１４は、前記画像メモリ８から該関
心領域対応するアドレスにおける画素情報を読出し、こ
の読みだされた画素情報はヒストグラム形成回路９に出
力されるようになっている。

【００２５】このヒストグラム形成回路９では、上述し
たように、関心領域における画素情報に基づいてヒスト
グラムが形成され、その一例としては図３（ａ）に示す
ように形成されるようになっている。この図における画
像データディジタル値は前述の図２（ａ）と比較して明
らかなように一方に大幅に偏っている。けだし、暗い部
分に関心領域を設定したからである。そして、ここで
も、頻度分布を加味した画像データディジタル値が算出
されるようになっている。

【００２６】そして、このようにして形成されるヒスト
グラムデータはルックアップテーブル（Ｂ）１５に入力
され、このルックアップテーブル（Ｂ）１５では、前記
ヒストグラムデータに基づいて階調を変更する変更デー
タを形成するようになっている。

【００２７】この変更データは、図３（ｂ）に示すよう
に、画像データディジタル値の最小および最大値をそれ
ぞれ輝度の最小および最大値に対応させ、しかも輝度の
最小および最大値は図２（ｂ）で示した場合と同様とし
ている。また、図２（ｂ）の場合と同様に頻度の高い部
分のコントラストを向上させるため、画像データディジ
タル値の平均値を輝度の中央値に対応させている。

【００２８】この変換データから明らかなように、画像
データディジタル値の最大値および最小値の差が小さく
ても、それぞれに対応させる輝度値の差を大きくとって
いることから、いままで認識されていなかった画像の輪
郭等が明瞭に認識できるようになる。

【００２９】そして、このルックアップテーブル（Ｂ）
１５における前記変換データを介して、前記画像メモリ
８の関心領域に対応する画素情報は輝度情報に変換さ
れ、Ａ／Ｄ変換器１１によりアナログ化されてモニタ１
２に出力されるようになっている。

【００３０】この場合における関心領域の映像は、周知
の方法を用いて、それ以外の領域とともに映像させるよ
うにしてもよいし、また関心領域の部分を拡大しその関
心領域のみを映像させるようにしてもよい。

【００３１】なお、上述した各ブロックの動作はそれぞ
れ制御部１４によって制御されるようになっており、該
制御部１４はＸ線制御装置１６およびＸ線発生用高電圧
装置１７を介して前記Ｘ線管３を駆動させるようになっ
ている。

【００３２】上述した実施例によるＸ線画像診断装置に
よれば、操作卓１３により、明確に観察したいと要望す
る局所部分を特定し、前記ルックアップテーブル（Ｂ）
１５により、該局所部分の範囲内において暗い部分と明
るい部分との明度差を大きくするように階調を変更する
ようにしているものである。

【００３３】そして、この階調変更に基づき、関心領域
内の各画素の輝度値を変更するようにしている。

【００３４】したがって、このようにした場合、少なく
とも該指定領域である局所部分においては暗い部分と明
るい部分とが明瞭に表示されることから、臓器等の輪郭
等が明確になり、この局所部分における診断がやり易く
なる。

【００３５】上述した実施例では、説明を判り易くする
ために、機能ブロックを用いたものであるが、これに限
定されずマイクロコンピュータを用いて同様の処理を行
うようにしてもよいことはいうまでもない。

【００３６】また、本発明は、他の実施例として、階調
変更後の関心領域の映像の際において、周知である辺縁
強調処理を行うようにしてもよいことはいうまでもな
い。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によるＸ線画像診断装置によれば、関心領域にお
ける像表示を明確にでき、その部分における診断を容易
にすることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるＸ線画像診断装置の一実施例を
示す概略ブロック構成図である。

【図２】 （ａ）は画像全体における画素情報に基づい
て形成したヒストグラムの一実施例を示すグラフ、
（ｂ）は該ヒストグラムに基づいて形成した階調変更デ
ータである。

【図３】 （ａ）は関心領域における画素情報に基づい
て形成したヒストグラムの一実施例を示すグラフ、
（ｂ）は該ヒストグラムに基づいて形成した階調変更デ
ータである。

【符号の説明】

９…ヒストグラム形成回路、１０…ルックアップテーブ
ル（Ａ）、１３…操作卓、１４…制御部、１５…ルック
アップテーブル（Ｂ）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ線画像を表示装置に表示するＸ線画像
   診断装置において、前記表示装置に表示されたＸ線画像
   の全画像領域よりも小さい面積の領域を指定する領域指
   定手段と、この領域指定手段により指定された指定領域
   の各画素の明度値の差を大きくするように階調を設定変
   更する階調変更手段と、この階調変更手段によって変更
   された階調に基づいて少なくとも前記指定領域内の各画
   素の明度値を変更する明度値変更手段とを備えたことを
   特徴とするＸ線画像診断装置。