JPH11290306A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JPH11290306A
JPH11290306A JP10112864A JP11286498A JPH11290306A JP H11290306 A JPH11290306 A JP H11290306A JP 10112864 A JP10112864 A JP 10112864A JP 11286498 A JP11286498 A JP 11286498A JP H11290306 A JPH11290306 A JP H11290306A
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JP
Japan
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ray
image
compensation filter
luminance
irradiating
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JP10112864A
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Inventor
Katsumi Suzuki
克己 鈴木
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線吸収率の低い領域から高い領域までを含
む撮像領域におけるX線像の画質を向上することが可能
なX線装置を提供すること。 【解決手段】 X線を発生し被検体に照射するX線照射
手段と,該X線照射手段の前面に配置され前記被検体へ
照射するX線の強度分布を制御するX線補償フィルタ
と,前記被検体のX線像を撮像する撮像手段とを有する
X線装置において、前記撮像手段で撮像したX線像のコ
ントラスト幅に応じて、前記X線補償フィルタの挿入領
域を決定するしきい値設定手段を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線装置に関し、
特に、X線透視によって得られるX線像(以下、「X線
透視像」と記す。)に基づいて、X線補償フィルタの挿
入位置と挿入後のX線出力とを自動的に決定するX線装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のX線装置としては、たとえば、特
開平5−253213号公報(以下、文献1」と記す)
に記載のX線画像診断装置があった。このX線画像診断
装置は、X線像を撮像するテレビカメラから出力される
透視画像を透視画像データとして格納する透視画像記憶
装置と,該透視画像記憶装置から読み出した透視画像デ
ータの内で、ハレーションを起こしている領域を特定す
る挿入領域算出手段と,このハレーション領域の形状お
よび位置情報に基づいて、該当する領域にX線の強度分
布を低減するX線補償フィルタを挿入するフィルタ制御
手段とから構成されていた。
【0003】このX線画像診断装置で透視を行う場合に
は、透視によって得られた透視開始直後の透視画像デー
タから、まず、挿入領域算出手段がハレーションを起こ
している領域すなわちX線吸収率が低い領域を特定して
いた。次に、フィルタ制御手段がこの領域情報に基づい
て、該当する領域にX線補償フィルタを挿入し被検体に
入射するX線の強度分布を変化させることによって、X
線像を光学像に変換するX線I.I.に入射するX線量
の範囲を制限し出力される光学像のコントラスト幅を、
光学像を電気信号に変換するテレビカメラのダイナミッ
クレンジ幅よりも小さくすることによってハレーション
を防止していた。
【0004】一方、この従来のX線画像診断装置では、
X線発生手段から被検体に照射するX線量は、X線I.
I.の出力光の一部をフォトマル等でモニタし、その出
力光が予め設定されたレベル以下となるように、X線管
電圧およびX線管電流等のX線条件を再設定しその条件
でX線を照射する、いわゆる、フィードバック制御を行
うことによって、関心領域(ROI)と呼ばれる検者が
透視対象とする領域に対するX線照射条件を最適化して
いた。
【0005】このように、従来のX線画像診断装置で
は、X線補償フィルタ挿入直後の透視画像データに対し
て、ハレーションを防止すると共に関心領域内に対する
X線の照射条件を最適化した透視を行っていた。
【0006】このとき、撮像されたX線像すなわち透視
画像データの内で、X線補償フィルタが挿入されていな
いものは、透視画像データをビデオ信号に変換し表示装
置に表示していた。一方、X線補償フィルタが挿入され
た透視画像データに対しては、まず、フィルタ制御手段
からのX線補償フィルタの挿入位置情報に基づいて、X
線補償フィルタの透視画像データ上におけるX線補償フ
ィルタ位置を算出する。次に、透視画像データの内で、
X線補償フィルタ位置のデータに対して減弱分の補正を
行うことによって、X線補償フィルタが挿入されていな
い場合の透視画像データを作成し、この透視画像データ
をビデオ信号に変換し表示装置に表示していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。従来
のX線装置では、たとえば、心臓等の比較的小さい臓器
のX線透視を行う場合に、その関心領域内におけるX線
の照射条件を最適化するために、X線I.I.から出力
される光学像の内で、検者が最も関心を祓う中心領域に
フォトマルの視野角を制限するのが一般的であった。
【0008】このために、たとえば、胸部等のようにX
線吸収率の高い領域(左右の胸腔の間にある縦隔部分)
から低い領域(肺野部分)までを含んでいる領域の内
で、特に縦隔のようにその領域が狭い領域等の透視を行
う時に、従来のX線画像診断装置では、図8に示すよう
に、縦隔が画像の中心部分すなわちフォトマルの検出視
野からずれている場合には、X線吸収率の低い肺野を含
む領域(図中aで示す)におけるX線量がハレーション
を起こさないようにX線条件が設定されてしまうので、
関心領域(図中hで示す)である縦隔部分の輝度が十分
に得られず、その結果、関心領域のS/Nが低下しX線
像の画質が低下してしまうという問題があった。この結
果、検者の診断に支障をきたし、診断効率が低下してし
まうという問題があった。
【0009】本発明の目的は、X線吸収率の低い領域か
ら高い領域までを含む撮像領域におけるX線像の画質を
向上することが可能なX線装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、検者の診断効率を向上することが
可能な技術を提供することにある。本発明の前記ならび
にその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添
付図面によって明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0011】(1)X線を発生し被検体に照射するX線
照射手段と,該X線照射手段の前面に配置され前記被検
体へ照射するX線の強度分布を制御するX線補償フィル
タと,前記被検体のX線像を撮像する撮像手段とを有す
るX線装置において、前記撮像手段で撮像したX線像の
コントラスト幅に応じて、前記X線補償フィルタの挿入
領域を決定するしきい値設定手段を具備する。
【0012】(2)X線を発生し被検体に照射するX線
照射手段と,該X線照射手段の前面に配置され前記被検
体へ照射するX線の強度分布を制御するX線補償フィル
タと,前記被検体のX線像を撮像する撮像手段とを有す
るX線装置において、前記X線補償フィルタを挿入した
後に撮像したX線像に基づいて、該X線像の輝度分布が
最も高くなるように前記X線照射手段の出力条件を再設
定する出力条件再設定手段を具備する。
【0013】(3)X線を発生し被検体に照射するX線
照射手段と,該X線照射手段の前面に配置され前記被検
体へ照射するX線の強度分布を制御するX線補償フィル
タと,前記被検体のX線像を撮像する撮像手段とを有す
るX線装置において、前記撮像手段で撮像したX線像の
コントラスト幅に応じて前記X線補償フィルタの挿入領
域を決定するしきい値設定手段と,前記X線補償フィル
タを挿入した後に撮像したX線像に基づいて、該X線像
の輝度分布が最も高くなるように前記X線照射手段の出
力条件を再設定する出力条件再設定手段とを具備する。
【0014】(4)前述した(1)もしくは(3)に記
載のX線装置において、前記しきい値設定手段は、直前
に撮像したX線像のコントラスト幅に対する予め設定し
た値に基づいて、挿入位置を決定する。
【0015】(5)前述した(1)もしくは(3)ある
いは(4)に記載のX線装置において、前記しきい値設
定手段は、直前に撮像したX線像のコントラスト幅と前
記撮像手段のダイナミックレンジ幅とに応じて、前記X
線補償フィルタの挿入の可否を決定する。
【0016】(6)前述した(2)ないし(5)の内の
いずれかに記載のX線装置において、前記出力条件再設
定手段は、前記X線照射手段の管電流を制御する手段を
具備する。
【0017】(7)前述した(2)ないし(5)の内の
いずれかに記載のX線装置において、前記出力条件再設
定手段は、前記X線照射手段の管電流および管電圧を制
御する手段を具備する。
【0018】前述した(1),(4)および(5)の手
段によれば、しきい値設定手段が撮像手段で撮像したX
線像のコントラスト幅に応じてX線補償フィルタの挿入
領域を決定することによって、透視画像のコントラスト
分布に依存することなく透視画像のコントラスト幅を抑
えることが可能となるので、たとえば、X線イメージイ
ンテンシファイアとテレビカメラとからなる比較的ダイ
ナミックレンジ幅の狭い撮像系を用いた場合であって
も、フォトマル等をX線の検出手段に用いた従来のフィ
ードバック制御によって、十分に透視画像全体のコント
ラスト分布を高輝度側に移動させることができる。すな
わち、S/Nが低下してしまう低輝度側の成分を高輝度
側に移動させることができるので、透視画像の画質を向
上するとができる。
【0019】したがって、医師等の検者の診断効率を向
上することができる。
【0020】このとき、X線像のコントラスト幅と撮像
系のダイナミックレンジ幅とに応じてX線補償フィルタ
の可否を判断することによって、たとえば、撮像系のダ
イナミックレンジ幅に対して、X線像のコントラスト幅
が十分に狭い場合には、X線補償フィルタを挿入しなく
とも従来のフィードバック制御によって、十分に透視画
像全体のコントラスト分布を高輝度側に移動させること
ができるので、X線補償フィルタの挿入に伴う撮像時間
を短縮することができる。したがって、医師等の検者の
診断効率をさらに向上することができる。
【0021】前述した(2),(6)および(7)の手
段によれば、出力条件再設定手段がX線補償フィルタを
挿入した後に撮像したX線像に基づいて、該X線像の輝
度分布が最も高くなるようにX線照射手段の出力条件を
再設定することによって、X線照射手段から被検体に照
射するX線量を増加させることが可能となるので、X線
補償フィルタの挿入によって生じる高輝度領域における
輝度の低下分を、計測画像全体のコントラスト分布の向
上に寄与させることができる。すなわち、X線透過率が
大きく透視画像上で暗くなる領域の輝度値を大きくする
ことができるので、たとえば、X線イメージインテンシ
ファイアとテレビカメラとからなる比較的ダイナミック
レンジ幅の狭い撮像系を用いた場合であっても、S/N
が低下してしまう低輝度側の成分を高輝度側に移動させ
ることができるので、透視画像の画質を向上するとがで
きる。したがって、医師等の検者の診断効率を向上する
ことができる。
【0022】このときのX線照射手段を制御するための
パラメータとしては、管電流のみを制御する、あるい
は、管電圧と管電流とを共に制御する方法が考えられる
が、管電圧を変化させた場合にはX線照射手段から出力
されるX線のエネルギー分布も変化してしまうので、可
能な限り管電流の制御によって照射するX線量を制御し
たほうがよい。
【0023】前述した(3)の手段によれば、しきい値
設定手段が撮像手段で撮像したX線像のコントラスト幅
に応じてX線補償フィルタの挿入領域を決定することに
よって、透視画像のコントラスト分布に依存することな
く透視画像のコントラスト幅を抑えることが可能となる
と共に、出力条件再設定手段がX線補償フィルタを挿入
した後に撮像したX線像に基づいて、該X線像の輝度分
布が最も高くなるようにX線照射手段の出力条件を再設
定することによって、X線照射手段から被検体に照射す
るX線量を増加させることが可能となるので、X線補償
フィルタの挿入によって生じるコントラスト分布幅の低
下分を、計測画像全体のコントラスト分布の向上に効率
良く寄与させることができる。すなわち、X線透過率が
大きく透視画像上で暗くなる領域の輝度値を大きくする
ことができるので、たとえば、X線イメージインテンシ
ファイアとテレビカメラとからなる比較的ダイナミック
レンジ幅の狭い撮像系を用いた場合であっても、S/N
が低下してしまう低輝度側の成分を高輝度側に移動させ
ることができるので、透視画像の画質を向上するとがで
きる。
【0024】したがって、医師等の検者の診断効率を向
上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0026】図1は本発明の一実施の形態のX線装置の
概略構成を説明するためのブロック図であり、1は被検
体,2は寝台,3はX線発生手段,4はX線補償フィル
タ,5はX線イメージインテンシファイア(以下、「X
線I.I.」と記す),6は光学絞り,7はテレビカメ
ラ,8は画像表示処理手段,9は表示手段,10は透視
画像記憶手段,11は挿入位置算出手段,12はフィル
タ制御手段,13はしきい値設定手段,14はX線条件
設定手段(出力条件再設定手段),15はフォトマル,
16はX線制御手段,17は高圧発生手段,18は入力
操作手段,19は中央処理手段を示す。ただし、前述す
る各手段および装置の内で、しきい値設定手段13およ
びX線条件設定手段14を除く各手段および装置は周知
のものを用いる。また、本実施の形態においては、X線
I.I.5、光学絞り6およびテレビカメラ7とからな
る撮像手段を用いる。
【0027】図1に示すように、本実施の形態のX線装
置は、寝台2に横臥位で設定される被検体1を挟んでX
線発生手段3とX線I.I.5とが対向して配置され
る。このとき、X線発生手段3の前面すなわちX線の照
射面側にはX線補償フィルタ4が配置されており、被検
体1に照射するX線の分布強度を変化する。
【0028】被検体1を透過したX線(X線像)は、X
線I.I.5で光学像に変換された後に、光学絞り6に
よって所定の光量に絞られテレビカメラ7で電気信号に
変換される。このとき、光学絞り6に内蔵されるハーフ
ミラー6aによって、光学像の一部をフォトマル15で
検出し、その検出値に基づいてX線制御手段16が高電
圧発生手段17を制御して、被検体1に照射するX線量
を制御している。ただし、本実施の形態のX線装置で
は、X線制御手段16は、しきい値設定手段13および
X線条件設定手段14からの制御出力によっても、X線
量を制御する。なお、X線条件設定手段14の詳細につ
いては、後述する。
【0029】テレビカメラ7で電気信号に変換されたX
線像は、画像表示処理手段8で、たとえば、階調変換,
周波数強調処理,等の周知の画像処理の後にビデオ信号
に変換され、表示手段にリアルタイムで表示される。こ
のとき、テレビカメラ7で電気信号に変換されたX線像
は、透視画像記憶手段10に出力されて透視画像データ
として記憶(格納)される。
【0030】しきい値設定手段13は、透視画像記憶手
段10に記憶された透視画像データを読み出し、まず、
そのデータ内のコントラスト分布から画像中の最も暗い
部分の輝度Lminと最も明るい部分の輝度Lmaxとを特定
する。次に、しきい値設定手段13は、輝度LmaxとL
minとの差すなわち透視画像のコントラスト幅と、テレ
ビカメラ7のダイナミックレンジ幅との差を計算し、こ
の差が後述する手順によって計算したしきい値Lt以内
である場合には、後述する手順に従って、X線補償フィ
ルタ4を挿入する場合のしきい値Ltを設定し、挿入位
置算出手段11に出力する。
【0031】挿入位置算出手段11では、入力されたし
きい値Ltを境界値として、透視画像記憶手段10から
読み込んだ透視画像データの内で、このしきい値Lt
りも大きい領域を特定した後、X線補償フィルタ4を挿
入するための座標位置を決定し、その座標値をフィルタ
制御手段12に出力する。
【0032】フィルタ制御手段12では、入力された座
標値に基づいて、図示しない周知の移動機構を制御し
て、X線補償フィルタ4を移動させる。
【0033】このとき、X線条件設定手段14は、前述
する手順によって撮像されたX線補償フィルタ4の挿入
後の透視画像データに基づいて、まず、コントラスト分
布を作成する。次に、X線条件設定手段14は、最も明
るい部分の輝度Lmax’とハレーションとなる画像輝度
値Lhalとから後述する手順によって新たなX線条件を
計算し、X線制御手段16に出力する。
【0034】また、中央処理手段19は、入力操作手段
18から検者が入力した撮像位置や被検体1に関する情
報等に基づく制御情報の各手段への出力,並びに、各手
段の動作タイミング等の制御を行う。
【0035】以降の撮影においては、X線制御手段16
はこの新たなX線条件にしたがってX線透視を行う。
【0036】図2は、本実施の形態のX線補償フィルタ
の概略構成を説明するための図であり、この図2から明
らかなように、本実施の形態のX線補償フィルタは、そ
れぞれ対向して配置される2枚ずつの羽根状の周知の濃
度補償フィルタ201と202並びに203と204か
らなる。また、本実施の形態のX線補償フィルタ4は、
各濃度補償フィルタ201〜204をそれぞれ独立して
図2中のX軸方向およびY軸方向並びにX線の照射中心
を回転中心とする回転方向に移動させるたとえばモータ
を動力とする周知の移動機構と、該移動量もしくはその
位置を検出するポテンショメータとからなる。
【0037】したがって、本実施の形態のX線補償フィ
ルタ4では、たとえば、X線発生手段3,X線補償フィ
ルタ4,X線I.I.5,光学絞り6およびテレビカメ
ラ7とからなる撮像系の視野206の内でX線補償フィ
ルタが必要な視野範囲205(挿入位置算出手段11で
指示される範囲)を、4枚の濃度補償フィルタ201〜
204の挿入位置を可変し覆うことによって、被検体1
に照射するX線の強度分布を変化させる。
【0038】次に、図3にX線補償フィルタの挿入前の
透視画像データのコントラスト分布図を、図4にしきい
値設定手段におけるX線補償フィルタの挿入位置の決定
手順を説明するための透視画像データのコントラスト分
布図を示し、以下、図3,4に基づいて、本実施の形態
のX線装置におけるしきい値設定手段の動作を説明す
る。
【0039】しきい値設定手段13は、周知の情報処理
装置上で動作するプログラムによって実現可能であり、
まず、透視画像記憶手段10から読み出した透視画像デ
ータから図3に示すようにコントラスト分布301を作
成する。次に、しきい値設定手段13は、このコントラ
スト分布301から当該透視画像データにおける最も暗
い部分の輝度Lminと最も明るい部分の輝度Lmaxとを特
定する。次に、しきい値設定手段13は、図4に示すよ
うに、撮像系のダイナミックレンジ幅D(輝度Lfull
輝度Loとの差)と、透視画像のコントラスト幅L(最
も明るい部分の輝度Lmaxと最も暗い部分の輝度Lmin
の差)とを比較する。このとき、その差が、検査対象部
位,測定時の被検体の体位および被検体の厚さ等によっ
て、予め計測した値に基づいて設定されるテーブルから
選択された値あるいは検者が入力操作手段18から予め
設定した値以上の場合(すなわち、計測された透視画像
のコントラスト幅Lが大きいと判断される場合)には、
後述の手順によって、X線補償フィルタの挿入を行うと
共に、X線条件の再設定を行う。一方、撮像系のダイナ
ミックレンジ幅Dと,透視画像のコントラスト幅Lとの
差が、予め設定された値以下の場合(すなわち、透視画
像のコントラスト幅Lが比較的小さいと判断される場
合)には、従来のX線装置と同様に、フォトマル15の
計測値に基づいたフィードバック制御を行う。
【0040】次に、図4に基づいて、本実施の形態のX
線補償フィルタの挿入位置の決定手順を説明する。
【0041】まず、しきい値設定手段13が、透視画像
のコントラスト幅Lから下記の数1に基づいて、X線補
償フィルタによるX線の減弱が必要な輝度値であるしき
い値Ltを計算し、そのしきい値Ltを挿入位置算出手段
11に出力する。
【0042】L =Lmax−Lmin ・・・ 1 h =L×(x/100) ・・・ 2 Lt=Lmax−h ・・・ 3 ただし、xは検査対象部位,測定時の被検体の体位およ
び被検体の厚さ等によって、予め計測した値に基づいて
設定したテーブルから該当する値を選択するか、あるい
は、検者が入力操作手段18から設定した値である。
【0043】次に、挿入位置算出手段11が、透視画像
記憶手段10から読み込んだ透視画像データの各計測点
(各ピクセル)の輝度値と、しきい値設定手段13から
出力されたしきい値Ltとを比較し、このしきい値Lt
りも輝度値が大きいピクセルの画像上の位置を特定す
る。次に、挿入位置算出手段11は、しきい値Ltより
も輝度値が大きいピクセルの画像上の位置(図2中の視
野205と視野206とで囲まれる範囲)を覆うための
各補償フィルタ201〜204の位置を計算し、その位
置情報をフィルタ制御手段12に出力する。また、この
ときの各補償フィルタ201〜204の位置情報は、X
線装置全体の動作を制御する中央処理手段19にも出力
され、次に撮像時にその透視画像データと共に透視画像
記憶手段10に記憶される。なお、補償フィルタ201
〜204の挿入位置の計算手順は、従来の手順と同様と
なるので、その説明は省略する。
【0044】次に、フィルタ制御手段12が、挿入位置
算出手段11から出力された位置情報に基づいて、X線
補償フィルタ4の図示しない移動機構を制御して各補償
フィルタ201〜204を指示された位置に移動させる
ことにより、X線補償フィルタ4の設定が完了する。
【0045】次に、図5にX線補償フィルタ挿入後に撮
像した透視画像データのコントラスト分布図を、図6に
X線条件再設定後に撮像した透視画像データのコントラ
スト分布図を示し、以下、図5,6に基づいて、本実施
の形態のX線条件設定手段の動作を説明する。
【0046】図5に示すように、X線補償フィルタ4を
挿入することによって、しきい値Lt以上の輝度値は、
点線で示す従来の輝度値よりも小さいコントラスト分布
501となる。このときのコントラスト分布501の輝
度値の内で、特に最も明るい画素における輝度値はL
max’となり、従来の輝度値Lmaxよりも小さくすること
ができる。したがって、本実施の形態のX線条件設定手
段14では、このX線補償フィルタ4を挿入した状態に
おいて、再度、X線の出力条件すなわちX線条件を最適
化することによって、被検体1を透過して撮像系で撮像
されるX線像のコントラスト分布を高輝度側に移動さ
せ、低輝度部分における画像のS/Nを改善し画質の向
上させる。
【0047】まず、X線条件設定手段14は、前述する
手順でX線補償フィルタ4を挿入した後に撮像した透視
画像データを透視画像記憶手段10から読み出し、この
透視画像のコントラスト分布501を計算する。次に、
X線条件設定手段14は、このコントラスト分布501
における最も明るい部分の輝度値Lmax’を特定する。
次に、X線条件設定手段14は、図示しない記憶手段に
格納される当該X線装置の撮像系でハレーションを起こ
す輝度値Lhalと、前述の輝度値Lmax’とから下記の手
順に従って、X線補償フィルタ4の挿入後のX線条件を
求め、X線制御手段16に出力する。
【0048】X線条件設定手段14は、まず、下記の式
2に基づいて、X線補償フィルタ4を挿入して撮像した
透視画像データの最も明るい輝度値Lmax’とハレーシ
ョンを起こす輝度値Lhalとの比αを求め、この比αと
図5に示すX線補償フィルタ4を挿入した時の管電流値
Iとから、最適化した管電流値I’を計算する。
【0049】α =Lhal/Lmax’ ・・・ 4 I’=α×I ・・・ 5 X線条件設定手段14は、次に、この管電流値I’が高
電圧発生手段3において設定可能であるかを判定し、設
定可能な管電流値の場合には、この管電流値I’をX線
制御手段16に出力する。X線制御手段16は、新たに
設定された管電流値I’と先の管電圧値Vとに基づい
て、高電圧発生手段17を制御して、以降、この条件に
基づいてX線透視を行うことによって、図6に示すよう
に、透視画像データのスペクトル分布を全体的に高輝度
側に移動させることができるので、低輝度部分の輝度も
高輝度側に移動し、低輝度部分のS/Nを向上すること
ができる。したがって、X線透視画像の画質を向上する
ことができる。
【0050】一方、X線条件設定手段14が、式2によ
って求められた管電流値I’が高電圧発生手段17の管
電流値の上限値すなわち設定可能な最大管電流値Imax
以上(I’>Imax)であると判断した場合には、X線
条件設定手段14は、たとえば、管電流値I’として最
大管電流値ImaxをX線制御手段16に出力する。ただ
し、この場合には、X線条件が最適値とはならないの
で、X線電流値と共にX線管電圧値Vを変更することに
よってX線条件を変更する。
【0051】次に、この場合におけるX線管電圧Vの決
定手順を説明する。X線設定手段14は、まず、下記の
式3に基づいて、X線発生手段3からのX線出力量Eが
一定となるように、変更後のX線管電圧V’を決定す
る。
【0052】E=kVnIt ・・・ 6 ただし、VはX線管電圧(kV),Iは管電流(m
A),kは定数,tはX線照射時間(s),nは管電圧
にかかるべき定数(2≦n≦5)であり、詳細について
は、「日本放射線技師会偏、“改訂増補版診療放射線デ
ータブック”、マグブロス出版、第32頁」を参照され
たい。
【0053】式2によって求められた管電流値I’を設
定した時のX線出力量Eは下記の式4となり、一方、最
大管電流量Imaxとこの管電流量に対応する管電圧値
V’とを設定した場合のX線出力量Eは下記の式5とな
る。
【0054】E=kVnI’t ・・・ 7
【0055】E==kVn’Imaxt ・・・ 8 ここで、式4と式5とが等しいとして管電圧値を求める
と、下記の式6となる。
【0056】V’=(E/kImaxt)1 /n ・・・ 9 よって、X線条件設定手段14は、このようにして求め
た最大管電流値Imaxと管電圧値V’とをX線制御手段
16に出力する。X線制御手段16は、新たに設定され
た管電流値Imaxと管電圧値V’とに基づいて、高電圧
発生手段17を制御して、以降、この条件に基づいてX
線透視を行うことによって、図6に示すように、透視画
像データのスペクトル分布を全体的に高輝度側に移動さ
せることができるので、管電流値I’を設定した場合と
同様に、低輝度部分の輝度も高輝度側に移動し、低輝度
部分のS/Nを向上することができる。したがって、X
線透視画像の画質を向上することができる。
【0057】図7はテレビカメラのS/N特性を説明す
るための図であり、横軸はテレビカメラ7の入射光量を
8bitでA/D変換した値であり、縦軸はS/N比を
示す。
【0058】図7から明らかなように、入射光量が低下
するとテレビカメラ7のS/N比も大きく低下してしま
う。このために、たとえば、本願発明によって画像のコ
ントラスト分布を50程度高輝度側に移動させることが
できた場合には、その画像の最も暗い個所の画像輝度値
が50程度の部分が、100程度に改善されるので、そ
の部分のS/N比は9(9dB)から30(30dB)
に改善することができ、透視画像の画質を大きく向上す
ることが可能となる。
【0059】以上説明したように、本実施の形態のX線
装置では、撮像系における従来のフィードバック制御に
加えて、しきい値設定手段13が撮像系のダイナミック
レンジと計測画像のコントラスト幅とを比較し、その差
が予め設定した値よりも小さい場合には、しきい値設定
手段13は、式1に基づいて、計測画像におけるX線補
償フィルタを挿入するための挿入条件を演算し、その演
算結果に基づいて、挿入位置算出手段11がX線補償フ
ィルタ4の挿入位置を決定しX線補償フィルタ4を挿入
するので、計測画像に応じた最適な強度分布のX線照射
ができる。
【0060】このとき、X線条件設定手段14が、従来
のフィードバック制御に代わって、式2〜式6に示す条
件にしたがって、計測画像のコントラスト分布に応じた
X線条件を再設定しX線透視を行うので、低輝度部分の
輝度を向上することができる。したがって、計測画像の
S/Nを向上することができ、画質を向上することがで
きる。したがって、医師等の検者の診断効率を向上する
ことができる。
【0061】なお、本願発明は、X線透視撮影装置等の
医療用のX線装置において、特に、その効果を得ること
ができる。
【0062】また、本実施の形態においては、X線条件
の設定に、フォトマルを用いた従来のフィードバック制
御と,計測された透視画像のコントラスト分布に基づい
て算出したX線条件(本願発明によるX線条件)とを用
いる構成としたが、これに限定されることはなく、本願
発明によるX線条件にのみでフィードバック制御を行う
構成としてもよいことは言うまでもない。ただし、従来
のフィードバック制御を併用することによって、X線条
件の算出を高速に行うことができるので、単位時間当た
りの透視画像の撮像枚数を増やすことができることは言
うまでもない。
【0063】さらには、本実施の形態においては、透視
画像を撮像しリアルタイムに表示出力部9に表示するい
わゆるX線透視を行う場合について説明したが、これに
限定されることはなく、撮像したX線像を図示しない格
納手段に格納するいわゆるX線撮影においても適用可能
なことは言うまでもない。
【0064】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)X線吸収率の低い領域から高い領域までを含む撮
像領域におけるX線像の画質を向上することができる。 (2)検者の診断効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のX線装置の概略構成を
説明するためのブロック図である。
【図2】本実施の形態のX線補償フィルタの概略構成を
説明するための図である。
【図3】X線補償フィルタの挿入前の透視画像データの
コントラスト分布図である。
【図4】しきい値設定手段におけるX線補償フィルタの
挿入位置の決定手順を説明するための透視画像データの
コントラスト分布図である。
【図5】X線補償フィルタ挿入後に撮像した透視画像デ
ータのコントラスト分布図である。
【図6】X線条件再設定後に撮像した透視画像データの
コントラスト分布図である。
【図7】テレビカメラのS/N特性を説明するための図
である。
【図8】従来のX線装置におけるX線量のフィードバッ
ク制御を説明するための図である。
【符号の説明】
1 被検体 2 寝台 3 X線発生手段 4 X線補償フィルタ 5 X線イメージインテンシファイア 6 光学絞り 7 テレビカメラ 8 画像表示処理手段 9 表示手段 10 透視画像記憶手段 11 挿入位置算出手段 12 フィルタ制御手段 13 しきい値設定手段 14 X線条件設定手段 15 フォトマル 16 X線制御手段 17 高圧発生手段 18 入力操作手段 19 中央処理手段 201〜204 濃度補償フィルタ 301,401,501,601,602 コントラス
ト分布

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生し被検体に照射するX線照射
    手段と,該X線照射手段の前面に配置され前記被検体へ
    照射するX線の強度分布を制御するX線補償フィルタ
    と,前記被検体のX線像を撮像する撮像手段とを有する
    X線装置において、 前記撮像手段で撮像したX線像のコントラスト幅に応じ
    て、前記X線補償フィルタの挿入領域を決定するしきい
    値設定手段を具備することを特徴とするX線装置。
JP10112864A 1998-04-09 1998-04-09 X線装置 Pending JPH11290306A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002532837A (ja) * 1998-12-08 2002-10-02 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 対象物の吸収率に依存した輝度制御を含むx線検査装置
JP2009100808A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Toshiba Corp X線診断装置
JP2010253051A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Toshiba Corp X線診断装置

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