JP3471083B2 - ディジタルｘ線装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、Ｘ線透過像を光学像に
変換するイメージインテンシファイア（I.I.）の出力像
をＴＶカメラで撮像し、その出力ビデオ信号をディジタ
ル化して画像処理を施した後、アナログ化し画像として
モニタに表示するディジタルＸ線装置(ＤＲ装置)に係
り、特に、消化管検査画像を表示するとき、１画像毎に
明るさやコントラストを最適化可能のディジタルＸ線装
置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来のこの種のディジタルＸ線装置で
は、ヒストグラム等化法、又は特願平６−４４３７号記
載の手法を用いて１画像毎の画質の最適化を行ってい
た。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、二
重造影部に対する画質向上に留意しているが、バリウム
が貯留した部分については配慮が足りなかった。すなわ
ち、撮影像における診断情報は二重造影部に最も多く含
まれている。しかしバリウムの貯留は、胃内部をバリウ
ムで満たして撮影した充盈像では当然であるが、二重造
影像においても頻繁に発生する。このとき、ＤＲ画像の
目標とするＸ線フィルム画像ではバリウム部が一様な階
調で表示されるが、ＤＲ画像ではバリウム部に階調がつ
き、画質不良の原因となる。 【０００４】図３（ａ）中の曲線イは、前記ヒストグラ
ム等化法等の従来手法により得られた、画像毎に最適化
されたときの表示階調変換曲線の一例で、このように従
来手法では、バリウム濃度領域（バリウム部）３１に階
調がついてしまい、一様な階調で表示されないという問
題点があった。 【０００５】本発明の目的は、バリウム部については表
示階調を一様化することができ、全体としては画像毎に
適切な表示階調とすることができるディジタルＸ線装置
を提供することにある。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上記目的は、Ｘ線を発生
するＸ線源と、このＸ線源からのＸ線が照射されること
により得られるＸ線透過像をディジタルの電気信号に変
換する変換手段と、この変換手段からの光学像を撮像し
てビデオ信号に変換するＴＶカメラと、このＴＶカメラ
からのビデオ信号をディジタル信号に変換するＡ／Ｄ変
換器と、このＡ／Ｄ変換器からのディジタル信号を処理
する画像処理回路と、この画像処理回路の出力画像デー
タを記録する画像メモリと、この画像メモリに記録した
画像データの表示階調を変換する表示階調変換器と、こ
の表示階調変換器の出力データを画像に変換し、この変
換した画像を表示するモニタとを備えてなるディジタル
Ｘ線装置において、 前記画像データのバリウム濃度領
域を示す範囲を指定するバリウム濃度領域指定手段と、
該表示階調変換データの最大コントラスト閾値を指定す
る最大コントラスト閾値指定手段と、前記表示階調変換
器により画像毎に最適化された表示階調変換データに対
し、該濃度領域範囲内の表示階調変換データを前記最大
コントラスト閾値と比較し、前記最大コントラスト閾値
を超える表示階調変換データに対しては前記最大コント
ラスト閾値に置き換える演算手段とを設けることにより
達成される。上記変換手段は、例えばＸ線透過像を光学
像に変換するイメージインテンスファイアと、このイメ
ージインテンスファイアからの光学像を撮像してビデオ
信号に変換するＴＶカメラと、このＴＶカメラからのビ
デオ信号をディジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器とか
ら成る。 【０００７】 【作用】バリウム部表示階調変換手段は、ヒストグラム
等化法等によって画像毎に最適化された表示階調変換デ
ータに対し、バリウム部として指定された濃度領域範囲
内の表示階調変換データを所定の閾値と比較し、その閾
値を超える表示階調変換データに対してはその閾値を適
用してバリウム部の表示階調変換データとする。 【０００８】すなわち、バリウム部を一様な階調で表示
するためにはその部分の表示階調変換データのコントラ
ストを小さくすることが必要である。ＤＲ装置では、撮
影像の明るさを、被検体によらず一定に保つために撮影
条件を随時変更する機能が備えられているため、バリウ
ムの濃度はＤＲ装置毎にほぼ決まり、バリウム濃度領域
を特定化できる。 【０００９】そこで、表示階調変換データの最大コント
ラストに閾値を用意し、予め指定されたバリウム濃度領
域（バリウム部）に対してコントラストを前記閾値と比
較し、閾値を超えた表示階調変換データ対してはその閾
値を適用してバリウム部の表示階調変換データとするこ
とにしてコントラストを抑える。これにより、バリウム
部については表示階調を一様化することができ、全体と
しては画像毎に適切な表示階調とすることができる。 【００１０】ここで、図３（ｂ）中の曲線ロは、バリウ
ム濃度領域（バリウム部）３１を一様に表示するために
許容できる最大コントラストのときの表示階調変換曲線
の一部分を示している。また図３（ｃ）は、従来手法に
より得られた、画像毎に最適化されたときの表示階調変
換曲線イに対して、バリウム部を一様な階調で表示させ
る処理を施したときの表示階調変換曲線ハ（曲線ロを含
む）を示している。 【００１１】 【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明によるディジタルＸ線装置の一実
施例を示すブロック図である。 【００１２】この図１において、Ｘ線源であるＸ線管球
１で発生したＸ線が被検体２に照射されると、被検体２
を透過して得られたＸ線透過像はイメージインテンシフ
ァイア３で光学像に変換される。この光学像はディスト
リビュータ４を経由し、ＴＶカメラ５で撮像されてビデ
オ信号に変換される。 【００１３】このビデオ信号は、Ａ／Ｄ変換器６でディ
ジタル信号に変換された後、画像処理回路７に入力さ
れ、各種の画像処理が施される。この処理結果である画
像処理回路７の出力画像データは画像メモリ８に記録さ
れ、また表示階調変換器９でその入力階調がその画像デ
ータについて最適な出力階調に変換された後、Ｄ／Ａ変
換器１０でアナログ信号に変換され、モニタ１１に画像
として表示される。 【００１４】ＣＰＵ１２は、前記ＴＶカメラ５、画像処
理回路７等を制御すると共に、画像メモリ８に記録され
た画像データを利用し公知の手法により画像毎の最適表
示階調変換データを求めて表示階調変換器９に設定する
処理を行う。ここで、前記公知の手法とは、例えばヒス
トグラム等化法をいう。 【００１５】なお前記Ｘ線は、ＣＰＵ１２からの制御信
号によりＸ線制御部１３が制御され、高電圧発生部１４
からの高電圧がＸ線管球１に印加されることによりＸ線
管球１から発生し、被検体２に照射される。 【００１６】ここで本発明では、画像データ中のバリウ
ム部を特定するためバリウム濃度領域を示す範囲を指定
するバリウム濃度領域指定手段２０と、このバリウム濃
度領域指定手段２０で指定されたバリウム部（バリウム
濃度領域）の階調を一様に表示するため、表示階調変換
データの最大コントラスト閾値を指定する最大コントラ
スト閾値指定手段２１とを備えている。なお、これらバ
リウム濃度領域指定手段２０及び最大コントラスト閾値
指定手段２１は、ＣＰＵ１２とで、下記の処理を行うバ
リウム部表示階調変換手段を構成している。 【００１７】次にこのような構成による本発明装置にお
いて、前記ＣＰＵ１２で行われる処理を図２のフローチ
ャートを参照して説明する。ＣＰＵ１２の処理は、対象
画像が画像処理回路７から画像メモリ８へ転送された時
点から開始される。 【００１８】まず、処理ステップ１０１では、画像メモ
リ８から画像データを読み出し、公知の手法により画像
毎の最適表示階調変換データを求める。処理ステップ１
０２では、表示階調変換データの最大コントラスト閾値
指定手段２１から閾値を読み出す。 【００１９】処理ステップ１０３（１０３ａ〜１０３
ｇ）では、バリウム濃度領域指定手段２０で指定された
バリウム濃度領域を読み出し、この濃度範囲内の表示階
調変換データに対して以下の処理を行う。 【００２０】処理ステップ１０３ａでは、処理ステップ
１０１で求めた画像毎の最適表示階調変換データから現
在の入力階調に対する表示階調変換データを読み出す。
処理ステップ１０３ｂでは、前記閾値と現在の表示階調
変換データを比較する。 【００２１】処理ステップ１０３ｃでは、(前記閾値)＜
(現在の表示階調変換データ)のとき現在の表示階調変換
データを前記閾値で置き換える。処理ステップ１０３ｄ
では、(前記閾値)＞(現在の表示階調変換データ)のとき
処理ステップ１０３ｅへ分岐する。 【００２２】処理ステップ１０３ｅでは、現在の入力階
調が指定されたバリウム濃度領域範囲内かをチェックす
る。処理ステップ１０３ｆでは、指定されたバリウム濃
度領域範囲内であるとき、現在の入力階調を更新し、処
理ステップ１０３ａへ分岐する。 【００２３】処理ステップ１０３ｇでは、指定されたバ
リウム濃度領域範囲外のとき、処理ステップ１０４へ分
岐する。処理ステップ１０４では、全ての表示階調変換
データをスムージングする。 【００２４】以上により、バリウム部については表示階
調を一様化することができ、全体としては画像毎に適切
な表示階調とすることができる。 【００２５】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、画
像毎に最適な表示階調変換データに対し、バリウム部に
ついてそのコントラストを最大コントラストを示す閾値
でチェックし抑制した表示階調変換データとしたので、
バリウム部については表示階調を一様化することがで
き、全体としては画像毎に適切な表示階調とすることが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明装置の一実施例を示すブロック図であ
る。 【図２】図１中のＣＰＵで行われる処理を示すフローチ
ャートである。 【図３】表示階調変換曲線の例を示す図である。 【符号の説明】 １ Ｘ線管球（Ｘ線源） ２ 被検体 ３ イメージインテンシファイア（I.I.） ４ ディストリビュータ ５ ＴＶカメラ ６ Ａ／Ｄ変換器 ７ 画像処理回路 ８ 画像メモリ ９ 表示階調変換器 １０ Ｄ／Ａ変換器 １１ モニタ １２ ＣＰＵ １３ Ｘ線制御部 １４ 高電圧発生部 ２０ バリウム濃度領域指定手段 ２１ 最大コントラスト閾値指定手段

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 Ｘ線を発生するＸ線源と、このＸ線源か
   らのＸ線が照射されることにより得られるＸ線透過像を
   ディジタルの電気信号に変換する変換手段と、この変換
   手段からの光学像を撮像してビデオ信号に変換するＴＶ
   カメラと、このＴＶカメラからのビデオ信号をディジタ
   ル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、このＡ／Ｄ変換器か
   らのディジタル信号を処理する画像処理回路と、この画
   像処理回路の出力画像データを記録する画像メモリと、
   この画像メモリに記録した画像データの表示階調を変換
   する表示階調変換器と、この表示階調変換器の出力デー
   タを画像に変換し、この変換した画像を表示するモニタ
   とを備えてなるディジタルＸ線装置において、前記画像データのバリウム濃度領域を示す範囲を指定す
   るバリウム濃度領域指定手段と、該表示階調変換データ
   の最大コントラスト閾値を指定する最大コントラスト閾
   値指定手段と、前記表示階調変換器により画像毎に最適
   化された表示階調変換データに対し、該濃度領域範囲内
   の表示階調変換データを前記最大コントラスト閾値と比
   較し、前記最大コントラスト閾値を超える表示階調変換
   データに対しては前記最大コントラスト閾値に置き換え
   る演算手段とを備えることを特徴とするディジタルＸ線
   装置。