JPH0522656U - 小型シヨベルの油圧回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来技術の小型ショベルが作業精度を要する
作業を行うとき、あるいは狭隘な現場で作業をするとき
旋回用油圧リモコン弁を通常に操作すると、上部旋回体
が標準の高速旋回を行うので作業が困難になったりまた
危険であった。本考案は、上記の問題点を解決すること
を目的とする。 ［構成］ 小型ショベルの油圧回路内の旋回用パイロッ
ト切換弁に、その旋回用パイロット切換弁のスプールの
ストローク量を規制するピストンをそなえたピストン室
部を設け、一方、パイロットポンプと上記ピストン室部
とを電磁切換弁を介して連通し、その電磁切換弁をスイ
ッチ操作で切換えることによりパイロット圧を電磁切換
弁を介して上記ピストン室部に作用させるように構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型ショベルの旋回速度を高低速に可変できる油圧回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は、小型ショベルの側面図である。図において、１は小型ショベルの下部 走行体、２Ｌ及び２Ｒは左右の走行モータ、３は上部旋回体、４は油圧リモコン 弁、５は旋回モータ、６は上部旋回体３のフロント部に装着された作業アタッチ メント、７は作業アタッチメント６のブーム、８はアーム、９はバケット、１０ はブームシリンダ、１１はアームシリンダ、１２はバケッシリンダ、１３はドー ザ装置、１４はドーザ装置１３のドーザシリンダである。

【０００３】 図４は、小型ショベルの従来技術の油圧回路である。図において１５は旋回モ ータ５制御用の旋回用パイロット切換弁、１６Ｌ及び１６Ｒは左右の走行用切換 弁、１７，〜，１９は他アクチュエータ（説明の都合上、図４では他アクチュエ ータの図示をしない）制御用のそれぞれパイロット切換弁、２０はドーザ用切換 弁、２１，２２，２３はそれぞれ第１，第２，第３油圧ポンプ、２４はパイロッ トポンプ、２５は油タンク、２６は図３における油圧リモコン弁４のうちの旋回 用油圧リモコン弁、２７は旋回用油圧リモコン弁２６の操作レバーである。また 符号イ−イ，ロ−ロは、旋回用油圧リモコン弁２６と旋回用パイロット切換弁１ ５とを連結しているパイロット管路の接続を示す。

【０００４】 次に、従来技術の油圧回路を図３及び図４について述べる。上部旋回式小型シ ョベルの従来技術の油圧回路では、各種油圧アクチュエータ（１６Ｌ，１７，１ ８，１６Ｒ，１９，１５，２０）をそなえ、その各種油圧アクチュエータを３個 のグループＡ，Ｂ，Ｃに分け、各々第１油圧ポンプ２１，第２油圧ポンプ２２， 第３油圧ポンプ２３で駆動するようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

小型ショベルが作業精度を要する作業を行うとき、あるいは狭隘な作業現場な どにおいて周辺の構築物に作業アタッチメントを衝突させないように旋回を行う ときに、旋回速度を落としたい場合がある。従来技術の油圧回路をそなえている 小型ショベルでは旋回用油圧リモコン弁を通常に操作すると、上部旋回体が標準 の高速旋回を行うので、低速旋回を要する作業が困難になったりまた危険であっ た。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、旋回用パイロット切換弁に、その旋回用パイロット切換弁のスプー ルのストローク量を規制するピストンをそなえたピストン室部を設け、一方、パ イロットポンプと上記ピストン室部とを電磁切換弁を介して連通し、その電磁切 換弁をスイッチ操作で切換えることによりパイロット圧を電磁切換弁を介してピ ストン室部に作用させるように構成した。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案の油圧回路図である。図において、従来技術と同一構成要素を 使用するものに対しては同符号を付す。２８は旋回用パイロット切換弁、２９Ｌ 及び２９Ｒはそれぞれ旋回用パイロット切換弁２８（以下旋回弁２８という）を 左右に切換作動させるためにパイロット圧（この場合のパイロット圧は、パイロ ットポンプ２４から旋回用油圧リモコン弁２６を経たパイロット二次圧である） を作用させるパイロット圧受圧部、３０Ｌ及び３０Ｒはそれぞれ旋回弁２８内の スプールを規制するためにピストン室部（後述する）に作用するパイロット圧（ この場合のパイロット圧は、パイロットポンプ２４からのパイロット一次圧であ る。）を導入せしめるポート、３１は電磁切換弁、３２は電磁切換弁３１のソレ ノイド、３３は電気回路、３４はスイッチ、３５は電源である。

【０００８】 図２は、本考案の油圧回路にそなえた旋回弁２８の要部断面図である。図にお いて、３６は旋回弁２８の弁本体、３７はスプール、３８Ｌ及び３８Ｒは弁本体 ３６の左右に連結したブロック、３９Ｌ及び３９Ｒはそれぞれブロック３８Ｌ及 び３８Ｒ内に組込まれているばね、４０Ｌ及び４０Ｒはそれぞれピストン室部、 ３０Ｌ及び３０Ｒはそれぞれピストン室部４０Ｌ及び４０Ｒのポート、４１Ｌ及 び４１Ｒはそれぞれピストン室部４０Ｌ及び４０Ｒに嵌挿されているピストン、 ２９Ｌ及び２９Ｒはそれぞれパイロット二次圧を作用させるパイロット圧受圧部 である。

【０００９】 次に、本考案の油圧回路の構成を図１及び図２について述べる。旋回弁２８に 、その旋回弁２８のスプール３７のストローク量を規制するピストン４１Ｌをそ なえたピストン室部４０Ｌ、及びピストン４１Ｒをそなえたピストン室部４０Ｒ を設け、一方、パイロットポンプ２４と、上記ピストン室部４０Ｌ及び４０Ｒと を電磁切換弁３１を介して連通し、その電磁切換弁３１をスイッチ（３４）操作 で切換えることによりパイロット圧を電磁切換弁３１を介して上記ピストン室部 ４０Ｌ及び４０Ｒに作用させるように構成した。

【００１０】 次に、本考案の油圧回路の作用について述べる。スイッチ３４をオフ状態にし ているときには、ソレノイド３２は非通電となっている。電磁切換弁３１はタン ク連通油路位置ハにあるので、旋回弁２８のポート３０Ｌ及び３０Ｒにパイロッ ト圧（詳しくはパイロット一次圧）は作用しない。ピストン室部４０Ｌ及び４０ Ｒ内のそれぞれピストン４１Ｌ及び４１Ｒはともにフリー状態となっている。こ の状態のときに旋回用油圧リモコン弁２６を操作すると、パイロット二次圧はパ イロット圧受圧部２９Ｌ又は２９Ｒに作用する。ピストン４１Ｌの外端面ホ（図 ２に示す）が盲プラグ４２Ｌの内端面ヘに押付けられるか、又はピストン４１Ｒ の外端面ホ’が盲プラグ４２Ｒの内端面ヘ’に押付けられる。すなわち上記の場 合にはピストン４１Ｌ，４１Ｒは外側方向に向けて後退するので、スプール３７ のストローク量の規制は行われない。したがってこの場合には、小型ショベルは 従来技術の場合と同様に標準の高速旋回を行う。

【００１１】 次に旋回速度を低速に落とすときには、スイッチ３４をオン操作する。ソレノ イド３２が通電するので、電磁切換弁３１はタンク連通油路位置ハより開通油路 位置ニに切換わる。パイロットポンプ２４からのパイロット一次圧は、管路４３ 、４４、電磁切換弁３１のニ位置、管路４５を通り、一方は管路４６を経てポー ト３０Ｌに作用し、同時に他方は管路４５で分岐して、管路４７を経てポート３ ０Ｒに作用する。そこでピストン４１Ｌ及び４１Ｒは図２に示すように、そのそ れぞれ肩部ト，ト’がピストン穴の段付部チ，チ’に押付けられる。それにより ピストン４１Ｌ，４１Ｒのそれぞれ内端リ，リ’は、スプール３７がストローク 移動するときのストロークエンドとなる。この状態において旋回用油圧リモコン 弁２６を操作すると、パイロット二次圧はパイロット圧受圧部２９Ｌ又は２９Ｒ に作用する。（しかしピストン室部４０Ｌ及び４０Ｒに作用しているパイロット 一次圧は、パイロット圧受圧部２９Ｌ及び２９Ｒに作用するパイロット二次圧よ り高圧であるので、スプールストローク量規制状態にある４１Ｌ及び４１Ｒがそ のときに動くことはない。上記のようにしてスプール３７のストローク量を小さ く規制するので、旋回用油圧リモコン弁２６の操作レバー２７をフル操作しても 、旋回速度は低速になる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案では、小型ショベルに装備した油圧回路内の旋回用 パイロット切換弁に、その旋回用パイロット切換弁のスプールのストローク量を 規制するピストンをそなえたピストン室部を設け、一方、パイロットポンプと上 記ピストン室部とを電磁切換弁を介して連通し、その電磁切換弁をスイッチ操作 で切換えることによりパイロット圧を電磁切換弁を介して上記ピストン室部に作 用させるように構成した。それによりスイッチ操作で電磁切換弁を切換えると、 ピストン室部内のピストンはスプールのストローク量を規制する位置に固定され る。そこで旋回用油圧リモコン弁の操作レバーをフルに操作しても、旋回用パイ ロット切換弁のスプールのストローク量は小さく規制される。油圧ポンプから旋 回モータに供給される圧油の流量が少なくなり、小型ショベルの旋回速度を低速 に落とすことができる。したがって本考案の油圧回路をそなえた小型ショベルで は、旋回速度を高低２速に切換えられるので、作業性と安全性を向上させること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の油圧回路図である。

【図２】本考案の油圧回路をそなえた旋回用パイロット
切換弁の要部断面図である。

【図３】小型ショベルの側面図である。

【図４】従来技術の油圧回路図である。

【符号の説明】

５ 旋回モータ １５，２８ 旋回用パイロット切換弁 ２１，２２，２３ 第１，第２，第３油圧ポンプ ２４ パイロットポンプ ２６ 旋回用油圧リモコン弁 ２９Ｌ，２９Ｒ パイロット圧受圧部 ３０Ｌ，３０Ｒ ポート ３１ 電磁切換弁 ３４ スイッチ ４０Ｌ，４０Ｒ ピストン室部 ４１Ｌ，４１Ｒ ピストン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各種油圧アクチュエータをそなえた上部
   旋回式小型ショベルの油圧回路において、旋回用パイロ
   ット切換弁に、その旋回用パイロット切換弁のスプール
   のストローク量を規制するピストンをそなえたピストン
   室部を設け、一方、パイロットポンプと上記ピストン室
   部とを電磁切換弁を介して連通し、その電磁切換弁をス
   イッチ操作で切換えることによりパイロット圧を電磁切
   換弁を介して上記ピストン室部に作用させるように構成
   したことを特徴とする小型ショベルの油圧回路。