JPH05225894A - 含浸形陰極構体 - Google Patents

含浸形陰極構体

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JPH05225894A
JPH05225894A JP2651592A JP2651592A JPH05225894A JP H05225894 A JPH05225894 A JP H05225894A JP 2651592 A JP2651592 A JP 2651592A JP 2651592 A JP2651592 A JP 2651592A JP H05225894 A JPH05225894 A JP H05225894A
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JP
Japan
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cup
cathode
molybdenum
tungsten
impregnated
Prior art date
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JP2651592A
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English (en)
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Yukio Koizumi
幸生 小泉
Shunji Saito
駿次 斎藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子放出物質をタングステンの多孔質焼結体に
含浸させた陰極基体が、これを収納し支持するモリブデ
ン製カップに対し、実球としての使用期間中に、変位し
ないようにした含浸形陰極構体を提供することにある。 【構成】モリブデン製カップの外側面にレーザ光を照射
して、カップ側面に微小な凹凸を形成させ、タングステ
ンの多孔質焼結体からなる陰極基体の外側面に元来存在
する微小な凹凸と係合させて、陰極基体をカップ内に保
持させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出物質を高融点
金属の多孔質焼結体に含浸させた陰極基体が、これを収
納し支持する高融点金属製カップに対し、実球として使
用中に、変位しないようにした含浸形陰極構体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】陰極の電子放出面上に存在して電子放出
源となる遊離Baなどが、その陰極を装着した電子管の
実使用中に次第に消耗しても、陰極基体の内部に蓄積し
てある電子放出物質が漸次電子放出面へ移動することに
よって補給されるようにした含浸形陰極は、高電子流密
度で使用するのに好適な陰極として注目されながら、実
際には、種々の問題が存在するために、多くの改良技術
が提言され実験されて、近年やっと実用化され始めた。
【0003】従来の含浸形陰極構体は、例えば特公昭6
1−7697号公報に記載されているように、陰極基体
としてタングステンの多孔質焼結体を用い、これに電子
放出物質(例えばBaO、CaO、Al23等)を含浸
させたものを、モリブデン製のカップに収納して電子放
出面以外の面(周囲の側面と底面)を被覆、密閉して使
用する。モリブデン製カップを用いるのは、製作が比較
的容易なためである。しかし、モリブデンはタングステ
ンよりも熱膨張係数が大きく、実用時の陰極温度は約1
000℃の高温なので、使用中に陰極基体がカップから
抜け出さないように、陰極基体の外径をカップ内径より
も大きく作って圧入して強制嵌合させるとか、カップの
成形、収納工程の一部を一体化してカップ外面から陰極
基体にプレスでポンチするなどの方法を適用していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術による収納作業は極めて困難である。タングステ
ンに比較すればモリブデンの方が加工成形し易いが、実
際にはモリブデンの整形性も決してよくない。そのため
に、モリブデンカップにクラックが多発する。実用時の
温度が高いために、カップ材料には高融点金属しか使用
できないから、タングステン、モリブデン以外の高融点
金属としてタンタルを使用しようとしても、タンタルは
電子管内の残留ガスを吸着して強度低下を来すために、
やはり使用できない。さらに、強制嵌合をあきらめて、
モリブデン製カップ径を陰極基体との間で応力が作用し
ない程度の寸法に定め、カップの外側からレーザ光を照
射してレーザ溶接することも提案されているが、完全に
溶接が行われる程度までレーザ出力を高めると、実際に
は溶接個所にクラックが生じてしまって不良となること
が多い。
【0005】上記モリブデン製カップ内にタングステン
の多孔質焼結体よりなる陰極基体を収納固定させる技術
については、他に例えば、特開昭62−217525号
公報には、電子放出物質が含浸された高融点金属からな
る陰極基体の電子放出側端面に凸部を設け、該凸部の天
頂面を電子放出面とし、該電子放出面以外をカバーする
高融点金属からなる金属蓋体と金属支持体とにより陰極
基体を挾み込み、上記金属蓋体と金属支持板とを溶接又
はロウ付けにより固着する技術が、また、特開昭62−
217528号公報には、カップと、白金属もしくは白
金属を含む合金よりなるロウ材を、MoもしくはWなど
の高融点金属からなる多孔質体に含浸した接合材と固着
し、さらに前記陰極基体を構成する陰極基体用焼結体を
前記接合材を介してカップと固着したのち、前記陰極基
体用焼結体に電子放出物質を含浸する技術が開示されて
いる。しかし、これらの技術は工程が複雑で、材料も高
価であったりして実用に供し難い。また更に、特開昭6
3−78428号公報には、エミッタを含む多孔質ペレ
ットの上下面を押えカップと押えスリーブではさみ込
み、押えカップと押えスリーブとを多孔質ペレットに対
応しない位置で溶接固定する技術が開示されているが、
高価で割れ易いモリブデンを用いて、押えスリーブのペ
レット押え部とか、押えカップのペレット押え部の形
成、加工を実際に行おうとすると、非常に歩留が悪い
か、高価になることを覚悟しなければならない。
【0006】現実には、タングステンの多孔質焼結体よ
りなる陰極基体を、モリブデン製カップに強制嵌合させ
たり、かしめ、ポンチなどの工法で固定して使用してい
るが、長期間の実使用中に、陰極基体がカップに対して
僅かに浮き上がって、電子放出面と電子流を制御する第
1グリッドとの間隔が変動し、そのため電子管としての
特性が変化するため、例えばカラー陰極線管の陰極とし
て適用した場合に、表示画像の色調が変化するなどの問
題を生じている。
【0007】本発明は上記した従来の問題が生じないよ
うにした含浸形陰極構体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、高融点金属の多孔質焼結体に電子
放出物質を含浸させた陰極基体を、高融点金属または高
融点金属を主体とする合金からなるカップに収納して陰
極基体の電子放出面以外の面を被覆させ密閉した含浸形
陰極構体において、上記カップの外側面にレーザ光を照
射して、溶融部位が固化する際にカップの内外側面に微
小な凹凸を形成させ、高融点金属の多孔質焼結体からな
る陰極基体の外側面に元来存在する微小な凹凸と係合さ
せて、陰極基体をカップ内に固着させるようにした。
【0009】
【作用】本発明により、タングステンの多孔質焼結体よ
りなる陰極基体を、モリブデン製カップ内に嵌め合わせ
て固定する際に照射するレーザ光の強度は、既述のレー
ザ溶接を行う際の強度より低く設定してある。モリブデ
ン製のカップの内外側表面、タングステン多孔質焼結体
製の陰極基体の外側表面の両方とも、実際には多数の微
細な凹凸を有している。レーザ光をモリブデン製カップ
の外側表面に暫く照射して照射を停止または照射個所を
移動させると、モリブデン製カップの外側表面の照射部
位で、まずモリブデンの溶融、変形が始まり、それに続
いて内外側表面で固化、微小突起形成の過程が生ずる。
タングステン多孔質焼結体よりなる陰極基体外側表面の
凹凸の程度は、一般に、モリブデン製カップ内外側表面
の凹凸よりもはなはだしく、また、タングステンの融点
はモリブデンの融点より高く、本発明によるレーザ光照
射ではタングステン製の陰極基体外側表面の溶融、変形
は生じない。モリブデン製カップがレーザ光照射により
溶融、再固化する過程で、両者の嵌合状態が、双方の直
径が丁度等しく表面同士の間隔が0、即ち接触している
か、又は多少陰極基体の外径の方がカップの内径よりも
大きい場合に、本発明によればカップにクラックが発生
するには到らず、しかも両部材の接触面ではモリブデン
カップ側の凹凸が当初より発達して大きくなって、双方
の微小凹凸は互いに係合するようになり、かつ、強制嵌
合などで内部応力が生じていたとしても、溶融変形時に
一旦消滅してしまう。レーザ溶接の際にモリブデン製カ
ップにクラックが生ずるのは、レーザ光出力が強く、照
射部位におけるモリブデンの溶融が著しく進み、その状
態から固化収縮する際に、タングステンに固着した部分
もあり、内部に大きな応力が生じてクラックするに到る
ためである。これに対し、本発明によれば、従来の強制
嵌合、かしめ方式の場合よりも両者接触面同士で微小凹
凸が相互に良く係合しており、しかもクラックが生じる
ほどの内部応力は発生していないので、長期間の加熱中
にも、両者間に相対変位が生じなくなる。
【0010】
【実施例】図1は本発明一実施例を一部を断面にして模
式的に示す図である。図中、1は陰極基体、2は陰極カ
ップ、2aはレーザ光照射個所、3は陰極スリーブ、4
はタングステン線である。陰極基体1は、直径1.5m
m、厚さ0.6mmの円筒形のタングステン多孔質焼結
体から出来ており、これをモリブデン製のカップ2の中
に収納している。カップ2の内径は、陰極基体の外径に
対して±0.005mmの精度で製作されており、挿入
時の加圧力は約200gである。陰極基体1を上記の如
く、カップ2内に収納したのち、図示してないヒータを
入れるための陰極スリーブ3の頂面とカップ2の底面と
の間に、陰極構体を支持、固定するためのタングステン
線4を挾んで溶接、固着させる。そののち、レーザ光を
カップ2の外側面のレーザ光照射個所2aに照射して、
一旦溶融した部位が変形しながら固化する際に、カップ
内外側面に微小な凹凸を形成させる。本発明を実施する
場合、レーザ光源としては取扱容易な通常のYAG(イ
ットリウムアルミニウムガーネット)レーザを用い、レ
ーザ光強度は約0.01〜0.1J(ジュール)で十分
である。具体的には、量産開始前の試作段階で、モリブ
デン製の陰極カップ2のレーザ照射面を約50倍の電子
顕微鏡で観察しながら、カップ2にクラックが発生しな
いレベルまで、フィルタをかけてレーザ光を弱く設定す
る。モリブデンカップ2の肉厚は約0.07mmであっ
て、カップ外面のレーザ光照射部位の直径約0.5mm
で、カップの内面に突出長が約0.01〜0.02mm
の突起が形成される。この突起が陰極基体1の側面にタ
ングステン多孔質焼結体の性質として元来存在する凹凸
と係合して収納固定状態を安定させる。この作業を終了
したのちに、電子放出物質を陰極基体1のタングステン
多孔質焼結体中に含浸させる。
【0011】図2は参考用に従来の、陰極基体1を陰極
カップ2の内部に強制嵌合方式で収納した場合の陰極構
体の一部を断面にして模式的に示す図である。符号は図
1の場合と同様である。図に示すように、強制嵌合方式
で、陰極基体1をカップ2内に圧入しても、両者が接触
する接触面では、陰極基体のタングステン多孔質焼結体
側面の比較的大きい凹凸の突出部の頂点が、比較的平滑
なカップの内面に接触しているだけなので、温度が上昇
(約1000℃)してモリブデン製カップの内径の方が
タングステン製の陰極基体の外径よりも余計に熱膨張し
たときには、カップに対して陰極基体の浮き上がりが生
じ易いことが判る。強制嵌合方式による場合の接触部の
状態がこのようになるのは、両者とも室温状態で圧入す
るため、タングステン、モリブデンの何れも強度が高く
変形せず、両者が係合するに到らないためである。
【0012】他の実施例として、陰極カップ2をタング
ステンで製作したものがある。この場合も上記実施例の
場合と全く同様の手法で、カップ2の壁面をレーザで溶
融させることができ、収納固定状態を安定させることが
できる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、極
めて容易に、高い歩留で、陰極基体を陰極カップの内部
に収納し、確実に固定することが可能となり、例えばカ
ラー陰極線管に装着して使用した場合に、高い電子流密
度で高精細度画像を明るく表示させながら、カットオフ
電圧の変動による色調変化に悩まされずに、長期間にわ
たって使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例を一部を断面にして模式的に示
す図である。
【図2】陰極基体を陰極カップの内部に強制嵌合方式で
収納した従来の技術による陰極構体の一部を断面にして
模式的に示す参考用の図である。
【符号の説明】
1…陰極基体、 2…陰極カップ、 2a…レーザ光照
射個所、 3…陰極スリーブ、 4…タングステン線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高融点金属の多孔質焼結体に電子放出物質
    を含浸させた陰極基体を、高融点金属または高融点金属
    を主体とする合金からなるカップに収納して陰極基体の
    電子放出面以外の面を被覆させ密閉した含浸形陰極構体
    において、上記カップの外側面にレーザ光を照射して、
    溶融部位が固化する際にカップの内外側面に微小な凹凸
    を形成させ、高融点金属の多孔質焼結体からなる陰極基
    体の外側面に元来存在する微小な凹凸と係合させて、陰
    極基体をカップ内に固着させるようにしたことを特徴と
    する含浸形陰極構体。
JP2651592A 1992-02-13 1992-02-13 含浸形陰極構体 Pending JPH05225894A (ja)

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