JP3460308B2 - 含浸型陰極構体の製造方法 - Google Patents
含浸型陰極構体の製造方法Info
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Description
方法に係り、さらに詳しくは、含浸型陰極構体を構成す
る多孔質基体金属と、この底面および側面を覆うカップ
体との接合構造の製造方法に関する。
長寿命であるため、衛星搭載用などの進行波管あるいは
高品位映像システム用ブラウン管、撮像管などに用いら
れる電子銃のカソードとしてよく用いられている。
の多孔質基体金属に、電子放射物質を含浸させ、その多
孔質基体金属をカップ体に接合し、このカップ体を陰極
スリーブに接合して形成される。陰極スリーブ内には、
電子放射物質が含浸された多孔質基体金属を加熱するヒ
ータが装着される。
て、従来では、次の方法が用いられている。第1の方法
は、抵抗溶接による方法である。この第1の方法では、
図6に示すように、多孔質タングステン(W)ペレット
で構成される多孔質基体金属2を、タンタル(Ta)製
カップ体4内に入れ、それをTa製スリーブ6の上端内
部に嵌合させ、スリーブ6の上端外周を全周かしめなが
ら同時に抵抗溶接し、陰極構体1aを作成する。なお、
Ta製カップ体4の内部に多孔質基体金属2を収容した
段階で、カップ体4の底で抵抗溶接し、その後、カップ
体4とスリーブとを抵抗溶接する場合もある。
る。この第2の方法では、図7に示すように、多孔質タ
ングステン(W)ペレットで構成される多孔質基体金属
2を、タンタル(Ta)製カップ体4内に入れ、これら
の間をRu−Mo製ロウ材8で真空加熱ロウ付けする
(特開平6−68788号参照)。その後、Ta製カッ
プ体4とTa製スリーブ6とを抵抗あるいはレーザー溶
接する。
る。多孔質Wペレットで構成される多孔質基体金属2に
電子放射物質を含浸後、これを、タンタル(Ta)製カ
ップ体4内に入れ、それをTa製スリーブ6の上端内部
に嵌合させ、スリーブ6の上端外周をレーザ溶接し、陰
極構体1aを作成する。なお、Ta製カップ体4の内部
に多孔質基体金属2を収容した段階で、カップ体4の底
でレーザ溶接し、その後、カップ体4とスリーブとをレ
ーザ溶接する場合もある。
来の方法では、次に示す課題をそれぞれ有している。ま
ず、前記第1の抵抗溶接方法では、特に多孔質基体金属
2とカップ体4ととの固着強度が弱いため、陰極温度の
経年変動が大きくなる。また、その変動によって、カッ
トオフ電圧が変化する。さらに、抵抗溶接方法では、ス
リーブ6の全周をカシメながら複数点にわたり抵抗溶接
するので、作業時間が大幅にかかる。さらに、抵抗溶接
用電極棒の定期交換が必要であり、製造コストがかか
る。
u−Mo製ロウ材の材料費が高く、製造コストが増大す
るなどの課題を有していてる。さらに、第3のレーザ溶
接方法では、レーザの出力調節が難しく、多孔質基体金
属に含浸してある電子放射物質とレーザーが激しく反応
(電子放射物質が気化)して、カップ体に穴があいてし
まう場合がある。そこで、電子放出物質を多孔質基体金
属に含浸前に、多孔質基体金属とカップ体とを溶接する
ことも考えられるが、溶接後に電子放射物質を基体金属
に含浸させる際に、Ta製カップ体が酸化し、カップ体
が脆くなり、その機械的強度が低下してしまう。そこ
で、カップ体をMo製にすることも考えられるが、その
場合には、レーザ溶接部のナゲットが脆くなり、レーザ
溶接が困難である。
れ、多孔質基体金属とカップ体とを強固に接合すること
ができ、カソード温度の経時変化を抑制し、カットオフ
電圧の変化が少なく、しかも材料費が安価であり、製造
コストを低減することができる含浸型陰極構体の製造方
法を提供することを目的とする。
に、本発明に係る含浸型陰極構体の製造方法は、多孔質
基体金属の底面に、多孔質基体金属の外径の10〜10
0%の外径の箔状チップ体をレーザ光で溶着する工程
と、この箔状チップ体が溶着された多孔質基体金属を、
多孔質基体金属の底面および側面を覆うように、カップ
体内に収容し、この箔状チップ体を介して前記カップ体
と多孔質基体金属とを溶接する工程とを有する。
に溶着する前または後に、前記多孔質基体金属に電子放
射物質を含浸させる。前記箔状チップ体の厚さが10〜
100μm であることが好ましい。前記多孔質基体金属
の底面に、箔状チップ体を構成するための金属箔を当
て、この金属箔の裏側から、所定範囲部分にレーザ光を
照射し、レーザ光が照射されて形成されたナゲット部分
から、金属箔を分離することにより、前記箔状チップ体
を多孔質基体金属の底面に溶着することが好ましい。
%の外径を持つ箔状チップ体を予め形成し、この箔状チ
ップ体を、前記多孔質基体金属の底面に当て、この箔状
チップ体の裏側から、所定範囲部分にレーザ光を照射す
ることにより、前記箔状チップ体を多孔質基体金属の底
面に溶着することもできる。
プ体を溶着する。この溶着は、たとえばペレット状の多
孔質タングステン焼結体から成る基体金属の底面に、板
厚がたとえば15〜100μm のモリブデン(Mo)製
金属箔を当て、この箔状チップ体の裏側から、たとえば
基体金属の径に対して10%〜100%の径(φ0.1
〜1.15mm)の範囲にレーザ光を照射することにより
行う。このレーザ光の照射により、ナゲットの部分で、
金属箔から容易に分離され、分離された部分が箔状チッ
プ体となり、基体金属の底面に溶着する。金属箔からの
箔状チップ体の分離は、金属箔にレーザ光を照射した
後、基体金属を金属箔から剥すのみでよい。レーザ光照
射によるナゲット部分で、箔状チップ体は、金属箔から
容易に切り取られる。すなわち、レーザ光の照射部分の
径が、箔状チップ体の径に相当する。この径は、レーザ
照射装置の条件、たとえば光ファイバー径、レンズ条
件、フィルター条件、フォーカス条件などに応じて制御
できる。また、小さく絞ったレーザビームを螺旋状にス
キャンさせることなどして、レーザ光の照射範囲の径を
変化させることもできる。
射時に溶融され、この箔状チップ体を構成する成分が、
多孔質基体金属の底面空隙部に、基体金属の厚さに対し
て0.1〜10%の深さ(たとえば0.01〜20μm
、好ましくは10μm 前後)まで入り込んでいる。そ
の結果、この箔状チップ体は、多孔質基体金属に強固に
接合している。
射して箔状チップ体を多孔質基体金属の底面に打ち抜き
溶着する方法以外に、予め所定の大きさの箔状チップ体
を準備し、それを多孔質基体金属の底面に当て、この箔
状チップ体の裏側から、所定範囲部分にレーザ光を照射
する方法を採用することもできる。
状チップ体は、単一に限定されず、複数でも良い。金属
箔から箔状チップ体を溶着させる場合には、レーザ光の
ショット部分を複数にすることで、複数の箔状チップ体
を基体金属の底面に溶着することができる。ただし、基
体金属の底面に溶着される箔状チップ体は、箔状チップ
体の大きさにもよるが、単一または2個で十分な接合強
度を得ることができる。また、箔状チップ体の形成数
は、少ない方が、工数の増加が少なく好ましい。
着する前または後に、前記多孔質基体金属に電子放射物
質を含浸させる。箔状チップ体が溶着された基体金属
を、カップ体内に収容し、カップ体の底面から抵抗溶接
あるいはレーザ溶接を行えば、箔状チップ体を介して基
体金属とカップ体とは強固に溶接される。
行う場合には、箔状チップ体は、比較的小さいことが好
ましい。抵抗溶接を良好に行うためである。ただし、箔
状チップ体が余りに小さいと、溶接強度が低下すること
から好ましくない。このような観点からは、箔状チップ
体の径は、基体金属の径の約17%程度(約0.2mm)
の径であることが好ましい。
で行う場合には、箔状チップ体は、前記抵抗溶接の場合
に比較して比較的大きいことが好ましい。カップ体の底
面で、レーザ光の照射位置と、箔状チップ体の存在位置
との位置合わせを容易にし、レーザ溶接を良好に行うた
めである。このような観点からは、箔状チップ体の径
は、基体金属の径の約70%程度(約0.8mm)の径で
あることが好ましい。
体との接合は、レーザ溶接である方が、電極棒の付着の
問題がなく、工程が容易であるため、好ましい。本発明
に係る含浸型陰極構体とその製造方法では、多孔質基体
金属とカップ体との十分な固着強度が得られ、陰極温度
の経年変動が極めて小さくなり、カットオフ電圧の変化
が少なくなる。また従来の抵抗溶接に比べ、タクトは減
少し、ロウ付き方法に比べ、材料費が安くなり、大幅な
コストダウンとなる。
法を、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。ま
ず、陰極線管(CRT)およびそれに用いる陰極構体の
全体構成について説明する。
ガラス22と、ファンネルガラス24とを有し、これら
がフリットガラス26で融着され、内部が高真空に維持
されている。ファンネルガラス24のネック部28に、
電子銃30が内蔵してある。パネルガラス22の内面に
は、蛍光面32が形成してあり、その背面にアパーチャ
グリル34が装着してある。また、ネック部28の外周
には、偏向ヨーク36が装着してあり、電子銃30から
放出・制御・加速・集束された3本の電子ビームは、偏
向ヨーク36によって偏向されることにより、蛍光面3
2の全面を走査するようになっている。
体(カソード)組立体40と、グリッド群(図示省略)
とで構成される。本実施例の陰極構体組立体40は、三
本の含浸型陰極構体44R,44G,44Bを有する。
各陰極構体44R,44G,44Bには、その先端部
に、加熱されることにより熱電子を発生する電子放射物
質を有する多孔質基体金属(BM)46が装着してあ
る。各含浸型陰極構体44R,44G,44Bは、スリ
ーブ45の先端に、後述する方法で基体金属46が溶接
されることにより製造される。
縁性ディスク48に形成された三つの開口部50内をそ
れぞれ挿通するように配置される。絶縁性ディスク48
は、たとえばセラミック製ディスクで構成される。セラ
ミックとしては、たとえばフォルステライト、ステアタ
イト、アルミナなどを用いることができる。
側外周には、金属細線をV字形状に曲折してある一対の
Vタブ52,54の一端がそれぞれ溶接してある。Vタ
ブ52,54の他端は、それぞれ絶縁性ディスク48の
背面に固定してある三対の金属ピン56,58に対して
溶接などで接続してある。金属ピン56,58は、絶縁
性ディスク48に対してガラスなどにより融着固定して
ある。三対の金属ピン56,58から、それぞれ赤
(R),緑(G),青(B)の信号が入力される。
56,58以外に、一対のヒータレスト60,60を固
定するための4本のヒータレスト固定用金属ピン62
が、上記金属ピン56,58と同様な手段で融着固定し
てある。これら金属ピン62に対して、ヒータレスト6
0,60が溶接されることにより、ヒータレスト60,
60は、絶縁性ディスク48に対して固定される。ヒー
タレスト60,60には、各陰極構体44R,44G,
44Bの内部に装着されたヒータ64(図1参照)の電
源端子がそれぞれ接続される。すなわち、このヒータレ
スト60,60に対して、所定の電圧を印加すること
で、各陰極構体44R,44G,44Bの内部に装着さ
れたヒータ64が加熱される。
る。カラー陰極線管の場合には、一本の電子銃につい
て、陰極構体は、R,G,B用に三本準備される。各陰
極構体は、同一構成なので、以下の説明では、一本の含
浸型陰極構体44について説明する。
陰極構体44は、電子放射物質が含浸してある多孔質基
体金属46を有する。多孔質基体金属46としては、た
とえば直径1.15mm、厚さ0.4mm、空孔率約20%
の多孔質W基体から成るカソードペレットが用いられ
る。電子放射物質としては、たとえばモル比で4:1:
1のBaO、CaO、Al2 O3 から成る電子放射物質
が用いられる。
出するように、しかもその底面および側面を覆うよう
に、カップ体66に収容してある。多孔質基体金属46
とカップ体66とは、多孔質基体金属46の底部に予め
溶着された高融点金属含有箔状チップ体68を介して接
合してある。
a)で構成される。箔状チップ体68は、後述する方法
により作製され、たとえばモリブデン(Mo)で構成さ
れる。多孔質基体金属46が収容されたカップ体66
は、スリーブ45の上端部に、抵抗溶接あるいはレーザ
溶接してある。カップ体66の底面側に位置するスリー
ブ45の内部には、ヒータ64が装着してある。ヒータ
64は、たとえば純タングステン線、あるいはタングス
テンに2〜3%のレニウム(Re)をドープしたタング
ステン合金線などの電熱線で構成される。
の製造方法について説明する。まず、図2(A)に示す
ように、直径1.15mm、厚さ0.4mm、空孔率約20
%の多孔質W基体からなるカソードペレット(基体金属
46)に、厚さ45μm のMo製金属箔68aを置き、
基体金属46の底面の範囲内で、レーザ光を金属箔68
aの裏面に、1点あるいは複数点照射する。その時のレ
ーザ照射条件は、たとえば光ファイバ径0.2mm、電圧
450v、パルス幅0.5ms、パワー約0.25J/
P、ジャストフォーカス(Just focus)、真上からの照
射である。レーザ照射は、W、Moの酸化防止に、Ar
またはN2 などの不活性ガスを吹き付けながら行うこと
が好ましい。
(B)に示すように、ナゲットの部分で、金属箔68a
から容易に分離され、分離された部分が箔状チップ体6
8となり、基体金属46の底面に溶着する。金属箔68
aからの箔状チップ体68の分離は、金属箔68aにレ
ーザ光を照射した後、基体金属46を金属箔68aから
剥すのみでよい。レーザ光照射によるナゲット部分で、
箔状チップ体68は、金属箔68aから容易に切り取ら
れる。すなわち、図2(A1)に示すように、レーザビ
ーム70aの径dが、箔状チップ体68の径(φ0.2
〜0.8mmの大きさ)に相当する。この径は、レーザ照
射装置の条件、たとえば光ファイバー径、レンズ条件、
フィルター条件、フォーカス条件などに応じて制御でき
る。また、図2(A2)で示すように、小さく絞ったレ
ーザビーム70bを螺旋状にスキャンさせることなどし
て、レーザ光の照射範囲の径dを変化させることもでき
る。
光照射時に溶融され、この箔状チップ体68を構成する
成分が、多孔質基体金属46の底面空隙部に、基体金属
46の厚さtに対して0.1〜10%の深さ(たとえば
0.01〜20μm 、好ましくは10μm 前後)まで入
り込んでいる。その結果、この箔状チップ体68は、多
孔質基体金属46に強固に接合している。
箔状チップ体68を多孔質基体金属46の底面に打ち抜
き溶着する方法以外に、予め所定の大きさの箔状チップ
体68を準備し、それを多孔質基体金属46の底面に当
て、この箔状チップ体68の裏側から、所定範囲部分に
レーザ光を照射する方法を採用することもできる。
る箔状チップ体68は、単一に限定されず、複数でも良
い。金属箔68aから箔状チップ体68を溶着させる場
合には、レーザ光のショット部分を複数にすることで、
複数の箔状チップ体68を基体金属46の底面に溶着す
ることができる。ただし、基体金属46の底面に溶着さ
れる箔状チップ体68は、箔状チップ体68の大きさに
もよるが、単一または2個で十分な接合強度を得ること
ができる。また、箔状チップ体68の形成数は、少ない
方が、工数の増加が少なく好ましい。
体金属46の空孔に、モル比で4:1:1のBaO、C
aO、Al2 O3 から成る電子放射物質を、真空中で1
800℃、3分間含浸させた後、基体金属46の周囲に
付着している余分な電子放射物質を除去する目的で、水
で5分間、アセトンで5分間、超音波洗浄を行い、18
00℃、5分間、真空中で乾燥アニールを行う。
状チップ体68をレーザー溶着し、基体金属46に電子
放射物質を含浸させた後、図2(C)に示すように、基
体金属46を、厚さ30μm のTa製カップ体66内に
収容し、カップ体66の底面から抵抗溶接あるいはレー
ザ溶接を行えば、箔状チップ体68を介して基体金属4
6とカップ体66とは強固に溶接される。
ば直径1.25mm、長さ7.5mm、厚さ20μm のTa
製スリーブ4の上端部に、基体金属付カップ体66を嵌
合し、スリーブ45の上端部外周から数点(たとえば6
点)でレーザ照射を行い、スリーブ45とカップ体66
と基体金属46とをレーザ溶接により固着する。その
後、図1に示すように、Ta製スリーブ45内に加熱ヒ
ータ64を配設する。
は、たとえば図5に示すように(図5では、陰極構体4
4R,44G,44B)、組み合わされ、陰極構体組立
体40となり、図4に示す電子銃30の一部となる。上
記の本発明の一実施例に係る方法により得られた含浸型
陰極構体44と、従来のかしめ抵抗溶接により得られた
含浸型陰極とを、たとえば図4に示すCRT20にそれ
ぞれにセットし、陰極温度の経時変化を比較した。結果
を図3に示す。従来例に係る陰極構体では、溶接が不確
かなため、カットオフ電圧が変化し、カップ体から基体
金属への熱伝導が低下するため、図3に示すように、陰
極温度が3,000時間で約50°C程度変動したが、
本実施例のものは、溶接が確実であるため、カットオフ
電圧の変動が少なくなり、図3に示すように、陰極温度
は、ほとんど変動しない。
得られた含浸型陰極構体を、1,300℃(カソードの
活性化中の最高温度1,180℃より約100℃高い温
度)で1時間、真空中で加熱後、Ta製カップ体を機械
的に剥す強度試験を行ったところ、Ta製カップ体66
がちぎれてMo製箔状チップ体68上に残るか、タング
ステン製基体金属46が、約10μm の深さから削り取
れるかのいずれかであった。すなわち、カップ体66と
基体金属46とは、十分な固着強度で接合してあること
が確認された。
得られた含浸型陰極構体で、同様な強度試験を行ったと
ころ、基体金属とカップ体とは容易に分離され、カップ
体の内壁に、タングステン製基体金属のかすが斑に付着
するのみであった。従来のロウ付け方法の場合、陰極温
度の経時変動はほとんどなく、十分な固着強度をもって
いるが、Ru−Moロウ材の材料費が高いという欠点が
ある。
くて済む。また、従来のかしめ抵抗溶接の場合、スリー
ブ組立までのタクトが1.3分かかっていたが、本実施
例の方法では、その半分以下のタクトになる。このよう
に本実施例の方法では、従来方法に比べ、かなりのコス
トダウンになる。
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、上記実施例では、電子放射物質
の含浸前に、多孔質基体金属の底面に箔状チップ体を溶
着させたが、本発明では、含浸後に、Mo製箔状チップ
体68を多孔質基体金属46にレーザ溶接着しても良
い。
ためのエネルギー線としては、レーザ以外のエネルギー
線を用いることも可能である。さらに、箔状チップ体6
8を構成する材質は、Moに限らず、カップ体66およ
び基体金属46の融点よりも低く、陰極の定格温度より
高い融点をもつMo−Re、Ti、Zr、Nb等の高融
点金属またはこれらを含有する合金でも良い。
含浸型陰極構体の製造方法によれば、多孔質基体金属と
カップ体との十分な固着強度が得られ、陰極温度の経年
変動が極めて小さくなり、カットオフ電圧の変化が少な
くなる。また、従来の抵抗溶接に比べ、タクトは減少
し、ロウ付き方法に比べ、材料費が安くなり、大幅なコ
ストダウンとなる。
概略断面図である。
の製造過程を示す概略断面図、図2(A1)および(A
2)はレーザビームの照射範囲を示す図である。
陰極温度の経時変化を示すグラフである。
側面図および底面図である。
る。
面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 多孔質基体金属の底面に、多孔質基体金
属の外径の10〜100%の外径の箔状チップ体をレー
ザ光で溶着する工程と、 この箔状チップ体が溶着された多孔質基体金属を、多孔
質基体金属の底面および側面を覆うように、カップ体内
に収容し、この箔状チップ体を介して前記カップ体と多
孔質基体金属とを溶接する工程とを有する含浸型陰極構
体の製造方法。 - 【請求項2】 前記箔状チップ体の厚さが10〜100
μm である請求項1に記載の含浸型陰極構体の製造方
法。 - 【請求項3】 前記箔状チップ体を多孔質基体金属の底
面に溶着する前または後に、前記多孔質基体金属に電子
放射物質を含浸させる請求項1または2に記載の含浸型
陰極構体の製造方法。 - 【請求項4】 前記多孔質基体金属の底面に、箔状チッ
プ体を構成するための金属箔を当て、この金属箔の裏側
から、所定範囲部分にレーザ光を照射し、レーザ光が照
射されて形成されたナゲット部分から、金属箔を分離す
ることにより、前記箔状チップ体を多孔質基体金属の底
面に溶着する請求項1〜3のいずれかに記載の含浸型陰
極構体の製造方法。 - 【請求項5】 前記多孔質基体金属の外径の10〜10
0%の外径を持つ箔状チップ体を予め形成し、この箔状
チップ体を、前記多孔質基体金属の底面に当て、この箔
状チップ体の裏側から、所定範囲部分にレーザ光を照射
することにより、前記箔状チップ体を多孔質基体金属の
底面に溶着する請求項1〜3のいずれかに記載の含浸型
陰極構体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14503494A JP3460308B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 含浸型陰極構体の製造方法 |
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JP14503494A JP3460308B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 含浸型陰極構体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH087744A JPH087744A (ja) | 1996-01-12 |
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JP2002197964A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-12 | Sony Corp | 含浸型陰極構体及びその製造方法 |
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- 1994-06-27 JP JP14503494A patent/JP3460308B2/ja not_active Expired - Fee Related
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