JPH05225639A - 光磁気信号検出装置 - Google Patents

光磁気信号検出装置

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JPH05225639A
JPH05225639A JP2541592A JP2541592A JPH05225639A JP H05225639 A JPH05225639 A JP H05225639A JP 2541592 A JP2541592 A JP 2541592A JP 2541592 A JP2541592 A JP 2541592A JP H05225639 A JPH05225639 A JP H05225639A
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JP
Japan
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mode
optical waveguide
magneto
optical
layer
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JP2541592A
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English (en)
Inventor
Tami Isobe
民 磯部
Shunsuke Fujita
俊介 藤田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】S/N比の良い光磁気信号が検出できる光磁気
信号検出装置を提供する。 【構成】本発明による装置の光磁気信号検出素子46
は、TEモードとTMモードの等価屈折率がほぼ等しい
第一光導波路10と、第一光導波路に結合されるTEモ
ードとTMモードの等価屈折率が異なる第二光導波路1
1と、第二光導波路に結合される第三光導波路12を有
し、第二光導波路と第三光導波路と第二光導波路から第
三光導波路への結合部7aから成るTE/TMモード分
離部と光検出器8とでTEモード検出部を構成し、第二
光導波路と第三光導波路と第二光導波路から第三光導波
路への結合部7bから成るTE・TMモード反射部と光
検出器9とでTE・TMモード検出部を構成し、TEモ
ード検出部における導波光の結合部7aへの入射角度と
TE・TMモード反射部における導波光の結合部7bへ
の入射角度が異なるように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク、光磁
気カード、光磁気テープ等を記録媒体として情報の記録
・再生を行なう光磁気情報記録再生装置の光ピックアッ
プ部等に用いられる光磁気信号検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記憶装置である光
磁気ディスクは、光磁気ディスクから反射される光のカ
ー効果による偏光方向の回転を検出して情報再生してい
るが、カー効果による偏光方向の回転は微小なので、良
好な信号対雑音比(S/N比)を得るためには高精度な
検光子や差動検出光学系が必要である。現在これらの光
学系にはバルク型光学素子(検光子、プリズム、レンズ
等)が用いられているため、相互の位置合わせが難し
く、小型化が困難である。従来、これらのバルク型光学
系の欠点を克服する素子として、検出光学系を薄膜導波
路に集積化した、”光磁気ディスクピックアップ用導波
路型差動検出デバイス(電子通信学会量子エレクトロニ
クス研究会報告,OQE86−177,PP.31-38)”が
提案されている。しかしながら、このデバイスは、光磁
気ディスクからの反射光のノイズや強度分布に弱いとい
う欠点がある。
【0003】そこで、本発明者は先に、光磁気情報記録
媒体からの反射光の直交する二つの偏光成分を光導波路
のTEモード、TMモードとしてカップリングさせる光
導波路カップリング部と、厚みをテーパ状に変化させた
テーパ状結合部を含むTE/TMモード分離素子と光検
出器から構成された光磁気信号検出部に導いて、光磁気
信号を検出することを特徴とする光磁気信号検出装置を
発明した(特願平2−98454号)。ここで、図9を
用いて上記先願記載の光磁気信号検出装置の原理を説明
する。図9(a)は、光磁気情報記録媒体からの反射光
から光磁気信号を検出する光磁気信号検出素子と、前記
光磁気情報記録媒体からの反射光を前記光磁気信号検出
素子に導波モードとしてカップリングさせる光導波路カ
ップリング部とを備えた光磁気信号検出装置の断面図で
ある。また、図9(b)は、前記光磁気信号検出素子の
平面図である。図9(a)において、41は光源、42
はコリメートレンズ、43はプリズムカプラー、44は
対物レンズ、45は光磁気情報記録媒体、46が光磁気
信号検出素子である。また、図9(b)の光磁気信号検
出素子46において、無地で示された部分は第一光導波
路50であり、多数の点を付した部分は第二光導波路5
1であり、横線でハッチングを施した部分は第三光導波
路52である。第一光導波路50におけるTE0 モード
とTM0 モードの等価屈折率をそれぞれNe1、Nm1
し、第二光導波路におけるTE0 モードとTM0 モード
の等価屈折率をそれぞれNe2、Nm2とすると、Ne1
とNm1はほぼ等しく、Ne2とNm2は異なっている。
【0004】図9において、光源41からの出射光はコ
リメーレンズ42により集束され、プリズムカプラー4
3に入射し、プリズムカプラー43の底面からの反射光
が対物レンズ44を通って光磁気情報記録媒体45に集
光し、その反射戻り光が再び対物レンズ44を通ってプ
リズムカプラー43に入射し、光磁気信号検出素子46
の第一光導波路50にカップリングし、導波光となる。
そして、第一光導波路50を導波した光は、第二光導波
路51に結合し、TEモードを反射させTMモードを屈
折させるTE/TMモード分離素子とそれぞれのモード
を検出する光検出器57a,57bから成る光磁気信号
検出部に導波し、光磁気信号(MO信号)を検出する。
【0005】次に、光磁気信号検出部におけるMO信号
検出の原理を説明する。図9(b)において、光磁気信号
検出部におけるTE/TMモード分離素子は、第二光導
波路51と、第三光導波路52と、第二光導波路51か
ら第三光導波路52への結合部(第二結合部)58から
なっており、第二結合部58では、光導波層の膜厚が光
の波長に対して十分に緩やかに変化している。ここで、
第三光導波路52におけるTE0 モードとTM0 モード
の等価屈折率を夫々Ne3、Nm3とすると、Ne2、N
2、Ne3、Nm3は次のような関係を満足している。 Ne2>Ne3 Nm2>Nm3 Nm3/Nm2>Ne3/Ne2 従って、TE/TMモード分離素子に導波してきた光束
が第二結合部58に入射するときの入射角αが、第二結
合部58におけるTE0 モードの臨界角θe、 θe=arcsin(Ne3/Ne2) と、TM0 モードの臨界角θm、 θm=arcsin(Nm3/Nm2) の間に設定されていれば、第二結合部58において、T
0 モードは全反射し、TM0 モードは第三光導波路5
2に屈折する。そこで、全反射したTE0 モードを光検
出器57aで検出し、屈折したTM0 モードを光検出器
57bで検出してその出力の差動をとれば、MO信号が
得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな光導波路を光が伝搬する場合には、導波路界面の不
完全性や光導波路の不均質性、光導波路内の不純物など
様々な原因で散乱光が存在する。特に前記光磁気信号検
出素子におけるTE/TMモード分離素子では、第二結
合部58で導波光が反射するため、第二結合部の不完全
性によって発生する散乱光が多い。従って、光検出器で
散乱光も信号光と一緒に検出してしまい、消光比が悪く
なるという欠点がある。尚、以上のような光導波路内の
散乱光には、光導波路内で反射波を発生しない、すなわ
ち散乱光は進行方向にしか存在しないという特徴があ
る。従って、上記TE/TMモード分離素子において
は、第二結合部で反射するTE0 モードを検出する光検
出器57aではほとんど散乱光は検出されないが、屈折
したTM0 モードを検出する光検出器57bでは、信号
光であるTM0 モードとともに、散乱光も検出されてい
ることになる。本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、光導波路内の散乱光がノイズとならない構成
を有し、S/N比の良い光磁気信号が得られる光磁気信
号検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する手段
として、請求項1の発明では、光磁気情報記録媒体から
の反射光から光磁気信号を検出する光磁気信号検出素子
と、前記光磁気情報記録媒体からの反射光を前記光磁気
信号検出素子に導波モードとしてカップリングさせる光
導波路カプラーとから成る光磁気信号検出装置におい
て、前記光磁気信号検出素子は、TEモードとTMモー
ドの等価屈折率がほぼ等しい第一光導波路と、その第一
光導波路に結合されているTEモードとTMモードの等
価屈折率が異なる第二光導波路と、その第二光導波路に
結合されている第三光導波路を有し、前記第二光導波路
と前記第三光導波路と第二光導波路から第三光導波路へ
の結合部(第二結合部)から成るTE/TMモード分離
部と光検出器とでTEモード検出部を構成し、前記第二
光導波路と前記第三光導波路と第二光導波路から第三光
導波路への結合部(第二結合部)から成るTE・TMモ
ード反射部と光検出器とでTE・TMモード検出部を構
成し、前記TEモード検出部における導波光の第二結合
部への入射角度と前記TE・TMモード反射部における
導波光の第二結合部への入射角度が異なるように構成し
たことを特徴とする(図1、図2参照)。
【0008】請求項2の発明では、請求項1の光磁気信
号検出装置において、光磁気信号検出素子の第三光導波
路が第一光導波路と同一の層構成で、前記第二結合部に
おいて、前記第二光導波路における光導波層(第二光導
波層)の膜厚が徐々に薄くなっているか、または、前記
第二光導波層の膜厚が徐々に薄くなり且つ前記第一光導
波路における光導波層(第一光導波層)の膜厚が徐々に
厚くなっていることを特徴とする(図1、図2参照)。
また、請求項3の発明では、請求項1の光磁気信号検出
装置において、光磁気情報記録媒体からの反射光が光導
波路カプラーによって第一光導波路に導波モードとして
導波した後、第二光導波路に移行する際の第一光導波路
から第二光導波路への結合部(第一結合部)とTEモー
ド検出部のTE/TMモード分離部における第二結合部
の成す角が、前記第二結合部におけるTEモードの臨界
角よりも大きいことを特徴とする(図3参照)。
【0009】請求項4の発明では、請求項1,2,3の
光磁気信号検出装置において、TEモード検出部が、少
なくとも二つ以上のTE/TMモード分離部から成る
か、または、TE・TMモード検出部が少なくとも二つ
以上のTE・TMモード反射部から成ることを特徴とす
る(図4参照)。また、請求項5の発明では、請求項
1,2,3の光磁気信号検出装置において、TEモード
検出部とTE・TMモード検出部を対称に2組設けたこ
とを特徴とする(図5参照)。また、請求項6の発明で
は、請求項1,2,3の光磁気信号検出装置において、
TEモード検出部とTE・TMモード検出部を平行に2
組設けたことを特徴とする(図6参照)。
【0010】請求項7の発明では、請求項1,2,3,
4,5,6の光磁気信号検出装置において、光導波路カ
プラーが、前記第一光導波路の第一光導波層と、この上
に形成された前記第一光導波層よりも低い屈折率を持つ
第一のギャップ層と、この上に形成された前記第一光導
波層よりも低い屈折率を持つ第二のギャップ層と、この
上に形成された前記第一光導波層よりも高い屈折率を持
つ誘電性接着層と、この上に設けられた前記第一光導波
層よりも高い屈折率を持つ誘電体プリズムにより構成さ
れ、且つ前記プリズムが配置される部分に第二のギャッ
プ層の一部が形成されない部分を設けるとともに、この
部分に誘電性接着層が充填されていることを特徴とする
(図7参照)。また、請求項8の発明では、請求項1,
2,3,4,5,6の光磁気信号検出装置において、光
導波路カプラーが、前記第一光導波路の第一光導波層
と、この上に形成された前記第一光導波層よりも低い屈
折率を持つ第一のギャップ層と、その上の一部分に形成
された吸収性薄膜と、吸収性薄膜の形成された部分と第
一のギャップ層の一部分の上に形成された前記第一光導
波層よりも高い屈折率を持つ誘電性接着層と、この上に
設けられた前記第一光導波層よりも高い屈折率を持つ誘
電体プリズムにより構成されたことを特徴とする(図8
参照)。
【0011】
【作用】図9に示した従来例(特願平2−98454
号)においては、TE/TMモード分離部で反射するT
Eモードと屈折するTMモードの差動信号をとっていた
ため、屈折するTMモードと一緒に検出されてしまう散
乱光の影響を除去できなかったが、これに対して本発明
の光磁気信号検出装置では、TE/TMモード分離部と
光検出器とでTEモード検出部を構成し、且つ、TE・
TMモード反射部と光検出器とでTE・TMモード検出
部を構成したことにより、TE/TMモード分離部で反
射するTEモードと、TE・TMモード反射部で反射す
るTEモードとTMモードを検出し、それら反射光の差
動信号をとることができるため、導波路内散乱光の影響
の少ない、S/N比の良い光磁気信号を得ることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいて本発明の構
成、動作を説明する。 (実施例1)図1は請求項1の光磁気信号検出装置の一
実施例を示す光磁気信号検出素子の平面図である。尚、
光磁気信号検出装置の全体構成は図9(a)と同様であ
り、光磁気信号検出装置は、光源41とコリメートレン
ズ42及び光源41からの光を光磁気情報記録媒体45
上に集光させる対物レンズ44とからなる集光光学系
と、光磁気情報記録媒体45からの光磁気信号を検出す
る光磁気信号検出素子46と、光磁気情報記録媒体45
からの反射光を光磁気信号検出素子46に導波モードと
して導く光導波路カプラー(プリズムカプラー)43と
によって構成されており、本発明では、光磁気信号検出
素子の構成が従来例とは異なっている。図1の光磁気信
号検出素子において、無地で示された部分は第一光導波
路(領域)10であり、多数の点を付した部分は第二光
導波路(領域)11であり、横線でハッチングを施した
部分は第三光導波路(領域)12である。第一光導波路
10におけるTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率
をそれぞれNe1、Nm1とし、第二光導波路におけるT
0 モードとTM0 モードの等価屈折率をそれぞれNe
2、Nm2とすると、Ne1とNm1はほぼ等しく、Ne2
とNm2は異なっている。また、図1においては、8,
9は光検出器である。
【0013】図9(a)において、光源41からの出射
光はコリメーレンズ42により集束され、プリズムカプ
ラー43に入射し、プリズムカプラー43の底面からの
反射光が対物レンズ44を通って光磁気情報記録媒体4
5に集光し、その反射戻り光が再び対物レンズ44を通
ってプリズムカプラー43に入射し、図1に示す光磁気
信号検出素子46の第一光導波路10にカップリング
し、導波光となる。そして、第一光導波路10を導波し
た光は、第一結合部2aを経て第二光導波路11に結合
し、TEモードを反射させTMモードを屈折させるTE
/TMモード分離部と反射したTEモードを検出する光
検出器8から成るTEモード検出部と、TEモードとT
Mモードを両方反射させるTE・TMモード反射部と反
射した両モードを検出する光検出器9から成るTE・T
Mモード検出部に分離し、光磁気信号(以下、MO信号
とする)を得る。尚、図1においては、中心光線より右
側にTEモード検出部が、左側にTE・TMモード検出
部が構成されている。
【0014】次に光磁気信号検出素子におけるMO信号
検出の原理を説明する。TEモード検出部におけるTE
/TMモード分離部は、第二光導波路11と、第三光導
波路12と、第二光導波路11から第二光導波路12へ
の結合部(第二結合部)7aからなっており、第二結合
部7aでは、光導波層の膜厚が、光の波長に対して十分
に緩やかに変化している。第三光導波路12におけるT
0 モードとTM0 モードの等価屈折率をそれぞれNe
3、Nm3とすると、Ne2、Nm2、Ne3、Nm3は次の
ような関係を満足している。 Ne2>Ne3 Nm2>Nm3 Nm3/Nm2>Ne3/Ne2 従って、TE/TMモード分離素子に導波してきた光束
が第二結合部7aに入射するときの入射角αが、第二結
合部7aにおけるTE0 モードの臨界角θe、 θe=arcsin(Ne3/Ne2) と、TM0 モードの臨界角θm、 θm=arcsin(Nm3/Nm2) の間に設定されていれば、第二結合部7aにおいて、T
0 モードは全反射し、TM0 モードは第三光導波路1
2に屈折する。従って、光検出器8では、全反射したT
0 モードのみを検出できる。
【0015】一方、TE・TMモード検出部も、前記第
二光導波路11と前記第三光導波路12と前記第二光導
波路11から第三光導波路への結合部(第二結合部)7
bから成るTE・TMモード反射部と光検出器9とで構
成されているが、TE・TMモード反射部に導波してき
た光束が第二結合部7bに入射するときの入射角βは、
第二結合部7bにおけるTE0 モードの臨界角θe、T
0 モードの臨界角θmよりも大きい(β>θe,θ
m)。従って、光検出器9ではTE0 モードとTM0
ードの両方が検出される。
【0016】今、光検出器8の出力をP8 、光検出器9
の出力をP9 とすると、前述のように導波路内の散乱光
は導波路内で反射波を発生しない、すなわち散乱光は進
行方向にしか存在しないので、P8 はほとんどTE0
ードの強度Pe であり、P9はTE0 モードの強度P'e
とTM0 モードの強度P'mの和である。また、TE/T
Mモード分離部に導波してきて第二結合部に入射する前
の導波光の強度Ps とTE・TMモード反射部に導波し
てきて第二結合部に入射する前の導波光の強度Pr の比
をx(=Ps/Pr)とし、さらに、TE/TMモード分
離部で分離して第三光導波路に屈折したTM0 モードの
強度を仮にPm とすると、 x=Ps/Pr=(Pe+Pm)/(P'e+P’m) となる。ここで、以下のような差動信号ΔM、 ΔM≡2・P8−x・P9 を定義すると、ΔMは、 ΔM=2Pe−x・(P'e+P'm)=Pe−Pm となり、MO信号が得られる。
【0017】前述の従来例では、図9(b)において、光
検出器57aの出力Pa はTE0 モードの強度Pe であ
るが、光検出器57bの出力Pb はTM0 モードの強度
Pmと散乱光の強度Pscatの和であるため、差動信号Pa
−Pbをとっても、 Pa−Pb=Pe−Pm−Pscat となり散乱光の影響を除去できなかった。これに対し
て、本発明では、前述のようにΔM≡2・P8−x・P9
という信号を採ることによって、従来例に比べて散乱光
の影響のないS/N比の良いMO信号が得られる。この
ようにしてMO信号を検出するときには、光磁気情報記
録媒体45からの反射光のs偏光成分、p偏光成分が、
両方同時にTE0 モード、TM0 モードとして、第一光
導波路にカップリングしなければならないが、第一光導
波路におけるTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率
はほぼ等しいので、プリズムカプラー43によって両方
同時にカップリングされる。
【0018】また、請求項2のように、第三光導波路1
2が第一光導波路10と同一の層構成で、第一光導波路
10及び第三光導波路12におけるTE0 モードとTM
0 モードの等価屈折率Ne1(=Ne3)とNm1(=N
3)がほぼ等しく、且つ次式を満足すれば、 Ne2>Ne1 Nm2>Nm1 Nm1/Nm2>Ne1/Ne2 本実施例と同様にMO信号が検出でき、且つ第三光導波
路が第一光導波路と同一でない場合よりも、製造工程を
簡略化できる。
【0019】また、図1では、TEモード検出部と、T
E・TMモード検出部に分離した導波光が、導波光の中
心光線に対して対称な向きに反射するようにそれぞれの
検出部におけるTE/TMモード分離部、TE・TMモ
ード反射部が配置されているが、これは、必ずしも図1
のような配置にする必要はなく、例えば、図2(a)に
示すように、第三光導波路12を2箇所に設け、TEモ
ード検出部と、TE・TMモード検出部に分離した導波
光が、導波光の中心光線に対して同じ向きに(図2では
右側に反射している)反射するような配置でも良い。さ
らに、図1、図2(a)ともに導波光の中心光線に対し
て右側がTEモード検出部、左側がTE・TMモード検
出部であるが、図2(b)のように左側がTEモード検
出部、右側がTE・TMモード検出部であっても良い。
【0020】(実施例2)次に、請求項3の一実施例と
して、図3に光磁気信号検出素子のTEモード検出部の
実施例を示す。図3において、1は光検出器、符号11
の多数の点を付した部分は第二光導波路(領域)であ
り、符号10の無地の部分は第一光導波路(領域)であ
り、12の横線のハッチングで示された部分は第三光導
波路(領域)である。TE/TMモード分離部は、第二
光導波路11と、第三光導波路12と、第二光導波路か
ら第三光導波路への結合部(第二結合部)7aからなっ
ており、第二結合部7aでは、光導波路の膜厚が、光の
波長に対して十分に緩やかに変化している。ここで、第
二光導波路11と第三光導波路12におけるTE0 モー
ドとTM0モードの等価屈折率をそれぞれNe2、N
2、Ne3、Nm3とすると、Ne2、Nm2、Ne3、N
3は次のような関係を満足している。 Ne2>Ne3 Nm2>Nm3 Nm3/Nm2>Ne3/Ne2 また、第一光導波路10におけるTE0 モードとTM0
モードの等価屈折率をそれぞれNe1、Nm1とする。
【0021】図1の実施例1においては、第一光導波路
10を導波した光は、第一光導波路10から第二光導波
路11への結合部(第一結合部)2aに垂直に入射して
いるが、図3に示す本実施例では、第一光導波路10を
導波した光のうち光磁気信号検出部に導かれる光束は、
第一結合部2aに斜入射する。実施例1の場合のよう
に、第一光導波路10を導波した光が第一結合部2aに
垂直に入射した場合には、第二光導波路11を導波する
TE0 モードとTM0 モードの光路は等しいので、TE
/TMモード分離部に導波してきた光束が第二結合部に
入射するときの入射角αが、第二結合部7aにおけるT
0 モードの臨界角θe=arcsin(Ne3/Ne2)と、T
0 モードの臨界角θm=arcsin(Nm3/Nm2)の間に
設定されていれば、すなわち次式を満足していれば、 arcsin(Ne3/Ne2)<α<arcsin(Nm3/Nm2) 第二結合部において、TE0 モードは全反射し、TM0
モードは第三光導波路に屈折する。
【0022】これに対して、本実施例では、さらに、第
一結合部2aに光が斜め入射するので、第一結合部にお
いて、TE0 モードとTM0 モードの光路が分離し、第
一結合部への入射角βの許容範囲(TE0 モードは全反
射、TM0 モードは屈折となる範囲)が、前記αの許容
範囲、すなわち第二結合部における臨界角θeとθmの
差よりも大きくなる。但し、第一結合部と第二結合部の
なす角γが臨界角θeよりも小さい場合には、逆に入射
角βの許容範囲はθeとθmの差よりも小さくなるの
で、γは臨界角θeよりも大きくなければならない。こ
のように、第一結合部2aが導波光の光路に対して対し
て斜めになり、且つ第二結合部7aとのなす角γが第二
結合部でのTE0 モードの臨界角θeよりも大きくなる
ようにすれば、導波光の入射角の許容範囲が大きくな
り、各素子の作製誤差や位置ずれに対して強くなる。
【0023】次に、別の実施例を用いて請求項4の発明
について説明する。 (実施例3)図4は本発明の光磁気信号検出装置の一実
施例を説明するための構成図で、光磁気信号検出素子の
平面図である。図4の光磁気信号検出素子において、無
地で示された部分は第一光導波路(領域)10であり、
多数の点を付した部分は第二光導波路(領域)11であ
り、横線でハッチングを施した部分は第三光導波路(領
域)12である。また、実施例1の図1と同じように、
導波光の中心光線に対して右側がTEモード検出部で、
左側がTE・TMモード検出部となっている。第一光導
波路10におけるTE0 モードとTM0 モードの等価屈
折率をそれぞれNe1、Nm1とし、第二光導波路11に
おけるTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率をそれ
ぞれNe2、Nm2とすると、Ne1とNm1は略等しく、
Ne2とNm2は異なっている。また、図4においては、
1,2は光検出器である。
【0024】本実施例のTEモード検出部は、第二光導
波路11と、第三光導波路12と、第二光導波路11か
ら第三光導波路12への結合部(第二結合部)7a,5
からなるTE/TMモード分離部が二つ存在し、それぞ
れのTE/TMモード分離部(7a,5)は平行な位置
関係になっている。そして、二つのTE/TMモード分
離部で反射されたTE0 モードが、光検出器1で検出さ
れる。また、TE・TMモード検出部も、第二光導波路
11と、第三光導波路12と、第二光導波路11から第
三光導波路12への結合部(第二結合部)7b,6から
なるTE・TMモード反射部が二つ存在し、それぞれの
TE・TMモード反射部は平行な位置関係になってい
る。そして、二つのTE・TMモード反射部(7b,
6)で反射されたTE0 モードとTM0 モードが、光検
出器2で検出される。尚、MO信号の検出原理は実施例
1と同様である。本実施例のように、TEモード検出部
において、TE/TMモード分離部を二つ、またはそれ
以上設置し、複数回反射させた後TE0 モードを検出す
ると、より散乱光成分の少ない良質な信号が得られるこ
とになる。これは、TE・TMモード検出部でも同様
で、TE・TMモード反射部を複数設置し、複数回反射
させた方が、より散乱光成分の少ない良質な信号が得ら
れる。
【0025】以上の実施例は、全て光磁気情報記録媒体
から反射して光導波路カプラーを通って第一光導波路1
0にカップリングした導波光の面内強度分布が時間によ
って変わらない場合、すなわち、実施例1で述べた、T
E/TMモード分離部に導波してきて第二結合部に入射
する前の導波光の強度Ps とTE・TMモード反射部に
導波してきて第二結合部に入射する前の導波光の強度P
r の比x(=Ps/Pr)が、常に一定な場合を考えている
が、実際の光磁気情報記録再生装置においては、いわゆ
るトラッキングエラーがあるため、前記x(導波光の面
内強度分布)が一定ではない。請求項5の発明は上記問
題を解決するためのものであり、以下、図5に示した実
施例をもとに説明する。
【0026】(実施例4)図5は本発明の光磁気信号検
出装置の一実施例を説明するための構成図で、光磁気信
号検出素子の平面図である。図5の光磁気信号検出素子
において、無地で示された部分は第一光導波路(領域)
10であり、多数の点を付した部分は第二光導波路(領
域)11であり、横線でハッチングを施した部分は第三
光導波路(領域)12である。前述の実施例1,3で
は、TEモード検出部とTE・TMモード検出部がそれ
ぞれ一つずつしか存在しなかったのに対して、本実施例
では、TEモード検出部とTE・TMモード検出部が導
波光の中心光線に対して対称に二つづつ構成されてい
る。ここで、図5に示すように、光導波路にカップリン
グした導波光を四つに分けて右側の光束から順に5a,
5b,5c,5dとすると、トラッキングエラーのた
め、右側の光束(5a+5b)の光量と、左側の光束
(5c+5d)の光量の比は変化するが、もっと小さな
領域での導波光の光量の面内分布の変化は無視できる。
すなわち、5aと5bの光束の光量比は一定であり、5
cと5dの光束の光量比も一定であるとして良い。従っ
て、5a、5b、5c、5dの光量をそれぞれPa,P
b,Pc,Pdとすると、xr=Pb/Pa とxl=Pc/Pd
は一定である。
【0027】次に、図5に示す構成の光磁気信号検出素
子におけるMO信号検出の原理を説明する。まず、前記
光束5aは光検出器1を含むTE・TMモード検出部に
入射し、前記光束5bは光検出器2を含むTEモード検
出部に入射する。そして、実施例1と同じ原理で、光検
出器1でTE0 モードとTM0 モードの両方が検出さ
れ、光検出器2でTE0 モードが検出される。ここで、
光検出器1で検出されたTE0モードの強度をP'er 、
TM0 モードの強度をP'mr とし、光検出器2で検出さ
れたTE0 モードの強度をPerとする。同様に、前記光
束5cは光検出器3を含むTEモード検出部に入射し、
前記光束5dは光検出器4を含むTE・TMモード検出
部に入射するので、光検出器3で検出されたTE0 モー
ドの強度をPelとし、光検出器4で検出されたTE0
ードの強度をP'el 、TM0 モードの強度をP'ml とす
る。
【0028】今、光検出器1,2,3,4の出力をそれ
ぞれP1,P2,P3,P4とし、仮に、光検出器2を含む
TEモード検出部において第三光導波路12に屈折した
TM0 モードの強度をPmlとすると、前記xr、xlは次
のようになる。 xr=Pb/Pa=(Per+Pmr)/(P'er+P'mr) xl=Pc/Pd=(Pel+Pml)/(P'el+P'ml) ここで、以下のような差動信号ΔM、 ΔM≡2・(P2+P3)−(xr・P1+xl・P4) を定義すると、ΔMは、 ΔM=2(Per+Pel)−(Per+Pmr+Pel+Pml)=
(Per+Pel)−(Pmr+Pml) となる。従って、トラッキングエラーのため、右側の光
束の光量(Pa+Pb)と、左側の光束の光量(Pc+P
d)の比が変化しても、全光束におけるTE0 モードと
TM0 モードの強度比に影響を与えない、すなわち、導
波光の面内強度分布に対して強いMO信号が得られる。
【0029】次に、別の実施例を用いて請求項6の発明
について説明する。 (実施例5)図6は本発明の光磁気信号検出装置の一実
施例を説明するための構成図で、光磁気信号検出素子の
平面図である。図6の光磁気信号検出素子において、無
地で示された部分は第一光導波路(領域)10であり、
多数の点を付した部分は第二光導波路(領域)11であ
り、横線でハッチングを施した部分は第三光導波路(領
域)12である。本実施例では、実施例4と同じように
TEモード検出部とTE・TMモード検出部が導波光の
中心光線に対して二つづつ構成されているが、二つのT
Eモード検出部とTE・TMモード検出部の配置は、実
施例4では対称な位置関係であったのに対して、本実施
例では平行な位置関係となっている。ここで、図6に示
すように、光導波路にカップリングした導波光を四つに
分けて右側の光束から順に6a,6b,6c,6dとす
ると、実施例4で説明したとおり、右側の光束(6a+
6b)の光量と、左側の光束(6c+6d)の光量の比
は変化するが、もっと小さな領域での導波光の光量の面
内分布の変化は無視できる。すなわち、6aと6bの光
束の光量比は一定であり、6cと6dの光束の光量比も
一定であるとして良い。従って、6a、6b、6c、6
dの光量をそれぞれPa,Pb,Pc,Pdとすると、xr
=Pb/Pa とxl=Pc/Pd は一定である。
【0030】次に、図6に示す構成の光磁気信号検出素
子におけるMO信号検出の原理を説明する。尚、MO信
号の検出の原理は実施例4と同様である。前記光束6a
は光検出器1を含むTE・TMモード検出部に入射し、
前記光束6bは光検出器2を含むTEモード検出部に入
射する。そして、前記光束6cは光検出器3を含むTE
モード検出部に入射し、前記光束6dは光検出器4を含
むTE・TMモード検出部に入射する。光検出器1で検
出されたTE0 モードの強度をP'er 、TM0 モードの
強度をP'mr とし、光検出器2で検出されたTE0 モー
ドの強度をPerとする。さらに、光検出器3で検出され
たTE0 モードの強度をPelとし、光検出器4で検出さ
れたTE0 モードの強度をP'el 、TM0 モードの強度
をP'ml とする。そして、光検出器1,2,3,4の出
力をそれぞれP1,P2,P3,P4とし、以下のような差
動信号ΔM、 ΔM≡2・(P2+P3)−(xr・P1+xl・P4) を定義すると、ΔMは、 ΔM=2(Per+Pel)−(Per+Pmr+Pel+Pml)=
(Per+Pel)−(Pmr+Pml) となり、実施例4と同様に、導波光の面内強度分布に対
して強いMO信号が得られる。
【0031】ところで、実際に本発明の光磁気信号検出
素子を作製する場合には、成膜やエッチング等の各プロ
セスの際の作成誤差によって設計値との違いが生じ、T
Eモード検出部におけるTE/TMモード分離部で、T
EモードとTMモードが分離しない場合がある。すなわ
ち、導波光がTE/TMモード分離部の第二結合部に入
射する際の入射角度が、TEモードの臨界角とTMモー
ドの臨界角の間に入らなくなる場合がある。このような
場合、実施例4のように、TEモード検出部とTE・T
Mモード検出部が導波光の中心光線に対して対称に二つ
づつ構成されている場合には補正できないが、本実施例
のように、二つのTEモード検出部とTE・TMモード
検出部がそれぞれ中心光線に対して平行な位置関係の場
合には、光磁気情報記録媒体から光導波路カプラー43
を通って光磁気信号検出素子に入射するときの入射角度
を微調整することで前記導波光がTE/TMモード分離
部の第二結合部に入射する際の入射角度を補正すること
ができる。また、実施例4と5において、導波光の中心
光線に近い光束をTEモード検出部に導き、外側の光束
をTE・TMモード検出部に導いているのは、TEモー
ド検出部では、TE/TMモード分離部でTEモードと
TMモードが分離しなくてはならないので、導波光がT
E/TMモード分離部の第二結合部に入射する際の入射
角度の許容量が、TE・TMモード検出部のTE・TM
モード反射部での入射角度許容量に比べて小さいため、
外側の光束に比べて前記入射角の変化量が少ない中心光
線に近い光束をTEモード検出部に導くわけである。
【0032】次に、図7は請求項7の一実施例を示す図
であって、光磁気信号検出素子の第一光導波路及び光導
波路カプラーの要部断面図である。以下、図7を用いて
請求項7記載の光導波路カプラーについて説明する。図
7において、基板21上に形成されたバッファ層22の
上に光導波層23が積層されており、これは、実施例1
で述べたTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率の等
しい第一光導波路の光導波層に当たる(但し、第一光導
波路は必ずしも本実施例のような層構成になっている必
要はなく、基板の上に直接光導波層が形成されていても
よい)。光導波層23の上にはこの光導波層23よりも
屈折率の低い第一ギャップ層24が積層されている。さ
らに第一ギャップ24層の上に光導波層23よりも屈折
率の低い第二ギャップ層25が積層されているが、第二
ギャップ層25が形成されていない領域28が一部存在
する。そしてこの上に、光導波層23よりも高い屈折率
を持つ誘電体プリズム27がこのプリズムとほぼ同じ程
度の屈折率を持つ誘電性接着剤26により接着され、光
導波路カプラー(プリズムカプラー)43を構成してい
る。
【0033】光磁気情報記録媒体からの反射光は、第二
ギャップ層25の形成されていない領域28に入射し、
第一ギャップ層は24は、前記入射光のプリズム底面で
のビームの大きさ(あるいは第二ギャップ層25の形成
されていない領域28の長さ)に対応して最適な厚み、
すなわち、前記入射光が光導波層23へ最も効率良く結
合できる膜厚d1 を持つ。ここで、第一ギャップ層24
の膜厚をd1 としたとき、第二ギャップ層25の膜厚を
十分厚くすれば、一度光導波層23に導波した光が再び
プリズム27に結合してプリズムから外に出てしまう
(デカップリングする)光がほぼゼロにでき、最高の結
合効率が得られる。また、第二ギャップ層25の形成さ
れていない領域28の位置で光がカップリングできる位
置が決まるので、所望の位置に正確に光を入射できる。
【0034】次に、請求項7のより具体的な実施例を図
7を用いて説明する。 (構成) 波長:633nm 基板21:Si(屈折率n=3.858-0.018i)。 バッファ層22:SiO2(屈折率nb=1.460,膜厚db
=1.000μm)熱酸化により成膜。 光導波層23:SiON(屈折率nf=1.530,膜厚df
=1.500μm)CVDにより成膜。 第一ギャップ層24:SiO2(屈折率ng1=1.470,膜
厚dg1=0.500μm)スパッタにより成膜。 第二ギャップ層25:OCD(膜厚dg2=0.700μm)
SiO2系塗布膜、東京応化製。 プリズム27:高屈折率光学ガラス(屈折率np=1.80
0)。 誘電性接着剤26:光学的に透明な高屈折率材料。例え
ばポリイミド系樹脂。ここでは、デュポン社製パイラリ
ン2555(屈折率na=1.720)。
【0035】第二ギャップ層25の形成されていない領
域28の長さは2mmとし、この領域28は次のように
して作成した。先ず第一ギャップ層24を成膜後、スピ
ンコートによりOCDを塗布する。さらに、フォトレジ
ストを塗布し、上記領域28に対応した遮光マスクを置
いて露光、現像し、上記領域部のフォトレジストが除去
される。その後、緩衝フッ酸により、第二ギャップ層2
5(即ちOCD)をエッチングする。本実施例では、T
0 モードとTM0 モードの等価屈折率は、それぞれ1.
517、1.517となり、両モードとも結合効率80%が得ら
れた。また、第二ギャップ層25の厚みを0.700μmと
したのでデカップリングによる出射光量はほぼゼロであ
った。
【0036】次に、図8は請求項8の一実施例を示す図
であって、光磁気信号検出素子の第一光導波路及び光導
波路カプラーの要部断面図である。以下、図8を用いて
請求項8記載の光導波路カプラーについて説明する。図
8において、基板31上に形成されたバッファ層32の
上に光導波層33が積層されており、これは、実施例1
で述べたTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率の等
しい第一光導波路の光導波層に当たる(但し、第一光導
波路は必ずしも本実施例のような層構成になっている必
要はなく、基板の上に直接光導波層が形成されていても
よい)。光導波層33の上にはこの光導波層33よりも
屈折率の低い第一ギャップ層34が積層されている。さ
らに、第一ギャップ34層の上に吸収性薄膜層35が積
層されているが、吸収性薄膜層35が形成されていない
領域38が一部存在する。そして、この上に、光導波層
33よりも高い屈折率を持つ誘電体プリズム37がこの
プリズムとほぼ同じ程度の屈折率を持つ誘電性接着剤3
6により接着され、光導波路カプラー(プリズムカプラ
ー)43が構成されている。
【0037】このように、図8に示す光導波路カプラー
の特徴は、図7に示した請求項7の光導波路カプラーに
おける(誘電体の)第二ギャップ層25の代わりに、吸
収性薄膜層35を構成したことにある。この吸収性薄膜
層35は、前記第二ギャップ層25と同じく、デカップ
リングを防ぐ効果があり、且つ第二ギャップ層25に比
べて膜厚を厚くする必要がないので、成膜が簡単であ
る。但し、第一ギャップ層34が比較的薄い場合には、
吸収性薄膜層35によって、導波光が吸収損失を受ける
場合がある。従って、第一ギャップ層34が比較的薄い
場合には、吸収性薄膜層35の形成されている領域はで
きるだけ狭い方が良い。
【0038】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて説明したよう
に、従来例(特願平2−98454号)においては、T
E/TMモード分離部で反射するTEモードと屈折する
TMモードの差動信号をとっていたため、屈折するTM
モードと一緒に検出されてしまう散乱光の影響を除去で
きなかったが、請求項1の光磁気信号検出装置では、T
E/TMモード分離部と光検出器とでTEモード検出部
を構成し、且つ、TE・TMモード反射部と光検出器と
でTE・TMモード検出部を構成したことにより、TE
/TMモード分離部で反射するTEモードと、TE・T
Mモード反射部で反射するTEモードとTMモードを検
出し、それら反射光の差動信号をとることができるた
め、導波路内散乱光の影響の少ない、S/N比の良い光
磁気信号(MO信号)を得ることができる。
【0039】請求項2の光磁気信号検出装置において
は、光磁気信号検出素子における第三光導波路を、第一
光導波路と同じ層構成(膜構成)にすることにより、作
成工程を簡略化することができる。請求項3の光磁気信
号検出装置においては、光磁気信号検出素子のTEモー
ド検出部に導かれる導波光の光路に対して第一結合部が
斜めになっており、且つ第一結合部と第二結合部のなす
角度が、第二結合部でのTEモードの臨界角よりも大き
くなるようにすることにより、前記導波光の第一結合部
に入射するときの入射角度の許容範囲が大きくなり、作
成誤差や位置ずれに対しても強くなる。
【0040】請求項4の光磁気信号検出装置において
は、光磁気信号検出素子のTEモード検出部が、少なく
とも二つ以上のTE/TMモード分離部からなるか、ま
たは、TE・TMモード検出部が少なくとも二つ以上の
TE・TMモード反射部からなることによって、複数回
反射したTEモード、もしくは複数回反射したTEモー
ドとTMモードを検出することになり、一回だけ反射し
た光を検出するよりも散乱光成分の少ない、即ちS/N
比の良い光磁気信号を検出することができる。請求項5
の光磁気信号検出装置においては、光磁気信号検出素子
のTEモード検出部とTE・TMモード検出部を導波光
の中心光線に対して対称に二つづつ構成することによっ
て、導波光の面内強度分布に対しても強い光磁気信号を
得ることができる。請求項6の光磁気信号検出装置にお
いては、光磁気信号検出素子のTEモード検出部とTE
・TMモード検出部を導波光の中心光線に対して平行に
二つづつ構成することによって、導波光の面内強度分布
に対しても強い光磁気信号を得ることができると共に、
光磁気情報記録媒体からの反射光が光導波路カプラーに
入射する際の入射角度を調整することによって、導波光
がTEモード検出部におけるTE/TMモード分離部の
第二結合部に入射する際の入射角度を補正することがで
きる。
【0041】請求項7の光磁気信号検出装置において
は、光導波路カプラーが、光磁気信号検出素子の第一光
導波路の第一光導波層の上に形成された前記第一光導波
層よりも低い屈折率を持つ第一のギャップ層と、この上
に形成された前記第一光導波層よりも低い屈折率を持つ
第二のギャップ層と、この上に形成された前記第一光導
波層よりも高い屈折率を持つ誘電性接着層と、この上に
設けられた前記第一光導波層よりも高い屈折率を持つ誘
電体プリズムにより構成され、且つ前記プリズムが配置
される部分に第二のギャップ層の一部が形成されない部
分を設けると共に、この部分に誘電性接着層が充填され
ていることによって、一度光導波層に導波した光が再び
プリズムに結合してプリズムから外に出てしまう(デカ
ップリングする)光をほぼゼロにすることができ最高の
結合効率を得ることができ、且つ、第二ギャップ層が形
成されていない領域の位置で光がカップリングできる位
置が決まるので、光導波路上の所望の位置に正確に光を
入射することができる。
【0042】請求項8の光磁気信号検出装置において
は、光導波路カプラーが、光磁気信号検出素子の第一光
導波路の第一光導波層の上に形成された前記第一光導波
層よりも低い屈折率を持つ第一のギャップ層と、その上
の一部分に形成された吸収性薄膜と、吸収性薄膜の形成
された部分と第一のギャップ層の一部分の上に形成され
た前記第一光導波層よりも高い屈折率を持つ誘電性接着
層と、この上に設けられた前記第一光導波層よりも高い
屈折率を持つ誘電体プリズムにより構成されることによ
って、一度光導波層に導波した光が再びプリズムに結合
してプリズムから外に出てしまう(デカップリングす
る)光をほぼゼロにすることができ最高の結合効率を得
ることができ、且つ、吸収性薄膜層が形成されていない
領域の位置で光がカップリングできる位置が決まるの
で、光導波路上の所望の位置に正確に光を入射でき、且
つ、吸収性薄膜層は請求項7における第二ギャップ層よ
りも薄くてもよいため、成膜も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す光磁気信号検出素子の平面図である。
【図2】(a),(b)は請求項1の光磁気信号検出装
置のそれぞれ別の実施例を示す光磁気信号検出素子の平
面図である。
【図3】請求項3の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す光磁気信号検出素子のTEモード検出部の平面図であ
る。
【図4】請求項4の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す光磁気信号検出素子の平面図である。
【図5】請求項5の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す光磁気信号検出素子の平面図である。
【図6】請求項6の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す光磁気信号検出素子の平面図である。
【図7】請求項7の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す図であって、光磁気信号検出素子の第一光導波路及び
光導波路カプラーの要部断面図である。
【図8】請求項8の光磁気信号検出装置の一実施例を示
す図であって、光磁気信号検出素子の第一光導波路及び
光導波路カプラーの要部断面図である。
【図9】(a)は光磁気信号検出装置の一構成例を示す
断面図、(b)は従来技術による光磁気信号検出素子の
平面図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,8,9・・・光検出器 2a・・・第一結合部 5,6,7a,7b・・・第二結合部 10・・・第一光導波路 11・・・第二光導波路 12・・・第三光導波路 21,31・・・基板 22,32・・・バッファ層 23,33・・・第一光導波層 24,34・・・第一ギャップ層 25・・・第二ギャップ層 35・・・吸収性薄膜層 41・・・光源 42・・・コリメートレンズ 43・・・光導波路カプラー 44・・・対物レンズ 45・・・光磁気情報記録媒体 46・・・光磁気信号検出素子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光磁気情報記録媒体からの反射光から光磁
    気信号を検出する光磁気信号検出素子と、前記光磁気情
    報記録媒体からの反射光を前記光磁気信号検出素子に導
    波モードとしてカップリングさせる光導波路カプラーと
    から成る光磁気信号検出装置において、 前記光磁気信号検出素子は、TEモードとTMモードの
    等価屈折率がほぼ等しい第一光導波路と、その第一光導
    波路に結合されているTEモードとTMモードの等価屈
    折率が異なる第二光導波路と、その第二光導波路に結合
    されている第三光導波路を有し、前記第二光導波路と前
    記第三光導波路と第二光導波路から第三光導波路への結
    合部(第二結合部)から成るTE/TMモード分離部と
    光検出器とでTEモード検出部を構成し、前記第二光導
    波路と前記第三光導波路と第二光導波路から第三光導波
    路への結合部(第二結合部)から成るTE・TMモード
    反射部と光検出器とでTE・TMモード検出部を構成
    し、前記TEモード検出部における導波光の第二結合部
    への入射角度と前記TE・TMモード反射部における導
    波光の第二結合部への入射角度が異なるように構成した
    ことを特徴とする光磁気信号検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1の光磁気信号検出装置において、
    光磁気信号検出素子の第三光導波路が第一光導波路と同
    一の層構成で、前記第二結合部において、前記第二光導
    波路における光導波層(第二光導波層)の膜厚が徐々に
    薄くなっているか、または、前記第二光導波層の膜厚が
    徐々に薄くなり且つ前記第一光導波路における光導波層
    (第一光導波層)の膜厚が徐々に厚くなっていることを
    特徴とする光磁気信号検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1の光磁気信号検出装置において、
    光磁気情報記録媒体からの反射光が光導波路カプラーに
    よって第一光導波路に導波モードとして導波した後、第
    二光導波路に移行する際の第一光導波路から第二光導波
    路への結合部(第一結合部)とTEモード検出部のTE
    /TMモード分離部における第二結合部の成す角が、前
    記第二結合部におけるTEモードの臨界角よりも大きい
    ことを特徴とする光磁気信号検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2,3の光磁気信号検出装置に
    おいて、TEモード検出部が、少なくとも二つ以上のT
    E/TMモード分離部から成るか、または、TE・TM
    モード検出部が少なくとも二つ以上のTE・TMモード
    反射部から成ることを特徴とする光磁気信号検出装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3の光磁気信号検出装置に
    おいて、TEモード検出部とTE・TMモード検出部を
    対称に2組設けたことを特徴とする光磁気信号検出装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3の光磁気信号検出装置に
    おいて、TEモード検出部とTE・TMモード検出部を
    平行に2組設けたことを特徴とする光磁気信号検出装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5,6の光磁気信
    号検出装置において、光導波路カプラーが、前記第一光
    導波路の第一光導波層と、この上に形成された前記第一
    光導波層よりも低い屈折率を持つ第一のギャップ層と、
    この上に形成された前記第一光導波層よりも低い屈折率
    を持つ第二のギャップ層と、この上に形成された前記第
    一光導波層よりも高い屈折率を持つ誘電性接着層と、こ
    の上に設けられた前記第一光導波層よりも高い屈折率を
    持つ誘電体プリズムにより構成され、且つ前記プリズム
    が配置される部分に第二のギャップ層の一部が形成され
    ない部分を設けるとともに、この部分に誘電性接着層が
    充填されていることを特徴とする光磁気信号検出装置。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6の光磁気信
    号検出装置において、光導波路カプラーが、前記第一光
    導波路の第一光導波層と、この上に形成された前記第一
    光導波層よりも低い屈折率を持つ第一のギャップ層と、
    その上の一部分に形成された吸収性薄膜と、吸収性薄膜
    の形成された部分と第一のギャップ層の一部分の上に形
    成された前記第一光導波層よりも高い屈折率を持つ誘電
    性接着層と、この上に設けられた前記第一光導波層より
    も高い屈折率を持つ誘電体プリズムにより構成されたこ
    とを特徴とする光磁気信号検出装置。
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