JPH05225521A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JPH05225521A
JPH05225521A JP2415592A JP2415592A JPH05225521A JP H05225521 A JPH05225521 A JP H05225521A JP 2415592 A JP2415592 A JP 2415592A JP 2415592 A JP2415592 A JP 2415592A JP H05225521 A JPH05225521 A JP H05225521A
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JP
Japan
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film
magnetic
core
frame
magnetic head
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JP2415592A
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Osamu Ishikawa
理 石川
Tadao Suzuki
忠男 鈴木
Kosuke Narisawa
浩亮 成沢
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 薄膜磁気ヘッドの上層コアを、フロントギャ
ップ部を除いて複数の磁性体膜が非磁性体膜を介して積
層された積層膜とし、且つ上記非磁性体膜として金属膜
を使用する。 【効果】 高周波数域においても良好な特性を発揮する
薄膜磁気ヘッドが簡易な製造工程で製造することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばハードディスク
等に情報を書き込みあるいは読出しするのに好適な薄膜
磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクシステムにおいては、ま
すます、高記録密度化が要求されるようになっており、
使用する磁気ヘッドにも、このような高密度記録化に対
応すべく、高周波数領域(10MHz以上)において高
い記録再生出力が得られることが求められるようになっ
ている。
【0003】ハードディスク用磁気ヘッドとしては、一
般に薄膜磁気ヘッドが使用される。すなわち、薄膜磁気
ヘッドは、通常、下層コア上に絶縁膜を介して単層また
は複数層の導体コイルが積層形成され、さらにこの導体
コイル上部に絶縁膜を介して上層コアが形成された磁気
回路部が構成されてなるものである。
【0004】ここで、磁気ヘッドの高周波数領域での記
録再生出力を向上させるには、この領域におけるコアの
透磁率が高く、渦電流損失も少ないこと等が求められ
る。このため、近年、薄膜磁気ヘッドにおいては、磁性
体膜に該磁性体膜を膜厚方向に分断するように非磁性体
膜を介在させてなる多層構造の磁気コアが使用されるよ
うになっている。磁気コアは、このような多層構造とす
ると、上記非磁性体膜によって膜厚方向において磁区が
分断されるので、これにより磁区が安定化して透磁率が
向上し、渦電流の発生も上記非磁性体膜によって効果的
に抑えられるものと考えられ、高周波数領域においても
良好な特性を発揮するようになる。なお、磁性体膜を分
断する非磁性体膜としては、通常、SiO2 膜,Al2
3 膜等のガラス系材料が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気コアの
形成方法としては、各膜をスパッタリングで成膜した
後、ドライエッチングでコア形状に成形するドライプロ
セス,コア形状に対応したフレームを使用して電解メッ
キを行うフレーム電解メッキ法等が挙げられるが、スパ
ッタリングやドライエッチングは極めて時間のかかるプ
ロセスであることから、通常は、フレーム電解メッキ法
が採用される。
【0006】ここで、フレーム電解メッキ法によって、
多層構造の磁気コアを形成する場合、たとえば3層構造
の磁気コア(第1の磁性体,非磁性体膜,第2の磁性体
よりなる磁気コア)を例にして説明すると、基本的に
は、絶縁膜(下層コアの場合には基板)上に第1の磁性
体膜,非磁性体膜,第2の磁性体膜を形成してコア形状
に成形すればよい。しかし、たとえばSiO2 やAl2
3 等のガラス系材料を非磁性体膜材料とする場合、ガ
ラス系材料は金属材料よりなる磁性体とは密着性が悪い
ために、非磁性膜と磁性体の間にCr,Ti等よりなる
下地膜を設けなればならない。また、磁性体膜を電解メ
ッキにて形成するための電極膜も設ける必要がある。こ
のため、実際には、上記多層構造の磁気コアは、第1の
下地膜、第1の電極膜、第1の磁性体膜、非磁性体膜、
第2の下地膜、第2の電極膜、第2の磁性体膜というよ
うに磁性体膜,非磁性体膜の他に複数の下地膜,電極膜
を形成することとなり、以下に示すように極めて複雑な
製造工程によって形成されることとなる。
【0007】すなわち、上層コアは、図25〜図31に
示すように、基板31上に下層コア32,導体コイル3
4,絶縁層33を形成した後、この絶縁層33上に形成
する。まず、図25に示すように、絶縁膜33上に金属
材料との密着性を得るためのCr,Ti等よりなる第1
の下地膜40を形成し、この第1の下地膜上にCuある
いはパーマロイ等の導電性材料よりなる第1の電極膜4
1をスパッタリングにて成膜する。次いで、図26に示
すように上記第1の電極膜41上にコア形状に対応した
フレーム42を形成し、図27に示すように、第1の磁
性体となるパーマロイ等よりなる磁性体膜43を電解メ
ッキ法により形成する。そして、図28に示すようにフ
レーム42を除去するとともに、フレーム部の各膜をド
ライエッチングにより除去し、図29に示すようにコア
となる部分のみをレジスト44にて覆う如くコートし、
ウェットエッチングを行ってコア以外の余分な膜を除去
する。さらに、図30に示すように上記磁性体膜43上
に,非磁性体膜45をスパッタリングにて成膜し、上述
と同様にして、第2の下地膜46および第2の電極膜4
7のスパッタリングによる形成、フレーム48の形成を
行い、第2の磁性体となる磁性体膜49を電解メッキ法
によって形成する。その後、フレーム48の除去,ドラ
イエッチングによりフレーム下部のスパッタ膜除去を行
い、レジストによってコア部分をコートし、ウェットエ
ッチングによってコア以外の余分な膜を除去して図31
に示すような上層コア35が形成される。
【0008】このように、磁性体膜、非磁性体膜の他
に、電極膜や下地膜を複数回設けるとその分製造工程が
増えることとなり、極めて製造操作が複雑となる。そこ
で、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案された
ものであり、高周波数領域において良好な特性を有する
とともに簡易な工程で製造できる薄膜磁気ヘッドを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜磁気ヘッドは、下層コア上に絶縁層
を介してコイル導体及び上層コアが積層されて磁気回路
部が構成されてなる薄膜磁気ヘッドにおいて、少なくと
も上記上層コアは、フロントギャップ部を除いて複数の
磁性体膜が非磁性体膜を介して積層された積層膜であ
り、且つ上記非磁性体膜が金属膜であることを特徴とす
るものである。
【0010】また、上記非磁性体膜がCuであることを
特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、少なくとも上層
コアが、フロントギャップ部を除いて、複数の磁性体膜
が金属材料よりなる非磁性体膜を介して積層されてなる
多層構造とされる。したがって、非磁性体膜により、磁
区が安定化し、高周波数領域においても高透磁率を示す
とともに渦電流損失も少なく高記録再生出力を発揮す
る。
【0012】また、非磁性体膜として金属材料を使用し
ているので、非磁性体膜と磁性体膜との密着性が良く、
非磁性体膜と磁性体膜の間に密着性を確保するための下
地膜を設ける必要がない。また、非磁性体膜が電極とし
て代用できるようになり、電極膜の成膜回数も少なくな
る。したがって、製造工程が簡易なものとなり、薄膜磁
気ヘッドの生産性が向上する。特に、非磁性体膜の材料
として、銅を使用すると、銅は蝕食性が高く、通常の磁
性体をエッチングするのに使用するウェットエッチング
液にて容易にエッチングされるため、より製造工程が簡
易化する。なお、上記コアのフロントギャップ部を多層
構造としないのは、フロントギャップ部が多層構造であ
る場合には、非磁性体膜が疑似ギャップとして機能し、
記録再生特性に悪影響を及ぼすからである。
【0013】
【実施例】以下、本発明を適用した薄膜磁気ヘッドの具
体的な実施例について説明する。
【0014】本実施例においては、絶縁材によって所望
のコア形状に対応したフレーム(外枠)を形成してメッ
キを行い、フレーム外のメッキを取り除いて磁気コアを
形成する,いわゆるフレームメッキ法により磁気コアを
形成する薄膜磁気ヘッドの例として説明する。
【0015】本実施例の薄膜磁気ヘッドは図1に示すよ
うに、基板1上に下層コア2が形成され、この上に絶縁
膜3を介して導体コイル4および上層コア5が形成され
てなっている。
【0016】上記基板1には、例えばチタン酸カリウ
ム,セラミックス,アルミナ等の非磁性材料よりなる基
板、あるいはMn−Zn系フェライト,Ni−Zn系フ
ェライト等の強磁性材料よりなる基板が使用される。
【0017】また、上記下層コア2には、高飽和磁束密
度を有し且つ軟磁気特性に優れた強磁性材料が使用でき
る。例えば、Ni−Fe系合金、Fe−Al系合金、F
e−Al−Si系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe
−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe−
Si−Ge系合金、Fe−Co−Si−Al系合金等の
強磁性金属材料、あるいはFe−Ga−Si系合金、さ
らには上記Fe−Ga−Si系合金の耐蝕性や耐摩耗性
の一層の向上を図るために、Fe,Ga,Co(Feの
一部をCoで置換したものを含む。),Siを基本組成
とする合金に、Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,
Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,Ni,P
b,Pt,Hf,Vの少なくとも一種を添加したもので
あってもよい。ただし、通常は磁区のコントロールが容
易な材料、たとえばFe−Ni系合金(パーマロイ)が
使用される。
【0018】また、上記下層コア2上には、磁気ギャッ
プgを構成するためのギャップ膜6が形成されている。
ギャップ膜6としては、例えばSiO2 やTa2 5
よりなる膜が使用される。さらに上記ギャップ膜6に
は、CuやAl等の導電金属材料よりなる導体コイル4
が絶縁膜3に埋め込まれた形で所定間隔で複数ターン渦
巻状に形成されている。なお、導体コイル4の形態とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばヘリカル
型,ジグザグ型等であってもよい。また、この例のよう
に導体コイルを一層巻線構造とするのみならず、多層巻
線構造としてもよい。
【0019】そして、さらに上記絶縁膜4上には、前記
下層コア2に共働して磁気回路部を構成する上層コア5
が所望の形状に形成されている。すなわち、上記上層コ
ア5は、導体コイルの渦巻の中央部から磁気記録媒体対
接面近傍に跨いで形成され、上記渦巻の中央部では、絶
縁膜3及びギャップ膜6に設けられた窓部を介して下層
コア2と接続されバックギャップを構成している。一
方、磁気記録媒体対接面近傍では、上記上層コア5はギ
ャップ膜6を挟んで下層コア2と対向し、磁気ギャップ
gを構成するようになっている。したがって、下層コア
2と上層コア5は、導体コイル4を中央部に挟んでバッ
クギャップ及び磁気ギャップを介して磁気的に結合さ
れ、磁気回路部を構成する。
【0020】ここで、上記上層コア5は、高周波数領域
において高記録再生出力を得るために、フロントギャッ
プ部5aを除いて複数の磁性体13,16が非磁性体膜
14を介して積層された多層構造とされる。このような
多層構造の上層コア5は、換言すれば、磁気コアが非磁
性体膜14によって膜厚方向に分断された構造であり、
該磁気コアは非磁性体膜14によって分断されることに
より、磁区の安定化、渦電流の防止が図られ、高密度記
録再生が要求される薄膜磁気ヘッドのコアとして好適な
ものとなる。(なお、フロントギャップ部を多層構造と
しないのは、フロントギャップを多層構造とすると、非
磁性体膜が疑似ギュップとして機能し、記録再生特性に
悪影響を及ぼすからである。)
【0021】ところが、上記磁気コアでは、選択する非
磁性体膜によっては、製造に際して磁性体膜と非磁性体
膜の間に密着性を確保するための下地膜や電極膜を多数
回設けることが必要となり、製造工程が煩雑になる。
【0022】そこで、本発明においては、製造操作の簡
易化を図るために、上記非磁性体膜14の材料として金
属材料を使用する。非磁性体膜14の材料として金属材
料を使用すると、金属製の非磁性体膜は、磁性体膜との
密着性に優れるため、製造に際して非磁性体膜と磁性体
膜の間に下地膜を設ける必要がなくなり、また、磁性体
膜が電解メッキの際の電極として代用できるようになる
ので電極膜の成膜回数も少なくてすみ、製造操作が簡易
なものとなる。
【0023】以下に、上記構成の上層コア5の形成工程
を第1の磁性体13,非磁性体膜14,第2の磁性体1
6よりなる3層構造の上層コアを例にして説明する。
【0024】すなわち、上記上層コア5を形成するに
は、まず図2に示すように、絶縁膜3上に密着性を得る
ためのCr,Ti等よりなる下地膜10およびCuある
いはパーマロイ等の導電性材料よりなる電極膜11をス
パッタリングにて成膜する。そして、図3に示すよう
に、この電極膜11上にコア形状に対応したフレーム1
2を形成し、図4に示すように、第1の磁性体となるパ
ーマロイ等よりなる磁性体膜13および非磁性体膜14
を電解メッキ法により形成した後、図5に示すようにフ
レーム12を除去する。次いで、今度は、図6に示すよ
うにコア部分のうちフロントギャップ部を除いた部分の
みを囲むようにしてフレーム15を形成し、図7に示す
ように、第2の磁性体となるパーマロイ等よりなる磁性
体膜16を電解メッキ法によって形成する。そして、図
8に示すように、このフレーム15を除去した後、図9
に示すようにフレーム部の各膜をドライエッチングによ
って除去する。そして、図10に示すようにレジスト1
7によってコア部分を覆う如くコートし、図11に示す
ようにウェットエッチングにてコア部分以外の余分な膜
を除去することによって、上層コア5が形成される。
【0025】また、上記形成工程は、非磁性体膜14を
電解メッキ法にて形成する場合であるが、非磁性体膜1
4はスパッタリングにて形成しても差し支えない。
【0026】その場合には、まず上述の場合と同様にし
て、図12に示すように絶縁膜3上下地膜10および電
極膜11をスパッタリングにて成膜する。そして、図1
4に示すようにこの電極膜11上にコア形状に対応した
フレーム12を形成し、図15に示すように、第1の磁
性体となる磁性体膜13を電解メッキ法により形成す
る。次いで、図16に示すように、フレームを除去し、
非磁性体膜をスパッタリングによって形成する。そし
て、図17に示すように、コア部分のうちフロントギャ
ップ部を除いた部分のみを囲むようにしてフレーム15
を形成して、図18に示すように第2の磁性体となる磁
性体膜16を電解メッキ法によって形成する。そして、
図19に示すように、このフレーム15を除去した後、
図20に示すようにフレーム部の各膜をドライエッチン
グによって除去する。そして、図21に示すようにレジ
スト17にてコア部分を覆う如くコートし、図22に示
すようにウェットエッチングにてコア部分以外の余分な
膜を除去して上層コア5が形成される。
【0027】このように、非磁性体膜材料として金属材
料を使用する場合には、非磁性体膜をスパッタリング
法,電解メッキ法のいずれの方法で形成した場合でも、
非磁性体膜と磁性体の間に下地膜や電極膜を設けなくて
すむので、その分、従来の形成工程に比べて、製造工程
数が少なくなっており、製造操作が簡易化する。
【0028】ここで、上記非磁性体膜の膜厚は、少なく
ともギャップ幅よりも小さいことが望ましく、0.1μ
m以下とすることがより望ましい。
【0029】また、上記非磁性体膜に使用する金属材料
としては、たとえばメッキによって成膜される非磁性金
属材料として、銅、錫、亜鉛、銀、カドミウム、クロ
ム、黄銅、半田、銀−鉛合金、銅−鉛合金、銅−錫合
金、銀−カドミウム合金、銀−鉛合金、銀−銅合金、銀
−ビスマス合金、銀−ガリウム合金、鉛等がある。ま
た、スパッタリングによって成膜される非磁性金属材料
として、これら金属,合金の他、アルミニウム、鉛、ア
ルミニウム−銅合金、アルミニウム−マグネシウム合金
等がある。ここで、金属材料を選択するに際しては、磁
性体をエッチングする際のウェットエッチング液によっ
てエッチング可能な金属材料を採用すると、エッチング
液が1種類ですみ、コストの低減、製造工程の簡略化に
有利となる。そのような金属材料としては、銅、黄銅、
錫、亜鉛、半田、銅−錫合金等が挙げられ、この内、特
に銅は、蝕食性が高いことから非磁性体膜材料として好
適である。
【0030】以下に、銅を非磁性体膜材料とする場合の
成膜条件の一例を示す。 電解メッキ条件 メッキ液: 硫酸銅系メッキ液 メッキ温度: 25℃ メッキ電流: 2〜3A/dm2 スパッタ条件 スパッタガス: Arガス スパッタガス圧:4×10-3Torr ターゲット: 外径3 投入パワー: 200W
【0031】なお、上記多層構造のコアにおいて、第1
の磁性体および第2の磁性体となる磁性材料には、上記
した下層コアに使用する強磁性材料がいずれも使用可能
である。
【0032】以上が本発明にかかる薄膜磁気ヘッドの代
表的な例であるが、本発明の薄膜磁気ヘッドとしては、
下層コアも上層コアと同様にフロントギャップ部を除い
た部分が多層構造とされたものであっても差し支えな
い。しかし、フロントギャップ部を除いて多層構造とさ
れた磁気コアは、フロントギャップ部とそれ以外の部分
の境界が段差になり易い。下層コアの場合、さらにこの
上に絶縁層,導体コイル、上層コアが形成されるので、
このような段差があると該段差がその上に形成される膜
の膜厚に大きく影響を与えることとなる。したがって、
下層コアを多層構造とする場合には、この点を考慮する
必要がある。
【0033】次に、上記構成を有する磁気コアの透磁率
特性を調べるために以下の実験を行った。
【0034】まず、図23に示すように、フレーム電解
メッキ法にて、基板81上に膜厚2.0μmの第1のパ
ーマロイ磁性体82、膜厚0.1μmのCu非磁性膜8
3,膜厚2.0μmの第2のパーマロイ磁性体84より
なる3層構造の棒状コア85(幅10μm,長さ15m
m)1000本を形成して、ストライプコア86を作成
した。そして、作成されたストライプコア(サンプルコ
ア)について周波数と透磁率の関係を調べた。その結果
を図24に示す。
【0035】なお、Cu非磁性膜の膜厚はCuをメッキ
する際のクーロン数より推定したものである。
【0036】また、比較として、膜厚4μmのパーマロ
イ磁性体1層よりなるストライプコア(比較コア)も同
様にして作成し、周波数と透磁率の関係を調べた。その
結果も併せて図24に示す。なお、図24中、点線がサ
ンプルコア、実線が比較コアの特性をそれぞれ示すもの
である。
【0037】図24から明らかなように、比較コアにお
いては、記録周波数が5MHzを越えた辺りから、透磁
率が減少し始め、10MHz以上の記録周波数では十分
な透磁率が得られない。これに対して、サンプルコアで
は、記録周波数を10MHzとした場合でも高透磁率を
維持している。したがって、以上のことから、コアを金
属製の非磁性層によって多層化すると、生産性を維持し
て高周波数域における特性が向上し、薄膜膜磁気ヘッド
の実用性,性能の向上が可能となることがわかった。
【0038】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の薄膜磁気ヘッドにおいては、少なくとも上記上層コ
アが、フロントギャップ部を除いて複数の磁性膜が金属
膜よりなる非磁性膜を介して積層された積層膜であるの
で、生産性を維持して高周波数域のおける特性の向上を
図ることが可能である。
【0039】したがって、本発明によれば、ハードディ
スクシステム等の薄膜磁気ヘッドを使用するシステムの
さらなる高密度気記録化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドの一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造工程の一例を工
程順に従って示すもので、下地膜,電極膜形成工程を示
す断面図である。
【図3】第1のフレーム形成工程を示す断面図である。
【図4】第1の磁性体膜形成工程を示す断面図である。
【図5】第1のフレーム除去工程を示す断面図である。
【図6】第2のフレーム形成工程を示す断面図である。
【図7】第2の磁性体膜形成工程を示す断面図である。
【図8】第2のフレーム除去工程を示す断面図である。
【図9】ドライエッチング工程を示す断面図である。
【図10】レジスト形成工程を示す断面図である。
【図11】ウェットエッチング工程を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造工程の他の例
を工程順に示すもので、下地膜,電極膜形成工程を示す
断面図である。
【図13】第1のフレーム形成工程を示す断面図であ
る。
【図14】第1の磁性体膜形成工程を示す断面図であ
る。
【図15】第1のフレーム除去工程を示す断面図であ
る。
【図16】非磁性体膜形成工程を示す断面図である。
【図17】第2のフレーム形成工程を示す断面図であ
る。
【図18】第2の磁性体膜形成工程を示す断面図であ
る。
【図19】第2のフレーム除去工程を示す断面図であ
る。
【図20】ドライエッチング工程を示す断面図である。
【図21】レジスト形成工程を示す断面図である。
【図22】ウェットエッチング工程を示す断面図であ
る。
【図23】ストライプコアの形状を示す概略斜視図であ
る。
【図24】記録周波数と透磁率の関係を示す特性図であ
る。
【図25】従来の薄膜磁気ヘッドの製造工程の一例を工
程順に従って示すもので、下地膜,電極膜形成工程を示
す断面図である。
【図26】フレーム形成工程を示す断面図である。
【図27】第1の磁性体膜形成工程を示す断面図であ
る。
【図28】フレーム除去およびドライエッチング工程を
示す断面図である。
【図29】レジスト形成工程を示す断面図である。
【図30】第2のフレーム形成、非磁性体膜、下地膜、
電極膜、第2の磁性体膜形成工程を示す断面図である。
【図31】形成された上層コアを示す断面図である。
【符号の説明】
2 ・・・下層コア 3 ・・・絶縁膜 4 ・・・導体コイル 5 ・・・上層コア 13・・・第1の磁性体 14・・・非磁性体膜 16・・・第2の磁性体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層コア上に絶縁層を介してコイル導体
    及び上層コアが積層されて磁気回路部が構成されてなる
    薄膜磁気ヘッドにおいて、 少なくとも上記上層コアは、フロントギャップ部を除い
    て複数の磁性体膜が非磁性体膜を介して積層された積層
    膜であり、且つ上記非磁性体膜が金属膜であることを特
    徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記非磁性体膜がCuであることを特徴
    とする薄膜磁気ヘッド。
JP2415592A 1992-02-10 1992-02-10 薄膜磁気ヘッド Withdrawn JPH05225521A (ja)

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