JP3175277B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JP3175277B2 JP07892192A JP7892192A JP3175277B2 JP 3175277 B2 JP3175277 B2 JP 3175277B2 JP 07892192 A JP07892192 A JP 07892192A JP 7892192 A JP7892192 A JP 7892192A JP 3175277 B2 JP3175277 B2 JP 3175277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
等の磁気記録再生装置に適用される薄膜磁気ヘッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、薄膜磁気ヘッドはフェライト等
からなる基板(ウエハ)上に下層コアを形成し、この上
面に絶縁膜を介して単層又は複数層のコイル導体をスパ
イラル状に形成し、さらにこの上に絶縁膜を介して上層
コアを積層形成し、これを保護膜で覆って形成されるも
のであり、上記下層コア及び上層コアによって磁気回路
部が構成されるものである。
【0003】そして、上述の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、生産性並びに経済性等を考慮して前記磁気回路部
(下層コアあるいは上層コア)をいわゆるフレームメッ
キ法により形成し、磁気ギャップのトラック幅を規制す
ることが行われている。前記フレームメッキ法は、基板
上に予め導電金属よりなる電極層を形成しておき、この
上にコアの形状に応じてレジストフレームを形成し、下
層コアあるいは上層コアとなる軟磁性層をメッキするも
ので、最終的には前記レジストフレーム内の軟磁性層の
みを残存せしめ、下層コアまたは上層コアとするもので
ある。
【0004】ところで、上述のフレームメッキ法により
下層コアあるいは上層コアを形成する場合、前記電極層
もコアの一部として残存するため、通常はCr層と軟磁
性下地層の2層構造とすることが広く行われており、例
えば磁気回路部をパーマロイで形成する場合には、前記
軟磁性下地層もパーマロイのスパッタ膜とするのが一般
的である。このような2層構造とすれば、電極である軟
磁性下地層もコアの一部として機能し、下層コア、上層
コアの磁気特性を確保する上で有利である。
【0005】しかしながら、前記軟磁性下地層と軟磁性
層が同じ磁性材料(例えばパーマロイ等)から形成され
ていると、軟磁性層のエッチングの際にエッチング液に
よって電極層として機能する軟磁性下地層まで侵食され
てしまい、レジストフレーム外の軟磁性膜のみならずレ
ジストフレーム内の軟磁性層までオーバーエッチングさ
れてしまう問題が生じている。
【0006】例えば、図7に示すように、Cr金属層3
5及びパーマロイのスパッタ膜よりなる軟磁性下地層3
6を積層形成した基板31上にレジストフレーム41を
形成し、メッキ法によってパーマロイメッキ層32を成
膜し、さらに上記レジストフレーム41を覆ってレジス
トカバー42を形成した後、レジストフレーム41外の
パーマロイメッキ層32aをエッチング除去し、レジス
トフレーム41内のパーマロイメッキ層32のみを残存
させることにより下層コアや上層コアが形成される。
【0007】このとき、軟磁性下地層36及びパーマロ
イメッキ層32は共にパーマロイで形成されており、当
然エッチング液に対するエッチングレートがほぼ等しい
ことから、図8に示すように、レジストフレーム41外
のパーマロイメッキ層32aを除去する際、該パーマロ
イメッキ層32aのみならず、その下に位置する軟磁性
下地層36までもがエッチングされてしまい、レジスト
フレーム41の下方より侵食が進み、下層コアあるいは
上層コアとして必要なレジストフレーム41内部のパー
マロイメッキ層32までもがオーバーエッチングされて
しまう虞れがある。
【0008】前述のようなオーバーエッチングが生ずる
と、トラック幅の精度を確保することができず、得られ
る薄膜磁気ヘッドの信頼性を大きく損なうことになる。
このため、上述のフレームメッキ法による薄膜磁気ヘッ
ドの製造においては、エッチング液やエッチング時間等
の厳密な管理、さらにはレジストフレームの幅を広げる
等の対策が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術が有する問題点を解決するため提案されたものであ
って、レジストフレーム内の軟磁性層のオーバーエッチ
ングを防止し、信頼性や歩留りの点で優れた薄膜磁気ヘ
ッドを提供することを目的とする。さらに本発明は、エ
ッチング液やエッチング時間の厳重な管理やレジストフ
レームの拡大の必要がなく、磁気特性に優れ製造が容易
な薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために、基板上に下層コア、コイル導体、上層
コアが順次積層され、前記下層コア及び上層コアによっ
て閉磁路が構成されてなる薄膜磁気ヘッドにおいて、上
記下層コア及び/又は上層コアが耐エッチング性軟磁性
下地層と軟磁性層からなる積層構造を有し、上記耐エッ
チング性軟磁性下地層がCoを含有するCo系軟磁性材
料又は窒素を含有するNiFe系軟磁性材料からなり、
その膜厚が300Å〜5000Åであり、軟磁性層のエ
ッチング液に対するエッチングレートを1としたとき耐
エッチング性軟磁性下地層のエッチングレートが0.5
以下であることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明の薄膜磁気ヘッドは、電極層として設け
られる軟磁性下地層が耐エッチング性を有し、コアを構
成する軟磁性層に比べてエッチング液に対するエッチン
グレートが半分以下である。したがって、レジストフレ
ーム外の軟磁性層をエッチング除去するとき、レジスト
フレーム外の不要な軟磁性層部分のみ完全に除去でき、
軟磁性下地層がエッチングされてレジストフレーム内の
軟磁性層がオーバーエッチングされることはない。
【0012】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】先ず、実施例の薄膜磁気ヘッドの基本構造
を図1に示す。この薄膜磁気ヘッドは、図1に示すよう
に、基板11上に下層コア12、コイル導体14、上層
コア13が絶縁層を介して順次積層され、前記下層コア
12及び上層コア13によって磁気回路部が構成されて
なるものである。
【0014】上記基板11には、例えばフェライト等の
酸化物磁性材料の他、セラミクス等の非磁性材料等も使
用される。そして、この基板11上には、Cr等からな
る金属層15、耐エッチング性軟磁性下地層(以下単に
軟磁性下地層と称する。)16及び軟磁性層10がこの
順序で積層形成され、前記軟磁性下地層16と軟磁性層
10が下層コア12としてトラック幅方向に対して略直
交する方向、すなわち後述するフロントギャップFGの
デプス方向に延在する如く所定の形状で形成されてい
る。
【0015】ここで、上記金属層15は、基板11及び
軟磁性下地層16との密着性を高める繋ぎの膜として機
能するものであり、例えば、密着性の良いCrやTi等
の金属材料からなっている。また、軟磁性下地層16
は、前記金属層15と共に軟磁性層10をフレームメッ
キする際の電極として機能するとともに、軟磁性層10
と共に下層コアとしても機能するものであり、したがっ
て良好な導電性を有するとともに軟磁気特性にも優れた
材料が選択使用される。
【0016】さらに、前記軟磁性下地層16は、軟磁性
層10に比べてエッチング液に対するエッチングレート
が小さいことが必要であり、軟磁性層10のエッチング
液に対するエッチングレートを1としたときに軟磁性下
地層16のエッチングレートが0.5以下となるような
材料が選択的に使用される。
【0017】上記下層コア12上には、後述する上層コ
ア13とのバック側における磁気的結合部を取り囲むよ
うにしてスパイラル状のコイル導体14が、例えばSi
2等からなる絶縁膜19介して形成されている。な
お、本実施例ではコイル導体14を単層のコイル導体と
しているが、多層コイルとしても良いことは言うまでも
ない。
【0018】そして、コイル導体14を覆って設けられ
る絶縁膜20上には、上記下層コア12と共働して磁気
回路部を構成する上層コア13が形成されている。上層
コア13はコイル導体14をその中央部に挟み込むよう
な形で設けられ、磁気記録媒体(図示せず)との対接面
側でギャップ膜17を介して下層コア12と対向配置さ
れてフロントギャップFGを形成すると共に、スパイラ
ル状のコイル導体14の中央部で下層コア12と磁気的
に結合してバックギャップBGを形成するようになって
いる。
【0019】なお、上記上層コア13も、先の下層コア
12と同様、金属層、軟磁性下地層及び軟磁性層から構
成されることが好ましいが、ここではそれらの図示は省
略する。また、上層コア13の上には、これら下層コア
12、上層コア13及びコイル導体14よりなる磁気回
路部を保護すると共に、磁気記録媒体に対する当たりを
確保するための保護膜層18が設けられている。
【0020】次に、上述の薄膜磁気ヘッドの製造方法に
ついて図2乃至図5を参照しながら説明する。
【0021】上述の薄膜磁気ヘッドを作成するには、先
ず、図2に示すように、基板11上に例えばCrやTi
等からなる金属層15をスパッタ法等により成形し、そ
の上に軟磁性材料からなる軟磁性下地層16をスパッタ
法等の手法により300Å〜5000Åの膜厚をもって
形成する。これにより、後述する軟磁性層10の下地
(すなわち電極層)が形成される。
【0022】次いで、図3に示すように、上記軟磁性下
地層16の上に所望のコア形状に応じてレジストよりな
るレジストフレーム21をフォトリゾグラフィー技術に
より形成する。
【0023】そして、図4及び図5に示すように、上記
レジストフレーム21を除く軟磁性下地層16上全面に
軟磁性層膜10をメッキした後、レジストフレーム21
内の軟磁性層膜10を覆ってレジストカバー22を形成
し、湿式エッチングによって上記レジストフレーム21
外の軟磁性層10aを除去する。これによって、下層コ
ア12が形成される。
【0024】以下、下層コア12上に絶縁膜19、コイ
ル導体14、絶縁膜19を順次積層形成し、下層コア1
2と同様の手法により上層コア13を形成した後、絶縁
膜20を介して保護膜18を積層し、磁気記録媒体に対
する対接面を研磨して磁気ギャップのデプス出しを行う
ことで、薄膜磁気ヘッドを形成することができる。
【0025】ここで、基板上に形成される軟磁性下地層
16は膜厚300Å〜5000Åとなるようにスパッタ
法等により成膜する。これは、例えば、当該軟磁性下地
層16の膜厚が300Å以下の場合、この軟磁性下地層
16における電気抵抗が高くなりすぎてしまい、均一な
メッキ膜厚及び膜組成を実現することができないからで
ある。また軟磁性下地層16の膜厚を5000Å以下と
するのは、軟磁性層10を湿式エッチングした後、軟磁
性下地層16及び金属層15をドライエッチングする際
に、取り除く軟磁性下地層16部分が厚すぎるとトラッ
ク幅精度が低下してしまうからである。
【0026】上述した薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
て、軟磁性下地層16は、軟磁性層10をメッキ法等に
より積層形成させる際の電極用材料としてだけでなく、
エッチングの際に上記軟磁性層10がオーバーエッチン
グされないようにするための機能も果たしている。その
ため、軟磁性下地層16には、軟磁性層10と比較し
て、エッチング溶液に対する耐エッチング性の優れた耐
エッチング性軟磁性材料であることが要求される。
【0027】そこで、本発明に好適な耐エッチング性軟
磁性下地層用の耐エッチング性軟磁性材料について、実
験結果に基づいて説明する。
【0028】実験例1 先ず、軟磁性層をパーマロイ〔Ni81.5Fe18.5(原子
%)〕とし、軟磁性下地層の組成を種々変更した数種類
の薄膜試料を用いて、レジストフレーム外のパーマロイ
軟磁性層をエッチング除去する際にレジストフレーム内
のパーマロイがオーバーエッチングされる割合を調べ
た。
【0029】実験に際しては、基板上に種々組成の軟磁
性材料を1000Å成膜し、次いで各軟磁性下地層上に
フレーム幅5μmのレジストパターニングを施した後、
パーマロイ層を3μm成膜し薄膜試料を作製した。そし
て、この薄膜試料について、20%塩化第二鉄(重量
%)及び3%塩酸(重量%)を含む液温50℃のエッチ
ング溶液にて3分間エッチングを行った。
【0030】ここで、上記エッチング溶液によりパーマ
ロイ層がエッチングされるときのエッチングレートを
1.0とする。そして、このパーマロイ層のエッチング
レートに対して軟磁性下地層がエッチングされるときの
エッチングレートと、そのときレジストフレーム内のパ
ーマロイ軟磁性層がオーバーエッチングされる割合との
関係を調べた。その結果を図6に示す。なお、エッチン
グレートは、同じ大きさのサンプルが全て溶解するまで
の時間で評価した。
【0031】その結果、パーマロイ層のエッチングレー
トに対して、エッチングレートが0.5以下である軟磁
性材料を適用した軟磁性下地層からなる薄膜ヘッドで
は、レジストフレーム内のパーマロイ層のオーバーエッ
チングされる割合が著しく減少し、エッチングレートが
0.3以下である軟磁性下地層からなる薄膜ヘッドでは
殆どレジストフレーム内のパーマロイ層がオーバーエッ
チングされないことがわかった。
【0032】そこで、以下の実験では、さらに具体的な
組み合わせにより、オーバーエッチングの有無を確認し
た。
【0033】実験例2 基板上にCr金属層を500Å成膜し、この上面にスパ
ッタ法により軟磁性下地層〔Co78Fe5 Sn5
12(数値は組成を原子%で表す。以下同じ。)〕を10
00Å成膜した。次にレジストパターニングを施した
後、メッキ法によって軟磁性層〔Co78Fe5 17〕を
3μm成膜し薄膜試料を作製した。この薄膜試料に対
し、20%塩化第二鉄(重量%)及び3%塩酸(重量
%)を含む液温40℃のエッチング溶液にて3分間エッ
チングを行った。
【0034】このとき、軟磁性層〔Co78Fe5 17
のエッチングレートを1.0としたとき、この軟磁性層
に対する軟磁性下地層〔Co78Fe5 Sn5 12〕のエ
ッチングレートは0.3であったが、前記エッチングの
結果、軟磁性層は除去されたが、レジストパターン下部
の軟磁性下地層は全くエッチングされなかった。
【0035】実験例3 基板上にTi金属層を500Å成膜し、この上にスパッ
タ法により軟磁性下地層〔Co71Fe4 Si149 Cr
2 〕を1000Å成膜した。次にレジストパターニング
を施した後、メッキ法によりアモルファス軟磁性層〔C
78Fe5 Sn 7 10〕を3μm成膜し薄膜試料を作製
した。この薄膜試料に対し、20%塩化第二鉄(重量
%)及び3%塩酸(重量%)を含む液温40℃のエッチ
ング溶液にて3分間エッチングを行った。
【0036】軟磁性層〔Co78Fe5 Sn7 10〕のエ
ッチングレートを1.0としたとき、この軟磁性層に対
する軟磁性下地層〔Co71Fe4 Si149 Cr2 〕の
エッチングレートは0.3であり、前記エッチングの結
果、軟磁性層膜は除去されたが、レジストフレーム下部
の軟磁性下地層は全くエッチングされなかった。
【0037】
【0038】
【0039】実験例4 基板上にスパッタ法により軟磁性下地層〔Co85Ta5
Zr10〕を成膜し、その上にレジストパターニングを施
した後、メッキ法によりアモルファスメッキ軟磁性層
〔Co78Fe5 Sn710〕を成膜し薄膜試料を作製し
た。この薄膜試料に対し、20%塩化第二鉄(重量%)
及び3%塩酸(重量%)を含む液温40℃のエッチング
溶液にて3分間エッチングを行った。
【0040】軟磁性層〔Co78Fe5 Sn7 10〕のエ
ッチングレートを1.0としたとき、この軟磁性層に対
する軟磁性下地層〔Co85Fe5 Zr10〕のエッチング
レートは0.5以下であり、レジストパターン下部の軟
磁性下地層は全くエッチングされなかった。
【0041】その他、下記の軟磁性材料を軟磁性下地層
とした場合にも、エッチングレートが0.5以下となる
ことがわかった。 (1) Co(100-x-y) Tax Zry (ただし、2≦x≦15、3≦y≦15である。) (2) Co(100-x-y) Nbx Tay (ただし、2≦x≦15、2≦y≦15である。) (3) Co(100-x-y) Nbx Zry (ただし、2≦x≦15、3≦y≦15である。) (4) Co(100-x-y) Pdx Zry (ただし、1≦x≦5、3≦y≦15である。) (5) Co(100-x-y) Ptx Zry (ただし、1≦x≦5、3≦y≦15である。) (6) Co(100-x-y-z-w) Fex Zry Z W (ただし、0≦x≦7、3≦y≦10、2≦z≦10、
0≦w≦10である。) 〔なお、上記x,y,z,wは各元素の割合(原子%)
を表す。〕
【0042】実験例5 基板上にスパッタ法により軟磁性下地層〔Ni77Fe15
Nb53 〕を成膜し、その上にレジストパターニング
を施した後、メッキ法によりパーマロイ軟磁性層〔Ni
(100-x) Fex (17≦x≦23)〕を成膜し薄膜試料
を作製した。この薄膜試料に対し、20%塩化第二鉄
(重量%)を含む液温40℃のエッチング溶液にて3分
間エッチングを行った。
【0043】その結果、軟磁性層〔Ni(100-x) Fex
(17≦x≦23)〕のエッチングレートを1.0とし
たとき、この軟磁性層に対する軟磁性下地層〔Ni77
15Nb5 3 〕のエッチングレートは0.5以下であ
り、レジストパターン下部の軟磁性下地層は全くエッチ
ングされなかった。
【0044】その他、下記の軟磁性材料を軟磁性下地層
とした場合にも、エッチングレートが0.5以下となる
ことがわかった。 (a) Ni(100-x-y-z) Fex NbyZ (ただし、15≦x≦25、2≦y≦10、1≦z≦1
0である。) (b) Ni(100-x-y-z) Fex TayZ (ただし、15≦x≦25、2≦y≦10、1≦z≦1
0である。) (c) Ni(100-x-y-z) Fex ZryZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦10、1≦z≦1
0である。) (d) Ni(100-x-y-z) FexyZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦10、1≦z≦1
0である。) (e) Ni(100-x-y-z) Fex SnyZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦15、1≦z≦1
0である。) (f) Ni(100-x-y-z) Fex MoyZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦10、1≦z≦5
である。) 〔なお、上記x,y,z,は各元素の割合(原子%)を
表す。〕
【0045】上述の耐エッチング性軟磁性材料におい
て、例えば添加元素Feの組成xが15原子%未満また
は25原子%を越える領域では、保磁力Hc は10e以
上を示し、また、結晶の磁気異方性または磁気ひずみ
(いわゆる磁歪効果)が大きくなってしまう。そのた
め、上記耐エッチング性軟磁性材料においては、Feの
組成xを、15原子%〜25原子%とすることが好まし
い。
【0046】また、添加元素Nb、Ta、Zr、Y、S
n、Moの組成yが3原子%未満の領域では、パーマロ
イのエッチングレートを1としたとき、このパーマロイ
に対するエッチングレートが0.5以上になり、エッチ
ング溶液に対する耐エッチング特性に劣ってしまう。さ
らに、前記添加元素の組成yが10原子%を越える領域
(Snにおいては15原子%を越える領域)では、磁束
密度が5kG以下になり、さらに磁歪が5×10-6以上
と大きな値になってしまう。
【0047】さらに、窒素Nの組成zが1原子%未満の
領域では、保磁力Hc が10e以上となってしまい、ま
た10原子%を越える領域では、飽和磁束密度が5kG
以下になり、また磁歪が5×10-6以上と大きな値にな
ってしまう。そのため、Nの組成zは1原子%〜10原
子%とすることが好ましい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る薄膜磁気ヘッドにおいては、下層コア及び/又
は上層コアが耐エッチング性軟磁性下地層と軟磁性層か
らなる積層構造を有し、前記耐エッチング性軟磁性下地
層のエッチングレートを軟磁性層の半分以下にしている
ので、フレームメッキ法によってコアを形成した場合に
レジストフレーム外の不要な軟磁性層部分のみを容易に
かつ確実に取り除くことができ、しかもレジストフレー
ム内の軟磁性層のオーバーエッチングを防止することが
できる。
【0049】したがって、トラック幅精度に優れ、信頼
性や歩留りに優れた薄膜磁気ヘッドを提供することが可
能である。
【0050】また、それに伴って、エッチング工程にお
けるエッチング液やエッチング時間等の厳密な管理が不
要であり、レジストフレームの幅を広くする等の対策を
講じる必要もないことから、製造工程上非常に有利であ
る。さらに、レジストフレームの幅を狭くできることか
ら、レジストの影響により発生する薄膜ヘッド先端部分
の磁区の乱れや、さらには、薄膜ヘッドの組成、膜厚等
のバラツキを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの一実施例の概略
構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を工程
順に示すものであり、軟磁性下地層形成工程を示す概略
断面図である。
【図3】フレーム形成及び軟磁性層メッキ工程を示す概
略断面図である。
【図4】レジストカバー形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図5】軟磁性層のエッチング工程を示す概略断面図で
ある。
【図6】パーマロイ層に対する種々組成の軟磁性下地層
のエッチングレートと、そのときレジストフレーム内の
パーマロイ軟磁性層がオーバーエッチングされる割合と
の相関関係を示す特性図である。
【図7】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における軟磁
性層のエッチング前の状態を示す概略断面図である。
【図8】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における軟磁
性層のエッチング後の状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 ・・・・・ 軟磁性層 11 ・・・・・ 基板 12 ・・・・・ 下層コア 13 ・・・・・ 上層コア 14 ・・・・・ コイル導体 15 ・・・・・ 金属層 16 ・・・・・ 軟磁性下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 広之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 林 和彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 阿蘇 興一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−193313(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下層コア、コイル導体、上層コ
    アが順次積層され、前記下層コア及び上層コアによって
    閉磁路が構成されてなる薄膜磁気ヘッドにおいて、 上記下層コア及び/又は上層コアが耐エッチング性軟磁
    性下地層と軟磁性層からなる積層構造を有し、 上記耐エッチング性軟磁性下地層がCoを含有するCo
    系軟磁性材料又は窒素を含有するNiFe系軟磁性材料
    からなり、その膜厚が300Å〜5000Åであり、
    磁性層のエッチング液に対するエッチングレートを1と
    したとき耐エッチング性軟磁性下地層のエッチングレー
    トが0.5以下であることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 上記Coを含有するCo系軟磁性材料
    は、 (1) Co(100-x-y) Tax Zry (ただし、2≦x≦15、3≦y≦15である。) (2) Co(100-x-y) Nbx Tay (ただし、2≦x≦15、2≦y≦15である。) (3) Co(100-x-y) Nbx Zry (ただし、2≦x≦15、3≦y≦15である。) (4) Co(100-x-y) Pdx Zry (ただし、1≦x≦5、3≦y≦15である。) (5) Co(100-x-y) Ptx Zry (ただし、1≦x≦5、3≦y≦15である。) (6) Co(100-x-y-z-w) Fex ZryZW (ただし、0≦x≦7、3≦y≦10、2≦z≦10、
    0≦w≦10である。) 〔なお、上記x,y,z,wは各元素の割合(原子%)
    を表す。〕から選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記窒素を含有するNiFe系軟磁性材
    料は、 (a) Ni(100-x-y-z) Fex NbyZ (ただし、15≦x≦25、2≦y≦10、1≦z≦1
    である。) (b) Ni(100-x-y-z) Fex TayZ (ただし、15≦x≦25、2≦y≦10、1≦z≦1
    である。) (c) Ni(100-x-y-z) Fex ZryZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦10、1≦z≦1
    である。) (d) Ni(100-x-y-z) FexyZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦10、1≦z≦1
    である。) (e) Ni(100-x-y-z) Fex SnyZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦15、1≦z≦1
    である。) (f) Ni(100-x-y-z) Fex MoyZ (ただし、15≦x≦25、3≦y≦10、1≦z≦5
    である。) 〔なお、上記x,y,z,は各元素の割合(原子%)を
    表す。〕 から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
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