JPH05290329A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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- JPH05290329A JPH05290329A JP2304393A JP2304393A JPH05290329A JP H05290329 A JPH05290329 A JP H05290329A JP 2304393 A JP2304393 A JP 2304393A JP 2304393 A JP2304393 A JP 2304393A JP H05290329 A JPH05290329 A JP H05290329A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 薄膜磁気ヘッドにおいて、上層コア5,下層
コア2を、パーマロイ合金膜6,10と、膜厚1μm以
下,飽和磁束密度1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜
7,11よりなる積層膜とし、且つ上層コア5,下層コ
ア2において上記高飽和磁束密度軟磁性膜7,11をギ
ャップg側となるように配する。 【効果】 上層コア5,下層コア2が高飽和磁束密度を
有するとともに良好な形状を有し、且つ高い生産性で製
造できる薄膜磁気ヘッドが得られる。また、上記パーマ
ロイ合金膜を金属製の非磁性体膜を介在させて多層構造
とすると、製造工程を煩雑化させずに、薄膜磁気へっド
の記録再生出力を向上できる。
コア2を、パーマロイ合金膜6,10と、膜厚1μm以
下,飽和磁束密度1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜
7,11よりなる積層膜とし、且つ上層コア5,下層コ
ア2において上記高飽和磁束密度軟磁性膜7,11をギ
ャップg側となるように配する。 【効果】 上層コア5,下層コア2が高飽和磁束密度を
有するとともに良好な形状を有し、且つ高い生産性で製
造できる薄膜磁気ヘッドが得られる。また、上記パーマ
ロイ合金膜を金属製の非磁性体膜を介在させて多層構造
とすると、製造工程を煩雑化させずに、薄膜磁気へっド
の記録再生出力を向上できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁気テープや磁
気ディスクあるいはハードディスク等の磁気記録媒体に
対し情報の書き込みあるいは読出しをするのに好適な薄
膜磁気ヘッドに関する。
気ディスクあるいはハードディスク等の磁気記録媒体に
対し情報の書き込みあるいは読出しをするのに好適な薄
膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクシステムにおいては、ま
すます、高記録密度化が要求されるようになっており、
記録周波数を10MHz以上としても効率の良い記録再
生が成し得るように記録媒体として高保磁力を有するも
のが用いられるようになっている。このような記録媒体
の高記録周波数化,高保磁力化に対応して磁気ヘッドと
しても高飽和磁束密度を有するとともに高周波数領域に
おいて高い透磁率を有することが求められるようになっ
ている。
すます、高記録密度化が要求されるようになっており、
記録周波数を10MHz以上としても効率の良い記録再
生が成し得るように記録媒体として高保磁力を有するも
のが用いられるようになっている。このような記録媒体
の高記録周波数化,高保磁力化に対応して磁気ヘッドと
しても高飽和磁束密度を有するとともに高周波数領域に
おいて高い透磁率を有することが求められるようになっ
ている。
【0003】ハードディスク用磁気ヘッドとしては、一
般に薄膜磁気ヘッドが使用される。すなわち、薄膜磁気
ヘッドは、通常、下層コア上に絶縁膜を介して単層また
は複数層の導体コイルが積層形成され、さらにこの導体
コイル上部に絶縁膜を介して上層コアが形成されて磁気
回路部が構成されてなるものである。この薄膜磁気ヘッ
ドは、磁気回路部を構成する磁気コアや導体コイルがメ
ッキ法等の薄膜形成技術により形成されるため、狭トラ
ック化や狭ギャップ化等の微細寸法化が容易でしかも高
分解記録が可能であり、ハードディスク用磁気ヘッドと
して極めて有利な特徴を有するものである。
般に薄膜磁気ヘッドが使用される。すなわち、薄膜磁気
ヘッドは、通常、下層コア上に絶縁膜を介して単層また
は複数層の導体コイルが積層形成され、さらにこの導体
コイル上部に絶縁膜を介して上層コアが形成されて磁気
回路部が構成されてなるものである。この薄膜磁気ヘッ
ドは、磁気回路部を構成する磁気コアや導体コイルがメ
ッキ法等の薄膜形成技術により形成されるため、狭トラ
ック化や狭ギャップ化等の微細寸法化が容易でしかも高
分解記録が可能であり、ハードディスク用磁気ヘッドと
して極めて有利な特徴を有するものである。
【0004】ところで、このような薄膜磁気ヘッドにお
いては、上層コアおよび下層コアとしては、従来よりN
i−Fe(パーマロイ)合金メッキ膜が使用されている
が、パーマロイ合金は軟磁性には優れるものの、飽和磁
束密度については組成を変化させる等を行ったとしても
8.8kGが上限である。このため、パーマロイ合金で
上層コア,下層コアを構成する限りは、記録密度を現状
以上に上昇させるのが困難であり、さらなる高密度記録
化に対応できない。そこで、近年、10kG以上の高飽
和磁束密度が得られることから、センダスト(Fe−S
i−Al)合金,Fe−Ga−Si−Ru合金,アモル
ファス合金が薄膜磁気ヘッドの磁気コア材料として検討
されている。
いては、上層コアおよび下層コアとしては、従来よりN
i−Fe(パーマロイ)合金メッキ膜が使用されている
が、パーマロイ合金は軟磁性には優れるものの、飽和磁
束密度については組成を変化させる等を行ったとしても
8.8kGが上限である。このため、パーマロイ合金で
上層コア,下層コアを構成する限りは、記録密度を現状
以上に上昇させるのが困難であり、さらなる高密度記録
化に対応できない。そこで、近年、10kG以上の高飽
和磁束密度が得られることから、センダスト(Fe−S
i−Al)合金,Fe−Ga−Si−Ru合金,アモル
ファス合金が薄膜磁気ヘッドの磁気コア材料として検討
されている。
【0005】ところが、センダスト,Fe−Ga−Si
−Ru合金,アモルファス合金によって上層コアおよび
下層コアを構成した場合には、以下のような不都合が生
じる。
−Ru合金,アモルファス合金によって上層コアおよび
下層コアを構成した場合には、以下のような不都合が生
じる。
【0006】たとえば、センダスト,Fe−Ga−Si
−Ru合金のような結晶系の磁性材料は、良好な軟磁性
を持たせるには500℃以上で熱処理することが必要で
ある。すなわち、製造に際して、下層コア形成後に熱処
理を行うとともに、下層コア上に絶縁層,コイル,上層
コアを形成した後さらに熱処理を行うこととなる。ここ
で、上記絶縁層材料としては、通常、感光性材料が使用
されているが、感光性材料は総じて耐熱性が低いため、
上層コア形成後の熱処理によって温度が上昇すると、変
性,変形等を来す虞れがあり、熱処理が必要なコア材料
を使用する場合には絶縁層材料としては使用できない。
したがって、センダスト,Fe−Ga−Si−Ru合金
を磁気コア材料に使用するためには、絶縁層材料として
少なくとも熱処理温度以上の温度に耐えられる耐熱材料
を使用することが必要となってくる。
−Ru合金のような結晶系の磁性材料は、良好な軟磁性
を持たせるには500℃以上で熱処理することが必要で
ある。すなわち、製造に際して、下層コア形成後に熱処
理を行うとともに、下層コア上に絶縁層,コイル,上層
コアを形成した後さらに熱処理を行うこととなる。ここ
で、上記絶縁層材料としては、通常、感光性材料が使用
されているが、感光性材料は総じて耐熱性が低いため、
上層コア形成後の熱処理によって温度が上昇すると、変
性,変形等を来す虞れがあり、熱処理が必要なコア材料
を使用する場合には絶縁層材料としては使用できない。
したがって、センダスト,Fe−Ga−Si−Ru合金
を磁気コア材料に使用するためには、絶縁層材料として
少なくとも熱処理温度以上の温度に耐えられる耐熱材料
を使用することが必要となってくる。
【0007】耐熱性が高く、且つ薄膜磁気ヘッド用の絶
縁層材料として採用し得るものとしては、SiO2 ,A
l2 O3 等が考えられる。ところが、これら材料は、ス
パッタリング法によって膜形成されるが、スパッタリン
グによって絶縁層を形成しようとすると以下のような問
題が生じる。
縁層材料として採用し得るものとしては、SiO2 ,A
l2 O3 等が考えられる。ところが、これら材料は、ス
パッタリング法によって膜形成されるが、スパッタリン
グによって絶縁層を形成しようとすると以下のような問
題が生じる。
【0008】すなわち、スパッタリング法は、技術的に
凹部,特に深さに対する幅寸法が小さい凹部に対して均
質な膜質の膜を形成するのが困難であるといった欠点を
有する。ここで、絶縁層を形成するに際しては、コイル
の巻線間が凹部となる。したがって、スパッタリングに
て絶縁層を形成するには、上記スパッタリングの欠点を
考慮すると、コイルピッチを大きくとることが必要とな
ってくるが、薄膜磁気ヘッドにおいて、コイルピッチを
大きくとると、巻線数が減少し、再生出力が低下する。
凹部,特に深さに対する幅寸法が小さい凹部に対して均
質な膜質の膜を形成するのが困難であるといった欠点を
有する。ここで、絶縁層を形成するに際しては、コイル
の巻線間が凹部となる。したがって、スパッタリングに
て絶縁層を形成するには、上記スパッタリングの欠点を
考慮すると、コイルピッチを大きくとることが必要とな
ってくるが、薄膜磁気ヘッドにおいて、コイルピッチを
大きくとると、巻線数が減少し、再生出力が低下する。
【0009】つまり、センダスト,Fe−Ga−Si−
Ru合金の結晶性磁性材料で磁性体を構成する場合に
は、絶縁層材料としてスパッタリング法で成膜されるも
のしか使用できないので、コイルピッチを広くとらなけ
ればならず、磁気ヘッドの再生出力の確保が困難とな
る。
Ru合金の結晶性磁性材料で磁性体を構成する場合に
は、絶縁層材料としてスパッタリング法で成膜されるも
のしか使用できないので、コイルピッチを広くとらなけ
ればならず、磁気ヘッドの再生出力の確保が困難とな
る。
【0010】一方、Co−Zr−Pd系合金等に代表さ
れるアモルファス合金を磁気コア材料に使用する場合に
は、製造工程においてセンダストやFe−Ga−Si−
Ru合金等の結晶性磁性材料を使用する場合のように5
00℃以上の熱処理は必要としない。したがって、絶縁
層も高温とされることはないので、絶縁層材料としては
感光性材料を使用して差し支えなく、上記センダストや
Fe−Ga−Si−Ru合金を使用するより有利である
と考えられる。
れるアモルファス合金を磁気コア材料に使用する場合に
は、製造工程においてセンダストやFe−Ga−Si−
Ru合金等の結晶性磁性材料を使用する場合のように5
00℃以上の熱処理は必要としない。したがって、絶縁
層も高温とされることはないので、絶縁層材料としては
感光性材料を使用して差し支えなく、上記センダストや
Fe−Ga−Si−Ru合金を使用するより有利である
と考えられる。
【0011】ところが、アモルファス合金は、熱的に準
安定な材料である。このため、種々の製造工程において
行われるフォトプロセスにおいて生じる熱履歴によって
特性に影響を受け易い。特に、絶縁層となる感光性材料
を安定化するための熱硬化の際に印加される温度がアモ
ルファスにとって決して十分に低い温度とは言えず、ア
モルファス合金で下層コアを構成することは問題が大き
い。
安定な材料である。このため、種々の製造工程において
行われるフォトプロセスにおいて生じる熱履歴によって
特性に影響を受け易い。特に、絶縁層となる感光性材料
を安定化するための熱硬化の際に印加される温度がアモ
ルファスにとって決して十分に低い温度とは言えず、ア
モルファス合金で下層コアを構成することは問題が大き
い。
【0012】このため、アモルファス合金をコア材料と
して使用する工夫として、上層コアのみをアモルファス
合金で構成し、下層コアを熱劣化の生じ難いパーマロイ
で構成する方法が特開平2─308408号公報に提案
されている。
して使用する工夫として、上層コアのみをアモルファス
合金で構成し、下層コアを熱劣化の生じ難いパーマロイ
で構成する方法が特開平2─308408号公報に提案
されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アモルファ
ス合金には、もう一つの欠点としてスパッタリング法と
ドライエッチング法を併用するドライプロセスでしかコ
ア形状とすることができないことがあり、このことがヘ
ッドの生産性,品質の向上を図る上で障害となる。
ス合金には、もう一つの欠点としてスパッタリング法と
ドライエッチング法を併用するドライプロセスでしかコ
ア形状とすることができないことがあり、このことがヘ
ッドの生産性,品質の向上を図る上で障害となる。
【0014】すなわち、ドライプロセスでアモルファス
合金よりなるコアを形成するには、アモルファス合金膜
をスパッタリング法によって3μm程度の膜厚で一面に
被着形成した後、該アモルファス合金膜をTi,Ta等
よりなるコア形状のマスクで覆い、ドライエッチング法
にてエッチングする。
合金よりなるコアを形成するには、アモルファス合金膜
をスパッタリング法によって3μm程度の膜厚で一面に
被着形成した後、該アモルファス合金膜をTi,Ta等
よりなるコア形状のマスクで覆い、ドライエッチング法
にてエッチングする。
【0015】ここで、スパッタリング,ドライエッチン
グは、極めて時間のかかる工程である。例えば、膜厚3
μmのアモルファス合金膜のコアに対応する部分以外を
総てドライエッチングでエッチング除去しようとする
と、この工程で薄膜磁気ヘッドの完成がかなり遅延す
る。コアをフレームメッキ法によって形成する場合に
も、0.1μm厚だけドライエッチングによってエッチ
ング除去する工程が必要となるが、この場合に比べて正
味のドライエッチング時間(真空排気時間,取り出し−
セッティング時間を除いたドライプロセスに要する時
間)で300倍もの時間を要することとなる。
グは、極めて時間のかかる工程である。例えば、膜厚3
μmのアモルファス合金膜のコアに対応する部分以外を
総てドライエッチングでエッチング除去しようとする
と、この工程で薄膜磁気ヘッドの完成がかなり遅延す
る。コアをフレームメッキ法によって形成する場合に
も、0.1μm厚だけドライエッチングによってエッチ
ング除去する工程が必要となるが、この場合に比べて正
味のドライエッチング時間(真空排気時間,取り出し−
セッティング時間を除いたドライプロセスに要する時
間)で300倍もの時間を要することとなる。
【0016】しかも、ドライエッチングでは、図28に
示すように、マスク下部の残存させるべき膜52が余分
に浸食されて断面台形状となる傾向があり、特に膜の厚
さが厚く、エッチング時間が長くなると、この台形の下
辺(図中B)と上辺(図中A)の差が大きくなる。した
がって、トラック幅のコントロールが困難であり、狭ト
ラック化を図る上で不利である。
示すように、マスク下部の残存させるべき膜52が余分
に浸食されて断面台形状となる傾向があり、特に膜の厚
さが厚く、エッチング時間が長くなると、この台形の下
辺(図中B)と上辺(図中A)の差が大きくなる。した
がって、トラック幅のコントロールが困難であり、狭ト
ラック化を図る上で不利である。
【0017】さらに、上層コアは、下層コアとコイルと
絶縁層よりなる丘形状部分に亘って形成される。つま
り、斜面を含んだ面上に形成される斜面部にスパッタリ
ングによってアモルファス合金膜を成膜すると、スパッ
タ粒子が斜め入射となる。スパッタ粒子の入射が斜めで
あると、平面に成膜する場合のようにスパッタ粒子の入
射が垂直であるのに比べて膜の特性が変化し、磁気特性
の劣化をもたらす。しかも、スパッタ粒子が斜め入射で
あると、成膜される膜の膜厚が薄くなり、ドライエッチ
ング工程に際してこの膜厚が薄くなった部分でオーバー
エッチングが発生し、コイル断線を招く可能性も高い。
絶縁層よりなる丘形状部分に亘って形成される。つま
り、斜面を含んだ面上に形成される斜面部にスパッタリ
ングによってアモルファス合金膜を成膜すると、スパッ
タ粒子が斜め入射となる。スパッタ粒子の入射が斜めで
あると、平面に成膜する場合のようにスパッタ粒子の入
射が垂直であるのに比べて膜の特性が変化し、磁気特性
の劣化をもたらす。しかも、スパッタ粒子が斜め入射で
あると、成膜される膜の膜厚が薄くなり、ドライエッチ
ング工程に際してこの膜厚が薄くなった部分でオーバー
エッチングが発生し、コイル断線を招く可能性も高い。
【0018】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、下層コア,上層コアが高
飽和磁束密度を有するとともに精密な形状であり、高周
波数領域において優れた記録再生特性が得られ、且つ高
い生産性で製造できる薄膜磁気ヘッドを提供することを
目的とする。
鑑みて提案されたものであり、下層コア,上層コアが高
飽和磁束密度を有するとともに精密な形状であり、高周
波数領域において優れた記録再生特性が得られ、且つ高
い生産性で製造できる薄膜磁気ヘッドを提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜磁気ヘッドは、下層コア上に絶縁層
を介してコイル導体及び上層コアが積層されてなる薄膜
磁気ヘッドにおいて、上記上層コアはパーマロイ合金膜
と飽和磁束密度が1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜の
積層膜であり、且つ該積層膜の上記下層コアと対向する
側の層は上記高飽和磁束密度軟磁性膜であるとともに、
上記高飽和磁束密度軟磁性膜の膜厚が1μm以下である
ことを特徴とするものである。
めに、本発明の薄膜磁気ヘッドは、下層コア上に絶縁層
を介してコイル導体及び上層コアが積層されてなる薄膜
磁気ヘッドにおいて、上記上層コアはパーマロイ合金膜
と飽和磁束密度が1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜の
積層膜であり、且つ該積層膜の上記下層コアと対向する
側の層は上記高飽和磁束密度軟磁性膜であるとともに、
上記高飽和磁束密度軟磁性膜の膜厚が1μm以下である
ことを特徴とするものである。
【0020】また、上記下層コアはパーマロイ合金膜と
飽和磁束密度が1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜の積
層膜であり、且つ該積層膜の上記上層コアと対向する側
の層は上記高飽和磁束密度軟磁性膜であるとともに、上
記高飽和磁束密度軟磁性膜の膜厚が1μm以下であるこ
とを特徴とするものである。さらに、上記高飽和磁束密
度軟磁性膜がアモルファス合金膜であることを特徴とす
るものである。
飽和磁束密度が1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜の積
層膜であり、且つ該積層膜の上記上層コアと対向する側
の層は上記高飽和磁束密度軟磁性膜であるとともに、上
記高飽和磁束密度軟磁性膜の膜厚が1μm以下であるこ
とを特徴とするものである。さらに、上記高飽和磁束密
度軟磁性膜がアモルファス合金膜であることを特徴とす
るものである。
【0021】また、さらに、上記パーマロイ合金膜が金
属製の非磁性体膜を介在することによって多層構造とさ
れていることを特徴とするものである。また、上記非磁
性体膜がCuであることを特徴とするものである。
属製の非磁性体膜を介在することによって多層構造とさ
れていることを特徴とするものである。また、上記非磁
性体膜がCuであることを特徴とするものである。
【0022】
【作用】本発明においては、上層コア,下層コアをパー
マロイ合金膜と、膜厚1μm以下,飽和磁束密度1T以
上の高飽和磁束密度軟磁性膜により構成し、且つ上層コ
ア,下層コアにおいて上記高飽和磁束密度軟磁性膜を磁
気ギャップ側となるように配する。
マロイ合金膜と、膜厚1μm以下,飽和磁束密度1T以
上の高飽和磁束密度軟磁性膜により構成し、且つ上層コ
ア,下層コアにおいて上記高飽和磁束密度軟磁性膜を磁
気ギャップ側となるように配する。
【0023】上記高飽和磁束密度軟磁性膜は、膜厚が1
μm以下であってもギャップ側に配されることによりそ
の高飽和磁束密度性を十分に発揮し、薄膜磁気ヘッドの
記録再生出力を飛躍的に向上させる。また、上記高飽和
磁束密度軟磁性膜の膜厚を1μm以下と薄く設定する
と、高飽和磁束密度軟磁性膜としてアモルファス合金膜
等のようなドライプロセスによって成膜される磁性膜を
使用した場合でも、ドライプロセスによって形成される
部分は僅かなものとなる。したがって、ドライプロセス
を使用することによって生じる不都合、すなわちコア形
状,特にフロントギャップ部形状のばらつき、生産性の
低下が回避できる。
μm以下であってもギャップ側に配されることによりそ
の高飽和磁束密度性を十分に発揮し、薄膜磁気ヘッドの
記録再生出力を飛躍的に向上させる。また、上記高飽和
磁束密度軟磁性膜の膜厚を1μm以下と薄く設定する
と、高飽和磁束密度軟磁性膜としてアモルファス合金膜
等のようなドライプロセスによって成膜される磁性膜を
使用した場合でも、ドライプロセスによって形成される
部分は僅かなものとなる。したがって、ドライプロセス
を使用することによって生じる不都合、すなわちコア形
状,特にフロントギャップ部形状のばらつき、生産性の
低下が回避できる。
【0024】このとき、上層コア,下層コアを構成する
パーマロイ合金膜に金属製の非磁性体膜を膜厚方向を分
断するように介在させると、パーマロイ合金膜の磁区が
安定化して透磁率が向上し、渦電流損失が抑えられ、特
に高周波数領域において良好な特性を発揮するようにな
る。また、非磁性体膜が金属製であると、磁性体膜との
密着性が良いので、該非磁性体膜と磁性体膜の間に下地
膜を設ける必要がなく、しかも非磁性体膜が電極として
代用できるようになるので、電極膜の成膜回数も少なく
てすむ。したがって、製造工程が簡易になり、生産性が
向上する。
パーマロイ合金膜に金属製の非磁性体膜を膜厚方向を分
断するように介在させると、パーマロイ合金膜の磁区が
安定化して透磁率が向上し、渦電流損失が抑えられ、特
に高周波数領域において良好な特性を発揮するようにな
る。また、非磁性体膜が金属製であると、磁性体膜との
密着性が良いので、該非磁性体膜と磁性体膜の間に下地
膜を設ける必要がなく、しかも非磁性体膜が電極として
代用できるようになるので、電極膜の成膜回数も少なく
てすむ。したがって、製造工程が簡易になり、生産性が
向上する。
【0025】特に、非磁性体膜として、銅を使用すると
銅はパーマロイ合金膜をエッチングするのに使用するウ
ェットエッチング液にて容易にエッチングされるので、
ウェットエッチング液が一種類で済み、製造コストの削
減,製造工程の簡易化が図れる。
銅はパーマロイ合金膜をエッチングするのに使用するウ
ェットエッチング液にて容易にエッチングされるので、
ウェットエッチング液が一種類で済み、製造コストの削
減,製造工程の簡易化が図れる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を適用した薄膜磁気ヘッドの具
体的な実施例について説明する。
体的な実施例について説明する。
【0027】本実施例の薄膜磁気ヘッドは図1に示すよ
うに、基板1上に下層コア2が形成され、この上に絶縁
膜3を介して導体コイル4および上層コア5が形成され
てなっている。
うに、基板1上に下層コア2が形成され、この上に絶縁
膜3を介して導体コイル4および上層コア5が形成され
てなっている。
【0028】上記基板1には、例えばチタン酸カリウ
ム,セラミックス,アルミナアルチック等の非磁性材料
よりなる基板、あるいはMn−Zn系フェライト,Ni
−Zn系フェライト等の強磁性材料よりなる基板が使用
される。また、本例のようにAl2 O3 −TiCセラミ
ック層1aとAl2 O3 層1bの2層構成の基板を使用
するようにしてもよい。
ム,セラミックス,アルミナアルチック等の非磁性材料
よりなる基板、あるいはMn−Zn系フェライト,Ni
−Zn系フェライト等の強磁性材料よりなる基板が使用
される。また、本例のようにAl2 O3 −TiCセラミ
ック層1aとAl2 O3 層1bの2層構成の基板を使用
するようにしてもよい。
【0029】上記下層コア2は、良好な軟磁気特性に有
し、且つ熱的に安定な強磁性材料より構成される。例え
ば、Ni−Fe系合金の他、Fe−Al系合金、Fe−
Al−Si系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−A
l−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co
−Si−Al系合金等の強磁性金属材料、あるいはFe
−Ga−Si系合金の耐蝕性や耐摩耗性の一層の向上を
図るために、Fe,Ga,Co(Feの一部をCoで置
換したものを含む。),Siを基本組成とする合金に、
Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,R
u,Os,Rh,Ir,Re,Ni,Pb,Pt,H
f,Vの少なくとも一種を添加したものであってもよ
い。これら磁性材料は上記特性を有するとともにメッキ
法による膜形成が可能であり、生産性を得る上でも有利
である。
し、且つ熱的に安定な強磁性材料より構成される。例え
ば、Ni−Fe系合金の他、Fe−Al系合金、Fe−
Al−Si系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−A
l−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co
−Si−Al系合金等の強磁性金属材料、あるいはFe
−Ga−Si系合金の耐蝕性や耐摩耗性の一層の向上を
図るために、Fe,Ga,Co(Feの一部をCoで置
換したものを含む。),Siを基本組成とする合金に、
Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,R
u,Os,Rh,Ir,Re,Ni,Pb,Pt,H
f,Vの少なくとも一種を添加したものであってもよ
い。これら磁性材料は上記特性を有するとともにメッキ
法による膜形成が可能であり、生産性を得る上でも有利
である。
【0030】さらに、この下層コア2の上には、磁気ギ
ャップを構成するためのギャップ膜6が形成されてい
る。ギャップ膜6としては、例えばSiO2 やTa2 O
5 等よりなる膜が使用される。さらに上記ギャップ膜6
には、CuやAl等の導電金属材料よりなる導体コイル
4が絶縁膜3に埋め込まれ形で所定間隔で複数ターン渦
巻状に形成されている。なお、導体コイル4の形態とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばヘリカル
型,ジグザグ型等であってもよい。また、導体コイルは
一層巻線構造としてもよいが、この例のように多層巻線
構造としてもよい。また、上記絶縁層3としては、形成
が容易でかつ精密な形状が得られることから感光性材料
が使用される。
ャップを構成するためのギャップ膜6が形成されてい
る。ギャップ膜6としては、例えばSiO2 やTa2 O
5 等よりなる膜が使用される。さらに上記ギャップ膜6
には、CuやAl等の導電金属材料よりなる導体コイル
4が絶縁膜3に埋め込まれ形で所定間隔で複数ターン渦
巻状に形成されている。なお、導体コイル4の形態とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばヘリカル
型,ジグザグ型等であってもよい。また、導体コイルは
一層巻線構造としてもよいが、この例のように多層巻線
構造としてもよい。また、上記絶縁層3としては、形成
が容易でかつ精密な形状が得られることから感光性材料
が使用される。
【0031】そして、さらに上記絶縁膜4上には、前記
下層コアに共働して磁気回路部を構成する上層コア5が
所望の形状に形成されている。すなわち、上記上層コア
5は、導体コイルの渦巻の中央部から磁気記録媒体対接
面近傍に跨いで形成され、上記渦巻の中央部では、絶縁
膜3及びギャップ膜6に設けられた窓部を介して下層コ
ア2と接続されバックギャップを構成している。一方、
磁気記録媒体対接面近傍では、上記上層コア5はギャッ
プ膜6を挟んで下層コア2と対向し、磁気ギャップgを
構成するようになっている。したがって、下層コア2と
上層コア5は、導体コイル4を中央部に挟んでバックギ
ャップ及び磁気ギャップを介して磁気的に結合され、磁
気回路部を構成する。
下層コアに共働して磁気回路部を構成する上層コア5が
所望の形状に形成されている。すなわち、上記上層コア
5は、導体コイルの渦巻の中央部から磁気記録媒体対接
面近傍に跨いで形成され、上記渦巻の中央部では、絶縁
膜3及びギャップ膜6に設けられた窓部を介して下層コ
ア2と接続されバックギャップを構成している。一方、
磁気記録媒体対接面近傍では、上記上層コア5はギャッ
プ膜6を挟んで下層コア2と対向し、磁気ギャップgを
構成するようになっている。したがって、下層コア2と
上層コア5は、導体コイル4を中央部に挟んでバックギ
ャップ及び磁気ギャップを介して磁気的に結合され、磁
気回路部を構成する。
【0032】上記上層コア5は、本実施例の薄膜磁気ヘ
ッドでは、高飽和磁束密度を獲得するために、パーマロ
イ合金膜13と、膜厚が1μm以下,飽和磁束密度が1
T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜11よりなる積層構造
とされ、且つ上記高飽和磁束密度軟磁性膜11が下層コ
ア2と対向する側,すなわちギャップg側に配されてお
り、これにより高再生出力が得られるようになってい
る。
ッドでは、高飽和磁束密度を獲得するために、パーマロ
イ合金膜13と、膜厚が1μm以下,飽和磁束密度が1
T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜11よりなる積層構造
とされ、且つ上記高飽和磁束密度軟磁性膜11が下層コ
ア2と対向する側,すなわちギャップg側に配されてお
り、これにより高再生出力が得られるようになってい
る。
【0033】飽和磁束密度が1T以上の高飽和磁束密度
軟磁性膜,すなわちパーマロイよりも飽和磁束密度が大
きい軟磁性膜としては、アモルファス合金膜等が挙げら
れ、アモルファス合金のみで下層コアの全てを構成すれ
ば高飽和磁束密度を得る上で有利であると考えられる。
ところが、アモルファス合金はドライプロセスでしか磁
気コアとすることができない。このため、アモルファス
合金のみで下層コア全てを構成しようとすると、ドライ
プロセスの原理上下層コアの形状、特にフロントギャッ
プ部の形状が精密なものとならない。また、ドライプロ
セスは時間のかかるプロセスであり、コア形成にかなり
の時間を割くようになる。
軟磁性膜,すなわちパーマロイよりも飽和磁束密度が大
きい軟磁性膜としては、アモルファス合金膜等が挙げら
れ、アモルファス合金のみで下層コアの全てを構成すれ
ば高飽和磁束密度を得る上で有利であると考えられる。
ところが、アモルファス合金はドライプロセスでしか磁
気コアとすることができない。このため、アモルファス
合金のみで下層コア全てを構成しようとすると、ドライ
プロセスの原理上下層コアの形状、特にフロントギャッ
プ部の形状が精密なものとならない。また、ドライプロ
セスは時間のかかるプロセスであり、コア形成にかなり
の時間を割くようになる。
【0034】そこで、本発明においては、高飽和磁束密
度を獲得するとともに上記問題の発生を抑えるために、
上層コア5をパーマロイ合金膜12と高飽和磁束密度軟
磁性膜11よりなる積層構造とし、且つ高飽和磁束密度
軟磁性膜11をギャップ側に配するとともに膜厚を1μ
m以下と薄く設定する。
度を獲得するとともに上記問題の発生を抑えるために、
上層コア5をパーマロイ合金膜12と高飽和磁束密度軟
磁性膜11よりなる積層構造とし、且つ高飽和磁束密度
軟磁性膜11をギャップ側に配するとともに膜厚を1μ
m以下と薄く設定する。
【0035】上記高飽和磁束密度軟磁性膜11は、膜厚
が1μm以下であってもギャップ側に配されることによ
りその高飽和磁束密度性を十分に発揮し、ヘッドの記録
再生出力を飛躍的に向上させる。また、高飽和磁束密度
軟磁性膜11の膜厚を薄く設定すれば、上層コア5にお
いてドライプロセスで成膜される部分は僅かなものとな
るので、フロントギャップ部において大きく形状がばら
つくことがなく、コア形成にもそれほど時間を割かなく
て済む。したがって、良好な特性を有する磁気ヘッドが
効率良く得られることとなる。なお、上記高飽和磁束密
度軟磁性膜11の効果を十分得るには、該高飽和磁束密
度軟磁性膜11の膜厚は0.2μm以上とすることが望
ましい。
が1μm以下であってもギャップ側に配されることによ
りその高飽和磁束密度性を十分に発揮し、ヘッドの記録
再生出力を飛躍的に向上させる。また、高飽和磁束密度
軟磁性膜11の膜厚を薄く設定すれば、上層コア5にお
いてドライプロセスで成膜される部分は僅かなものとな
るので、フロントギャップ部において大きく形状がばら
つくことがなく、コア形成にもそれほど時間を割かなく
て済む。したがって、良好な特性を有する磁気ヘッドが
効率良く得られることとなる。なお、上記高飽和磁束密
度軟磁性膜11の効果を十分得るには、該高飽和磁束密
度軟磁性膜11の膜厚は0.2μm以上とすることが望
ましい。
【0036】高飽和磁束密度軟磁性膜11となるアモル
ファス合金としては、MaTbAcの組成式で表される
アモルファス合金等が使用される。ここで、Mは磁気モ
ーメントを有するCo,Fe,Niなどの少なくとも一
種であり、AはZr,Hfなどの少なくとも1種であ
る。Tは、M及びA以外の遷移金属である。上記アモル
ファス合金としては、300℃未満のアニール処理で軟
磁気特性の向上が可能なCo系非晶質合金、例えばCo
−Zr−Pd系非晶質合金を用いることが好ましい。ア
ニール処理温度が300℃未満であれば導体コイルを埋
め込む絶縁層として樹脂材料を用いた場合でも、この種
の絶縁層として用いられる樹脂材料は耐熱温度が300
℃よりやや上にあるので絶縁膜3の熱劣化を誘発するこ
とはない。
ファス合金としては、MaTbAcの組成式で表される
アモルファス合金等が使用される。ここで、Mは磁気モ
ーメントを有するCo,Fe,Niなどの少なくとも一
種であり、AはZr,Hfなどの少なくとも1種であ
る。Tは、M及びA以外の遷移金属である。上記アモル
ファス合金としては、300℃未満のアニール処理で軟
磁気特性の向上が可能なCo系非晶質合金、例えばCo
−Zr−Pd系非晶質合金を用いることが好ましい。ア
ニール処理温度が300℃未満であれば導体コイルを埋
め込む絶縁層として樹脂材料を用いた場合でも、この種
の絶縁層として用いられる樹脂材料は耐熱温度が300
℃よりやや上にあるので絶縁膜3の熱劣化を誘発するこ
とはない。
【0037】このように上記上層コア5は、高飽和磁束
密度軟磁性膜11とパーマロイ合金膜12より構成され
るが、図2に示すように、上記パーマロイ合金膜12に
非磁性体膜14を膜厚方向に分断するように介在させる
ようにしてもよい。これにより、パーマロイ合金膜の磁
区が安定化して透磁率が向上し、渦電流損失も低減さ
れ、高周波数領域において優れた記録再生出力を発揮す
るようになる。
密度軟磁性膜11とパーマロイ合金膜12より構成され
るが、図2に示すように、上記パーマロイ合金膜12に
非磁性体膜14を膜厚方向に分断するように介在させる
ようにしてもよい。これにより、パーマロイ合金膜の磁
区が安定化して透磁率が向上し、渦電流損失も低減さ
れ、高周波数領域において優れた記録再生出力を発揮す
るようになる。
【0038】なお、パーマロイ合金膜12に非磁性体膜
14を介在させる場合、非磁性体膜14を介在させるの
はフロントギャップ部を除いた部分に限ることが望まし
い。これは、フロントギャップ部のパーマロイ合金膜1
2に非磁性体膜が介在していると、該非磁性体膜が疑似
ギャップとして機能し、記録再生に悪影響を及ぼす虞れ
があるからである。図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、フ
ロントギャップ部において、非磁性体膜14上にパーマ
ロイ合金膜を形成しないことにより非磁性体膜が疑似ギ
ャップとして作用するのを防止するようになっている。
なお、上記非磁性体膜の膜厚は、少なくともギャップ幅
よりも小さいことが望ましく、0.1μm以下とするこ
とがより望ましい。
14を介在させる場合、非磁性体膜14を介在させるの
はフロントギャップ部を除いた部分に限ることが望まし
い。これは、フロントギャップ部のパーマロイ合金膜1
2に非磁性体膜が介在していると、該非磁性体膜が疑似
ギャップとして機能し、記録再生に悪影響を及ぼす虞れ
があるからである。図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、フ
ロントギャップ部において、非磁性体膜14上にパーマ
ロイ合金膜を形成しないことにより非磁性体膜が疑似ギ
ャップとして作用するのを防止するようになっている。
なお、上記非磁性体膜の膜厚は、少なくともギャップ幅
よりも小さいことが望ましく、0.1μm以下とするこ
とがより望ましい。
【0039】上記非磁性体膜14としては、金属膜を使
用することが好ましい。金属膜を非磁性体膜として使用
すると、金属膜は、磁性体膜との密着性が良いので磁性
体膜と非磁性体膜の間に密着性を確保するための下地膜
が不要となる,磁性体膜をメッキ法で形成する場合に電
極膜として代用できるので電極膜も不要となる等,下地
膜,電極膜を形成しなくて済む分製造工程が簡略化でき
る。
用することが好ましい。金属膜を非磁性体膜として使用
すると、金属膜は、磁性体膜との密着性が良いので磁性
体膜と非磁性体膜の間に密着性を確保するための下地膜
が不要となる,磁性体膜をメッキ法で形成する場合に電
極膜として代用できるので電極膜も不要となる等,下地
膜,電極膜を形成しなくて済む分製造工程が簡略化でき
る。
【0040】上記非磁性体膜に使用する金属材料として
は、たとえばメッキ法によって成膜される非磁性金属材
料として、銅、錫、亜鉛、銀、カドミウム、クロム、黄
銅、半田、銀−鉛合金、銅−鉛合金、銅−錫合金、銀−
カドミウム合金、銀−鉛合金、銀−銅合金、銀−ビスマ
ス合金、銀−ガリウム合金、鉛等がある。また、スパッ
タリング法によって成膜される非磁性金属材料として、
これら金属,合金の他、アルミニウム、鉛、アルミニウ
ム−銅合金、アルミニウム−マグネシウム合金等があ
る。ここで、金属材料を選択するに際しては、パーマロ
イ合金膜をエッチングする際のウェットエッチング液に
よってエッチング可能な金属材料を採用すると、エッチ
ング液が1種類ですみ、コストの低減、製造工程の簡略
化に有利となる。そのような金属材料としては、銅、黄
銅、錫、亜鉛、半田、銅−錫合金等が挙げられ、この
内、特に銅が適している。
は、たとえばメッキ法によって成膜される非磁性金属材
料として、銅、錫、亜鉛、銀、カドミウム、クロム、黄
銅、半田、銀−鉛合金、銅−鉛合金、銅−錫合金、銀−
カドミウム合金、銀−鉛合金、銀−銅合金、銀−ビスマ
ス合金、銀−ガリウム合金、鉛等がある。また、スパッ
タリング法によって成膜される非磁性金属材料として、
これら金属,合金の他、アルミニウム、鉛、アルミニウ
ム−銅合金、アルミニウム−マグネシウム合金等があ
る。ここで、金属材料を選択するに際しては、パーマロ
イ合金膜をエッチングする際のウェットエッチング液に
よってエッチング可能な金属材料を採用すると、エッチ
ング液が1種類ですみ、コストの低減、製造工程の簡略
化に有利となる。そのような金属材料としては、銅、黄
銅、錫、亜鉛、半田、銅−錫合金等が挙げられ、この
内、特に銅が適している。
【0041】因みに、下層コア2,ギャップ膜6,導体
コイル4,絶縁膜3が形成された上に、高飽和磁束密度
軟磁性膜11,非磁性体膜14が介在するパーマロイ合
金膜12を形成する形成工程を以下に説明する。
コイル4,絶縁膜3が形成された上に、高飽和磁束密度
軟磁性膜11,非磁性体膜14が介在するパーマロイ合
金膜12を形成する形成工程を以下に説明する。
【0042】上記上層コア5を形成するには、まず図3
に示すように、絶縁膜3上にCr,Ti等よりなる下地
膜10,アモルファス合金よりなる高飽和磁束密度軟磁
性膜11をスパッタリングにて成膜する。そして、図4
に示すようにこの高飽和磁束密度軟磁性膜11上にコア
形状に対応したフレーム23を形成し、図5に示すよう
に、第1のパーマロイ合金膜13および非磁性体膜14
を電解メッキ法により形成した後、図6に示すようにフ
レーム23を除去する。次いで、今度は、図7に示すよ
うにコア部分のうちフロントギャップ部を除いた部分の
みを囲むようにしてフレーム15を形成して、図8に示
すように、第2のパーマロイ合金膜16を電解メッキ法
によって形成する。そして、図9に示すように、このフ
レーム15を除去した後、図10に示すようにフレーム
15が形成されていた部分の各膜10,11をドライエ
ッチングによって除去する。そして、図11に示すよう
にレジスト17によってコア部分を覆う如くコートし、
図12に示すようにウェットエッチングにてコア部分以
外の余分な膜を除去して上層コア5が形成される。
に示すように、絶縁膜3上にCr,Ti等よりなる下地
膜10,アモルファス合金よりなる高飽和磁束密度軟磁
性膜11をスパッタリングにて成膜する。そして、図4
に示すようにこの高飽和磁束密度軟磁性膜11上にコア
形状に対応したフレーム23を形成し、図5に示すよう
に、第1のパーマロイ合金膜13および非磁性体膜14
を電解メッキ法により形成した後、図6に示すようにフ
レーム23を除去する。次いで、今度は、図7に示すよ
うにコア部分のうちフロントギャップ部を除いた部分の
みを囲むようにしてフレーム15を形成して、図8に示
すように、第2のパーマロイ合金膜16を電解メッキ法
によって形成する。そして、図9に示すように、このフ
レーム15を除去した後、図10に示すようにフレーム
15が形成されていた部分の各膜10,11をドライエ
ッチングによって除去する。そして、図11に示すよう
にレジスト17によってコア部分を覆う如くコートし、
図12に示すようにウェットエッチングにてコア部分以
外の余分な膜を除去して上層コア5が形成される。
【0043】以下に、銅を非磁性体膜材料とする場合の
電解メッキ条件の一例を示す。 電解メッキ条件 メッキ液: 硫酸銅系メッキ液 メッキ温度: 25℃ メッキ電流: 2〜3A/dm2
電解メッキ条件の一例を示す。 電解メッキ条件 メッキ液: 硫酸銅系メッキ液 メッキ温度: 25℃ メッキ電流: 2〜3A/dm2
【0044】上記形成工程は、非磁性体膜14を電解メ
ッキ法にて形成する場合であるが、非磁性体膜14はス
パッタリングにて形成しても差し支えない。
ッキ法にて形成する場合であるが、非磁性体膜14はス
パッタリングにて形成しても差し支えない。
【0045】その場合には、まず上述の場合と同様にし
て、図13に示すように絶縁膜3上にCr,Ti等より
なる下地膜10およびアモルファス合金よりなる高飽和
磁束密度軟磁性膜11をスパッタリングにて成膜する。
そして、図14に示すようにこの高飽和磁束密度軟磁性
膜11上にコア形状に対応したフレーム23を形成し、
図15に示すように、第1のパーマロイ合金膜13を電
解メッキ法により形成した後、図16に示すように、フ
レーム23を除去し、図17に示すように、非磁性体膜
14をスパッタリングによって形成する。そして、図1
8に示すように、コア部分のうちフロントギャップ部を
除いた部分のみを囲むようにしてフレーム15を形成し
て、図19に示すように第2のパーマロイ合金膜16を
電解メッキ法によって形成する。そして、図20に示す
ように、このフレーム15を除去した後、図21に示す
ようにフレーム15が形成されていた部分の各膜10,
11,14をドライエッチングによって除去する。そし
て、図22に示すようにレジスト17によってコア部分
を覆う如くコートし、図23に示すようにウェットエッ
チングにてコア部分以外の余分な膜を除去して上層コア
5が形成される。
て、図13に示すように絶縁膜3上にCr,Ti等より
なる下地膜10およびアモルファス合金よりなる高飽和
磁束密度軟磁性膜11をスパッタリングにて成膜する。
そして、図14に示すようにこの高飽和磁束密度軟磁性
膜11上にコア形状に対応したフレーム23を形成し、
図15に示すように、第1のパーマロイ合金膜13を電
解メッキ法により形成した後、図16に示すように、フ
レーム23を除去し、図17に示すように、非磁性体膜
14をスパッタリングによって形成する。そして、図1
8に示すように、コア部分のうちフロントギャップ部を
除いた部分のみを囲むようにしてフレーム15を形成し
て、図19に示すように第2のパーマロイ合金膜16を
電解メッキ法によって形成する。そして、図20に示す
ように、このフレーム15を除去した後、図21に示す
ようにフレーム15が形成されていた部分の各膜10,
11,14をドライエッチングによって除去する。そし
て、図22に示すようにレジスト17によってコア部分
を覆う如くコートし、図23に示すようにウェットエッ
チングにてコア部分以外の余分な膜を除去して上層コア
5が形成される。
【0046】以下に銅を非磁性体膜材料とする場合のス
パッタ条件の一例を示す。 スパッタ条件 スパッタガス: Arガス スパッタガス圧:4×10-3Torr ターゲット: 外径3 投入パワー: 200W
パッタ条件の一例を示す。 スパッタ条件 スパッタガス: Arガス スパッタガス圧:4×10-3Torr ターゲット: 外径3 投入パワー: 200W
【0047】このようにして上層コアを形成するに際し
て、アモルファス合金膜形成後、あるいはパーマロイ合
金膜形成後に例えば回転磁場中でアニール処理を施すよ
うにしても良い。これにより上層コアの軟磁気特性が向
上できる。なお、アニール処理を行うに際しては、処理
によって誘導される異方性が10Oe以上(反磁界を除
いて)とならないように注意する必要がある。異方性が
10Oe以上になると1MHz〜5MHzの高周波数領
域での透磁率が1000以下となるといった好ましから
ぬ結果を招くからである。
て、アモルファス合金膜形成後、あるいはパーマロイ合
金膜形成後に例えば回転磁場中でアニール処理を施すよ
うにしても良い。これにより上層コアの軟磁気特性が向
上できる。なお、アニール処理を行うに際しては、処理
によって誘導される異方性が10Oe以上(反磁界を除
いて)とならないように注意する必要がある。異方性が
10Oe以上になると1MHz〜5MHzの高周波数領
域での透磁率が1000以下となるといった好ましから
ぬ結果を招くからである。
【0048】以上、説明したように、薄膜磁気ヘッドに
おいては、上層コア5をパーマロイ合金膜12と高飽和
磁束密度軟磁性膜11よりなる積層構造とし、且つ高飽
和磁束密度軟磁性膜11をギャップ側に配するとともに
膜厚を1μm以下と薄く設定することにより、生産性を
低下させることなく飽和磁束密度の向上が可能となる
が、さらに図24に示すように下層コア2を上記上層コ
ア5と同様にパーマロイ合金膜19と高飽和磁束密度軟
磁性膜18よりなる積層構造としても良い。下層コアに
設けられる場合にも該高飽和磁束密度軟磁性膜18はギ
ャップ側に配するとともに膜厚を1μm以下と薄く設定
する。これにより、より高い飽和磁束密度が獲得でき、
再生出力の向上が可能となる。また、さらにこのパーマ
ロイ合金膜19にも膜厚方向を分断するように非磁性体
膜24を介在させるようにしても良い。これによりパー
マロイ合金膜19の磁区が安定化し、透磁率が向上する
とともに渦電流損失が低減され、高周波数領域における
記録再生特性が向上する。
おいては、上層コア5をパーマロイ合金膜12と高飽和
磁束密度軟磁性膜11よりなる積層構造とし、且つ高飽
和磁束密度軟磁性膜11をギャップ側に配するとともに
膜厚を1μm以下と薄く設定することにより、生産性を
低下させることなく飽和磁束密度の向上が可能となる
が、さらに図24に示すように下層コア2を上記上層コ
ア5と同様にパーマロイ合金膜19と高飽和磁束密度軟
磁性膜18よりなる積層構造としても良い。下層コアに
設けられる場合にも該高飽和磁束密度軟磁性膜18はギ
ャップ側に配するとともに膜厚を1μm以下と薄く設定
する。これにより、より高い飽和磁束密度が獲得でき、
再生出力の向上が可能となる。また、さらにこのパーマ
ロイ合金膜19にも膜厚方向を分断するように非磁性体
膜24を介在させるようにしても良い。これによりパー
マロイ合金膜19の磁区が安定化し、透磁率が向上する
とともに渦電流損失が低減され、高周波数領域における
記録再生特性が向上する。
【0049】なお、下層コアに設けられる高飽和磁束密
度軟磁性膜18の材料,非磁性体膜24の材料として
は、上層コアにおいて例示したものがいずれも使用可能
である。
度軟磁性膜18の材料,非磁性体膜24の材料として
は、上層コアにおいて例示したものがいずれも使用可能
である。
【0050】次に、薄膜磁気ヘッドにおいて上記構成を
採用することによる効果を検討した。
採用することによる効果を検討した。
【0051】先ず、パーマロイ膜に非磁性体膜を介在さ
せることによる効果を調べるために、以下の実験を行っ
た。
せることによる効果を調べるために、以下の実験を行っ
た。
【0052】図25に示すように、基板81上に第1の
パーマロイ合金膜82,Cu非磁性体膜83,第2のパ
ーマロイ合金膜84をフレーム電解メッキ法にて幅10
μm,長さ15mmの棒状に1000本形成し、2層構
造のストライプコア(サンプルコア)を作製した。な
お、第1のパーマロイ合金膜,第2のパーマロイ合金膜
は、膜厚2.0μmで形成し、Cu非磁性体膜は、膜厚
0.1μmで形成した。なお、Cu非磁性体膜の膜厚は
Cuをメッキする際のクーロン数より換算したものであ
る。
パーマロイ合金膜82,Cu非磁性体膜83,第2のパ
ーマロイ合金膜84をフレーム電解メッキ法にて幅10
μm,長さ15mmの棒状に1000本形成し、2層構
造のストライプコア(サンプルコア)を作製した。な
お、第1のパーマロイ合金膜,第2のパーマロイ合金膜
は、膜厚2.0μmで形成し、Cu非磁性体膜は、膜厚
0.1μmで形成した。なお、Cu非磁性体膜の膜厚は
Cuをメッキする際のクーロン数より換算したものであ
る。
【0053】そして、作製したストライプコアについて
周波数と透磁率の関係を調べた。その結果を図26に示
す。
周波数と透磁率の関係を調べた。その結果を図26に示
す。
【0054】また、比較として、膜厚4μmのパーマロ
イ合金膜を幅10μm,長さ15mmの棒状に1000
本形成して単層構造のストライプコア(比較コア)を作
製し、周波数と透磁率の関係を調べた。その結果も併せ
て図26に示す。
イ合金膜を幅10μm,長さ15mmの棒状に1000
本形成して単層構造のストライプコア(比較コア)を作
製し、周波数と透磁率の関係を調べた。その結果も併せ
て図26に示す。
【0055】なお、図26中点線はサンプルコアの周波
数特性,実線は比較コアの周波数特性をそれぞれ示すも
のである。
数特性,実線は比較コアの周波数特性をそれぞれ示すも
のである。
【0056】図26からわかるように、比較コアにおい
ては記録周波数が5MHzを越えた辺りから透磁率が減
少し始め、10MHz以上の記録周波数では十分な透磁
率が得られない。これに対して、サンプルコアでは、記
録周波数を10MHzとした場合でも高透磁率を維持し
ている。このことから、パーマロイ合金膜に非磁性体膜
を介在させることは、特に高周波数領域における記録再
生特性を向上させる上で有効であることがわかった。
ては記録周波数が5MHzを越えた辺りから透磁率が減
少し始め、10MHz以上の記録周波数では十分な透磁
率が得られない。これに対して、サンプルコアでは、記
録周波数を10MHzとした場合でも高透磁率を維持し
ている。このことから、パーマロイ合金膜に非磁性体膜
を介在させることは、特に高周波数領域における記録再
生特性を向上させる上で有効であることがわかった。
【0057】次に、下層コア,上層コアに高飽和磁束密
度軟磁性膜を設けることによる効果を調べるために以下
の実験を行った。
度軟磁性膜を設けることによる効果を調べるために以下
の実験を行った。
【0058】下層コア,上層コアが共にパーマロイ合金
膜と、高飽和磁束密度軟磁性膜となるCo−Zr−Pd
非晶質合金膜よりなる磁気ヘッド(サンプルヘッド
1),下層コアがパーマロイ合金膜のみよりなり、上層
コアがパーマロイ合金膜とCo−Zr−Pd非晶質合金
膜よりなるよりなる磁気ヘッド(サンプルヘッド2),
下層コア,上層コアが共にパーマロイ合金膜よりなる磁
気ヘッド(比較例ヘッド)を作製した。
膜と、高飽和磁束密度軟磁性膜となるCo−Zr−Pd
非晶質合金膜よりなる磁気ヘッド(サンプルヘッド
1),下層コアがパーマロイ合金膜のみよりなり、上層
コアがパーマロイ合金膜とCo−Zr−Pd非晶質合金
膜よりなるよりなる磁気ヘッド(サンプルヘッド2),
下層コア,上層コアが共にパーマロイ合金膜よりなる磁
気ヘッド(比較例ヘッド)を作製した。
【0059】なお、上記ヘッドを作製するに際して、パ
ーマロイ合金膜はフレーム電解メッキ法にて形成し、C
o−Zr−Pd非晶質合金膜はドライプロセスで膜厚を
0.8μmに設定して形成した。また、形成したCo−
Zr−Pd非晶質合金膜,パーマロイ合金膜の飽和磁束
密度Bsは、それぞれ1.3T,0.85Tであり、ギ
ャップ長は0.3μmとした。
ーマロイ合金膜はフレーム電解メッキ法にて形成し、C
o−Zr−Pd非晶質合金膜はドライプロセスで膜厚を
0.8μmに設定して形成した。また、形成したCo−
Zr−Pd非晶質合金膜,パーマロイ合金膜の飽和磁束
密度Bsは、それぞれ1.3T,0.85Tであり、ギ
ャップ長は0.3μmとした。
【0060】このようにして作製した磁気ヘッドについ
て、再生出力,オーバーライト特性を測定した。その結
果を表1に示す。なお、測定条件は以下の通りである。 測定条件 フライングハイト:0.1μm 媒体の保磁力Hc:1400Oe 風速: 6.2m/秒 記録密度: 35kFCI
て、再生出力,オーバーライト特性を測定した。その結
果を表1に示す。なお、測定条件は以下の通りである。 測定条件 フライングハイト:0.1μm 媒体の保磁力Hc:1400Oe 風速: 6.2m/秒 記録密度: 35kFCI
【0061】
【表1】
【0062】表1からわかるように サンプルヘッド
1,サンプルヘッド2は、比較ヘッドに比べて良好なオ
ーバーライト特性が有するとともに、10MHzの高周
波数領域において優れた再生出力を示す。特に、下層コ
ア,上層コアが共にパーマロイ合金膜と、Co−Zr−
Pd非晶質合金膜よりなるサンプルヘッド1において、
優れた特性が得られる。
1,サンプルヘッド2は、比較ヘッドに比べて良好なオ
ーバーライト特性が有するとともに、10MHzの高周
波数領域において優れた再生出力を示す。特に、下層コ
ア,上層コアが共にパーマロイ合金膜と、Co−Zr−
Pd非晶質合金膜よりなるサンプルヘッド1において、
優れた特性が得られる。
【0063】このことから、上層コア,下層コアに高飽
和磁束密度軟磁性膜を設けることは、オーバーライト特
性,高周波数領域における再生出力の向上を図る上で有
効であることがわかった。
和磁束密度軟磁性膜を設けることは、オーバーライト特
性,高周波数領域における再生出力の向上を図る上で有
効であることがわかった。
【0064】なお、以上が本発明の薄膜磁気ヘッドの基
本的な構成例であるが、本発明の薄膜磁気ヘッドには、
図27に示すように磁気抵抗効果素子20,バイアス導
体21が絶縁層を介してシールドコアに挟み込まれてな
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドを再生専用ヘッドとして搭
載するようにしても良い。この場合、上記下層コア2
を、磁気抵抗効果素子の下側に設けられた下層シールド
コア22とともに上記磁気抵抗効果素子20を磁気シー
ルドする上層シールドコアとして機能させれば良い。
本的な構成例であるが、本発明の薄膜磁気ヘッドには、
図27に示すように磁気抵抗効果素子20,バイアス導
体21が絶縁層を介してシールドコアに挟み込まれてな
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドを再生専用ヘッドとして搭
載するようにしても良い。この場合、上記下層コア2
を、磁気抵抗効果素子の下側に設けられた下層シールド
コア22とともに上記磁気抵抗効果素子20を磁気シー
ルドする上層シールドコアとして機能させれば良い。
【0065】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の薄膜磁気ヘッドは、上層コア,下層コアがパーマロ
イ合金膜と、膜厚が1μm以下,飽和磁束密度が1T以
上の高飽和磁束密度軟磁性膜の積層膜であるので、上層
コア,下層コアが高飽和磁束密度を有するとともに精密
な形状を有し、高周波数領域において良好記録再生特性
が得られ、しかも、効率良く製造できる。
明の薄膜磁気ヘッドは、上層コア,下層コアがパーマロ
イ合金膜と、膜厚が1μm以下,飽和磁束密度が1T以
上の高飽和磁束密度軟磁性膜の積層膜であるので、上層
コア,下層コアが高飽和磁束密度を有するとともに精密
な形状を有し、高周波数領域において良好記録再生特性
が得られ、しかも、効率良く製造できる。
【0066】また、上記パーマロイ合金膜を金属製の非
磁性体膜を介在させて多層構造とすると、製造工程を煩
雑化させずに、さらに高周波数領域における記録再生特
性が向上できる。したがって、本発明によれば、ハード
ディスクシステム等の薄膜磁気ヘッドを採用するシステ
ムのさらなる高密度記録化が可能となる。
磁性体膜を介在させて多層構造とすると、製造工程を煩
雑化させずに、さらに高周波数領域における記録再生特
性が向上できる。したがって、本発明によれば、ハード
ディスクシステム等の薄膜磁気ヘッドを採用するシステ
ムのさらなる高密度記録化が可能となる。
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドの一例を示す要部概略
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドの他の例を示す要部概
略断面図である。
略断面図である。
【図3】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造工程の一例を工
程順に従って示すもので、アモルファス合金膜形成工程
を示す断面図である。
程順に従って示すもので、アモルファス合金膜形成工程
を示す断面図である。
【図4】第1のフレーム形成工程を示す断面図である。
【図5】第1のパーマロイ合金膜および非磁性体膜形成
工程を示す断面図である。
工程を示す断面図である。
【図6】第1のフレーム除去工程を示す断面図である。
【図7】第2のフレーム形成工程を示す断面図である。
【図8】第2のパーマロイ合金膜形成工程を示す断面図
である。
である。
【図9】第2のフレーム除去工程を示す断面図である。
【図10】ドライエッチング工程を示す断面図である。
【図11】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造工程のうちレ
ジスト形成工程を示す断面図である。
ジスト形成工程を示す断面図である。
【図12】ウェットエッチング工程を示す断面図であ
る。
る。
【図13】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造工程の他の例
を工程順に示すもので、アモルファス合金膜形成工程を
示す断面図である。
を工程順に示すもので、アモルファス合金膜形成工程を
示す断面図である。
【図14】第1のフレーム形成工程を示す断面図であ
る。
る。
【図15】第1のパーマロイ合金膜形成工程を示す断面
図である。
図である。
【図16】第1のフレーム除去工程を示す断面図であ
る。
る。
【図17】非磁性体膜形成工程を示す断面図である。
【図18】第2のフレーム形成工程を示す断面図であ
る。
る。
【図19】第2のパーマロイ合金膜形成工程を示す断面
図である。
図である。
【図20】第2のフレーム除去工程を示す断面図であ
る。
る。
【図21】ドライエッチング工程を示す断面図である。
【図22】レジスト形成工程を示す断面図である。
【図23】ウェットエッチング工程を示す断面図であ
る。
る。
【図24】本発明の薄膜磁気ヘッドのさらに他の例を示
す要部概略断面図である。
す要部概略断面図である。
【図25】ストライプコアの形状を示す概略斜視図であ
る。
る。
【図26】記録周波数と透磁率の関係を示す特性図であ
る。
る。
【図27】本発明の薄膜磁気ヘッドのまたさらに他の例
を示す要部概略断面図である。
を示す要部概略断面図である。
【図28】ドライエッチングされた高飽和磁束密度軟磁
性膜の形状を示す模式図である。
性膜の形状を示す模式図である。
1 ・・・基板 2 ・・・下層コア 3 ・・・絶縁膜 4 ・・・導体コイル 5 ・・・上層コア 11,18・・・高飽和磁束密度膜 12,19・・・パーマロイ合金膜 14,24・・・非磁性体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 清志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 下層コア上に絶縁層を介してコイル導体
及び上層コアが積層されてなる薄膜磁気ヘッドにおい
て、 上記上層コアはパーマロイ合金膜と飽和磁束密度が1T
以上の高飽和磁束密度軟磁性膜の積層膜であり、且つ該
積層膜の上記下層コアと対向する側の層は上記高飽和磁
束密度軟磁性膜であるとともに、上記高飽和磁束密度軟
磁性膜の膜厚が1μm以下であることを特徴とする薄膜
磁気ヘッド。 - 【請求項2】 上記下層コアはパーマロイ合金膜と飽和
磁束密度が1T以上の高飽和磁束密度軟磁性膜の積層膜
であり、且つ該積層膜の上記上層コアと対向する側の層
は上記高飽和磁束密度軟磁性膜であるとともに、上記高
飽和磁束密度軟磁性膜の膜厚が1μm以下であることを
特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】 上記高飽和磁束密度軟磁性膜がアモルフ
ァス合金膜であることを特徴とする請求項1または請求
項2記載の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項4】 上記パーマロイ合金膜が金属製の非磁性
体膜を介在することによって多層構造とされていること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の薄膜磁気ヘ
ッド。 - 【請求項5】 上記非磁性体膜がCuであることを特徴
とする請求項1または請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2415492 | 1992-02-10 | ||
JP4-24154 | 1992-02-10 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05290329A true JPH05290329A (ja) | 1993-11-05 |
Family
ID=12130428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2304393A Pending JPH05290329A (ja) | 1992-02-10 | 1993-02-10 | 薄膜磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05290329A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6780530B2 (en) | 1999-10-06 | 2004-08-24 | Nec Corporation | Magnetic material having a high saturation magnetic flux density and a low coercive force |
US6989962B1 (en) * | 2000-09-26 | 2006-01-24 | Western Digital (Fremont), Inc. | Inductive write head having high magnetic moment poles and low magnetic moment thin layer in the back gap, and methods for making |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP2304393A patent/JPH05290329A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6780530B2 (en) | 1999-10-06 | 2004-08-24 | Nec Corporation | Magnetic material having a high saturation magnetic flux density and a low coercive force |
US6989962B1 (en) * | 2000-09-26 | 2006-01-24 | Western Digital (Fremont), Inc. | Inductive write head having high magnetic moment poles and low magnetic moment thin layer in the back gap, and methods for making |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030930 |