JPH05224024A - 光ファイバ心線の皮剥ぎ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接続する光ファイバ心線の供給方向に場所を
とらない小型の光ファイバ心線の皮剥ぎ装置を提供す
る。 【構成】 皮剥ぎ基台14の右端側に皮剥ぎ刃13ａを設
け、同基台14の左端側に皮剥ぎ刃13ｂを設け、皮剥ぎ刃
13ａと皮剥ぎ刃13ｂを光ファイバ心線11ａ，11ｂの供給
方向に対して直交する前後方向に位置をずらして設け
る。光ファイバ心線11ａと光ファイバ心線11ｂの皮剥ぎ
を行う場合には、光ファイバ心線11ａを皮剥ぎ刃13ａか
ら皮剥ぎ基台14側に皮剥ぎの長さ分だけ突出し、同様に
光ファイバ心線11ｂを皮剥ぎ刃13ｂから皮剥ぎ分だけ皮
剥ぎ基台14側に突出する。そして、皮剥ぎ刃13ａと皮剥
ぎ刃13ｂで光ファイバ心線の被覆部材に切り込みを入
れ、光ファイバ心線11ａをファイバ把持部12ａで右方向
に引き抜き、光ファイバ心線11ｂをファイバ把持部12ｂ
で左方向に引き抜くことで光ファイバ心線11ａ，11ｂの
皮剥ぎが同時に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、左右両側から供給され
てくる単心又は多心の光ファイバ心線を融着接続する前
の段階で皮剥ぎを自動的に行う光ファイバ心線の皮剥ぎ
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光通信等に使用される単心又は多
心の光ファイバ心線を融着接続する場合は、接続する光
ファイバ心線のそれぞれの端部を手作業によって皮剥
ぎ、つまり、被覆部材の除去を行い、露出した裸光ファ
イバの端面をカットした後、手動の接続装置に取り付け
て裸光ファイバの両端面を突き合わせて融着接続するも
のであった。

【０００３】しかし、この手作業による光ファイバ心線
の接続は非常に煩雑で、作業能率が悪く、これを解消す
るために、本発明者等は、光ファイバ心線の自動接続装
置を開発している。この自動接続装置は、心線カセット
に複数の光ファイバ心線をセッティングして装置本体に
取り付け、接続装置を駆動制御することにより、心線カ
セットにセッティングされている光ファイバ心線を１本
ずつ所定の作業工程に搬送し、光ファイバ心線の皮剥
ぎ、裸光ファイバの端面カット、融着接続、接続部の補
強が順次自動的に行われ、全工程の作業が済んだ光ファ
イバ心線が次々に取り出されるものである。この自動接
続装置はまだ開示されておらず、したがって、この自動
接続装置に装備される光ファイバ心線の皮剥ぎ装置も開
示されていない。

【０００４】前記自動接続装置に装備する光ファイバ心
線の皮剥ぎ装置として、図４に示すものが考えられる。
この装置は右側から供給されてくる光ファイバ心線１ａ
と左側から供給されてくる光ファイバ心線１ｂとの同一
中心軸線上にファイバ把持部２ａ，２ｂと、皮剥ぎ刃３
を備えた皮剥ぎ基台４ａ，４ｂを直列状に配列して設
け、光ファイバ心線１ａを皮剥ぎするときには、光ファ
イバ心線１ａを皮剥ぎ刃３から所定の長さだけ皮剥ぎ基
台４ａ側に突出した状態にしてから皮剥ぎ刃３で光ファ
イバ心線１ａに切り込みを入れ、光ファイバ心線１ａを
ファイバ把持部２ａで挟みながらファイバ把持部２ａを
光ファイバ心線１ａの供給方向と反対側、つまり、右側
に移動する。これにより、皮剥ぎ刃３から皮剥ぎ基台４
ａ側に突出している部分の裸光ファイバが被覆部材と分
離して引き抜かれ、光ファイバ心線１ａの皮剥ぎが行わ
れる。同様に、左側から供給されてくる光ファイバ心線
１ｂも皮剥ぎ基台４ｂ側の皮剥ぎ刃３で切り込みを入れ
てからファイバ把持部２ｂで光ファイバ心線を把持し、
そのファイバ把持部２ｂを左方向に移動することにより
皮剥ぎ刃３から皮剥ぎ基台４ｂ側に突出している部分の
裸光ファイバが引き抜かれて皮剥ぎが達成されることに
なる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ファ
イバ心線１ａ用の皮剥ぎ基台４ａと光ファイバ心線１ｂ
用の皮剥ぎ基台４ｂとを別個独立に設け、光ファイバ心
線１ａの皮剥ぎを行うファイバ把持部２ａおよび皮剥ぎ
基台４ａと、光ファイバ心線１ｂの皮剥ぎを行うファイ
バ把持部２ｂおよび皮剥ぎ基台４ｂとを直線上に配列す
ると、皮剥ぎ基台４ａ，４ｂは少なくとも光ファイバ心
線１ａ，１ｂの皮剥ぎ部分の長さだけ横方向（光ファイ
バ心線の供給方向）の長さを確保しなければならないこ
とからこれを直列に配列すると大きなスペースが必要と
なり、この皮剥ぎ装置を自動接続装置に装備すると、自
動接続装置も大型化してしまうという問題が生じる。

【０００６】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、左右両側から供給されてく
る光ファイバ心線をより狭いスペース内で皮剥ぎを行う
ことができ、光ファイバ心線の自動接続装置に装備した
場合にもその装置を小型に構成することができる光ファ
イバ心線の皮剥ぎ装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明の光ファイバ心線の皮剥ぎ装置は、右側から送られ
てくる第１の光ファイバ心線の皮剥ぎを行う第１の皮剥
ぎ刃と、左側から送られてくる第２の光ファイバ心線の
皮剥ぎを行う第２の皮剥ぎ刃とが共通の基台の左右両端
側に離して設けられ、この第１の皮剥ぎ刃と第２の皮剥
ぎ刃は光ファイバ心線送りの左右方向に対してそれと直
交する前後方向に位置をずらして配設されていることを
特徴として構成されている。

【０００８】

【作用】上記構成において、左右両側から光ファイバ心
線を皮剥ぎ刃が設けられている基台に供給すると、第１
の光ファイバ心線の端部は第１の皮剥ぎ刃から基台側に
突出し、第２の光ファイバ心線は第２の皮剥ぎ刃から基
台側に突出してそれぞれセッティングされる。つまり、
第１の光ファイバ心線の端部と第２の光ファイバ心線の
端部は共通の基台の長さ領域で前後方向に位置をずらし
てオーバーラップした状態で平行に突出する。

【０００９】この状態で、第１の皮剥ぎ刃で第１の光フ
ァイバ心線を挟んで切り込みを入れ、第２の皮剥ぎ刃で
第２の光ファイバ心線を挟んで切り込みを入れて、別途
設けられるファイバ把持部で第１の光ファイバ心線を右
方向に、第２の光ファイバ心線を左方向に引き抜くこと
により、第１の光ファイバ心線と第２の光ファイバ心線
との皮剥ぎが同時に行われる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１および図２には本発明に係る光ファイバ心線
の皮剥ぎ装置の一実施例が示されている。本実施例の装
置は本発明者等が開発した光ファイバ心線の自動接続装
置に装備されるもので、第１の光ファイバ心線11ａは図
示されていないファイバ供給装置により右側から供給さ
れるようになっており、第２の光ファイバ心線11ｂは皮
剥ぎ装置の左側から同様に図示されていないファイバ供
給装置により供給されるようになっており、第１の光フ
ァイバ心線11ａと第２の光ファイバ心線11ｂの供給通路
は同一平面上で（同一高さ位置で）光ファイバ心線11
ａ，11ｂの送り方向（左右方向）に対して直交する同一
平面上の前後方向に位置がずらされている。

【００１１】本実施例の光ファイバ心線の皮剥ぎ装置
は、第１の光ファイバ心線11ａを把持する第１のファイ
バ把持部12ａと、第２の光ファイバ心線11ｂを把持する
第２のファイバ把持部12ｂと、第１の皮剥ぎ刃13ａおよ
び第２の皮剥ぎ刃13ｂが設けられている皮剥ぎ基台14と
を備えて構成されている。前記第１の皮剥ぎ刃13ａは皮
剥ぎ基台14の右端側の第１の光ファイバ心線11ａの供給
通路上に設けられており、また、第２の皮剥ぎ刃13ｂは
皮剥ぎ基台14の左端側の第２の光ファイバ心線11ｂの供
給通路上に設けられている。すなわち、第１の皮剥ぎ刃
13ａと第２の皮剥ぎ刃13ｂは同一平面上（同一高さ位
置）にあり、光ファイバ心線11ａ，11ｂの供給方向であ
る左右方向に対して直交する前後方向に位置をずらして
設けられている。この第１の皮剥ぎ刃13ａと第２の皮剥
ぎ刃13ｂは上刃15と下刃16とからなり、この上下両刃1
5，16で裸光ファイバに傷をつけることなく上下両側か
ら光ファイバ心線の被覆部材に切り込みが入れられるよ
うになっている。

【００１２】前記皮剥ぎ基台14の右側近傍位置には第１
の光ファイバ心線11ａを挟んで把持する第１のファイバ
把持部12ａが設けられており、皮剥ぎ基台14の左側近傍
位置には第２の光ファイバ心線11ｂを挟んで把持する第
２のファイバ把持部12ｂが設けられている。この第１の
ファイバ把持部12ａと第２のファイバ把持部12ｂは上側
把持部材17と下側把持部材18とを有しており、この把持
部材17，18は図示されていない周知の把持機構によって
光ファイバ心線の挟み込みによる把持とその把持解除と
が可能になっており、また、両ファイバ把持部12ａ，12
ｂには進退移動機構（図示せず）が設けられていて、光
ファイバ心線の供給方向に進退移動が自在になってい
る。そしてこれらファイバ把持部12ａ，12ｂのファイバ
把持動作と進退移動動作は図示されていない制御装置に
より制御されている。

【００１３】前記皮剥ぎ基台14は上下移動が可能になっ
ており、その上下移動も前記制御装置により制御されて
いる。皮剥ぎ基台14の上端側には皮剥ぎされた裸光ファ
イバの端面同志を放電によって融着接続するＶ溝ブロッ
ク20が設けられている。

【００１４】本実施例は上記のように構成されており、
次に、光ファイバ心線の皮剥ぎ動作について説明する。
この皮剥ぎ動作に際しては、まず、第１および第２のフ
ァイバ把持部12ａ，12ｂの上側把持部材17と下側把持部
材18とが開いている状態で、皮剥ぎ基台14の左右両側か
ら第１の光ファイバ心線11ａと第２の光ファイバ心線11
ｂが同時に供給され、第１の光ファイバ心線11ａは第１
の皮剥ぎ刃13ａから皮剥ぎ長さ分だけ皮剥ぎ基台14側に
突出した位置でセッティングされ、第２の光ファイバ心
線11ｂは第２の皮剥ぎ刃13ｂから皮剥ぎ基台14側に皮剥
ぎ分の長さだけ突出した状態でセッティングされる。

【００１５】この状態で、皮剥ぎ刃13ａ，13ｂの上刃15
と下刃16の挟み込みによって第１の光ファイバ心線11ａ
と第２の光ファイバ心線11ｂの被覆部材に切り込みが入
れられる。次に、第１のファイバ把持部12ａによって第
１の光ファイバ心線11ａを把持し、第２のファイバ把持
部12ｂによって第２の光ファイバ心線11ｂを把持し、第
１のファイバ把持部12ａを右方向に後退移動し、第２の
ファイバ把持部12ｂを左側に向けて後退移動することに
より、皮剥ぎ刃13ａ，13ｂから皮剥ぎ基台14側に突出す
る皮剥ぎ部分21（図２）の裸光ファイバが引き抜かれて
目的とする第１の光ファイバ心線11ａと第２の光ファイ
バ心線11ｂとの皮剥ぎが同時に達成される。

【００１６】この皮剥ぎが完了した後、皮剥ぎされた裸
光ファイバの端面カットが行われ、さらに皮剥ぎされた
屑と裸光ファイバの端面カットの屑が除去された後、皮
剥ぎ基台14の下方移動が図３に示すように行われ、Ｖ溝
ブロック20を利用して第１の光ファイバ心線11ａと第２
の光ファイバ心線11ｂとの放電による融着接続が達成さ
れ、次の融着接続部の補強作業の工程に移行するのであ
る。

【００１７】本実施例によれば、皮剥ぎ基台14の右端側
に第１の皮剥ぎ刃13ａを設け、同基台14の左端側に第２
の皮剥ぎ刃13ｂを設け、しかも、第１の皮剥ぎ刃13ａと
第２の皮剥ぎ刃13ｂとを前後方向にずらして配置してい
るから、皮剥ぎに際して第１の光ファイバ心線11ａと第
２の光ファイバ心線11ｂをセッティングするとき、第１
の光ファイバ心線11ａの皮剥ぎ部分21と第２の光ファイ
バ心線11ｂの皮剥ぎ部分21を皮剥ぎ基台14側に平行にオ
ーバーラップさせながら突出することができ、これによ
り、図４に示すように皮剥ぎ基台４ａ，４ｂを２台直列
状に配置する場合に比べ横幅方向（図２の左右方向）の
省スペースが図れ、小さいスペースでもって両光ファイ
バ心線11ａ，11ｂの皮剥ぎを行うことができ、本実施例
の装置を光ファイバ心線の自動接続装置に装備した場合
においても、その装備スペースを小さくできるので、自
動接続装置の小型化が可能となる。

【００１８】また、本実施例では、皮剥ぎ基台14の上端
側にＶ溝ブロック20を設け、光ファイバ心線の皮剥ぎを
行った後、皮剥ぎ基台14を下降させて光ファイバ心線の
供給高さ位置でＶ溝ブロック20を利用して光ファイバ心
線の融着接続を行うように構成されているから、上下方
向のスペースを有効に使って光ファイバ心線の皮剥ぎと
光ファイバ心線の融着を同一の作業位置で行うことがで
き、光ファイバ心線の融着位置を光ファイバ心線の供給
方向（横方向）に配置する場合に比べ、自動接続装置の
よりコンパクト化が達成できるのである。

【００１９】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得るものである。例
えば、上記実施例では光ファイバ心線の自動接続装置に
装備する皮剥ぎ装置の例で説明したが、本発明の皮剥ぎ
装置は光ファイバ心線の自動接続装置とは別個独立の単
独の光ファイバ心線の皮剥ぎ装置としても適用されるも
のである。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、光ファイバ心線の皮剥ぎを行
う際に、第１の光ファイバ心線と第２の光ファイバ心線
の皮剥ぎ先端部分を皮剥ぎ基台の方に前後方向に位置を
ずらしてオーバーラップさせて突出できるように構成し
たものであるから、その第１の光ファイバ心線と第２の
光ファイバ心線の皮剥ぎ部分がオーバーラップする分だ
け横幅方向のスペースを小さくすることができ、光ファ
イバ心線の皮剥ぎ装置を小型に構成することができる。

【００２１】したがって、本発明の皮剥ぎ装置を光ファ
イバ心線の自動接続装置に装備することにより、その自
動接続装置のより小型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光ファイバ心線の皮剥ぎ装置の一
実施例を示す構成説明図である。

【図２】本実施例の装置を図１の平面側から見た構成説
明図である。

【図３】光ファイバ心線の皮剥ぎを行った後、皮剥ぎ基
台を下降して皮剥ぎ作業と同一の作業位置で光ファイバ
心線の融着接続を行う動作状態を示す本実施例の説明図
である。

【図４】光ファイバ心線の自動接続装置に装備される光
ファイバ心線の皮剥ぎ装置として考えられる装置構成の
説明図である。

【符号の説明】

11ａ 第１の光ファイバ心線 11ｂ 第２の光ファイバ心線 12ａ 第１のファイバ把持部 12ｂ 第２のファイバ把持部 13ａ 第１の皮剥ぎ刃 13ｂ 第２の皮剥ぎ刃 14 皮剥ぎ基台

フロントページの続き (72)発明者 三島 誠良 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 佐武 俊明 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 右側から送られてくる第１の光ファイバ
   心線の皮剥ぎを行う第１の皮剥ぎ刃と、左側から送られ
   てくる第２の光ファイバ心線の皮剥ぎを行う第２の皮剥
   ぎ刃とが共通の基台の左右両端側に離して設けられ、こ
   の第１の皮剥ぎ刃と第２の皮剥ぎ刃は光ファイバ心線送
   りの左右方向に対してそれと直交する前後方向に位置を
   ずらして配設されている光ファイバ心線の皮剥ぎ装置。