JPH05221710A - セラミックス成形用組成物 - Google Patents

セラミックス成形用組成物

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JPH05221710A
JPH05221710A JP4029510A JP2951092A JPH05221710A JP H05221710 A JPH05221710 A JP H05221710A JP 4029510 A JP4029510 A JP 4029510A JP 2951092 A JP2951092 A JP 2951092A JP H05221710 A JPH05221710 A JP H05221710A
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JP
Japan
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gelling agent
ceramic powder
agent
organic solvent
cross
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Application number
JP4029510A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Kawahara
竜也 川原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶媒をゲル化してセラミックス粉末を成
形する組成物において、ゲル強度を向上させて成形体及
び焼結体の欠陥を低減すること。 【構成】 セラミックス粉末、有機溶媒、分散剤、ゲル
化剤としてヒドロキシ基含有脂肪酸又はその誘導体、及
び該ゲル化剤と水素結合する官能基を2以上有する重量
平均分子量5000以上の架橋剤とを含むことを特徴と
するセラミックス成形用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス成形用組成
物に係り、より詳しく述べると、有機溶媒をゲル化して
セラミックス粉末を成形する組成物の成形体強度の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、有機溶媒中にセラミックス
粉末が分散されかつゲル化剤を含むスラリー状組成物を
型内に注入し、その組成物をゲル化させてセラミックス
成形体を得る方法、そしてそのゲル化剤としてヒドロキ
シ基含有脂肪酸又はその誘導体を用いることを示してい
る(特願平3−334402号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のセラミックス成
形用組成物ではゲル強度が不十分であり、成形体離型時
に剥離、変形を生じる場合がある。ゲル化剤を増量する
ことによってゲル強度を向上させることは可能である。
しかし、この場合には、乾燥、脱脂時間が長くなるデメ
リットがあるほか、ゲル化剤の増量に伴なってヒケ、ク
ラック等の発生率も増加する。
【0004】そこで、本発明は有機溶媒をゲル化してセ
ラミックス粉末を成形する組成物において、ゲル強度を
向上させて欠陥を低減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、セラミックス粉末、有機溶媒、ゲル化剤
としてヒドロキシ基含有脂肪酸又はその誘導体、及び該
ゲル化剤と水素結合する官能基を2以上有する重量平均
分子量5000以上の架橋剤を含むことを特徴とするセ
ラミックス成形用組成物を提供する。
【0006】本発明で使用できるセラミックス粉末は特
に限定なく、窒化珪素、炭化珪素等に広く適用できる。
セラミックス粉末の量は40〜70体積%の範囲が一般
的で、粉末の充填性に依存するが、望ましくは45〜6
5体積%である。好ましいセラミックス粉末の粒径は
0.1〜1μmである。有機溶媒としては石油系炭化水
素溶剤が好ましい。石油系炭化水素溶剤としてはパラフ
ィン系炭化水素(iso−パラフィン、n−パラフィ
ン)、芳香族系炭化水素(アルキルベンゼン等)、ナフ
テン系などが挙げられる。特に、芳香族系、ナフテン系
炭化水素のように板状構造の分子のもの、又n−パラフ
ィンを溶剤の少なくとも一部として用いると微細なゲル
組織が得られ、高強度の焼結体が得られるので好まし
い。有機溶媒の量は一般的に10〜60体積%である。
有機溶媒の量が60体積%より多いと、焼成時の収縮が
大きく、亀裂の発生する可能性が高い。また、10体積
%より少ないと脱脂する際必要な気孔が少なくなるため
脱脂後に亀裂が発生する。
【0007】本発明においてゲル化剤はヒドロキシル基
含有脂肪酸又はその誘導体である。すなわち、配合物を
加熱した状態で液状化し、型内で冷却すると固化するヒ
ドロキシル基を含有する脂肪酸系化合物である。典型的
には、50〜100℃の温度で溶融し、室温で固化する
化合物がよい。ヒドロキシル基は冷却時に水素結合によ
り有機溶媒をゲル化させるために必要であり、1分子中
1個でも効果があるが、ヒドロキシル価80以上のもの
がより好ましい。ヒドロキシル価が小さいとゲル化の効
果、添加量減少の効果、固化時間の短縮の効果がなくな
る。例示すれば、ヒマシ硬化脂肪酸(12−ヒドロキシ
ステアリン酸)、ヒドロキシステアリン酸系エステル、
ヒドロキシ脂肪酸系アミドなどがある。ヒドロキシ基含
有脂肪酸又はその誘導体の量は一般に1〜50体積%範
囲内でよく、望ましくは30体積%以下であり、特に多
量であることを要せず、脱脂を短時間化する上で有効で
ある。
【0008】本発明の組成物では、上記ゲル化剤と組合
せて、ゲル化剤と水素結合を形成する官能基を2以上有
する重量平均分子量5000以上の重合体を使用する。
ゲル化剤としてのヒドロキシ基含有脂肪酸又はその誘導
体は、低分子であり、官能基を2〜3個持つのみで他の
分子との結合が1〜2箇所のみの水素結合によるため、
ゲル強度が低い。そこで、上記の如き重合体を添加する
と、架橋剤として機能してゲル強度を向上させる。重合
体の官能基としては
【0009】
【化1】
【0010】などが有効である。官能基は2以上ないと
架橋剤として働かない。分子量を5000以上としたの
は、ある程度離れた場所に存在するゲル化剤分子と結合
し高分子のからみ合い効果を持たせるために必要な分子
量を得て、ゲル強度を向上させるためである。好ましい
分子量は10000〜2000の範囲である。上限は1
0万程度である。これ以上の分子量を持つ架橋剤の使用
は得られるセラミックス成形用組成物の粘度の著しい上
昇をもたらすため好ましくない。さらに、この架橋剤を
予めゲル化剤と縮合させておくと、ゲル強度をさらに向
上させることができる。
【0011】このような重合体架橋剤の例としては、下
記式(I)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、Rはアルキル基、Aは直接結合又
は下記式(II)
【0014】
【化3】
【0015】の基であるが、式(II)の基は一般に少
量、例えば6%以下、又はなくてよい。)で表わされる
ポリオキシプロピレンモノアリルモノブチルエーテルと
無水マレイン酸(及びスチレン)の共重合物(例、日本
油脂マリアリム)、あるいはサンノブコ製SNディスパ
ーサント9228、同3260、同4115等がある。
架橋剤の量はゲル化剤100体積部に対して25体積部
以下、より好ましくは5〜25体積部の範囲がよい。2
5体積を越えるとゲル化強度の効果は飽和し、脱脂時間
の増大につながるため好ましくない。
【0016】また、セラミックス粉末の分散性を向上さ
せるために、分散剤を併せて使用することも可能であ
る。分散剤としては、セラミックス粉末、有機溶媒およ
びヒドロキシル基含有脂肪酸又はその誘導体からなる配
合物を加熱して流動化されたときセラミックス粉末を分
散させる機能を有する化合物であれば使用できるが、例
えばポリエチレンアルキルエーテル系フォスフェートや
ポリエチレングリコールアルキルエーテルが好ましく使
用される。
【0017】分散剤の添加量は一般にセラミックス粉末
に対して1〜10wt%である。過剰に添加するとスラリ
ー粘度が増加し、過少の場合はスラリーにすることはで
きない。また最適な添加量は分散剤のタイプ、セラミッ
クス粉末の特性(特に比表面積)により決まる。また、
この固化剤には、スラリー流動性、成形体強度向上等を
考慮して、ワックス、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、高級アルコール、脂肪酸及びその
エステル、金属石ケン等を組み合わせて使用することも
可能である。本発明のセラミックス成形用組成物では、
セラミックス粉末と有機溶媒とゲル化剤と架橋剤を含む
流動性のスラリーを作成し、型内に注入後、ゲル化(固
化)させるが、流動性を有するスラリーの形成条件及び
ゲル化の条件はゲル化剤等の種類に依存する。
【0018】代表的な工程を説明する。セラミックス粉
末、有機溶媒、ゲル化剤、架橋剤を混合するが、ゲル化
剤、架橋剤を有機溶媒に溶解させる必要があるので、先
ず、セラミックス粉末、有機溶媒及び/又は分散剤をミ
ル中で混合し、その後加熱し、これに加熱して溶融状態
にしたゲル化剤及び架橋剤を添加し、加熱下で混合す
る。このとき、前記の如く、ゲル化剤と架橋剤を予め縮
合させておいてもよい。
【0019】ゲル化剤及び架橋剤をより均一に混合する
ために余分の有機溶剤を用いる場合には、次に、濃度調
整を行なう。すなわち、加熱して余分な有機溶媒を蒸発
除去する。こうして得られる適当なセラミックス濃度と
良好な流動性を有するスラリーを例えば室温等、低温の
型に注入して冷却固化(ゲル化)させる。この注入は低
圧(例えば1〜10kg/cm2)下で可能である。
【0020】固化したセラミックス成形体は脱型後、1
00℃以下(例えば50〜80℃)程度の温度で10〜
24時間位乾燥させて、有機溶媒の殆んど又は全部を除
去する。次いで、脱脂し、焼結する。脱脂は例えば5〜
20℃/hrで昇温し、ゲル化剤及び架橋剤が燃焼あるい
は分解する温度〔約480℃(max)〕で3〜5時間
保持する。その後最適な温度条件で焼結してセラミック
ス焼結体を得る。
【0021】
【作用】ゲル化剤と水素結合する架橋剤はゲル化剤と比
べて高分子であるので、分子のからみ合い、引き抜き抵
抗の効果で、ゲルの結合強度を向上させる効果がある。
【0022】
【実施例】先ず、高分子架橋剤として重量平均分子量2
万、カルボキシル基として約100相当の官能基を持つ
無水マレイン酸とポリオレフィンの共重合物、ゲル化剤
として12−ヒドロキシステアリン酸を用いて、高分子
架橋剤の効果を評価を行った。
【0023】 ゲル化剤(12−ヒドロキシステアリン酸) 20vol % 架橋剤(無水フレイン酸/ポリオレフィン共重合体) 2〜20vol % 溶媒(イソパラフィン) 60〜78vol % 上記成分を80℃で1〜48時間溶融混合後、25℃に
温調された金型に1kg/cm2 の圧力にて80mm×20mm
×10mmのテストピースを成形して、30℃で3点曲げ
抗折試験に供した。
【0024】結果を図1、図2に示す。図1は溶融時間
を4時間とし、架橋剤の量を〜20vol %まで変えた場
合の3点曲げ強度の変化を示している。架橋剤を添加し
たものは添加しないものに比べ強度が向上し、その効果
は添加量とともに増大するが、ある量以上では一定とな
っている。このことから、脱脂性を悪化させずにゲル強
度を向上させるためには、添加量1.0〜5.0%(ゲ
ル化剤に対して5〜25%)が望ましいことがわかる。
【0025】図2は架橋剤の添加量を2vol %とし、加
熱溶融時間を1〜48時間で変えた場合の3点曲げ強度
の変化を示している。溶融時間が長くなるにともないゲ
ル強度が上昇するのは、架橋剤高分子と12−ヒドロキ
システアリン酸の縮合反応が進んでいるためである。よ
り長時間の溶融時間ではゲル強度が低下するがこれは1
2−ヒドロキシステアリン酸相互が結合してゲル化に寄
与する官能基を失い、ゲル化能を失いはじめているから
である。このように、架橋剤をただ添加するのみでも効
果はあるが、あらかじめゲル化剤と縮合させることはゲ
ル強度向上のメリットが大きい。
【0026】次に、上記と同じゲル化剤及び架橋剤を用
いてセラミックス粉末を成形した。 Si3 4 粉末(平均粒径0.3μm) 50 vol % 有機溶媒(ミネラルスピリット) 29.5vol % 分散剤(ポリエチレンアルキルエーテル系フォスフェート) 8.5vol % ゲル化剤(12−ヒドロキシステアリン酸) 10 vol % 架橋剤(式(II)の基を6%以下含む式(I)の無水マレ イン酸/ポリオレフィン共重合体) 2 vol % 上記成分をミル中80℃で加熱溶融し、均一スラリーを
作成した。このスラリーをターボホイール形状をした初
期温度45℃に温調された型内に2.0kg/cm 2 の圧力
で注入し、冷却後型温が25℃になった時点で脱型し
た。
【0027】また、比較例として、上記架橋剤を添加せ
ず、有機溶媒を31.5vol %として同様に成形体を得
た。得られた成形体を観察したところ、比較例では離型
の際に発生するハクリ欠陥の発生率が約20%であっ
た。実施例においては5%以下になっていた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、有機溶媒をゲル化して
セラミックス粉末を成形する組成物において、ゲル強度
が向上し、成形体及び焼結体の欠点を低減する効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】架橋剤添加によるゲル強度の変化を示す図であ
る。
【図2】ゲル化剤と架橋剤を溶融する時間がゲル強度に
及ぼす効果を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末、有機溶媒、ゲル化剤
    としてヒドロキシ基含有脂肪酸又はその誘導体、及び該
    ゲル化剤と水素結合する官能基を2以上有する重量平均
    分子量5000以上の架橋剤を含むことを特徴とするセ
    ラミックス成形用組成物。
JP4029510A 1992-02-17 1992-02-17 セラミックス成形用組成物 Pending JPH05221710A (ja)

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