JPH05221332A - 車両の4輪操舵装置 - Google Patents

車両の4輪操舵装置

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JPH05221332A
JPH05221332A JP2653692A JP2653692A JPH05221332A JP H05221332 A JPH05221332 A JP H05221332A JP 2653692 A JP2653692 A JP 2653692A JP 2653692 A JP2653692 A JP 2653692A JP H05221332 A JPH05221332 A JP H05221332A
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JP
Japan
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oil
steering
cylinder
wheel
piston
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Withdrawn
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JP2653692A
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English (en)
Inventor
Osamu Sano
修 佐野
Fukuo Fukutome
富久男 福留
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操舵位置において後輪に反力が加わった場合
の剛性を向上させる。車両の走行条件に応じて同位相操
舵および逆位相操舵のいずれかに適宜切り替える。 【構成】 前輪1を操舵する前輪用動力舵取装置と、後
輪6を操舵する後輪用動力舵取装置を備えている。前輪
操舵時にピストン25が移動させられて油に圧力エネルギ
を与える第1油圧シリンダ22と、油の圧力エネルギによ
りピストン42が移動させられて後輪用動力舵取装置を作
動させる第2油圧シリンダ43とを備えている。第1シリ
ンダ22の両油室22a 、22b と第2シリンダ43の両油室43
a 、43b とを、それぞれ互いに油路47、48で連通させ
る。両油路47、48を連通路51で連通させる。連通路51に
可変絞り弁52を設ける。電動機39により、第2シリンダ
43をピストン42の移動方向に移動させ、これにより第2
シリンダ43の油室43a 、43b の容積を変えることなくピ
ストン42を移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の4輪操舵装
置、さらに詳しくは前輪の操舵に追従して後輪を操舵す
ることができる操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の4輪操舵装置として、左右
方向にのびる前輪操舵棒の周りに設けられ、かつ前輪操
舵棒の左右方向の移動によりピストンが移動させられる
第1油圧シリンダ(被動機)と、左右方向にのびる後輪
操舵棒の周りに設けられ、かつピストンの移動により後
輪操舵棒を左右方向に移動させる後輪操舵棒駆動用第2
油圧シリンダ(原動機)と、第1油圧シリンダの一方の
油室と第2油圧シリンダの一方の油室とを連通させる油
路と、第1油圧シリンダの他方の油室と第2油圧シリン
ダの他方の油室とを連通させる油路とを備えており、両
シリンダおよび油路により閉回路の静油圧伝動装置が構
成されたものが知られている(特開昭60−18967
6号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
4輪操舵装置では、第2油圧シリンダが直接後輪操舵棒
の周りに設けられているので、中立位置において後輪に
これを転舵させようとする外力が加わった場合や、操舵
位置において後輪に反力が加わった場合等に、第2油圧
シリンダの油室内の油に圧力エネルギが与えられること
になり、この圧力エネルギによって第1油圧シリンダの
ピストンが移動させられることになって上記力に対する
剛性が十分ではないという問題がある。
【0004】この発明の目的は、上記問題を解決した車
両の4輪操舵装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明による車両の4
輪操舵装置は、前輪を操舵する前輪用動力舵取装置と、
後輪を操舵する後輪用動力舵取装置と、ケーシング内部
が可動部材により2つの油室に区画されており、かつ前
輪操舵時に可動部材が移動させられて油に圧力エネルギ
を与える被動機と、ケーシング内部が可動部材により2
つの油室に区画されており、かつ油の圧力エネルギによ
り可動部材が移動させられて後輪用動力舵取装置を作動
させる原動機と、被動機の一方の油室と原動機の一方の
油室とを連通させる油路と、被動機の他方の油室と原動
機の他方の油室とを連通させる油路と、両油路どうしを
連通させる連通路と、連通路に設けられた弁と、原動機
を可動部材の移動方向に移動させることにより、原動機
の油室の容積を変えることなく可動部材を移動させる原
動機移動用駆動装置とを備えているものである。
【0006】上記において、前輪用動力舵取装置および
後輪用動力舵取装置は、それぞれラックピニオン式およ
びボールねじ式のいずれであってもよい。また、被動機
および原動機としては、たとえばロータリ形アクチュエ
ータである揺動形油圧モータ形式や、直動形アクチュエ
ータである油圧シリンダなどの静油圧式(容積形)のも
のが用いられる。そして、被動機および原動機と、これ
らの油室を連通させる2つの油路により、閉回路の静油
圧伝動装置が構成される。
【0007】
【作用】両油路どうしを連通させる連通路に設けられた
弁を閉状態としておいて前輪を操舵すれば、被動機の可
動部材が移動して容積が変化し、いずれかの油室内の油
に圧力エネルギが与えられる。すると、この油は油路を
通って原動機における被動機の上記油室と連通している
油室内に入り、その圧力エネルギにより可動部材が移動
させられる。そして、この可動部材の移動によって後輪
用動力舵取装置が作動させられ、後輪が操舵される。
【0008】後輪が所定角度転舵された操舵位置にある
場合には、後輪用動力舵取装置の動力源は停止している
ので、操舵位置において後輪に反力が加わった場合に
は、この力は後輪用動力舵取装置の動力源により受けら
れる。
【0009】両油路どうしを連通させる連通路に設けら
れた弁を開状態としておいて前輪を操舵すれば、被動機
の可動部材が移動して容積が変化し、いずれか一方の油
室内の油に圧力エネルギが与えられるが、この油は連通
路を通って同他方の油室内に流入する。また、原動機の
2つの油室は連通路を介して連なっているので、両油室
内は等圧となる。したがって、原動機の可動部材は移動
せず、その結果後輪用動力舵取装置は作動しない。この
状態で、原動機移動用駆動装置によって原動機を移動さ
せることにより、原動機の油室の容積を変えることなく
可動部材を移動させると、後輪用動力舵取装置が作動
し、後輪を操舵することができる。したがって、前輪の
操舵方向および操舵角度とは無関係に、後輪の操舵方向
および操舵角度を決めることができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の1実施例を、図面を参照し
て説明する。この実施例は、前輪用および後輪用動力舵
取装置として、油圧式動力舵取装置を用いたものであ
る。なお、以下の説明において、図1の左側および図3
の上側を前、これと反対側を後というものとする。ま
た、図2および図3の左右を左右というものとする。
【0011】図1はこの発明の4輪操舵装置を備えた車
両の構成を示し、図2〜図6はその要部の構成を示す。
【0012】図1において、車両の前輪(1) を操舵する
前輪用油圧式動力舵取装置はラックピニオン式であり、
ラック棒(前輪操舵部材)(2) の両端は、前輪(1) のナ
ックルアーム(3) にタイロッド(4) を介して連結されて
いる。そして、ステアリングホイール(5) を回転させる
ことにより、ラック棒(2) が左右方向に移動し、前輪
(1) の操舵が行われる。後輪(6) を操舵する後輪用油圧
式動力舵取装置もラックピニオン式であり、ラック棒
(後輪操舵部材)(7) の両端は、後輪(6) のナックルア
ーム(8) にタイロッド(9) を介して連結されている。そ
して、ラック棒(7)を左右方向に移動させることによ
り、後輪(6) の操舵が行われる。
【0013】前輪用油圧式動力舵取装置は、公知のもの
と同様の構成であり、図2に示すように、ギヤハウジン
グ(11)の左側に固定状に設けられたシリンダチューブ(1
2)を備えている。ギヤハウジング(11)およびシリンダチ
ューブ(12)内にラック棒(2)が通されている。ラック棒
(2) は、ギヤハウジング(11)内においてステアリングシ
ャフト(13)に連結されたピニオン軸(14)のピニオン(15)
と噛み合うラック(2a)を有する。シリンダチューブ(12)
内の左右両端部に、ラック棒(2) が移動したさいに摺接
するオイルシール(16)が嵌め止められるとともに、ラッ
ク棒(2) におけるシリンダチューブ(12)内に存在する部
分にピストン(17)が固定状に設けられており、これによ
りパワーシリンダ(18)が形成されている。パワーシリン
ダ(18)の左右の油室(18a)(18b)には、ギヤハウジング(1
1)内にてピニオン軸(14)の周りに設けられ、かつステア
リングシャフト(13)の回転方向に応じて切替わるコント
ロールバルブ(図示略)を介して油ポンプ(19)に接続さ
れている。そして、コントロールバルブにより、エンジ
ンの回転で駆動される油ポンプ(19)から送られる圧力油
を、導管(21)およびハウジング(11)のインポートを経て
ハウジング(11)内に導入し、さらに図示しない導管を経
てパワーシリンダ(18)のいずれかの油室(18a)(18b)に選
択的に供給しうるとともに、その供給量を制御しうるよ
うになされている。
【0014】パワーシリンダ(18)の下方には、これと平
行になるように油に圧力エネルギを与える第1の容積形
複動油圧シリンダ(被動機)(22)が配置されている。こ
の第1油圧シリンダ(22)のピストンロッド(23)のシリン
ダチューブ(ケーシング)(24)の外側に位置する左端部
は、ブラケット(20)を介してラック棒(2) のシリンダチ
ューブ(12)の外側に位置する部分に連結されている。シ
リンダチューブ(24)は車体に固定されており、ラック棒
(2) が移動するとシリンダチューブ(24)に対してピスト
ンロッド(23)およびピストン(可動部材)(25)が移動
し、左右の油室(22a)(22b)の容積が変わる。シリンダチ
ューブ(24)の内周面における左右の中央部には、ピスト
ン(25)の軸方向の長さよりも幅の広い環状溝(24a) が形
成されている。環状溝(24a) の左右方向の幅は、前輪
(1) の操舵角度が一定の角度になるまでラック棒(2) 、
ピストンロッド(23)およびピストン(25)が移動させられ
たさいにも、環状溝(24a) を介して両油室(22a)(22b)が
連通させられるような幅となっている。上記角度は、高
速走行時の前輪(1) の最大操舵角度以下の角度となるよ
うに決められ、その結果高速走行時には油に圧力エネル
ギが与えられないようになっている。
【0015】図3〜図6に示すように、後輪用油圧式動
力舵取装置のハウジング(26)内には、前後方向にのび、
かつ前部に軸線方向にのびる管状部(27a) が設けられた
出力軸(27)と、後部が出力軸(27)の管状部(27a) 内に挿
入された中空状入力軸(28)と、出力軸(27)と入力軸(28)
との間に設けられたトーションバー(29)が配置されてい
る。ハウジング(26)の後部には、左右方向にのびるシリ
ンダチューブ(31)が固定状に設けられており、ハウジン
グ(26)およびシリンダチューブ(31)内にラック棒(7) が
通されている。シリンダチューブ(31)の左右両端部に、
ラック棒(7) が移動したさいに摺接するオイルシール(3
2)が嵌め止められるとともに、ラック棒(7) におけるシ
リンダチューブ(31)内に存在する部分にピストン(33)が
固定状に設けられており、これによりパワーシリンダ(3
4)が形成されている。出力軸(27)の後部には後輪操舵用
ラック棒(7) のラック(7a)と噛み合う歯(35a) を有する
ピニオン(35)が固定状に設けられている。入力軸(28)の
周りにはロータリーバルブ(36)(コントロールバルブ)
が設けられている。ロータリーバルブ(36)は、トーショ
ンバー(29)の捩じり作用による入力軸(28)と出力軸(27)
との間に生じる相対的な角度変位に基いて、エンジンの
回転で駆動される油ポンプ(37)から送られる圧力油を、
導管(38)およびハウジング(26)のインポートを経てハウ
ジング(26)内に導入し、さらに図示しない導管を経てパ
ワーシリンダ(34)のいずれか一方の油室(34a)(34b)に選
択的に供給しうるとともに、その供給量を制御しうるよ
うになされている。また、入力軸(28)の前部の周囲に
は、入力軸(28)とともに回転するピニオン(41)が取付け
られている。
【0016】ハウジング(26)の前部の上面には、後輪用
油圧式動力舵取装置を作動させる電動機(原動機移動用
駆動装置)(39)が下向きに取付けられている。電動機軸
(39a) はハウジング(26)内に伸びており、この部分にウ
ォーム(40)が取付けられている。
【0017】パワーシリンダ(34)の前方には、これと平
行になるように油の圧力エネルギによりピストン(可動
部材)(42)が移動させられる容積形の第2の複動油圧シ
リンダ(原動機)(43)が配置されている。そして、ピス
トン(42)が移動することにより第2油圧シリンダ(43)の
左右の油室(43a)(43b)の容積が変わる。第2油圧シリン
ダ(43)の左右の油室(43a)(43b)内には、第1油圧シリン
ダ(22)の左右の油室(22a)(22b)が環状溝(24a) を介して
連通させられているときにピストン(42)を中立位置に保
持するばね(46)が配置されている。ばね(46)の付勢力
は、後述するように、可変絞り弁(52)を全開状態とし、
電動機(39)により第2油圧シリンダ(43)のシリンダチュ
ーブ(44)を移動させたさいに、ピストン(42)を中立位置
に保持してピストンロッド(45)をシリンダチューブ(44)
とともに同方向に移動させることができるような大きさ
としておく。
【0018】第2油圧シリンダ(43)のシリンダチューブ
(ケーシング)(44)の右端部は、ハウジング(26)の前部
の筒状部(30)内に回転はしないが左右方向に移動しうる
ように嵌められている。すなわち、ハウジング(26)の筒
状部(30)の内周面およびシリンダチューブ(44)の右端部
の外周面に、それぞれ互いに噛み合うセレーション(26
a)(44a)が形成されている。また、シリンダチューブ(4
4)の右端部の内周面にねじ(44b) が形成されている。第
2油圧シリンダ(43)のピストンロッド(45)の右端部は筒
状部(30)を通ってハウジング(26)内にのびており、この
部分の周囲に、ウォーム(40)の歯(40a) と噛み合う歯(5
0a) を有するウォームホイール(50)が、ピストンロッド
(45)に対して回転自在でかつ左右方向に移動自在となる
ように嵌められている。ウォームホイール(50)の左端部
の外周面に、シリンダチューブ(44)内周面のねじ(44b)
と噛み合うねじ(50b) が形成されている。また、ピスト
ンロッド(45)の右端部に、ピニオン(41)の歯(41a) と噛
み合うラック(45a) が形成されている。
【0019】図1に示すように、第1油圧シリンダ(22)
の左側の油室(22a) と第2油圧シリンダ(43)の左側の油
室(43a) 、および第1油圧シリンダ(22)の右側の油室(2
2b)と第2油圧シリンダ(43)の右側の油室(43b) が、そ
れぞれ油路(47)(48)により連通させられている。そし
て、両油圧シリンダ(22)(43)および両油路(47)(48)によ
り閉回路となっている静油圧伝動装置が構成されてい
る。両油路(47)(48)どうしは連通路(51)により連通させ
られている。連通路(51)には可変絞り弁(52)が設けられ
ており、この可変絞り弁(52)により連通路(51)を流れる
油の量が制御される。可変絞り弁(52)は、車速センサ(5
3)で検出された車速および操舵角度センサ(54)により検
出された前輪(1) の操舵角度に応じて、コントローラ(5
5)により開度が自動的に制御されるようになっている。
コントローラ(55)に電動機(39)も接続されており、車速
センサ(53)で検出された車速および操舵角度センサ(54)
により検出された前輪(1) の操舵角度に応じて、電動機
(39)の駆動、停止および電動機軸(39a) の回転量が制御
されるようになっている。また、コントローラ(55)には
4輪操舵状態および2輪操舵状態に切り替えるスイッチ
(56)が設けられており、たとえばバックで直進する場合
等、必要に応じて2輪操舵状態に切り替えることができ
るようになっている。
【0020】このような構成において、車速および前輪
(1) の操舵角度に応じて可変絞り弁(52)の開度が変えら
れ、連通路(51)を流れる油の量が制御されることによ
り、ラック棒(2) の移動量に対するラック棒(7) の移動
量が変えられる。すなわち、前輪(1) の操舵角度に対す
る後輪(6) の操舵角度の比(操舵比)が変えられる。
【0021】可変絞り弁(52)が全閉状態であれば、ステ
アリングホイール(5) を、たとえば右に回して前輪用油
圧式動力舵取装置のラック棒(2) を左方に移動させる
と、前輪(1) は右方に操舵される。ラック棒(2) の移動
にともなってピストンロッド(23)も左方に移動し、前輪
(1) の操舵角度が所定角度よりも大きくなってピストン
(25)が環状溝(24a) の左側まで来ると、第1油圧シリン
ダ(22)の左側の油室(22a) 内の油に圧力エネルギが与え
られ、油が油路(47)を通って第2油圧シリンダ(43)の左
側の油室(43a) 内に流入し、油の圧力エネルギによりピ
ストン(42)およびピストンロッド(45)がばね(46)の力に
抗して右方に移動させられる。ピストンロッド(45)が右
方に移動すると、ラック(45a) およびピニオン(41)の噛
み合いによって入力軸(28)が回転し、この回転がトーシ
ョンバー(29)を介して出力軸(28)に伝えられ、出力軸(2
8)が回転することにより、ピニオン(35)とラック棒(7)
のラック(7a)との噛み合いによってラック棒(7) が右方
に移動させられ、後輪(6) が左方に操舵され、すなわち
前輪(1) とは逆位相に操舵される。トーションバー(29)
が捩じれると、油ポンプ(7) からロータリーバルブ(36)
を通してパワーシリンダ(34)の左側の油室(34a) 内に圧
力油が供給され、ピストン(33)を右方に付勢し、右方に
操舵補助力が発生する。可変絞り弁(52)が全閉状態のと
き、上記操舵比は最大となり、可変絞り弁(52)の開度が
大きくなるにしたがって上記操舵比は小さくなる。
【0022】可変絞り弁(52)が全開状態であれば、上述
のようにステアリングホイール(5)を右に回してラック
棒(2) を左方に移動させて前輪(1) を右方に操舵すると
ともにピストンロッド(23)を左方に移動させたとして
も、第1油圧シリンダ(22)の左側の油室(22a) 内の油
は、そのほとんどが連通路(51)を通って右側の油室(22
b)内に流入する。しかも、第2油圧シリンダ(43)の2つ
の油室(43a)(43b)は連通路(51)を介して連なっているの
で、両油室(43a)(43b)内は等圧となる。したがって、第
2油圧シリンダ(43)の左側の油室(43a) 内には油は流入
せず、ピストン(33)はばね(46)の力により中立位置に保
持される。その結果、後輪用油圧式動力舵取装置は作動
せず、後輪(6) は操舵されない。この状態で、コントロ
ーラ(55)により電動機(39)が駆動させられると、電動機
軸(39a) の回転は、ウォーム(40)を介して減速されてウ
ォームホイール(50)に伝えられ、これによりウォームホ
イール(50)が回転する。そして、シリンダチューブ(44)
とウォームホイール(50)のねじ(44b)(50b)どうしの噛み
合いにより第2油圧シリンダ(43)のシリンダチューブ(4
4)の左右方向の直線運動に変換され、シリンダチューブ
(44)が左右いずれかの方向に移動させられる。シリンダ
チューブ(44)が移動すると、ばね(46)の作用によりピス
トン(42)が中立位置に保持された状態でピストンロッド
(45)も同方向に移動し、ラック(45a) およびピニオン(4
1)の噛み合いによって入力軸(28)が回転し、この回転が
トーションバー(29)を介して出力軸(28)に伝えられ、出
力軸(28)が回転することにより、ピニオン(35)とラック
棒(7) のラック(7a)との噛み合いによりラック棒(7) が
移動させられ、後輪(6) が操舵される。トーションバー
(29)が捩じれると、油ポンプ(7) からロータリーバルブ
(36)を通してパワーシリンダ(34)のいずれかの油室(34
a) 内に圧力油が供給され、ピストン(33)を付勢して操
舵補助力が発生する。このとき、第2油圧シリンダ(43)
の油室(43a)(43b)の容積が変わることはないので、油室
(43a)(43b)内の油には圧力エネルギは与えられず、第1
油圧シリンダ(22)の油室(22a)(22b)内に油が流入するの
が防止される。
【0023】後輪(6) が中立位置にある場合に、後輪
(6) にこれを転舵させようとする外力が加わった場合に
は、第2油圧シリンダ(43)内のばね(46)によってこの力
が受けられる。また、後輪(6) が所定角度転舵された操
舵位置にある場合には、後輪用油圧式動力舵取装置のパ
ワーシリンダ(動力源)(34)の油室(34a)(34b)への油の
流入出は停止しているので、操舵位置において後輪(6)
に反力が加わった場合には、この力はパワーシリンダ(3
4)の油室(34a)(34b)内の圧力油により受けられる。した
がって、上記力によって第2油圧シリンダ(43)の油室(4
3a)(43b)内の油に圧力エネルギが与えられるのが防止さ
れ、その結果上記圧力エネルギによる第1油圧シリンダ
(22)のピストン(25)の移動が防止されることになり、上
記力に対する剛性が向上する。
【0024】車庫入れなどの低速走行時でかつ前輪(1)
の操舵角度が大きい場合には、コントローラ(55)により
可変絞り弁(52)が全閉状態とされる。しかも、電動機(3
9)は停止させられている。すると、上記操舵比が最大と
なるように、後輪(6) が前輪(1) とは逆位相に操舵され
る。したがって、旋回半径が小さくなる。そして、車速
が高くなるにつれてコントローラ(55)により可変絞り弁
(52)の開度が徐々に大きくなされ、上記操舵比が徐々に
小さくなって車両の転倒が防止される。
【0025】車速が一定の速度よりも高くなった高速走
行時には、コントローラ(55)により可変絞り弁(52)が全
開状態とされるとともに電動機(39)が駆動させられ、後
輪(6) が前輪(1) と同位相に操舵される方向に第2油圧
シリンダ(43)のピストンロッド(45)が移動させられ、か
つ前輪(1) の操舵角度に応じた角度だけ後輪(6) が操舵
される。
【0026】上記実施例においては、被動機および原動
機として油圧シリンダが用いられているが、これに代え
て、揺動形油圧モータを用いてもよい。そして、前輪側
では、たとえば油圧モータの回転軸にピニオンを固定状
に設けておくとともに、ラック棒にステアリングシャフ
トに連結されたピニオン軸のピニオンと噛み合うラック
とは別個にラックを形成しておき、上記回転軸のピニオ
ンをこのラックに噛み合うようにする。また、後輪側で
は、たとえば油圧モータの回転軸をハウジング(26)内ま
でのばして入力軸(28)とする。
【0027】また、上記実施例においては、前輪用動力
舵取装置および後輪用動力舵取装置はそれぞれ油圧式で
あるが、これに限るものではなく、たとえば電動式であ
ってもよい。また、これらの動力舵取装置はラックピニ
オン式に限らず、ボールねじ式であってもよい。
【0028】さらに、上記実施例においては、両油路を
連通させる連通路(51)に設けられる弁として可変絞り弁
(52)が用いられているが、これに限るものではない。
【0029】
【発明の効果】この発明の車両の4輪操舵装置によれ
ば、上述のように、操舵位置において後輪に反力が加わ
った場合には、この力は後輪用油圧式動力舵取装置の動
力源の圧力油により受けられることになり、この力に対
する剛性が向上する。
【0030】しかも、前輪の操舵方向および操舵角度と
は無関係に、後輪の操舵方向および操舵角度を決めるこ
とができるので、後輪の操舵状態を、車両の走行条件に
応じて、同位相操舵および逆位相操舵のいずれの状態に
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の4輪操舵装置を備えた車両の概略構
成図である。
【図2】前輪用動力舵取装置の一部切欠き背面図であ
る。
【図3】後輪用動力舵取装置の一部切欠き平面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】図3の部分拡大図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 前輪 6 後輪 22 第1油圧シリンダ(被動機) 22a 油室 22b 油室 24 シリンダチューブ(ケーシング) 25 ピストン(可動部材) 39 電動機(駆動装置) 42 ピストン(可動部材) 43 第2油圧シリンダ(原動機) 43a 油室 43b 油室 44 シリンダチューブ(ケーシング) 47 油路 48 油路 51 連通路 52 可変絞り弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪を操舵する前輪用動力舵取装置と、 後輪を操舵する後輪用動力舵取装置と、 ケーシング内部が可動部材により2つの油室に区画され
    ており、かつ前輪操舵時に可動部材が移動させられて油
    に圧力エネルギを与える被動機と、 ケーシング内部が可動部材により2つの油室に区画され
    ており、かつ油の圧力エネルギにより可動部材が移動さ
    せられて後輪用動力舵取装置を作動させる原動機と、 被動機の一方の油室と原動機の一方の油室とを連通させ
    る油路と、 被動機の他方の油室と原動機の他方の油室とを連通させ
    る油路と、 両油路どうしを連通させる連通路と、 連通路に設けられた弁と、 原動機を可動部材の移動方向に移動させることにより、
    原動機の油室の容積を変えることなく可動部材を移動さ
    せる原動機移動用駆動装置とを備えている車両の4輪操
    舵装置。
JP2653692A 1992-02-13 1992-02-13 車両の4輪操舵装置 Withdrawn JPH05221332A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113386853A (zh) * 2021-06-11 2021-09-14 中铁工程装备集团隧道设备制造有限公司 双向驾驶液压转向系统及双向驾驶车辆

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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