JPH05221226A - 車両用空調装置の配風制御装置 - Google Patents

車両用空調装置の配風制御装置

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JPH05221226A
JPH05221226A JP5734592A JP5734592A JPH05221226A JP H05221226 A JPH05221226 A JP H05221226A JP 5734592 A JP5734592 A JP 5734592A JP 5734592 A JP5734592 A JP 5734592A JP H05221226 A JPH05221226 A JP H05221226A
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JP
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solar radiation
air distribution
air
solar
time constant
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JP5734592A
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Yoshihiko Sakurai
義彦 桜井
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】日射方位の変化に応じて左右配風比を変化させ
るにあたり、日射や風量による体感変化と実際の配風比
変化の適合を図る。 【構成】左右日射センサの信号より日射方位を演算する
(ステップ105)。演算した日射方位より、日射方位
変化速度を演算する(ステップ111)。また、上吹出
風量を演算する(ステップ112)。次いで、日射方位
変化速度と上吹出風量を入力変数として、日射方位変化
に応じた配風制御の時定数τをファジィ推論する(ステ
ップ113)。そして、ファジィ推論した時定数τを用
いて日射方位信号を遅延処理し(ステップ114)、遅
延処理した日射方位信号に基づいて配風ドアを制御する
(ステップ115)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日射方位に応じて車室
内左右への配風比を変化させる車両用空調装置の配風制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両への日射方位を検出し、その
検出結果に応じて車室内への左右配風量を調節して、日
射による空調のアンバランスを是正する技術が、特開平
3−65424号公報等において知られている。この場
合、従来の装置では、日射センサの出力を一定の時定数
をもって1次遅延処理(実際の変化をなだらかな指数関
数的変化に補正)し、結果として日射方位出力を実際の
変化よりも緩やかな形にして、その信号に基づいて配風
比を調節している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乗員は日射
方位が同じように変化した場合でも、風量や日射量によ
っては、配風比を速く制御してもらいたい場合と、ゆっ
くり制御してもらいたい場合とがある。例えば、風量が
大きいときや日射量が小さいときには方位変化による影
響が小さく体感されるため、日射方位変化速度が大きく
ても、遅めに配風制御した方が快適である。反対に、風
量が小さいときや日射量が大きいときには方位変化によ
る影響が大きく体感されるため、日射方位変化速度が大
きい場合は、速めに配風制御した方が快適である。
【0004】しかし、従来装置では、一定の時定数のも
とに配風制御しているので、風量や日射量に関係なく、
方位変化に応じて一定のタイミングで、配風制御が行わ
れていた。よって、条件によっては、配風比変化が体感
変化に適合しないことがあった。
【0005】本発明は、上記事情を考慮し、より体感変
化に適合した配風制御を行うことのできる車両用空調装
置の配風制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、図1に示すように、車両に対する日射方位
を検出する日射方位検出手段1と、車室内左右への空調
空気の吹出風量比を調節する左右配風比調節手段2と、
前記日射方位検出手段1が検出した日射方位に応じて左
右配風比調節手段2を制御する配風制御手段3とを有し
た車両用空調装置の配風制御装置において、車内への吹
出風量を検出する風量検出手段4と、日射方位の変化速
度を検出する日射方位変化速度検出手段5と、前記風量
検出手段4と日射方位変化速度検出手段5の両出力に基
づいて日射方位変化に応じた左右配風比制御の時定数を
ファジィ推論するファジィ推論手段6と、前記日射方位
検出手段1から左右配風比調節手段2までの間の制御回
路の時定数を前記ファジィ推論手段6の推論した値に設
定する時定数調整手段7と、を設けたことを特徴として
いる。
【0007】また、請求項2の発明は、図2に示すよう
に、車両に対する日射方位を検出する日射方位検出手段
1と、車室内左右への空調空気の吹出風量比を調節する
左右配風比調節手段2と、前記日射方位検出手段1が検
出した日射方位に応じて左右配風比調節手段2を制御す
る配風制御手段3とを有した車両用空調装置の配風制御
装置において、車両に対する日射量を検出する日射量検
出手段8と、日射方位の変化速度を検出する日射方位変
化速度検出手段5と、前記日射量検出手段8と日射方位
変化速度検出手段5の両出力に基づいて日射方位変化に
応じた左右配風比制御の時定数をファジィ推論するファ
ジィ推論手段6’と、前記日射方位検出手段1から左右
配風比調節手段2までの間の制御回路の時定数を前記フ
ァジィ推論手段6’の推論した値に設定する時定数調整
手段7と、を設けたことを特徴としている。
【0008】
【作用】図1に示す本発明の配風制御装置では、ファジ
ィ推論手段6が、車内への吹出風量と日射方位変化速度
とに基づいて、日射方位変化に応じた配風制御の時定数
τを推論する。つまりこの場合、ファジィ推論の前件部
パラメータ(入力)を「風量」と「日射方位変化速度」
とし、後件部パラメータ(出力)を時定数τとしてい
る。
【0009】ファジイ推論は、経験則などに基づいて定
められたファジイルールに従って推論結果を出力するも
ので、そのやり方の手順は例えば次の通りである。ま
ず、IF(前件部)〜THEN(後件部)形式で表現さ
れる各ファジィルールに従って、予め与えられた入力側
メンバーシップ関数より、前件部のパラメータである
「風量」のグレード(ファジィラベルに対する所属度、
適合度、あるいはメンバーシップ値とも言う)を求め
る。次に、同様にもう一つのパラメータである「日射方
位変化速度」のグレードを求め、全部のグレードの最小
値をとる。この処理を前件部処理と言う。次に、後件部
処理として、出力側メンバーシップ関数を上記のグレー
ドの所で頭切り処理し(つまり制限を加えることであ
る)、頭切り処理して得た台形出力を論理和する。次い
で、論理和して重ね合わせた台形部の重心を求めて、そ
の重心位置を推論結果、つまり最終出力である「時定数
τ」とする。
【0010】そして、推論した時定数τで、例えば検出
した日射方位信号を一次遅延(一次遅れ)処理し、その
遅延処理した日射方位信号に基づいて、配風制御手段3
が左右配風比調節手段2を制御する。
【0011】また、図2に示す請求項2の発明の配風制
御装置では、ファジィ推論手段6’が、日射量と日射方
位変化速度とに基づいて、日射方位変化に応じた配風制
御の時定数τを推論する。つまりこの場合は、ファジィ
推論の前件部パラメータ(入力)を「日射量」と「日射
方位変化速度」とし、後件部パラメータ(出力)を「時
定数τ」としている。以下、前記と同様に推論して得た
時定数τを用いて、配風制御を行う。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図3は、実施例の左右配風制御装置を含む車両
用空調装置の概略構成を示す。この空調装置において
は、空調ダクト10の最上流部に、内気入口10Aと外
気入口10Bとが2股に分れる形で形成され、その分か
れた部分にインテークドア11が設けられている。そし
て、このインテークドア11を開閉制御することによ
り、空調ダクト10内に導入すべき内気と外気の割合を
調節することができるようになっている。
【0013】空調ダクト10には、下流側に向かって順
に、送風ファン12、エバポレータ13、エアミックス
ドア14、ヒータ15が設けられている。エバポレータ
13は、コンプレッサ16、コンデンサ17、レシーバ
タンク18及びエキスパンションバルブ19と共に配管
結合されて、冷凍サイクルを構成している。コンプレッ
サ16は、エンジンから伝達される力で駆動され、電磁
クラッチを断続することにより駆動制御される。
【0014】エアミックスドア14は、開度に応じて、
ヒータ15を通過する空気とヒータ15を通過しない空
気との割合を調節する。そして、ヒータ15を通過した
空気と通過しない空気は、ヒータ15の下流側で混合さ
れて温度調節され、吹出口から車内に吹き出される。
【0015】空調ダクト10の後端部は、デフロスト吹
出口21、ベント吹出口22、及びヒート吹出口23に
分かれて車室内に開口しており、各吹出口21、22、
23にはそれぞれモードドア24、25、26が設けら
れている。そして、これらモードドア24、25、26
を選択的に開閉することで、吹出モードを変えることが
できるようになっている。
【0016】また、ベント吹出口22はさらに左右のベ
ント吹出口22R、22Lに分かれている。そして、配
風ドア(左右配風比調節手段)27を開閉することによ
り、左右のベント吹出口22R、22Lからの配風バラ
ンスを調節することができるようになっている。
【0017】上述したインテークドア11、エアミック
スドア14、モードドア24〜26、配風ドア27はそ
れぞれアクチュエータ30、31、32、33により開
閉制御される。これら各アクチュエータ30、31、3
2、33、及び送風ファン12並びにコンプレッサ16
は、それぞれコントロールユニット50により制御され
る。
【0018】コントロールユニット50は、上記アクチ
ュエータや送風ファン等を駆動する駆動回路と、各駆動
回路に制御信号を供給するマイクロコンピュータと、マ
イクロコンピュータに接続されたA/D変換器と、マル
チプレクサとを含むものである。そして、このコントロ
ールユニット50内のA/D変換器には、エアミックス
ドア14の開度を検出するポテンショメータ51、車室
内に入る日射量を検出する日射センサ52、外気温度を
検出する外気温度センサ53、車室内の代表温度を検出
する内気温度センサ54、車室内の温度を設定する温度
設定器55等が接続されている。
【0019】上記日射センサ52は、左側日射センサ5
2Lと右側日射センサ52Rとからなるものであり、両
センサ52L、52Rは屋根状のセンサ台の左右の斜面
にそれぞれ固定されている。この日射センサ52は、車
のインストルメントパネルの上面の略中央位置に取り付
けられており、左側日射センサ52Lは車両の左側に向
け、右側日射センサ52Rは車両の右側に向けて配置さ
れ、車両の直進方位に対して左右対称となっている。そ
して、ここでは車両の直進方位を基準として、左右方位
の日射方位角がそれぞれ設定されている。
【0020】なお、コントロールユニット50には、少
なくとも操作ユニットに設けた配風レバー60の操作信
号が入力されている。この配風レバー60は、左に操作
すると左側吹出風量を多くするよう配風ドアを制御する
信号を入力し、右に操作すると右側吹出風量を多くする
よう配風ドアを制御する信号を入力する。また、左端ま
たは右端にすると、左吹出口全開あるいは右吹出口全開
を指令する。
【0021】次に、上記コントロールユニット50によ
る制御動作の例を説明する。なお、送風制御、コンプレ
ッサ制御、エアミックスドア制御、モードドア制御につ
いては、従来のものと同様であるので、ここではそれら
の説明は省略し、日射方位に基づいた配風制御について
のみ説明する。図4は、配風制御のメインルーチンを示
している。このルーチンは、空調制御のメインルーチン
を構成する1つのサブルーチンとして定義されており、
空調制御のメインルーチンの処理周期に従って繰り返し
処理される。
【0022】この制御例においては、まず最初のステッ
プ101で左側日射センサ52Lの検出値SL と、右側
日射センサ52Rの検出値SR を読み込む。ついで、ス
テップ102で各検出値SL 、SR について1次遅延処
理を行う。ここでは実際にはフィルタ演算処理を行う。
即ち、検出値SL 、SR を1次遅延演算処理し、遅延演
算処理後の信号SL'、SR'を算出する。演算式として
は、例えば、次の1次遅れデジタルフィルタ演算式が用
いられている。 St’=(1−K)St-1’+K・St ……(1)式 ただし、 St’ ……時刻tにおける(今回の)フィルタ演算処
理後の値 St-1’……時刻(t−1)における(前回の)フィル
タ演算処理後の値 St ……時刻tにおけるフィルタ演算処理前の値 K ……1次遅れフィルタ定数 〔K=(T/τ)÷(1+T/τ)〕 T ……サンプリング周期(約0.1sec程度に
設定されている) τ ……時定数 である。
【0023】このフィルタ演算処理は、日射信号の急変
時(林の中やビル街を走行しているとき、あるいは急な
雲の流れで光が遮られたとき等)の出力機器の頻繁な作
動を防ぐ目的で行われるもので、時定数τ=4sec程
度に設定されている。
【0024】上記ステップ102の次は、ステップ10
3に進む。このステップ103では1次遅延処理後の左
右日射信号SL'、SR'に基づいて、総合信号(空調熱負
荷)の演算に用いる合成日射量SD を算出する。このス
テップ103の内容の詳細を図5に示す。この内容を説
明すると、最初のステップ201において、演算式(S
L'+SR')/K2 により合成日射量SD を求める。ここ
でK2 は定数である。
【0025】ついで、ステップ202で左側日射量SL'
と右側日射量SR'の大きさを比較して、SR'の方が大き
い場合(YESの場合)はステップ203に進み、そう
でない場合(NOの場合)はステップ204に進む。ス
テップ203ではさらに、演算した合成日射量SD と右
側日射量SR'の大きさを比較し、SD の方が大きければ
D の値はそのままとし、そうでない場合はSR'の値を
D とする(ステップ205)。また、ステップ204
ではさらに、演算した合成日射量SD と左側日射量SL'
の大きさを比較し、SD の方が大きければSD の値はそ
のままとし、そうでなければSL'の値をSD とする(ス
テップ206)。すなわち、ここでの処理では、3種類
の日射量信号SD、SL'、 SR'のうちの一番大きいもの
を、合成日射量SD とするのである。
【0026】上の要領で合成日射量SD を求めたら、図
4のルーチンに戻り、ステップ104に進む。そして、
このステップ104にて2次遅延処理を行って合成日射
量補正値SD'を求める。この2次遅延処理は、エアミッ
クスドアや送風ファン等を制御する際の体感変化(フィ
ーリング変化)を考慮して温調上の補正を行うもので、
単純な1次遅れ演算処理ではなく、例えば次のように演
算する。即ち、日射量上昇時にはなだらかに上昇するよ
う補正し、下降時には所定時間下降開始点の値を持続さ
せた後、なだらかに下降するよう補正する。そして、こ
のようにして合成日射量補正値SD'を求めた後、ステッ
プ105に進んで日射方位を演算する。ステップ105
の内容は図6に示す。
【0027】この内容を説明すると、まず最初にステッ
プ301で左側日射量SL'と右側日射量SR'の大小関係
を判断する。SR'の方が大きい場合(YESの場合)
は、ステップ302に進んで、演算式 DR=K1(SR'−SL')/SR' に従って日射方位値DR を演算する。ただし、K1 は定
数である。一方、SR'の方が大きくない場合(ステップ
301でNOの場合)は、ステップ105に進んで、演
算式 DL=K1(SL'−SR')/SL' に従って日射方位値DL を演算する。そして、次のステ
ップ304で、演算した日射方位値DL またはDR に基
づいて、日射方位DD を求める。
【0028】ステップ105で日射方位DD を求めた後
は、図4のステップ106〜109に進む。まず、ステ
ップ106、107では、配風レバー60が左端または
右端にあるか否かをチェックし、左端にある場合はステ
ップ116に進んで、配風ドア27(図3参照)を左側
吹出口22Lが全開になる位置に制御する。また、配風
レバー60が右端にある場合はステップ117に進ん
で、配風ドア27を右側吹出口22Rが全開になる位置
に制御する。
【0029】両ステップ106、107の判断がNOの
場合、つまり配風レバー60が左端でも右端でもない位
置にある場合は、ステップ108、109に進んで吹出
モードがVENT(ベント)またはBI−L(バイレベ
ル)か否かを判断する。VENTでもBI−Lでもない
場合はステップ118に進み、配風ドア27を中立位置
に制御する。VENTまたはBI−Lの場合は、ステッ
プ110に進んで配風オート制御を行うか否かを判断
し、配風オート制御を行わない場合は、ステップ119
に進み、配風レバー60の位置に応じた配風マニュアル
制御を行う。配風オート制御を行うと判断した場合は、
ステップ111に進む。
【0030】ステップ111では、前のステップ105
で演算した日射方位DD を微分して日射方位変化速度を
演算する。ついで、ステップ112に進んで、VENT
吹出口から車内に吹き出される風量(上吹出風量)を演
算する。風量は直接風量計等で検出してもよいが、ここ
ではファンへの印加電圧値を風量に相当する値として用
いる。そして、VENTの場合は、送風ファンへの印加
電圧をそのまま上吹出風量値とし、BI−Lの場合は、
それに0.5を掛けた値を上吹出風量値としている。
【0031】日射方位変化速度と上吹出風量を演算した
ら、ステップ113に進んで、それらの演算結果を入力
パラメータとして、日射変化に応じた配風制御の制御時
定数τをファジィ推論する。
【0032】このファジィ推論では、経験則あるいは実
験などで得られた実績により、図7に表として示すよう
な10個のファジィルールが設定されている。ここで
は、上吹出風量を変数E1とし、日射方位変化速度を変
数E2として表わす。また、各パラメータE1(上吹出
風量)、E2(日射方位変化速度)、時定数τ毎に、図
8の(a)〜(c)に示すメンバーシップ関数が与えら
れている。ここで、各符号(ファジィラベル)は、次の
意味で用いられている。上吹出風量E1については、 PL … 風量が大きい PM … 風量が中位 PS … 風量が小さい ZR … 風量がゼロ 日射方位変化速度E2については、 PL … 右方向に大きい PM … 右方向に中位 PS … 右方向に小さい ZR … ゼロ NS … 左方向に小さい NM … 左方向に中位 NL … 左方向に大きい 時定数τについては、 PL … 大きい PM … 中位 PS … 小さい ZR … ゼロ
【0033】ファジィ推論過程では、上記のファジィル
ールに従い、特開平2−92763号公報などで公知の
MIN−MAXルールを用いて、時定数τを演算する。
その流れは図9に示すように、まず最初にステップ40
1で上吹出風量をE1とし、日射方位変化速度をE2と
し、ステップ402でルール毎の入力側メンバーシップ
関数により、前件部パラメータE1、E2のグレードW
iを求め、その最小値をとる。次いで、ステップ403
で出力側メンバーシップ関数より、各ルールのグレード
毎に、後件部出力である時定数τiを求める。そして、
ステップ404で各ルール毎に得た後件部出力を論理和
して重心を求め、その重心位置を最終的な時定数τとす
る。
【0034】時定数τを推論したら、図4のルーチンに
戻り、ステップ114に進む。そして、このステップ1
14で、推論した時定数τを用いて、前記ステップ10
5で求めた日射方位信号DD を遅延処理する。この処理
は、日射方位信号DD を1次遅延処理して、日射方位信
号DD'を算出するものであり、その演算式としては、上
記(1)式の1次遅れデジタルフィルタ演算式が用いら
れている。ただし、この演算処理では、時定数τが、ス
テップ113にてファジィ推論した値に設定される。
【0035】そして、日射方位DD'を演算した後は、そ
の信号に基づいて所定のマップに従って配風ドア27の
位置をオート制御する(ステップ115)。この場合、
配風ドア27の位置は日射方位に基づいて決定される
が、日射方位の変化に応じた配風制御の時定数τが、風
量と日射方位変化速度に応じて変化するので、風量と日
射方位変化速度に応じた最適なタイミングで配風制御が
行われる。
【0036】そして、以上のような配風ドア制御の最終
ステップの処理が終了したら、空調制御のメインルーチ
ンの所定のステップに戻る。
【0037】次に、請求項2の発明に対応した別の実施
例について説明する。上記実施例は、風量と日射方位変
化速度に応じて時定数τをファジィ推論するものであっ
たが、この実施例は、日射量と日射方位変化速度に応じ
て時定数τをファジィ推論するものである。それ以外は
上記実施例と同様であるので、異なる点についてのみ説
明する。
【0038】この実施例の配風制御のフローチャートを
図10に示す。このルーチンでは、ステップ111にて
日射方位変化速度を演算したら、次にステップ113’
に進む。そして、このステップ113’にて、日射量と
日射方位変化速度に応じて時定数τをファジィ推論す
る。
【0039】このファジィ推論では、経験則あるいは実
験などで得られた実績により、図11に表として示すよ
うな10個のファジィルールが設定されている。ここで
は、ステップ104で演算した日射量を変数E1とし、
日射方位変化速度を変数E2として表わす。また、各パ
ラメータE1(日射量)、E2(日射方位変化速度)、
時定数τ毎に、図12の(a)〜(c)に示すメンバー
シップ関数が与えられている。ここで、先に示した実施
例と異なる変数E1についての符号(ファジィラベル)
は、次の意味で用いられている。日射量E1について
は、 PL … 日射量が大きい PM … 日射量が中位 PS … 日射量が小さい ZR … 日射量がゼロ
【0040】ファジィ推論過程では、上記のファジィル
ールに従い、特開平2−92763号公報などで公知の
MIN−MAXルールを用いて、時定数τを演算する。
その流れは図13に示すように、まず最初にステップ5
01で日射量をE1とし、日射方位変化速度をE2と
し、ステップ502でルール毎の入力側メンバーシップ
関数により、前件部パラメータE1、E2のグレードW
iを求め、その最小値をとる。次いで、ステップ503
で出力側メンバーシップ関数より、各ルールのグレード
毎に、後件部出力である時定数τiを求める。そして、
ステップ504で各ルール毎に得た後件部出力を論理和
して重心を求め、その重心位置を最終的な時定数τとす
る。
【0041】時定数τを推論したら、図10のルーチン
に戻り、ステップ114に進む。以下は、先に説明した
実施例と同様である。この場合、配風ドア27の位置は
日射方位に基づいて決定されるが、日射方位の変化に応
じた配風制御の時定数τが、日射量と日射方位変化速度
に応じて変化するので、日射量と日射方位変化速度に応
じた最適なタイミングで配風制御が行われる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用空
調装置によれば、日射方位の変化があってから実際に配
風比が変化するまでの時間が、風量や日射量によって変
わる。その変わり方は、実際の体感を考慮に入れたファ
ジィ推論によって決められるので、体感変化に実際の配
風変化を最も好ましい状態で適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】請求項2の発明の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の一実施例の概略構成を示す図である。
【図4】同実施例における配風制御の内容を示すフロー
チャートである。
【図5】図4のフローチャートのステップ103の詳細
を示すフローチャートである。
【図6】図4のフローチャートのステップ105の詳細
を示すフローチャートである。
【図7】図4のフローチャートのステップ113のファ
ジィ推論に用いるルールを示す図である。
【図8】上記ファジィ推論に用いるメンバーシップ関数
を示し、(a)は前件部パラメータである上吹出風量
(E1)のメンバーシップ関数、(b)は前件部パラメ
ータである日射方位変化速度(E2)のメンバーシップ
関数、(c)は後件部パラメータである時定数τのメン
バーシップ関数を示す図である。
【図9】図4のフローチャートのステップ113のファ
ジィ推論の詳細を示すフローチャートである。
【図10】請求項2の発明に対応した実施例における配
風制御の内容を示すフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートのステップ113’
のファジィ推論に用いるルールを示す図である。
【図12】同ファジィ推論に用いるメンバーシップ関数
を示し、(a)は前件部パラメータである日射量(E
1)のメンバーシップ関数、(b)は前件部パラメータ
である日射方位変化速度(E2)のメンバーシップ関
数、(c)は後件部パラメータである時定数τのメンバ
ーシップ関数を示す図である。
【図13】図10のフローチャートのステップ113’
のファジィ推論の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 日射方位検出手段 2 左右配風比調節手段 3 配風制御手段 4 風量検出手段 5 日射方位変化速度検出手段 6,6’ ファジィ推論手段 7 時定数調節手段 8 日射量検出手段 27 配風ドア 33 配風ドアアクチュエータ 50 コントロールユニット 52L 左側日射センサ 52R 右側日射センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に対する日射方位を検出する日射方
    位検出手段と、車室内左右への空調空気の吹出風量比を
    調節する左右配風比調節手段と、前記日射方位検出手段
    が検出した日射方位に応じて左右配風比調節手段を制御
    する配風制御手段とを有した車両用空調装置の配風制御
    装置において、 車内への吹出風量を検出する風量検出手段と、 日射方位の変化速度を検出する日射方位変化速度検出手
    段と、 前記風量検出手段と日射方位変化速度検出手段の両出力
    に基づいて日射方位変化に応じた左右配風比制御の時定
    数をファジィ推論するファジィ推論手段と、 前記日射方位検出手段から左右配風比調節手段までの間
    の制御回路の時定数を前記ファジィ推論手段の推論した
    値に設定する時定数調整手段と、 を設けたことを特徴とする車両用空調装置の配風制御装
    置。
  2. 【請求項2】 車両に対する日射方位を検出する日射方
    位検出手段と、車室内左右への空調空気の吹出風量比を
    調節する左右配風比調節手段と、前記日射方位検出手段
    が検出した日射方位に応じて左右配風比調節手段を制御
    する配風制御手段とを有した車両用空調装置の配風制御
    装置において、 車両に対する日射量を検出する日射量検出手段と、 日射方位の変化速度を検出する日射方位変化速度検出手
    段と、 前記日射量検出手段と日射方位変化速度検出手段の両出
    力に基づいて日射方位変化に応じた左右配風比制御の時
    定数をファジィ推論するファジィ推論手段と、 前記日射方位検出手段から左右配風比調節手段までの間
    の制御回路の時定数を前記ファジィ推論手段の推論した
    値に設定する時定数調整手段と、 を設けたことを特徴とする車両用空調装置の配風制御装
    置。
JP5734592A 1992-02-10 1992-02-10 車両用空調装置の配風制御装置 Pending JPH05221226A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050781A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 Denso Corp 車両用空調装置
CN114235450A (zh) * 2021-11-12 2022-03-25 东风马勒热系统有限公司 车用空调风量分配测量系统及车用空调风量分配测量方法

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