JPH05221175A - 感熱性孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱性孔版印刷用原紙

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JPH05221175A
JPH05221175A JP2668992A JP2668992A JPH05221175A JP H05221175 A JPH05221175 A JP H05221175A JP 2668992 A JP2668992 A JP 2668992A JP 2668992 A JP2668992 A JP 2668992A JP H05221175 A JPH05221175 A JP H05221175A
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film
fibers
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fiber
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JP2668992A
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Taku Nakao
卓 中尾
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 孔版印刷における印刷画像性を向上させる。 【構成】 薄葉紙に繊度1デニール以下の化学繊維を固
着させた支持体と、感熱フィルムとを、主として該化学
繊維を介して接着して得られる感熱孔版印刷用原紙。 【効果】 本発明の原紙では、フィルムの均一なドット
状の穿孔を阻害する、支持体とフィルムとの接着部分が
極細線状に分散されるため、従来原紙に比べ、黒ベタ部
の白抜けが著しく改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱性孔版印刷分野で
使用される、熱可塑性樹脂延伸フィルム(以下、フィル
ムと略す)とインク透過性多孔質支持体(以下、支持体
と略す)とを貼り合わせてなる感熱性孔版印刷用原紙
(以下、原紙と略す)であり、特に、孔版印刷特有の支
持体繊維に由来する白抜けを著しく減少させることによ
り、印刷画像性を向上させることを目的とした原紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、感熱性孔版印刷では、原稿の文
字、図形に対応して、サーマルヘッド等の熱源を用いて
熱的に原紙のフィルムを溶融穿孔し、フィルムに孔を形
成した後、原紙の支持体側からインクを供給し、孔部分
からインクを滲出させることで印刷を行っている。
【0003】従来より、感熱孔版印刷では、熱可塑性樹
脂延伸フィルム、例えばポリエステル系、塩化ビニリデ
ン系、塩化ビニル系、ポリプロピレン系等のフィルム
と、天然繊維や合成繊維等からなる不織布(薄葉紙)、
織布(紗)等の支持体を接着剤で貼り合わせた原紙が用
いられている。(例えば、特開昭51−2513号公
報、特開昭57−182495号公報、特公昭49−5
933号公報) 近年、孔版印刷分野でその解像度を向上させる手段のひ
とつとして、製版用サーマルヘッドの熱素子の高密度化
が検討され、その素子サイズが非常に小さいもの(40
0ドット/インチのもので素子間ピッチが63.5μ
m)が全自動孔版印刷機に搭載されるようになってき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
素子高密度化を直接的に画像性向上に反映させることを
目的として、サーマルヘッドの素子密度に対応した孔
を、フィルム上に独立に形成するための検討を行ってき
た(特願平2−149924号公報)。これらの検討を
進める中で、サーマルヘッドの素子サイズのみを単に小
さくしても、著しい画像性の向上には結びつかず、用い
る原紙の構造つまりフィルムと支持体との接着部分の影
響を考慮した原紙を開発しなければならないことを見い
出した。
【0005】従来主に原紙に使用されている支持体は、
平均繊維径15〜25μm(偏平断面形状の幅)程度の
天然麻単独、もしくは天然麻に化学繊維を混合して抄造
した薄葉紙であり、いずれの場合もフィルムとの接着部
分は、天然麻の繊維が多く存在している。つまり、従来
の原紙では、フィルムと支持体表面の繊維が接着されて
いるため、その接着部分の形状は、ほぼ上記の支持体繊
維の径に近い幅で線状にならざるをえない。しかも、一
般に支持体として使われている薄葉紙では、繊維の結束
(繊維が数本凝集している部分)は避けられないため、
その部分での接着形状は、数本の繊維が並んだ帯状にな
っている。このような接着形状の原紙では、製版しても
その接着部分は部分的にしか開孔せずフィルムがそのま
ま残存し、印刷したとしても、その部分にはインクが回
り込まず白い部分として残ることになる。いわゆる孔版
印刷での白抜けといわれる現象であり、従来の原紙では
繊維状の白抜けは避けられないものとされてきた。
【0006】加えて、サーマルヘッドの素子サイズが小
さくなる程、形成される孔に対する支持体繊維の繊維径
が相対的に大きくなるため、製版に及ぼす支持体繊維と
フィルムとの接着部分の影響が強くなり、本来開孔すべ
きところが開孔しないドットの個数が増えていくことに
なる。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者は、原紙のフィ
ルムと支持体の接着形状について鋭意研究を重ねた結
果、接着部分をサーマルヘッドの素子サイズに対して狭
い面積でかつ線状に分散させることで、従来の原紙に比
べ著しく画像性の向上した原紙を開発するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂延伸フ
ィルムとインク透過性多孔質支持体とを、繊度1デニー
ル以下の化学繊維を介して接着させたことを特徴とした
感熱性孔版印刷用原紙である。本発明で最も重要なこと
は、従来の原紙が、支持体繊維径に依存する比較的広い
面積の接触部分で、フィルムと支持体とが接着されてい
たのに比べ、本発明の原紙は、フィルムと支持体とが主
に低デニールの化学繊維を介して接着されていることに
ある。
【0009】つまり、本発明の原紙では、支持体に接着
固定されたフィルム部分がより小さく細い面積となるた
め、フィルムが熱製版されるときにフィルムの穿孔を接
着部分が阻害する影響が、従来の原紙に比べ著しく少な
くなるため、フィルムの開孔状態が均一なものとなる。
しかも、従来の原紙では避けられなかった、支持体繊維
の結束部でのフィルム穿孔阻害とインク透過阻害に由来
する、印刷物の黒ベタ部での白抜けが、本発明の原紙で
は著しく減少することになる。
【0010】本発明において用いる化学繊維としては、
通常公知の合成繊維、再生繊維、半合成繊維で良い。具
体的には、合成繊維としては、重縮合系ポリマー、ビニ
ル系ポリマー、オレフィン系ポリマーからなる繊維、た
とえば、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン等、また、再生繊維
としては、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等、さら
に、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテー
ト、プロミックス等が用いられる。これらは、繊維の分
散性、剛性、耐熱性等を勘案して、適宜選択され用いる
ことが出来る。好ましくは、合成繊維のポリエステル、
ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等が用いられ、特に好ましくは、ポリエステ
ル、ナイロン、ビニロンである。さらにこれらは、その
分散性を高めるために、適宜混合して用いても良く、そ
の他添加剤を接着強度が落ちない範囲で加えても良い。
【0011】本発明において用いる化学繊維の形状は、
繊度1デニール以下あることが必要である。繊度が1デ
ニールを越えるものは、インクの透過性を阻害する結束
部分が形成されやすい傾向にあるため、その使用が制限
される。好ましくは、0.01〜0.8デニール、より
好ましくは、0.05〜0.5デニール、特に好ましく
は、0.1〜0.4デニールである。また、繊維長は1
5mm以下が好ましい。繊維長が15mmを越えると、
繊維の分散が悪くなる傾向があり、画像性を低下させる
ため、その使用が制限される。好ましくは、1〜10m
m、より好ましくは、2〜8mmである。なお、本発明
では、繊維断面が円形のものばかりでなく、円形以外の
形状のものも適宜使用しうる。
【0012】フィルムと支持体とを化学繊維を介して接
着させるためには、いくつかの方法が考えられるが、適
宜選択されうる。例えば、化学繊維を分散させた固着剤
溶液を、塗工装置にて支持体表面に塗布し、その後溶剤
を飛散させ、表面に化学繊維の固着した支持体を製造し
た後フィルムとラミする方法、また、化学繊維を分散さ
せた固着剤溶液を、塗工装置にてフィルム表面に塗布
し、その後溶剤を飛散させ、表面に化学繊維の固着した
フィルムを製造した後支持体とラミする方法、さらに
は、フィルムと支持体に各々化学繊維を固着させた後
に、固着面を接着面としてラミする方法等がある。ま
た、化学繊維を固着させるための固着剤を接着剤として
兼用し、化学繊維固着と同時にラミも行う方法等も取り
うる。また、支持体である薄葉紙製造時に支持体表面に
化学繊維を固着できればそれでも良い。またさらには、
最終的なフィルム厚みより繊維径の大きい化学繊維を、
原反フィルムに分散させた状態で成形し得られた繊維状
の突起を形成したフィルムを、化学繊維の固着したフィ
ルムとして用いることも可能である。
【0013】ここでの固着剤としては、通常公知の溶剤
型、ホットメルト型、エマルジョン・ラテックス型、反
応硬化型、紫外線および電子線硬化型等の各種接着剤
が、フィルムの穿孔適性、インキの透過性を妨げない条
件で使用され、その量は、0.3〜5g/m2 、好まし
くは0.4〜3g/m2 、より好ましくは0.5〜2g
/m2 である。いずれの方法においても、化学繊維の凝
集を防止するために各種の分散剤を接着強度を低下させ
ない程度に添加したり、また、支持体の表面に有効に化
学繊維を存在させるため、加工時にエアノズルやサクシ
ョン等を有効に用いても良い。
【0014】ここでは、完全に化学繊維のみを介しての
フィルムと支持体との接着が理想的であるが、フィルム
と支持体繊維部分での接着が著しく画像性を低下させな
い範囲で存在しても良く、主として化学繊維を介して接
着されていれば良い。化学繊維の固着量は、用いる化学
繊維の繊度及び支持体の密度、坪量により、その最適域
は変わるが、通常0.5〜10g/m2 であり、好まし
くは1〜6g/m2 、さらに好ましくは2〜5g/m2
である。
【0015】フィルムと支持体を化学繊維を介して貼り
合わせるための接着剤としては、通常公知の溶剤型、ホ
ットメルト型、エマルジョン・ラテックス型、反応硬化
型、紫外線および電子線硬化型等の各種接着剤が、フィ
ルムの穿孔適性、インキの透過性を妨げない条件で使用
されうる。さらに、接着剤の塗布は通常公知の方法で実
施され、フィルム側、支持体側または両者に接着剤を塗
布して貼り合わせればよい。接着剤の量としては、0.
1〜5g/m2 、好ましくは0.5〜3g/m 2 、より
好ましくは0.5〜2g/m2 である。
【0016】本発明の原紙に用いるフィルムとしては、
加熱収縮率が少なくとも30%、加熱収縮応力値が少な
くとも75g/mm2 の特性を有する厚さ0.5〜4μ
mの熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。まず、フィル
ムの加熱収縮率は30%以上であることが必要であり、
好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜80%
の範囲である。なお、この加熱収縮率は、50mm角の
フィルムをサンプリングし、測定温度に設定した恒温槽
に入れ、自由に収縮する状態で10分間処理した後、フ
ィルムの収縮量を求め、元の寸法に対する百分率で表し
た。この加熱収縮率は、好ましくは測定温度が60〜1
70℃、より好ましくは65〜140℃の範囲において
発現することが望ましい。この加熱収縮率が30%未満
の場合、穿孔時の開孔が不十分となり、また、90%を
越える場合、孔が拡大したりや寸法安定性が低下する傾
向にあり好ましくない。また、この加熱収縮率が60℃
未満で発現する場合、フィルムの寸法安定性の低下や孔
が拡大することによる解像度の低下する傾向にあり、1
70℃を越えて発現する場合、穿孔感度が低下する傾向
にあり好ましくない。
【0017】さらに、このフィルムは、少なくとも75
g/mm2 、好ましくは100〜1200g/mm2
さらに好ましくは150〜1000g/mm2 の加熱収
縮応力値をもつことが必要である。この加熱収縮応力値
は該層フィルムを10mm幅の短冊状にサンプリング
し、これをストレインゲージ付きのチャックに、チャッ
ク間を50mmにしてセットし、これを各設定温度に加
熱したシリコンオイル中に浸漬し、発生する応力を測定
した。設定温度が100℃以下では、浸漬してから10
秒後の値、100℃を越える場合は5秒後の値を求め、
縦、横方向の平均値を採用した。さらに、この加熱収縮
応力値は、60〜150℃、好ましくは60〜140
℃、より好ましくは70〜130℃の範囲において発現
することが望ましい。この加熱収縮応力値の75g/m
2 未満のものは、穿孔時の開孔が不十分であり、また
1200g/mm2 を越えると孔が広がりすぎたり、フ
ィルムが歪んだりして解像度が低下する傾向にある。ま
た、この加熱収縮応力値が60℃未満で発現する場合、
フィルムの寸法安定性の低下や孔が拡大することによる
解像度の低下する傾向にあり、150℃を越えて発現す
る場合、穿孔感度が低下する傾向にあり好ましくない。
【0018】さらに、フィルムの厚みは0.5〜6μ
m、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1.5〜
2.5μmである。この厚さが、0.5μm未満の場
合、強度が不足し剥離層の剥離時や穿孔時に破損しやす
くなる傾向があり、6μmを越える場合、感度が低下し
穿孔が不十分になる傾向がある。さらにフィルム用の熱
可塑性樹脂としては、重縮合系樹脂、ビニル系樹脂、オ
レフィン系樹脂等の各樹脂が用いられるが、安定的に延
伸加工し、生産性良く製造するためには、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビ
ニリデン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂等が好ましい。さらに、製版の際のフィルム溶融
収縮特性に由来する形状の整った孔を形成するために
は、ポリエステル系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹
脂としては、例えば、共重合ポリエステル系樹脂であ
り、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分とジオー
ル成分のいずれか一方、またはその両方が2種以上の異
なった成分からなるものである。具体的には、異なった
ジカルボン酸を用いる場合には、テレフタル酸と他のジ
カルボン酸、例えば、イソフタル酸、フタル酸等の芳香
族ジカルボン酸や、芳香環にエステル化反応に寄与しな
い置換基を有する芳香族ジカルボン酸、あるいはコハク
酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸の組み合わせが
用いられるし、また、異なったジオール成分を用いる場
合には、エチレングリコールと他のジオール類、例え
ば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
1.4−ブタンジオール、1.5−ペンタンジオール、
1.6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等の中から、適宜用い
られる。
【0019】好ましい共重合ポリエステル系樹脂として
は、例えば、ジオール成分としてエチレングリコールを
主体とし、1.4−シクロヘキサンジメタノールを40
モル%以下、好ましくは20〜40モル%、さらに好ま
しくは25から35モル%を含有するものを用い、これ
とテレフタル酸とを重縮合させたものである。これらの
中でも特に、原料樹脂として充分アニーリングして平衡
状態としたものの結晶化度(広角X線法による:理学電
機社製、ロータフレックスRU−200Bにて、グラフ
ァイト・モノクロメータを使用、印加電圧50kV、印
加電流160mA、ターゲットCu、測定角2θ=5〜
38゜)が30%以下のものが好適に用いられ、好まし
くは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好
ましくは5%以下の実質的に非晶質のものである。この
特に好ましい樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレ
フタル酸を主成分としたものを用い、ジオール成分とし
てエチレングリコール約70モル%、1.4−シクロヘ
キサンジメタノール約30モル%の混合物を用いて共重
合したものがある。
【0020】さらに該層には、必要な特性をそこなわな
い範囲で、他の重合体、オリゴマーを配合することがで
き、また、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定
剤、可塑剤、滑剤等を目的に応じて配合することができ
る。また、本発明の原紙で用いられる支持体とは、印刷
インクの透過が可能で、製版時に実質的に熱変形を起こ
さない天然繊維、再生繊維、合成繊維等の単体またはこ
れらを混合したものを原料とした、薄葉紙、不織布等の
多孔質体である。特に、天然繊維と繊度1デニール以下
の化学繊維とを混合して抄紙した混抄紙がその繊維の分
散性から好ましい。さらに好ましくは、天然繊維に、ポ
リエステルを主体とした繊維とビニロンを主体とした繊
維を混抄した薄葉紙である。これらの支持体は、坪量4
〜20g/m2 のものが好適に用いられる。好ましくは
6〜15g/m2 、より好ましくは8〜12g/m2
ある。
【0021】
【実施例1】まず、支持体である薄葉紙を下記の方法に
て作成した。濾水度18゜SR(JIS P−812
1)に叩解したマニラ麻を40重量%、濾水度25゜S
Rに叩解したサイザル麻を20重量%、0.1デニール
・3mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維
を20重量%、0.3デニール・3mmのビニロン繊維
を20重量%とを、均一に混合し、さらに、エポキシ化
ポリアミドポリアミノ樹脂を繊維に対して2%となるよ
うに水溶液にして添加し均一に混合した。これを紙料と
して円網式抄紙機による湿式抄紙法にて薄葉紙を得た。
さらにこの薄葉紙に、グラビア塗工機を用いて、水系エ
マルジョンタイプのウレタン樹脂(第一工業製薬(株)
製、スーパーフレックス100)を、塗工量0.8g/
2 となるように塗工し、坪量8.9g/m2 、厚さ2
6.5μmの薄葉紙を得て、原紙の支持体とした。
【0022】次に、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル(ナガセ化成工業(株)、デナコールEX−81
0)とポリアミドアミン(三和化学工業(株)、サンマ
イド300)を、17:83の重量比となるように調合
し、イソプロピルアルコールに溶解させた固着剤溶液
に、0.4デニール・3mmのPET繊維を繊維固着量
1.7g/m2 、固着剤固形分0.9g/m2 の設定に
なるように、グラビアコーターにて、上記薄葉紙の樹脂
塗工面に塗布し、その後溶剤を飛散させた後巻き取り、
35℃で48時間エージングし、PET繊維が表面に固
着した支持体を得た。
【0023】一方、フィルムを下記方法にて作成した。
非晶性ポリエステル樹脂(イーストマン・ケミカル社
製、PETG6763樹脂、広角X線法による樹脂の結
晶化度は0%):Aと剥離剤としてポリオキシエチレン
・オレートを3重量%添加したエチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリプロピレン、エチレン・αオレフィン・エ
ラストマーよりなる混合物:Bとを多層状態(A/B/
A)でサーキュラーダイより押し出しし、バブル状で2
軸延伸後、フラット状で熱処理を行い、目的とする2μ
mのポリエステルを両面に形成した多層フィルムを得
た。該ポリエステルフィルムの加熱収縮率は73%であ
り、加熱収縮応力は360g/mm2 であった。
【0024】まず、PET繊維固着支持体を巻き出し機
から繰り出し、上記のPET繊維固着剤と同じ組成の接
着剤が、塗布量1.2g/m2 になるように接着剤溶液
をグラビアコーターを用いてこの支持体に塗布した後、
第2の巻き出し機から繰り出した前出の多層フィルムに
重ね合わせ、積合させた状態で設定50℃の乾燥炉を通
過させ、溶剤を蒸発乾燥させた後、この積層体を巻き取
り機で巻き取った。さらに、この原紙中間体を35℃、
48時間エージングし、接着を完了させた。得られた積
層体から、フィルムと微粒子固着支持体とが接着された
原紙中間体を剥離し、そのフィルム表面にシリコンオイ
ルを0.05g/m2 塗布し、熱融着防止性のオーバー
コート層とし、最終的な原紙を得た。
【0025】次に、400ドット/インチ(素子間ピッ
チ:63.5μm)の素子密度で、素子サイズ(主走差
方向幅×副走差方向長)が50μm×45μmであるサ
ーマルヘッドを、サーマルヘッド試験用印字装置
((株)大倉電機製、TH−PMD)に搭載し、黒ベタ
や文字等のパターンが印刷できるように、上記の原紙を
製版した。この製版後の原紙を顕微鏡観察したところ、
黒ベタや文字等のパターン部の孔は、サーマルヘッドの
素子に対応して独立に形成されていることが判った。さ
らに、この原紙を全自動デジタル孔版印刷機(理想科学
工業(株)製、リソグラフRC115)のドラムに装着
し、80枚/分の印刷速度で印刷し得られた印刷物は、
白抜けも少なく、非常に鮮明なものであった。
【0026】
【実施例2】実施例1で得られた薄葉紙に、実施例1と
同様の方法にて、0.1デニール、3mmのPET繊維
を固着処理したもの、0.8デニール、3mmビニロン
繊維を固着処理したものを、それぞれ実施例1と同じフ
ィルム、方法を用いて原紙を作成した。さらに実施例1
と同様の方法にて、製版した原紙を顕微鏡観察したとこ
ろ、黒ベタ部や文字等のパターン部の孔は、サーマルヘ
ッドの素子に対応して独立に形成されていた。さらに、
実施例1と同様の方法にて得られた印刷物は、それぞれ
白抜けも少なく、実施例1の印刷物と同様に非常に鮮明
なものであった。
【0027】
【比較例1】実施例1で得られた薄葉紙を化学繊維固着
処理をせずそのまま支持体として用い、実施例1と同じ
フィルム、方法を用いて原紙を作成した。さらに実施例
1と同様の方法にて、製版した原紙を顕微鏡観察したと
ころ、黒ベタ部や文字等のパターン部の孔は、薄葉紙の
繊維接着部に対応した部分のフィルムが穿孔されず、サ
ーマルヘッドの素子に対応して独立に形成されていなか
った。さらに、実施例1と同様の方法にて得られた印刷
物は、薄葉紙の繊維に由来する白抜けが、実施例1の印
刷物に比べると目立っていた。
【0028】
【比較例2】実施例1で得られた薄葉紙に、実施例1と
同様の方法にて、1.5デニール、6mmのPET繊維
を固着処理し、実施例1と同じフィルム、方法を用いて
原紙を作成した。さらに実施例1と同様の方法にて、製
版した原紙を顕微鏡観察したところ、黒ベタ部や文字等
のパターン部の孔は、固着PET繊維の凝集したところ
に対応した部分のフィルムが穿孔されず、サーマルヘッ
ドの素子に対応して独立に形成されていないところがあ
った。さらに、実施例1と同様の方法にて得られた印刷
物は、上記の未穿孔部分に由来する白抜けが、実施例1
の印刷物に比べると目立っていた。
【0029】
【発明の効果】本発明の原紙では、フィルムと支持体と
が主として化学繊維を介して接着されているので、フィ
ルムの接着固定される部分が、より小さい面積となるた
め、フィルムが熱製版されるときにフィルムの穿孔を支
持体が阻害する影響が、従来の原紙に比べ著しく少なく
なるため、フィルムの開孔状態が均一なものとなる。し
かも、従来の原紙では避けられなかった、支持体繊維の
結束部でのフィルム穿孔阻害とインク透過阻害に由来す
る、印刷物の黒ベタ部での白抜けが、著しく減少するこ
とになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂延伸フィルムとインク透過
    性多孔質支持体とを、繊度1デニール以下の化学繊維を
    介して接着させたことを特徴とした感熱性孔版印刷用原
    紙。
JP2668992A 1992-02-13 1992-02-13 感熱性孔版印刷用原紙 Withdrawn JPH05221175A (ja)

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WO1994025285A1 (en) * 1993-04-23 1994-11-10 Toray Industries, Inc. Heat-sensitive stencil paper
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US7670458B2 (en) * 2000-09-25 2010-03-02 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Method of manufacturing gravure paper

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