JP3054201B2 - 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙 - Google Patents

高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙

Info

Publication number
JP3054201B2
JP3054201B2 JP2405759A JP40575990A JP3054201B2 JP 3054201 B2 JP3054201 B2 JP 3054201B2 JP 2405759 A JP2405759 A JP 2405759A JP 40575990 A JP40575990 A JP 40575990A JP 3054201 B2 JP3054201 B2 JP 3054201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
paper
film
fibers
base paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2405759A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04221697A (ja
Inventor
憲治 多田
卓 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2405759A priority Critical patent/JP3054201B2/ja
Publication of JPH04221697A publication Critical patent/JPH04221697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3054201B2 publication Critical patent/JP3054201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キセノンランプ等から
の閃光照射、レーザー発振素子からのパルス的な赤外線
照射、または微細でかつ多数の加熱素子を有したいわゆ
るサーマルヘッドからなる直接または間接の接触伝熱に
よる加熱で、熱製版される感熱孔版印刷用原紙に用いら
れる、多孔性薄葉紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル系フィルム、塩
化ビニリデン系フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムと、
天然繊維、化学繊維を主成分とする薄葉紙、不織布、紗
等を多孔質支持体として、両者を各種の接着剤で貼り合
わせた構造の感熱性孔版印刷用原紙(以下、原紙と略記
する)が知られている(例えば、特開昭51−2513
号公報、特開昭57−182492号公報など)。
【0003】しかしながら、これらの原紙は、印刷画像
の鮮明度を満足するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の原紙を用いた印
刷物の画像鮮明性が充分でない理由は種々考えられる
が、その大きな要因の一つに、孔版印刷独特のものとし
て、白抜け(印刷物の黒ベタ部に白い欠点が発生するこ
と)という現象がある。これは、本来原紙のフィルムが
溶融穿孔して開孔するはずの部分に、支持体を構成する
繊維数本が凝集して結束部を形成し存在した場合、その
結束繊維部分に対応した部分だけ開孔が阻害され、その
結果として印刷インクの透過が少なくなり、印刷物の黒
ベタ部に繊維形状がそのまま白く残存するために発生す
るものである。加えて、製版後開孔し周辺に広がったフ
ィルム残査部が、ある部分に集中して凝集した場合、そ
の部分がインクの透過を阻害し、白く残存することもあ
る。さらに、製版時に、サーマルヘッドと原紙のフィル
ムとの密着性が悪く、未穿孔部が発生することも重要な
因子である。
【0005】したがって、画像鮮明性を向上させるため
には、支持体の改良が重要であり、具体的には、1.繊
維結束に由来する白ヌケを防止するために支持体繊維の
結束を防ぐこと、2.繊維径を細くすることにより,フ
ィルムとの接着点をより小さく、より均等に分散させ
て、製版後のフィルム残査部を均等に分散させること、
3.サーマルヘッドとの均等な密着性を確保するために
支持体繊維を均等に存在させることの、3点が非常に重
要であると考えられる。
【0006】しかし、マニラ麻等の天然繊維のみを用い
て抄造した薄葉紙では、繊維径の分布が比較的大きく、
しかも繊維の形状が不均一であるため、繊維のからみ具
合の不均一さは避けられず、支持体繊維の結束を防止す
ることと繊維を均等に存在させることは、いずれも満足
の出来る程度ではなかった。また、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)繊維等の合成繊維のみを用いて抄造
した薄葉紙では、繊維径は小さくしかも均一であるが、
かえって繊維が数本ずつ並びやすく分散が不均一となり
やすく、加えてこの薄葉紙は、製版時の熱により熱変形
しやすく、また薄葉紙自体の剛性も小さく、実用上問題
が多かった。
【0007】これらの問題を解決するため、本出願人は
既に、特開平1−271293号公報で出願したとお
り、天然繊維に合成繊維を加えて混抄し、樹脂加工を施
した薄葉紙を開発し、従来の原紙用支持体に比べ、高画
像性の支持体を開発するに至った。ただし、この薄葉紙
を用いた原紙は、従来の原紙に比べ画像性は向上してい
るものの、天然繊維と合成繊維の分散性に片寄りがあ
り、より均等な繊維配置の改良が求められていた。
【0008】したがって、これらの問題点を具体的に解
決するためには、繊維径の小さい繊維を用いて、その繊
維を均等に分散させた薄葉紙が望まれており、加えて、
その他の必要物性(剛性、耐刷性、等)を含めて、いか
にしてその薄葉紙をつくるかが重要な課題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、天然繊維
合成繊維とを混抄した薄葉紙で、薄葉紙を構成する繊
維の平均繊維径を小さくし、かつ均一な分散性を向上さ
せるべく研究を鋭意進めた結果、天然繊維に加える合成
繊維を2種以上にすることにより、著しく画像性の向上
する薄葉紙を開発するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、異種の2種以上の、
単糸繊度1デニール以下、繊維長15mm以下の合成繊
20〜80重量%を含む、坪量5〜15g/m2、厚
さ10〜50μmの薄葉紙で、その繊維の表面および繊
維の交絡部に3g/m2以下の合成樹脂を含有すること
を特徴とする多孔質薄葉紙である。天然繊維に2種以上
合成繊維を混抄することによる効果は、それぞれ単独
で混抄したときに比べ、異種の繊維が存在することによ
り、繊維間の親和性が低下するためか、繊維の分散状態
が著しく向上して繊維結束が顕著に減少するため、均一
な繊維分散状態の薄葉紙が得られることにある。その中
でも、重縮合系ポリマーからなる繊維とビニル系ポリマ
ーからなる繊維および/またはオレフィン系ポリマーか
らなる繊維の組み合わせで、その効果が顕著であり、特
に、ポリエステル繊維とビニロン繊維を混抄した時は、
繊維の分散状態が細かく均一になる効果が著しい。例え
ば、平均開孔面積〔ここでは、繊維分散のひとつの指標
として、画像解析装置(日本アビオニクス(株)製、S
PICCA−II)を用いて測定した、平均開孔面積:
「平面的に見た、薄葉紙の繊維に囲まれた空隙部分の1
個ごとの面積の平均値であり、その値が小さいものほ
ど、繊維が細かく均一に分散されていると判断しうる」
を用いる。〕でいうと、天然繊維としてエクアドル麻を
80重量%として混抄した場合、0.4デニール3mm
ポリエステル繊維単独混抄薄葉紙、0.3デニール3m
mビニロン繊維単独混抄薄葉紙、その両者を50:50
で混抄した薄葉紙の順に記すと、それぞれの平均開孔面
積が、約1100μm2、約1250μm2、約750μ
2となり、2種混合することにより著しく繊維の分散
が均一になっている。
【0011】さらに、この薄葉紙を支持体として用いた
原紙での印刷物は、同じ印刷濃度でもほかの支持体を用
いた原紙に比べインク量が少なくて済む、つまり、繊維
が均一に分散されているため、フィルムも均一に穿孔さ
れ、インクが均一に分散されて印刷されるところに特徴
がある。本発明での薄葉紙を構成する合成繊維以外の繊
維としては、通常使用される植物系の天然繊維である。
好ましくは、平均繊維径(顕微鏡にて拡大し実測した平
均径)が20μm以下のマニラ麻等の天然靱皮繊維が繊
維の分散性および結束防止の点で好ましい。なお、薄葉
紙の繊維の分散性を向上させるため、平均繊維径の異な
る天然繊維を混合して用いることがより好ましい。
【0012】本発明において用いる合成繊維としては、
重縮合系ポリマー、ビニル系ポリマー、オレフィン系ポ
リマーからなる繊維、たとえば、ポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタ
ン等が用いられる。一般的には、繊維の分散性、剛性等
を勘案して、適宜好ましい組み合わせが選択されるが、
これらの中で、重縮合系ポリマーからなる繊維とビニル
系ポリマーからなる繊維および/またはオレフィン系ポ
リマーからなる繊維の組み合わせが好ましい傾向にあ
り、特に好ましくは、ポリエステル繊維とビニロン繊維
の2種類を、天然繊維に混抄したものである。
【0013】本発明において用いる合成繊維の形状は、
単糸繊度1デニール以下、繊維長15mm以下であるこ
とが必要である。単糸繊度が1デニールを越えるとイン
キの均一な通過が妨げられる傾向にある。好ましくは
0.01〜0.8デニール、より好ましくは0.05〜
0.5デニール、特に好ましくは0.1〜0.4デニー
ルである。また、繊維長が15mmを越えると、繊維の
分散が悪くなる傾向があり、画像性を低下させる。好ま
しくは1〜10mm、より好ましくは2〜8mmであ
る。なお、本発明では、繊維種の種類だけでなく、繊維
種は同じでも形状の異なる繊維、たとえば断面が円形の
繊維と円形以外の形状の繊維を用いて、その効果があれ
ば形状も種類とみなすことができる。
【0014】さらに、合成繊維は薄葉紙中に20〜80
重量%含有させる必要がある。合成繊維量が20重量%
未満のものは、天然繊維の均一な繊維の分散に対して効
果が小さく、繊維結束が多くなり、画像性が低下する傾
向にある。また、合成繊維量が80重量%を越えるもの
は、薄葉紙の剛度が小さいため原紙としての腰が不足
し、搬送性に問題が生じやすく、また製版時の熱変形が
大きくなる傾向があるので、その使用が制限される。好
ましくは20〜70重量%、より好ましくは30〜60
重量%である。
【0015】また、2種以上の合成繊維を混合する合成
繊維間の割合は、用いる繊維の種類、単糸繊度により異
なるため、混合の効果が発現する範囲で任意に選択でき
る。本発明では、樹脂加工後の薄葉紙は、坪量5〜15
g/m2、厚さ10〜50μm(JIS P−8118
により測定)である必要がある。坪量が5g/m2未満
のものや、厚さが10μm未満のものは、耐刷性(一枚
の版で印刷可能な枚数で、本発明では、耐刷性5000
枚を最低限としている)が著しく低下する傾向があるた
め好ましくない。また、坪量が15g/m2を越えるも
のや、厚さが50μmを越えるものは、インクの通過が
著しく制限されるため好ましくない。好ましくは坪量8
〜13.5g/m2、厚さ25〜40μmであり、かつ
密度(坪量÷厚さ)が0.25〜0.40g/cm2
あり、この範囲内のものは、画像性が非常に優れてい
る。
【0016】本発明での薄葉紙の抄造は、通常実施され
ている方法で行なわれる。この際、分散剤、粘剤、消泡
剤、剥離剤、紙力増強剤、サイズ剤、帯電防止剤等を配
合してもよい。本発明では、薄葉紙がウレタン樹脂また
はエポキシ樹脂のうち、少なくとも1種を繊維の表面お
よび繊維の交絡部に3g/m2以下含有する必要があ
る。これは、天然繊維と合成繊維との親和性(繊維表面
同士でのからみ度合い)が少ない場合、薄葉紙から繊維
が欠落しやすく、また、印刷時に薄葉紙が伸びやすい傾
向があるため、必要とされるものである。樹脂量が3g
/m2を越えたものは、薄葉紙の開口部に樹脂膜が多数
形成し、インキの通過を著しく妨げる傾向が強いため、
画像性が低下する傾向がある。好ましくは0.3〜2.
0g/m2、より好ましくは0.5〜1.5g/m2であ
る。
【0017】本発明に使用するウレタン樹脂、エポキシ
樹脂としては、溶剤溶液型のもの、水分散型(エマルジ
ョンタイプ)のもの等がある。また、非反応性のもの、
反応性のもの(1液タイプ、2液タイプの場合には架橋
剤並びに架橋促進剤等を組み合わせて反応を行わせる)
のいずれであってもよく、用いる繊維により適宜選択さ
れうる。
【0018】薄葉紙の樹脂加工は、薄葉紙にウレタンま
たはエポキシ樹脂の溶液あるいはエマルジョンを含浸あ
るいはグラビアロールで塗布するのが好ましく、その
後、熱風乾燥機あるいは熱ロールで乾燥させる。乾燥温
度は50〜210℃が好適である。さらに、乾燥と同時
に熱ロールで熱圧加工を施すと紙力強度をさらに向上さ
せることができる。
【0019】樹脂加工において、特に樹脂濃度に注意す
る必要がある。薄葉紙の坪量や樹脂の種類によって多少
異なるが、濃度7〜30%の溶液が好ましい。樹脂加工
において、一般に抄造時に用いられている紙力増強剤や
サイズ剤等を併用してもよい。原紙を得るために、本発
明の薄葉紙と貼り合わすフィルムとしては、熱可塑性重
合体からなる、厚さ0.5〜4μm、結晶化度が30%
以下の延伸フィルムであることが好ましい。また、その
延伸フィルムの100℃での加熱収縮率(X、%)、1
00℃での加熱収縮応力(Y、g/mm2 )、それぞれ
が次式;15≦X≦80、75≦Y≦500の範囲内
で、かつ両者の関係が、−10X+600≦Y≦−10
X+1000の範囲内にあることが特に好ましい。
【0020】このフィルムは、従来の原紙用フィルムに
対して、製版感度が高いため、製版印加エネルギーが少
なくてすみ、薄葉紙繊維に製版後のフィルム残査部を均
等に分散させやすく、薄葉紙に用いる合成繊維の製版時
の熱収縮を抑えることができる特徴がある。フィルムの
物性値は、以下の方法によるものである。
【0021】結晶化度は、PERKIN・ELMER社
製、DSC−2型を用いてフィルムサンプルの結晶化度
を求めた。測定は昇温速度10℃/分で行い、結晶融解
エネルギー(ΔH)を融解時の測定面積より求め、ΔH
と化学便覧応用編(改訂2版)に記載されている結晶成
分の融解熱(ΔHm)との比(ΔH/ΔHm)より求め
た。但し、共重合体でΔHmが不明の場合、主繰り返し
単位のΔHmを採用した。
【0022】加熱収縮率は、50mm角のフィルムサン
プルを100℃の温風循環恒温槽中に自由に収縮する状
態で10分間放置し、フィルムの収縮量を求め、元の寸
法で割った値の百分比で表し、縦方向と横方向の平均値
を採用した。加熱収縮応力は、フィルムを幅10mmの
短冊状にサンプリングし、それをストレインゲージ付き
のチャック間50mmにセットし、それを100℃に加
熱したシリコーンオイル中に浸漬し、発生した応力の1
0秒後の値を縦方向、横方向の平均値として求めた。
【0023】以下に、フィルムの要求特性の限定理由に
ついて述べる。まず、厚みが0.5μm未満のものはフ
ィルム強度が弱く、実用上使用が難しく、厚みが4μm
を越えるものは、必要な製版エネルギーが高くなり、本
発明の目的を満足しない。したがって、フィルムの適正
厚みは、0.5〜4μmであり、好ましくは0.8〜3
μm、より好ましくは1〜2.5μmである。
【0024】次に、結晶化度は、小さいほど製版感度が
高くなる傾向にあり、結晶化度は30%以下が必要であ
る。好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下
である。本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、
従来から公知のものが用いられ、例えば、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン
等の樹脂、さらにそれらの共重合体樹脂からなるフィル
ムが好適である。また、これらの樹脂はフィルム形成性
を低下させない範囲で、ブレンドされて用いられても良
い。原紙の感熱穿孔の特性、即ち、フィルムが文字、図
形に対応して加熱された時に、所定の箇所が溶融して穿
孔する際に作用する収縮応力、収縮率のバランスから考
えると、ポリエステルフィルムが好ましい。さらには、
ポリエチレンテレフタレート成分に共重合した樹脂が好
ましく、これらの中でも特に非晶性ポリエステルフィル
ムがより好ましい。具体的には、原料樹脂として充分ア
ニーリングして平衡状態としたものの結晶化度(広角X
線法による:理学電機社製、ロータフレックスRU−2
00Bにて、グラファイト・モノクロメータを使用、印
加電圧50kV、印加電流160mA、ターゲットC
u、測定角2θ=5〜38°)が20%以下、さらに好
ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下の実質的
に非晶質のものである。この特に好ましい樹脂として、
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分としたも
のを用い、ジオール成分としてエチレングリコール約7
0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール約30
モル%の混合物を用いて共重合した非晶性ポリエステル
樹脂がある。
【0025】さらに、100℃での加熱収縮率(X,
%)と加熱収縮応力(Y,g/mm2 )とは、15≦X
≦80、75≦Y≦500の範囲内で、かつ両者の関係
が、−10X+600≦Y≦−10X+1000の範囲
内にある必要がある。X<15またはY<75、Y<−
10X+600の領域のものは、製版感度が低くなる傾
向があるため本発明では使用し難い。また、X>80で
かつY>75、または、X>15でかつY>500、Y
>−10X+1000の領域のものは、寸法安定性が悪
く、原紙としたときカールが発生し易い傾向にあり制限
される。好ましくは、30≦X≦70かつ150≦Y≦
400、−10X+600≦Y≦−10X+1000、
さらに好ましくは、45≦X≦65かつ200≦Y≦3
50の範囲である。
【0026】さらに該フィルムには、必要な特性をそこ
なわない範囲で、他の重合体、オリゴマーを配合するこ
とができ、また、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、
熱安定剤、可塑剤、滑剤等を目的に応じて配合すること
ができる。フィルムはTダイ法、サーキュラーダイ法、
乾式または湿式の流延法等公知の成形技術が適用され
る。フィルム成形時、ポリマーの素材によっては可塑剤
を添加する場合もある。また成形時の巻き取り性を良く
するために、シリカ、タルク等のフィラーを添加する場
合もある。フィルムを延伸する場合には、テンター法、
インフレーション法等の公知の延伸技術を適用して、上
記の加熱収縮特性を有するように成形される。フィルム
を延伸する場合の延伸倍率は、用いる樹脂の特性と原紙
としての感熱穿孔特性を考慮し適宜決められる。なお、
薄いフィルムを取り扱うのが困難な場合、目的とするフ
ィルムとその他のフィルムとを積層して延伸した後、剥
離して目的のフィルムを用いることが可能であり、さら
に、延伸後支持体を目的とするフィルムと積層接着した
後にその他の槽を剥離することも可能である。
【0027】また、本発明の薄葉紙とフィルムとの貼り
合わせは、インキの透過性、フィルムの穿孔適性を妨げ
ない条件で、接着剤を用いて実施されうる。接着剤とし
ては、通常公知の溶剤型、ホットメルト型、エマルジョ
ン・ラテックス型、反応硬化型、紫外線および電子線硬
化型の各種接着剤が用いられる。また、接着の方法は、
通常公知の方法で、薄葉紙側またはフィルム側、あるい
は両者に接着剤を塗布して貼り合わせれば良い。接着剤
の量としては、0.1〜5g/m2 、好ましくは0.5
〜3g/m2 、より好ましくは0.5〜2g/m2 であ
る。
【0028】また、原紙のフィルム表面には、薄葉紙と
の積層前または積層後に、必要によりスティック防止用
の離型剤が塗布される場合がある。離型剤は公知のシリ
コン系またはフッ素系のものが用いられ、塗布量は離型
剤の種類及び原紙の感熱穿孔感度に応じて適宜決められ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。なお、薄葉紙の組成比を表1に、樹脂加工と原紙性
能評価結果を表2に記した。
【0030】さらに、原紙の各性能の評価は下記の方法
に従い行った。(1)画像性の評価サーマルヘッド試験
用印字装置〔(株)大倉電機製、感熱発色装置TH−P
MD〕に、発熱素子密度400ドット/インチのサーマ
ルヘッド〔(株)東芝製、TPH256R8D〕を搭載
し、2mm四方の細かい文字と、1ドットおよび2ドッ
トで形成される細線と、50mm四方の黒ベタ部が印刷
できるパターンを最適製版感度〔大日本スクリーン製造
(株)製、DM−800を用いて測定した黒ベタ部の印
刷濃度が1.10±0.05に入る最低製版エネルギー
での製版条件〕にて製版した。さらに製版後の原紙を全
自動デジタル孔版印刷機〔理想科学工業(株)製、RC
−115〕にて印刷した印刷物を、肉眼判定にて評価を
行った。○は、文字や細線の太さムラや黒ベタ部での白
抜けがないもの、×は、文字や細線が部分的に切れた
り、太さムラのあるもの、また黒ベタ部では白抜けが目
立つもの、△は、その中間程度で、実用上何とか使える
レベルのものとした。(2)耐刷性の評価前述の印刷機
を用いて、印刷速度130枚/分で5000枚以上印刷
しても、1枚目の印刷物の画像が乱れないものを○、5
000枚未満で画像の乱れるものを×とした。
【0031】
【実施例1】(薄葉紙の製造)マニラ麻をアルカリ蒸解
し、水洗後、水で濃度3%に希釈して、ビーターにて濾
水度18°SR(JIS P−8121)に叩解したも
の40重量%、サイザル麻を同様にして濾水度25°S
Rに叩解したもの20重量%、0.1デニール・3mm
のPET繊維を20重量%、0.3デニール・3mmの
ビニロン繊維を20重量%とを、均一に混合し、さら
に、これにエポキシ化ポリアミド樹脂を繊維に対して2
%となるように水溶液にして添加し均一に混合した。こ
れを紙料として円網式抄紙機による湿式抄紙法にて、樹
脂加工前の薄葉紙を得た。さらにこの薄葉紙に、グラビ
ア塗工機を用いて、水系エマルジョンタイプのウレタン
樹脂〔第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス10
0〕を、塗工量0.8g/m 2 となるように塗工し、坪
量10.5g/m2 、厚さ31.6μmの薄葉紙を得
て、原紙の支持体とした。 (感熱フィルムの製造)感熱層として、テレフタル酸と
1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%および
エチレングリコール70モル%からなる混合ジオールと
から得られた、ビカット軟化点82℃、密度1.27g
/cm3 、極限粘度0.75の実質的に非晶質の共重合
ポリエステルを用い、剥離層として、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を主体とした組成物にオレイン酸エステル
系の剥離剤を含有させた混合物を用い、それぞれ押出機
で溶融し、環状多層ダイスより感熱層が剥離層の両面に
形成されるように押し出した。その後、延伸倍率が縦5
倍、横5倍になるように、バブル状で同時2軸延伸した
後、多層フィルムを巻き取った。この多層フィルムの各
層厚みは、感熱層/剥離層/感熱層:2/12/2μm
であり、この感熱フィルムの結晶化度は6%で、100
℃での加熱収縮率は59%、加熱収縮応力は275g/
2 であり、この多層フィルムを原紙作成に用いた。 (接着剤の製造)エポキシ化合物としてエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル〔ナガセ化成工業(株)、デ
ナコールEX−810〕、ポリアミン樹脂としてポリア
ミドアミン〔三和化学工業(株)、サンマイド300〕
を用いて、重量比をエポキシ化合物:ポリアミン樹脂=
17:83となるように、イソプロピルアルコールに溶
解させ、接着剤溶液を調整した。 (原紙の製造) 支持体である前述の薄葉紙にグラビアコーターを用い
て、固形分塗布量が1.0g/m2 となるように調節し
た接着剤溶液を塗布し、前述の多層フィルムと重ね合わ
せ、積合させた状態のまま、設定50℃の乾燥炉を通過
させ、溶剤を蒸発乾燥させた後巻き取った。さらに同様
にして、裏面にも薄葉紙を積合し、両面に薄葉紙を形成
した原紙中間体を得た。さらに、この原紙中間体を35
℃、48時間エージングし、接着を完了させた後、原紙
と剥離層を剥離した。得られた原紙を用いて、フィルム
表面にシリコンオイルを0.05g/m2塗布し、熱融
着防止用オーバーコート層とし、最終的な原紙を得た。
【0032】この原紙で印刷した印刷物の画像性は、細
線もきれいに印刷され、黒ベタ部の白抜けも少なく評価
は○、また耐刷性も5000枚印刷でき評価○であり、
全てを満足する結果となった。
【0033】
【実施例2】繊維組成の比率を各重量比で、マニラ麻:
0.4デニール3mmPET繊維:0.3デニール3m
mビニロン繊維=60:20:20として抄造した薄葉
紙に、実施例1と同じ樹脂を1.0g/m2 塗布して樹
脂加工し、坪量10.4g/m2 、厚み34.9μmの
薄葉紙を得た。この薄葉紙と実施例1で用いたフィルム
とを用いて、実施例1と同じ方法にて原紙を作成した。
この原紙の性能は、実施例1と同様に非常に良好であっ
た。
【0034】
【実施例3】実施例1で用いたフィルムの樹脂と同じ樹
脂を用いて、同様な製法にて、熱処理条件を変え、10
0℃での加熱収縮率が42%で、加熱収縮応力が185
g/mm2 であるフィルムを得た。このフィルムを両面
に形成した多層フィルムを用いて、実施例1と同じ薄葉
紙を用い、同様な方法にて原紙を作成した。この原紙も
性能は良好であった。
【0035】
【実施例4】繊維組成の比率を各重量比で、マニラ麻:
0.1デニール3mmPET繊維:0.3デニール3m
mビニロン繊維:0.4デニール3mmナイロン繊維=
60:20:10:10として抄造した薄葉紙に、実施
例1と同じ樹脂を0.9g/m2 塗布して樹脂加工し、
坪量10.1g/m2、厚み34.4μmの薄葉紙を得
た。この薄葉紙と実施例1で用いたフィルムとを用い
て、実施例1と同じ方法にて原紙を作成した。この原紙
も性能は良好であった。
【0036】
【実施例5】繊維組成の比率を各重量比で、マニラ麻:
0.4デニール3mmPET繊維:0.3デニール3m
mビニロン繊維=60:20:20として抄造した薄葉
紙に、溶剤系タイプのエポキシ樹脂〔久保孝ペイント
(株)製、サンファーストEクリヤーエナメル〕を0.
7g/m2 塗布して樹脂加工し、坪量10.8g/
2 、厚み32.5μmの薄葉紙を得た。この薄葉紙と
実施例1で用いたフィルムとを用いて、実施例1と同じ
方法にて原紙を作成した。この原紙も性能は良好であっ
た。
【0037】
【比較例1】実施例1と同じフィルムと、マニラ麻10
0%の薄葉紙(坪量=10.0g/m2 、厚み=31.
2μm)を用いて、実施例1と同様な方法にて、原紙を
作成した。この原紙の画像性は、黒ベタ部での白抜けが
非常に多かった。これは、天然繊維だけでは繊維の分散
性が悪く、繊維の結束部が多いためである。この薄葉紙
は、樹脂加工していないが、天然繊維のみのため耐刷性
に問題はなかった。
【0038】
【比較例2】繊維組成の比率を各重量比で、マニラ麻:
0.4デニール3mmPET繊維=60:40として抄
造した薄葉紙に、実施例1と同じ樹脂を0.9g/m2
塗布して樹脂加工し、坪量10.5g/m2 、厚み3
5.4μmの薄葉紙を得た。この薄葉紙と実施例1で用
いたフィルムとを用いて、実施例1と同じ方法にて原紙
を作成した。この原紙は実施例1の原紙に比べ、黒ベタ
部での白抜けが目立った。
【0039】
【比較例3】繊維組成の比率を各重量比で、マニラ麻:
0.3デニール3mmビニロン繊維=7030として
抄造した薄葉紙に、実施例1と同じ樹脂を0.8g/m
2塗布して樹脂加工し、坪量9.6g/m2、厚み31.
9μmの薄葉紙を得た。この薄葉紙と実施例1で用いた
フィルムとを用いて、実施例1と同じ方法にて原紙を作
成した。この原紙も実施例1の原紙に比べ、黒ベタ部で
の白抜けが目立った。
【0040】
【比較例4】実施例1と同じフィルムと、繊維組成は同
じであるが樹脂加工の施されていない薄葉紙(坪量:1
0.2g/m2 、厚み:30.5μm)を用いて、実施
例1と同様の方法にて、原紙を作成した。この原紙は、
製版感度、画像性は良好なものの、耐刷性が2500枚
と不良であった。これは、薄葉紙に樹脂加工が施されて
いないため、印刷中に発生する力に繊維の交絡部分が耐
えられず、薄葉紙が延びるために画像が乱れるためだと
考えられる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の薄葉紙は、繊維分散性良好な、
2種以上の1デニール以下の繊度の合成繊維と、天然繊
維を混抄した薄葉紙であるため、平均繊維径も小さくな
り、繊維の分散性もより均一となる。したがって、この
薄葉紙を支持体として用いた原紙の孔版印刷で得られる
印刷物は、非常に高画像性である。さらに、支持体の繊
維表面および繊維交絡部に樹脂加工が施されているた
め、高速多数枚印刷の原紙の伸びも抑えられ、耐刷性に
優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 D21H 11/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種の2種類以上の、単糸繊度1デニー
    ル以下、繊維長15mm以下の合成繊維20〜80重量
    %を含む、坪量5〜15g/m2、厚さ10〜50μm
    の薄葉紙で、その繊維の表面および繊維の交絡部に3g
    /m2以下の合成樹脂を含有することを特徴とする多孔
    質薄葉紙。
JP2405759A 1990-12-25 1990-12-25 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙 Expired - Lifetime JP3054201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2405759A JP3054201B2 (ja) 1990-12-25 1990-12-25 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2405759A JP3054201B2 (ja) 1990-12-25 1990-12-25 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04221697A JPH04221697A (ja) 1992-08-12
JP3054201B2 true JP3054201B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=18515368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2405759A Expired - Lifetime JP3054201B2 (ja) 1990-12-25 1990-12-25 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3054201B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04221697A (ja) 1992-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0451269B1 (en) Resin-treated thin sheet for thermosensitive mimeographic original
JP3054201B2 (ja) 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙
EP0747238B1 (en) Stencil sheet roll and a method for preparing the same
JPH11255908A (ja) プリント配線基板基材およびその製造方法
JP4647341B2 (ja) 感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙
JP2000118163A (ja) 感熱孔版印刷原紙用不織布
EP0985545A1 (en) Stencil sheet and method for perforating the same
US6811866B1 (en) Heat-sensitive stencil sheet
JP3654963B2 (ja) 高画像性感熱孔版印刷原紙用薄葉紙
EP1063102B1 (en) Stencil sheet
DE69420607T3 (de) Film für hoch-wärmeempfindliche Papierschablonen
JP4845436B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用薄葉紙および感熱孔版印刷原紙
JPH05221175A (ja) 感熱性孔版印刷用原紙
JP2019171779A (ja) 孔版印刷原紙、孔版印刷原紙用多孔性支持体の製造方法、及び孔版印刷原紙の製造方法
JP7292151B2 (ja) 感熱孔版原紙用支持体及び感熱孔版原紙
JPH01267094A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP3039292B2 (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP3043507B2 (ja) 積層シートおよびその製造方法
JP2631914B2 (ja) 改良された感熱孔版原紙用薄葉紙
JPH04288288A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP3047441B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP3944503B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用薄葉紙およびその製造方法
JP2000118162A (ja) 感熱孔版印刷原紙用不織布
JP2013111805A (ja) 感熱孔版印刷用マスター
JP3329144B2 (ja) 感熱孔版印刷用原紙

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080407

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 11