JPH05220895A - 弗素系樹脂被覆金属積層体 - Google Patents

弗素系樹脂被覆金属積層体

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JPH05220895A
JPH05220895A JP5733492A JP5733492A JPH05220895A JP H05220895 A JPH05220895 A JP H05220895A JP 5733492 A JP5733492 A JP 5733492A JP 5733492 A JP5733492 A JP 5733492A JP H05220895 A JPH05220895 A JP H05220895A
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孝弘 小津
Keizo Abe
桂三 阿部
Kazuhide Hayama
和秀 葉山
Kazuyuki Hata
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 金属基材上に耐久性のある弗素樹脂の被覆膜
を形成せしめる。 【構成】 金属基材上にカルボキシル基含有の変性ポリ
オレフィン層、ラジカル重合性オレフィン重合体とアル
キル(メタ)アクリレート又は含弗素不飽和単量体を共
重合させた共重合生成物よりなる接着性樹脂層を介して
弗化ビニリデン樹脂を積層させた弗素樹脂被覆金属積層
体。 【効果】 積層体の層間接着力大きく、弗素樹脂被膜が
剥離しにくく、防汚性及び耐候性のある金属積層体で、
建材や家電製品等の用途に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弗素系樹脂被覆金属積層
体に関し、金属基材と弗素系樹脂とが接着性樹脂層を介
して一体に接着された弗素系樹脂被覆金属積層体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】弗素樹脂は、耐薬品性、耐溶剤性及び耐
候性に優れているため、被覆用材料としてきわめて好ま
しい性質を有しており、幅広い用途で利用されている。
【0003】しかしながら、弗素樹脂は各種基材との接
着性に乏しく、各種基材の表面に弗素樹脂を被覆して
も、形成された被覆膜が剥離し易いという欠点がある。
【0004】弗素樹脂の例えば金属基材への接着性を改
善するための試みが種々なされてきた。例えば、エポキ
シアクリレート樹脂、弗化ビリニデン樹脂及びメタクリ
ル樹脂等からなる組成物を下塗り剤として利用する方法
(特開平1-149880号公報)、エポキシ及び/又はエポキ
シフェノール樹脂と熱可塑性メタクリル樹脂とからなる
組成物を下塗り剤として利用する方法(特開平 2-47176
号公報)等が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属基
材への弗素樹脂の被覆技術は未だ十分なものでなく、形
成された被覆膜が剥離し易いという欠点が依然として残
っている。本発明は、金属基材と弗素系樹脂の接着一体
化に関し、従来技術における欠点のない積層体、即ち、
層間接着強度が高く、且つ接着強度の耐久性能が十分良
好な弗素系樹脂被覆金属積層体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、金属基材と弗
化ビニリデン樹脂層とを、カルボキシル基含有の変性ポ
リオレフィン系樹脂層と特定の共重合生成物よりなる接
着樹脂層とを介して積層することにより、前記の目的が
達成されることを見出し本発明を完成するに至ったもの
である。
【0007】すなわち、本発明は、金属基材層、カルボ
キシル基含有変性ポリオレフィン系樹脂層、下記の共重
合生成物よりなる接着樹脂層、弗化ビニリデン樹脂層の
順に積層されていることを特徴とする弗素系樹脂被覆金
属積層体である。
【0008】上記の共重合生成物は、(A) 1分子中に
少なくとも一個の官能基を有するオレフィン重合体
(a)と、該オレフィン重合体の官能基と反応性を有す
る官能基を備えているラジカル重合性単量体(b)とを
反応させて得られるラジカル重合性オレフィン重合体90
〜10重量%に、(B)該ラジカル重合性オレフィン重合
体と共重合可能な、アルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート及び/又は含弗素不飽和単量体を必須成分
として含有する単量体10〜90重量%を共重合させて得ら
れた共重合生成物である。
【0009】本発明の弗素系樹脂被覆金属積層体は、必
要に応じてカルボキシル基含有変性ポリオレフィン系樹
脂層と下記共重合生成物よりなる接着樹脂層の間にポリ
オレフィン樹脂層を更に設けてもよい。
【0010】〔I〕積層体の構造 (1)金属基材層 鉄及びその合金、アルミニウム及びその合金、銅及びそ
の合金、ステンレス鋼等が挙げられる。
【0011】(2)カルボキシル基含有の変性ポリオレ
フィン系樹脂層 エチレン、プロピレン、ブテン-1、4-メチルペンテン-
1、ヘキセン-1、オクテン-1等のα- オレフィンの単独
重合体、複数共重合体又はこれらを主成分とする他の単
量体との共重合体に、カルボキシル基(酸無水物基を含
む)が反応によって導入されたものである。カルボキシ
ル基を導入する化合物としては、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ハイミック酸及びこれらの酸
無水物等があり、中でも(メタ)アクリル酸と無水マレ
イン酸が接着性の点で好ましい。
【0012】ここで変性反応は、グラフト、ランダム、
ブロック、酸化等その形態を問わないが、カルボキシル
基の導入量は、 1×10-3〜0.3 モル/100g 、好ましくは
5×10-3〜0.2 モル/100g 、特に好ましくは 1×10-2
0.1 モル/100g である。この範囲にあるならば、カルボ
キシル基が直接に導入されたオレフィン系樹脂を未導入
の同種又は異種のオレフィン系樹脂で希釈し、ゴム状重
合体、無機フィラー等の他の成分を本発明の効果を著し
く損なわない範囲で添加配合したものを変性オレフィン
系樹脂として用いても構わない。
【0013】(3)接着樹脂層 接着樹脂層は、ラジカル重合性オレフィン重合体(A)
とアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート及び
/又は含弗素不飽和単量体を必須成分として含有する共
重合可能な単量体との共重合生成物よりなる。
【0014】(A)ラジカル重合性オレフィン重合体
(A)の製造 (a)オレフィン重合体(a成分) 本発明の共重合生成物の原料として用いられる一分子中
に少なくとも一個の官能基を有するオレフィン重合体
(a成分)は、その重量平均分子量が好ましくは約 1,0
00〜200,000 、特に好ましくは約10,000〜100,000 のも
のである。このa成分の分子量が低すぎると、得られた
共重合生成物の基材との接着性が不十分となり、また高
すぎると後記の単量体(B)との共重合に際してゲル化
し易くなる傾向がある。
【0015】a成分の一分子中に少なくとも一個の官能
基を有するオレフィン重合体は、既存のポリオレフィン
に目的とする官能基を有する不飽和化合物を反応させる
ことにより製造されたものである。
【0016】(イ)ポリオレフィン a成分の前駆体のポリオレフィンとしては、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、エチレン・
プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体などの
α- オレフィン又はこれらの共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体、イソブテン・イソプレン共重
合体などのα- オレフィンと共役ジエンとの共重合体、
ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン重合
体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジ
エン・スチレンブロック共重合体又はその水添物、スチ
レン・イソプレン共重合体、スチレン・イソプレン・ス
チレンブロック共重合体又はその水添物などの芳香族ビ
ニル化合物と共役ジエンの共重合体及びこれらポリオレ
フィンの塩素化物を挙げることができる。これらポリオ
レフィンの中で、エチレン重合体、プロピレン重合体、
スチレン重合体などのα- オレフィン重合体、スチレン
・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水添
物などのスチレン系エラストマー及び塩素化ポリオレフ
ィンの変性物が最も好ましい。
【0017】(ロ)官能基を有する不飽和化合物 a成分の官能基としては、b成分の単量体との反応との
関係で種々のものが考えられるが、例えばカルボン酸又
はその無水物、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基
が挙げられ、上記前駆体のポリオレフィンと反応させる
これらの官能基を有する不飽和化合物としては、以下の
ような化合物を挙げることができる。
【0018】(カルボン酸又は無水物基含有不飽和化合
物)前駆体のポリオレフィンにカルボン酸又はその無水
物基を導入する場合の化合物としては、(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸、マレイン酸及びその無水物、イタコン
酸及びその無水物、クロトン酸及びその無水物、シトラ
コン酸及びその無水物などの不飽和カルボン酸又はその
無水物等を挙げることができる。
【0019】(エポキシ基含有不飽和化合物)エポキシ
基を導入する場合、グリシジル(メタ)アクリレート、
マレイン酸のモノ- 及びジ- グリシジルエステル、イタ
コン酸のモノ- 及びジ- グリシジルエステル、アリルコ
ハク酸のモノ- 及びジ- グリシジルエステルなどの不飽
和カルボン酸グリシジルエステル、p-スチレンカルボン
酸のグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、
2-メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン- p-グリ
シジルエーテルなどのグリシジルエーテル、p-グリシジ
ルスチレン、3,4-エポキシ- 1-ブテン、3,4-エポキシ-
3-メチル- 1-ブテンなどのエポキシオレフィン、ビニル
シクロヘキセンモノオキシド等を挙げることができる。
【0020】(水酸基含有不飽和化合物)水酸基を導入
する場合、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アク
リルアミド、2-ヒドロキシエチルアクリレート- 6-ヘキ
サノリド付加重合物、2-プロペン- 1-オールなどのアル
ケニルアルコール、2-プロピン- 1-オールなどのアルキ
ニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル等を挙げる
ことができる。
【0021】(イソシアネート基含有不飽和化合物)イ
ソシアネートを導入する場合、2-イソシアネートエチル
(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート
等が挙げることができる。
【0022】前駆体のポリオレフィンと官能基を有する
不飽和化合物との反応は常法により、通常はラジカル開
始剤を用いて行われる。
【0023】(b)ラジカル重合性単量体(b成分) 前記共重合生成物の製造に用いられるラジカル重合性オ
レフィン重合体(A)は、上記オレフィン重合体(a成
分)の官能基に、該官能基と反応性を有する官能基を備
えるラジカル重合性単量体(b成分)を反応させること
により得られる。したがってa成分の官能基によってb
成分の官能基は以下のように選択される。
【0024】(i) カルボン酸又はその無水物基と反応性
を有する官能基を備える単量体 前記オレフィン単量体(a)のカルボン酸又はその無水
物基と反応性を有する官能基としては、水酸基、エポキ
シ基及びイソシアネート基があり、これら官能基を備え
るラジカル重合性単量体には以下に示すものがある。
【0025】(水酸基を備えるラジカル重合性単量体)
水酸基を備えるラジカル重合性単量体としては、例えば
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、2-ヒドロキシエチルアクリレート- 6-ヘキサノリド
付加重合物、2-プロペン- 1-オールなどのアルケニルア
ルコール、2-プロピン- 1-オールなどのアルキニルアル
コール、ヒドロキシビニルエーテル等を挙げることがで
きる。
【0026】(エポキシ基を有するラジカル重合性単量
体)エポキシ基を有するラジカル重合性単量体として
は、グリシジル(メタ)アクリレート、マレイン酸のモ
ノ- 及びジ- グリシジルエステル、イタコン酸のモノ-
及びジ- グリシジルエステル、アリルコハク酸のモノ-
及びジ- グリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸グ
リシジルエステル、p-スチレンカルボン酸のグリシジル
エステル、アリルグリシジルエーテル、2-メチルアリル
グリシジルエーテル、スチレン- p-グリシジルエーテル
などのグリシジルエーテル、p-グリシジルスチレン、3,
4-エポキシ- 1-ブテン、3,4-エポキシ- 3-メチル- 1-ブ
テンなどのエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセン
モノオキシド等を挙げることができる。
【0027】(イソシアネート基を備えるラジカル重合
性単量体)イソシアネート基を備えるラジカル重合性単
量体としては、2-イソシアネートエチル(メタ)アクリ
レート、メタクリロイルイソシアネート等を挙げること
ができる。
【0028】これら単量体の中で、カルボン酸又はその
無水物基を有するa成分に対するラジカル重合性単量体
としては、水酸基を有するラジカル重合性単量体が最も
好ましい。
【0029】(ii)エポキシ基と反応性を有する官能基を
備える単量体 オレフィン重合体(a)のエポキシ基と反応する官能基
としてはカルボキシル基及び水酸基があり、これら官能
基を備えるラジカル重合性単量体には以下に示すものが
ある。
【0030】(カルボキシル基を備えるラジカル重合性
単量体)カルボキシル基を備えるラジカル重合性単量体
としては、(メタ)アクリル酸などの不飽和酸カルボキ
シエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエ
ーテルなどのカルボキシアルキルビニルエーテル等を挙
げることができる。
【0031】(水酸基を備えるラジカル重合性単量体)
水酸基を備えるラジカル重合性単量体としては前記オレ
フィン重合体(a)のカルボン酸又はその無水物基と反
応性を有するラジカル重合成単量体(b)として例示さ
れた単量体を挙げることができる。
【0032】これら単量体の中で、エポキシ基を有する
a成分に対するラジカル重合性単量体としては、カルボ
キシル基を備えるラジカル重合性単量体が最も好まし
い。
【0033】(iii) 水酸基と反応性を有する官能基を備
える単量体 オレフィン重合体(a)の水酸基と反応する官能基とし
ては、イソシアネート基、カルボキシル基及びエポキシ
基があり、これらの官能基を備える単量体には以下に示
すものがある。
【0034】(イソシアネート基、カルボキシル基又は
エポキシ基を有するラジカル重合性単量体)イソシアネ
ート基を備えるラジカル重合性単量体及びエポキシ基を
有するラジカル重合性単量体としては、前記オレフィン
重合体(a)のカルボン酸基又はその無水物基と反応性
を有する単量体(b)として例示されたエポキシ基又は
イソシアネート基を備えた夫々の単量体が、また、カル
ボキシル基を有するラジカル重合性単量体としては、前
記オレフィン重合体(a)のエポキシ基と反応性を有す
る単量体(b)として例示されたカルボキシル基を備え
た単量体を挙げることができる。
【0035】これら単量体の中で、水酸基を有するa成
分に対するラジカル重合性単量体としては、イソシアネ
ート基を有するラジカル重合性単量体が最も好ましい。
【0036】(iv)イソシアネート基と反応性を有する官
能基を備える単量体 オレフィン重合体(a)のイソシアネート基と反応する
官能基としては水酸基及びカルボキシル基があり、これ
らの官能基を備える単量体としては以下に示すものがあ
る。
【0037】(水酸基又はカルボキシル基を備えるラジ
カル重合性単量体)水酸基又はカルボキヒル基を備える
ラジカル重合性単量体としては、前記オレフィン重合体
(a)のカルボン酸又はその無水物基やエポキシ基と反
応性を有する官能基を備える単量体(b)として例示さ
れたカルボキシル基を備えるラジカル単量体及び水酸基
を備えるラジカル重合性単量体を挙げることができる。
【0038】これら単量体の中で、イソシアネート基を
有するa成分に対するラジカル重合性単量体としては、
水酸基を有するラジカル重合性単量体が最も好ましい。
【0039】(c)反応 前記ラジカル重合体オレフィン重合体(A成分)を得る
には、オレフィン重合体(a)とラジカル重合性単量体
(b)を、オレフィン重合体(a)中の官能基1当量に
対しラジカル重合性単量体(b)中の官能基が 0.1〜10
当量、好ましくは 0.2〜5 当量になるように配合して、
両者を反応させる。上記当量未満の量ではラジカル重合
性オレフィン重合体(A)に共重合可能な後記の単量体
(B)を共重合する際に、この成分(B)のポリマーの
含有量が多くなり、また、上記当量範囲を超える量にな
るとゲル化し易くなる傾向がある。
【0040】反応温度は、通常20〜150 ℃、好ましくは
50〜120 ℃である。
【0041】反応を促進させるために、触媒として、エ
ステル化反応では酸あるいは塩基性化合物、例えば硫
酸、パラトルエンスルホン酸、塩化亜鉛、ピリジン、ト
リエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等を、ウレタ
ン化反応ではジブチル錫ジラウレート等を用いてもよ
い。
【0042】反応に際し、ビニル単量体のホモポリマー
の生成を阻止するために、酸素又は空気雰囲気下で反応
させ、ヒドロロキノン、ビトロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジンなどの重合禁止剤の適量を反応系中
に添加することが好ましい。
【0043】反応は適当な有機溶媒中で行うのが好まし
く、有機溶媒としてはトルエン、キシレン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、セロ
ソルブアセテート等がある。
【0044】(B)共重合可能な単量体(B) 本発明の接着剤層の重合生成物の製造に用いられる前記
ラジカル重合性オレフィン重合体(A)と共重合可能な
単量体(B)は、アルキル(メタ)アクリレート及び含
弗素不飽和単量体の何れか又は両者を必須成分として含
有するものである。
【0045】(アルキル(メタ)アクリレート成分)ア
ルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等が挙げることができ、これらの中で
はメチル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
【0046】(含弗素不飽和単量体成分)含弗素不飽和
単量体としては、例えばトリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレ
ート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、オ
クタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデ
カフルオロノニル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフ
ルオロデシル(メタ)アクリレートなどのフルオロアル
キル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチレン、
トリフルオロエチレン、弗化ビリニデン、弗化ビニル、
モノクロロトリフルオロエチレン、1-クロロ- 2,2-ジフ
ルオロエチレン、1,1-ジクロロ- 2,2-ジフルオロエチレ
ン、ビニリデンクロロフルオライド、ヘキサフルオロプ
ロペン、3,3,3,2-テトラフルオロプロペン、トリフルオ
ロメチルエチレン、2-フルオロプロペン、2-クロロ-1,
1,3,3,3- ペンタフルオロプロペン、1,1,2-トリクロロ-
3-トリフルオロプロペン、ペルフルオロ- 1-ブテン、
ペルフルオロ- 1-ペンテン、ペルフルオロブチルエチレ
ン、ペルフルオロ- 1-ヘプテン、ペルフルオロ- 1-ノネ
ン、8-H-ペルフルオロ- 1-オクテン、ペルフルオロヘキ
シルエチレン、ペルフルオロオクチルエチレン、ペルフ
ルオロデシルエチレン、ペルフルオロドデシルエチレン
などの含弗化オレフィン等を挙げることができ、これら
の中ではフルオロアルキル(メタ)アクリレートが最も
好ましい。
【0047】(他の共重合可能な単量体)本発明におい
てラジカル重合性オレフィン重合体(A)と共重合可能
な単量体(B)は、上記必須単量体成分のほかに他の共
重合可能な単量体が任意成分として加えられる。このよ
うな単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸モノアルキルエステルなどのα- 、β- 不飽和カ
ルボン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レートなどのオキシラン基を有する重合性単量体、(メ
タ)アクリルアミドなどの不飽和アミド、(メタ)アク
リロニトリル、エポキシアクリレート、アルキレンオキ
サイド付加体の(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ール- ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
(メタ)アクリレートなどの多価アルコールの(メタ)
アクリレート、一分子内に(メタ)アクリロイル基を有
するウレタン変性多価アクリレート、酢酸ビニル、塩化
ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、ヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
ビニルトルエン、スチレン、α- メチルスチレンなどの
ビニル基を有する芳香族化合物、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソプレンなどのオレフィン類等を挙げる
ことができる。
【0048】(量比)前記必須成分である(メタ)アク
リレート及び/又は含弗素不飽和単量体の配合割合は、
共重合可能な単量体(B)全体に対して30重量%以上、
好ましくは50重量%以上必要である。上記範囲未満で
は、弗素樹脂との接着性が不十分である。
【0049】(C)共重合生成物の製造 共重合生成物は、前記ラジカル重合性オレフィン重合体
成分(A)と上記単量体成分(B)とを共重合させるこ
とによって得られる。
【0050】(共重合条件)上記成分(A)と成分
(B)との共重合反応は、トルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、メチルイソプチルケトン、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、エタノール、ブタノール、プロ
パノールなどの有機溶剤を反応溶媒として用いられる。
【0051】共重合触媒としては、過酸化ベンゾイル、
過酸化ジ-tert.ブチル、クメンヒドロペルオキシドなど
の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾビ
ス系化合物等が成分(B)に対して 0.1〜10重量%、好
ましくは 1〜5 重量%の量で用いられる。共重合反応は
50〜200 ℃、好ましくは 70〜120 ℃の温度で 1〜20時
間加熱反応させることにより行うことができる。
【0052】各共重合成分(A)及び(B)は反応混合
物中に合計で 5〜50重量%となるように反応溶媒の量を
調整し、反応は窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気又は
気流下で行うのが好ましい。未反応の残存モノマーを少
なくするために、重合開始剤としてアゾビス系化合物と
過酸化物を併用してもよい。
【0053】(共重合生成物)共重合反応終了後、分
離、洗浄して得られた共重合生成物中には、単量体成分
(B)を10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%含有
し、ラジカル重合性オレフィン重合体成分(A)を90〜
10重量%、好ましくは70〜30重量%含有するものであ
る。
【0054】(接着性樹脂)本発明における接着樹脂層
に用いる接着性樹脂としては、上記で得られた共重合生
成物のほか、これを更にオレフィン重合体、アクリル重
合体又は弗素系樹脂で希釈して用いることができる。た
だし、単量体成分(B)の上記含有量の範囲は、この共
重合生成物を更に上記樹脂で希釈して用いる場合の接着
性樹脂に対しても適用され、単量体成分(B)の含有量
がこの範囲をはずれたものでは接着性が劣るようにな
る。
【0055】(4)弗化ビニリデン樹脂層 本発明の弗素系樹脂積層体の 1つの層を構成する弗化ビ
ニリデン樹脂層は、弗化ビニリデンの単独重合体のほか
に、主成分の弗化ビニリデンと弗化ビニル、四弗化エチ
レン、六弗化プロピレン等他の弗素ビニル単量体との共
重合体樹脂を用いることができる。
【0056】また、この弗化ビニリデン樹脂には、本発
明の効果を著しく損なわない程度の量的範囲で無機充填
剤、着色剤、各種安定剤等を配合することができる。特
に、少量の顔料の配合は、弗化ビニリデン樹脂を表面層
に形成した積層成形体の場合の意匠上の効果を向上させ
ることができるので好ましい。また、該弗化ビニリデン
樹脂と相溶性の極めて良好なポリメチルメタクリレート
などのアクリルエステル樹脂が配合されてもよい。
【0057】(5)その他の構成層 本発明の弗素系樹脂積層体は、上記の各構成層からなる
必須層により基本的に構成されるが、所望により更に他
の基材よりなる層が積層されても構わない。例えば、
(2)のカルボキシル基含有の変性ポリオレフィン系樹
脂と(3)の共重合生成物層の間にポリオレフィン系樹
脂層を設けてもよい。このような中間樹脂層は積層体の
膜厚を増加させ、表層に傷を受けた場合の受傷部からの
水分の浸透による金属基材の錆の進行を防止する効果を
有する。
【0058】このようなポリオレフィン系樹脂として
は、エチレン、プロピレン、ブテン-1などのα- オレフ
ィンの単独重合体若しくは共重合体、これらのα- オレ
フィンを主成分として、ビニルエステル(酢酸ビニルな
ど)、不飽和カルボン酸(アクリル酸、無水マレイン酸
など)又はそのエステル(アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルなど)、芳香族ビニル単量体(スチレン
など)、ビニルシラン、γ- メタクリロイルオキシプロ
ピルメトキシシランなど)などの他の不飽和単量体との
ブロック、ランダム又はグラフト共重合体等がある。
【0059】(6)層の構成順序 本発明の弗素系樹脂被覆金属積層体は、基本的に弗化ビ
ニリデン樹脂層を最外層に形成して、該弗化ビニリデン
樹脂層に隣接して前記共重合生成物よりなる接着樹脂層
に隣接してカルボキシ基含有の変性ポリオレフィン系樹
脂層が形成され、該変性ポリオレフィン樹脂層に隣接し
て金属基材が形成されたものである。
【0060】これらの層の構成順序が異なると、これら
の各層間の接着性が著しく低下したり、防汚性、耐候性
の劣ったものとなるので、上記順序であることが重要で
ある。
【0061】各層の厚みは特に制約はないが、一般に
は、金属基材を除いて、カルボキシル基含有変性ポリオ
レフィン系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層はそれぞ
れ0.05〜5 mm、好ましくは 0.5〜3 mm、接着樹脂層は 1
〜2000μm 、好ましくは10〜1000μm 、弗化ビニリデン
樹脂層は0.01〜2 mm、好ましくは0.05〜2 mm、好ましく
は0.05〜1 mm程度である。
【0062】〔II〕積層体の製造 前記四層又は五層から基本的になる本発明の弗素系樹脂
被覆金属積層体は通常の積層法を応用して製造すること
ができ、例えば各層を構成する原料成分のフィルム又は
シートをそれぞれ作って、これらを重ねた状態で熱加圧
して積層する方法、弗化ビニリデン樹脂のフィルムに接
着樹脂の溶液又はエマルジョンを塗布して乾燥した後
に、これに残りの層を重ねて金属基材に溶融積層する方
法、各構成層の原料成分を共押出成形にて金属基材に溶
融積層する方法、前記フィルムと共押出成形の併用する
などの方法がある。
【0063】
【実施例】
実施例1 (接着性樹脂の製造)攪拌機、還流冷却管、滴下ロート
及び温度計を取付けたガラスフラスコに、水添スチレン
・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(シェルケミ
カル社製、クレイトンG-1652)100g及びキシレン1,000g
を仕込み、系内を窒素置換して 125℃に昇温した。
【0064】次に、無水マレイン酸4.0gとジクミルペル
オキシド0.6gをキシレン 80gに溶解した溶液を上記系内
に 6時間かけて滴下した。さらに同温度で 1時間反応を
続けた。
【0065】反応終了後、上記反応系内を室温付近まで
冷却し、3,000gのアセトン中に投入してマレイン化水添
スチレン・ブタジエン・スチレブロック共重合体を再沈
して濾別し、乾燥してオレフィン共重合体(a)を得
た。この生成したオレフィン共重合体中の無水マレイン
酸の含有量を赤外吸収スペクトル測定及び中和滴定によ
って求めたところ、 1.5重量%であった。
【0066】次に攪拌機、還流冷却管、滴下ロート及び
温度計を取付けたガラスフラスコに、上記方法によって
得られたオレフィン共重合体(a) 20gとトルエン150g
を仕込み、空気気流下70℃に昇温して溶解した。
【0067】これに2-ヒドロキシエチルアクリレート
0.36gとジメチルベンジルアミン1g及びヒドロキノンモ
ノメチルエーテル 0.06gをトルエン 30gに溶解して得た
ラジカル重合性単量体(b)溶液を添加し、同温度で 5
時間反応させて、ラジカル重合性オレフィン重合体
(A)を得た。
【0068】続いて窒素気流下、単量体(B)である、
メチルメタクリレート 20g及びアゾビスイソプチロニト
リル 0.12gをトルエン 80gに溶解して得たメチルメタク
リレート含有単量体(B)溶液を加えて 2時間反応させ
た後、アゾビスイソブチロニトリル 0.12gを追加して 2
時間反応させる操作を 4回繰り返して行い、最後にさら
に2 時間反応を行った後、これを冷却して接着性樹脂と
した。
【0069】(積層体の製造)次に、弗化ビニリデン樹
脂(PVDF:アトケムノースアメリカ社製、KYNAR-720 )の
100μm 厚フィルムの片面に、上記で得られた接着性樹
脂を膜厚 5μm となる様塗布した。
【0070】このフィルムの接着性樹脂塗布面に接する
ように、カルボキシル基含有変性ポリプロピレン(三菱
油化社製、モデイックP311F )フィルム 100μm を重
ね、更に該カルボキシル基含有変性ポリプロピレンフィ
ルムに接するように金属基材として1.0 mm厚のアルミニ
ウム板(太佑機材製、A1050P)を重ねて、熱プレス成形
機にて加熱圧着し積層体を得た。熱プレスの条件は 200
℃、15kg/cm2、時間 3分であった。
【0071】(接着強度評価)次に、インストロン型引
張試験機を用い、20mm幅でのカルボキシル基含有変性ポ
リプロピレンフィルム層とアルミニウム板との間の接着
強度を引張速度50mm/分にて測定したところ、5.0kg/20
mm幅以上で材料破壊であった。
【0072】また、別に弗化ビニリデン樹脂(PVDF: ア
トケムノース社製、KYNAR-720 )の0.5mm 厚シートの片
面に接着性樹脂を膜厚 5μm となるよう塗布し、このシ
ートの接着性樹脂塗布面に接するようにカルボキシル基
含有変性ポリプロピレン(三菱油化社製、モディック P
311F)0.5mm 厚シートを重ね、熱プレス成形機にて5kg/
cm2 、 200℃で 3分間加熱圧着して積層体とし、同様に
インストロン型引張試験機を用い、20mm幅での弗化ビニ
リデン樹脂層とカルボキシル基含有変性ポリプロピレン
層との間の接着強度を引張速度 50mm/分にて測定したと
ころ、6kg/20mm幅であり、接着性樹脂を用いることによ
り弗化ビニリデン樹脂層とカルボキシル基変性ポリプロ
ピレン層とは実用上十分な接着強度が得られることが確
認された。
【0073】実施例2〜7 実施例1において、接着性樹脂の製造の単量体(B)と
して用いたメチルメタクリレートを、表1に示す単量体
に変更した以外は実施例1と同様に実施して接着性樹脂
を製造し、以下実施例1と同様にして積層体を得た。実
施例1と同様の評価方法にて接着強度を評価した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】実施例10 (ポリメチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレ
ン)攪拌機、還流冷却管、滴下ロート及び温度計を取付
けたガラスフラスコに、ポリプロピレン100g(三菱油化
社製、 MA-2P)、クロルベンゼン1,000gを仕込みみ、系
内を窒素置換して 130℃に昇温した後、無水マレイン酸
20gとジクミルペルオキシド1gをクロルベンゼン 80gに
溶解した溶液を 6時間かけて滴下した。同温度で 1時間
熟成反応させた後、3,000gのアセトン中に投入してマレ
イン化ポリプロピレンを沈澱させ、続いて濾別及び乾燥
すると白色粉状の変性樹脂が得られた。この変性樹脂の
赤外吸収スペクトル測定及び中和滴定を行った結果、無
水マレイン酸の含有量は 8.0重量%であった。
【0076】攪拌機、還流冷却管、滴下ロート及び温度
計を取付けたガラスフラスコに、上記で得られたマレイ
ン化ポリプロピレン 20g、キシレン180g、2-ヒドロキシ
エチルアクリレート 1.92g、ジメチルベンジルアミン1g
及びハイドロキノンモノメチルエーテル 0.06gを仕込
み、空気気流下 120℃で 5時間反応させた。
【0077】続いて窒素気流下、メチルメタクリレート
20g、アゾビスイソブチロニトリル0.12g及びキシレン
80gを加えて 2時間反応させた後、各々 2時間毎にアゾ
ビスイソブチロニトリル 0.12gを 4回追加し、最後に 2
時間熟成反応を行った。
【0078】この反応液をメタノール900gと水180gから
なる混合溶媒に加えてポリメチルメタクリレートグラフ
変性ポリプロピレンを沈澱させ、次いでこれを濾別及び
乾燥すると白色粉状の変性樹脂が得られた、
【0079】得られた変性樹脂を中間層として、弗化ビ
ニリデン樹脂(アトケムノースアメリカ社製、KYNAR-72
0 )、カルボキシル基含有変性ポリプロピレン(三菱油
化社製、モデイックP311F )を三層共押出成形法により
押出し、カルボキシル基含有変性ポリプロピレン層が1.
0 mm厚のアルミ板に接するよう押出ラミを行った。得ら
れた積層体の厚み構成は弗化ビニリデン樹脂層が50μm
厚、変性樹脂層が50μm 厚、カルボキシル基含有変性ポ
リプロピレン層が 100μm であった。
【0080】(接着強度評価)インストロン型引張試験
機を用い、20mm幅でのカルボキシル基含有変性ポリプロ
ピレンフィルム層とアルミニウム板の接着強度を引張速
度50mm/分にて測定したところ、接着強度は4.5kg/20mm
幅であった。
【0081】実施例11 弗化ビニリデン樹脂(アトケムノースアメリカ社製、KY
NAR-720 )の 100μm厚フィルムの片面に実施例1で得
られた接着性樹脂を膜厚 5μm となる様塗布した。
【0082】このフィルムの接着性樹脂塗布面に接する
ように、 100μm 厚のポリプロピレンフィルム(三菱油
化社製、FY6C) を重ね、更に該ポリプロピレンフィルム
に接するようカルボキシル基含有変性ポリプロピレン
(三菱油化モデイック:P311F)フィルム 100μm を重
ね、更に1.0 mm厚のアルミニウム板(太佑機材製:A105
0P)を重ねて、熱プレス成形機にて加熱圧着し積層体を
得た。熱プレスの条件は200℃、15kg/cm2、時間 3分で
あった。
【0083】(接着強度評価)インストロン型引張試験
機を用い、20mm幅でのカルボキシル基含有変性ポリプロ
ピレンフィルム層とアルミニウム板の接着強度を引張速
度50mm/分にて測定したところ、接着強度は5.0kg/20mm
幅以上で材料破壊であった。
【0084】比較例1 弗化ビニリデン樹脂(KYNAR-720 )の 100μm 厚フィル
ムの片面に接するようにカルボキシル基含有変性ポリプ
ロピレン(モディックP311F )の 100μm 厚フィルムを
重ね、更に該カルボキシル基含有変性ポリプロピレンフ
ィルムに接するように金属基材として 1.0mm厚のアルミ
ニウム板を重ね、熱プレス成形機にて加熱圧着し、積層
体を得た。熱プレスの条件は 200℃、15kg/cm2、 3分で
あった。
【0085】(接着性評価)インストロン型引張試験機
を用い、20mm幅でのカルボキシル基含有変性ポリプロピ
レンフィルム層とアルミニウム板の接着強度を引張速度
50mm/分にて測定したところ、接着強度は5.0kg/20mm幅
以上で材料破壊であったが、同一の引張試験機を用い、
20mm幅での弗化ビニリデンフィルム層とカルボキシル基
含有変性ポリプロピレンフィルム層の間の接着強度を引
張速度50mm/分にて測定したところ、0.1kg/20mm幅で界
面剥離を生じた。
【0086】比較例2 弗化ビニリデン樹脂(KYNAR-720 )の 100μm 厚フィル
ムの片面に、アクリル・エポキシ系接着剤(ソニーケミ
カル社製、ソニーボンドSC-462)を膜厚 5μmとなるよ
う塗布した。この接着剤塗布面に接するようにカルボキ
シル基含有変性ポリプロピレン(モディックP311F )の
100μm 厚フィルムを重ね、更に該カルボキシル基含有
変性ポリプロピレンフィルムに接するように金属基材と
して 1.0mm厚のアルミニウム板を重ね、熱プレス成形機
にて加熱圧着し、積層体を得た。熱プレスの条件は 200
℃、15kg/cm2、 3分であった。
【0087】(接着性評価)インストロン型引張試験機
を用い、20mm幅でのカルボキシル基含有変性ポリプロピ
レンフィルム層とアルミニウム板の接着強度を引張速度
50mm/分にて測定したところ、接着強度は5.0kg/20mm幅
以上で材料破壊であったが、同一の引張試験機を用い、
20mm幅での弗化ビニリデンフィルム層とカルボキシル基
含有変性ポリプロピレンフィルム層の間の接着強度を引
張速度50mm/分にて測定したところ、接着強度は0.2kg/
20mm幅であった。
【0088】
【発明の効果】本発明の弗素系被覆金属積層体は、防汚
性及び耐候性を改善した、接着強度の大きな実用に共し
得る多層積層体であり、建材や家電製品等の幅広い用途
で使用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 畑 和行 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材層、カルボキシル基含有の変性
    ポリオレフィン系樹脂層、下記の共重合生成物よりなる
    接着樹脂層及び弗化ビニリデン樹脂層の順に積層されて
    いることを特徴とする弗素系樹脂被覆金属積層体。共重
    合生成物:(A) 1分子中に少なくとも一個の官能基を
    有するオレフィン重合体(a)と、該オレフィン重合体
    の官能基と反応性を有する官能基を備えているラジカル
    重合性単量体(b)とを反応させて得られるラジカル重
    合性オレフィン重合体90〜10重量%に、(B)該ラジカ
    ル重合性オレフィン重合体と共重合可能な、アルキルア
    クリレート、アルキルメタクリレート及び/又は含弗素
    不飽和単量体を必須成分として含有する単量体10〜90重
    量%とを共重合させて得られた共重合生成物。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基含有の変性ポリオレフィ
    ン系樹脂層と共重合生成物よりなる接着樹脂層との間に
    ポリオレフィン系樹脂層を有することを特徴とする請求
    項1に記載の弗素系樹脂被覆金属積層体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0698484A3 (en) * 1994-08-25 1996-06-19 Taiyo Steel Compound metal sheet and process for its manufacture
WO1997019117A1 (fr) * 1995-11-20 1997-05-29 Elf Atochem S.A. Polymeres fonctionnels et leur utilisation dans des compositions autoreticulantes reversibles
WO2013125837A1 (ko) * 2012-02-23 2013-08-29 코오롱인더스트리 주식회사 태양광모듈용 백시트 및 이의 제조방법

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EP0698484A3 (en) * 1994-08-25 1996-06-19 Taiyo Steel Compound metal sheet and process for its manufacture
WO1997019117A1 (fr) * 1995-11-20 1997-05-29 Elf Atochem S.A. Polymeres fonctionnels et leur utilisation dans des compositions autoreticulantes reversibles
WO2013125837A1 (ko) * 2012-02-23 2013-08-29 코오롱인더스트리 주식회사 태양광모듈용 백시트 및 이의 제조방법

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