JPH05220858A - 発泡樹脂成形品処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡樹脂成形品の連続処理装置において、各
部機構配列を改善し、作業有効面積の確保をはかり建屋
の利用度を向上する。 【構成】 発泡樹脂成形品取り出し積載機構（Ａ）と、
後続位置への搬送機構（Ｂ）と、包装機構（Ｃ）とを連
続的に配置した装置において、搬送機構（Ｂ）を前後の
成形品取り出し積載機構（Ａ）及び包装機構（Ｃ）配置
位置に対し昇降機構（Ｄ），（Ｅ）を介して連結される
稍高所に位置して設置し、その直下に有効利用可能な空
間部（Ｓ）を設けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は成形装置よりの発泡樹脂
成形品取り出しに続き、これを段積み積載し、乾燥さ
せ、所定量宛、一括して合成樹脂フイルム袋内に押し込
み、包装する一連の発泡樹脂成形品の処理を連続化した
発泡樹脂成形品処理装置における各機構配置の改良に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】発泡スチロール成形品の製造は移動型と
固定型とからなる一対の成形金型を用い、発泡性熱可塑
性樹脂粒子（ビーズ）を予備発泡し、または予備発泡さ
せずにそのまま閉じた成形金型内キャビティに充填して
から蒸気を注入して加熱成形したのち冷却し、金型を開
けて離型後に成形品を取り出す、いわゆる型内発泡成形
が全自動により行われているが、金型から取り出した成
形品は一般に人手により集められ、整列されていた。

【０００３】ところが、かかる成形品取り出し及び整列
作業は作業能率の面で問題があり、型開直後に上下又は
左右に移動可能に構成された真空吸着装置を用いて成形
品を金型から離型し、のち移行させてマガジンラック内
に収容する方式（特開昭６２−２７０３２３号公報参
照）や、水平方向に移動可能で、吸着装置を有するエン
ドレスコンベヤに上下移動して成形品を積層整列させる
装置を組み合わせた方式（特開昭６３−２０９８２３号
公報参照）、更に順次搬送させる製品の１つを反転させ
て他の整列製品と向かい合わせに突き合わせる反転機構
と、反転させた製品を規制受板に当接して仕切り端部と
して配列した製品をストックする製品整列台と、製品整
列台に対向して配備され、製品を押出すための押出機構
を含む自動搬送装置とを成形品を金型より取外し、保持
する製品保持部材の移動位置に配備して成形金型から離
型された製品の回収を自動化する方式（特開平２−５７
５１２号公報参照）などが提案されて来た。

【０００４】しかし、これら各提案された手段も実用に
際し、更に種々の面で難が認められることから、引続き
検討が加えられ、成形品の取り出しと整列集積のための
機構を連続自動化した装置が本出願人によってさきに提
案された。そして本出願人はその後、上記装置に続いて
行われる乾燥工程を連続化するため成形装置で成形され
た発泡樹脂成形品を成形装置より自動的に取り出し積層
整列する工程と、該積層整列された成形品が所定量に達
するとき、該成形品を自動的に乾燥装置内に搬送し、乾
燥せしめる工程とを連続化し結合せしめた連続処理シス
テムを提案し、かつ上記システムに使用する装置として
発泡樹脂成形品の自動取り出し整列装置と、これに連続
して成形品搬送用ベルトコンベヤーを内蔵した乾燥装置
を設け、自動取り出し整列装置で整列された成形品が所
定量に達したとき、順次、自動的に該成形品を乾燥装置
内に送入するように構成せしめた装置を提案した。また
一方、乾燥された発泡樹脂成形品をストックし、これを
ストック台上に並列配置して、袋口を開口保持させた合
成樹脂フイルム製袋内に一括して押し込み、包装する装
置も検討され、この装置を前記連続処理システムに連続
結合することも試みられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが上述の如き成
形品の取り出し積層配列装置に続いて搬送機構及び包装
装置を連続して配置するときは装置配列の関係上、据付
面積が長さ方向に長くなり、厖大な建屋面積を必要とし
て経済的負担が大きくなり、装置連続化の大きな障害と
なっていた。

【０００６】本発明は、かかる連続化装置の配置上の問
題に着目し、特に装置配列に際し、有効利用空間を形成
することにより作業利用面積の確保をはかり、建屋の経
済的負担を実質的に軽減することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明は、成形金型より離脱される発泡樹脂成形品を
保持して隣接する積載面上に段積み積載する成形品取り
出し積載機構と、上記段積み積載された成形品を乾燥さ
せつつ順次、後続位置へ搬送する搬送機構と、該搬送機
構で搬送された成形品を並列配置し、その所定量宛を合
成樹脂フイルム製袋内に順次押し込み包装する包装機構
とを連続的に結合配置してなる装置において前記搬送機
構を前後の成形品取り出し積載機構及び包装機構配置位
置に対し昇降機構を介して連結される稍高所に位置して
設置し、その直下に有効利用可能な空間部を設けてなる
ことを特徴とする。ここで、上記成形品取り出し積載機
構，搬送機構及び包装機構の夫々は本出願人が別途提案
した各機構が通常使用されるが、連続配置可能な機構で
あれば類似の機構も勿論利用可能である。

【０００８】

【作用】上記本発明装置によれば搬送機構下方の有効利
用空間は充分、人の出入りが可能であり、人為的作業を
行うに充分な空間であるから、付随する人為作業あるい
は配置可能な設備の設置を始めとして各種作業を行うこ
とが出来、建屋内の空間において作業面積が確保され
る。

【０００９】

【実施例】以下、更に添付図面を参照し、本発明の実施
例を説明する。図１は本発明に係る装置配置態様を示す
側面図、図２は図１のＸ−Ｘ線矢視図である。図におい
て（Ａ）は成形品取り出し積載機構、（Ｂ）は搬送機
構、（Ｃ）は包装機構であり、これら各機構（Ａ），
（Ｂ），（Ｃ）は昇降機構（Ｄ），（Ｅ）を介して夫々
一連の連続化装置として結合されている。そして上記一
連の連続化装置において搬送機構（Ｂ）は前後の昇降機
構（Ｄ），（Ｅ）の昇降分に見合う高さだけ高所に位置
して設置されており、その直下部には上記昇降機構
（Ｄ），（Ｅ）に挟まれて搬送機構（Ｂ）の長さ分の有
効利用可能な空間部（Ｓ）が形成されている。成形品取
り出し積載機構は例えば特願平３−１６３４７９号で詳
述する如き機構であり、開閉自在に対向配備した一対の
成形金型間に伸びる発泡樹脂成形品取り出し機構（１）
と、該取り出し機構の側方にあって取り出された成形品
を段積み積載する積載機構（１７）からなり、前記成形
品取り出し機構は、走行台車上に載置され、一対の成形
金型間に伸びる昇降フレーム（４）と、成形品保持部を
備え昇降フレーム（４）上部で該昇降フレームに対し９
０゜回動可能に枢着支持されたスイングフレーム（８）
と、更にその上部で前記積載機構側に延出し、回動した
スイングフレーム位置の上部にあってスイングフレーム
で保持された成形品を押出すプッシュ手段を備えたプッ
シャーフレームを含んで構成されていると共に、前記積
載機構（１７）の積載面は昇降装置が付設され、昇降可
能となっている。

【００１０】図３はその詳細を示し（１）は成形品取り
出し機構で、走行駆動装置（３）によって水平方向に駆
動される走行台車（２）上に、昇降フレーム（４）が昇
降駆動装置（５）に連結されたチエン機構（６）などに
固定されてチエン機構（６）などの回動と共に、昇降用
ガイドフレーム（７）に沿って昇降動可能に載置されて
いる。そしてこの昇降フレーム（４）には、複数に区画
され、各区画部分で夫々独立的に保持するチャック及び
ガイドをもつ成形品保持部（９）を備えたスイングフレ
ーム（８）が、その上端近く併設され、該スイングフレ
ーム（８）の上端は昇降フレーム（４）に隣接して配設
された低液圧シリンダーの如き流体シリンダー（１０）
の上下動するロッド（１１）に一端が連結された連杆
（１２）の他端に連結されていて、シリンダロッド（１
１）の下降と共にスイングフレーム（８）は他端連結部
を支点として９０度回動し、またシリンダロッド（１
１）の上昇と共にスイングフレーム（８）は他端連結部
を支点として昇降フレーム（４）に平行に沿う元の位置
に戻るようになっている。なお、図中、（１３）は上記
スイングフレーム（８）の上部において昇降フレーム
（４）の昇降用ガイドフレーム（７）から側方へ、即ち
後述する積載機構側へ向かって延びるプッシャーフレー
ムであり、スイングフレーム（８）で保持された成形品
（Ｍ）を必要時、押し出しプッシュ手段、例えばプッシ
ュプレート（１４）が設けられている。しかして、上記
取り出し機構（１）は上部に金型取替用クレーン（１
６）をもつ固定型と移動型の一対の成形金型からなる成
形装置（１５）の下方に位置して配設され、昇降フレー
ム（４）が上記一対の成型金型の間に伸び出して成形金
型内で既知の手段によって型内発泡成形された発泡樹脂
成形品をスイングフレーム（８）の成形品保持部（９）
によって取り出すものである。

【００１１】一方、（１７）は上記取り出し機構（１）
によって取り出された成形品（Ｍ）を積載するための積
載機構であり、前記取り出し機構（１）の走行台車
（２）の水平移動経路に位置していて、図においてはそ
の積載面がベルトコンベヤ（１８）によって形成されて
いる。このベルトコンベヤ（１８）は段積可能な如く昇
降装置によって上下動し得るようになっており、段積み
に従って次第に下方に降下し、順次、取り出されてくる
成形品を取り出し機構（１）のスイングフレーム（８）
に設けられた保持部（９）から解放しプッシュ手段によ
って押し下げ段積みが可能となっている。なお、保持部
（９）によって保持される成形品は１個に限らず、複数
個同時であり、従って段積積載に際しても、同時に複数
個の段積成形品を得ることができるようになっている。

【００１２】次に搬送機構（Ｂ）は吊下式の長尺ベルト
コンベヤからなっており、前記段積みした発泡樹脂成形
品（Ｍ）を水平移動させ、昇降装置（Ｄ）により上昇さ
せてベルトコンベヤ上に移し、搬送工程に付される。こ
の搬送工程は単に成形品をベルトコンベヤに従って搬送
するに止まらず、この間自然乾燥に付され、あるいは適
宜、所要の温度、例えば５０〜６０℃に保持された乾燥
装置（図示せず）内を通し乾燥することが行われる。更
に搬送機構（Ｂ）に続いて配置された包装機構（Ｃ）は
上記搬送機構（Ｂ）の終端において昇降装置（Ｅ）を介
して下降された成形品（Ｍ）を、テーブル（２２）上に
並列配置して載せ、予め袋口を開口保持させておいた合
成樹脂フイルム製袋（２４）内に押込板（２３）を利用
して押し込み包装する機構であり、基本的に、上面に往
復動する押込板（２３）を備えたテーブル（２２）と、
これに連結された包装部、即ち、合成樹脂フイルム製袋
（２４）を開口状態で保持するガイド枠を備えた部分に
よって構成され、袋の取り付けと、成形品の押し込みを
容易ならしめている。

【００１３】しかして、上記の成形品取り出し積載機構
（Ａ）と搬送機構（Ｂ）及び包装機構（Ｃ）は一連の結
合装置として発泡樹脂成形品の処理を連続化している
が、ここで昇降装置（Ｄ），（Ｅ）の設置により搬送機
構（Ｂ）が稍高所に位置して配設されることは重要であ
り、これによって搬送機構（Ｂ）の直下には搬送機構
（Ｂ）の長さにわたり、かつ昇降装置（Ｄ），（Ｅ）の
昇降分に見合う広大な空間（Ｓ）が得られる。この空間
は、発泡樹脂成形品の処理における搬送工程を考慮した
とき、頗る広大となり、種々の付属設備の設置はもとよ
り簡単な作業あるいは製品貯蔵用などとして有効に利用
することができ、発泡樹脂成形品の連続化設備の配置の
経済性を大幅に向上し、同連続化の推進に極めて有利で
ある。

【００１４】

【発明の効果】本発明は以上のように発泡樹脂成形品の
成形金型よりの取り出しより包装に至る一連の連続化設
備の配置において、中間の搬送機構を高所に配置し、そ
の直下に有効利用空間部を設けたものであり、連続化設
備の大きな隘路となっていた据付面積の長大化を解消
し、搬送機構直下を有効利用空間として付属設備を設置
したり、作業個所としたり、あるいは製品ストック用と
して利用するなど建屋内空間の最大限利用を達成し、作
業面積を充分確保して据付面積の経済性を実質上、大幅
に向上することができる。そのため上記本発明装置によ
り発泡樹脂成形品の処理の連続化を推進し、作業時間の
短縮、設備コストの実質的低減をもたらす顕著な効果が
期待される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る装置例を示す側面概要図である。

【図２】図１の装置のＸ−Ｘ線矢視図である。

【図３】本発明における成形品取り出し積載機構例の詳
細を示す概要図である。

【符号の説明】

（Ａ） 成形品取り出し積載機構 （Ｂ） 搬送機構 （Ｃ） 包装機構 （Ｄ）（Ｅ）昇降機構 （Ｍ） 発泡樹脂成形品 （Ｓ） 有効利用空間部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 成形金型より離脱される発泡樹脂成形品
   を保持して隣接する積載面上に段積み積載する成形品取
   り出し積載機構と、上記段積み積載された成形品を乾燥
   させつつ順次、後続位置へ搬送する搬送機構と、該搬送
   機構で搬送された成形品を並列配置し、その所定量宛を
   合成樹脂フイルム製袋内に順次押し込み包装する包装機
   構とを連続的に結合配置してなる装置であって前記搬送
   機構を前後の成形品取り出し積載機構及び包装機構配置
   位置に対し昇降機構を介して連結される稍高所に位置し
   て設置し、その直下に有効利用可能な空間部を設けてな
   ることを特徴とする発泡樹脂成形品処理装置。