JPH05220347A - 脱硝触媒装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハニカム触媒に対して排ガスに接する触媒表
面積を減少させることなく、しかも容易にハニカム触媒
の保持が可能な脱硝触媒装置を提供する。 【構成】 両側が開口した直方体外枠４内を、直交し、
かつ外枠の軸方向に平行な複数個の隔壁１で区画して複
数個の流通路を構成し、各流通路に面する外枠と隔壁に
バネ部材３を設け、各流通路にはその軸方向に沿ってハ
ニカム触媒体２を収納し、ハニカム触媒体外周面と外枠
および隔壁で形成される間隙流路７内にそのガス流れ流
動抵抗がハニカム触媒体内開口部の流動抵抗に相当する
ように抵抗体６を設ける。 【効果】 ハニカム触媒体外周壁を触媒活性面として活
用できるとともに、バネ部材３によりハニカム触媒の着
脱作業が容易となった。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、脱硝触媒装置に係り、
特にハニカム触媒を収納ボックス内に収納した脱硝触媒
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】大型燃焼装置から排出される燃焼排ガス
のような大量の排ガスを浄化処理する際にハニカム状に
成形した触媒が使用されるが、ハニカム触媒を押出し成
形する場合、加工上の問題から成形体の大きさは１５cm
ないし２０cm角程度以下に限定され、それ以上の大きさ
のものを押出し成形することは困難である。したがっ
て、多量の排ガスを処理する場合は、排ガスダクト内に
ハニカム触媒成形体を多数積層充填した脱硫触媒装置を
設置することになる。

【０００３】また、脱硝触媒成形体はシリカ、ゼオライ
ト、アルミナなどの担体物質にチタン、モリブデン、バ
ナジウム、鉄などの活性成分を水とともに混合して混練
し、成形機にて押出し成形したものを、乾燥、焼成して
作られるが、機械的強度、耐衝撃性はそれほど高くな
い。よって、運搬、装着の際の破損防止と装着時の取扱
いの容易さから、収納ボックス内に収納したものを排ガ
スダクト内に必要数充填して使用される。

【０００４】従来の脱硝装置用ハニカム触媒収納ボック
スは、図４に示されるように外枠４の一方の端面の周囲
を折り曲げ、ハニカム触媒２が外枠４から脱落しないよ
うに支持するとともに、外枠とハニカム触媒、またはハ
ニカム触媒同士の衝突などによる衝撃で損傷しないよう
に、ガラスウールなどの緩衝材５がハニカム触媒２の全
周に充填されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、以下
の点について配慮されていなかった。 （１）まず、触媒外枠４の折り曲げがガス流れに対して
直角であるため図４に示すようにこの外枠４とハニカム
触媒２が重なり、この重なり部分にはガスが流れにくい
構造に問題があった。 （２）また、ハニカム触媒２の全周には外枠４とハニカ
ム触媒２の熱伸び差を吸収する目的で緩衝材５が充填さ
れているため、ハニカム触媒２の外表面は排ガスに接し
ないために活用できる触媒表面積が減少し、結果として
使用する触媒量が多くなる問題があった。

【０００６】本発明はこれらの問題点を解消するもので
あり、その目的とするところは、ハニカム触媒に対して
排ガスに接する触媒表面積を減少させることなく、しか
も容易にハニカム触媒の保持が可能な脱硝触媒装置を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、両端が開口した直方体外枠内に、外枠の軸方
向に沿って複数個のハニカム触媒体を収納した脱硝触媒
装置において、前記外枠内を、直交し、かつ外枠の軸方
向に平行な複数個の隔壁により区画して複数個の流通路
を構成し、各流通路に面する外枠および隔壁にはそれぞ
れバネ部材を設け、各流通路にはその軸方向に沿ってハ
ニカム触媒体を収納し、かつハニカム触媒体外周壁面と
隔壁および外枠とで形成される隙間通路には、そのガス
流れ流動抵抗がハニカム触媒体内開口部の流動抵抗に相
当するような抵抗部材を設けたことを特徴とする脱硝触
媒装置に関する。

【０００８】

【作用】堅牢な外枠に収納されるハニカム触媒間に隔壁
を設置し、隔壁および外枠にハニカム触媒保持用のバネ
を部分的に設け、さらに隔壁および外枠の折り曲げ端部
にハニカム触媒の開口部に匹敵する流動抵抗を与える抵
抗部材を設置することにより、排ガスが外枠および隔壁
の折り曲げ部に阻害されることなくスムーズに流れるよ
うになるので、ハニカム触媒の外表面の活性面を阻害す
ることがない。

【０００９】また、隔壁と外枠で囲まれた中へハニカム
触媒を挿入すると、隔壁、外枠に部分的に設置されてい
るバネがハニカム触媒を互いに押し合って隙間を一定に
保つため、ハニカム触媒の積め込み作業が簡単に行える
ようになり、充填作業時間の低減が可能となる。ボイラ
の大型化に伴い脱硝を行う排ガスは膨大な処理量とな
り、脱硝性能を保つため多量のハニカム触媒を収納保持
した触媒収納ボックスを脱硝反応器内に充填する必要が
ある。例えば水平流の脱硝反応器では触媒量に応じて、
触媒収納ブロックを積み上げて触媒層を形成することが
多い。

【００１０】

【実施例】次に本発明を実施例によって詳細に説明す
る。図２は、本発明の一実施例に用いられる触媒収納ブ
ロックの斜視図である。ハニカム触媒２の取扱い、輸送
および脱硝反応器への充填作業の能率を上げるため、ハ
ニカム触媒２は外枠４を仕切る隔壁１を設けた触媒収納
ボックスの各々の区画内へ収納されている。また、外部
より作用する力に対してハニカム触媒２の破損を防止す
るため外枠４で囲まれた堅牢な箱の中へ収納されてい
る。

【００１１】図１は、触媒収納ボックスの一部断面図
で、隔壁１と外枠４に設けたバネ３とハニカム触媒２の
関係を示したものであり、堅牢な外枠４に収納されるハ
ニカム触媒２間に隔壁１を設け、隔壁１と外枠４にハニ
カム触媒２保持用のバネ３を部分的に設け、さらに隔壁
および外枠の少なくとも一方の端部に部分開口６を設置
することにより、ハニカム触媒内の開口部の流動抵抗に
匹敵するものをハニカム触媒外表面と隔壁、および外枠
間の通路に保持させることができる。これにより排ガス
が外枠４と隔壁１の折り曲げ部に阻害されることなくハ
ニカム触媒２の外周をスムーズに流れるため、折り曲げ
部分のデッドゾーンをなくすことができる。これにより
脱硝反応器に充填する触媒量を低減できる。

【００１２】本実施例によれば、外枠４と隔壁１で囲ま
れた中へハニカム触媒２を挿入すると外枠４と隔壁１表
面に部分的に設置されているバネ３がハニカム触媒２を
互いに押し合って隙間７を一定に保つため、ハニカム触
媒２の積め込み作業が簡単に行え、触媒充填作業の能率
向上が図れる。また、運転状態においては、外枠４や隔
壁１の熱伸びに対する変形に対し、バネ３が緩衝材とな
りハニカム触媒２の損傷を防止するとともに隙間７が熱
膨脹差により多少大きくなっても、バネ３がハニカム触
媒２を押し合って隙間７をほぼ均一に保ち最適な間隔を
保つことができる。

【００１３】本実施例では、外枠４内に隔壁１を２枚直
交させて設け、外枠内を４つの区画に分割し各区画内に
ハニカム触媒体２を挿入したものを示したが、本願発明
はこれに限定されるものではなく、隔壁１を４枚、６枚
と増すことにより区画を増すことが可能である。この場
合は隔壁のみで周囲を囲まれた区域が当然生じる。ま
た、ハニカム触媒２の外周壁面と隔壁または外枠との間
にできた隙間のガス通路の流動抵抗を、触媒２の内部開
口部流動抵抗に均等となるようにするため、外枠や隔壁
の端部折り曲げ部に開口６を設けた実施例を示したが、
これに限定されるものではなく、上記隙間に適当な開口
を有するオリフィス体などの流動抵抗体を設けることに
より同じ効果を得ることができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、隔壁および外枠とハニ
カム触媒の熱伸び差に対し、隔壁および外枠に設けたバ
ネが緩衝材となり触媒の損傷を防止できる。また、ハニ
カム触媒の全外周面に隙間を設置し排ガスを通過させる
ことができるので、排ガスに接する触媒表面積の減少を
防げるため、全体として脱硝反応器を小さくできる。さ
らに、隔壁または外枠が熱伸びで大きくなってもハニカ
ム触媒を保持せるバネがハニカム触媒を押して隙間を一
定に保つことができるので、常に反応に最適な隙間を保
つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、外枠と隔壁で構成する触媒収納ボック
ス内にハニカム脱硝触媒を収納したものの一部断面図で
ある。

【図２】図２は、本発明で使用する触媒収納ボックスの
一例の全体の斜視図である。

【図３】図３は、図１のＡ部の拡大図である。

【図４】図４は、従来技術になる触媒収納ボックスへ触
媒を収容した状態の断面図である。

【符号の説明】

１…隔壁、２…ハニカム触媒、３…バネ、４…外枠、５
…緩衝材、６…開口、６ａ…折り曲げ部、７…隙間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端が開口した直方体外枠内に、外枠の
   軸方向に沿って複数個のハニカム触媒体を収納した脱硝
   触媒装置において、前記外枠内を、直交し、かつ外枠の
   軸方向に平行な複数個の隔壁により区画して複数個の流
   通路を構成し、各流通路に面する外枠および隔壁にはそ
   れぞれバネ部材を設け、各流通路にはその軸方向に沿っ
   てハニカム触媒体を収納し、かつハニカム触媒体外周壁
   面と隔壁および外枠とで形成される隙間通路には、その
   ガス流れ流動抵抗がハニカム触媒体内開口部の流動抵抗
   に相当するような抵抗部材を設けたことを特徴とする脱
   硝触媒装置。