JP2021071108A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Kenji Nakazawa
健自 中澤
申也 杉原
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Abstract

【課題】排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において還元剤と排気との混合を促進する。【解決手段】還元触媒よりも上流側の排気流路に介在するチャンバ内への排気の流入口を取り囲むように立設された有底筒状の部材である分散部材の側壁に以下の要件A及びBを満足する複数の連通孔を形成する。(A)分散部材の側壁の軸を含み且つ流出口の中心を通る平面である基準平面の一方側に位置する連通孔の開口面積の合計値と他方側に位置する連通孔の開口面積の合計値とが等しい。(B)複数の連通孔の開口面積の分布が基準平面に対して非対称である。更に、チャンバ内において流入口から流出口へと至る排気の流路の広さが基準平面の一方側と他方側とで異なるようにチャンバを構成してもよい。加えて、連通孔から第1空間へと流れ出る排気の流れを特定の方向に導く偏向部材を一部の連通孔に設けてもよい。【選択図】図23

Description

本発明は、排気浄化装置に関する。より具体的には、本発明は、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において還元剤と排気との混合を促進することができる排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気には、例えば煤等からなる粒子状物質(PM)及び窒素酸化物(NOx)等の物質が含まれる。そこで、地球環境保護等の観点から、例えばPMを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)及び選択触媒還元脱硝装置(SCR:Selective Catalytic Reduction)等の還元触媒等の排気浄化装置を内燃機関の排気流路に介装してPM及びNOx等の物質を除去することにより排気を浄化することが広く行われている。
還元触媒は、その上流側に添加される還元剤によって排気中に含まれる特定の物質を還元して無害な物質へと変換する。従って、排気中に含まれる特定の物質を効果的に除去するためには、還元剤と排気とを十分に混合することが望ましい。例えば、選択触媒還元脱硝装置(SCR)は、その上流側に添加される還元剤(例えば、アンモニア(NH3)、尿素及び尿素水等)によって排気中に含まれるNOxを無害な物質である窒素(N2)へと還元する。還元剤として尿素又は尿素水を採用する場合、高温の排気との接触による尿素の熱分解の結果として生成されるNH3によってNOxが還元される。従って、SCRによってNOxを効果的に除去するためには、還元剤が排気中に添加されてからSCRに到達するまでの経路を長くして尿素の熱分解にかける時間を長くすることが望ましい。更に、この場合においても、還元剤と排気とを十分に混合することが望ましいことは言うまでも無い。
そこで、当該技術分野においては、第1チャンバと、第1チャンバに同一方向から突き当てて接続されて互いに平行に配置された第1及び第2通路と、第1通路内に設置されたフィルターと、第2通路に対向した第1チャンバの区画壁に設置されて第2通路内に向かって液体を噴射する噴射弁とを備える排気浄化装置において、第1通路から同軸に延びて第1チャンバ内を仕切る管状部材の周方向に形成された開口部の合計面積を第1通路及び第2通路の軸を含む仮想平面に対して非対称とすることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような構成によれば、第1通路から第1チャンバを経て第2通路に流入する排気の旋回流を生成させることができ、その結果、噴射された尿素水と排気との混合を促進することができる。
しかしながら、上記構成においては、上記仮想平面の両側のうち開口面積がより大きい側において第2通路に最も近い最大の開口部から第2通路に向かって大部分の排気が流れてしまう。このように排気の流れに著しい偏りが生ずるため、上記構成によって旋回流を効果的に発生させることが却って困難となり、噴射された尿素水と排気とを十分に混合させることが困難となる場合がある。
上記のように、内燃機関から排出される排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元することにより排気を浄化する還元触媒を含む従来技術に係る排気浄化装置に(以降、「従来装置」と称呼される場合がある。)おいては、還元剤と排気との混合を更に促進することができる技術が求められている。
特開2018−165477号公報
本発明は、上述した課題に対処すべく想到されたものであり、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において還元剤と排気との混合を十分に促進することが可能な排気浄化装置を提供することを1つの目的とする。
上記に鑑みて、本発明に係る排気浄化装置(以降、「本発明装置」と称呼される場合がある。)は、第1浄化部と、第1導入経路と、第1チャンバと、第2導入経路と、還元剤添加部と、を備える排気浄化装置である。第1浄化部は、内燃機関から排出される排気に含まれる特定の物質である第1物質を還元剤によって還元することにより排気を浄化する排気浄化ユニットとして還元触媒を含む。
第1導入経路は、排気が流れる経路である排気流路における第1浄化部の上流側に隣接して配設され且つ第1浄化部へと排気を導くように構成されている。第1チャンバは、排気流路における第1導入経路の上流側に隣接して配設され且つ第1導入経路と連通する内部空間である第1空間を画定する。第2導入経路は、排気流路における第1チャンバの上流側に隣接して配設され且つ第1空間へと排気を導くように構成されている。還元剤添加部は、第1導入経路の内部に還元剤を添加するように構成されている。尚、第1導入経路の第1空間への開口部である第1開口部と第2導入経路の第1空間への開口部である第2開口部とは第1チャンバの同じ側に形成されている。
本発明装置は、分散部材を更に備える。分散部材は、少なくとも第2開口部を取り囲むように立設された筒状の部材である側壁と当該側壁の第2開口部とは反対側の端部を塞ぐように設けられた部材である底壁とによって構成される部材である。分散部材の側壁には分散部材の内側と外側とを連通する複数の孔である連通孔が形成されている。これにより、第2導入経路から分散部材の連通孔及び第1チャンバの第1空間を経由して第1導入経路へと排気を導くことができる。
更に、本発明装置においては、以下に列挙する要件A及び要件Bを満足するように連通孔が構成されている。
(A)分散部材の側壁の軸を含み且つ第1開口部の中心を通る平面である基準平面の一方側に位置する連通孔の開口面積の合計値と基準平面の他方側に位置する連通孔の開口面積の合計値とが等しい。
(B)複数の連通孔の開口面積の分布が基準平面に対して非対称である。
上記のように、本発明装置においては、第1チャンバの上流側に接続された第2導入経路の第1空間への開口部である第2開口部を取り囲むように配設された分散部材の側壁に形成された複数の連通孔が上述した要件A及び要件Bを満足するように構成されている。これにより、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において還元剤と排気との混合を十分に促進することが可能な排気浄化装置を提供することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の第1実施態様に係る排気浄化装置(第1装置)の構成の一例を示す模式図である。 図1において破線によって囲まれている第1導入経路、第1チャンバ、第2導入経路及び還元剤添加部からなる部分の模式的な斜視図である。 図2に示した部分から第1チャンバの頂壁及び還元剤添加部を取り除いた状態を示す模式的な斜視図である。 図3に示した部分を太い実線によって示す方向から観察した状態を示す模式図である。 第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。 第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成のもう1つの具体例を示す模式図である。 変形例1−1に係る第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。 変形例1−2に係る第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。 変形例1−3に係る第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。 本発明の第2実施態様に係る排気浄化装置(第2装置)が備える第1チャンバの構成の1つの具体例を示す模式図である。 変形例2−1に係る第2装置が備える第1チャンバの構成の1つの具体例を示す模式図である。 本発明の第3実施態様に係る排気浄化装置(第3装置)が備える偏向部材の構成の1つの具体例を示す模式図である。 本発明の第4実施態様に係る排気浄化装置(第4装置)の構成の1つの具体例を示す模式図である。 本発明の第5実施態様に係る排気浄化装置(第5装置)の構成の1つの具体例を示す模式図である。 第5装置の構成のもう1つの具体例を示す模式図である。 第5装置の構成の更にもう1つの具体例を示す模式図である。 変形例5−1に係る第5装置の構成の1つの具体例を示す模式図である。 変形例5−2に係る第5装置の構成の1つの具体例を示す模式図である。 本発明の第6実施態様に係る排気浄化装置(第6装置)が備える第1チャンバ及び第2浄化部の近傍の部分の構成の1つの具体例を示す模式的な斜視図である。 図19に示した第6装置が備える第1チャンバ及び第2浄化部の近傍の部分の分散部材の軸を通る平面による模式的な断面図である。 本発明の第1実施例に係る排気浄化装置(第1実施例装置)の構成の一例を示す模式的な側面図である。 図21に示した太い実線によって示す方向から第1実施例装置を観察した状態を示す模式図である。 第1実施例装置が備える第1チャンバの構成及び排気の流れを示す模式図である。 本発明の第2実施例に係る排気浄化装置(第2実施例装置)の構成の一例を示す模式的な側面図である。 図24に示した太い実線によって示す方向から第2実施例装置を観察した状態を示す模式図である。 第2実施例装置が備える第1チャンバの構成及び排気の流れを示す模式図である。
《第1実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置(以降、「第1装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
第1装置は、第1浄化部と、第1導入経路と、第1チャンバと、第2導入経路と、還元剤添加部と、を備える排気浄化装置である。第1浄化部は、内燃機関から排出される排気に含まれる特定の物質である第1物質を還元剤によって還元することにより排気を浄化する排気浄化ユニットとして還元触媒を含む。第1浄化部は、還元触媒以外の排気浄化ユニット(例えば、アンモニアスリップ触媒(ASC:Ammonia Slip Catalyst)等)を更に含んでいてもよい。また、第1導入経路の下流側に還元触媒が配設され且つ還元触媒を含む各浄化ユニットの排気浄化機能に適合している限り、第1浄化部に含まれる還元触媒及び他の排気浄化ユニットは如何なる順序に配置されてもよい。更に、例えば第1浄化部における圧力損失の低減等を目的として、複数の還元触媒を排気の流れにおいて並列に配設してもよい。第1浄化部が還元触媒以外の排気浄化ユニットをも含む場合、複数の当該排気浄化ユニットを並列に配設してもよい。
第1導入経路は、排気が流れる経路である排気流路における第1浄化部の上流側に隣接して配設され且つ第1浄化部へと排気を導くように構成されている。第1導入経路の具体的な構成は、内燃機関から排出される排気を第1浄化部へと導くことが可能である限り、特に限定されない。具体的には、第1導入経路は、例えば鋼管等の管状部材(パイプ)によって構成されていてもよく、又はプレス成型された複数の部材を重ね合わせる製法(所謂「モナカ製法」)によって構成されていてもよい。或いは、第1装置を構成する他の構成部材の外壁又は内壁に取り付けられた板状及び/又は樋状の部材によって第1導入経路が構成されていてもよい。
更に、第1導入経路の圧力損失が過度に高まらない限りにおいて、第1導入経路の内部にラビリンス構造を設けることにより、第1導入経路における排気の行程(道のり)を長くしてもよい。或いは、第1導入経路の形状を、例えばU字状、S字状、M字状及び螺旋状からなる群より選ばれる少なくとも1つの形状とすることにより、第1導入経路における排気の行程(道のり)を長くしてもよい。尚、ここで言う「U字状」、「S字状」、「M字状」及び「螺旋状」なる文言は、これらの文字又は構造に必ずしも厳密に合致することを規定するものではなく、これらの文言によって表される形状に概ね合致していればよい。また、第1装置が備える第1導入経路がU字状、S字状、又はM字状の形状を有する場合であっても、第1導入経路の軸線は必ずしも1つの平面内に含まれる必要は無い。即ち、第1装置が備える第1導入経路の形状は二次元的であってもよく、或いは三次元的であってもよい。
第1チャンバは、排気流路における第1導入経路の上流側に隣接して配設され且つ第1導入経路と連通する内部空間である第1空間を画定する。第1チャンバの具体的な構成は、内燃機関から排出される排気を第2導入経路から第1導入経路へと第1空間を介して導くことが可能である限り、特に限定されない。
第2導入経路は、排気流路における第1チャンバの上流側に隣接して配設され且つ第1空間へと排気を導くように構成されている。第2導入経路の具体的な構成は、内燃機関から排出される排気を第1空間へと導くことが可能である限り、特に限定されない。具体的には、第2導入経路は、例えば鋼管等の管状部材(パイプ)によって構成されていてもよく、又はプレス成型された複数の部材を重ね合わせる製法(所謂「モナカ製法」)によって構成されていてもよい。或いは、第1装置を構成する他の構成部材の外壁又は内壁に取り付けられた板状及び/又は樋状の部材によって第2導入経路が構成されていてもよい。
還元剤添加部は、第1導入経路の内部に還元剤を添加するように構成されている。還元剤添加部の具体的な構成は、導入経路の内部に還元剤を添加することが可能である限り、特に限定されない。具体的には、還元剤添加部は、例えば液状の還元剤を導入経路の内部に噴射する噴射装置を備えることができる。典型的には、第1物質は窒素酸化物であり、還元剤は尿素を含み(例えば、尿素水等)、還元触媒は選択触媒還元脱硝装置(SCR:Selective Catalytic Reduction)である。
また、第1導入経路の第1空間への開口部である第1開口部と第2導入経路の第1空間への開口部である第2開口部とは第1チャンバの同じ側に形成されている。但し、例えば第1装置が適用される内燃機関が搭載される装置若しくは設備(例えば、車両等)の構成及び/又は第1装置の構成等によっては、第1導入経路の第1空間への開口部である第1開口部と第2導入経路の第1空間への開口部である第2開口部とが第1チャンバの異なる側に形成されていてもよい場合がある。
第1装置は、分散部材を更に備える。分散部材は、少なくとも第2開口部を取り囲むように立設された筒状の部材である側壁と当該側壁の第2開口部とは反対側の端部を塞ぐように設けられた部材である底壁とによって構成される部材である。即ち、分散部材は、所謂「有底筒状」の形状を有する部材である。
分散部材の側壁は、第1装置を構成する他の構成部材とは別個の部材として形成された部材であってもよい。この場合、分散部材の側壁は、例えば、少なくとも第2開口部を取り囲むように、例えば溶接等の手段により、第1空間を画定する第1チャンバの隔壁の内面に立設される。或いは、分散部材の側壁は、第1装置を構成する他の構成部材と一体的に形成された部材であってもよい。この場合、分散部材の側壁は、例えば、第2導入経路を画定する部材の第1チャンバの内部(第1空間)へと突出した端部として形成された部材であってもよい。
分散部材の底壁は、第1装置を構成する他の構成部材とは別個の部材として形成された部材であってもよい。この場合、分散部材の底壁は、例えば、分散部材の側壁の第2開口部とは反対側の開口部を塞ぐように、例えば溶接等の手段によって、分散部材の側壁の第2開口部とは反対側の端部に取り付けることができる。或いは、分散部材の底壁は、第1装置を構成する他の構成部材と一体的に形成された部材であってもよい。この場合、分散部材の底壁は、例えば、第1空間を画定する第1チャンバの隔壁の一部であってもよい。換言すれば、分散部材の側壁の第2開口部とは反対側の端部が第1空間を画定する第1チャンバの隔壁に当接することによって塞がれていてもよい。
分散部材の側壁には分散部材の内側と外側とを連通する複数の孔である連通孔が形成されている。これにより、第2導入経路から分散部材の連通孔及び第1チャンバの第1空間を経由して第1導入経路へと排気を導くことができる。連通孔の形状及び大きさは、後述する要件A及び要件Bを満足する限り、特に限定されない。連通孔は、例えば、分散部材の側壁の周方向に沿った帯状の形状を有していてもよい。この場合、個々の連通孔の開口面積は、帯状の形状の長さ(側壁の周方向における寸法)及び幅(側壁の軸方向における寸法)によって定まる。或いは、連通孔は、例えば、分散部材の側壁が無い部分として形成されていてもよい。この場合、個々の連通孔の開口面積は、側壁が無い部分の長さ(側壁の周方向における寸法)によって定まる。複数の連通孔の形状及び/又は大きさは、全て同じであってもよく、全て異なっていてもよく、或いは同じ形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔と異なる形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔とが混在していてもよい。
更に、第1装置においては、以下に列挙する要件A及び要件Bを満足するように連通孔が構成されている。
(A)分散部材の側壁の軸を含み且つ第1開口部の中心を通る平面である基準平面の一方側に位置する連通孔の開口面積の合計値と基準平面の他方側に位置する連通孔の開口面積の合計値とが等しい。尚、ここで言う「基準平面の一方側と他方側との間において連通孔の開口面積の合計値が等しい」とは、必ずしもこれらの合計値が完全に一致する場合に限定されることを意味するものではない。例えば、基準平面の一方側に位置する連通孔の開口面積の合計値及び基準平面の他方側に位置する連通孔の開口面積の合計値の両方が、これら両方の合計値の平均値の90%以上であり且つ110%以下である範囲に入っていれば、これら両方の合計値が等しいとみなしてもよい。
上記により、基準平面の一方側に位置する連通孔から第1開口部へと流れる排気の総流量と基準平面の他方側に位置する連通孔から第1開口部へと流れる排気の総流量とが概ね等しくなる。その結果、基準平面の一方側と他方側との間における排気の流量の偏りを低減することができる。従って、前述した従来装置におけるように排気の旋回流を効果的に発生させることが却って困難となり噴射された尿素水と排気とを十分に混合させることが困難となる可能性を低減することができる。
(B)複数の連通孔の開口面積の分布が基準平面に対して非対称である。これにより、複数の連通孔の開口面積の分布が基準平面に対して対称である場合に比べて、基準平面の一方側と他方側との間において各々の連通孔から第1開口部までの排気の行程(道のり)に差が生ずる。その結果、第1開口部に流れ込む排気において旋回流が発生し易くなる。
以上のように、第1装置においては、上述した要件A及び要件Bを満足するように連通孔が構成されるので、従来装置に比べて、第1開口部に流れ込む排気に旋回流をより確実に発生させることができる。従って、第1装置によれば、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において、還元剤と排気との混合を十分に促進することができる。
図1は、第1装置の構成の一例を示す模式図である。第1装置における排気の流れは白抜きの矢印によって示されている。更に、図2は、図1において破線によって囲まれている第1導入経路20、第1チャンバ30、第2導入経路40及び還元剤添加部50からなる部分の模式的な斜視図である。
第1装置101は、第1浄化部10と、第1導入経路20と、第1チャンバ30と、第2導入経路40と、還元剤添加部50と、を備える排気浄化装置である。第1浄化部10は、図示しない内燃機関から排出される排気に含まれる特定の物質である第1物質を還元剤によって還元することにより排気を浄化する還元触媒11を含む。第1導入経路20は、排気が流れる経路である排気流路における第1浄化部10の上流側に隣接して配設され第1浄化部10へと排気を導くように構成されている。第1チャンバ30は、排気流路における第1導入経路20の上流側に隣接して配設され且つ第1導入経路20と連通する内部空間である第1空間を画定する。第2導入経路40は、排気流路における第1チャンバ30の上流側に隣接して配設され且つ第1空間へと排気を導くように構成されている。
図3は、図2に示した部分から第1チャンバ30の頂壁32及び還元剤添加部50を取り除いた状態を示す模式的な斜視図である。図2及び図3に示すように、第1チャンバ30は、排気流路における上流側に隣接して配設された第2導入経路40及び下流側に隣接して配設された第1導入経路20と連通する内部空間である第1空間31を画定する容積体である。図3に示すように、第1導入経路20の第1空間31への開口部である第1開口部21と第2導入経路40の第1空間31への開口部である第2開口部41とは第1チャンバ30の同じ側の隔壁に形成されている。
還元剤添加部50は、第1空間31を画定する第1チャンバ30の頂壁32の第1開口部21に対向する位置に設けられ、第1導入経路20の内部に還元剤を添加するように構成されている。尚、第1装置101に関する以下の説明においては、理解を容易にすることを目的として、第1物質が窒素酸化物(NOx)であり、還元剤が尿素水であり、還元触媒が選択触媒還元脱硝装置(SCR)である場合について述べる。
還元剤添加部50は、第1導入経路20の内部に還元剤としての尿素水を添加するように構成されている。典型的には、上述したように還元剤添加部50が備える噴射装置(図示せず)によって尿素水が第1導入経路20の内部に噴射され、尿素の熱分解によって還元剤であるNH3が生成される。
そして、第1浄化部10に到達するまでの間に排気の熱によって尿素が熱分解されてNH3が生成され、第1浄化部10に含まれる還元触媒としてのSCRにおけるNOxからN2への還元反応における還元剤として消費される。従って、SCRによってNOxを効果的に除去するためには、還元剤と排気とを十分に混合することが望ましい。
そこで、第1装置101は、分散部材60を更に備える。分散部材60は、少なくとも第2開口部41を取り囲むように立設された筒状の部材である側壁61と側壁61の第2開口部41とは反対側の端部を塞ぐように設けられた部材である底壁62とによって構成される部材である。図2及び図3に例示する分散部材60においては、第2導入経路40を画定する部材の第1空間31内に突出した端部として側壁61が形成され、側壁61の第2開口部41とは反対側の端部が第1空間31を画定する第1チャンバ30の頂壁32によって塞がれている。即ち、第1チャンバ30の頂壁32の一部が底壁62として機能している。
側壁61には分散部材60の内側と外側とを連通する複数の孔である連通孔が形成されている。これにより、第2導入経路40から分散部材60の連通孔及び第1チャンバ30の内部空間(第1空間31)を経由して第1導入経路20へと排気を導くことができる。但し、側壁61に形成される連通孔については後に詳しく説明するので、図3においては連通孔が描かれずに省略されている。
更に、第1装置101においては、以下に列挙する要件A及び要件Bを満足するように連通孔が構成されている。尚、以下の説明において言及される「分散部材の側壁の軸」、「第1開口部の中心」及び「基準平面」については、図4を参照されたい。図4は、図3に示した部分を太い実線によって示す方向から観察した状態を示す模式図である。但し、図4においても、図3と同様に、側壁61に形成される連通孔は描かれずに省略されている。
(A)分散部材60の側壁61の軸AX(側壁61の中心C2を通り図4の紙面に垂直な直線)を含み且つ第1開口部21の中心C1を通る平面である基準平面Psの一方側に位置する連通孔の開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に位置する連通孔の開口面積の合計値とが等しい。
(B)複数の連通孔の開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称である。
上述した要件A及び要件Bを満足するように構成された連通孔の1つの具体例を図5に示す。尚、図5は、側壁61の欠損部分の大きさ(対応する円弧の長さ)によって個々の連通孔の開口面積が表現されている点を除き、図4と同様の模式図である。但し、前述したように、連通孔の形状及び大きさは、上述した要件A及び要件Bを満足する限り、特に限定されない。
先ず、図5に例示する分散部材60の側壁61においては、相対的に小さい開口面積を有する3つの連通孔63Sが基準平面Psの一方側(図5の紙面に向かって左側)に形成され、相対的に大きい開口面積を有する1つの連通孔63Lが基準平面Psの他方側(図5の紙面に向かって右側)に形成されている。基準平面Psの一方側に形成された3つの連通孔63Sの開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に形成された1つの連通孔63Lの開口面積とが等しい(3×63S=1×63L)。即ち、図5に例示する側壁61に形成された連通孔63S及び63Lは、上述した要件Aを満足している。
上記構成により、基準平面Psの一方側に位置する3つの連通孔63Sから第1開口部21へと流れる排気の総流量と基準平面Psの他方側に位置する1つの連通孔63Lから第1開口部21へと流れる排気の総流量とが概ね等しくなる。その結果、基準平面Psの一方側と他方側との間における排気の流量の偏りを低減することができる。従って、前述した従来装置におけるように排気の旋回流を効果的に発生させることが却って困難となり噴射された尿素水と排気とを十分に混合させることが困難となる可能性を低減することができる。
更に、基準平面Psの一方側に位置する3つの連通孔63Sの配置と1つの基準平面Psの他方側に位置する1つの連通孔63Lの配置とは、基準平面Psに対して非対称である。その結果、これらの連通孔63S及び63Lに対応する開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図5に例示する側壁61に形成された連通孔は、上述した要件Bを満足している。
上記構成により、複数の連通孔の開口面積の分布が基準平面Psに対して対称である場合に比べて、基準平面Psの一方側と他方側との間において各々の連通孔から第1開口部21までの排気の行程(道のり)に差が生ずる。その結果、第1開口部21に流れ込む排気において旋回流が発生し易くなる。
ところで、図5に例示した分散部材60の側壁61においては、相対的に小さい開口面積を有する3つの連通孔63Sが基準平面Psの一方側に形成され、相対的に大きい開口面積を有する1つの連通孔63Lが基準平面Psの他方側に形成されている。しかしながら、前述したように、複数の連通孔の形状及び/又は大きさは、全て同じであってもよく、全て異なっていてもよく、或いは同じ形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔と異なる形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔とが混在していてもよい。
図6は、第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成のもう1つの具体例を示す模式図である。図6に例示する分散部材60の側壁61においては、同じ開口面積を有する2つの連通孔63Lが、基準平面Psの一方側(図6の紙面に向かって左側)及び他方側(図6の紙面に向かって右側)にそれぞれ形成されている。即ち、図6に例示する分散部材60の側壁61に形成されている4つの連通孔の全てが同じ開口面積を有している。従って、基準平面Psの一方側に形成された連通孔の開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に形成された連通孔の開口面積の合計値とが等しい。更に、基準平面Psの一方側に位置する2つの連通孔63Lの配置と基準平面Psの他方側に位置する2つの連通孔63Lの配置とは基準平面Psに対して非対称である。その結果、これら4つの連通孔によって達成される開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図6に例示する側壁61に形成された連通孔もまた、上述した要件A及び要件Bを満足している。
上記構成により、図6に例示する分散部材60の側壁61に形成されている4つの連通孔の全てが同じ開口面積を有している場合においても、基準平面Psの一方側と他方側との間において各々の連通孔から第1開口部21までの排気の行程(道のり)に差を生じさせることができる。その結果、第1開口部21に流れ込む排気において旋回流が発生し易くなる。
以上のように、図5及び図6に例示したような連通孔が形成された分散部材を備える第1装置101においては、上述した要件A及び要件Bを満足するように連通孔が構成されるので、従来装置に比べて、第1開口部に流れ込む排気に旋回流をより確実に発生させることができる。従って、第1装置101によれば、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において、還元剤と排気との混合を十分に促進することができる。
〈変形例1−1〉
ところで、本発明者によって得られた知見によれば、基準平面の一方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔と基準平面の他方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔とを側壁の軸を中心として対称な位置に配設することにより、第1開口部21に流れ込む排気において旋回流が発生し易くなる。
そこで、変形例1−1に係る第1装置においては、分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、基準平面の一方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔と、基準平面の他方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔とが、側壁の軸を対称中心とする点対称となる位置に形成されている。
図7は、変形例1−1に係る第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。図7に例示する分散部材60の側壁61においては、相対的に大きい開口面積を有する1つの連通孔63L及び相対的に小さい開口面積を有する2つの連通孔63Sが基準平面Psの一方側(図7の紙面に向かって左側)に形成されている。一方、基準平面Psの他方側(図7の紙面に向かって右側)には、相対的に大きい開口面積を有する1つの連通孔63L及び中間的な大きさの開口面積を有する1つの連通孔63Mが形成されている。
2つの連通孔63Sの開口面積の合計値と1つの連通孔63Mの開口面積とは等しい(2×63S=1×63M)。従って、基準平面Psの一方側に形成された1つの連通孔63L及び2つの連通孔63Sの開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に形成された1つの連通孔63L及び1つの連通孔63Mの開口面積の合計値とが等しい。更に、基準平面Psの一方側に位置する1つの連通孔63L及び2つの連通孔63Sの配置と基準平面Psの他方側に位置する1つの連通孔63L及び1つの連通孔63Mの配置とは基準平面Psに対して非対称である。その結果、これらの連通孔63L、63M及び63Sによって達成される開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図7に例示する側壁61に形成された連通孔もまた、上述した要件A及び要件Bを満足している。
上記に加えて、図7に例示する側壁61においては、基準平面Psの一方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔である連通孔63Lと基準平面Psの他方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔である連通孔63Lとが側壁61の軸AXを中心として対称な位置に配設されている。即ち、図7に例示する側壁61においては、分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、基準平面の一方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔と、基準平面の他方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔とが、側壁の軸を対称中心とする点対称となる位置に形成されている。
上記構成によれば、基準平面の一方側及び他方側にそれぞれ形成された2つの大きい連通孔が互いに離れた位置に配設される。このため、例えば、2つの大きい連通孔のうちの一方が第1開口部に近い位置に配設されても、他方は第1開口部から遠い位置に配設される。従って、前述した従来装置において生ずるような排気の流れにおける著しい偏りが生じ難い。また、これらの連通孔から第1開口部までの排気の行程(道のり)に大きい差が生ずる。その結果、上述したように、第1開口部に流れ込む排気において旋回流が更に発生し易くなる。
〈変形例1−2〉
変形例1−2に係る第1装置においては、上述したように、分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、基準平面の一方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔と、基準平面の他方側に位置する連通孔のうち最大の開口面積を有する連通孔とが、側壁の軸を対称中心とする点対称となる位置に形成されている。しかしながら、第1装置において、最大の開口面積を有する連通孔のみならず、全ての連通孔が側壁の軸を中心として対称な位置に配設されていてもよい。
そこで、変形例1−2に係る第1装置は、分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、全ての連通孔の開口面積の分布が分散部材の側壁の軸を対称中心とする点対称であるように構成されている。
図8は、変形例1−2に係る第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。図8に例示する分散部材60の側壁61においては、同じ開口面積を有する2つの連通孔63Lが、基準平面Psの一方側(図8の紙面に向かって左側)及び他方側(図8の紙面に向かって右側)にそれぞれ形成されている。従って、基準平面Psの一方側に形成された連通孔の開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に形成された連通孔の開口面積の合計値とが等しい。更に、基準平面Psの一方側に位置する2つの連通孔63Lの配置と基準平面Psの他方側に位置する2つの連通孔63Lの配置とは基準平面Psに対して非対称である。その結果、これら4つの連通孔によって達成される開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図8に例示する側壁61に形成された連通孔もまた、上述した要件A及び要件Bを満足している。
上記に加えて、図8に例示する側壁61においては、側壁61に形成された4つの連通孔63Lが、側壁61の軸AXを中心として、隣接する連通孔63Lとそれぞれ90°離れた位置に均等に配設されている。即ち、図8に例示する側壁61は、分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、全ての連通孔の開口面積の分布が分散部材の側壁の軸を対称中心とする点対称であるように構成されている。
上記構成によれば、例えば、分散部材の側壁に形成された複数の連通孔のうちの何れかが第1開口部に近い位置に配設されても、他の連通孔は側壁の軸を挟んで上記連通孔に対向する位置及びその他の位置に配設される。従って、前述した従来装置において生ずるような排気の流れにおける著しい偏りが生じ難い。また、これらの連通孔から第1開口部までの排気の行程(道のり)に大きい差が生ずる。その結果、第1開口部に流れ込む排気において旋回流が更に発生し易くなる。
尚、図8に例示した変形例1−2に係る第1装置においては、上記のように全ての連通孔が同じ開口面積を有する。しかしながら、変形例1−2に係る第1装置においては、必ずしも全ての連通孔が同じ開口面積を有する必要は無く、例えば、後述する変形例1−3に係る第1装置におけるように、基準平面の一方側及び/又は他方側に形成された複数の連通孔が異なる開口面積を有していてもよく、或いは同じ形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔と異なる形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔とが混在していてもよい。
〈変形例1−3〉
上述したように、複数の連通孔の形状及び/又は大きさは、全て同じであってもよく、全て異なっていてもよく、或いは同じ形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔と異なる形状及び/又は大きさを有する複数の連通孔とが混在していてもよい。
また、本発明者によって得られた知見によれば、基準平面の一方側又は他方側に形成された複数の連通孔の開口面積が異なる場合、それぞれの連通孔から第1空間へと流出する排気の流量に差が生ずるため旋回流が更に発生し易くなる。
そこで、変形例1−3に係る第1装置は、基準平面の一方側及び他方側の何れか一方又は両方において、異なる開口面積を有する複数の連通孔が形成されている、排気浄化装置である。
図9は、変形例1−3に係る第1装置が備える分散部材の側壁に形成された連通孔の構成の1つの具体例を示す模式図である。図9に例示する分散部材60の側壁61においては、相対的に大きい開口面積を有する1つの連通孔63L、中間的な大きさの開口面積を有する1つの連通孔63M及び相対的に小さい開口面積を有する1つの連通孔63Sが、基準平面Psの一方側(図9の紙面に向かって左側)及び他方側(図9の紙面に向かって右側)にそれぞれ形成されている。従って、基準平面Psの一方側に形成された連通孔の開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に形成された連通孔の開口面積の合計値とが等しい。
また、基準平面Psの一方側に位置する3つの連通孔63L、63M及び63Sの配置と基準平面Psの他方側に位置する3つの連通孔63L、63M及び63Sの配置とは基準平面Psに対して非対称である。その結果、これらの連通孔によって達成される開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図8に例示する側壁61に形成された連通孔もまた、上述した要件A及び要件Bを満足している。
上記に加えて、図9に例示する側壁61においては、基準平面Psの一方側及び他方側にそれぞれ形成された3つの連通孔の開口面積が全て異なっている。即ち、図9に例示する側壁61においては、基準平面の一方側及び他方側の両方において、異なる開口面積を有する複数の連通孔が形成されている。
上記構成によれば、上述したように、基準平面の一方側又は他方側に形成された複数の連通孔の開口面積が異なるので、それぞれの連通孔から第1空間へと流出する排気の流量に差が生ずるため、旋回流が更に発生し易くなる。
尚、図9に例示した側壁61は、上記のように分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、全ての連通孔の開口面積の分布が分散部材の側壁の軸を対称中心とする点対称であるように構成されている。即ち、図9に例示する変形例1−3に係る第1装置は、上述した変形例1−2に係る第1装置の技術的特徴をも備えている。しかしながら、このような技術的特徴は変形例1−3に係る第1装置の必須の構成要件ではなく、分散部材の側壁の軸を対称中心とする点対称な位置に連通孔が形成されていなくてもよい。
《第2実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施形態に係る排気浄化装置(以降、「第2装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
以上説明してきたように、第1装置においては、上述した要件A及び要件Bを満足するように分散部材の側壁に複数の連通孔が配置されている。これにより、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において、第1開口部に流れ込む排気において旋回流を容易且つ確実に発生させて、還元剤と排気との混合を十分に促進することができる。
ところで、本発明者によって得られた知見によれば、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さは、分散部材の側壁に形成される複数の連通孔の配置のみならず、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成によっても影響を受ける。
そこで、第2装置は、上述した第1装置であって、基準平面に直交する平面による第1領域の断面積の平均値が基準平面の一方側と基準平面の他方側とで異なるように構成されている排気浄化装置である。第1領域とは、第1平面と第2平面とによって挟まれ且つ分散部材の側壁及び第1開口部よりも外側に位置する第1空間の部分領域である。第1平面とは、第1開口部の中心を通り且つ基準平面に直交する平面である。第2平面とは、分散部材の側壁の軸を含み且つ基準平面に直交する平面である。
図10は、第2装置が備える第1チャンバの構成の1つの具体例を示す模式図である。図10においては、連通孔に付されるべき符号は省略されている。図10に例示する第1チャンバ30においては、基準平面Psの他方側(図10の紙面に向かって右側)の側壁の第1平面L1と第2平面L2との間の領域に第1チャンバ30の内側に向かって隆起している凸状の部分が形成されている(白抜きの矢印を参照)。一方、基準平面Psの一方側(図10の紙面に向かって左側)の側壁には上記のような凸状の部分は形成されていない。
上記の結果、図10に例示する第1チャンバ30においては、基準平面Psの一方側(斜線が施されている側)と基準平面Psの他方側(斜線が施されていない側)との間において、第1空間31における第2開口部41から第1開口部21へと至る排気の流路の構成に差異が生じている。具体的には、図10に例示する第1チャンバ30においては、第1領域(第1平面L1と第2平面L2とによって挟まれ且つ分散部材60の側壁61及び第1開口部21よりも外側に位置する第1空間31の部分領域)の基準平面Psに直交する平面による断面積の平均値が基準平面Psの一方側と他方側とで異なる。
上記構成により、基準平面Psの一方側と他方側との間において、側壁61に形成された連通孔から第1空間31へと流れ出た排気が第1開口部21に到達するまでの排気の流れ方(例えば、流量、流速及び圧力等)にも差異が生ずる。上述したように、第1開口部21に流れ込む排気における旋回流の発生し易さは当該差異によっても影響を受ける。
尚、第1開口部21に流れ込む排気における旋回流の発生が上記差異によって促進又は抑制される程度は、第1空間31における第2開口部41から第1開口部21へと至る排気の流路の構成と分散部材60の側壁61に形成される複数の連通孔の構成との組み合わせによって様々に変化する。第1空間31における第2開口部41から第1開口部21へと至る排気の流路の構成と分散部材60の側壁61に形成される複数の連通孔の構成との好適な組み合わせは、例えば、これらの構成の種々の組み合わせについての実証実験及び/又はシミュレーション等の結果に基づいて、適宜選択することができる。
以上のように、図10に例示したような構成を有する第1チャンバを備える第2装置においては、基準平面に直交する平面による第1領域の断面積の平均値が基準平面の一方側と基準平面の他方側とで異なる。第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さは、分散部材の側壁に形成される複数の連通孔の配置のみならず、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成によっても影響を受ける。従って、第2装置によれば、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成と分散部材の側壁に形成される複数の連通孔の構成との組み合わせにより、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さを適宜調整することができる。
尚、第2装置に関する上記説明においては、上記のように、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成の基準平面の一方側と他方側との間における差異を表す指標として、基準平面に直交する平面による第1領域の断面積の平均値を採用した。しかしながら、当該平均値に代えて或いは当該平均値に加えて、基準平面に直交する平面による第1領域の断面積の最大値及び/又は最小値を上記指標として採用してもよい。
また、第2装置に関する上記説明においては、第1チャンバの側壁に第1チャンバの内側(第1空間側)に向かって隆起している凸状の部分を形成することにより、基準平面の一方側と他方側との間における排気の流路の構成の差異を生じさせた。しかしながら、このような構成の差異を生じさせる手段は、基準平面に直交する平面による第1領域の断面積の平均値、最大値及び/又は最小値を基準平面の一方側と他方側とで異なるものとすることが可能である限り、特に限定されない。
例えば、上記のような凸状の部分を第1チャンバの底壁及び/又は頂壁に形成してもよく、第1チャンバの底壁及び/又は頂壁に形成された凸状の部分と第1チャンバの側壁に形成された凸状の部分とを組み合わせてもよい。また、例えば板状の部材等を第1空間に設けて、第1空間に流れる排気の流れを部分的に妨げてもよい。
〈変形例2−1〉
更には、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成の基準平面の一方側と他方側との間における差異を表す指標として、上記以外の指標を採用してもよい。
例えば、変形例2−1に係る第2装置は、上述した第1装置であって、第3平面による第1空間の断面積が基準平面の一方側と基準平面の他方側とで異なるように構成されている排気浄化装置である。第3平面とは、第1開口部側において分散部材の側壁の外周面に接し且つ基準平面に直交する平面である。
図11は、変形例2−1に係る第2装置が備える第1チャンバの構成の1つの具体例を示す模式図である。図11においても、図10と同様に、連通孔に付されるべき符号は省略されている。また、図11に例示する第1チャンバ30は、図10に例示した第2装置が備える第1チャンバ30と同様の構成を有する。しかしながら、変形例2−1に係る第2装置においては、第1チャンバ30の内部空間である第1空間31における第2開口部41から第1開口部21へと至る排気の流路の構成の基準平面Psの一方側と他方側との間における差異を表す指標として、第3平面L3による第1空間31の断面積が採用される。上述したように、第3平面L3とは、第1開口部21側において分散部材60の側壁61の外周面に接し且つ基準平面Psに直交する平面である。
図11に例示する第1チャンバ30における第3平面L3による第1空間31の断面において、基準平面Psの一方側(図11の紙面に向かって左上側)の部分の断面積S1の方が基準平面Psの他方側(図11の紙面に向かって右下側)の部分の断面積S2よりも大きい(S1>S2)。従って第1空間31において第2開口部41から第1開口部21へと至る排気の流れもまた、基準平面Psの一方側と他方側とで異なる。その結果、基準平面Psの一方側と他方側との間における複数の連通孔の配置に起因する排気の流れの差異と上記断面積の違いに起因する排気の流れの差異とが相まって、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さが変化する。
上記のように、第3平面L3による第1空間31の断面積を指標として採用する場合においても、上述した第2装置と同様に、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成と分散部材の側壁に形成される複数の連通孔の構成との組み合わせにより、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さを適宜調整することができる。
《第3実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第3実施形態に係る排気浄化装置(以降、「第3装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
以上説明してきたように、第1装置においては、上述した要件A及び要件Bを満足するように分散部材の側壁に複数の連通孔が配置されている。これにより、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において、第1開口部に流れ込む排気において旋回流を容易且つ確実に発生させて、還元剤と排気との混合を十分に促進することができる。
また、第2装置においては、上記に加えて、第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成を基準平面の一方側と他方側とで異なるように構成することにより、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さを適宜調整することができる。
更に、分散部材の側壁に形成された連通孔から第1空間へと流れ出る排気の流れを特定の方向へ導く部材を設けることによっても、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生し易さを適宜調整することができる。
そこで、第3装置は、上述した第1装置及び第2装置を始めとする種々の実施形態の何れかに係る本発明装置であって、偏向部材を更に備える排気浄化装置である。偏向部材とは、分散部材の側壁に形成された複数の連通孔のうち少なくとも一部の連通孔から第1空間へと流れ出る排気の流れを特定の方向に導くように構成された部材である。
偏向部材の具体的な構成は、複数の連通孔のうち少なくとも一部の連通孔から第1空間へと流れ出る排気の流れを特定の方向に導くことが可能である限り、特に限定されない。このような偏向部材の具体例としては、例えば連通孔の周縁に設けられたルーバ及び連通孔の近傍に設けられた邪魔板等を挙げることができる。
図12は、第3装置が備える偏向部材の構成の1つの具体例を示す模式図である。図12に例示する第3装置は、図8に例示した変形例1−2に係る第1装置と同様の構成を有する連通孔を備えると共に、偏向部材を更に備える排気浄化装置である。図12に示す例においては、4つの連通孔63の各々について、分散部材60の側壁61の軸AXを中心とする反時計回り方向側の周縁部にルーバ状の偏向部材64が設けられている。側壁61と偏向部材64との接続箇所(連通孔の周縁部)における側壁61の接線と偏向部材64との間の角度は鋭角である。従って、個々の連通孔63から第1空間31へと流れ出る排気は、側壁61の周囲の第1空間31において時計回り方向側へと導かれる。
以上のように、第3装置が備える第1チャンバは偏向部材を更に備える。これにより、第3装置においては、複数の連通孔のうち少なくとも一部の連通孔から第1空間へと流れ出る排気の流れを特定の方向に導くことができる。個々の連通孔から第1空間へと流れ出る排気の流れが導かれる方向等は、偏向部材の構成(例えば、形状、大きさ、数及び配置等)によって適宜調整することができる。
尚、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生が上記のような偏向部材によって促進又は抑制される程度は、偏向部材の構成と複数の連通孔の構成との組み合わせによって様々に変化する。また、上述した第2装置に該当する第3装置においては、第1開口部に流れ込む排気における旋回流の発生が偏向部材によって促進又は抑制される程度は、偏向部材の構成と複数の連通孔の構成と第1空間における第2開口部から第1開口部へと至る排気の流路の構成との組み合わせによって様々に変化する。これらの構成との好適な組み合わせは、例えば、これらの構成の種々の組み合わせについての実証実験及び/又はシミュレーション等の結果に基づいて、適宜選択することができる。
《第4実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第4実施形態に係る排気浄化装置(以降、「第4装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、本発明装置が備える第1浄化部は、還元触媒以外の排気浄化ユニット(例えば、アンモニアスリップ触媒(ASC)等)を更に含んでいてもよい。更に、本発明装置は、第1浄化部以外の浄化部を更に備えていてもよい。
そこで、第4装置は、上述した第1装置乃至第3装置を始めとする種々の実施形態の何れかに係る本発明装置であって、排気流路における第2導入経路の上流側に配設され排気を浄化する排気浄化ユニットを含む第2浄化部を更に備える排気浄化装置である。
第2浄化部は、第4装置が適用される内燃機関から排出される排気に含まれる物質の種類に応じて当該技術分野において使用される多種多様な排気浄化ユニットの中から選ばれる排気浄化ユニットを含むことができる。このような排気浄化ユニットの具体例としては、例えば、ディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)及びDPF等を挙げることができる。
尚、各浄化ユニットの排気浄化機能に適合している限り、第4装置が備える第2浄化部に含まれる排気浄化ユニットは如何なる順序に配置されてもよい。例えば、ディーゼルエンジンに第4装置が適用される場合、第2導入経路の上流側に配設される第2浄化部にはDOC及びDPFを設け、第1導入経路の下流側に配設される第1浄化部にはSCR及びASCを設けてもよい。更に、例えば第2浄化部における圧力損失の低減等を目的として、複数の排気浄化ユニットを排気の流れにおいて並列に配設してもよい。
図13は、第4装置の構成の1つの具体例を示す模式図である。図4に例示する第4装置104は、図1に例示した第1装置101に対応し、第2導入経路40の上流側に第2浄化部70を更に備える点において第1装置101と異なっている。
上記のように、第4装置によれば、第4装置が適用される内燃機関から排出される排気に含まれる物質の種類に応じて、当該技術分野において使用される多種多様な排気浄化ユニットの中から選ばれる排気浄化ユニットを第2浄化部に含むことにより、排気浄化装置としての機能をより高めることができる。
《第5実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第5実施形態に係る排気浄化装置(以降、「第5装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
ところで、当業者に周知であるように触媒の活性は触媒の温度に大きく依存する。内燃機関から排出される排気の浄化に用いられる還元触媒を始めとする種々の排気浄化触媒においても、排気浄化性能を十分に発揮させるためには、それぞれの触媒の温度を触媒活性温度以上に維持することが重要である。また、例えば上述した尿素の熱分解によるNH3の生成等、対象となる物質の還元に還元剤を有効に使用する観点からは、触媒への排気の導入経路の温度もまた所定の温度以上に維持することが望ましい。
本発明装置が備える第1浄化部、第1導入経路、第1チャンバ及び第2導入経路(並びに本発明装置が第2浄化部を備える場合は第2浄化部)は内部に流れる排気によって加熱されるので、当該浄化部に含まれる排気浄化ユニットを構成する触媒及び導入経路もまた排気によって加熱される。しかしながら、本発明装置から周囲環境への放熱の程度によっては、このような排気による加熱のみによっては本発明装置を構成する触媒及び導入経路の温度を十分に高い温度に維持することが困難な場合がある。
そこで、第5装置は、上述した第1装置乃至第4装置を始めとする種々の実施形態の何れかに係る本発明装置であって、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路を内部に支持・収容すると共に排気の入口及び出口を有するケーシングを更に備える排気浄化装置である。第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路をケーシングの内部に支持するための構成は特に限定されず、例えばステー等の支持部材を介して第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路をケーシングの内壁に固定してもよい。或いは、ケーシングの内部が仕切板によって複数の領域に区切られている場合は、第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路を仕切板によってケーシングの内壁に固定してもよい。また、第5装置が第2浄化部を備える場合は、ケーシングの内部に第2浄化部が支持・収容されていてもよく、或いはケーシングの外部に第2浄化部が配置されていてもよい。
更に、第5装置は、内燃機関から排出される排気がケーシングの入口を介して第2導入経路へと導かれ、第1浄化部から排出される排気がケーシングの出口を介してケーシングから排出されるように構成されている。第5装置が第2浄化部を備え且つケーシングの内部に第2浄化部が支持・収容されている場合、内燃機関から排出される排気は、ケーシングの入口を介して第2浄化部へと導かれ、第2浄化部から排出される排気が第2導入経路、第1チャンバ及び第1導入経路を経由して第1浄化部へと導かれ、第1浄化部から排出される排気がケーシングの出口を介してケーシングから排出されるように構成される。
図14は、第5装置の構成の1つの具体例を示す模式図である。図14に示す第5装置105は、図13に示した第4装置104に対応し、第1浄化部10、第1導入経路20、第1チャンバ30、第2導入経路40及び第2浄化部70を内部に支持・収容すると共に排気の入口81及び出口82を有するケーシング80を更に備える点において第4装置104と異なっている。第5装置105は、図示しない内燃機関から排出される排気が入口81を介して第2浄化部70へと導かれ、第2浄化部70から排出される排気が第2導入経路40、第1チャンバ30及び第1導入経路20を経由して第1浄化部10へと導かれ、第1浄化部10から排出される排気が出口82を介してケーシング80から排出されるように構成されている。
また、上述したように、第5装置が第2浄化部を備える場合であっても、ケーシングの外部に第2浄化部が配置されていてもよい。図15に示す第5装置105aは、図14に示した第5装置105に対応し、第1浄化部10、第1導入経路20、第1チャンバ30及び第2導入経路40はケーシング80の内部に支持・収容されている一方、第2浄化部70はケーシング80の外部に配置されている点において第5装置105と異なっている。更に、第1チャンバ30もまた、ケーシング80の内部及び外部の何れに配置されていてもよい。図16に示す第5装置105bは、図14に示した第5装置105に対応し、第1浄化部10、第1導入経路20、第2導入経路40及び第2浄化部70はケーシング80の内部に支持・収容されている一方、第1チャンバ30(及び還元剤添加部50)はケーシング80の外部に配置されている点において第5装置105と異なっている。
上記のように、第5装置においては、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路がケーシングの内部に支持・収容されている。従って、このようなケーシングを備えない本発明装置に比べて、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路については周囲環境への放熱が低減される。その結果、第1浄化部に含まれる還元触媒等の排気浄化ユニット及び導入経路の温度を十分に高い温度に維持することがより容易となり、排気浄化ユニットの排気浄化性能を高め、対象となる物質の還元に還元剤をより有効に使用することができる。また、第5装置が第2浄化部を備え且つケーシングの内部に第2浄化部が支持・収容されている場合は、第2浄化部についても同様の効果が達成される。
尚、図14乃至図16に示した第5装置105、105a及び105bはあくまでも例示を目的とするものであり、上述した第1装置乃至第4装置を始めとする種々の実施形態の何れかに係る本発明装置に上述したケーシングを更に設けることによって様々な第5装置を構成することができる。
〈変形例5−1〉
上述した第5装置においては、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路がケーシングの内部に支持・収容されているので、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路については周囲環境への放熱が低減され、排気からの受熱を有効に活用することができる。しかしながら、排気からの受熱をより有効に活用する観点からは、ケーシングを介する周囲環境への放熱を更に低減することが望ましい。
そこで、変形例5−1に係る第5装置は、上述した第5装置であって、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に断熱材が充填されている排気浄化装置である。
断熱材は、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間における熱伝導を妨げ且つ第5装置の使用環境及び使用条件(例えば、温度及び振動等)に耐え得るものである限り、特に限定されない。断熱材の具体例としては例えばグラスウール等を挙げることができる。また、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の全ての領域に断熱材が充填されていてもよい。或いは、例えば第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路をケーシングの内部に支持するための部材との干渉回避等を目的として、当該空間の一部に断熱材が充填されていない領域が存在してもよい。
また、変形例5−1に係る第5装置が第2浄化部を備え且つケーシングの内部に第2浄化部が支持・収容されている場合は、少なくとも第1浄化部、第1導入経路、第2導入経路及び第2浄化部とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に断熱材が充填されていることが望ましい。当然のことながら、ケーシングを介する周囲環境への放熱を低減する観点からは、ケーシングの内部に収容される全ての構成部材とケーシングとの間の空間の全ての領域に断熱材が充填されていることが望ましい。従って、変形例5−1に係る第5装置においてケーシングの内部に第1チャンバが支持・収容されている場合は、第1チャンバとケーシングとの間の空間の少なくとも一部にも断熱材が充填されていることが望ましい。
図17は、変形例5−1に係る第5装置の構成の1つの具体例を示す模式図である。図17に示す第5装置105cは、図14に示した第5装置105に対応し、第1浄化部10、第1導入経路20、第1チャンバ30、第2導入経路40及び第2浄化部70とケーシング80との間の空間に断熱材83が充填されている点において第5装置105と異なっている。
上記のように、変形例5−1に係る第5装置においては、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に断熱材が充填されている。従って、当該空間に断熱材が充填されていない第5装置に比べて、ケーシングによる保温効果がより高く、ケーシングを介する周囲環境への放熱が更に低減される。その結果、第1浄化部に含まれる還元触媒等の排気浄化ユニット及び導入経路の温度を十分に高い温度に維持することが更に容易となり、より確実に、排気浄化ユニットの排気浄化性能を高め、対象となる物質の還元に還元剤をより有効に使用することができる。また、変形例5−1に係る第5装置が第2浄化部を備え且つケーシングの内部に第2浄化部が支持・収容され且つ第2浄化部とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に断熱材が充填されている場合は、第2浄化部についても同様の効果が達成される。
〈変形例5−2〉
上述した第5装置及び変形例5−1に係る第5装置においては、それぞれケーシング及びケーシングと断熱材との組み合わせにより、周囲環境への放熱が低減され、これらの排気浄化装置が備える排気浄化ユニット及び導入経路が保温される。しかしながら、排気浄化ユニット及び導入経路の温度をより高い温度に維持する観点からは、これらの排気浄化装置から排出される排気の熱(排熱)を利用することが望ましい。
そこで、変形例5−2に係る第5装置は、上述した第5装置又は変形例5−1に係る第5装置であって、第1浄化部から排出される排気が第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に流れた後にケーシングの出口を介してケーシングから排出されるように構成されている排気浄化装置である。
また、変形例5−2に係る第5装置が第2浄化部を備え且つケーシングの内部に第2浄化部が支持・収容されている場合は、少なくとも第1浄化部、第1導入経路、第2導入経路及び第2浄化部とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に第1浄化部から排出される排気が流れることが望ましい。当然のことながら、ケーシングを介する周囲環境への放熱を低減する観点からは、ケーシングの内部に収容される全ての構成部材とケーシングとの間の空間の全ての領域に断熱材が充填されていることが望ましい。従って、変形例5−1に係る第5装置においてケーシングの内部に第1チャンバが支持・収容されている場合は、第1チャンバとケーシングとの間の空間の少なくとも一部にも第1浄化部から排出される排気が流れることが望ましい。
また、上述した変形例5−1に係る第5装置におけるように、少なくとも第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に断熱材が充填されている場合は、少なくとも第1浄化部、第1導入経路、第2浄化部及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の断熱材が充填されていない領域の少なくとも一部に第1浄化部から排出される排気が流れるようにしてもよい。
図18は、変形例5−2に係る第5装置の構成の1つの具体例を示す模式図である。図18に示す第5装置105dは、図14に示した第5装置105に対応し、第1浄化部10から排出される排気が、第1浄化部10、第1導入経路20、第1チャンバ30、第2導入経路40及び第2浄化部70とケーシング80との間の空間に排出され、当該排気が当該空間に流れた後に、出口82から排出されるように構成されている点において第5装置105と異なっている。
尚、第1浄化部10、第1導入経路20、第1チャンバ30、第2導入経路40及び第2浄化部70とケーシング80との間の空間における圧力損失が過度に高まらない限りにおいて、ラビリンス構造を当該空間に設けることにより、第1浄化部10から排出される排気が特定の領域に偏ること無く当該空間の全体に亘って均等に流れるようにしてもよい。或いは、ケーシングの内部が仕切板によって複数の領域に区切られている場合は、仕切板に貫通孔を形成して、これら複数の領域に排気が流れることができるようにしてもよい。
上記のように、変形例5−2に係る第5装置は、少なくとも第1浄化部から排出される排気が第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間の少なくとも一部に流れた後にケーシングの出口を介してケーシングから排出されるように構成されている。第1浄化部から排出される排気は、内燃機関から排出された排気が変形例5−2に係る第5装置に導入されて、少なくとも第2導入経路、第1導入経路及び第1浄化部を通過した後に、第1浄化部から排出される。従って、第1浄化部から排出される排気の温度は、内燃機関から排出されて変形例5−2に係る第5装置に流入する排気の温度よりも低い。しかしながら、第1浄化部から排出される排気の温度は、変形例5−2に係る第5装置の周囲環境(例えば、大気等)の温度よりも高い。従って、第1浄化部から排出される排気を少なくとも第1浄化部から排出される排気が第1浄化部、第1導入経路及び第2導入経路とケーシングとの間の空間に流すことにより、当該空間に当該排気が流されない第5装置に比べて、ケーシングによる保温効果をより高めて、ケーシングを介する周囲環境への放熱を更に低減することができる。
《第6実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第6実施形態に係る排気浄化装置(以降、「第6装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
ところで、上述した第1装置乃至第5装置を始めとする種々の実施形態の何れかに係る本発明装置が備える排気浄化ユニットのタイプによっては、当該排気浄化ユニットを本発明装置から取り外して、例えば清掃及び/又は交換等のメンテナンス処理を行う必要が生ずる場合がある。従って、このようなタイプの排気浄化ユニットを本発明装置が備える場合は、本発明装置が適用される内燃機関が搭載される装置又は設備に本発明装置が稼働可能に装着された状態のまま、当該排気浄化ユニットを脱着することが可能であることが望ましい。
しかしながら、現実には、本発明装置が適用される内燃機関が搭載される装置又は設備に本発明装置が稼働可能に装着された状態のままで排気浄化ユニットを脱着することは困難である場合が多く、特に上述したようにケーシングを備える本発明装置においては尚更である。
そこで、第6装置は、上述した第1装置乃至第5装置を始めとする種々の実施形態の何れかに係る本発明装置であって、少なくとも1つの排気浄化ユニットが脱着ユニットとして構成されている排気浄化装置である。脱着ユニットとは、本発明装置が使用される他の装置又は設備に本発明装置が装着された状態のまま本発明装置から脱着することが可能に構成されている排気浄化ユニットである。
上記のような脱着ユニットとして構成される排気浄化ユニットは特に限定されないが、本発明装置のメンテナンスに要する労力及びコスト等を抑える観点からは、本発明装置から取り外してメンテナンス処理を行う必要が生ずる頻度が比較的高い排気浄化ユニットを脱着ユニットとして構成することが望ましい。このような排気浄化ユニットの典型例としては、例えばディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を挙げることができる。DPFのタイプによっては、排気浄化装置からDPFを取り外して内部に溜まった煤を取り除く必要がある場合がある。従って、このようなタイプのDPFを本発明装置が備える場合は、本発明装置が使用される他の装置又は設備に本発明装置が装着された状態のままでDPFを脱着することが可能であることが望ましい。
脱着ユニットの具体的な構成は、本発明装置が使用される他の装置又は設備(例えば、本発明装置が適用される内燃機関が搭載される車両等)に本発明装置が装着された状態のままで排気浄化ユニットを本発明装置から脱着することが可能である限り、特に限定されない。
図19は、上記のような構成を有する第6装置が備える第1チャンバ及び第2浄化部の近傍の部分の構成の1つの具体例を示す模式的な斜視図である。図19に例示する第6装置は、排気流路における第2導入経路40の上流側に配設され排気を浄化する排気浄化ユニットを含む第2浄化部70を備える。図19に例示する構成においては、第2浄化部70を保持するための保持ケース71と第2導入経路40とが一体的に形成されており、保持ケース71の内部に第2浄化部70に含まれる排気浄化ユニットであるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)72が収容されている。また、第1チャンバ30の頂壁32の第2浄化部70に対向する領域にはカバー33が設けられている。カバー33は、図示しない分散部材の底壁62を兼ねている。
図20は、図19に示した第6装置が備える第1チャンバ及び第2浄化部の近傍の部分の分散部材の軸を通る平面による模式的な断面図である。図20に示すように、DPF72を収容しているDPFケース73が保持ケース71としての第2導入経路40の内部に摺動可能に挿入されている。保持ケース71(第2導入経路40)の下流側の端部は第1チャンバ30の頂壁32から外部へ突出しており、その周縁部にはフランジ42が形成されている。また、DPFケース73の下流側の端部にもフランジ74が形成されている。第2浄化部70を構成する排気浄化ユニットであるDPF72を内部に収容しているDPFケース73を保持ケース71に挿入し、カバー33とDPFケース73のフランジ74と保持ケース71のフランジ42とをボルトとナットとを螺合させて共締めとする。これにより、DPF72を含む第2浄化部70を第6装置に強固且つ気密に組み込むことができる。一方、第6装置からDPF72を取り外して清掃する場合は、上記と逆の手順にて、第6装置からDPF72を取り出すことができる。
上記のようにして、図20に例示した第6装置においては、第2浄化部70に含まれる排気浄化ユニットであるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)72が脱着ユニットとして構成されている。即ち、第6装置によれば、本発明装置が適用される内燃機関が搭載される装置又は設備に本発明装置が稼働可能に装着された状態のまま、当該排気浄化ユニットを容易に脱着することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施例に係る排気浄化装置(以降、「第1実施例装置」と称呼される場合がある。)について説明する。第1実施例装置は、排気流路における上流側から下流側に向かって、第2浄化部、第2導入経路、第1チャンバ、第1導入経路及び第1浄化部を備え、排気の流れを反転させる反転室として機能する第2チャンバが第1導入経路の途中に介装されている。また、第1実施例装置は第2浄化部、第2導入経路、第1導入経路及び第1浄化部を内部に支持・収容すると共に排気の入口及び出口を有するケーシングを更に備え、第1チャンバ及び第2チャンバはケーシングの外部に設けられている。
図21は、第1実施例装置の構成の一例を示す模式的な側面図である。図21に例示する第1実施例装置201においては、図示しない内燃機関から排出される排気がケーシング80の入口81を介してケーシング80の内部に支持・収容されている第2浄化部、第2導入経路、第1導入経路及び第1浄化部へと導かれ、第1浄化部から排出される排気が出口82を介してケーシング80から排出される。
尚、上記のように第2浄化部、第2導入経路、第1導入経路及び第1浄化部はケーシング80の内部に支持・収容されているので、第2浄化部、第2導入経路、第1導入経路及び第1浄化部は図21には描かれていない。また、図21においては、ケーシング80の外部に設けられた第1チャンバ30の内部に設けられている分散部材60等の構成を図示することを目的として、第1チャンバ30よりも図21の紙面に向かって手前に位置する第2チャンバ及び第1チャンバ30の図21の紙面に向かって手前側の隔壁が省略されている。
図22は、図21に示した太い実線によって示す方向から第1実施例装置201を観察した状態を示す模式図である。但し、図22においては、第1チャンバ30及び第2チャンバ90の内部の構成を図示することを目的として、第1チャンバ30及び第2チャンバ90の頂壁(図22の紙面に向かって手前側の隔壁)が省略されている。また、図22においては、前述した図4と同様に、側壁61に形成された連通孔は描かれずに省略されている。
図21及び図22を参照すれば理解されるように、図示しない内燃機関から排出される排気は、ケーシング80の入口81を介して、第2浄化部70へと導かれ、図示しない第2導入経路へと排出される。第2導入経路は第1チャンバ30の内部に開口する第2開口部41へと連通しており、上記排気は第2開口部41から分散部材60の側壁61に形成された(図示しない)複数の連通孔を介して第1空間31へと流れ込む。そして、上記排気は、第1チャンバ30の内部に開口する第1開口部21を介して図示しない第1導入経路へと排出される。
第1導入経路は第1開口部21の下流側(図21の紙面に向かって右側、図22の紙面に向かって奥側)において逆方向に向かってU字状に屈曲しており、第2チャンバ90の内部に開口する第3開口部91へと連通しており、上記排気は第3開口部22から第2チャンバ90の内部において再びその流れを反転する。そして、第2チャンバ90の内部に開口するもう1つの開口部である第4開口部92へと流れ込み、第4開口部92の下流側(図21の紙面に向かって右側、図22の紙面に向かって奥側)に配設された第1浄化部10へと導かれ、排気に含まれる特定の物質である第1物質が還元剤によって還元されることにより排気が浄化される。尚、第1実施例装置201もまた、図1及び図2を参照しながら説明した第1装置と同様に、第1導入経路の内部に還元剤(尿素水)を添加(噴射)するように構成された還元剤添加部(図示せず)を備える。そして、第1浄化部10に排気が到達する迄の行程において、排気との混合及び排気からの受熱による還元剤の熱分解が生ずる。更に、第1浄化部10から排出される排気は、ケーシング80の出口82を介してケーシング80から排出される。
次に、図23は、第1実施例装置201が備える第1チャンバ30の構成を示す模式図である。図23に例示する分散部材60の側壁61においては、相対的に大きい開口面積を有する4つの連通孔63L及び相対的に小さい開口面積を有する2つの連通孔63Sの全てが、側壁61の軸AXに直交する平面への垂直投影図において軸AXを対称中心とする点対称であるように構成されている。その結果、基準平面Psの一方側の開口面積の合計値と基準平面Psの他方側の開口面積とが等しく、これらの開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図23に例示する側壁61に形成された連通孔もまた、前述した要件A及び要件Bを満足している。
上記に加え、図23に例示する第1チャンバ30においては、図10を参照しながら説明した第2装置が備える第1チャンバ30と同様に、基準平面Psの他方側(図23の紙面に向かって右側)の側壁の第1平面L1と第2平面L2との間の領域に第1チャンバ30の内側に向かって隆起している凸状の部分が形成されている(白抜きの矢印を参照)。一方、基準平面Psの一方側(図10の紙面に向かって左側)の側壁には上記のような凸状の部分は形成されていない。その結果、図23に例示する第1チャンバ30においては、第1領域(第1平面L1と第2平面L2とによって挟まれ且つ分散部材60の側壁61及び第1開口部21よりも外側に位置する第1空間31の部分領域)の基準平面Psに直交する平面による断面積の平均値が基準平面Psの一方側と他方側とで異なる。
以上のように、第1実施例装置201においては、要件Aを満足することにより、基準平面の一方側と他方側との間における排気の流量の過度な偏りを低減することができる。更に、要件Bを満足することにより、基準平面の一方側と他方側との間において各々の連通孔から第1開口部までの排気の行程(道のり)に差が生ずる。加えて、第1チャンバの側壁の基準平面の他方側の所定の領域に凸状の部分が形成されていることから、分散部材の側壁に形成された連通孔から第1空間へと流れ出た排気が第1開口部に到達するまでの排気の流れ方(例えば、流量、流速及び圧力等)もまた、基準平面の一方側と他方側とで異なる。
以上のような構成を有する第1実施例装置201が備える第1チャンバ30の第1空間31における排気の流れにつきコンピュータによるシミュレーションを行った結果を図23における太い破線によって描かれた複数の矢印によって模式的に示す。図23に示されているように、第1実施例装置201によれば、前述した従来装置において生ずるような排気の流れにおける著しい偏りを低減しつつ、第1開口部に流れ込む排気において旋回流を容易且つ確実に発生させることができる。その結果、第1実施例装置201によれば、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において還元剤と排気との混合を促進することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施例に係る排気浄化装置(以降、「第2実施例装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
図24は、第2実施例装置の構成の一例を示す模式的な側面図である。図24に例示する第2実施例装置202においては、図20に例示した第6装置のように、図示しないディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を収容しているDPFケースが保持ケースとしての第2導入経路の内部に摺動可能に挿入されている。そして、図示しない保持ケース(第2導入経路)の下流側の端部は第1チャンバ30の頂壁から外部へ突出しており、その周縁部にはフランジ42が形成されている。また、DPFケースの下流側の端部にもフランジ74が形成されている。図示しない第2浄化部を構成する排気浄化ユニットであるDPFを内部に収容しているDPFケースを保持ケースに挿入し、カバー33とDPFケースのフランジ74と保持ケースのフランジ42とをボルトとナットとを螺合させて共締めとする。これにより、DPFを含む第2浄化部が第2実施例装置202に強固且つ気密に組み込まれている。一方、第2実施例装置202からDPFを取り外して例えば清掃等のメンテナンスを行う場合は、上記と逆の手順にて、第2実施例装置202からDPFを取り出すことができる。上記のように、第2実施例装置202は、当該装置が使用される他の装置又は設備に当該装置が装着された状態のまま当該装置から脱着することが可能に構成されている排気浄化ユニットである脱着ユニットとしてDPFが構成されている点において、上述した第1実施例装置201と異なる。
図25は、図24に示した太い実線によって示す方向から第2実施例装置202を観察した状態を示す模式図である。但し、前述した図22と同様に、図25においては、第1チャンバ30及び第2チャンバ90の内部の構成を図示することを目的として、上述したカバー33、DPFケースのフランジ74、保持ケースのフランジ42、並びに第1チャンバ30及び第2チャンバ90の頂壁(図25の紙面に向かって手前側の隔壁)が省略されている。また、図25においては、前述した図4及び図22と同様に、側壁61に形成された連通孔は描かれずに省略されている。
次に、図26は、第2実施例装置202が備える第1チャンバ30の構成を示す模式図である。図26に例示する分散部材60の側壁61においては、図8に例示した変形例1−2に係る第1装置と同様に、同じ開口面積を有する2つの連通孔63Lが、基準平面Psの一方側(図26の紙面に向かって左側)及び他方側(図26の紙面に向かって右側)にそれぞれ形成されている。従って、基準平面Psの一方側に形成された連通孔の開口面積の合計値と基準平面Psの他方側に形成された連通孔の開口面積の合計値とが等しい。更に、基準平面Psの一方側に位置する2つの連通孔63Lの配置と基準平面Psの他方側に位置する2つの連通孔63Lの配置とは基準平面Psに対して非対称である。その結果、これら4つの連通孔によって達成される開口面積の分布が基準平面Psに対して非対称となっている。即ち、図26に例示する側壁61に形成された連通孔もまた、前述した要件A及び要件Bを満足している。
上記に加えて、図26に例示する側壁61においては、側壁61に形成された4つの連通孔63Lが、側壁61の軸AXを中心として、隣接する連通孔63Lとそれぞれ90°離れた位置に均等に配設されている。即ち、図26に例示する側壁61は、分散部材の側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、全ての連通孔の開口面積の分布が分散部材の側壁の軸を対称中心とする点対称であるように構成されている。
上記のように、第2実施例装置202においては、脱着ユニットとしてDPFが構成されており、且つ同じ開口面積を有する4つの連通孔が分散部材の側壁に点対称に形成されている。これらの点を除き、第2実施例装置202は、上述した第1実施例装置201と同様の構成を有する。
以上のように、第2実施例装置202においては、要件Aを満足することにより、基準平面の一方側と他方側との間における排気の流量の過度な偏りを低減することができる。また、要件Bを満足することにより、基準平面の一方側と他方側との間において各々の連通孔から第1開口部までの排気の行程(道のり)に差が生ずる。更に、同じ開口面積を有する4つの連通孔が分散部材の側壁に点対称に形成されている。加えて、第1チャンバの側壁の基準平面の他方側の所定の領域に凸状の部分が形成されていることから、分散部材の側壁に形成された連通孔から第1空間へと流れ出た排気が第1開口部に到達するまでの排気の流れ方(例えば、流量、流速及び圧力等)もまた、基準平面の一方側と他方側とで異なる。
以上のような構成を有する第2実施例装置202が備える第1チャンバ30の第1空間31における排気の流れにつきコンピュータによるシミュレーションを行った結果を図26における太い破線によって描かれた複数の矢印によって模式的に示す。図26に示されているように、第2実施例装置202によっても、前述した従来装置において生ずるような排気の流れにおける著しい偏りを低減しつつ、第1開口部に流れ込む排気において旋回流を容易且つ確実に発生させることができる。その結果、第2実施例装置202によれば、排気に含まれる特定の物質を還元剤によって還元する還元触媒を含む排気浄化装置において還元剤と排気との混合を促進することができる。
また、第2実施例装置202においては、脱着ユニットとしてDPFが構成されているので、第2実施例装置202が適用される内燃機関が搭載される装置又は設備に第2実施例装置202が稼働可能に装着された状態のまま、DPFを脱着することが可能である。従って、第2実施例装置202によれば、例えばDPFの清掃及び/又は交換等のメンテナンス処理をより容易に行うことができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及びそれらの変形例並びに実施例及びそれらの変形例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及びそれらの変形例並びに実施例及びそれらの変形例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
10…第1浄化部、11…還元触媒(SCR)、20…第1導入経路、21…第1開口部、30…第1チャンバ、31…第1空間、32…頂壁、33…カバー、40…第2導入経路、41…第2開口部、42…保持ケース(第2導入経路)のフランジ、50…還元剤添加部(噴射装置)、60…分散部材、61…側壁、62…底壁、63,63L,63M,63S…連通孔、64…偏向部材、70…第2浄化部、71…保持ケース、72…ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、73…DPFケース、74…DPFケースのフランジ、80…ケーシング、81…入口、82…出口、83…断熱材、90…第2チャンバ、91…第3開口部、92…第4開口部、101,104,105,105a,105b,105c,105d,201,202…排気浄化装置、AX…分散部材の側壁の軸、C1…第1開口部の中心、C2…第2開口部の中心、L1…第1平面、L2…第2平面、並びにPs…基準平面、

Claims (15)

  1. 内燃機関から排出される排気に含まれる特定の物質である第1物質を還元剤によって還元することにより前記排気を浄化する排気浄化ユニットとして還元触媒を含む第1浄化部と、
    前記排気が流れる経路である排気流路における前記第1浄化部の上流側に隣接して配設され且つ前記第1浄化部へと前記排気を導くように構成された第1導入経路と、
    前記排気流路における前記第1導入経路の上流側に隣接して配設され且つ前記第1導入経路と連通する内部空間である第1空間を画定する第1チャンバと、
    前記排気流路における前記第1チャンバの上流側に隣接して配設され且つ前記第1空間へと前記排気を導くように構成された第2導入経路と、
    前記第1導入経路の内部に前記還元剤を添加するように構成された還元剤添加部と、
    を備え、
    前記第1導入経路の前記第1空間への開口部である第1開口部と前記第2導入経路の前記第1空間への開口部である第2開口部とは前記第1チャンバの同じ側に形成されており、
    少なくとも前記第2開口部を取り囲むように立設された筒状の部材である側壁と当該側壁の前記第2開口部とは反対側の端部を塞ぐように設けられた部材である底壁とによって構成される部材である分散部材を更に備え、
    前記分散部材の内側と外側とを連通する複数の孔である連通孔が前記分散部材の前記側壁に形成されており、
    前記第2導入経路から前記分散部材の前記連通孔及び前記第1チャンバの前記第1空間を経由して前記第1導入経路へと前記排気を導くように構成されている、
    排気浄化装置であって、
    前記分散部材の前記側壁の軸を含み且つ前記第1開口部の中心を通る平面である基準平面の一方側に位置する前記連通孔の開口面積の合計値と前記基準平面の他方側に位置する前記連通孔の開口面積の合計値とが等しく、
    複数の前記連通孔の開口面積の分布が前記基準平面に対して非対称である、
    ように構成されている、排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載された排気浄化装置であって、
    前記分散部材の前記側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、前記基準平面の一方側に位置する前記連通孔のうち最大の開口面積を有する前記連通孔と、前記基準平面の他方側に位置する前記連通孔のうち最大の開口面積を有する前記連通孔とが、前記側壁の軸を対称中心とする点対称となる位置に形成されている、
    排気浄化装置。
  3. 請求項2に記載された排気浄化装置であって、
    前記分散部材の前記側壁の軸に直交する平面への垂直投影図において、全ての前記連通孔の開口面積の分布が前記分散部材の前記側壁の軸を対称中心とする点対称である、
    ように構成されている、排気浄化装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    前記基準平面の一方側及び他方側の何れか一方又は両方において、異なる開口面積を有する複数の前記連通孔が形成されている、
    排気浄化装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    前記第1開口部の中心を通り且つ前記基準平面に直交する平面である第1平面と前記分散部材の前記側壁の軸を含み且つ前記基準平面に直交する平面である第2平面とによって挟まれ且つ前記分散部材の前記側壁及び前記第1開口部よりも外側に位置する前記第1空間の部分領域である第1領域の前記基準平面に直交する平面による断面積の平均値、最大値及び/又は最小値が、前記基準平面の一方側と前記基準平面の他方側とで異なる、
    ように構成されている、排気浄化装置。
  6. 請求項5に記載された排気浄化装置であって、
    前記第1開口部側において前記分散部材の前記側壁の外周面に接し且つ前記基準平面に直交する平面である第3平面による前記第1空間の断面積が、前記基準平面の一方側と前記基準平面の他方側とで異なる、
    ように構成されている、排気浄化装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載された排気浄化装置であって、
    前記基準平面の一方側及び他方側の何れか一方又は両方において前記第1チャンバの側壁から内側に向かって隆起している凸状の部分が形成されている、
    排気浄化装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    複数の前記連通孔のうち少なくとも一部の連通孔から前記第1空間へと流れ出る前記排気の流れを特定の方向に導くように構成された部材である偏向部材を更に備える、
    排気浄化装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    前記排気流路における前記第2導入経路の上流側に配設され前記排気を浄化する排気浄化ユニットを含む第2浄化部を更に備える、
    排気浄化装置。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    少なくとも前記第1浄化部、前記第1導入経路及び前記第2導入経路を内部に支持・収容すると共に前記排気の入口及び出口を有するケーシングを更に備え、
    前記内燃機関から排出される前記排気が前記入口を介して前記第2導入経路へと導かれ、前記第1浄化部から排出される前記排気が前記出口を介して前記ケーシングから排出されるように構成されている、
    排気浄化装置。
  11. 請求項10に記載された排気浄化装置であって、
    少なくとも前記第1浄化部、前記第1導入経路、前記第1チャンバ及び前記第2導入経路と前記ケーシングとの間の空間の少なくとも一部に断熱材が充填されている、
    排気浄化装置。
  12. 請求項10又は請求項11に記載された排気浄化装置であって、
    前記第1浄化部から排出される前記排気が前記第1浄化部、前記第1導入経路、前記第1チャンバ及び前記第2導入経路と前記ケーシングとの間の空間の少なくとも一部に流れた後に前記出口を介して前記ケーシングから排出されるように構成されている、
    排気浄化装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    少なくとも1つの前記排気浄化ユニットが、前記排気浄化装置が使用される他の装置又は設備に前記排気浄化装置が装着された状態のまま前記排気浄化装置から脱着することが可能な前記排気浄化ユニットである脱着ユニットとして構成されている、
    排気浄化装置。
  14. 請求項13に記載された排気浄化装置であって、
    前記排気流路における前記第2導入経路の上流側に配設され前記排気を浄化する排気浄化ユニットを含む第2浄化部を更に備え、
    前記脱着ユニットは、前記第2浄化部に含まれる前記排気浄化ユニットであるディーゼルパティキュレートフィルタである、
    排気浄化装置。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載された排気浄化装置であって、
    前記第1物質は窒素酸化物であり、
    前記還元剤は尿素を含み、
    前記還元触媒は選択触媒還元脱硝装置である、
    排気浄化装置。
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WO2022264437A1 (ja) * 2021-06-17 2022-12-22 東京濾器株式会社 排気浄化装置

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