JPH0521742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ハブ回り止め用のハブロツク板を
組み込んでなるテープカートリツジに係り、その
ハブロツク板に解除不良の防止対策を講じたもの
である。

〔従来の技術〕 従来、この種のハブロツク板を内蔵したテープ
カートリツジとして、例えば第３図ないし第５図
に示すものが知られている。そこでは、デイジタ
ル記録再生方式のオーデイオ用テープカートリツ
ジを示しており、これの本体ケース１はプラスチ
ツク製の上下ケース１ａ，１ｂを突き合わせてな
り、この内部にテープ２が巻かれる左右一対のハ
ブ３，３が回転自在に配置されている。

本体ケース１の前面側に左右にテープ引出口
４，４が、テープ引出口４，４間にテープローデ
イング用のポケツト５がそれぞれ形成されてい
る。テープ２は一方のハブ３からこれの前方のテ
ープ引出口４を経てポケツト５に導出され、他方
のテープ引出口４を介してこれの後方に位置する
他方のハブ３に巻き取られる。

本体ケース１の前面側にはテープ保護用の前蓋
６がポケツト５およびテープ引出口４の開口前面
を閉じる姿勢（不使用時）と、上向きの開き姿勢
（使用時）とにわたつて軸７まわりに回転自在に
枢着されている。

本体ケース１の内部には不使用時に左右の各ハ
ブ３の回り止めを講じるハブロツク板８が、ハブ
３の上端軸の周面に接当係合する後方ロツク位置
と、ハブ３の前記周面から外れる前方アンロツク
位置とにわたつて前後方向に移動自在に配置さ
れ、常にばね部材９でロツク位置方向へ移動付勢
されており、レコーダに装填するとレコーダ側の
操作部材で前蓋６が上開き回動し、これに連動し
てハブロツク板８が前方のアンロツク位置にまで
牽引移動される。

このハブロツク板８はこれ全体がプラスチツク
成形品からなつており、ハブ３に係脱自在なロツ
ク爪１０，１０を有する左右方向に長い帯形状の
主板８ａと、主板８ａの左右端から下方へ略直角
に連設された側板８ｂ，８ｂとを有する。左右の
側板８ｂ，８ｂの各下端から腕部８ｃを前方へ延
出し、この腕部８ｃの先端に受動突起１１を外向
きに突設してある。該受動突起１１は前蓋６の左
右の各側片６ｂの軸７より後端に突設した係合爪
１２に対し係脱自在であり、第５図に示すように
前蓋６の閉じ姿勢では係合爪１２が受動突起１１
から外れており、前蓋６が開くに伴い係合爪１２
が受動突起１１に接当係合してハブロツク板８を
前述のように前方のアンロツク位置の方向へ牽引
移動するものとなつている。

なお、前記係合爪１２に代えて、前蓋６の側片
６ｂの軸７より後方の端縁６ｃ（第５図参照）を
ハブロツク板８の受動突起１１に係合させる場合
もある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記テープカートリツジでは、本体ケース１の
内面から左右のガイド壁１４，１４をハブロツク
板８の左右の側板８ｂ，８ｂの各内面側にそれぞ
れ位置するよう設けて、ハブロツク板８がガイド
壁１４，１４の案内の下で前後方向に真直ぐに移
動できるようにしてなる。このさい、ハブロツク
板８の側板８ｂとガイド壁１４との間には所定の
クリアランスｇを設定する。かかるクリアランス
ｇの設定は、組み付け性を確保することもさるこ
とながら、ハブロツク板８の主板８ａと側板８ｂ
は直角に交わる形に形成されているため、その成
形時に樹脂の流れが悪く、とかく側板８ｂが第４
図の仮想線Ｃで示すように内方へ反り変形を起こ
しやすく、その変形量にばらつきが大きく、この
ばらつきから逃げるためである。

しかし、ハブロツク板８の側板８ｂとガイド壁
１４間に前述のクリアランスｇがあると、前蓋６
の係合爪１２が受動突起１１に接当係合すると
き、第３図の仮想線Ｂで示すように腕部８ｃが内
方へ撓み、受動突起１１が係合爪１２から逃げて
しまいやすく、ためにハブロツク板８をハブ３か
ら解除できなくなるという不具合が生じていた。

この考案は、このようなハブロツク板を内蔵し
たテープカートリツジにおいて、従来例の不具合
を解消し、ハブロツク板の解除動作の安定性，確
実性を図ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、プラスチツク製のハブロツク板８
において、前記腕部８ｃの受動突起１１が突設さ
れる外面とは反対側の内面に、ガイド壁１４に摺
動自在に接当する突起１３を設けたことを特徴と
する。

〔作用〕

上記構成によれば、前蓋６の一部がハブロツク
板８の受動突起１１に接当係合するとき、受動突
起１１が係合爪１２から逃げるような変移は、ガ
イド壁１４に接当している突部１３の突つ張り作
用によつて規制される。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、ハブロツク板８
の腕部８ｃの内面にガイド壁１４に摺動自在に接
当する突部１３を設けることにより、受動突起１
１が係合爪１２から逃げて外れることがないよう
にした。したがつて、前蓋６の開きに伴うハブロ
ツク板８の解除動作は安定かつ確実に行え、また
突部１３はガイド壁１４との摺動抵抗を少なくす
るため、ハブロツク板８の円滑な前後移動を確保
できることにもなる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図および第２図に基づ
き説明する。

テープカートリツジの全体的構成については前
述した従来のものと略同様であるので、同一符号
を付してその説明を省略し、従来のプラスチツク
製のハブロツク板８と相違する点についてのみ説
明する。

ハブロツク板８は左右方向に長い帯形状の主板
８ａと、主板８ａの左右端から下方へ略直角に連
設した側板８ｂ，８ｂとを有し、各側板８ｂの下
端から前方へ腕部８ｃを延設し、この腕部８ｃの
先端に外向きの受動突起１１を設けてある。この
点は従来のハブロツク板８と同様であるが、本考
案では腕部８ｃの先端の内面側に突部１３を設け
た点が従来例と異なる。

その突部１３は、腕部８ｃの内面からの突出量
を腕部８ｃとガイド壁１４間のクリアランスｇと
略同一寸法に設定し、ガイド壁１４に対し常に接
当する配置関係に設定してなる。また、突部１３
の断面形状はガイド壁１４との摺動抵抗を少なく
するために点接触または線状接触する形のものが
好ましい。

しかるときは、前蓋６が開くに伴いその係合爪
１２またはその他の一部が受動突起１１に接当係
合するときも、受動突起１１がガイド壁１４の方
へ逃げるような不具合がなくなるため、ハブロツ
ク板８の解除動作は安定よく確実に行える。

なお、上記ガイド壁１４は上ケース１ａの内面
から突設したが、これに代えて下ケース１ｂの内
面から突設するものであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示し
ており、第１図は一部切欠き状態で示す下方から
見た内部平面図、第２図はハブロツク板の正面図
である。第３図ないし第５図は従来例のテープカ
ートリツジを示しており、第３図は一部切欠き状
態で示す下方から見た内部平面図、第４図はハブ
ロツク板の正面図、第５図は第３図におけるＡ−
Ａ線断面図である。 １……本体ケース、２……テープ、３……ハ
ブ、６……前蓋、８……ハブロツク板、８ａ……
主板、８ｂ……側板、８ｃ……腕部、１０……ロ
ツク爪、１１……受動突起、１３……突部、１４
……ガイド壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体ケース１の前面側にテープ保護用の前蓋６
   が開閉自在に備えられ、本体ケース１の内部にテ
   ープ２が巻かれるハブ３およびハブ回り止め用の
   プラスチツク製のハブロツク板８が配置され、 ハブロツク板８は、ハブ３に係脱自在なロツク
   爪１０を有する主板８ａと、主板８ａの左右端か
   ら下方へ連設した側板８ｂ，８ｂと、各側板８ｂ
   から前方へ延設した腕部８ｃと、各腕部８ｃの先
   端に外向きに突設した受動突起１１とを有してな
   り、 受動突起１１が前蓋６の開閉回動に伴い前蓋６
   の一部に対し係脱自在であり、その係合によりハ
   ブロツク板８がロツク位置からアンロツク位置に
   まで牽引移動されるようにしてなり、 本体ケース１の内面に、前記腕部８ｃを前後方
   向に摺動案内するガイド壁１４が腕部８ｃの内面
   側に位置するように設けられてなり、 腕部８ｃの内面側に、前記ガイド壁１４に摺動
   自在に接当する突部１３が設けられてなることを
   特徴とするテープカートリツジ。