JPH05214498A - アルミニウム箔の焼鈍方法 - Google Patents

アルミニウム箔の焼鈍方法

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JPH05214498A
JPH05214498A JP4591992A JP4591992A JPH05214498A JP H05214498 A JPH05214498 A JP H05214498A JP 4591992 A JP4591992 A JP 4591992A JP 4591992 A JP4591992 A JP 4591992A JP H05214498 A JPH05214498 A JP H05214498A
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JP
Japan
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foil
aluminum foil
annealing
treatment
rolling oil
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JP4591992A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Nishizawa
和由 西沢
Katsumi Tanaka
克美 田中
Akio Fukuda
明夫 福田
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延油の完全な除去と、箔の幅方向及び長さ
方向の表面特性の均一性が高く、強度の高いアルミニウ
ム箔の生産性の高い焼鈍方法。 【構成】 コイル状に巻いたアルミニウム箔を焼鈍する
に際し、あらかじめ水との接触角を30〜80°まで予
備脱脂し、これをコイル状にて200〜350℃、30
〜60時間焼鈍処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム箔の焼なま
し方法、特に硬アルミニウム箔の焼なまし工程において
箔の幅方向及び長さ方向においてその水濡れ性、酸化膜
等の表面特性の均一性が高く、生産性が高いアルミニウ
ム箔の焼なまし方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム箔は極めて薄いこと、加工
性が優れていること、金属であることの故に有用であ
り、それは安価に大量に供給され、包装材、電気材料、
工業用材料、日用品、装飾品等に広く利用されている
が、その大半は焼なまし品が使用されている。本発明は
この焼なまし箔の製造法に関する。
【0003】アルミニウム箔の焼なましの目的は、箔自
体の軟質化のほかに箔を製造する際に使用した圧延油の
除去も目的としており、通常は箔の軟質化のためより後
者の目的のために焼なましの温度、時間等が定められて
いるのが実状である。
【0004】焼なまし処理においては、アルミニウム箔
の焼なましと同時に圧延油の除去が行われるが、圧延油
の除去が不十分であるとそれ以後行われるプラスチック
フィルム等との貼りあわせ、印刷、着色、化学処理等の
工程においてトラブルの原因ともなり易いので、圧延油
の除去を完全に行うべく焼なまし条件が選ばれる。
【0005】圧延油の除去について処理温度や時間に影
響を与える因子として圧延油の種類が問題となるほか、
製品の幅や巻径、巻硬さ等が大きく影響を与える。特に
アルミニウム箔は最近ますます広幅、長尺製品の要求が
多くなってきているが、これは圧延油のコイルからの逸
失に抵抗を大きくする方向であり、圧延油の除去を完全
とするためには熱処理に高温、長時間を必要とすること
になる。
【0006】コイル状に巻かれたアルミニウム箔コイル
中の箔表面から圧延油の完全な除去は、アルミニウム箔
を高温、長時間熱処理することによりかなりの程度まで
達成できるがなお不十分であり、熱処理が高温、長時間
になればなるほど製品コイルの焼鈍ダレや箔同士のくっ
つき(stick)が起き易くなる。この場合、圧延油
の逸失抵抗を少なくするため巻き硬さをゆるくすること
も考えられるが、コイルの型くずれを起こし易くなるた
め限度がある。
【0007】このようにコイル状のままでの焼鈍によっ
て圧延油の完全除去とコイル幅方向及び長さ方向の表面
特性の均一性(酸化膜厚、水濡れ性)を確保するために
は、300℃程度の低温で長時間の加熱(例えば50〜
100時間)処理することが必要と言われている(Al
uminium Foil Production.1
975,Vol.20,pp185〜207)が、幅方
向に均一な製品は得にくい。特に広幅、長尺製品のコイ
ルにあっては、外表面から遠い、かつクリアランスの狭
い(巻硬さが硬いとき)幅中央部の圧延油は逸失するた
めの距離は長く、熱の供給は少なく、逸失抵抗が大きい
ため一層表面特性の均一性を確保することは困難とな
る。
【0008】またキャップシール用材料のような印刷の
ピッチ、ズレが問題となる用途等、特定の用途に対して
はコイル焼鈍したアルミニウム箔であっても強度の高い
材料(例えば3003,Al−Fe系合金)が使用する
ことが要求されるが、長時間のコイル焼鈍した純アルミ
を使用すると、機械的強度の低下が著しく種々問題を発
生する。
【0009】このようにコイル状のアルミニウム箔を直
接コイルのままバッチ焼鈍することは低い生産性及び焼
鈍アルミニウム箔製品の表面特性及び箔自体の軟質化の
度合い等に問題があった。
【0010】従ってコイル巻のアルミニウム箔の焼鈍に
あっては圧延油の完全な除去は困難であるばかりでな
く、除去を完全にしようとすると長時間の熱処理を必要
とし、酸化膜が厚くなること、過剰の焼なましを招来す
る恐れがあり、生産性が低下することが避けられなかっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は圧延油の完全
な除去と箔の幅方向及び長さ方向の表面特性(酸化膜
厚、水濡れ性)の均一性が高く、強度の高いアルミニウ
ム箔も生産の容易な生産性の高い焼鈍方法の開発を目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、コイル状に巻
いたアルミニウム箔を焼鈍するに際し、予備脱脂して水
との接触角を30〜80°としたアルミニウム箔をコイ
ル状にて温度200〜350℃、30〜60時間バッチ
処理することを特徴とするアルミニウム箔の焼鈍方法を
開発することにより上記の目的を達成した。
【0013】本発明の対象となるアルミニウム箔は一般
工業用の純アルミニウム(電解コンデンサ用及び普通の
純アルミニウムを含む。)、アルミニウム合金の箔(以
下、特に断らない限りこの両者のアルミニウム箔を意味
する。)であって、特に制限はない。アルミニウム箔の
厚さも特に制限があるわけでないが、一般には5〜20
0μm位である。予備脱脂は圧延からバッチ焼鈍炉まで
の工程の間のいずれか、特に薄いアルミニウム箔の場合
にはセパレーター工程あるいはセパレーター工程と焼鈍
炉の間のいずれかの工程で行うことが必要である。
【0014】予備脱脂としては、圧延後のアルミニウム
箔に付着している圧延油を除去できる手段であれば効果
的には特に制限はないことになるが、作業性、生産性、
コストなどの点から連続的に施工可能であって、前処理
や後処理など余分の工程が必要となるもの、あるいは環
境に悪影響を与える手段などは避けねばならない。
【0015】このような観点からすれば熱風加熱炉によ
る処理、赤外線加熱による処理、紫外線照射処理、コロ
ナ放電処理、グロー放電処理、電子ビーム処理、火炎放
射処理などが挙げられる。
【0016】しかし、脱脂洗浄法は脱脂効果はあるが、
有機溶媒を使用するときは環境の汚染が、水性洗浄法の
ときは洗浄後のアルミニウム箔の乾燥や排水処理の問題
などがあるので好ましい方法とは考えられないが、工場
の立地条件(他の設備と併存させることにより環境対策
や後処理の問題が解決できるときなど)により使用可能
な手段となる。
【0017】例えば、それぞれの予備脱脂の条件を示す
が、これは製品アルミニウム箔の用途(アルミニウム材
質、箔の厚さ、水との接触角、焼なましの程度など)及
びバッチ焼鈍工程の条件などにより変わるので、あくま
で参考条件にすぎないが一つの目安として示すと次のと
おり。
【0018】熱風加熱炉による処理は熱風循環式の連続
焼鈍炉を用いるのが便利である。処理温度は接触時間
(炉長と通過速度により定まる。)で変わるが300〜
400℃、0.5〜15秒位の処理で圧延油は大幅に減
少する。
【0019】赤外線加熱による処理ではアルミニウム箔
が180〜300℃、保持時間20〜500秒位の処理
で効果が認められる。
【0020】紫外線照射処理にあっては、紫外線の波長
184.9nm(2mw/cm2 )、253.7nm
(6mw/cm2 )で3〜30秒の照射で効果がある。
この場合処理の雰囲気は照射の結果としてオゾンが発生
し(例えば10〜15ppm程度)、これが紫外線の照
射と共に効果があるのかも知れない。
【0021】コロナ放電処理にあっては電極出力1〜2
kwの場合、アルミニウム箔の幅600mmであれば、
電極と箔の距離1〜3mm程度、10〜100m/mi
n程度で効果が認められる。
【0022】この予備脱脂はこの工程だけで焼なまし及
び脱脂を完全に行うことでなく、バッチ処理工程の前処
理として行うことであるので、圧延油のバッチ処理工程
への送入量を減少させれば良いことを理解しなければな
らない。
【0023】予備脱脂されたアルミニウム箔の水との接
触角は30〜80°である。(接触角が30°以下のも
のは完全脱脂レベルにある。)接触角が80°以上であ
るときは焼鈍時間の短縮にはほとんど効果がない。
【0024】このように処理されたアルミニウム箔はコ
イル状に巻き取られ、これらのコイルをそのままあるい
は多数のコイルをバッチ焼鈍処理に付される。バッチ焼
鈍は200〜350℃、30〜60時間で充分となる。
【0025】このような簡単な予備脱脂を行うことによ
りバッチ処理による焼鈍時間を1/3〜1/2程度に短
縮してもほとんど同一の脱脂効果(水との接触角)をあ
げることが確かめられた。
【0026】
【作用】通常のアルミニウム箔の焼なまし(脱脂も目的
とした)は、圧延したアルミニウム箔をセパレーター工
程で巻き取られたコイル状のままこれをバッチ処理の焼
鈍工程にかけている。
【0027】本発明者らはこのバッチ処理にかける前の
アルミニウム箔に付着した圧延油を減少させることによ
りコイル状に巻かれたアルミニウム箔から逸失させなけ
ればならない圧延油量を減少させれば、バッチ処理時間
を短くしても同一の表面処理特性を有するアルミニウム
箔の製造が可能であるばかりでなく、処理系に存在する
除去圧延油量の減少は表面特性の均一化をもたらすもの
との着想を持った。
【0028】予備脱脂を行った後の焼鈍工程はバッチ処
理時間の短縮、表面特性の均一化、焼なましの調整が容
易となる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)セパレート済の片面光沢、厚さ30μm、
幅600mm、長さ200mの1N30、アルミニウム
箔を炉長5m、温度330℃の熱風循環式連続焼鈍炉に
て予備脱脂を行った。予備脱脂前の接触角は93°であ
った。60m/minの処理で47℃、80m/min
の処理で52°、100m/minの処理で61°であ
った。次いで240℃においてコイル状にて焼鈍を行
い、接触角が30°となる時間を求めた。結果を表1に
示す。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例2)実施例1で用いたと同じアル
ミニウム箔を赤外線加熱により予備脱脂を行った。実施
例1と同様に240℃におけるコイル状の焼鈍により接
触角が30°になる時間を求めた。
【0032】
【表2】
【0033】(実施例3)実施例1と同じアルミニウム
箔を紫外線照射による予備脱脂を行い、実施例1と同様
に30°になる焼鈍時間を求めた。ここで用いた紫外線
の波長及び強さは184.9nm(2mw/cm2 )、
253.7nm(6mw/cm2 )で照射時間は10秒
である。この結果接触角は65°になり、30°になる
焼鈍時間は10.4hrとなる。元箔は19.0hrと
なる。
【0034】(実施例4)実施例1と同じアルミニウム
箔を電極との間隔2mmとし、1kw及び2kwのコロ
ナ放電処理装置を通して予備脱脂を行い、次いで実施例
1と同様に接触角が30°になる焼鈍時間を求めた。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】アルミニウム箔の焼鈍においてコイル状
のアルミニウム箔をバッチ処理により焼鈍することが行
われている。この処理方法は一挙に大量の処理ができる
メリットはあるが、工程そのものは長時間が必要で、生
産性が低いものであるばかりでなく、処理して得られた
アルミニウム箔の表面特性(酸化皮膜厚さ、水濡れ性な
ど)の均一性が得られにくいこと、さらには脱脂度合い
を高く、比較的硬度の硬い箔(焼なましの低いアルミニ
ウム箔)が必要となるとき、脱脂を優先すれば焼なまし
が過度になり、また焼なましを優先すれば脱脂不十分に
なるなどの問題があった。
【0037】本発明はコイル状のアルミニウム箔をバッ
チ処理する場合に、アルミニウム箔を予備脱脂すること
により焼鈍工程1/3〜1/2に大幅に短縮できるこ
と、予備脱脂を行ったためか理由は明らかでないが表面
特性の均一性、特に箔の幅方向の両端部及び中央部の
間、更に長さの方向において接触角の均一性が高くなっ
たこと、またアルミニウム箔の焼きなましと脱脂割合を
独立させることができたため脱脂度の高い、硬度の高い
アルミニウム箔が得られることなど、本発明方法は従来
のバッチ処理によるアルミニウム箔焼鈍工程の問題点を
解決した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル状に巻いたアルミニウム箔を焼鈍
    するに際し、予備脱脂して水との接触角を30〜80°
    としたアルミニウム箔をコイル状にて温度200〜35
    0℃、30〜60時間バッチ処理することを特徴とする
    アルミニウム箔の焼鈍方法。
  2. 【請求項2】 予備脱脂がセパレーター工程またはセパ
    レーターから焼鈍するまでの工程の間のいずれかにおい
    て、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱、紫外線照射、コ
    ロナ放電処理、グロー放電処理、電子ビーム処理、火炎
    放射または脱脂洗浄の少なくとも一つの処理を含むもの
    である請求項1記載のアルミニウム箔の焼鈍方法。
JP4591992A 1992-01-31 1992-01-31 アルミニウム箔の焼鈍方法 Pending JPH05214498A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000331687A (ja) * 1999-05-18 2000-11-30 Dainippon Printing Co Ltd 金属箔シートおよびその製造方法
CN114592145A (zh) * 2022-01-27 2022-06-07 晟通科技集团有限公司 铝钛箔的生产方法

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JP2000331687A (ja) * 1999-05-18 2000-11-30 Dainippon Printing Co Ltd 金属箔シートおよびその製造方法
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