JPH05214453A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
焼結鉱の製造方法Info
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- JPH05214453A JPH05214453A JP3840592A JP3840592A JPH05214453A JP H05214453 A JPH05214453 A JP H05214453A JP 3840592 A JP3840592 A JP 3840592A JP 3840592 A JP3840592 A JP 3840592A JP H05214453 A JPH05214453 A JP H05214453A
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- ore
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- sintered
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、焼結鉱製造工程において高Al2
O3 鉄鉱石を多量に配合したときに生じる焼結鉱の歩留
低下を、品質を悪化させることなく防止することを目的
とする。 【構成】 Al2 O3 を2.0wt%以上含有する高A
l2 O3 鉱石を焼結原料に一部配合して使用する際に、
下層にジルコニアボールを充填した試験鍋で焼成を行
い、焼結原料から生成した融液がジルコニアボール間の
空隙を流下して固化した後の長さ(mm)を融液流動指
数とし、該融液流動指数があらかじめ定めた範囲になる
ように原料配合を調整し、この条件が満足されたときの
原料配合と同一の配合で実機における焼成を行う。 【効果】 Al2 O3 成分の増加に起因する流動性の悪
化を事前に改善し、高歩留、高品質の焼結工程を実現す
る。
O3 鉄鉱石を多量に配合したときに生じる焼結鉱の歩留
低下を、品質を悪化させることなく防止することを目的
とする。 【構成】 Al2 O3 を2.0wt%以上含有する高A
l2 O3 鉱石を焼結原料に一部配合して使用する際に、
下層にジルコニアボールを充填した試験鍋で焼成を行
い、焼結原料から生成した融液がジルコニアボール間の
空隙を流下して固化した後の長さ(mm)を融液流動指
数とし、該融液流動指数があらかじめ定めた範囲になる
ように原料配合を調整し、この条件が満足されたときの
原料配合と同一の配合で実機における焼成を行う。 【効果】 Al2 O3 成分の増加に起因する流動性の悪
化を事前に改善し、高歩留、高品質の焼結工程を実現す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉粒体から通風式自己
燃焼型焼結法によって製造される焼結体、すなわち鉄鉱
石焼結体およびCr,Mn,Tiなどの合金用鉱石の焼
結体、いわゆる焼結鉱の製造方法に関するものである。
燃焼型焼結法によって製造される焼結体、すなわち鉄鉱
石焼結体およびCr,Mn,Tiなどの合金用鉱石の焼
結体、いわゆる焼結鉱の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すような一般的な焼結鉱製造プ
ロセスにおいて、鉄鉱石ホッパー6、高Al2 O3 含有
鉱石ホッパー7、返鉱ホッパー16から切り出された複
数銘柄の粉鉄鉱石に、石灰石ホッパー8、粉コークスホ
ッパー9から切り出された石灰石、粉コークス、場合に
よっては蛇紋岩・硅石ホッパー10から切り出された硅
石、蛇紋岩などを配合し、ドラムミキサー11で水分添
加して混合、造粒し、得られた焼結配合原料を一旦サー
ジホッパー12に貯える。
ロセスにおいて、鉄鉱石ホッパー6、高Al2 O3 含有
鉱石ホッパー7、返鉱ホッパー16から切り出された複
数銘柄の粉鉄鉱石に、石灰石ホッパー8、粉コークスホ
ッパー9から切り出された石灰石、粉コークス、場合に
よっては蛇紋岩・硅石ホッパー10から切り出された硅
石、蛇紋岩などを配合し、ドラムミキサー11で水分添
加して混合、造粒し、得られた焼結配合原料を一旦サー
ジホッパー12に貯える。
【0003】ドワイトロイド型焼結機14の場合には、
その後、移動してきたパレット上に床敷ホッパー15か
ら4mmないし6mm以上の焼結鉱を約10mm〜50
mmの厚みでグレート上に敷き、その上にサージホッパ
ー12から装入装置に13により焼結原料を約300m
m〜600mmの厚みで敷く。こうして形成された焼結
原料層に対し、点火炉18で原料層表面の粉コークスに
着火するとともに下方吸引により焼成を行う。焼結原料
層全体が焼成を完了した後、得られた焼結鉱は、排鉱部
から排出され、粉砕、整粒されて成品焼結鉱となる。そ
の際、整粒篩分け工程で発生する粉(通常−5mm)と
良塊(通常+5mm)の良塊化比率によって歩留が決定
される。
その後、移動してきたパレット上に床敷ホッパー15か
ら4mmないし6mm以上の焼結鉱を約10mm〜50
mmの厚みでグレート上に敷き、その上にサージホッパ
ー12から装入装置に13により焼結原料を約300m
m〜600mmの厚みで敷く。こうして形成された焼結
原料層に対し、点火炉18で原料層表面の粉コークスに
着火するとともに下方吸引により焼成を行う。焼結原料
層全体が焼成を完了した後、得られた焼結鉱は、排鉱部
から排出され、粉砕、整粒されて成品焼結鉱となる。そ
の際、整粒篩分け工程で発生する粉(通常−5mm)と
良塊(通常+5mm)の良塊化比率によって歩留が決定
される。
【0004】鉄鋼製造用として溶鉱炉に装入される原料
に焼結鉱が広く使用されている。日本の製鉄業において
は、品質の安定した焼結鉱を得るために、種々の性質を
有する鉄鉱石をブレンドし、これを焼結材料として使用
するのが一般的である。このようにブレンドされる鉄鉱
石のうち高Al2 O3 (アルミナ)鉄鉱石は、焼結性に
悪影響を及ぼす因子を種々有しており、焼結原料中のA
l2 O3 成分が増加するにしたがって歩留や焼結鉱品質
が低下する傾向が見られる。
に焼結鉱が広く使用されている。日本の製鉄業において
は、品質の安定した焼結鉱を得るために、種々の性質を
有する鉄鉱石をブレンドし、これを焼結材料として使用
するのが一般的である。このようにブレンドされる鉄鉱
石のうち高Al2 O3 (アルミナ)鉄鉱石は、焼結性に
悪影響を及ぼす因子を種々有しており、焼結原料中のA
l2 O3 成分が増加するにしたがって歩留や焼結鉱品質
が低下する傾向が見られる。
【0005】上記のように、高Al2 O3 鉄鉱石を焼結
原料として多量使用した場合に各種特性が悪化する要因
に対して、いくつかの対策や原料処理方法が提案されて
いる。たとえば、特開昭61−113729号公報や特
開昭63−76828号公報には、高Al2 O3 鉄鉱石
にFeO成分や、CaO成分を傾斜配合する方法が提示
されている。これらの方法は焼結反応過程で生じる二次
ヘマタイトの生成を抑制し、カルシウムフェライトを中
心とする焼結鉱組織を形成させることによって焼結鉱品
質および歩留を改善することを目的としている。しか
し、これらの方法によっても、いまだに完全には解決が
されておらず、低Al2 O3 鉱石を用いた場合の焼結鉱
品質、歩留にはおよばない。
原料として多量使用した場合に各種特性が悪化する要因
に対して、いくつかの対策や原料処理方法が提案されて
いる。たとえば、特開昭61−113729号公報や特
開昭63−76828号公報には、高Al2 O3 鉄鉱石
にFeO成分や、CaO成分を傾斜配合する方法が提示
されている。これらの方法は焼結反応過程で生じる二次
ヘマタイトの生成を抑制し、カルシウムフェライトを中
心とする焼結鉱組織を形成させることによって焼結鉱品
質および歩留を改善することを目的としている。しか
し、これらの方法によっても、いまだに完全には解決が
されておらず、低Al2 O3 鉱石を用いた場合の焼結鉱
品質、歩留にはおよばない。
【0006】したがって、焼結鉱の製造工程において
は、高Al2 O3 鉄鉱石を多量に用いながら、焼結層全
体にわたって焼結鉱品質を悪化させることなく、かつ高
い歩留を保つことができる抜本的改善を図った操業方法
の開発が依然として期待されている。
は、高Al2 O3 鉄鉱石を多量に用いながら、焼結層全
体にわたって焼結鉱品質を悪化させることなく、かつ高
い歩留を保つことができる抜本的改善を図った操業方法
の開発が依然として期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼結鉱製造
工程において高Al2 O3 鉄鉱石を多量に配合したとき
に生じる焼結鉱の歩留低下を、品質を悪化させることな
く防止する方法を提示することを目的とする。
工程において高Al2 O3 鉄鉱石を多量に配合したとき
に生じる焼結鉱の歩留低下を、品質を悪化させることな
く防止する方法を提示することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するものであって、Al2 O3 を2.0wt%以上
含有する高Al2 O3 鉱石を焼結原料に一部配合して使
用する際に、上層に該焼結原料を充填し、下層にジルコ
ニアボールを充填した試験鍋で焼成を行い、焼結原料か
ら生成した融液が流動によってジルコニアボール間の空
隙を流下して固化した後の固化部分の層高方向の長さ
(mm)を融液流動指数とし、該融液流動指数があらか
じめ定めた範囲になるように原料配合を調整し、この条
件が満足されたときの原料配合と同一の配合で実機にお
ける焼成を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法であ
る。
解決するものであって、Al2 O3 を2.0wt%以上
含有する高Al2 O3 鉱石を焼結原料に一部配合して使
用する際に、上層に該焼結原料を充填し、下層にジルコ
ニアボールを充填した試験鍋で焼成を行い、焼結原料か
ら生成した融液が流動によってジルコニアボール間の空
隙を流下して固化した後の固化部分の層高方向の長さ
(mm)を融液流動指数とし、該融液流動指数があらか
じめ定めた範囲になるように原料配合を調整し、この条
件が満足されたときの原料配合と同一の配合で実機にお
ける焼成を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法であ
る。
【0009】
【作用】以下に、本発明を詳細に説明する。焼結配合原
料中のAl2 O3 成分が増加すると焼結鉱の歩留が低下
する原因については様々な要因が考えられているが、本
発明者らは、粉コークスの燃焼によって粉鉱石が赤熱溶
融する際に生成する融液の流動性が、冷却した後に形成
されるシンターケーキの構造に大きく影響し、それが歩
留や成品焼結鉱品質にも影響を及ぼすことを見出した。
図6は従来技術におけるAl2 O3 濃度と焼結歩留との
関係を示すが、Al2 O3 濃度が2%を越えると見られ
る歩留の急激な悪化は、焼結過程で生じる融液の流動性
が急激に低下することに原因があると考えられる。
料中のAl2 O3 成分が増加すると焼結鉱の歩留が低下
する原因については様々な要因が考えられているが、本
発明者らは、粉コークスの燃焼によって粉鉱石が赤熱溶
融する際に生成する融液の流動性が、冷却した後に形成
されるシンターケーキの構造に大きく影響し、それが歩
留や成品焼結鉱品質にも影響を及ぼすことを見出した。
図6は従来技術におけるAl2 O3 濃度と焼結歩留との
関係を示すが、Al2 O3 濃度が2%を越えると見られ
る歩留の急激な悪化は、焼結過程で生じる融液の流動性
が急激に低下することに原因があると考えられる。
【0010】このように、Al2 O3 成分が増加したと
きに生じる歩留および焼結鉱品質の悪化の原因は、二次
ヘマタイトへのAl2 O3 成分の固溶やカルシウムフェ
ライトの生成量増加といったミクロな鉱物組織の変化よ
りも、粉鉱石粒子の緻密化阻害といったマクロな構造変
化の影響の方が支配的であることを本発明者らは見出し
ている。このことは、高Al2 O3 鉄鉱石、すなわちA
l2 O3 を2.0wt%以上含有する鉄鉱石では二次ヘ
マタイトやカルシウムフェライトといった鉱物組織の制
御ではなく、融液流動性を高めてやることが歩留まりお
よび焼結鉱品質の改善に重要であることを示している。
きに生じる歩留および焼結鉱品質の悪化の原因は、二次
ヘマタイトへのAl2 O3 成分の固溶やカルシウムフェ
ライトの生成量増加といったミクロな鉱物組織の変化よ
りも、粉鉱石粒子の緻密化阻害といったマクロな構造変
化の影響の方が支配的であることを本発明者らは見出し
ている。このことは、高Al2 O3 鉄鉱石、すなわちA
l2 O3 を2.0wt%以上含有する鉄鉱石では二次ヘ
マタイトやカルシウムフェライトといった鉱物組織の制
御ではなく、融液流動性を高めてやることが歩留まりお
よび焼結鉱品質の改善に重要であることを示している。
【0011】上記のように、粉コークスの燃焼によって
粉鉱石が赤熱溶融する際に生成する融液の流動性が冷却
した後に形成されるシンターケーキの構造に大きく影響
する。元来、低Al2 O3 鉱石の焼結の場合、鉱石周辺
は融液の流動性が大きく、固体核粒子の合体およびコー
クス燃焼に必要な貫通気孔の統合が促進され、高歩留を
得ることができるシンターケーキ構造が焼結層全体にわ
たって形成される。しかし、鉱石中のAl2 O3 成分が
2.0wt%を越すと、鉱石が溶融する際に生成する融
液の流動性が急激に悪化する。このように、Al2 O3
成分が高いことに起因する流動性の低下に対しては、フ
ラックスの添加やコークスの配合量の増加などで流動性
を高めて、適正化を図ることができる。
粉鉱石が赤熱溶融する際に生成する融液の流動性が冷却
した後に形成されるシンターケーキの構造に大きく影響
する。元来、低Al2 O3 鉱石の焼結の場合、鉱石周辺
は融液の流動性が大きく、固体核粒子の合体およびコー
クス燃焼に必要な貫通気孔の統合が促進され、高歩留を
得ることができるシンターケーキ構造が焼結層全体にわ
たって形成される。しかし、鉱石中のAl2 O3 成分が
2.0wt%を越すと、鉱石が溶融する際に生成する融
液の流動性が急激に悪化する。このように、Al2 O3
成分が高いことに起因する流動性の低下に対しては、フ
ラックスの添加やコークスの配合量の増加などで流動性
を高めて、適正化を図ることができる。
【0012】融液の流動性が後で説明する融液流動指数
で11以上の場合は、残存核粒子間の空隙を大きくし、
貫通気孔の生成を容易にするが、融液流動指数が11未
満だと残存核粒子間の空隙が大きくならず、貫通気孔の
生成は困難となる。また、流動性が高くなりすぎて融液
流動指数が19を越えると融液流動層が一体化してしま
い、逆に貫通気孔が閉塞して焼結反応が適正に進行しな
い。
で11以上の場合は、残存核粒子間の空隙を大きくし、
貫通気孔の生成を容易にするが、融液流動指数が11未
満だと残存核粒子間の空隙が大きくならず、貫通気孔の
生成は困難となる。また、流動性が高くなりすぎて融液
流動指数が19を越えると融液流動層が一体化してしま
い、逆に貫通気孔が閉塞して焼結反応が適正に進行しな
い。
【0013】本発明者らは特願平3−112250号に
おいて、融液流動性を高めるためにフッ化物、バリウム
化合物、ボロン化合物等のフラックスの添加が効果的で
あることを示した。しかしながら、それらフラックスの
最適添加量や、高Al2 O3鉄鉱石の配合限界などを見
出すのには試行錯誤で検討する必要がある。
おいて、融液流動性を高めるためにフッ化物、バリウム
化合物、ボロン化合物等のフラックスの添加が効果的で
あることを示した。しかしながら、それらフラックスの
最適添加量や、高Al2 O3鉄鉱石の配合限界などを見
出すのには試行錯誤で検討する必要がある。
【0014】そこで、図1は焼結試験鍋の一部分の断面
図であるがこれに示すように、焼結試験用鍋1の下層部
分に直径2mmのジルコニアボール2を充填し、その上
側に実機で使用するのと同様の配合原料3を装入する。
次に、その表層にある粉コークスに点火し、下方から空
気を吸引して焼成を行う。焼成が完了したら、図2に断
面図を示すようなシンターケーキ4を取り出し、融液流
動によってジルコニアボールがトラップされた長さL
(mm)を求めて、これを融液流動指数とする。したが
って、ジルコニアボール充填層を高くすれば焼成原料層
上層の、低くすれば下層の融液流動指数が得られる。な
お上記融液流動指数の測定においてジルコニアボールを
使用するのは、アルミナ、マグネシア等と異なり酸化鉄
と反応して侵食されることがないからである。またボー
ル径は焼結原料の平均粒径がほぼ2mmであることか
ら、これに合わせる意味で2mmのものを使用したが、
この近傍でたとえば1.5mmから3mm程度に変える
ことはできる。
図であるがこれに示すように、焼結試験用鍋1の下層部
分に直径2mmのジルコニアボール2を充填し、その上
側に実機で使用するのと同様の配合原料3を装入する。
次に、その表層にある粉コークスに点火し、下方から空
気を吸引して焼成を行う。焼成が完了したら、図2に断
面図を示すようなシンターケーキ4を取り出し、融液流
動によってジルコニアボールがトラップされた長さL
(mm)を求めて、これを融液流動指数とする。したが
って、ジルコニアボール充填層を高くすれば焼成原料層
上層の、低くすれば下層の融液流動指数が得られる。な
お上記融液流動指数の測定においてジルコニアボールを
使用するのは、アルミナ、マグネシア等と異なり酸化鉄
と反応して侵食されることがないからである。またボー
ル径は焼結原料の平均粒径がほぼ2mmであることか
ら、これに合わせる意味で2mmのものを使用したが、
この近傍でたとえば1.5mmから3mm程度に変える
ことはできる。
【0015】図3は融液流動指数が歩留、生産率に及ぼ
す影響を示すグラフであるが、高歩留を得るためには融
液流動指数が11〜19となるのが適当である。したが
って、その範囲内に入るように、フラックス、石灰石、
粉コークスあるいは返鉱の添加量、粉鉱石の粒度などを
調整し、配合を決定する。なおこの値はボール径が2m
mのときの値であり、ボール径を変えたときはそれに応
じて融液流動指数の値はシフトする。以下本明細書にお
けるデータはすべてボール径2mmにおけるものであ
る。
す影響を示すグラフであるが、高歩留を得るためには融
液流動指数が11〜19となるのが適当である。したが
って、その範囲内に入るように、フラックス、石灰石、
粉コークスあるいは返鉱の添加量、粉鉱石の粒度などを
調整し、配合を決定する。なおこの値はボール径が2m
mのときの値であり、ボール径を変えたときはそれに応
じて融液流動指数の値はシフトする。以下本明細書にお
けるデータはすべてボール径2mmにおけるものであ
る。
【0016】その後、図4に示すような焼結鉱製造プロ
セスにおいて、Al2 O3 成分が2.0wt%以上の高
Al2 O3 鉄鉱石を焼成するにあたり、高Al2 O3 含
有鉱石ホッパー7、フラックスホッパー17、石灰石ホ
ッパー8、返鉱ホッパー16、粉コークスホッパー9な
どのホッパーから焼結配合原料を前記方法による融液流
動指数が適正と判定された配合比でもって切り出したの
ち、、混合造粒し、得られた焼結原料を焼結機14に供
給して焼結する。
セスにおいて、Al2 O3 成分が2.0wt%以上の高
Al2 O3 鉄鉱石を焼成するにあたり、高Al2 O3 含
有鉱石ホッパー7、フラックスホッパー17、石灰石ホ
ッパー8、返鉱ホッパー16、粉コークスホッパー9な
どのホッパーから焼結配合原料を前記方法による融液流
動指数が適正と判定された配合比でもって切り出したの
ち、、混合造粒し、得られた焼結原料を焼結機14に供
給して焼結する。
【0017】このように融液流動指数最適化のための事
前処理を行うことにより、高Al2O3 に起因する流動
性悪化に対して適切かつ効率的に改善を図ることがで
き、焼結層全層にわたって高歩留かつ高品質を有するシ
ンターケーキを形成できる。
前処理を行うことにより、高Al2O3 に起因する流動
性悪化に対して適切かつ効率的に改善を図ることがで
き、焼結層全層にわたって高歩留かつ高品質を有するシ
ンターケーキを形成できる。
【0018】
実施例1 表1に示す焼結配合原料を用いて、前記した図1に示す
ような方法にしたがい融液流動指数を求めた後、同一配
合で焼結操業を実施した。焼結操業条件はすべて一定と
なるように行った。その結果、図7に示すように、従来
法では高Al2O3 鉄鉱石(例えばA鉱石、B鉱石)の
配合率を増加して原料中の平均Al2 O3 濃度を1.2
1%から2.90%にすると融液流動指数が17から7
に減少し、歩留が7%低下する。
ような方法にしたがい融液流動指数を求めた後、同一配
合で焼結操業を実施した。焼結操業条件はすべて一定と
なるように行った。その結果、図7に示すように、従来
法では高Al2O3 鉄鉱石(例えばA鉱石、B鉱石)の
配合率を増加して原料中の平均Al2 O3 濃度を1.2
1%から2.90%にすると融液流動指数が17から7
に減少し、歩留が7%低下する。
【0019】
【表1】
【0020】しかし、本発明法を適用し、フラックスと
して蛍石またはバリウム化合物(炭酸バリウム)を1%
添加した配合率に変更すると、平均Al2 O3 濃度の増
加にもかかわらず上記従来法に比べ融液流動指数は同じ
か若干減少する程度で、歩留が6.5〜8.5%向上し
た。また、従来法ではAl2 O3 成分の増加によりRD
Iが3%悪化するが、本発明法の適用により3〜5%は
向上し、Al2 O3 濃度増加前のレベルに回復した。
して蛍石またはバリウム化合物(炭酸バリウム)を1%
添加した配合率に変更すると、平均Al2 O3 濃度の増
加にもかかわらず上記従来法に比べ融液流動指数は同じ
か若干減少する程度で、歩留が6.5〜8.5%向上し
た。また、従来法ではAl2 O3 成分の増加によりRD
Iが3%悪化するが、本発明法の適用により3〜5%は
向上し、Al2 O3 濃度増加前のレベルに回復した。
【0021】実施例2 表2に示す焼結配合原料を用いて、図1に示すような方
法にしたがい融液流動指数を求めた後、同一配合で焼結
操業を実施した。焼結操業条件はすべて一定となるよう
に行った。その結果、図8に示すように、従来法では高
Al2 O3 鉄鉱石(例えばA鉱石、B鉱石)の配合率を
増加して原料中の平均Al2 O3 濃度を1.20%から
2.03%にすると融液流動指数が13から5に減少
し、歩留が4%低下する。
法にしたがい融液流動指数を求めた後、同一配合で焼結
操業を実施した。焼結操業条件はすべて一定となるよう
に行った。その結果、図8に示すように、従来法では高
Al2 O3 鉄鉱石(例えばA鉱石、B鉱石)の配合率を
増加して原料中の平均Al2 O3 濃度を1.20%から
2.03%にすると融液流動指数が13から5に減少
し、歩留が4%低下する。
【0022】
【表2】
【0023】しかし本発明法を適用し、上層焼結原料層
にペレットフィードを添加、または平均粒径のより小さ
なコークスを添加した配合に変更すると、平均Al2 O
3 濃度の増加にもかかわらず融液流動指数は元の12な
いし14に回復し、従来法に比べ歩留が2.0〜4.0
%向上した。また、従来法ではAl2 O3 成分の増加に
よりRDIが3%悪化するが、本発明法の適用により
1.5〜3.0%向上し、ほぼAl2 O3 濃度増加前の
レベルに回復した。
にペレットフィードを添加、または平均粒径のより小さ
なコークスを添加した配合に変更すると、平均Al2 O
3 濃度の増加にもかかわらず融液流動指数は元の12な
いし14に回復し、従来法に比べ歩留が2.0〜4.0
%向上した。また、従来法ではAl2 O3 成分の増加に
よりRDIが3%悪化するが、本発明法の適用により
1.5〜3.0%向上し、ほぼAl2 O3 濃度増加前の
レベルに回復した。
【0024】
【発明の効果】本発明により、焼結鉱製造工程において
焼結原料中Al2 O3 成分増加による悪影響を低減させ
ることが可能となり、焼結鉱製造工程の歩留向上ならび
に製造コストの低減などにその効果はきわめて大きい。
焼結原料中Al2 O3 成分増加による悪影響を低減させ
ることが可能となり、焼結鉱製造工程の歩留向上ならび
に製造コストの低減などにその効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する融液流動指数測定方法を示す焼
結試験鍋の一部分の断面図
結試験鍋の一部分の断面図
【図2】本発明に関する融液流動指数測定におけるシン
ターケーキの断面図
ターケーキの断面図
【図3】融液流動指数が歩留および生産率に及ぼす影響
を示すグラフ
を示すグラフ
【図4】本発明による焼結プロセスの一実施例を示すブ
ロック図
ロック図
【図5】一般的な焼結プロセスを示すブロック図
【図6】歩留に及ぼすAl2 O3 成分の影響を示したグ
ラフ
ラフ
【図7】本発明の実施例における操業成績を示したグラ
フ
フ
【図8】本発明の実施例における操業成績を示したグラ
フ
フ
Claims (1)
- 【請求項1】 Al2 O3 を2.0wt%以上含有する
高Al2 O3 鉱石を焼結原料に一部配合して使用する際
に、上層に該焼結原料を充填し、下層にジルコニアボー
ルを充填した試験鍋で焼成を行い、焼結原料から生成し
た融液が流動によってジルコニアボール間の空隙を流下
して固化した後の固化部分の層高方向の長さ(mm)を
融液流動指数とし、該融液流動指数があらかじめ定めた
範囲になるように原料配合を調整し、この条件が満足さ
れたときの原料配合と同一の配合で実機における焼成を
行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3840592A JPH05214453A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 焼結鉱の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3840592A JPH05214453A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 焼結鉱の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05214453A true JPH05214453A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=12524392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3840592A Withdrawn JPH05214453A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 焼結鉱の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05214453A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112609071A (zh) * | 2020-07-21 | 2021-04-06 | 华北理工大学 | 基于MgO/Al2O3调控铁酸钙基粘结相的烧结配矿新方法 |
-
1992
- 1992-01-30 JP JP3840592A patent/JPH05214453A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112609071A (zh) * | 2020-07-21 | 2021-04-06 | 华北理工大学 | 基于MgO/Al2O3调控铁酸钙基粘结相的烧结配矿新方法 |
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