JPH05213826A - ケトン型強誘電性液晶化合物及びそれを用いたカイラルスメクチック液晶組成物 - Google Patents

ケトン型強誘電性液晶化合物及びそれを用いたカイラルスメクチック液晶組成物

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JPH05213826A
JPH05213826A JP5692692A JP5692692A JPH05213826A JP H05213826 A JPH05213826 A JP H05213826A JP 5692692 A JP5692692 A JP 5692692A JP 5692692 A JP5692692 A JP 5692692A JP H05213826 A JPH05213826 A JP H05213826A
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liquid crystal
compound
reaction
chemical
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JP5692692A
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Yukihiro Fukushima
幸裕 福島
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式[1] 【化1】 (式中R1*及びR2*は炭素数4〜20を有する光学活性
基を示す。nは1または2の整数を表す。)で示される
ケトン型強電性液晶化合物。 【効果】 本発明の光学活性化合物及びそれを用いたカ
イラルスメクチック液晶組成物は、きわめて大きな自発
分極を有し、しかも応答速度が従来のTN型表示法の数
100倍と大きく、それを用いることにより、高画質の
動作表示、高速応答性の光スイッチや光シャッターを得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像表示の応答性に優
れた新規光学活性化合物及び、それを含む応答性に優れ
た液晶画像表示用のカイラルスメクチック液晶組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展に伴って、パーソナル
コンピュータやワードプロセッサなどの情報機器のディ
スプレイデバイスが広く利用されている。なかでも液晶
ディスプレイは、薄型平面軽量低電圧駆動低消
費電力などの長所に加えて、フォーカスのずれがなく鮮
明であり、しかもそれ自体発光しない受光型であるた
め、屋外のような明るい場所でも見やすい等の利点があ
り、ディスプレイデバイスの代表的地位を占めつつあ
る。しかし現在使用されている液晶ディスプレイの表示
方式である、TN(ツイステッド−ネマチック)型で
は、原理的に応答速度が遅い、あるいはメモリー性がな
い等の欠点があるため、高速の応答が必要とされる高画
質の動作表示が得にくく、又光通信や光シャッター素子
への応用は難しい。そのためTN型表示方式に代わる新
しい液晶表示方式が種々試みられているが、その一つに
強誘電性液晶を利用する表示方式がある(N.A.Cl
arkら;Applied Phys. Lett.
86,899(1980))。
【0003】この方式は強誘電性液晶のカイラルスメク
チックC相(以下、Sc* 相と略称する。)あるいはカ
イラルスメクチックH相(以下、SH * 相と略称す
る。)を利用し、自発分極と印加電圧との相互作用によ
りTN型表示方式の1000倍もの高速応答性が可能
で、かつ電源を切っても表示の記憶が得られる特長を有
するため、強誘電性液晶化合物の開発が活発に進められ
ている。ところで、強誘電性液晶の応答時間τは、近似
的に[2]式で τ=η/Ps×E ………[2] (式中ηは粘度、Psは自発分極、Eは電界強度を表
す。)与えられる。従って、電界強度が一定ならば自発
分極が大きい程、高速応答性が得られる。一般的に自発
分極に寄与するのは、分子の短軸方向の双極子であり、
できるだけ大きな双極子を持つ分子構造が望ましい。そ
こで、自発分極を大きくするために、大きな双極子を持
つ置換基を不斉中心の近傍に複数個導入する方法が数多
く試みられているが、それらのSc* 化合物は粘度が大
きく、しかも複数の双極子が立体的要因から互いに逆方
向を向き、その効果を相殺してしまう等の理由から、実
質的に大きな自発分極を有し、高速応答性に優れた強誘
電性液晶化合物は得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、大きな自発分極を有し、かつ高速応答性に優れた
液晶表示素子用の光学活性化合物及びそれを含有するカ
イラルスメクチック液晶組成物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記一般
式[1]にて示される光学活性化合物及びそれを2モル
%以上含有してなるカイラルスメクチック液晶組成物に
より達成される。
【化2】 (ただし式中R1*及びR2*は、炭素数4〜20を有する
光学活性基を示す。nは1または2の整数を表す。)次
に本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の光学活性化合物は、前記一般式
[1]で表されるものでありR1*及びR2*は共に、炭素
数4〜20を有する光学活性基であるが、液晶分子の配
向性から炭素数5〜16のアルキル基が好ましく、又不
斉炭素の位置はカルボニル基に直接または炭素を一つ介
して結合し、さらにその絶対配置は同一であると自発分
極が打ち消されて小さくなるので、互いに逆であること
が好ましい。更に不斉炭素を除く部分は直鎖状である方
が好ましい。望ましい光学活性基としては、例えば次の
ような構造が挙げられる。
【0007】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0008】本発明の化合物は、一般式[1]からも解
るように、2つの光学活性部の近傍に大きな双極子のカ
ルボニル基を持ち、しかもその一方のオルソ位に水酸基
を導入することにより、自発分極を誘起する双極子の数
を増すと共に、更に水酸基とカルボニル基の分子内水素
結合により、それらの双極子を同一方向に固定化した構
造を有するため、それらを含有するカイラルスメクチッ
ク液晶組成物により、きわめて大きな自発分極と高速応
答性を特長とする液晶素子を作製できる。本発明の光学
活性化合物は、従来公知の方法を適宜組み合わせて製造
すれば良く、例えば次のような合成経路により達成され
る。
【0009】
【化13】
【0010】すなわち、a)パラブロモフェノールのア
セチル化、b)遷移金属触媒による芳香族ハロゲンのト
リアルキルスズ化、c)遷移金属触媒によるカルボン酸
クロライドと芳香族トリアルキルスズとのカップリング
反応、d)フェノール保護基であるアセチル基の脱離反
応、e)芳香族フェノールとパラヨード安息香酸(4′
−ヨードビフェニル−4−カルボン酸)のエステル化、
f)4−アミノサリチル酸のアミノ基のヨウ素化、g)
4−ヨードサリチル酸と光学活性アルコールとのエステ
ル化、h)遷移金属触媒による芳香族ハロゲンのトリア
ルキルスズ化、i)遷移金属触媒による芳香族トリアル
キルスズ化合物と芳香族ハロゲン化物のカップリング反
応の9段階からなる。
【0011】まずa)の反応で、一般式[2]で示され
る芳香族フェノールのヒドロキシル基を保護するための
保護基としては、ベンジルエーテル基、アリルエーテル
基、トリメチルシリル基、ベンジルエステル基、アセチ
ル基等が挙げられるが、なかでも反応装置、保護及び脱
離反応の簡便性と反応収率、更に次のトリアルキルスズ
化とアシル化反応での安定性等の条件からアセチル基が
好ましい。使用するアセチル化剤としては、塩化アセチ
ルまたは無水酢酸を使用し、芳香族フェノールに対して
1.0〜2.0倍モルが好ましく、又生成する酸を中和
するためにピリジンなどの塩基を1.0〜2.0倍モル
加えることが好ましい。
【0012】反応溶媒は、充分に脱水した塩化メチレン
などの塩素系溶媒が好ましく、反応温度は室温下でそし
て反応時間は5〜24時間で達成される。次にb)の反
応では、パラアセチルオキシブロモベンゼンから有機金
属化合物を合成する。一般に有機金属化合物の金属とし
ては、マグネシウム、銅、亜鉛、リチウム、ホウ素、ス
ズ、アルミニウム等が用いることができるが、置換基に
カルボキシル基を有し、ハロゲンを金属に変換したのち
カルボン酸クロライドとカップリング反応を行うため、
安定性や反応収率等の条件からスズが最も好ましい。使
用する金属試薬は、ヘキサアルキルジチンが好ましく、
その使用量は基質に対して1.0〜8.0倍モルである
が、1.5〜3.5倍モルが収率上好ましい。また0価
のPd触媒(0.01〜0.05倍モル)を用いること
が好ましい。反応溶媒は、充分に脱水した芳香族溶媒、
例えばトルエンを使用し、80〜100℃好ましくは、
90〜100℃の反応温度で行い、反応時間は2〜8時
間が好ましい。
【0013】次に、c)の反応は光学活性カルボン酸を
酸クロライドに変換したのち、遷移金属触媒存在下で芳
香族トリアルキルスズ化合物とカップリングし、ケトン
化合物を合成する。まず光学活性カルボン酸を過剰の塩
化チオニル(3.0〜10.0倍モル)に溶解し、還流
下で1〜5時間反応させ、反応終了後に余分の塩化チオ
ニルを留去し、カルボン酸クロライドとする。得られた
カルボン酸クロライドにb)で合成した、等モルの芳香
族トリアルキルスズ及び2価のPd触媒(0.01〜
0.1倍モル)を加え反応する。反応溶媒は充分に脱水
したテトラヒドロフランあるいはテトラヒドロフラン/
ヘキサメチルリン酸トリアミドの混合溶媒が好ましく、
反応収率の点から、テトラヒドロフラン/ヘキサメチル
リン酸トリアミド=4/1の混合溶媒がより好ましい。
そして反応温度は還流下で行い、反応時間は1〜24時
間より好ましくは20〜24時間である。
【0014】次にd)の反応では、c)で得られた芳香
族ケトンから保護基であるアセチル基を除き、光学活性
パラアシルフェノールとする。まず反応試薬は、弱塩基
である炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を使用し、基質
に対する溶解性からメタノールやアセトンとの混合溶媒
中で、室温下反応すれば良い。反応時間はアシル基が有
する炭素数により異なるが、1〜24時間で達成され
る。
【0015】次にe)の反応では、d)で得られた芳香
族フェノールとパラヨウド安息香酸または、4′−ヨウ
ドビフェニル−4−カルボン酸よりエステル化する。エ
ステル化反応には、酸触媒による脱水反応、またジシク
ロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いる反応
等が挙げられるが、なかでも反応収率と反応操作の簡便
性から脱水縮合剤を用いる方法が好ましい。その使用量
は、芳香族フェノール及び芳香族カルボン酸に対して等
モルが好ましく、更に0.05〜0.2倍モルのジメチ
ルアミノピリジンあるいは4−ピロリジノピリジンを活
性化触媒として加えることがより好ましい。反応溶媒は
充分に脱水したジエチルエーテル又はテトラヒドロフラ
ンが好ましく、基質に対する溶解性と反応性からテトラ
ヒドロフランがより好ましい。反応温度は室温下で反応
時間は1〜24時間で達成される。
【0016】次にf)の反応では4−アミノサリチル酸
のアミノ基をジアゾニウム塩とした後、ヨウ素に変換す
る。まず反応溶媒は50%硫酸を使用し、4−アミノサ
リチル酸を溶解した後、亜硝酸ナトリウム水溶液により
ジアゾニウム塩とする。加える亜硝酸ナトリウムは4−
アミノサリチル酸に対して等モルで良く、反応温度は0
〜5℃、反応時間は1〜2時間で達成される。次にジア
ゾニウム塩をヨウ化物に変換するには一般には、ヨウ化
銅(I)、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどを用
いるが、反応収率、溶解性等からヨウ化カリウムが好ま
しく、その使用量はジアゾニウム塩に対して10〜30
倍モルが好ましい。反応は水溶液中で行い、反応温度は
室温下、反応時間は1〜5時間が好ましい。
【0017】次にg)の反応は、4−ヨウドサリチル酸
と光学活性アルコールとのエステル化反応であり、e)
と同じ合成方法により達成される。試薬の添加方法とし
て、まず光学活性アルコールと脱水縮合剤及び活性化触
媒を反応溶媒に溶解し、最後に同じ溶媒に溶解した4−
ヨウドサリチル酸をゆっくり滴下する方法が好ましい。
【0018】次にh)の反応は、〔化21〕で示される
芳香族ハライドのトリアルキルスズ化であり、b)と同
じ合成方法により達成される。最後にi)の反応は、
〔化18〕で示される芳香族ハロゲン化物と〔化22〕
で示される芳香族トリアルキルスズ化合物のカップリン
グ反応であるが、遷移金属触媒を用いるのが好ましい。
使用する触媒は、2価または0価のPd触媒あるいは2
価のNi触媒が好ましく、なかでも反応時間、反応収率
等の条件から2価のPd触媒が好ましく、例えばジクロ
ロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムが好適
に用いられ、その使用量は0.01〜0.1倍モルで良
い。反応溶媒は充分に脱水したテトラヒドロフランある
いはテトラヒドロフラン/ヘキサメチルリン酸トリアミ
ドの混合溶媒が好ましく、反応収率の点から、テトラヒ
ドロフラン/ヘキサメチルリン酸トリアミド=4/1の
混合溶媒がより好ましい。そして反応温度は還流下で行
い、反応時間は1〜24時間、より好ましくは20〜2
4時間である。
【0019】a)〜i)の反応で得られた生成物の分離
は通常用いられる、抽出法、蒸留法、再結晶法、クロマ
トグラフィー法等を適宜選定することにより容易に行う
ことができる。本発明の化合物は、単独あるいは他のス
メクチックC相を示す液晶化合物と混合して、カイラル
スメクチック液晶組成物にできる。混合する液晶化合物
は、スメクチックC相を有するものならば何れのもので
も使用することができるが、例えば次のような液晶化合
物が挙げられる。
【0020】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化31】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】(ただし、Rはアルキル基を示し、カッコ内
の酸素原子はあっても無くても良い。)
【0021】本発明の化合物の配合量は2モル%以上、
好ましくは5モル%以上であり、また混合する液晶化合
物は一種でもあるいは複数種でもよく、目的に応じ適宜
選定すれば良い。本発明のカイラルスメクチック液晶組
成物は、従来公知の方法で表示素子にできる。
【0022】
【発明の効果】本発明の光学活性化合物およびそれを用
いたカイラルスメクチック液晶組成物は、きわめて大き
な自発分極を有し、しかも応答速度が従来のTN型表示
法の数100倍と大きく、それを用いることにより、高
画質の動作表示、高速応答性の光スイッチや光シャッタ
ーを得ることができる。
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0023】実施例1 4−(S(+)−1−メチルノニル)カルボニルフェニ
ル 3′−ヒドロキシ−4′−(R(−)−1−メチル
ヘプチルオキシ)カルボニルビフェニル−4−カルボキ
シレートの製造
【化32】 A)パラアセチルオキシトリブチルスズベンゼンの製造 パラブロモベンゼン5.0g(28.9ミリモル)及び
塩化アセチル2.5g(31.8ミリモル)を乾燥塩化
メチレン50mlに溶解し、ピリジン3.5ml(43.3
ミリモル)をゆっくり滴下したのち、さらに室温下で1
2時間攪拌した。反応終了後、1.0規定の塩酸150
mlに加え、酢酸エチル200mlで抽出し、さらに中性に
なるまで水洗したのち溶媒を留去した。得られた粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記の化合物5.95g(27.7ミリモル)を得
た。(収率96%)
【化33】
【0024】上記で得たパラアセチルオキシブロモベン
ゼン5.95g(27.7ミリモル)を乾燥トルエン4
0mlに溶解し、ヘキサブチルジチン40.2g(69.
3ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルフォスフィ
ン)パラジウム0.32g(0.28ミリモル)を加
え、90℃下で6時間加熱攪拌した。反応終了後、フッ
化カリウム飽和水溶液300mlを加え酢酸エチル400
mlで抽出した。この酢酸エチル層を中性になるまで水洗
し、溶媒を留去したのち、得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の化合
物7.07g(16.6ミリモル)を得た。(収率60
%)
【化34】
【0025】B)4−(S(+)−1−メチルノニル)
カルボニルフェニル 4−ヨードフェニルカルボキシレ
ートの製造 S(+)−2−メチルデカン酸1.1g(5.9ミリモ
ル)及び塩化チオニル5.1ml(59.0ミリモル)を
還流下で3時間加熱攪拌したのち、過剰の塩化チオニル
を減圧留去し、S(+)−2−メチルデカン酸クロリド
とする。そしてA)で合成したパラアセチルオキシトリ
ブチルスズベンゼン2.5g(5.9ミリモル)及び、
ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム
0.13g(0.19ミリモル)を溶解したテトラヒド
ロフラン/ヘキサメチルリン酸トリアミド=4/1混合
溶媒25mlを加えて、還流下で12時間加熱攪拌した。
反応終了後、フッ化カリウム飽和水溶液100mlを加
え、酢酸エチル200mlで抽出し、さらに中性になるま
で水洗したのち溶媒を留去した。得られた粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記
の化合物1.17g(3.85ミリモル)を得た。(収
率65%)
【化35】
【0026】上記で得られたパラ−S(+)−1−メチ
ルノニルカルボニルフェニルアセチルオキシレート1.
17g(3.85ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム飽
和水溶液40mlをメタノール/アセトン=3/2の混合
溶媒100mlに溶解し、室温下で一夜攪拌した。反応終
了後、1.0規定の塩酸100mlに加え、酢酸エチル3
00mlで抽出し、さらに中性になるまで水洗したのち溶
媒を留去し下記の化合物0.95g(3.62ミリモ
ル)を得た。(収率94%)
【化36】
【0027】この化合物0.95g(3.62ミリモ
ル)及びパラヨウド安息香酸1.08g(4.35ミリ
モル)を乾燥テトラヒドロフラン40mlに溶解し、さら
に4−ピロリジノピリジン0.06g(0.36ミリモ
ル)及びジシクロヘキシルカルボジイミド0.75g
(3.62ミリモル)を加えて室温下で一夜攪拌した。
反応終了後、テトラヒドロフラン不溶物を濾過し、溶媒
留去して得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、下記の化合物1.52g
(3.09ミリモル)を得た。(収率85%)
【化37】
【0028】C)4−トリブチルスズサリチル酸 R
(−)−1−メチルヘプチルエステルの製造 4−アミノサリチル酸10.0g(65.0ミリモル)
を50%硫酸130mlに溶解し、0℃下で亜硝酸ナトリ
ウム4.3g(65.0ミリモル)の水溶液40mlを滴
下し、ジアゾニウム塩水溶液を調製した。そのジアゾニ
ウム塩水溶液をヨウ化カリウム30.5g(184.0
ミリモル)の水溶液150mlに滴下し、さらに室温下で
3時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル500mlで抽
出し、次にチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄したの
ち、さらに中性になるまで酢酸エチル層を水洗した。溶
媒留去後、得られた粗生成物をメタノール水溶液で再結
晶により精製し、下記の化合物11.95g(45.0
ミリモル)を得た。(収率69%)
【化38】
【0029】次にR(−)−2−オクタノール0.74
g(5.7ミリモル)、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド1.17g(5.7ミリモル)および4−ピロリジノ
ピリジン0.09g(0.57ミリモル)の乾燥テトラ
ヒドロフラン溶液25mlを調製し、そこに上記で得た4
−ヨウドサリチル酸1.5g(5.7ミリモル)の乾燥
テトラヒドロフラン15mlをゆっくり滴下し、室温下で
12時間攪拌した。反応終了後、テトラヒドロフラン不
溶物をセライト濾過し、溶媒留去して得られた粗生成物
をカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の化合
物1.55g(4.1ミリモル)を得た。(収率73
%)
【化39】
【0030】このパラヨウドサリチル酸エステル1.5
5g(4.1ミリモル)を乾燥トルエン30mlに溶解
し、ヘキサブチルジチン7.1g(12.3ミリモル)
及びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウ
ム0.05g(0.04ミリモル)を加え、90℃下で
6時間加熱攪拌した。反応終了後、フッ化カリウム飽和
水溶液100mlを加え、酢酸エチル200mlで抽出し
た。この酢酸エチル層を中性になるまで水洗したのち、
溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し、下記の化合物1.7
9g(3.3ミリモル)を得た。(収率81%)
【化40】
【0031】D)4−トリブチルスズサリチル酸 R
(−)−1−メチルヘプチルエステルと4−(S(+)
−1−メチルノニル)カルボニルフェニル 4−ヨウド
フェニルカルボキシレートのカップリング反応 B)で合成した4−(S(+)−1−メチルノニル)カ
ルボニルフェニル 4−ヨウドフェニルカルボキシレー
ト0.6g(1.2ミリモル)と、C)で合成した4−
トリブチルスズサリチル酸 R(−)−1−メチルヘプ
チルエステル0.66g(1.2ミリモル)を乾燥テト
ラヒドロフラン20mlと乾燥ヘキサメチルリン酸トリア
ミド5mlの混合溶媒に溶解し、ジクロロビス(トリフェ
ニルフォスフィン)パラジウム0.09g(0.12ミ
リモル)を加えて、還流下で一夜加熱攪拌した。反応終
了後、フッ化カリウム飽和水溶液100mlを加え、酢酸
エチル20mlで抽出し、さらに中性になるまで水洗した
のち溶媒を留去した。得られた粗生成物を、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の最終生
成物0.29g(0.47ミリモル)を得た。(収率3
9%)
【化41】
【0032】分析値: I) 1H−NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル C
DCl3 ) δ(ppm) 0.8〜2.0 (m 36H) 3.5 (m 1H) 5.2 (m 1H) 7.1〜8.4 (m 11H) 11.1 (s 1H) II) IR(赤外吸収スペクトル) ν(cm-1) 1672 1739 III) MS(マススペクトル) m/e 614(M+ )
【0033】実施例2(使用例) 上記の実施例1で得た光学活性化合物を、下記〔化5
2〕に示すラセミ化合物に10モル%混合して、カイラ
ルスメクチック液晶組成物を製造した。
【化42】 その液晶組成物をポリイミド−ラビング処理を施したセ
ルに注入し、電界強度4V/μmの矩形波電圧を印加時
のSc* 相での自発分極(Ps)、応答時間(τ)、及
びチルト角(θ)を測定した。それぞれの物性値を表1
に示す。
【表1】
【化21】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 (式中R1*及びR2*は炭素数4〜20を有する光学活性
    基を示す。nは1または2の整数を表す。)で示される
    ケトン型強誘電性液晶化合物。
  2. 【請求項2】 前項の一般式[1]で示される化合物を
    2モル%以上含有することを特徴とするカイラルスメク
    チック液晶組成物。
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