JPH05213734A

JPH05213734A - エアゾールマッサージ剤

Info

Publication number: JPH05213734A
Application number: JP4191592A
Authority: JP
Inventors: Toshihiko Takano; 俊彦高野
Original assignee: TOKUSHU AEROSOL KK
Current assignee: TOKUSHU AEROSOL KK
Priority date: 1992-01-31
Filing date: 1992-01-31
Publication date: 1993-08-24
Anticipated expiration: 2016-03-12
Also published as: JP3146052B2

Abstract

(57)【要約】【目的】改良されたグリセリン・マッサージ剤の提
供。【構成】濃グリセリン（８４．０〜９３．５ｗｔ、
％）、グリセリン脂肪酸エステル（０．４〜１．５）、
精製水（４．５〜１５．５）を含む原液とＬＰＧからな
るエアゾールマッサージ化粧料。【効果】グリセリンのマッサージ効果を失わない取
扱い簡便なフォーム形成マッサージ料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、蓄圧充填（エアゾー
ル）マッサージ（ボディーケアー製品）に関し、特に水
性濃グリセリンを液化石油ガスを推進剤として、使用時
に振盪するだけで容易に混和して排出できるグリセリン
マッサージ剤に関する。

【０００２】

【従来技術】濃グリセリンマッサージ用剤は粘稠な流動
性液体で次の特徴がある。すなわちマッサージする際
に適度のスベリの抵抗感がある。従って、マッサージ効
果として肌に対し適当な物理的刺激を与えることがで
き、表皮の血流促進性を効果的に高めることができる。
８４.０％以上の濃度のグリセリンは吸湿性で、然も
さらに高濃度になると(９０.０％付近以上から）その吸
湿と同時に発熱するようになる。その温熱感が先のスベ
リの抵抗感とともに、感覚的にもより有効感を高める結
果になり得る。グリセリンは易水溶性であるために事
後の処理が非常に簡単である。例えば、洗浄設備がない
場合でも、ぬれたタオル(蒸しタオルなど）で容易に拭
きとることができる。

【０００３】グリセリンマッサージ剤には従来から、グ
リセリンに水分を加え薄めて皮膚の保温・柔軟剤として
の利用方法と、濃グリセリンを水で薄めずにそのまま、
マッサージ剤とする用法とがある。マッサージ剤とする
場合には、濃グリセリン（９０〜９８％濃度のもの）を
容器から手のひらにとり、それを顔あるいは全身に塗布
する。温熱マッサージ剤として使用されている。この場
合は、滑剤でありベース剤でもあるグリセリンに添加剤
としてさまざまな美容料（例えば、ビタミン類、タンパ
ク質類、ハーブエキス、海藻末など）を配合しながら施
術することが多い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のグリセリンマッサージ剤には次のような問題がある。
まず、上記美容料等の添加剤はグリセリンに親和性のあ
る水溶性の薬剤を使用しなければならない。次に、他の
一般の発泡、蓄圧充填（エアゾール）製品を考える場
合、その製品成分中において、グリセリンの配合割合が
多くなってゆく程に理想的なフォーム（泡）はできにく
い。処方のバランスを考慮しつつ、界面活性剤により、
グリセリン含量に対応させて良好なフォームを形成させ
るよう検討しなければならない。これは、一つの理由と
して、グリセリンはアルコール程ではないにしろ「消泡
的」に作用するからである。水溶性物質を配合しようと
する時でも、上記の「消泡的」性質と非常に高粘性であ
るために振盪による混和が困難である。例えばこの場
合、水溶性物質または親水性物質(海藻末や乳化した材
料)を濃グリセリンに混和する手段は、加温機械力によ
る撹拌または練り込みしかない。あるいは、水を加えて
濃グリセリンを５０％以上に稀釈し、粘度を下げて振盪
し易くして混和することが必要である。

【０００５】また推進剤については、従来、不燃性であ
り、生体への安全性も高く、多くの物質の溶剤でもある
フロン溶剤は、地球規模の環境汚染乃至は破壊という問
題から事実上、使用は不可能である。そこでエアゾール
用の推進溶解剤としては、液化石油ガスなどの可燃性ガ
スの使用が必須となった。液化石油ガスはＣ2〜Ｃ5炭化
水素系の混合ガスで、それぞれ製品に対応させ、Ｃ2か
らＣ5の配合比を変えて圧力調整を行なってエアゾール
製品としている。しかし、液化石油ガスは炭化水素（油
性）であるために、化学的にグリセリンには混和・相溶
しない。また、粘性の面から物理的にも混和が困難であ
る。本発明は上記諸問題を解消するために以下のような
点を考慮して新規なエアゾールグリセリンマッサージ剤
を提供することを目的とする。解決すべき問題点は、濃グリセリンマッサージ料としての性能、つまり濃
グリセリン特有の粘性をできるだけそのまま維持してフ
ォーム化し、マッサージを行なう際のスベリ抵抗感とし
て利用できるようにすること。マッサージ効果の面から、この濃度と同時に特有の
温熱感も得られるマッサージフォームにすること。効能上の製品の付加価値をあげるために希望する美
容添加剤（水性・油性を問わず）を配合することが可能
なこと。良好なフォームを形成させるために、濃グリセリン
と液化石油ガスの混和を容易にすること。しかも、この
混和方法は用時振盪で使用直前に、数回かるく振るだけ
で容易に混和し、緻密で良好なフォームを形成するこ
と。

【０００６】

【課題の解決手段：発明の構成】上記の目的を満足する
ための本発明は、濃グリセリン８４.０〜９３.５重量
％、グリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂
肪酸エステル０.４〜１.５重量％、精製水４.５〜１５.
５重量％を含む原液９０〜９５重量％と液化石油ガス１
０〜５重量％とからなるエアゾールマッサージ剤であ
る。本発明はさらに、前記の原液と美容効果向上のため
の添加剤を含むエアゾールグリセリンマッサージ剤を提
供する。本発明に用いられるグリセリンは濃度９０〜９
８重量％の市販濃グリセリンである。この濃グリセリン
は粘稠な流動性液体であるが、本発明はグリセリン特有
の吸湿作用およびそれに伴う発熱性を保持したままエア
ゾールとすることにより、グリセリンをフォーム状で塗
布することができ、その取扱いが容易簡便となり、さら
に機能的なマッサージ剤とすることができる。

【０００７】そのため本発明においては、上記濃グリセ
リンを液化石油ガスと混合することが必要であるが、油
性の液化石油ガスは水性の濃グリセリンに対して相溶性
がない。耐圧ガラスビンの中に両者を蓄圧充填した時の
観察状況は、濃グリセリンは高粘性のために揺動性が悪
いが、これに対し液化石油ガスは非常に低粘性である。
これを強く振盪し、一時的に混合させたとしても瞬時に
してまた元の状態に分離して了う。つまり、下層に濃グ
リセリン、上層に液化石油ガスといった姿である。この
状態を解消させるために界面活性剤の存在が必須であ
る。界面活性剤の選択条件は、グリセリンに可溶液
化石油ガスＣ₂〜Ｃ₅とも親和性があり、成る可く少量
で濃グリセリンと液化石油ガスとが相溶性を有するよう
になり、さらに、大切な条件の一つである起泡性と、
そして泡保持性（泡玉がつぶれないように長時間保つ）
があることなどで、これら全てを満足し得るものでなけ
ればならい。

【０００８】本発明者らは、濃グリセリンに溶解し、液
化石油ガスにも親和性の高い界面活性剤を選びだし、検
索・検討を繰り返えして大体、グリセリン脂肪酸エステ
ル類が適切・良好であるということが判った。このグリ
セリン脂肪酸エステル類の中にも、モノグリセリン脂肪
酸エステルからポリグリセリン脂肪酸エステル、またボ
リグリセリンに数個の脂肪酸が結合したポリ脂肪酸エス
テルもある。このグリセリン脂肪酸エステル類に対しさ
らに、検討を加えた結果、濃グリセリンに対する溶解
性、溶解後の室温における粘性、水および液化石油ガス
との親和性そして起泡性（製品化後のフォーム形成性）
と泡保持性等から総合的に判断して探求し、研究を重ね
た結果、特にデカグリセリンのＣ₁₂からＣ₁₈までのモノ
脂肪酸エステルが適当であることが判った。Ｃ₁₂はラウ
リン酸で、このデカグリセリルモノラウレートは起泡性
は軟調で、Ｃ₁₈のステアリン酸、つまりデカグリセリル
モノステアレートは可成り硬めのフォームを形成する。
Ｃ₁₄（ミリスチン酸）、とＣ₁₆（パルミチン酸）はそれ
ぞれＣ₁₂とＣ₁₈エステルの中間的な硬さのフォームを形
成する（Ｃ₁₈のフォームがこの中で最も硬めである）。
このグリセリン脂肪酸エステルの濃グリセリンに対する
添加率は、重量で濃グリセリン(９８％基準）８４.０〜
９３.５％に対しグリセリン脂肪酸エステル０.４〜１.
５％の範囲が好ましい。グリセリン脂肪酸エステルが
０.４％より少ないと界面活性剤としての効果がなくな
り、逆に１.５％より多くなるとグリセリンを希釈する
結果、粘性や温熱感等マッサージ効果に影響を及ぼす原
因となるためいずれも好ましくない。

【０００９】次に本発明において、グリセリンをフォー
ム（泡末）状とするために、界面活性剤と共に水分の存
在が重量である。そして、水分量が多い程フォームは形
成され易い。しかし、この場合には極めてその配合量は
抑えて、可能な限り少なく配合するようにしなければな
らない。すなわち、濃グリセリン(９８％基準)８４.０〜
９３.５％に対して精製水４．５〜１５．５％の割合が
好ましい。水が４.５％より少ないとフォームの形成に
不十分で好ましくない。また水が１５.５％より多い
と、界面活性剤と同様グリセリンが希釈されるため好ま
しくない。以上述べた本発明の基本となる原液の組成
は、濃グリセリン８４.０〜９３.５％グリセリン脂肪酸エステル０.４〜１.５％精製水４.５〜１５.５％である。上記組成の原液は液化石油ガスと容易に混和溶
解し、緻密で取扱い易いフォームを形成させ、優れた皮
膚マッサージ料とすることができる。

【００１０】原液と混和する液化石油ガスの圧力範囲
は、通常４.０ｋｇ／ｃｍ²（その組成はＣ₂：０.２
％，Ｃ₃：３５.７％，ｉＣ₄：１２.０％，ｎＣ₄：５２.
０％，Ｃ₅：０.１％）および５.０ｋｇ／ｃｍ²（組
成；Ｃ₂：０.３％，Ｃ₃：５１.３％，ｉＣ₄：１１.６
％，ｎＣ₄：３６.８％）が使用される。またその充填量
はいずれも重量で５〜１０％の範囲で使用可能である。
本発明の濃グリセリンマッサージ剤は、フォーム形成を
損わない範囲内であれば、美容効果を高めるための成
分、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、色素、ビタミン剤、
タンパク質類、エキス類等を、油性、水性を問わず約
０.５％までの量で配合することができる。

【００１１】次に本発明のエアゾールグリセリンマッサ
ージ剤の調製方法について説明する。まず濃グリセリン
の所定量に、所定量のグリセリン脂肪酸エステルを添加
し、必要ならば少量の防腐剤たとえばパラベン等を添加
し、水浴または高圧水蒸気で８０℃前後に加熱、撹拌し
て溶解する。完全に溶解した後は直ちに５０℃位まで冷
却し、別に５０℃位に加熱しておいた精製水の所定量を
撹拌しながら混和する。混和後室温（２０〜２５℃）に
冷却して原液とする。上記原液に必要に応じて美容効果
促進剤を加え、所定量を液化石油ガスの所定量とともに
蓄圧充填すればエアゾールマッサージ剤を調製すること
ができる。

【００１２】

【発明の具体的開示】次に実施例によって本発明のエア
ゾールグリセリンマッサージ剤の基本処方についてさら
に詳しくかつ具体的に説明する。なお本発明はこれら実
施例の態様に限定されるものではない。配合量は重量％
である。〔実施例１〕濃グリセリン（濃度９８.０％）８９.９（重量％）デカグリセルモノミリステート１.０パラベン０.１精製水９.０調製法：（Ａ）濃グリセリンにデカグリセリルモノミリ
ステート（界面活性剤）およびパラベンを一緒に溶解槽
に秤取し、水溶または高圧水蒸気で８０℃に加熱・撹拌
し溶解する。（Ｂ）別の溶解槽に精製水を秤取し、５０℃に加温して
おく（この場合、できる限り水分蒸散をさせない方法で
行なう）。（Ｃ）Ａが完溶後は直ちに水冷し５０℃まで冷却し、撹
拌を続けながらＢを加えて混和する。混和後は再び水冷
を開始し室温（２５℃〜２０℃）に迄冷却し、原液とす
る。デカグリセリルモノミリステートと精製水とが混和した
ことによって濃グリセリンの粘度は大きく下り、振盪動
作によるこの原液と液化石油ガスとの混和性は改善され
て至極良好な状態となる。このようにして調製された原
液９５重量％を蓄圧充填容器に入れ排出バルブを装着し
て密封し、液化石油ガス５重量％を充填する。液化石油
ガスの圧力は５.８％配合比率）のものを使用した。

【００１３】なお、原液を蓄圧充填容器に入れ、排出バ
ルブを装着する前に、直径が７.０ｍｍのガラス球ある
いはステンレス鋼球を１個封入した。このように球を封
入することによって、振盪による混和がさらに良くな
り、フォームの質を向上させることができる。振盪で球
が撹拌・混和を補助するからである。使用する液化石油
ガスの圧力範囲ならびに充填量については、圧力が４.
０Ｋｇ／ｃｍ²(Ｃ₂：０.２％，Ｃ₃：３５.７％，ｉ
Ｃ₄：１２.０％，ｎＣ₄：５２.０％，Ｃ₅：０.１％）ー
５.０Ｋｇ／ｃｍ²を充填量：５〜１０重量％の範囲で使
用が好ましい。

【００１４】この液化石油ガスを使用する場合の圧力お
よび充填量の選択、決定は、先に示した標準的処方に加
え、さらに何等かの美容促進添加剤が追加配合された場
合（それが殆どであるが）、随時、液化石油ガスとの混
和性（関係）を検討しつつ選択する。この混和状態が外
部に排出させた時のフォーム質に直接関係し、この事が
エアゾール製品としての品質評価の一つとなるからであ
る。つまり、追加配合される物質が油性（例：ビタミン
Ｅなど）か水性（例：加水分解タンパク質など）かでフ
ォームの状況は可成り変ってくる。原液の素質を見極め
ながら、最も適切であると考えられるガス圧と充填量を
決定する。このようにして調製したグリセリンマッサー
ジ剤は、使用の際に、数回かるくに振盪し、弁を開いて
（ボタンを押して）中味を排出し、フォーム（泡末）状
に排出された濃グリセリンをつぶすようにして皮膚にの
ばしながらマッサージする。この場合、使用する容器な
らびに排出ボタン（スパウト）は正立型でも倒立形でも
構わない。

【００１５】〔実施例２〜１２〕表１に示した処方をベ
ースにしてビタミン、タンパク質など保湿、保護、栄養
等の目的をもつ薬剤を配合して、それぞれベースの様相
を観察しながら、グリセリンと精製水のバランス調整を
行ない実施例１に準じて製品を得た。

【表１】グリセリンマッサージフォーム〈ベース処方〉実施例 2 3 4 5 6 7 濃グリセリン 93.5 93.5 93.5 84.1 84.1 84.1 モノラウリン酸デカグリセリン 0.4 0.4 モノミリスチン酸デカグリセリン 0.4 0.4 モノステアリン酸デカグリセリン 0.4 0.4 メチルパラベン 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 精製水 5.0 5.0 5.0 15.5 15.5 15.5 合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 実施例 8 9 10 11 12 濃グリセリン 93.5 93.5 93.5 89.9 89.9 モノラウリン酸デカグリセリン 1.0 1.0 モノミリスチン酸デカグリセリン 1.0 モノステアリン酸デカグリセリン 1.0 1.0 メチルパラベン 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 精製水 5.4 5.4 5.4 9.0 9.0 合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

【００１６】

【発明の効果】本発明のマッサージ剤はフォーム（泡
末）の状態も硬めであり、濃グリセリン同様にマッサー
ジに抵抗感があり温熱感もある。液体の濃グリセリンと
は異り、取り扱い上で流れる（たれる）気遣いも要らず
気軽に、そして気持ちよく使用することができる。従っ
て、マッサージをしようとする個所が水平面（上向き
面）の場合のみでなく、縦状（人が坐った姿勢時の顔ま
たは、背中、腕を真直ぐに前方へ伸ばした時のヒジ、あ
るいは腕）などの場合にも、このグリセリンマッサージ
剤は便利に使用できる。つまり、この排出されたフォー
ムを一旦手のひらにとり、その目的の個所に当ててつぶ
しながらマッサージすることもできる。マッサージ終了
後は、水またはぬるま湯で洗い流すか（簡単に洗い流す
ことができる）または蒸しタオルのようなぬれたタオル
でも簡単に拭きとることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所 // Ａ６１Ｈ 7/00 ３００ 8119−4Ｃ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】濃グリセリン８４.０〜９３.５重量％、
グリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸
エステル０.４〜１.５重量％、精製水４.５〜１５.５
重量％を含む原液９０〜９５重量％と液化石油ガス１
０〜５重量％とからなるエアゾールマッサージ剤。
【請求項２】原液が０.５％までの通常の化粧品身体
手入れ製品に使用される添加剤を含む請求項１に記載の
エアゾールマッサージ剤。