JPH0521163U - ユニツトインジエクタ用プツシユロツド脱落防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インジェクタのプランジャがスティックを起
こした場合でもロッカア−ム、プッシュロッド、および
カムフォロワ−が互いに外れることなく接合状態を保つ
ようにしたもの。 【構成】 ロッカア−ム１、ロッカア−ム１に接合され
たプッシュロッド２、プッシュロッド２に接合されたカ
ムフォロワ−３、およびカムフォロワ−３のロ−ラ４に
接触するカム５等を備えたユニットインジェクタ６の作
動装置において、カムフォロワ−３と、カムフォロワ−
３を回動自在に支持するシリンダブロック７側との間
に、一端をシリンダブロック７側で支持して、他端でカ
ムフォロワ−３を吊り上げるように付勢するばね８を設
けたもの。 【効果】 従来のようにプッシュロッドがロッカア−
ム、またはカムフォロワ−から外れて２次破損を起こす
ような不具合は解消される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はディ−ゼルエンジン等に燃料を供給するユニットインジェクタ（燃料 噴射装置）に係り、特にユニットインジェクタ用プッシュロッド脱落防止装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来からユニットインジェクタ（燃料噴射装置）１１の構造としては例えば、 図３に断面で示すようにエンジンに同期して揺動するロッカア−ム１２，燃料加 圧用のプランジャ１３，プランジャ１３をロッカア−ム１２側に付勢しているば ね１４，圧力室１５，図示しない燃料フイ−ドポンプからの燃料通路１６，ノズ ル１７への噴射燃料通路２２などで構成されている。

【０００３】 その作動はプランジャ１３が一番上にある状態で、燃料フィ−ドポンプから送 られた燃料は燃料通路１６を通って圧力室１５に送られ、主燃料通路２９を経て 図示しない逃がし通路から燃料タンクに戻される。つぎにロッカア−ム１２を揺 動させるとプランジャ１３は下降し、圧力室１５の燃料通路１６の入口は閉じら れ、プランジャ１３により押し出された燃料は主燃料通路２９を経て逃がし通路 から逃がされる。さらに、ロッカア−ム１２が揺動してプランジャ１３を押し下 げながら図示してない制御装置からの信号によって作動させて、ノズル１７に通 ずる噴射燃料通路２２の圧力は高圧となり、噴射する。プランジャ押し下げ行程 において制御装置からの信号を受けて、主燃料通路２９と逃がし通路とを通過さ せると、燃料の圧力は低下し噴射は完了するようになる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このように上記インジェクタが正常に運転されている場合は、図４に示すよう にユニットインジェクタのばね１４により常にカムフォロワ−３０、プッシュロ ッド３１、ロッカア−ム１２が互いに接合されて、ロッカア−ム１２はユニット インジェクタ１１の頭部に接している。しかしながら１個のユニットインジェク タのプランジャ１３が作動中にスティックを起こして固着した場合、インジェク タ１１のばね力でカムフォロワ−３０、プッシュロッド３１、ロッカア−ム１２ を抑えることができなくなり、ユニットインジェクタ１１の頭部とロッカア−ム １２と間には接触出来ないような間隙が生じてしまう。この場合でも多気筒エン ジンであればスティックを起こさない他気筒の部分により運転され続けることに なる。このようにロッカア−ム１２がユニットインジェクタ１１の頭部に接しな いような間隙を生ずると、プッシュロツド３１がロッカア−ム１２のアジァスト スクリュ部、または、カムフォロワ−３０の受け部から外れてしまうことがある 。しかしてプッシュロッド３１の接合が外れて接合部の肩に乗り上げると、ロッ カア−ム１２の破損、カム３２の破損等のエンジンオ−バホ−ルにつながる不具 合となり問題であった。

【０００５】 本考案はこれに鑑み、インジェクタのプランジャがスティックを起こした場合 でもロッカア−ム、プッシュロッド、およびカムフォロワ−が互いに外れること なく接合状態を保つことができるようにしたユニットインジェクタ用プッシュロ ッド脱落防止装置を提供して従来技術の持つ欠点の解消を図ることを目的として なされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記従来技術の問題点を解決する手段として本考案は、ロッカア−ム、ロッカ ア−ムに接合されたプッシュロッド、プッシュロッドに接合されたカムフォロワ −、およびカムフォロワ−のロ−ラに接触するカム等を備えたユニットインジェ クタの作動装置において、該カムフォロワ−と、カムフォロワ−を回動自在に支 持するシリンダブロック側との間に、一端をシリンダブロック側で支持して、他 端でカムフォロワ−を吊り上げるように付勢するばねを設けたことを特徴とする 。

【０００７】

【作用】 上記構成によれば、カムフォロワ−はばねにより吊り上げるように付勢されて いるから、プッシュロッドがロッカア−ムまたはカムフォロワ−から離れ落ちる 不具合がなくなり、ユニットインジェクタのプランジャがスティックした場合に も良好な連結状態を保てることになる。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案にかかるユニットインジェクタ用プッシュロッド脱落防止装置の 一実施例を示す側面図である。

【０００９】 本考案はロッカア−ム１、ロッカア−ム１に接合されたプッシュロッド２、プ ッシュロッド２に接合されたカムフォロワ−３、およびカムフォロワ−３のロ− ラ４に接触するカム５等を備えたユニットインジェクタ６の作動装置において、 該カムフォロワ−３と、カムフォロワ−３を回動自在に支持するシリンダブロッ ク７側との間に、一端をシリンダブロック７側で支持して、他端でカムフォロワ −３を吊り上げるように付勢するばね８を設けたものである。

【００１０】 カム５の上部には、カムフォロワ−３のロ−ラ４が接するように設けられ、カ ムフォロワ−３はシリンダブロック７に設けられた回転軸９を支点として回動す るようになっている。したがってカム５が回転するとこれに伴いロ−ラ４は上下 し、カムフォロワ−３の上部に設けられた凹部３ａに嵌装により接合されたプッ シュロッド２も上下する。プッシュロッド２の上端は凹部２ａに形成され、この 凹部２ａにロッカア−ム１の一端に設けられたピン１ａの頭部が嵌装により接合 されている。そしてロッカア−ム１の他端は正常時インジェクタ６の頭部に接し ており、インジェクタ６をカム５の回転によりプッシュロッド２を介して押圧す るようになっている。

【００１１】 しかして、インジェクタ６内のプランジャがスティック等により下降したまま の状態となると、正常時インジェクタ６の頭部を押していたロッカア−ム１との 間に間隙ができることにより、ロッカア−ム１の他端はインジェクタ６の頭部に 達せず空押し運動するため、従来ではプッシュロッド２がカムフォロワ−３から 離れ易くなるが、本考案ではばね８によりカムフォロー３を常に上向きに保持す るように付勢しているので、プッシュロッド２がカムフォロワ−３から脱落する 不具合が防止されることになる。また、ばね８の上方への引き上げ力はカムフォ ロワ−３、プッシュロッド２の自重による力よりも大きなものとし、インジェク タ６のばね１０よりも小さいものとする。したがってばね８は図１に示すように コイルばねとし必要に応じて上のみ、あるいは上下の２ヵ所に設けてもよい。

【００１２】 図２は本考案の他の実施例を示すもので、図１のコイルばね８の代わりに捩り ばね８′を用いたものである。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、ロッカア−ム、ロッカア−ムに接合されたプッ シュロッド、プッシュロッドに接合されたカムフォロワ−、およびカムフォロワ −のロ−ラに接触するカム等を備えたユニットインジェクタの作動装置において 、該カムフォロワ−と、カムフォロワ−を回動自在に支持するシリンダブロック 側との間に、一端をシリンダブロック側で支持して、他端でカムフォロワ−を吊 り上げるように付勢するばねを設けたから、例えばインジェクタのプランジャが 下降した状態でスティックしたような場合でも、ロッカア−ム、プッシュロッド 、カムフォロワ−との間は常時接合状態を保つことができ、したがって従来のよ うにプッシュロッ ドがロッカア−ム、またはカムフォロワ−から外れて２次破損を起こすような不 具合は解消される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるユニットインジェクタ用プッシ
ュロッド脱落防止装置の一実施例の側面の説明図であ
る。

【図２】本考案のユニットインジェクタ用プッシュロッ
ド脱落防止装置の他の実施例の側面の説明図である。

【図３】従来のユニットインジェクタの構造を示す断面
の説明図である。

【図４】従来のユニットインジェクタを作動させるロッ
カア−ム、プッシュロッド、カム等からなる作動装置の
説明図である。

【符号の説明】

１ ロッカア−ム ２ プッシュロッド ３ カムフォロワ− ４ ロ−ラ ５ カム ６ インジェクタ ７ シリンダブロック ８，８′ ばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロッカア−ム、ロッカア−ムに接合され
   たプッシュロッド、プッシュロッドに接合されたカムフ
   ォロワ−、およびカムフォロワ−のロ−ラに接触するカ
   ム等を備えたユニットインジェクタの作動装置におい
   て、該カムフォロワ−と、カムフォロワ−を回動自在に
   支持するシリンダブロック側との間に、一端をシリンダ
   ブロック側で支持して、他端でカムフォロワ−を吊り上
   げるように付勢するばねを設けたことを特徴とするユニ
   ットインジェクタ用プッシュロッド脱落防止装置。