JPH05210256A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリ

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JPH05210256A
JPH05210256A JP4287778A JP28777892A JPH05210256A JP H05210256 A JPH05210256 A JP H05210256A JP 4287778 A JP4287778 A JP 4287778A JP 28777892 A JP28777892 A JP 28777892A JP H05210256 A JPH05210256 A JP H05210256A
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oxytitanium phthalocyanine
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Yoshiyuki Yoshihara
淑之 吉原
Hideyuki Takai
秀幸 高井
Kazufumi Inai
一史 井内
Itaru Yamazaki
至 山▲崎▼
Tetsuo Kanamaru
哲郎 金丸
Hideki Anayama
秀樹 穴山
Hideyuki Sonoya
英之 相野谷
Hajime Miyazaki
元 宮崎
Junichi Kishi
淳一 岸
Nobuyuki Hanami
信之 葉波
Shunkai Sako
春海 酒匂
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高感度で残留電位も低く、繰り返し使用時に
も優れた電子写真特性を有する電子写真感光体、及びこ
の電子写真感光体を有する電子写真装置、装置ユニット
及びファクシミリを提供する。 【構成】 オキシチタニウムフタロシアニン及び下記式
(1)の構造を有するポリビニルアセタール樹脂を含有
する感光層を有する。式(1) (式中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ニトロ基及びシアノ基を示し、Yはフッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは特定の化合物と特定の樹脂を含有する感光
層を有する電子写真感光体に関する。
【0002】また、本発明は、上記電子写真感光体を有
する電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリに関
する。
【0003】
【従来の技術】近年、有機材料を用いた電子写真感光体
は数多くの複写機やプリンタに搭載されるようになり、
用いる材料の研究・開発も盛んである。
【0004】それらの材料の中は特に、オキシチタニウ
ムフタロシアニンが注目されている。オキシチタニウム
フタロシアニンは600〜800nm付近の波長の光に
高い感度を有するため、LEDや半導体レーザーを光源
とする電子写真プリンタ用あるいはデジタル複写機用の
感光体材料として極めて有用である。
【0005】しかしながら、オキシチタニウムフタロシ
アニンを用いた電子写真感光体は高い感度を有するもの
の、使用条件によっては、残留電位が比較的高くなると
いう欠点を有している。例えば、オキシチタニウムフタ
ロシアニンを電荷輸送材料と組み合わせて用いる場合、
オキシチタニウムフタロシアニンのイオン化ポテンシャ
ルは、従来通常用いられる電荷輸送材料のイオン化ポテ
ンシャルに比べて低いため、電界強度の低い領域ではキ
ャリアの注入が十分に行われないことが残留電位が高く
なる要因のひとつとなっていると思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような特性を有す
る電子写真感光体を電子写真のプロセス速度が速い系、
あるいはプロセスサイクルの短い系、更にはレーザー露
光を用いる場合のレーザースポットが小さい系などに用
いると、良好な電位コントラストをとりにくくなる。ま
た、オキシチタニウムフタロシアニン以外の構成、即ち
電荷輸送層、中間層あるいは表面保護層などの処方設計
のラチチュードも狭くなってしまう。
【0007】加えて、近年の更なる高画質化及び高耐久
化に伴い、より高い感度を有し、繰り返し使用時にもよ
り優れた電子写真特性を有する電子写真感光体が検討さ
れている。
【0008】本発明の目的は、高感度で残留電位も低
く、優れた耐久性を有する電子写真感光体を提供するこ
とにある。
【0009】また、本発明の目的は、上記電子写真感光
体を有する電子写真装置、装置ユニット及びファクシミ
リを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、導電性
支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該
感光層がオキシチタニウムフタロシアニン及び下記式
(1)
【0011】
【外2】 (式中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ニトロ基及びシアノ基を示し、Yはフッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。)で
示される構成単位を有するポリビニルアセタール樹脂を
含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0012】また、本発明は、上記電子写真感光体を有
する電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリであ
る。
【0013】本発明に用いられるオキシチタニウムフタ
ロシアニンは、下記式で示される構造を有する。
【0014】
【外3】 (式中、X1 、X2 、X3 及びX4 はC1またはBrを
示し、h、i、j及びkは0〜4を示す。)
【0015】オキシチタニウムフタロシアニンは、他の
フタロシアニンと同様に様々な結晶形を有する。例え
ば、特開昭59−49544号公報(USP4,44
4,861)、特開昭59−166959号公報、特開
昭61−239248号公報(USP4,728,59
2)、特開昭62−67094号公報(USP4,66
4,997)、特開昭63−366号公報、特開昭63
−116158号公報、特開昭63−198067号公
報及び特開昭64−17066号公報などは各々異なっ
た結晶形を有するオキシチタニウムフタロシアニン、そ
の製造方法及びその電子写真特性などが記載されてい
る。
【0016】これらの中でも特にCuKαのX線回折に
おけるブラッグ角(2θ±0.2°)が9.0°、1
4.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有
する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンが、高感
度で本発明が有効に作用するので好ましい。
【0017】本発明者らは、オキシチタニウムフタロシ
アニンを含有するバインダー樹脂に着目し、鋭意検討を
重ねたところ、オキシチタニウムフタロシアニンと特定
の構造を有する樹脂を用いた電子写真感光体が残留電位
を低く保ち、感度劣化を起こさずに繰り返し使用時の電
位特性を改善する効果を有することを見出し、本発明に
至った。
【0018】ポリビニルアセタール樹脂としては、ブチ
ルアルデヒドとポリビニルアルコールから製造される市
販のブチラール樹脂は公知であるが、これに対し本発明
で用いるポリビニルアセタール樹脂は、ブチルの代りに
置換アリール基を導入しており、更に、その置換基が電
子吸引性である。このようなバインダー樹脂を用いるこ
とにより、電荷発生物質であるオキシチタニウムフタロ
シアニンを含有する層のイオン化ポテンシャルが大きく
なるとともに、層中の電子搬送性も上がるものと考えら
れ、その結果、残留電位を下げる効果が得られたと推察
される。
【0019】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂は、通常のブチラール樹脂と同様な方法、即ち、ポ
リビニルアルコールと置換アリールアルデヒドを、例え
ばメタノールとベンゼンの混合溶剤中で塩酸や硫酸など
の酸の存在下、20〜70℃で反応させることにより得
ることができる。
【0020】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂の重量平均分子量は10,000〜500,000
の範囲であることが好ましく、特には30,000〜1
00,000の範囲であることが好ましい。10,00
0より小さいと顔料の分散性や膜の成膜性が不十分にな
ることがあり、500,000を超えると合成時のハン
ドリングに不具合が生じ易く、しかも顔料分散時の粘度
が高くなるので分散不良を引き起こすことがある。
【0021】また、本発明に用いられるポリビニルアセ
タール樹脂のアセタール化度は50モル%以上であるこ
とが好ましく、65〜85モル%であることがより好ま
しい。50モル%より低いと溶剤に対する樹脂の溶解性
が低下し過ぎることがあり、また、置換アリール基の数
が少なくなるために、本発明の効果が十分得られない場
合がある。また、85モル%より高いアセタール化度を
有する樹脂は、合成するのが困難である。
【0022】また、本発明においては、原料のポリビニ
ルアルコールに由来する残存酢酸ビニル成分の含有率は
低い程有効であるが、ポリビニルアルコールのケン化度
が85%以上のものを原料として使用することが好まし
い。85%より低いとアセタール化度が低くなり易くな
る。
【0023】更に、本発明においては、本発明のポリビ
ニルアセタール樹脂と共に他の既知のバインダー樹脂を
ブレンドして併用してもよい。混合割合は、樹脂全重量
に対し、本発明のポリビニルアセタール樹脂が50重量
%以上であることが好ましく、特には、70重量%以上
であることが好ましい。
【0024】以下に本発明で使用されるポリビニルアセ
タール樹脂の構成単位の好ましい具体例を例示するが、
これらに限られるものではない。
【0025】
【外4】
【0026】
【外5】
【0027】これらの中では、特にNo.1、2、3及
び4で示される構成単位を有するものが好ましく、更に
は、No.2及び4で示される構成単位を有するものが
好ましい。
【0028】本発明における感光層には、電荷発生材料
を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸
送層とを有する、所謂積層型、あるいは電荷発生材料と
電荷輸送材料とを同一の層に含有する、所謂単層型があ
る。前者の場合、積層の順序が2通りあり、そのうち導
電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順で積層す
る構成がより好ましい。
【0029】電荷発生層は、ポリビニルアセタール樹脂
を適当な溶剤に溶解した後、この溶液に電荷発生材料で
あるオキシチタニウムフタロシアニンを加え、サンドミ
ルやロールミルなどで分散した分散液を、塗布し、乾燥
することによって形成される。
【0030】電荷発生層中のオキシチタニウムフタロシ
アニンと本発明のポリビニルアセタール樹脂の割合は、
重量で10:1〜1:5であることが好ましく、6:1
〜1:2であることがより好ましい。10:1よりポリ
ビニルアセタールが少ないと本発明の効果が十分得られ
ないことがあり、1:5より多いと本来の電荷発生機能
が得られないことがある。
【0031】また、膜厚は5μm以下であることが好ま
しく、特には、0.05〜1μmであることが好まし
い。
【0032】電荷輸送層は、電荷輸送材料とバインダー
樹脂を適当な溶剤中に溶解した溶液を、塗布し、乾燥す
ることによって形成される。
【0033】用いられる電荷輸送材料としては各種のト
リアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチ
ルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系
化合物、チアゾール系化合物及びトリアリルメタン系化
合物などが挙げられる。
【0034】また、用いられるバインダー樹脂として
は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルカル
バゾール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リビニルアセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリ
レート樹脂及び塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体樹脂などが挙げられる。
【0035】膜厚は5〜40μmであることが好まし
く、特には15〜30μmであることが好ましい。
【0036】感光層が単層型の場合、感光層はオキシチ
タニウムフタロシアニンと上述のような電荷輸送物質を
少なくとも本発明のポリビニルアセタール樹脂に分散及
び溶解した溶液を、塗布し、乾燥することにより形成さ
れる。
【0037】膜厚は5〜40μmであることが好まし
く、特には15〜30μmであることが好ましい。
【0038】本発明に用いられる導電性支持体として
は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステ
ンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニ
ッケル、インジウム、金及び白金などが挙げられる。ま
た、こうした金属あるいは合金を、真空蒸着法によって
被覆形成したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート及びアクリル樹脂など)や、導電性粒子(例えばカ
ーボンブラック及び銀粒子など)を適当なバインダー樹
脂と共にプラスチックまたは金属あるいは合金の基板上
に被覆した支持体、あるいは導電性粒子をプラスチック
や紙に含浸した支持体などが挙げられる。支持体の形状
としては、ドラム状、シート状及びベルト状などが挙げ
られるが、適用される電子写真装置に最も適した形状に
することが好ましい。
【0039】本発明においては、導電性支持体と感光層
の間にバリヤー機能と接着機能を持つ下引層を設けるこ
ともできる。下引層はカゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキ
シメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン及び酸化アル
ミニウムなどによって形成できる。
【0040】下引層の膜厚は5μm以下であることが好
ましく、特には0.1〜3μmであることが好ましい。
【0041】更に、本発明においては、感光層を外部か
らの機械的及び化学的悪影響から保護するために、保護
層として樹脂層や、導電性粒子や電荷輸送物質を含有す
る樹脂層などを感光層上に設けることも出来る。
【0042】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、ファクシミリ、レーザービーム
プリンタ、CRTプリンタ、LEDプリンタ、液晶プリ
ンタ及びレーザー製版などの電子写真応用分野にも広く
用いることができる。
【0043】図1に本発明の電子写真感光体を用いた電
子写真装置の概略構成を示した。
【0044】図において、1は像担持体としてのドラム
型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度
で回転駆動される。該感光体1は、その回転過程で帯電
手段2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯
電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段によ
り光像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光
など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応
した静電潜像が順次形成されていく。
【0045】その静電潜像は次いで現像手段4でトナー
現像され、このトナー現像像は、不図示の給紙部から感
光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取り
されて給送された転写材Pに転写手段5により順次転写
されていく。
【0046】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0047】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され
て、更に、前露光手段7により除電処理されて繰り返し
て像形成に使用される。
【0048】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。本発明
においては、上述の感光体、現像手段及びクリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、帯電手
段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも1つを
感光体と共に一体に支持してユニットを形成し、装置本
体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールな
どの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。こ
のとき、上記の装置ユニットのほうに帯電手段及び/ま
たは現像手段を伴って構成しても良い。
【0049】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透
過光を感光体に照射すること、あるいは、センサーで原
稿を読取り、信号化し、この信号に従ってレーザービー
ムの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッター
アレイの駆動などを行い感光体に光を照射することなど
により行われる。
【0050】また、ファクシミリのプリンタとして使用
する場合には、光像露光Lは受信データをプリントする
ための露光になる。図2はこの場合の一例をブロック図
で示したものである。
【0051】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンタ19を制御する。コントローラ11の全体はCPU
17により制御されている。画像読取部からの読取デー
タは、送信回路13を通して相手局に送信される。相手
局から受けたデータは受信回路12を通してプリンタ1
9に送られる。画像メモリには所定の画像データが記憶
される。プリンタコントローラ18はプリンタ19を制
御している。14は電話である。
【0052】回線15から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回
路12で復調された後、CPU17は画像情報の複号処
理を行い順次画像メモリ16に格納される。そして、少
なくとも1ページの画像がメモリ16に格納されると、
そのページの画像記録を行う。CPU17は、メモリ1
6より1ページの画像情報を読み出しプリンタコントロ
ーラ18に複号化された1ページの画像情報を送出す
る。プリンタコントローラ18は、CPU17からの1
ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記
録を行うべく、プリンタ19を制御する。
【0053】尚、CPU17は、プリンタ19による記
録中に、次のページの受信を行っている。
【0054】以上のようにして、画像の受信と記録が行
われる。
【0055】次に、オキシチタニウムフタロシアニン及
びポリビニルアセタール樹脂の合成例と、それらを用い
た実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
【0056】合成例1(オキシチタニウムフタロシアニ
ンの合成) α−クロルナフタレン100g中、o−フタロジニトリ
ル5.0g、四塩化チタン2.0gを200℃にて3時
間加熱撹拌したのち、50℃まで冷却して析出した結晶
を濾別、ジクロロチタニウムフタロシアニンのペースト
を得た。次にこのペーストを100℃に加熱したN,
N′−ジメチルホルムアミド100mlで撹拌下洗浄、
次いで60℃のメタノール100mlで2回洗浄を繰り
返し、濾別した。更に、得られたペーストを脱イオン水
100ml中80℃で1時間撹拌後、濾別して青色のオ
キシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。収量は4.
3gであった。
【0057】得られた化合物の元素分析値は以下の通り
であった。
【0058】元素分析値(C32168 TiO)
【0059】
【表1】
【0060】次に、この結晶を濃硫酸30mlに溶解さ
せ、20℃の脱イオン水300ml中に撹拌下で滴下し
て再析出させて濾過し十分に水洗した後、非晶質のオキ
シチタニウムフタロシアニンを得た。このようにして得
られた非晶質のオキシチタニウムフタロシアニン4.0
gをメタノール100ml中室温(22℃)下、8時間
懸濁撹拌処理し、濾別後、減圧乾燥して低結晶性のオキ
シチタニウムフタロシアニンを得た。次に、このオキシ
チタニウムフタロシアニン2.0gにn−ブチルエーテ
ル40mlを加え、1mmφのガラスビーズと共にミリ
ング処理を室温(22℃)下20時間行った。
【0061】この分散液より固形分を取り出し、メタノ
ール、次いで水で十分に洗浄、乾燥して本発明の新規な
結晶のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。収量は
1.8gであった。このオキシチタニウムフタロシアニ
ンのCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±
0.2°は、9.0°、14.2°、23.9°及び2
7.1°に強いピークを有していた。
【0062】合成例2(オキシチタニウムフタロシアニ
ンの合成) 特開昭61−239248号公報(USP4,728,
592)に開示されている合成例に従って、所謂α型と
よばれているオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
【0063】合成例3(オキシチタニウムフタロシアニ
ンの合成) 合成例1と同様にして非晶質のオキシチタニウムフタロ
シアニンを得た。このようにして得られた非晶質のオキ
シチタニウムフタロシアニン10重量部(以下、部とす
る)に塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7
部を混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間
ミリング処理を行った。次に、この処理品に含まれる塩
化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去する
ために十分な水洗を行った。これを減圧乾燥した後にシ
クロヘキサノン200部と1mmφのガラスビーズを加
えて、30分間サンドミルにより処理を行い、オキシチ
タニウムフタロシアニン結晶を得た。このオキシチタニ
ウムフタロシアニン結晶のX線回折におけるブラッグ角
2θ±0.2°は、9.5°、9.7°、11.7°、
15.0°、23.5°、24.1°及び27.3°に
強いピークを有していた。
【0064】合成例4(樹脂No.2の樹脂の合成) 3リットル三ツ口フラスコにメタノール250gとベン
ゼン250gの混合液を入れ、撹拌下ポリビニルアルコ
ール(重合度500、ケン化度98.5±0.5mol
%(株)クラレ製)50gとm−ニトロベンズアルデヒ
ド750gを加えた後、濃塩酸5gを滴下した。反応温
度を55〜60℃に保ちながら、40時間撹拌した。反
応後苛性ソーダ4gを10リットルのメタノールに溶か
した液に反応液を注加し、析出した樹脂を濾過水洗し
た。アセトン/ベンゼン=1/1の混合液2リットルに
これを溶解し、18リットルのメタノール中に滴下し再
沈精製した。これを濾取し、減圧乾燥した。収量は83
gであった。
【0065】この樹脂のアセタール化度を、日本工業規
格K6728(ポリビニルブチラール試験方法)記載の
方法に準じて測定したところ、アセタール化度は66%
であった。
【0066】また、本発明に使用される他のポリビニル
アセタール樹脂も上記方法によって同様に合成される。
【0067】
【実施例】
実施例1 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25
部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリ
コーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体、重量平均分子量3000)0.002
部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2
時間分散して導電層用塗料を調製した。
【0068】アルミニウムシリンダー(φ30mm×2
60mm)上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で3
0分間乾燥し、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0069】この上に6−66−610−12四元系ポ
リアミド共重合体樹脂(重量平均分子量29000)5
部をメタノール70部とブタノール25部の混合溶媒に
溶解した溶液をディッピング法で塗布し、乾燥して1μ
m厚の下引層を設けた。
【0070】次に、本発明の合成例1で得られたオキシ
チタニウムフタロシアニン結晶4部と、本発明の合成例
4で得られたポリビニルアセタール樹脂2部をシクロヘ
キサノン100部に添加し、1mmφのガラスビーズを
用いたサンドミルで2時間分散し、これに100部のメ
チルエチルケトンを加えて、希釈した後回収して、これ
を下引層上に塗布した後、80℃で10分間乾燥して、
膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0071】次に、下記構造式
【0072】
【外6】 で示される電荷輸送材料10部とビスフェノールZ型ポ
リカーボネート樹脂(重量平均分子量25000)10
部をモノクロルベンゼン60部に溶解した溶液を作成
し、電荷発生層上にディッピング法により塗布した。こ
れを110℃の温度で1時間乾燥して20μm厚の電荷
輸送層を形成した。
【0073】得られた感光体をレーザービームプリンタ
(商品名:LBP−SX、キヤノン製)に設置し、暗部
電位が−700(V)になるように帯電設定し、これに
波長802nmのレーザー光を照射して−700(V)
の電位を−150(V)まで下げるので必要な光量を測
定し感度とした。また、10μJ/cm2 の光量におけ
る電位を測定し、これを残留電位とした。更に感光体の
表面電位−150Vになる光量で2000枚の空帯電耐
久を行い、2000枚後の電位を測定した。
【0074】尚、用いたプリンタのレーザービームのス
ポット径は主走査方向で85μm、副走査方向で100
μmである。また、プロセススピードは47mm/se
cである。
【0075】結果を表1に示す。
【0076】比較例1 ポリビニルアセタール樹脂として市販のブチラール樹脂
(商品名:BM−2、積水化学製)を用いたことを除い
ては実施例1と同様にして感光体を作成し、評価した。
【0077】結果を表1に示す。
【0078】
【表2】
【0079】実施例2 合成例4におけるm−ニトロベンズアルデヒドの代りに
p−クロルベンズアルデヒドを用いて合成したポリビニ
ルアセタール樹脂を用いたことを除いては実施例1と同
様にして感光体を作成し、評価した。
【0080】結果を表2に示す。
【0081】実施例3 合成例4におけるn−ニトロベンズアルデヒドの代りに
m−シアノベンズアルデヒドを用いて合成したポリビニ
ルアセタール樹脂を用いたことを除いては実施例1と同
様にして感光体を作成し、評価した。
【0082】結果を表2に示す。
【0083】実施例4 合成例2で得られたオキシチタニウムフタロシアニンを
用いたことを除いては実施例1と同様にして感光体を作
成し、評価した。
【0084】結果を表2に示す。
【0085】実施例5 製造例3で得られたオキシチタニウムフタロシアニンを
用いたことを除いては実施例1と同様にして感光体を作
成し、評価した。
【0086】結果を表2に示す。
【0087】
【表3】
【0088】実施例6 アルミニウムシリンダーとして80φ×360mmのも
のを用いたことを除いては実施例1と同様にして感光体
を作成した。
【0089】得られた感光体をデジタルカラー複写機
(商品名:CLC−500、キヤノン製)に設置し、暗
部電位が−700(V)になるように帯電設定し、これ
に波長790nmのレーザー光を照射して−700
(V)の電位を−200(V)まで下げるのに必要な光
量を測定し感度とした。また、10μJ/cm2 の光量
における電位を測定し、これを残留電位とした。
【0090】尚、用いた複写機のレーザービームのスポ
ツト径は主走査方向で40μm、副走査方向で60μm
である。また、プロセススピードは160mm/sec
である。
【0091】結果を表3に示す。
【0092】比較例2 アルミニウムシリンダーとして80φ×360mmのも
のを用いたことを除いては比較例1と同様にして感光体
を作成した。得られた感光体を実施例6と同様にして評
価した。
【0093】結果を表3に示す。
【0094】
【表4】
【0095】実施例7 ポリテトラフロロエチレン粉体(商品名:ルブロンL−
2、ダイキン工業製)1部を、ビスフェノールZ型ポリ
カーボネート樹脂(重量平均分子量30000)3部の
モノクロルベンゼン溶液に分散し、これに実施例1で用
いた電荷輸送材料2部を加えて保護層用塗料を調製し
た。この塗料を実施例1と同様にして作成した感光体上
にスプレー塗布し、乾燥し、2μmの保護層を形成し
た。得られた感光体を実施例1と同様にして評価した。
【0096】結果を表4に示す。
【0097】比較例3 比較例1と同様にして作成した感光体上に、実施例7と
同様にして保護層を形成した。得られた感光体を実施例
7と同様にして評価した。
【0098】結果を表4に示す。
【0099】
【表5】
【0100】比較例4及び5 ポリビニルアセタール樹脂の代りにポリエステル樹脂
(商品名:バイロン200、東洋紡製)を用いたことを
除いては実施例1及び6と同様にして感光体を作成し
た。得られた感光体を実施例1及び6と同様にして評価
した。
【0101】結果を表5に示す。
【0102】
【表6】
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高感度
で残留電位も低く、繰り返し使用時にも優れた電子写真
特性を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有す
る電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロック図の例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体 1a 軸 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 転写材
フロントページの続き (72)発明者 山▲崎▼ 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 金丸 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 穴山 秀樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 相野谷 英之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 宮崎 元 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 岸 淳一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 葉波 信之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 酒匂 春海 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層がオキシチタニウムフタロ
    シアニン及び下記式(1) 【外1】 (式中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原
    子、ニトロ基及びシアノ基を示し、Yはフッ素原子、塩
    素原子、臭素原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。)で
    示される構成単位を有するポリビニルアセタール樹脂を
    含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有
    し、該電荷発生層がオキシチタニウムフタロシアニン及
    び式(1)で示される構成単位を有するポリビニルアセ
    タール樹脂を含有する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 オキシチタニウムフタロシアニンがCu
    KαのX線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)
    が9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に
    強いピークを有する結晶形を有する請求項1記載の電子
    写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電子写真感光体、該電子
    写真感光体上に静電潜像を形成する手段、形成した静電
    潜像を現像する手段及び現像した像を転写材に転写する
    手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯
    電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より
    選ばれる少なくともひとつの手段を一体に支持し、かつ
    装置本体に着脱自在であることを特徴とする装置ユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子写真感光体を有する
    電子写真装置、及びリモート端末からの画像情報を受信
    する受信手段を有することを特徴とするファクシミリ。
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